【発明の詳細な説明】
プリン誘導体
本発明は、2位で置換された治療的に活性なN−置換アデノシン誘導体および
その医薬として許容し得る塩、それらの製法並びにアデノシンレセプターを介し
て治療し得る疾患の軽減方法、そのような方法において使用するための化合物お
よび該化合物を含有する医薬組成物に関する。
発明の背景
アデノシンは天然プリンヌクレオシドであり、これからヒトの疾患の治療にお
いて相当なポテンシャルを有するアデノシンレセプターで広範囲のアゴニストが
由来する(Life Sciences,1991,49,1435-1453;Journal of Medicinal Chemi
stry,1992,35,407-422;Annual Reports in Medicinal Chemistry,1993,28
,295-304)。
アデノシンは、哺乳動物の中枢神経系(CNS)に対し多数の意義ある効果を有す
ることが示されてきており(Annual Reports in Medicinal Chemistry,1988,2
3,39-48;Adenosine in the Nervous System,T.W.Stone,Ed.,AcademicPress
Ltd.,London1991)、特にニューロンのストレス状態の下で、ここでは化合物は
内因性神経保護剤として作用しているようである(Progress in Neurobiology,
1988,31,85-108,Trends in Pharmacological Sciences,1992,11,439-445
)。例えば、アデノシンの濃度は一定の脳の領域内で大きく上昇し次いでてんか
ん性発作又はニューロンの虚血/無酸素の状態が実証された(Brain Reseach,1
990,516,248-256)。
今や数年間において以下の内容が確立された;すなわち中枢に作用するアデノ
シンレセプターアゴニスト又はアデノシンレベルを細胞外に増加させる化合物は
いわゆる神経調節剤作用を示すことができる(Trends in Neurosciences,1984
,164-168)。そのような物質は中枢神経系の領域において神経伝達物質の放出
に影響し(Annual Review of Neuroscience,1985,8,103-124;Trends in Neu
rosciences,1984,164-168)、CNS中の剌激性アミノ酸グルタミン酸(グルタメ
ート)の放出に関し特に阻害作用を有し(Nature,1985,316,148-150)、特に
虚血状態のもとでそうである(Journal of Neutrochemistry,1992,58,1683-1
690)。
従って幾つかのCNS疾患があり、これに対しこのアデノシンレセプター介在神
経調節剤作用が明らかに治療的に有利である。これらの例には、痙れん疾患の治
療が含まれるであろう(European Journal of Pharmacology,1991,195,261-2
65;Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,1982,220,70
-76;European Journal of Pharmacology,1993,242,221-228)、脳の無酸素
/虚血の状態での神経変性の予防が含まれ(Neuroscience Letters,1987,83,28
7-293;Stroke,1988,19,1133-1139;Neuroscience,1989,30,451-462;Pha
rmacology of Cerebral Ischaemia 1990,(Kriegelstein,J.and Oberpichler
,H.,Eds.,Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH:Stuttgart,1990,
pp 439-448;Trends in Pharmacological Sciences 1992,11,439-445)、又は
痛みの治療におけるプリナジック(purinergic)剤の使用が含まれる(European
Journal of Pharmacology,1989,162,365-369;Neuroscience Letters,1991
,121,267-270)。
アデノシンレセプターは、プリンヌクレオチドおよびプリンレセプターとして
知られているヌクレチシドレセプターの群のサブクラ
ス(P1)を表わす。このサブクラスは更に2つの明確なレセプタータイプ(A1
およびA2として知られている)に分類分けされてきている。これらの部位で選
択的リガンドを同定するための探索において広範囲の調査がなされてきた。A1
およびA2アデノシンレセプターに対する選択的リガンドの存在並びに種々のリ
ガンドの構造−活性関係が検討された(Biochemical Pharmacology,1986,35,
2467-2481;Comprehensive Medicinal Chemistry,Volume 3,(Hansch,C.,Sa
mmes,P.G.and Taylor,J.B.,Eds.,Pergamon Press PLC:1990,pp 601-642
)。
公知のアデノシンレセプターアゴニストの内で、A2以上のA1レセプターに対
する最も選択的なものは、次の例であり、この例においてアデニン核がアミノ機
能上でシクロアルキル基で置換されており、例えばN−シクロペンチルアデノシ
ン(CPA)およびN−シクロヘキシルアデノシン(CHA)である(Journal of Med
icinal Chemistry,1985,28,1383-1384)or 2-chloro-N-cyclopentyl-adenosi
ne(CCPA)(Naunyn-Schmiedeberg's Arch.Pharmacol.1988,337,687-689)。
種々の例のN−ヘテロアリールアルキル置換A1選択アデノシン類似体が文献
に報告されてきた。以下の内容は注目すべきである;すなわちこれらの幾つかはN
−6又はN6−置換アデノシン誘導体として命名されているが、しかしアメリ
カンケミカルソサイエティ提案の命名と同等であり、アデノシンの6−アミノ位
置上で置換された化合物は、N−置換アデノシン誘導体と称する。
アデノシンレセプターの更にサブタイプA2a,A2b(高および低アフィニティ
の)A3およびA4に細分化する証拠がある。これらのサブタイプの最も新しい状
態が検討された(Journal of Biological Chemistry,1992,267,6451-6454;D
rug Development Researc
h,1993,28,207-213;Trends in Pharmacological Sciences 1993,290-291)
。A3レセプター(Proceedings of the National Academy of Sciences of the
USA,1992,89,7432-7436)は、対照リガンドの心臓血管効果のいくつかに対し
て信頼できるようである(British Journal of Pharmacology,1993,109,3-5
)。
N−チエニルアルキルおよびN−ピリジルアルキルアデノシン誘導体の合成お
よび薬理活性が科学文献に発表された(例えばNucleosides and Nucleotides,1
992,11,1077-1088;Nucleosides and Nucleotides,1991,10,1563-1572;Ca
nadian Journal of Pharmacology,1986,333,313-322)。更に、2−置換N−
ピペリジニルアデノシン誘導体が最近報告された(Bioorganic and Medicinal C
hemistry Letters,1993,3,2661-2666)。
幾つかのN−イミダゾリルアルキルおよびN−インダリルアルキルアデノシン
誘導体が又記載された(Life Sciences,1987,41,2295-3202;Justus Liebigs
Annalen der Chemie 1976,4,745-761;Chemical & Pharmaceutical Bulletin
,1974,22,1410-13,Biochemical Pharmacology,1974,23,2883-2889)。
N−ヘテロアリールアルキル置換基を含むアデノシンの6−アミノのサブリー
ジョン(subregion:小区域)の種々の研究が発表された(Journal of Medicina
l Chemistry 1986,29,989-996;Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharma
cology,1986,333,313-322;Biochemical Pharmacology,1986,35,2467-248
1)。
N−ヘテロアリールアルキル置換基の範囲を有する改質アデノシン誘導体の例
は、幾つかの特許に特許出願において権利要求されている。例えば、ヨーロッパ
特許(EP)02328l3A2はN−ヘテロアリールシクロアルキルメチルアデノシンを
含み、これは明らかに鎮痛剤、抗精神病薬、鎮静剤、抗高圧剤および抗アレルギ
ー剤として有用
である。
米国(US)特許4,600,707は、N−ベンゾチエニルアデノシンおよび対応する
N−オキシドおよびS−オキシドを抗精神病薬として開示する。
国際公開(WO)8504882において、N−ヘテロアリールエチルアデノシンが心
臓血管拡張薬として権利要求されている。N−ヘテロアリールアルキルアデノシ
ン化合物を含む幾つかの同様の類似体が次の公報、ドイツ公開公報2147314、ド
イツ公開公報2139107、ヨーロッパ特許公開0423776A2、ヨーロッパ特許公開0423
777A2、米国特許4,340,730および米国特許1,164,580に含まれているが、CNSに対
する潜在的薬理作用については言及されていない。
PCTの国際公開9205177および米国特許3,901,876は血圧降下作用を有するN
−置換アデノシン誘導体を開示しているが、いずれもプリンの2−位で更に置換
されていない。
中枢神経保護薬としてアデノシンレセプターアゴニストの利用は次に特許およ
び特許公報に記載されている:WO 90/05526,EP 04908l8Al,US 5,187,162,EP
526866Al,US 5,219,839,WO 93/08206,WO 93/23417およびWO 93/23418。
本発明は試験管内でアデノシンA1レセプターに対し強力な結合を有しそして
同時にA2レセプターサブタイプのそれよりも試験管内で結合するA1レセプター
に対する選択性(方法記載に対し、European Journal of Pharmacology,1993,
242,221-228参照)を示す新規なアデノシン類似体に関する。加えて、本発明に
含まれる化合物は特に6−アミノ基上で又はプリン2位で置換されていないアデ
ノシン類似体に比較すると、比較的高い親油性を有する。この後者の性質は血液
の脳のバリヤーを横切る通路に対しこれらの化合物を適当ならしめそして本化合
物が本発明で述べたCNSおよび他の疾
患に対する候補薬であることを支持する。
幾つかの化合物が血液の脳のバリヤーに横切るヌクレオシド−特異性活性輸送
システムに対し基体となりうることの可能性は、しかし排除されない。これらの
有用な性質は、本化合物がヒトにおける前記のCNS疾患に対する候補薬となるで
あろう。しかし次の例がある;すなわち末梢に活性のアデノシンレセプターアン
タゴニストの同時投与は、アデノシンアゴニストが哺乳動物モデルにおいて神経
保護薬として用いられるとき心臓血管系に対し予期した用量関連副作用を低下で
きることが実証された(Journal of Molecular Neuroscience,1990,2,53-59
)。
潜在的副作用を低下する方法も又、本発明によってカバーされるアデノシンレ
セプターアゴニストの治療的使用において適用できる。
本発明は又、前記アデノシン誘導体の潜在的プロドラッグをカバーする。プロ
ドラッグとして有用性が見出すことのできるアデノシン糖部分エステルは本明細
書中に例示される。本発明は次式(I)のプリン誘導体、又はその医薬として許
容し得る塩である:
前記式中、Xはハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、C1−C6
アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、シアノ、C1−C6ア
ルキルアミノ又はジ−C1−C6アルキルアミノであり;
R1はH、又は直鎖もしくは分枝C1−C6アルキル又はトリフルオロメチルであ
り;
R4はH又は直鎖もしくは分枝C1−C6アルキルであり;又はR1およびR4は共
に一緒になってシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成し;
YはO,S,SO2,N−H又はN−アルキルであり;
R5は次式(XI)又は(XII):
(式中、Aは−NH−,−O−又は−S−であり、
Bは−CH−又は−NH−であり;
Cは−CH-又は−N−である)
