JPWO2005026187A1 - 非天然型塩基を有するヌクレオシド又はヌクレオチド及びその利用 - Google Patents

非天然型塩基を有するヌクレオシド又はヌクレオチド及びその利用 Download PDF

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Abstract

本発明は、非天然型塩基を有するヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体を提供することを目的とする。本発明のヌクレオシド等は、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有することを特徴とする。

Description

本発明は、2003年9月10日に提出された日本国特許出願2003−318801に基づく優先権を主張する。
本発明は、非天然型塩基を有するヌクレオシド又はヌクレオチド及びその利用に関する。
生体高分子である核酸(DNA,RNA)は、生命活動に必要となる膨大な量の遺伝情報を、僅か4種類の塩基の組合せからなる配列として記録している。また、核酸は自分自身を鋳型としてDNAポリメラーゼにより自己複製し、さらにRNAポリメラーゼによる転写、リボソームによる翻訳というプロセスを介して、DNAからDNAへ、DNAからRNAへ、RNAからタンパク質へと遺伝情報を伝達する。この遺伝情報の複製と伝達を可能としているのは排他的な塩基対形成(A・T/U、G・C)のルールである。また、核酸は、多様な高次構造を形成して様々な機能を発揮する。例えば、in vitroセレクション法によって、アプタマーやリボザイムの機能を有する新規核酸がこれまでに多数見つかってきたこともその一つである。
しかし、20種類のアミノ酸からなるタンパク質に比べて、天然の核酸には4種類の塩基(2種類の塩基対)しかないという事実は、核酸の化学的・物理的多様性に限界を与えている。たとえば、生体中のtRNA、rRNA、mRNA等の機能性RNAは自分自身の構造を安定化したりRNA・RNA間、RNA・タンパク質間相互作用を安定化するために、様々な修飾塩基を利用している。したがって、新規機能性核酸の開発において、新たな塩基(対)のレパートリーを増やすことは大変有益であると考えられる。
核酸のさらなる機能拡張をめざして、非天然型塩基をもつヌクレオシド又はヌクレオチドの創製への取り組みが行われている。核酸に修飾塩基(もしくは非天然型塩基)を導入する手法として、1)化学合成により直接導入する方法、2)核酸合成酵素により導入する方法が考えられる。1)の場合は、アミダイトユニットの安定性や塩基部分の適当な保護基が存在すること等化学合成上の問題の解決が必要である。また、これらの問題が解決されれば様々な非天然型塩基を位置選択的に導入できるが、その核酸の増幅は困難であり、長鎖長の核酸の合成も難しくなる。2)の場合は、もし、基質が酵素に認識され、人工塩基対間で相補的に複製、転写されれば、その核酸の増幅・調製が可能となるが、そのような基質や塩基対(非天然型ヌクレオチド)も未だ開発途中である。
新たな人工塩基を転写によりRNA中に部位特異的に導入することができれば、新規機能性核酸の開発が可能になるとともに、人工塩基による遺伝暗号の拡張により、非天然型アミノ酸をタンパク質中に取り込ませた人工タンパク質を作り出すことも可能になる。本発明者らは、天然型塩基対と異なる水素結合様式をもち、かつ立体障害によって天然型塩基との対合を排除できるような塩基対を創出するための研究を行い、これまで種々の人工塩基対を開発してきた。特に、プリンの6位にかさ高い置換基を導入した2−アミノ−6−ジメチルアミノプリン(x)と2−アミノ−6−チエニルプリン(s)、そしてそのかさ高い置換基に相補する部位に水素原子をもったピリジン−2−オン(y)をデザインし、このx・y、s・y塩基対形成をKlenowフラグメントによるDNA中への取り込み効率およびT7RNAポリメラーゼによるRNA中への取り込み効率により調べた。
その結果、立体障害を利用した人工塩基対s−yは、転写で非常に高い選択性を示した(図2)。このs−y塩基対は、T7RNAポリメラーゼを用いた転写で、鋳型DNA中のsに相補して、RNA中に基質yが部位特異的に取り込まれた。そして、このs−y塩基対を用いて、遺伝暗号を拡張し、非天然型アミノ酸に対応する新たなコドン−アンチコドンをつくり、s−y塩基対の転写と細胞抽出液からの翻訳系を組み合わせることにより、試験管内で非天然型アミノ酸を部位特異的に含むタンパク質の合成に成功している(図2)。また、光架橋反応基であるヨードや固相担体上のアビジンと結合するビオチンの誘導体を塩基yの5位に結合することにより、この修飾されたyの基質を転写によりRNA中に導入することにより、新たな機能性RNAの創製を可能とした(特願2002−208568(2002年7月17日)、PCT/JP03/02342(2003年2月28日)、未公開)。
このように、s−y塩基対は、転写で高い選択性を示した。しかしながら、鋳型DNA中のsに対する基質yの取り込みの転写効率は、天然型塩基対の転写効率と比較すると50−60%程度に低下する(図3)。この理由の1つは、sの6位に結合するチエニル基の配向が2種類存在し、チエニル基のC−Hが塩基対を形成する側に位置した場合、これとyとの間に立体障害が生じ、yの取り込みを妨げる可能性があることにある(図4)。高い選択性のみならず、高い取り込み効率を有する非天然型塩基が開発されれば、機能性RNAやタンパク質の大量供給が可能になり、これらのバイオポリマーを実用化することができる。