で表わされる基であり、これは所望によりR8(これはH、フェニル、C1-6ア
ルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ヒドロキシ、C1−C6アルコキシ、シア
ノ又はハロゲン)により置換されることができる;
R6は水素、ベンゾイル又はC1−C6アルカノイルであり、そして
R7は水素、ベンゾイル又はC1−C6アルカノイルである。
幾つかの例において、次の基
は、これらのアデノシンアゴニストのリボース部分にすでに存在するこれらの不
斉中心に加えて1個以上の不斉炭素原子を有することができる。
本発明に係る化合物には生理学的に許容できる種々の塩が含まれる。これらは
無機又は有機酸から誘導される付加塩、例えばアセテート、フマレート、グルタ
レート、グルタコネート、塩酸塩、ラクテート、マレート、メタンスルホネート
、ホスフェート、サリシレート、スクシネート、スルフェート、スルファメート
、タートレートおよびp−トルエンスルホネートが含まれる。いくつかの場合、
遊離ヌクレオシド又は酸付加塩の溶媒和物が単離できそしてこれらの溶媒和物は
、例えばヒドレート又はアルコレートであってよい。
本発明に係る化合物は例えば次の化合物である:
〔1S,トランス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロブ
チル〕−2−クロロアデノシン、
〔1R,トランス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロブ
チル〕−2−クロロアデノシン、
〔1S,シス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロブチル
〕−2−クロロアデノシン、
〔1R,シス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロブチル
〕−2−クロロアデノシン、
〔1S,トランス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロヘ
キシル〕−2−クロロアデノシン、
〔1R,トランス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ
〕シクロヘキシル〕−2−クロロアデノシン、
〔1S,シス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロヘキシ
ル〕−2−クロロアデノシン、
〔1R,シス〕−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロヘキシ
ル〕−2−クロロアデノシン、
N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−メト
キシアデノシン、
N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)オキシ−2−プロピル〕−2−ク
ロロアデノシン又は
2−クロロ−N−〔(R)−1−(6−ヒドロキシ−2−ベンゾチアゾリル)チ
オ−2−プロピル〕アデノシン。
アデノシンレセプターアゴニストとして作用する式Iの化合物はヒトにおける
中枢神経系の状態、例えば不安、ニューロンの虚血/無酸素、痙れん疾患(f.in
st.てんかん)および神経退化(パーキンソン病を含む)の治療において有用で
あることが動物モデルの観察から期待できる。これは、脳の領域へ血液が、例え
ば外傷性頭の損傷、心臓停止および発作中に中断される疾患の治療を含む。
更に、式Iの化合物はプラスマ遊離脂肪酸レベルを低下させることにおける鎮
痛薬として又は例えば心筋虚血の治療における心臓血管薬として有用であること
が期待される。
本発明は又前記化合物の製法にも関する。これらの方法は次の方法を含んでな
る:方法A
式Iの化合物は、式III(式中、Lは脱離基例えばハロゲン原子(例えば塩素
又は臭素原子)又はトリメチルシリルオキシ基であり、R2およびR3は同一でも
異っていてもよく、水素又は保護基例えばベンゾイル−、p−トルオイル−、C1-6
アルカノイル−(例え
ばアセチル−)、2,3−O−(1−メチル)−エチリデン基又は置換シリル基
(例えばトリメチルシリル又はt−ブチルジメチルシリル基(記載に対しNuclei
c Acid Chemistry,Townsend L.B.and Tipson,R.S.,eds.,John Wiley and
Sons Inc.,1986,3.and earlier volumesを参照)である)の物質を公知方法
(例えばWO 93/08206およびWO 93/23416参照)によって合成された式IIIのア
ミン誘導体と反応させ反応生成物として式IVの化合物を得ることによって製造で
きる。
R2およびR3が水素でない場合には、追加の工程が式IVの化合物から保護基を
除去するため必要となろう;基R2およびR3が例えばC1-6ルカノイル−又はベ
ンゾイル−であるとき、脱保護の適当な条件はメタノール性アンモニア、メタノ
ール中のアルカリ金属カーボネート、対応するアルコール中のアルカリ金属アル
コキシ
ドである。保護基が例えばアルキルシリコン又はアリールシリコン誘導体である
場合、適当な保護方法には、例えばフッ化テトラアルキルアンモニウム又は酸も
しくは塩基の存在下水性加水分解が含まれる。方法B
式I(式中、Xは−NH−R9,S−R9又は−O−R9を表わし、ここでR9はC1-6
アルキルである)の化合物は、式V(式中、Lは方法Aで定義した脱離基で
ある)の化合物を求核剤、例えばC1-6アルキルアミノ(所望により適当な塩基
の存在下)と反応させるか、又はアニオン(C1-6アルコキシド又はC1-6チオア
ルコキシド)と反応させ式IVの化合物を得ることによって製造できる。
R2およびR3が水素である場合、式Iの化合物は直接得ることができる。しか
し、R2およびR3が水素でない場合、式IVの化合
物から保護基例えばC1-6アルカノイル−又はベンゾイル−を除去するための追
加の工程が含まれるであろう;保護基の除去の条件の例は方法(A)に示してい
る。アニオン(C1-6アルコキシド又はC1-6チオアルコキシド)による式V(こ
こで、R2およびR2は例えばC1-6アルカノイル−又はベンゾイル−である)の
化合物の求核置換を含む幾つかの反応において、部分又は完全な脱保護が生起す
る、脱保護は方法(A)で例示した条件下で完結される。方法C
式Iの化合物は、式IV(式中、Bは
を表わすか、又はLは先に定義した意味である)の化合物をジアゾ化剤(例えば
、3−メチルブチルニトリット)と反応させジアゾ−中間体を形成しこれは更に
基−Xを式VIIの化合物に導入するため以下に例示される如く多様の物質(例え
ばクロロホルム、テトラクロロエタン、トリメチルシリルクロリド、ブロモホル
ム又はフルオロホウ酸)と反応させて得ることができる。
Bが脱離基Lを表わす場合、例えば式IIIの化合物との更なる置換反応が、式I
Vの化合物を得るため必要とされるであろう。基R2およびR3が水素でない場合
、又は全てが水素でない場合、もう一つの工程が、式IVの化合物から保護基を除
去するため必要となろう;保護基の除去の条件は方法Aで示す。
式I(式中、R6およびR7はC1-6アルカノイル−又はベンゾイル−である)
の化合物は、式IVおよび式VII(式中、R2およびR3はC1-6ルカノイル−又はベ
ンゾイル−を表わす)の化合物の如く方法A−Cに従って得られる。R2および
R3がR6およびR7と異なる場合、R2およびR3は水素、C1-6−アルカノイル−
又はベンゾイル−により公知方法に従って置換できる。
試験管内のアデノシンレセプター結合の評価方法は検討されてきた〔Adenosin
e Receptors,(Cooper,D.M.F.and Londos,C.,eds.)Alan R.Liss,Inc.,N
ew York,1988,43-62〕。
確立された動物モデルにおいてこれらの化合物の評価は、本発明の化合物が、
望ましい中枢神経系作用を有することを示した。例えば、本化合物は抗けいれん
薬として作用し、痛みを有する動物において有効でありそして剌激された大脳虚
血を受けた動物実験において大脳保護効果を有する。加えて、本化合物は大脳浮
腫および外傷性頭部損傷の場合において神経保護薬としてそして心筋虚血におい
て保護薬として有効である。
アデノシンA1およびA2レセプターに対する生体内結合の評価
アデノシンA1レセプターに対する本発明の新規化合物の親和性は、ラジオリ
ガンド(radioligand)として〔3H〕−(R)−PIA〔N−(R)−(1−フェ
ニル−2−プロピル)アデノシン〕を用い本質的に文献記載の如く測定した(Na
unyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology,1980,313,179-187)。A2
レセプターに対する親和性はラジオリガンド〔3H〕−CGS 21680(European Jour
nal of Pharmacology,1989,168,243-246)を用いて測定し、そして代表的化
合物に対する値(1回測定のみ)を下記の表に示す。参照標準CPAおよび(R)
−PIAに対して得られた試験管内レセプタ−結合値を比較のため示す。用いた方
法は、European Journal of Pharmacology,1993,242,221-228に完全に記載さ
れている。
マウスにおけるDMCM誘発発作、I.P.30分
DMCM(メチル6,7−ジメトキシ−4−エチル−β−カルボリン−3−カルボ
キシレート)は、ベンゾジアゼピンレセプターで逆アゴニストであり、恐らくGA
BAレセプター/ベンゾジアゼピンレセプター/クロリドイオノホア錯体の阻害力
を減少させることによって発作を生ぜしめるであろう。
方法
0.02N HCl(1mg/ml)に溶解したl8mg/kgのDMCMを、体重20±
2gの雄NMRIマウスに300μlの容量で腹腔内投与する。これは、2種の異なる
応答を誘発する:a)幾匹かの動物は立直り反射の短い損失を示すか、又は立直
り位置をとりここにおいて動物は前方四肢の軽く短い間代性けいれんを有する、
b)他の動物は全ての四肢の強く間代性のかつ強直性のけいれんを示しそしてし
ばしばその後死亡する。DMCMを、試験化合物の腹腔内注入30分後に投与する。強
く間代性のかつ強直性のけいれんの出現までの潜伏時間を、DMCMの投与後15分ま
で記録する。各試験化合物の少なくとも5回用量を、用量当たり8匹のマウスに
ついて試験する。この方法は、European Journal of Pharmacology,1993,242
,221-228により詳しく述ベられている。
本発明の化合物を試験して得られた結果を表1に示す。
本発明の化合物は、通常の補助薬、担体、又は希釈剤、および所望によりその
医薬として許容され得る酸付加塩の形で、医薬組成物およびその単位用量の形態
にすることができ、そしてそのような形
態において固体として、例えば錠剤又は充填カプセル、又は液体、例えば溶液、
懸濁液、エマルション、エリキシル剤又はそれらを充填したカプセル(全て経口
投与のため)、直腸投与に対し坐剤の形態で;又は非経口使用(皮下投与および
注入を含む)に対し殺菌した注射可能な溶液の形態で用いることができる。この
ような医薬組成物およびその単位用量形態は、追加の活性化合物又は要素と共に
又はそれらなしで、通常の成分を通常の割合で含むことができ、そしてそのよう
な単位用量形態は、用いられるべき意図される日用量の範囲に適した、任意の適
当に有効な量のアデノシンレセプターアゴニストを含有できる。錠剤当たり、活
性成分1Omg、又はそれ以上、10〜l00mgを含有する錠剤は、従って適当な代表的
単位用量形態である。
従って、本発明の化合物はガレン製薬に従って、ヒトを含む哺乳動物に対し例
えば経口又は非経口投与のための医薬製剤に対して使用できる。
通常の賦形剤は、活性物質とは有害に反応しない非経口又は経腸投与に適した
そのような医薬として許容し得る有機又は無機担体物質である。
そのような担体の例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、
ポリヒドロキシエトキシル化ひまし油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリ
セリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロースお
よびポリビニルピロリドンである。
医薬製剤は殺菌されそして必要により補助剤、乳化剤、浸透圧調節用塩、緩衝
剤および/又は着色物質等(これらは活性物性と有害に反応しない)と混合され
る。
非経口投与に対し、注入可能な溶液又は懸濁液が特に好ましく、ポリヒドロキ
シル化ひまし油に溶解した活性化合物を有する水性溶液が好ましい。
アンプル剤は好都合な単位用量形態である。タルクおよび/又は炭水化物担体
又は結合剤等を有する錠剤、糖剤、又はカプセル剤(担体は好ましくはラクトー
スおよび/又はコーンスターチおよび/又はじゃがいもデンプンである)は、経
口投与に対して特に適している。シロップ、エリキシル剤等も甘味ビヒクルが用
いられる場合に使用できる。
一般に、本発明の化合物は、単位用量当たり医薬として許容し得る担体中に0.
05−100mgを含んでなる単位形態で分散される。
本発明に係る化合物の用量は、薬として患者、例えばヒトに投与した場合、0.
1−300mg/日、好ましくは10−100mg/日である。
通常のタブレット技術により製造できる典型的錠剤は以下の成分を含有する。
活性化合物 5.0mg
ラクトロサム(Lactosum) 67.0mg Ph.Eur.
アゼヒル(商標) 31.4mg
アンバーライト(商標)IRP 88 1.0mg
マグネシーステアラス(Magnesii stearas) 0.25mg Ph.Eur.
痛みおよび痙れん疾患に対するそれらの活性並びに無酸素/虚血状態下神経退
化の予防の結果、本発明の化合物は、本発明化合物のアゴニスト活性に対して有
効な量を投与するとき、哺乳動物における関連した症状の治療において極めて有
用である。本発明の化合物は、アデノシンレセプターアゴニストを必要とする、
ヒトを含む被験者、例えば生ている動物体に投与でき、そして所望によりその医
薬として許容し得る酸付加塩の形態で(例えば臭化水素、塩化水素
又はスルフェート、通常の又は常法で製造される場合、例えば、酸と共に溶液中
遊離塩基の蒸発乾固)、通用の、同時の、又は医薬として許容し得る担体又は希
釈剤と共に、特にそして好ましくはその医薬組成物の形で、経口、直腸の、又は
非経口(皮下を含む)投与により、アデノシンレセプターアゴニストの有効量で
そしていかなる場合も無酸素、外傷性損傷、虚血、片頭痛又は他の痛みの症状、
てんかん又はそれらのアデノシンレセプターアゴニスト活性による神経退化に有
効な量で投与できる。適当な用量範囲は1日当たり1−200mg、1日当たり10−1
00mg、そして特に1日当たり5−50mgであり、これらの用量はそれが投与される
投与の正確な形態、投与が意図される適用、投与される被験者および被験者の体
重および担当の医師又は獣医の好みと経験に依存する。
式Iの化合物の製法を以下の実施例について更に説明する。
以下、TLCは薄層クロマトグラフィーであり、THFはテトラヒドロフランであり
m.p.は融点である。融点が与えられる場合これらは逆修正されていない。化合物
の構造は、400MHz NMRスペクトル(これから代表的ピークを採用する)の帰属に
よりおよび適当な場合微量分析により確認される。出発物質として用いられる化
合物は、公知化合物であるか又は自体公知方法により製造できる。カラムクロマ
トグラフィーを、Still,W.C.et al.,Journal of 0rganic Chemistry,1978,
43,2923 on Merck silica gel 60(Art 9385)に記載される技術を用いて行っ
た。HPLCはシステムモデルを介して逆相C18カラム(250×4mm、5μm、100Å
、溶離液の流速1ml/分)に対するWatters 490多波長検出機に連がれたWatters
モデル510クロマトグラフィーについて行った。保持時間は分で与えられる。
例1 2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−チアゾリル)チオ−2−プ ロピル〕アデノシン
表題化合物を一般方法Aに従って製造した。2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル−2−クロロ−N−〔(R)−1−( チアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシン
2−〔(R)−N−第三−ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノー
ル(4.0g、23mmol)、2−メルカプトチアゾール(2.9g、25mmol)および窒素
雰囲気下乾燥トルエン(50ml)中のトリフェニルホスフィン(7.3g、28mmol)
の懸濁液に、乾燥トルエン(30ml)を溶解したジイソプロピルアゾカルボキシレ
ート(4.9g、28mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を20℃で40時間撹拌し次
いで濾過した。濾液を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製前に蒸発させ
オイルとした。ヘプタンおよび酢酸エチル(3:2)の混合物で溶出し、オイル
として2−〔2−(R)−第三ブチルオキシカルボニルアミノ−1−プロピルチ
ロ〕−チアゾール(3.0g、48%)を得た、TLC Rf0.33〔ヘプタン/酢酸エチル
(3:2)〕。
2−〔2−(R)−第三ブチルオキシカルボニルアミノ−1−プロピルチオ〕
チアゾール(3.0g、11mmol)を酢酸エチル(30ml)に溶解し次いで乾燥酢酸エ
チル(15ml)に溶解した塩酸6N溶液を加えた。室温で20時間後、反応混合物を
濾過し、吸湿性の明白な二塩酸塩(2.3g)として粗製2−〔(R)−2−アミ
ノプロピル−1−プロピルチオ〕チアゾールを得た。
乾燥ジオキサン(50ml)に溶解した9−(2,3,5−トリ−O−ベンゾイル
−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.5g、2.4mm
ol)の溶液に、前記2−〔(R)−2−アミノプロピル−1−プロピルチオ〕チ
アゾリル二塩酸塩(1.5g、7.1mmol)およびトリエチルアミン(0.78g、7.7mmo
l)を20℃で導入した。50℃で40時間撹拌後、反応混合物を濃縮し黄色オイルと
し、こ
れをヘキサンおよび酢酸エチル(1:1)の混合物を用いフラッシュクロマトグ
ラフィーで溶出して精製し表題化合物2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル
−2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−チアゾリル)チオ−2−プロピル〕ア
デノシン(1.2g、63%)をフォームとして得た、TLC Rf 0.19〔SiO2;ヘプタン
/酢酸エチル(1:1)〕。
2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−チアゾリル)チオ−2−プロピル)〕 アデノシン
2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル−2−クロロ−N−〔(R)−(2
−チアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(1.2g、1.5mmol)を、メタノ
ール性アンモニア(25ml)(予じめ−10℃で飽和)に溶解し次いで20℃で40時間
撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮してオイルとし次いでジクロロメタン、エ
タノールおよびアンモニア(90:10:1)の混合物を用いてフラッシュクロマト
グラフィーによる溶出により精製し、フォームとして表題化合物2−クロロ−N
−〔(R)−1−(2−チアゾリル)チオ−2−プロピル)〕アデノシン(0.32
g、46%)を得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.31(3H,d,CHCH 3),3.95(1H,q,H-4
′),4.12(1H,q,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),5.07(1H,t,5′-OH),5.22
,5.50(2H,2d,2′−および3′-OH),5.82(1H,d,H-1′),7.63(1H,d,Ar-H)
,7.72(1H,d,Ar-H),8.41(1H,s,H-8),8.48(1H,d,N-H)。
Cl6H19CIN6O4S2.H2O理論値 C,41.1;H,4.3;N,18.0。測定値:C,41.2;H,
4.3;N,17.4%。
例2 2−クロロ−N−〔(R)−1−(1−メチル−2−イミダゾリル)チオ−2− プロピル〕アデノシン
表題化合物を、例1で記載した如く方法Aに従い、(R)−1−
(1−メチル−2−イミダゾリル)チオ−2−プロピルアミン塩酸塩〔2メルカ
プト−1−メチルイミダゾール(3.31g、29mmol)および2−〔(R)−N−第
三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(5.08g、29mmol)から
例1で記載した方法と同じ方法を用い引き続き酸性加水分解により調製〕(2.30
g、11.1mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラ
ノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(2.46g、5.5mmol)と反応させ、
次いでメタノール性アンモニアを用い精製物の脱ベンゾイル化によって調製した
。これはカラムクロマトグラフィー後フォームとして表題化合物2−クロロ−N
−〔(R)−1−メチル−2−イミダゾリル−チオ−2−プロピル〕アデノシン
(l.1g、43%)を与えた。1HNMR(DMSO-d6)δ1.28(3H,d,-CHCH 3),3.53-3.60
(1H,m,H-5′a),3.63-3.70(1H,m,H-5′b),3.95(1H,q,H-4′),4.13(1H,
q,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2
′-および3′-OH),5.82(1H,d,H-l′),6.92(1H,s,Ar-H),7.20(1H,s,Ar-
H),8.40(1H,s,H-8),8.55(1H,s,N-H)。HPLC保持時間19.3分〔公配溶出、2
0−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C17H22CIN7O4S.1.0H2O 理論値 C,43.1;H,5.1;N,20.7。測定値:C,43.4;
H,5.0;N,20.7%。
例3 2−クロロ−N−{(R)−1−〔5−メチルー(1,3,4−チアジアゾール −2−イル)〕チオ−2−プロピル}−アデノシン
表題化合物を、例1で記載した如き方法Aに従って、2−〔(R)−2−アミ
ノ−1−プロピルチオ〕−5−メチル−〔1,3,4〕−チアジアゾール塩酸塩
〔メタンスルホン酸、2−〔(R)−N−第三ブチルオキシカルボニルアミノ〕
−1−プロピルエステル(
3.04g、12mmol)を用い、2−メルカプト−5−メチルー(1,3,4)−チア
ジアゾール(1.32g、10mmol)をアルキル化し次いで酸性加水分解により調製〕
(1.01g、4.47mmol)を、9−(2,3, 5−トリ−O−ベンゾイル−β−D
−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(2.36g、3.73mmol)と
反応させ、次いでメタノール性アンモニアを用い精製物の脱ベンゾイル化を行う
ことによって調製する。これはカラムクロマトグラフィー後フォームとして表題
化合物2−クロロ−N−{(R)−1−メチル−(1,3,4−トリアゾール−
2−イル)〕チオ−2−プロピル}アデノシン(0.94g、53%)を与える。1H N
MR(DMSO-d6)δ1.35(3H,d,-CHCH 3),2.67(3H,s,-CH3),3.53-3.61(2H,m,H
-5′aおよびH-5′b),3.96(1H,q,H-4),4.14(1H,q,H-3′),4.52(1H,q,H-
2′),5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(
1H,d,H-1′),8.33-8.46(2H,m,H-8および-NH)。HPLC保持時間9.9分〔公配溶
出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例4 N−〔(R)−1−(2−ベンゾオキサゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−ク ロロアデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−アミノ−1
−プロピルチオ〕ベンゾオキサゾール塩酸塩〔メタンスルホン酸、2−〔(R)
−N−第三ブチルオキシカルボニルアミノ〕−1−プロピルエステル(7.2g、
30mmol)をアルキル化し次いで酸性加水分解によって調製する)(1.7g、6mmol
)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2
,6−ジクロロ−9Hプリン(2.7g、6.0mmol)と反応させ、次いでメタノール
中のナトリウムメトキシドを用い精製物を脱アシル化する
ことにより調製する。これはカラムクロマトグラフィー後フォームとして表題化
合物N−〔(R)−1−(2−ベンゾオキサゾリル)チオ−2−プロピル〕−2
−クロロアデノシン(0.37g、28%)を与える。1HNMR(DMSO-d6)δ1.38(3H,d
,-CHCH 3),3.40-3.75(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.94(1H,q,H
-4),4.12(1H,q,H-3′),4.52(1H,m,H-2′),5.06(1H,t,5′-OH),5.22
,5.49(2H,2d,2′-および3′-OH),5.82(1H,d,H-1′),7.26-7.35(2H,m,Ar
-H),7.53-7.64(2H,m,Ar-H),8.39(1H,s,H-8),8.48(1H,d,-NH)。