米国特許第5,432,272号 米国特許第6,001,983号 米国特許第6,037,120号 国際公開第01/005801号パンフレット Piceirilli,J.A.,Krauch,T.,Morney,S.E.and Benner,S.A.(1990)Enzymatic incorporation of a new base pair into DNA and RNA extends the genetic alphabet.Nature,343,33−37. Piceirilli,J.A.,Moroney,S.E.,and Benner,S.A.(1991)A C−nucleotide base pair:methylpseudouridine−directed incorporation of formycin triphosphate into RNA catalyzed by T7 RNA polymerase.Biochemistry,30,10350−10356. Switzer,C.Y.,Morney,S.E.and Benner,SA.(1993)Enzymatic recognition of the base pair between isocytidine and isoguanosine.Biochemistry,32,10489−10496. Morales,J.C.and Kool,E.T.(1999)Minor groove interactions between polymerase and DNA:More essential to replication than Watson−Crick hydrogen bonds?J.Am.Chem.Soc.,121,2323−2324. Nagatsugi,F.,Uemura,K.,Nakashima,S.,Maeda,M.,and Sasaki,S.,Tetrahedron,53,3035−3044,1997 Wu,Y.,Ogawa,A.X.,Berger,M.,MeMinn,D.L.,Schultz,P.G.and Romesberg,F.E.(2000)Efforts toward expansion of the genetic alphabet:Optimization of interbase hydrophobic interactions.J.Am.Chem.Soc.,122,7621−7632. Tae,E.L.,Wu,Y.,Xia,G.,Schultz,P.G.and Romesberg,F.E.(2001)Efforts toward expansion of the genetic alphabet:Replication of RNA with three base pairs.J.Am.Chem.Soc.,123,7439−7440. Ishikawa,M.,Hirao,I.and Yokoyama,S.(2000)Synthesis of 3−(2−deoxy−β−D−ribofuranosyl)pyridine−2−one and 2−amino−6−(N,N−dimethylamino)−9−(2−deoxy−β−D−ribofuranosyl)purine derivatives for an unnatural base pair.Tetrahedron Letters,41,3931−3934. Hirao,I.,Ohtsuki,T.,Fujiwara,T.,Mitsui,T.,Yokogawa,T.,Okuni,T.,Nakayama,H.,Takio,K.,Yabuki,T.,Kigawa,T,,Kodama,K.,Yokogawa,T.,Nishikawa,K.,and Yokoyama,S.(2002)An unnatural base pair for incorporating amino acid analogs into proteins.Nature Biotechnology,20,177−182. Fujiwara,T.,Kimoto,M.,Sugiyama,H.,Hirao,I.and Yokoyama,S.(2001)Synthesis of 6−(2−thienyl)purine nueleoside derivatives that form unnatural base pairs with pyridin−2−one nucleosides.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 11,2221−2223. Ohtsuki,T.,Kimoto,M.,Ishikawa,M.,Mitsui,T.,Hirao,I.and Yokoyama,S.(2001)Unnatural base pairs for specific transcription.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,98,4922−4925. Goodman,M.F.,Creighton,S.,Bloom,L.B.,Petruska,J.Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,28,83−126(1993)
本発明は、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体(以下、本明細書中、「ヌクレオシド等」と記載する場合がある。)を提供することを目的とする。
本発明のヌクレオチド等は、好ましくはチアゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基を塩基として有する。
本発明はまた、前記ヌクレオチドが組み込まれた核酸を提供することを目的とする。本発明の核酸は、好ましくは、前記ヌクレオチドと、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドとが塩基対を形成している。
本発明はさらに、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドが組み込まれた核酸を調製する方法であって、本発明のヌクレオチドを含む核酸を鋳型として転写、複製又は逆転写を行い、本発明のヌクレオチドの相補的な位置に、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドを組み込むことを含む方法、を提供することを目的とする。
本発明はさらにまた、本発明のヌクレオチドを含む核酸、並びに、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドを含むキット、を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題の解決のために、2−アミノ−6−チエニルプリン(s)中のチエニル基の代わりにチアゾリル基を用いた新たな塩基2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン(v)をデザインした(図4)。このvのチアゾリル基もsのチエニル基の場合と同様に2つの配向性が存在するが、どちらの配向をとっても、塩基対面には硫黄原子又は窒素原子のいずれかが位置する。よって、sのチエニルにおけるC−H基のような立体的に突出する置換基がないので、yとの塩基対形成に立体障害を及ぼさない。さらに、この塩基vのヌクレオシド誘導体を合成し、複製や翻訳におけるv−y塩基対の選択性と効率を調べた。その結果、vを導入した鋳型DNAを用いた転写で、yが効率よくRNA中に導入されることを見出し、本発明を想到した(図3)。
2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、を塩基として有するヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体
本発明は、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、を塩基として有するヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体を提供する。塩基中のチアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい。本発明のヌクレオシド等は、典型的には、図1に記載された構造を有する。本発明のヌクレオシド等は、塩基中のチアゾリル基又はオキサゾリル基には2つの配向性が存在するが、どちらの配向をとっても、sのチエニルにおけるC−H基のような立体的に突出する置換基がないので、yとの塩基対形成に立体障害を及ぼさない、という利点を有する。
本発明における「ヌクレオシド」とは、核酸塩基と糖の還元基とがグリコシド結合によって結合した配糖体化合物を意味する。なお、前記「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、及びこれら塩基の誘導体も含む概念である。前記塩基の「誘導体」の種類は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基に相当する塩基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基に相当する塩基などが挙げられる。「ヌクレオチド」は、前記ヌクレオシドの糖部分が、リン酸とエステルをつくっている化合物をいう。より好ましくは、1ないし3リン酸エステルである。ヌクレオシド又はヌクレオチドの糖部分はリボフラノシル、2−デオキシリボフラノシル、あるいはハロゲンなどの置換基を2位に有する2−置換リボフラノシルであってもよく、また、リン酸部分は、チオリン酸であってもよい。つまり、糖部分およびリン酸部分は、公知のヌクレオシド、ヌクレオチド、あるいはこれらの誘導体にみられる構成をとっていればよい。糖部分がリボフラノシルであるリボヌクレオチドはRNAの構成成分となり、デオキシリボフラノシルであるデオキシリボヌクレオチドはDNAの構成成分となる。
本発明のヌクレオシド等は典型的には図1に示すような構造を有する。塩基中のチアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位(図1のR及び又はR)は水素であるか、あるいは以下の
1)低級アルキル基;
2)ヨウ素、臭素から選択される光反応性基;
3)アルケニル基、アルキニル基若しくはアミノ基、又はその誘導体;
4)ビオチン又はその誘導体;あるいは
5)フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、テトラメチル−6−カルボキシローダミン、及びそれらの誘導体から選択される蛍光分子
からなるグループから選択される置換基によって置換されていてもよい。好ましくは、4位又は5位の片方のみが置換される。好ましくは、置換基は低級アルキル基である。
1)低級アルキル基とは、C1からC4の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基で、二つのアルキル基で環を形成することもあり得る。好ましくはメチル基である。
2)ヨウ素、臭素から選択される光反応性基は、光照射することによりラジカルを発生させ、隣接する分子を共有結合する。これにより、本発明のヌクレオチドを含む核酸と他分子(好ましくは生体分子)との多量体を形成させることも可能である。
3)置換基として、アルケニル基、アルキニル基若しくはアミノ基、又はその誘導体を有することも可能である。アルケニル、アルキニル、アミノ基、又はその誘導体は、他分子と疎水的あるいは親水的な相互作用に役立ち、例えば、アプタマーとそのターゲットとなる分子との間の相互作用を強めることができる。また、リボザイムの場合には、新たな活性部位を創製することが出来る。さらに、アミノ基の誘導体は、このものからビオチンや蛍光色素の結合した誘導体の合成中間体にもなる。
アルケニル基又はアルキニル基は、好ましくは、炭素数2ないし5、より好ましくは、炭素数2ないし3である。誘導体としては、例えば、−C≡CC、−C≡CCHNH、−CH=CH−CH−NHが含まれる。好ましくは、−C≡CC(2−フェニルエチニル基)である。
4)ビオチンは補酵素Rとも呼ばれ、ビタミンB群の1種である。ビオチンは、卵白中に含まれる糖タンパク質であるアビジンと特異的に結合し、複合体を形成することが知られている。よって、置換基としてビオチンを有するヌクレオシド等は、アビジンタンパク質に特異的に結合する。このため、ビオチンが結合したヌクレオシド等を含む核酸は、アビジンを結合した担体と結合させることができるので、核酸を固定化することができ、特定の分子に結合する核酸(アプタマーなど)を固定化すれば、例えば、特定物質の検出や単離に、また、診断試薬として利用できる。なお、本発明のヌクレオシド等の置換基としてビオチンを導入するためには、ビオチンを直接導入してもよいが、アミノアルキル基、アミノアルケニル基、アミノアルキニル基等から選択されるリンカーを介することが好ましい。本明細書において「ビオチン誘導体」とは、このようにヌクレオシド又はヌクレオチドに導入するために、リンカーを結合させたビオチンを含む。