C20H2lCIN6O5S.0.25EtOH 理論値 C,48.8;H,4.5;N,16.6。
測定値:C,48.6;H,4.5;N,16.5%。
例5 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−クロ ロアデノシン
表題化合物を、例1で記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩〔2−〔(R)−N−第三ブチル
オキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(2.5g、14mmol)および2−メ
ルカプトベンゾチアゾール(2.3g、14mmol)を用い例1で記載した如きミツノ
ブ反応を用い次いで酸性加水分解することにより調製〕を、9−(2,3,5−
トリ−O−ベンゾイル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−
プリン(2.8g、4.5mmol)と反応させ、次いでメタノール性アンモニア(200ml
)(予じめ−10℃で飽和)中で精製された2′,3′,5′−トリ−O−ベン
ゾイル−2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−
プロピル〕アデノシンを脱ベンゾイル化して表題化合物2−クロロ−N−〔(R
)−1−(2)−ベンゾチアゾリルチオ−2−プロピル〕アデノシン(1.05g、
24%)(カラムクロマトグラフィーによる)を得ることによって調製する;1H N
MR(DMSO-d6)δ1.38(3H,d,-CHCH 3),3.50-3.68(4H,m,H-5′aおよびH-5′bお
よび-CH2-),3.95(1H,d,H-4′),4.12(1H,d,H-3′),4.51(1H,q,H-2′)
,5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(1H,d,
H-1′),7.34,7.45(2H,2t,Ar-H),7.85,7.98(2H,2d,Ar-H),8.40(1H,s,
H-8),8.53(1H,d,N-H)。HPLC保持時間16.6分〔公配溶出、20−80%アセトニ
トリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C20H21CIN6O4S2.0.5EtOH 理論値 C,47.4;H,4.5;N,15.8。
測定値:C,47.3;H,4.5;N,15.8%。
例6 N−〔(S)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−クロ ロアデノシン
表題化合物を、例1で記載した如く方法Aに従い、2〔(S)−2−アミノ−
1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩〔2−〔(S)−N−第三ブチルオ
キシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(3.5g、20mmol)および2−メル
カプトベンゾチアゾール(3.35g、20mmol)を用い例1でのべた如きミツノブ反
応により次いで酸性加水分解により調製〕を、9−(2,3,5−トリ−O−ベ
ンゾイル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(2.8
g、 4.5mmol)と反応させ、次いでメタノール中のナトリウムメトキシドを用い
精製された2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル−2−クロロ−N−〔(S
)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシンの脱ベンゾ
イル化を行ない表題化合物2−クロロ−N−〔(S)−1−(2−ベンゾチアゾ
リル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(0.88g、 49%)(カラムクロマトグ
ラフィーのあとで)を得ることにより調製する1H NMR(DMSO-d
6
)δ1.38(3H,d,-CHCH 3),3.50-3.68(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-
),3.95(1H,d,H-4′),4.12(1H,d,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),5.07(1H
,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(1H,d,H-1′),7
.34,7.45(2H,2t,Ar-H),7.85,7.98(2H,2d,Ar-H),8.40(1H,s,H-8),8.5
2(1H,s,N-H)。HPLC保持時間20.1分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水
(0.1%TFAを含有)〕。
C20H21CIN6O4S2.1.5H2O 理論値 C,44.8;H,4.5;N,15.7。
測定値:C,44.9;H,4.1;N,15.2%。
例7 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−ブロ モアデノシン
表題化合物を、例1で記載した如き方法Aに従い、2〔(R)−2−アミノ−
1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩(例5で述べた如く調製)(1.07g
)3.6mmol)を、2−ブロモ−9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−
リボフラノシル)−6−クロロ−9H−プリン(WO 93/08206;Bioorganic and
Medicinal Chemistry Letters,1993,3,2661-2666参照)(1.48g、3.0mmol
)と反応させ、次いでメタノール中のナトリウムメトキシドを用い精製された2
′,3′,5′−トリ−O−アセチル−2−ブロモ−N−〔(R)−1−(2−
ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシンを脱アシル化し、フォーム
(カラムクロマトグラフィーのあとで)として表題化合物N−〔(R)−1−(
2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロリル〕−2−ブロモアデノシン(0.20g
、14%)を得ることにより調製する;1H NMR(DMSO-d6)δ1.38(3H,d,-CHCH 3)
,3.50-3.77(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.94(1H,d,H-4′),4
.12(1H,d,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),4.70(1H,
m,-CHCH3),5.05(1H,t,5′-OH),5.22,5.49(2H,2d,2′-および3′-OH),5
.83(1H,d,H-1′),7.36,7.46(2H,2t,Ar-H),7.86,7.99(2H,2d,Ar-H),8.
40(1H,s,H-8)。HPLC保持時間6.74分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水
(0.1%TFAを含有)〕。
C20H21N6BrO4S2.0.1H2O 理論値 C,43.3;H,3.8;N,15.1。
測定値:C,43.7;H,4.3;N,14.7%。
例8 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−メチ ルアデノシン
表題化合物を、例1で記載した如く方法Aに従い、2〔(R)−ベ−アミノ−
1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩(例5で示した如く調製)(0.89g
、3.0mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノ
シル)−6−クロロ−2−メチル−9H−プリン(1.07g、2.5mmol〔2−メチ
ルリノシン(Journol of Organic Chemistry,1967,32,3258-3260)から標準
アシル化および塩素化工程によって調製)を反応させることにより調製した。メ
タノール中のナトリウムメトキシドを用い、精製された2′,3′,5′−トリ
−O−アセチル−N−〔R−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル
〕−2−メチルアデノシンの脱アシル化により回収のN−〔(R)−1−(2−
ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−メチルアデノシン(0.28g、11
%)(カラムクロマトグラフィーのあと)を得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.40(3
H,d,-CHCH 3),2.30(3H,s,-CH3),3.50-3.77(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよ
び-CH2-),3.98(1H,d,H-4′),4.13(1H,d,H-3′),4.63(1H,q,H-2′),4
.86(1H,br,-CHCH3),5.19,5.42(2H,2d,2′-および3′-OH),5.70(1H,t,5
′-OH),5.85(1H,d,H-1′),7.36,7.47(2H,2t,Ar-H),7.80-7.96(2H,m,A
r-H)8.0(1H,s,N-H),
8.26(1H,s,H-8),8.52(1H,s,N-H).HPLC保持時間22.4分〔公配溶出、20−
80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C21H24N6O4S2.H2O 理論値 C,49.8;H,4.8;N,16.6.測定値:C,49.9;H,5.
1;N,16.4%.
例9 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−メチ ルチオアデノシン
表題化合物を、方法Aに従って調製した。9−(2,3,5−トリ−O−アセ
チル−β−D−リボフラノシル)−2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン(Nu
cleic Acid Chemistry,Townsend L.B.and Tipson,R.S.,eds.,John Wiley an
d Sons Inc.,1986,3,144)(4.0g、9.3mmol)をアセトニトリルに溶解した
。イソアミルニトリル(10.84g、93mmol)を導入し、次いでメチルジスルフィ
ド(4.14ml,46mmol)を導入し次いで反応混合物を油浴温度100℃で2時間加熱
した。発生したガスを次亜塩素酸塩スクラバーを用い酸化させた。反応混合物を
冷却し、蒸発させそしてシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより
精製した。最初にジクロロメタンを用いて溶出し、次いでジクロロメタン/メタ
ノール(100:1)により溶出し、フォームとして9−(2,3,5−トリ−O−
アセチル−β−D−リボフラノシル)−6−クロロ−2−メチルチオ−9H−プ
リン(3.1g、71%)を得た;1H NMR(CDCl3)δ2.12,2.14,2.18(9H,3s,2′,
3′および5′-O-アセチル(CH3),2.66(3H,s,-SCH3),4.28-4.51(3H,m,H-5
′a,H-5′bおよびH-4′),5.66(1H,t,H-3′),6.0(1H,t,H-2′),6.13(1,
d,H-1′),8.11(1H,s,H-8).
上記9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−6
−クロロ−2−メチルチオ−9H−プリン(0.5g、 1.
1mmol)を(例5でのべた手順により)2−〔(R)−2−アミノ−1−プロピ
ル−チオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩(0.5g、 1.5mmol)と反応させ、次いでメ
タノール性アンモニア(200ml)(予じめ−10℃で飽和)を用い精製された2′
,3′,5′−トリ−O−アセチル−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリ
ル)チオ−2−プロピル〕−2−メチルチオアデノシン(0.085g、16%)をフ
ォーム(カラムクロマトグラフィーのあとで)として得た;1H NMR(DMSO-d6)
δ1.39(3H,d,-CHCH 3),2.31(3H,s,-SCH 3),3.46-3.71(4H,m,H-5′aおよびH
-5′bおよび-CH2),3.92(1H,q,H-4′),4.14(1H,q,H-3′),4.60(1H,q,H-
2′),4.70-4.91(1H,m,-CH),5.05(1H,t,5′-OH),5.22,5.45(2H,2d,2′
−および3′-OH),5.83(1H,d,H-1′),7.31-7.53(2H,m,Ar-H),7.84,8.0
(2H,2d,Ar-H),8.10(1H,d,N-H),8.25(1H,s,H-8).
例10 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−(ジ メチルアミノ)アデノシン
表題化合物を、方法Bに従い、N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)
チオ−2−プロピル〕−2−クロロアデノシン(1.02g、2.0mmol)(例5)を
ジメチルホルムアルデヒド(10ml)中で反応させることによりフォーム(カラム
クロマトグラフィーのあとで)として目的のN−〔(R)−1−(2−ベンゾチ
アゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−(ジメチルアミノ)−アデノシン(0.12
g、12%)を得る;1H NMR(DMSO-d6)δ1.38(3H,d,-CHCH 3),2.92(6H,s,-N
(CH 3)2),3.40-3.72(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.88(1H,q,
H-4′),4.15(1H,q,H-3′),4.65(1H,q,H-2′),4.72-4.85(1H,m,-CH-),
4.89(1H,t,5′-OH),5.14,5.36(2H,2d,2′-および3′-OH),5.75(1H,d,H-
1′),7.35,7.46(2H,2t,A
r-H),7.50(1H,d,N-H),7.84,7.99(2H,2d,Ar-H),7.94(1H,s,H-8).HPL
C保持時間16.8分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.l%TFAを含有)
〕。
C22H26N7O4S2.0.5H2O 理論値 C,50.2;H,5.2;N,18.6.測定値:C,50.5;H
,5.7;N,18.2%.
例11 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−(エ チルアミノ)アデノシン
表題化合物を、方法Bに従い、N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)
チオ−2−プロピル〕−2−ブロモアデノシン(例7)(0.24g、0.35mmol)を
、ジオキサン(10ml)に溶解した70%w/wの水性エチルアミン(0.23g)と10
0℃の密閉容器中で反応させフォーム(カラムクロマトグラフィーのあとで)と
して目的のN−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕
−2−(エチルアミノ)アデノシンを得る;1H NMR(DMSO-d6)δ1.04(3H,br t,-
NCH2CH 3),1.42(3H,d,-CHCH 3),3.20(3H,br m,-NCH 2CH 3),3.55-3.80(4H,
m,H-5′aおよびH-5′b,および-CH2-),3.95(1H,q,H-4′),4.15(1H,q,H-3
′),5.16,5.41(2H,2d,2′-および3′-OH),5.79(1H,d,H-1′),6.22(1
H,t,-NHCH2CH3),7.43,7.54(2H,2t,Ar-H),7.98(1H,s,H-8).HPLC保持時間
17.0分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例12 2−アミノ−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル 〕アデノシン
表題化合物を、例1に示した如き方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ−
1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール塩酸塩(例5で記載した如く調製)(7.13
g、24mmol)を、2−アミノ−9−(2
,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−6−クロロ−9H
−プロリン(Nucleic Acid Chemistry,Townsend L.B.and Tipson,R.S.,eds.
,John Wiley and Sons Inc.,1986,3,144)(8.56g、20mmol)と反応させ次
いでメタノールに溶解したナトリウムメトキシドを用い、精製された2′,3′
,5′−トリ−O−アセチル−2−アミノ−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチ
アゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシンの一部を脱アシル化してフォームと
して(カラムクロマトグラフィーのあとで)表題の2−アミノ−N−〔(R)−
1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(0.71g、19%
)を得ることによって製造した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.34(3H,d,-CHCH 3),3.5
0-3.73(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.90(1H,q,H-4′),4.10(
1H,d,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),5.11,5.37(2H,2d,2′-および3′-OH),
5.40(1H,t,5′-OH),5.73(1,d,H-1′),5.79(1H,br,-NH2),7.36,7.47(
2H,2t,Ar-H),7.92(1H,s,H-8),8.0(1H,d,N-H).HPLC保持時間13.5分〔公
配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例13 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−フル オロアデノシン
表題化合物を、方法Cに従い、先に記載したジアゾ化/フルオロホウ酸塩(WO
93/08206;Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,1993,3,2661-266
6参照)を用い、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノ
シル)−2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン(例9参照)(0.45g、 0.73m
mol)を反応させ、2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−N−〔(R)−1
−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−フルオロアデ
ノシン(0.19g、43%)を得、次いでメタノールに溶解したナトリウムメトキシ
ドを用い脱アシル化して表題のN−〔(R)−1−(2−(ベンゾチアゾリル)
チオ−2−プロピル〕−2−フルオロアデノシン(0.088g)(カラムクロマト
グラフィーのあとで)を得る;1H NMR(DMSO-d6)δ1.37(3H,d,-CHCH 3),3.50
-3.79(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.95(1H,d,H-4′),4.13(1
H,m,H-3′),4.51(1H,q,H-2′),4.67(1H,br,-CHCH3),5.07(1H,t,5′-O
H),5.23,5.50(2H,2d,2′-および3′ -OH),5.79(1H,d,H-l′),7.37,7.
48(2H,2t,Ar-H),7.85,7.79(2H,2d,Ar-H),8.36(1H,s,H-8),8.58(1H,d
,N-H).HPLC保持時間18.9分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%T
FAを含有)〕。
C20H21FN6O4S2.1.25H2O 理論値 C,46.6;H,4.1;N,16.3.測定値:C,46.5;
H,4.5;N,16.3%.
例14 N−〔(S)−2−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1−プロピル〕−2−クロ ロアデノシン
(S)−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1−プロピルアミン(1.5g、5.0mm
ol)((S)−2−ヒドロキシプロピルアミンから例1で記載した方法により調
製)を、トリエチルアミン(2.77ml,20mmol)の存在下、ジオキサン(20ml)に
溶解した9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−
2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.49g、2.4mmol)と反応させ、2′,3′
,5′−トリ−O−アセチル−N−〔(S)−2−(2−ベンゾチアゾリル)チ
オ−1−プロピル〕−2−クロロアデノシンを得、これをメタノール−性アンモ
ニア(予じめ−10℃で飽和)を用いて脱アシル化し、フォームとして(カラムク
ロマトグラフィーのあとで)表題のN−〔(S)−2−(2−ベンゾチアゾリル
)チオ−1−プロピ
ル〕−2−クロロアデノシンを得る;1H NMR(DMSO-d6)δ1.52(3H,d,-CH3),
3.56(1H,ABX,H-5′a),3.68(1H,m,H-5′b),3.73-3.91(1H,m,-C-H),3.84
-3.92(1H,m,-C-H),3.96(1H,q,H-4′),4.15(1H,m,H-3′),4.53(1H,dd,
H-2′),5.08(1H,t,5′-OH),5.23,5.50(3H,3 br,2′および3′-OH),5.8
4(1H,d,H-1′),7.36,7.47(2H,2,Ar-H),7.83,7.99(2H,2d,Ar-H),8.40
(1H,s,H-8),8.72(1H,t,N-H).HPLC保持時間17.8分〔公配溶出、20−80%ア
セトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C20H21CIN6O4S2.0.5H2O.0.1EtOAc 理論値 C,46.5;H,4.4;N,16.0.測定値:
C,46.6;H,4.4;N,15.8%.
例15 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−ブチル〕−2−クロロ アデノシン
表題化合物を、例1で記載した如き方法Aに従い、2〔(R)−2−アミノ−
1−ブチルチオ〕ベンゾトリアゾール塩酸塩(1.16g、4.2mmol)を、9−(2
,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ
−9H−プリン(1.57g、3.5mmol)と反応させ、次いでメタノールに溶解した
ナトリウムメトキシドを用い精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル
−2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピ
ル〕アデノシンを脱アシル化を行うことによって調製した。これは、表題N−〔
(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−ブチル〕−2−クロロアデノ
シン(0.93g、51%)(カラムクロマトグラフィーのあとで)を与える;1H NMR
(DMSO-d6)δ1.38(3H,d,-CH2CH 3),1.65-1.86(2H,m,-CH 2CH3),3.95(1H,q,
H-4′),4.14(1H,d,H-3′),4.48-4.62(2H,m,H-2′および-CHCH2H3),5.07
(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(
1H,d,H-1′),7.34,7.45(2H,2t,Ar-H),7.84,8.0(2H,2d,Ar-H).HPLC保
持時間21.8分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C21H23CIN6O4S2.理論値 C,48.2;H,4.4;N,16.1.測定値:C,47.9;H,4.5
;N,15.7%.
例16 N−〔1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−3−メチル−2−ブチル〕−2−ク ロロアデノシン
表題化合物を、例1で述べた如き方法Aに従い、2−〔2−アミノ−3−メチ
ル−1−ブチルチオ〕−ベンゾチアゾール塩酸塩(1.37g、4.2mmol)を9−(
2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロ
ロ−9H−プリン(1.57g、3.5mmol)と反応させ、次いでメタノールに溶解し
たナトリウムメトキシドを用いて精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセ
チル−2−クロロ−N−〔1−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕
アデノシンを脱アシル化することにより調製した。これをフォーム(ジアステレ
オ異性体混合物)として(カラムクロマトグラフィーのあとで)、表題N−〔1
−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−3−メチル−2−ブチル〕−2−クロロアデ
ノシン(0.69g、37%)を与えた;1H NMR(DMSO-d6)δ0.97-1.05[6H,m,-CH(
CH 3)2],2.0-2.13[1H,m,-CH(CH 3)2],3.50-3.70(3H,m,H-5′aおよびH-5
′bおよび-CH-),3.88-3.97(2H,m,H-4′および-CH-),5.02,5.06(1H,2t,5
′-OH),5.21,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.32(1H,dd,H-1′),7.36
,7.46(2H,2t,Ar-H).HPLC保持時間23.8分〔公配溶出、20−80%アセトニトリ
ル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C22H25CIN6O4S2.理論値 C,49.2;H,4.7;N,15.7.測定値:C,49.3;H,5.0
;N,15.4%.
例17 N−〔3−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1,1,1−トリフルオロ−2−プ ロピル〕−2−クロロアデノシン
表題化合物を方法Aに従って調製した。2−(N−第三ブチルオキシカルボニ
ル)アミノ−1,1,1−トリフルオロ−3−プロパノールを、2−ヒドロキシ
メチル−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸(3.16g、20mmol)をジフェニ
ルホスホリルアジド(5.50g、20mmol)と反応させることによって調製した。得
られた4−(トリフルオロメチル)オキサゾリン−2−オンを塩酸で処理し2−
アミノ−3,3,3−トリフルオロプロパノールを得た。このアミンは、2−(
N−第三−ブチルオキシカルボニル)アミノ−1,1,1−トリフルオロ−3−
プロパノール(0.65g)、TLC R,0.37〔SiO2;酢酸エチル/シクロヘキサン(
1:1)〕を得るため標準条件下(例18参照)、N−Boc保護された。
N−〔3−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1,1,1−トリフルオロ−2−
プロピル〕−2−クロロアデノシンを、例1で記載した如く方法Aに従い、2−
〔(R)−2−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−3−プロピルチオ〕ベンゾ
チアゾール塩酸塩〔前記2−(N−ブチルオキシカルボニル)アミノ−1,1,
1−トリフルオロ−3−プロパノールおよび2−メルカプトベンゾチアゾールを
用い例3でのべたミツノブ反応次いで酸性加水分解により調製した〕を、9−(
2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロ
ロ−9H−プリン(0.21g、 0.45mmol)と反応させて調製した。メタノール性
アンモニア(20ml)(予じめ−20℃で飽和)中で精製された2′,3′,5′−
トリ−O−アセチル−N−〔3−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1,1,1−
トリフルオロ−2−プロピル−2−クロロアデノシンの脱ベンゾイル化
により、表題のN−〔3−(2−ベンゾチアゾリル)チオ−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−プロピル−2−クロロアデノシン(0.12g、45%)(カラムクロマ
トグラフィーのあとで)((R)と(S)−ジアステレオ異性体の混合物)を得
た;1H NMR(DMSO-d6)δ3.39-3.49(1H,m,-CH),3.58,3.68(2H,ABX,H-5′a
およびH-5′b),3.98(1H,q,H-4′),4.11-4.18(2H,m,H-3′および-CH-),4
.47-4.56(1H,m,H-2′),5.08(1H,m,5′-OH),5.18-5.28(1H,m,-CHCH2-),
5.27,5.57(2H,2d,2′-および3′-OH),5.94(1H,d,H-1′),7.08,7.22,7.
30(3H,3t,Ar-H),7.71(1H,d,Ar-H),8.75(1H,s,H-8),8.79(1H,d,N-H)
.
例18 トランス−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロペンチル〕−2 −クロロアデノシン
トランス−N−(第三ブチルオキシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロペン
チルアミン(WO 93/23418参照)を、シクロペンテンエポキシド(8.0g、95.1m
mol)と25%水性アンモニア溶液(35ml)とを密封ガラス管中110℃で1.5時間反
応させることによりエナンチオマーの混合物として得た。1NのNaOH溶液(95ml
)およびTHF(100ml)を0℃で導入する前に、反応混合物を冷却しそして元の量
の半分まで蒸発させた。THFに溶解したジ−第三ブチルジカーボネート(21.8g
、99.6mmol)の溶液を添加しそして反応混合物を室温で18時間撹拌した。相を分
離しそして水性相を酢酸エチル(100ml)で洗った。有機相を一緒にし次いで飽
和ブライン(100ml)で洗い、乾燥(MgSO4)そして蒸発させた。固体残留物をヘ
プタンおよび酢酸エチルの10:1混合物から再結晶し、トランス−N−(第三ブ
チルオキシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロペンチルアミン(4.06g、21%
)、mp 103−105℃の分析サンプルを得た。
C10H19NO3 理論値 C,59.7;H,9.5;N,7.0.測定値:C,59.6;H,9.8;N,7.
0%.
前記トランス−N−(第三ブチルオキシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロ
ペンチルアミン(24.7g、123mmol)(例11で記載した如く調製)をTHF(500ml
)に溶解し次いで4−ニトロ安息香酸(20.5lg、123mmol)を加え、次いでトリ
フェニルホスフィン(48.28g、184mmol)を加えた。THF(250ml)に溶解したジ
エチルアゾジカルボキシレート(32.06g、184mmol)の溶液を滴下導入した。反
応混合物を室温で18時間撹拌し、蒸発させ次いでシクロヘキサンおよび酢酸エチ
ル(4:1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、固
体(25.5g)として中間体4−ニトロベンゾイルエステル、TLC Rf 0.52〔SiO2
:シクロヘキサン/酢酸エチル(1:1)〕を得た。このエステルをメタノール
(180ml)および25%水性アンモニア溶液(20ml)の混合物中に懸濁させ次いで
混合物を蒸発して残留する前に室温で70時間撹拌した。シクロヘキサンおよび酢
酸エチル(4:1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製
し表題化合物を含有する分画を得、これは蒸発によりシス−N−(第三ブチルオ
キシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロペンチルアミンを固体(11.0g、44%
)として得る、m.p64−65℃。トランス−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロペンチル〕−2 −クロロアデノシン
前記シス−N−(第三ブチルオキシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロペン
チルアミンを、例1で述べた一連の反応(すなわち、2位での転化をもたらすミ
ツノブ反応によるチオエーテル形成、次いでN−Boc−基の酸性加水分解)によ
りトランス−2−(2−ベンゾチアゾリル)シクロペンチルアミン塩酸塩に変え
た。
トランス−2−(2−ベンゾチアゾリル)シクロペンチルアミン塩酸塩(1.0
g、3.0mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラ
ノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.34g、3mmol)およびトリエチ
ルアミン(1.66ml)と一緒にしそして例1で記載した手順を用いて反応させた。
精製した〔トランス〕−2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−N−〔2−〔
(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロペンチル−2−クロロアデノシンの脱ア
シル化を、メタノール性アンモニア(200ml)(予じめ−10℃で飽和)を用いて
行いこれはジアステレロ異性体の約1:1混合物として表題化合物を与えた、HP
LC保持時間24.1および24.82分〔イソクラテック(isocratic)溶出、35%アセト
ニトリリル/65%水(0.1%TFA含有)〕。トランス−N−〔2−〔(2−ベンゾ
チアゾリル)チオ〕シクロペンチル〕−2−クロロアデノシン(0.llg、7%)
の単一なジアステレオ異性体をフォームとして(ショートパスカラムクロマトグ
ラフィーのあとで)得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.65-2.62(6H,5m,-CH2CH2CH2-
),3.51-3.58および3.62-3.69(2H,ABX,H-5′aおよびH-5′b),3.94(1H,br q
,H-4′),4.13(1H,br q,H-3′),4.28(1H,q,-CH-),4.49(1H,q,H-2′),
4.68(1H,m,-CH-),4.62(1H,q,H-2′),5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(
2H,2d,2′-および3′-OH),5.82(1H,d,H-l′),7.35,7.45(2H,2t,Ar-H),
7.79,7.98(2H,2d,Ar-H),8.40(1H,s,H-8),8.71(1H,d,N-H).HPLC保持時
間24.82分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C22H23ClN6O4S2.0.5EtOH 理論値 C,49.5;H,4.7;N,15.1.測定値:C,49.1
;H,4.8;N,14.9%.
例19 シス−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕シクロペンチ ル〕−2−クロロアデノシン
トランス−N−(第三ブチルオキシカルボニル)−2−ヒドロキシシクロペン
チルアミンを、例1で述べた一連の反応(すなわち、シクロペンタン2位での転
化をもたらすミツノブ反応によるチオエーテル形成、次いでN−Boc−基の酸性
加水分解)(WO 93/23418参照)によりシス−2−(2−ベンゾチアゾリル)シ
クロペンチルアミン塩酸塩に変えた。
前記シス−2−(2−ベンゾチアゾリル)シクロペンチルアミン塩酸塩(l.5
g、 4.6mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラ
ノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(2.0g、4.5mmol)およびトリエチ
ルアミン(2.49ml)と一緒にしそして例1で記載した手順を用いて反応させた。
精製したシス−2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−N−〔2−〔(2−ベ
ンゾチアゾリル)チオ〕シクロペンチル−2−クロロアデノシンの脱アシル化を
、メタノールに溶解したナトリウムメトキシドを用いて行いフォームとして(カ
ラムクロマトグラフィーのあとで)表題シス−N−〔2−〔(2−ベンゾチアゾ
リル)チオ〕シクロペンチル〕−2−クロロアデノシン(0.89g、38%)(ジア
ステレオ異性体の約2:1混合物)を得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.62-2.45(6H
,5m,-CH2CH2CH2-),3.52-3.60(1H,m,H-5′a),3.64-3.70(1H,m,H-5′b),3
.94(1H,br q,H-4′),4.11(1H,br q,H-3′),4.62(1H,q,H-2′),5.75-5.
83(1H,2m,H-1′),7.26-7.94(4H,4m,Ar-H).
例20 N−〔(R)−1−(6−アミノ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル 〕−2−クロロアデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、6−アミノ−2−〔(R)
−2−アミノプロピル−1−プロピルチオ〕ベンゾチ
アゾール塩酸塩〔2−〔(R)−N−第三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1
−プロパノール(13.1g、75mmol)および6−アミノ−2−メルカプトベンゾチ
アゾール(13.7g、75mmol)を用いて例1で記載した如くミツノブ反応により次
いで酸性加水分解により調製〕(2.51mg,7.2mmol)を、9−(2,3,5−ト
リ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリ
ン(2.68g、6.0mmol)と反応させ、次いでメタノール性アンモニア(200ml)(
予じめ−10℃で飽和)中で精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−
N−〔(R)−1−(6−アミノ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル
〕−2−クロロアデノシンの脱アシル化を行って表題のN−〔(R)−1−(6
−アミノ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−クロロアデノシ
ン(1.93g、63%)をフォームとして(カラムクロマトグラフィーのあとで)得
ることにより調製した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.36(3H,d,-CHCH 3),3.50-3.71
(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.95(1H,d,H-4′),4.14(1H,d,H
-3′),4.53(1H,q,H-2′),4.63(1H,m,-CH-),5.08(1H,t,5′-OH),5.22
,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(1H,d,H-1′),6.71,6.99,7.53(
3H,3d,Ar-H),8.41(1H,s,H-8),8.52(1H,d,N-H).HPLC保持時間10.29分〔
公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.l%TFAを含有)〕。
例21 2−クロロ−N−〔(R)−1−(6−エトキシ−2−ベンゾチアゾリル)チオ −2−プロピル〕アデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
プロピルチオ〕−6−エトキシベンゾチアゾール塩酸塩〔2−〔(R)−N−第
三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(3.5g、20mmol)およ
び6−エトキシ−2−メルカ
プトベンゾチアゾール(4.23g、20mmol)を用いて例1で記載した如くミツノブ
反応により次いで酸性加水分解により調製〕(1.1mg,2.5mmol)を、9−(2,
3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−
9H−プリン(1.1g、2.5mmol)と反応させ、次いでメタノール中のナトリウム
メトキシドを用い精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−2−クロ
ロ−N−〔(R)−1−(6−エトキシ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プ
ロピル〕アデノシンの脱アシル化を行って表題のN−〔(R)−1−(6−エト
キシ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−クロロアデノシン(
0.22g、17%)をフォームとして(カラムクロマトグラフィーのあとで)得るこ
とにより調製した;1H NMR(DMSO-d6)1.32-1.40(6H,m,-CH2CH 3および-CHCH 3)
,3.44-3.81(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.97(1H,d,H-4′′)
,4.08(2H,q,-CH 2CH3),4.14(1H,d,H-3′),4.53(1H,q,H-2′),4.68(1H
,m,-CH),5.09(1H,t,5' -OH),5.23-5.51(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83
(1H,d,H-1′),7.06,7.57,7.74(3H,3d,Ar-H),8.42(1H,s,H-8),8.53(
1H,d,N-H).HPLC保持時間22.4分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.
1%TFAを含有)〕。
C22H25ClN6O5S2.0.5H2O.0.2EtOAc 理論値 C,47.2;H,4.8;N,14.5.測定値
:C,47.3;H,4.9;N,14.3%.
例22 2−クロロ−N−〔(R)−1−(5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)チオ− 2−プロピル〕アデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
プロピル−1−プロピルチオ〕−5−クロロベンゾチアゾール塩酸塩〔2−〔(
R)−N−第三ブチルオキシカルボニル
〕アミノ−1−プロパノール(1.75g、 10mmol)および5−クロロ−2−メル
カプトベンゾチアゾール(2.02g、 10mmol)を用いて例1で記載した如くミツ
ノブ反応により次いで酸性加水分解により調製〕(O.5mg,1.5mmol)を、9−(
2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロ
ロ−9H−プリン(0.54g、1.2mmol)と反応させ、次いでメタノール中のナト
リウムメトキシドを用い精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−2
−クロロ−N−〔(R)−1−(5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2
−プロピル〕−2−クロロアデノシンの脱アシル化を行って表題のN−〔(R)
−1−(5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕2−クロロ
アデノシン(0.30g、46%)を固体、mp 145℃として(カラムクロマトグラフィ
ーのあとで)得ることにより調製した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.39(3H,d,-CHCH 3
),3.45-3.78(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.96(1H,q,H-4′)
,4.14(1H,t,H-3′),4.52(1H,t,H-2′),4.72(1H,m,-CH),5.84(1H,d,H
-1′),7.41(1H,dd,Ar-H),7.94(1H,s,Ar-H),8.02(1H,dd,Ar-H),8.42
(1H,s,H-8),8.52(1H,d,N-H).HPLC保持時間23.58分〔公配溶出、20−80%
アセトニトリル/水(0.1% TFAを含有)〕。
C20H20Cl2N6O4S2.1.0H2O 理論値 C,42.8;H,3.9;N,15.0.測定値:C,42.9
;H,3.8;N,14.8%.
例23 2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−チエニル)チオ−2−プロピル〕アデノ シン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕チオフェン塩酸塩〔2−〔(R)−N−第三ブチルオキシ
カルボニル〕アミノ−1−プロパノール
(7.53g、43mmol)および2−メルカプトチオフェン(5.00g、43mmol)を用い
て例1で記載した如くミツノブ反応により次いで酸性加水分解により調製〕(0.
63mg,3.0mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフ
ラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.12g、 2.5mmol)と反応させ
、次いでメタノール中のナトリウムメトキシドを用い精製された2′,3′,5
′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−〔(R)−1−(2−チエニル)チ
オ−2−プロピル〕アデノシンの脱アシル化を行って表題の2−クロロ−N−〔
(R)−1−(2−チエニル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(0.95g、82%
)をフォームとして(カラムクロマトグラフィーのあとで)得ることにより調製
した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.26(3H,d,-CHCH 3),2.95-3.18(2H,ABX,-CH2-S-)
,3.55および3.61(2H,ABX,H-5′aおよびH-5′b),3.95(1H,q,H-4),4.14(1
H,t,H-3′),4.44(1H,m,-CH-CH3),4.54(1H,t,H-2′),5.84(1H,d,H-1′
),7.03(1H,t,Ar-H),7.23,7.61(2H,2d,Ar-H),8.38(1H,d,-NH),8.42
(1H,s,H-2).HPLC保持時間19.5分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(
0.1%TFAを含有)〕。
C17H20ClN5O4S2 理論値 C,44.6;H,4.4;N,15.3.測定値:C,44.2;H,4.5;
N,15.0%.
例24 2−クロロ−N−〔(R)−1−(4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3 −イル)チオ−2−プロピル〕アデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、3−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕−4−メチル−1,2,4−トリアゾール塩酸塩〔2−〔
(R)−N−第三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(3.5g
、20mmol)および3−メルカプト−4−メチル−1,2,4−トリアゾール(2.
3g、20mmol)を
用いて例1で記載した如くミツノブ反応により次いで酸性加水分解により調製〕
(0.56mg,2.2mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リ
ボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.0g、2.2mmol)と反応さ
せ、次いでメタノール中のナトリウムメトキシドを用い精製された2′,3′,
5′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−〔(R)−1−(4−メチル−1
,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ−2−プロピル〕−2−クロロアデノ
シンの脱アシル化を行って表題の2−クロロ−N−〔(R)−1−(4−メチル
−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(0.
17g、17%)をカラムクロマトグラフィーのあとでフォームとして得ることによ
り調製した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.24(3H,d,-CHCH 3),3.56,3.67(2H,ABX,5
′aおよびH-5′b),3.95(1H,q,H-4),4.14(1H,br q,H-3′),4.15-4.42(2H
,m,-CH2S-),4.52(1H,br q,H-2′),4.80(1H,m,-CHCH3),5.07(1H,br,5′-
OH),5.22,5.50(2H,2br,2′-および3′-OH),5.82(1H,d,H-1′),8.33(1H
,d,-NH),8.39,8.41(2H,2s,H-2およびAr-H).HPLC保持時間7.79分〔公配溶
出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例25 N−〔(R)−1−(2−ベンゾイミダゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−ク ロロアデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕ベンゾイミダゾール塩酸塩〔2−〔(R)−N−第三ブチ
ルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(1.75g、 l0mmol)および2
−メルカプトベンゾイミダゾール(1.5g、10mmol)を用いて例1で記載した如
くミツノブ反応により次いで酸性加水分解により調製〕(0.63mg,2.20mmol)を
、9
−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジ
クロロ−9H−プリン(1.0g、2.2mmol)と反応させ、次いでメタノール性アン
モニア(2O0ml)(予じめ−10℃で飽和)中で精製された2′,3′,5′−ト
リ−O−アセチル−N−〔(R)−1−(2−ベンゾイミダゾリル)チオ−2−
プロピル〕−2−クロロアデノシンの脱アシル化を行って表題のN−〔(R)−
1−(2−ベンゾイミダゾリル)チオ−2−プロピル〕−2−クロロアデノシン
(0.52g、51%)を、カラムクロマトグラフィー処理およびジクロロメタンで砕
いた後得ることにより調製した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.38(3H,d,-CHCH 3),3.
95(1H,q,H-4),4.12(1H,br q,H-3′),4.42-4.70(2H,m,-CHCH3およびH-2′
),5.07(1H,br,5′-OH),5.22,5.50(2H,2br,2′-および3′-OH),5.82(1
H,d,H-1′),7.04-7.57(4H,2m,Ar-H),8.42(1H,s,H-2),8.73(1H,d,-NH)
.HPLC保持時間13.7分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含
有)〕。
例26 2−クロロ−N−〔(R)−1−(4−フェニル−2−チアゾリル)チオ−2− プロピル〕アデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、2−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕−4−フェニルチアゾール塩酸塩〔2−〔(R)−N−第
三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(2.72g、15.5mmol)お
よび2−メルカプト−4−フェニルチアゾール(3.0g、 15.5mmol)を用いて例
1で記載した如くミツノブ反応により次いで酸性加水分解により調製〕(1.15mg
,4.0mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシ
ル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.5g、3.35mmol)と反応させ、次い
でメタノール中のナトリウムメトキシドを用
い精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−〔(R
)−1−(4−フェニル−2−チアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシンの
脱アシル化を行って表題の2−クロロ−N−〔(R)−1−(4−フェニル−2
−チアゾリル)チオ−2−プロピル〕アデノシン(0.36g、 20%)をフォーム
として(カラムクロマトグラフィーのあとで)得ることにより調製した;1H NMR
(DMSO-d6)δ1.37(3H,d,-CHCH 3),3.4-3.73(2H,m,5′aおよびH-5′bおよび-
CH2-S-),3.94(1H,q,H-4),4.13(1H,q,H-3′),4.52(1H,q,H-2′),4.71
(1H,m,-CHCH3),5.06(1H,t,5′-OH),5.22,5.50(2H,2d,2′-および3′-OH
),5.83(1H,d,H-1′),7.33,7.42(3H,dt,Ar-H),7.91(2H,d,Ar-H),8.4
1(1H,s,H-2),8.47(1H,d,-NH).HPLC保持時間18.99分〔公配溶出、20−80%
アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例27 2−クロロ−N−{(R)−1−〔5−フェニル−(1,2,4−トリアゾール −3−イル)〕チオ−2−プロピル}アデノシン
表題化合物を、例1に記載した如く方法Aに従い、3−〔(R)−2−アミノ
−1−プロピルチオ〕−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール塩酸塩〔2−
〔(R)−N−第三ブチルオキシカルボニル〕アミノ−1−プロパノール(2.0
g、11.4mmol)および3−メルカプト−5−フェニル−1, 2, 4−トリア
ゾール(2.0g、11mmol)を用いて例1で記載した如くミツノブ反応により次い
で酸性加水分解により調製〕(0.50mg,1.8mmol)を、9−(2,3,5−トリ
−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン
(0.75g、1.7mmol)と反応させ、次いでメタノール中のナトリウムメトキシド
を用い精製された2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−〔
(R)−1−(5−フェニ
ル−(1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ−2−プロピル〕アデノシン
の脱アシル化を行って表題の2−クロロ−N−〔(R)−1−〔5−フェニル−
(1,2,4−トリアゾール−3−イル)〕チオ−2−プロピル〕アデノシン(
0.2lg、24%)をフォームとして(カラムクロマトグラフィーのあとで)得るこ
とにより調製した;1H NMR(DMSO-d6)δ1.34(3H,d,-CHCH 3),3.37-3.70(4H,
m,-CH2-,H-5′aおよびH-5′b),3.95(1H,q,H-4),4.13(1H,t,H-3′),4.53
(1H,t,H-2′),4.59-4.69(1H,m,-CHCH3),5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.5
0(2H,2d,2′-および3′-OH),5.83(1H,d,H-1′),7.43-7.54(3H,m,Ar-H)
,7.90,8.0(2H,m,Ar-H),8.40(1H,s,H-2),8.42(1H,d,-NH),HPLC保持時
間14.5分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
C21H23ClN8O4S.1.0H2O.0.15C7H16 理論値 C,48.0;H,5.0;N,20.3.測定値
:C,48.2;H,4.8;N,20.2%.
例28 N−〔(R)−2−(2−ベンゾチアゾリルチオ)−1−エチル〕−2−クロロ アデノシン
2−(2−ベンゾチアゾリルチオ)エチルアミン二塩酸塩を、N−(2−ヒド
ロキシエチル)フタルイミドと2−メルカプトベンゾチアゾールとの間のミツノ
ブ反応、その後のヒドラジン水和物との反応による、標準合成工程によって調製
した。このアミン二塩酸塩(0.52g、2.11mmol)を、9−(2,3,5−トリ−
O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(
0.79g、 1.7mmol)と反応させ、次いでメタノールに溶解したナトリウムメトキ
シドを用い精製した2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−N−〔(R)−2
−(2−ベンゾチアゾリルチオ)−1−エチル〕−2−クロロアデノシンの脱ア
シル化を行い、カラムクロマ
トグラフィー後、フォームとして表題のN−〔(R)−2−(2−ベンゾチアゾ
リルチオ)−1−エチル−2−クロロアデノシンを得た;1H NMR(DMSO-d6)δ3
.54-3.60および3.64-3.71(4H,m,H-5′aおよびH-5′bおよび-CH2-),3.42(2H,
q,-CH2-),3.96(1H,d,H-4′),4.15(1H,q,H-3′),4.52(1H,q,H-2′),5
.08(1H,t,5′-OH),5.22,5.51(2H,2d,2′-および3′-OH),5.85(1H,d,H-1
′),7.38,7.48(2H,2t,Ar-H),7.85,8.02(2H,2d,Ar-H),8.43(1H,s,H-8
),8.68(1H,t,N-H).HPLC保持時間18.5分〔公配溶出、20−80%アセトニトリ
ル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例29 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)アミノ−2−プロピル〕−2−ク ロロアデノシン
2−〔(R)−N−第三ブチルオキシカルボニルアミノ〕−1−プロパノール
を、(R)−2−(第三ブチルオキシカルボニルアミノ)−1−プロパノールか
ら、フタルイミドとのミツノブ反応、次いでヒドラジン水和物との反応による標
準合成工程により調製した。このアミン(0.52g、3.0mmol)および2−クロロ
ベンゾチアゾール(0.76g、4.5mmol)をジオキサン(20ml)に溶解し次いでト
リエチルアミン(0.76g、45mmol)を導入した。反応混合物を50℃で18時間加熱
し、蒸発させ次いでヘプタン/酢酸エチル(10:3)を用いて溶出する、フラッ
シュクロマトグラフィーにより精製し、オイルとして2−〔(R)−2−(N−
第三ブチルオキシカルボニルアミノ)−1−プロピルアミノ〕−ベンゾチアゾー
ル(0.09g、10%)を得た;TLC Rf 0.3l〔SiO2:ヘキサン/酢酸エチル〕。
2〔(R)−(2−アミノ−1−プロピル)アミノ〕ベンゾチアゾール三塩酸
塩(0.065g、70%)、m.p.226-226℃を、6N塩酸および酢酸エチル(2ml)
の混合物中で加水分解することにより引
き続き得た、手順は例1に記載した。この2−〔(R)−(2−アミノ−1−プ
ロピル)アミノ〕−ベンゾチアゾール三塩酸塩(0.06g,0.19mmol)を、9−(
2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジクロ
ロ−9H−プリン(0.127g、1.2mmol)と反応させ、次いでメタノールに溶解し
たナトリウムメトキシドを用い(2′および3′−アセチル基を除去するため)
次いでエタノール中エチルアミンを用い精製した2′,3′,5′−トリ−O−
アセチル−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)アミノ−2−プロピル
〕−2−クロロアデノシンを脱アシル化して表題のN−〔(R)−1−(2−ベ
ンゾチアゾリル)アミノ−2−プロピル〕−2−クロロアデノシン(0.027g、
29%)をフォームとして(カラムクロマトグラフィー後)得た;1H NMR(DMSO-d6
)δ1.25(3H,d,-CHCH 3),3.52-3.70(4H,m,H-5′a,H-5′bおよび-CH2-),3
.94(1H,q,H-4′),4.12(1H,q,H-3′),4.52(1H,q,H-2′),4.53-4.62(1H
,m,-CHCH3),5.07(1H,t,5′-OH),5.22,5.48(2H,2d,2′-および3′-OH),
5.84(1H,d,H-1′),7.01,7.22(2H,2t,Ar-H),7.43,7.66(2H,2d,Ar-H),
8.14(1H,t,N-H),8.41(1H,s,H-8),8.44(1H,d,N-H).HPLC保持時間10.7分
〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例30 N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリルスルホニル)−2−プロピル〕−2 −クロロアデノシン
2−〔(R)−(N−第三ブチルオキシカルボニルアミノ)−1−プロピルス
ルホニル〕ベンゾチアゾールを、2−〔(R)−2−(N−第三ブチルオキシカ
ルボニルアミノ)−1−プロピルチオ〕ベンゾチアゾール(例5参照)(0.55g
、1.7mmol)をモンモリロン石支持体上の「オキソン(Oxone)」で酸化すること
によって調製した
。スルホニルおよびスルフィニル誘導体の混合物を得、次いで2−〔(R)−2
−(N−第三ブチルオキシカルボニルアミノ)−1−プロピルスルホニル〕ベン
ゾチアゾールを単離し、次いでカラムクロマトグラフィー処理した。脱保護を、
酢酸エチル中塩化水素を用い標準条件下で行った。得られた2−〔(R)−2−
アミノプロピル−1−プロピルスルホニル〕ベンゾチアゾール塩酸塩(0.088g
、0.4mmol)を、9−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノ
シル)−2,6−ジクロロ−9H−プリン(0.18g、0.4mmol)と反応させ、次
いでメタノールに溶解したナトリウムメトキシドを用い、精製された2′,3′
,5′−トリ−O−アセチル−N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)ス
ルホニル−2−プロピル〕−2−クロロアデノシンの脱アシル化を行い、表題の
N−〔(R)−1−(2−ベンゾチアゾリル)スルホニル−2−プロピル〕−2
−クロロアデノシンをフォームとして(カラムクロマトグラフィーのあとで)得
た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.83(3H,d,-CHCH 3),3.55,3.66(2H,ABX,H-5′aお
よびH-5′b),3.96(1H,q,H-4′),4.17(1H,q,H-3′),4.59(1H,q,H-2′)
,5.08(1H,t,5′-OH),5.24,5.68(2H,2d,2′-および3′-OH),5.95(1H,d,
H-1′),7.34,7.47(2H,2t,Ar-H),7.84,8.01(2H,2d,Ar-H),8.14(1H,t,
N-H),8.71(1H,s,H-8).HPLC保持時間13.5分〔公配溶出、20−80%アセトニ
トリル/水(0.1%TFAを含有)〕。
例31 5′−O−アセチル−2−クロロ−N−〔(R)−1−(6−エトキシ−2−ベ ンゾチアゾリル)チオ−2−プロピル〕−アデノシン
メタノールに溶解したナトリウムメトキシドを用い、精製された2′,3′,
5′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−〔(R)−1−(6−エトキシ−
2−ベンゾチアゾリル)チオ−2−プロ
ピル〕アデノシン(例19に記載)の部分脱アシル化により、表題の5′−O−
アセチル−N−〔(R)−1−(6−エトキシ−2−ベンゾチアゾリル)チオ−
2−プロピル〕−2−クロロアデノシン(0.070g、18%)をフォームとして(
カラムクロマトグラフィーのあとで)得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.34-1.41(6H
,m,-CH2CH 3および-CHCH 3),2.03(3H,s,-COCH3),4.60(1H,q,H-2′),4.68
(1H,m,-CHCH3),5.42,5.62(2H,2d,2′-および3′-OH),5.86(1H,d,H-1′
),7.04(1H,dd,Ar-H),7.57,7.72(2H,2d,Ar-H),8.38(1H,s,H-8),8.52
(1H,d,N-H).HPLC保持時間25.6分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(
0.1%TFAを含有)〕。
C24H27ClN68O6S2.0.5H2O.0.2C7H14 理論値 C,48.9;H,5.0;N,13.5.測定値
:C,48.7;H,4.9;N,13.4%.
例32 5′−O−アセチル−2−クロロ−N−{(R)−1−〔5−フェニル−(1, 2,4−トリアゾール−3−イル)〕チオ−2−プロピル}−アデノシン
メタノールに溶解したナトリウムメトキシドを用い、精製された2′,3′,
5′−トリ−O−アセチル−2−クロロ−N−{(R)−1−〔5−フェニル−
(1,2,4−トリアゾール)−3−イル〕チオ−2−プロピル}アデノシン(
例27に記載)の部分脱アシル化により、表題の5′−O−アセチル−2−クロ
ロ−N−{(R)−1−〔5−フェニル−(1,2,4−トリアゾール−3−イ
ル)〕チオ−2−プロピル}アデノシン(0.035g、8%)を、カラムクロマトグ
ラフィーのあとでフォームとして得た;1H NMR(DMSO-d6)δ1.34(3H,d,-CHCH 3
),2.02(3H,s,-COCH3),4.53-4.68(2H,q,H-2′および-CHCH3),5.40,5.61
(2H,2d,2′-および3′-OH),5.86(1H,d,H-1′),7.38-8.01(5H,3m,Ar-H)
,8.37(1H,s,H-2).HP
LC溶出時間16.9分〔公配溶出、20−80%アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有)
〕。
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DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN
,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SK,UA,VN
(72)発明者 シェアルダウン,マルコルム
デンマーク国,デーコー―2765 スメル
ム,ビオルハベン 33
(72)発明者 ハンセン,アンケル ヨン
デンマーク国,デーコー―2920 シャルロ
ッテンルンド,エングバックバイ 20