5)置換基として、フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、テトラメチル−6−カルボキシローダミン、及びそれらの誘導体から選択される蛍光分子を有する場合、蛍光分子の種類に応じて、本発明のヌクレオチドを含む核酸の検出を行うことが可能である。よって、蛍光分子を有する本発明のヌクレオチドを含む核酸は、標識核酸として当該核酸と相互作用する物質検出のプローブとして使用されうる。限定されるわけではないが、例えば、フルオレセインの吸収極大波長は513nm、蛍光極大波長は532nmである。また、6−カルボキシフルオレセインの吸収極大波長は495nm、蛍光極大波長は521nm、テトラメチル−6−カルボキシローダミンの吸収極大波長は555nm、蛍光極大波長は580nmである。それぞれの物質によって蛍光色が異なるため、多重染色に使用することも可能である。
本明細書において、「2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基」及び「2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基」とは、特に明記しない限り、塩基中のチアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されている態様を含みうる。
本発明のヌクレオシド等は、好ましくは、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)プリン−9−イル基又は2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)プリン−9−イル基を塩基として有する。
具体的には、以下の
i)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
ii)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
iii)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
iv)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
v)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
vi)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
vii)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
viii)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
ix)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
x)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
xi)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;及び
xii)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル
を含む。本明細書において、「2−アミノ−6−(2−チアゾリル)」と記載した場合、「2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)」及び「2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)」に関する説明も包含しうる。
本発明の2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基又は2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基を有するヌクレオシド等は、特に限定されることなく公知の方法を用いて合成することができる。例えば、非限定的に、本明細書中の実施例1では、先ず、チアゾール基として2−トリブチルスズチアゾール(図5の化合物3a)を合成し、これを公知の2−アミノ−6−トシルオキシ−9−(2−デオキシ−3,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(図5の化合物4)(Nagatsugi,F.,Uemura,K.,Nakashima,S.,Maeda,M.,and Sasaki,S.,Tetrahedron,53,3035−3044,1997)に導入した。次いで、デオキシリボース基上の保護基tert−ブチルジメチルシリル基を遊離させることによって、本発明のヌクレオシドが得られた。
本発明のヌクレオシド等の合成経路としては、その他、2−アミノ−6−トシルオキシ−9−(2−デオキシ−3、5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(図5の化合物4)の6位トシルオキシ基の代わりにアルキルスルホニルオキシ基または他のアリールスルホニルオキシ基を用いることが可能である。また2−アミノ−6−トシルオキシプリンより2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリンを合成し、デオキシリボース誘導体またはリボース誘導体と反応させることにより目的化合物を合成することも可能である。
本発明のヌクレオシド等は、ヌクレオシド又はヌクレオチドの「誘導体」も含む。これらの誘導体には、例えば、ホスホロアミダイト誘導体、H−ホスホナート誘導体が含まれる。
ホスホロアミダイト誘導体は、核酸の化学合成に使用するためにヌクレオシド中の1またはそれより多くの箇所において置換基が保護基で修飾されている態様である(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(2001)、10.42−10.46)。具体的には、(デオキシ)リボース残基の5’−水酸基は、ジメトキシトリチル基(DMT)、モノメトキシトリチル基、レブリニル基などの核酸合成に用いられる5’位保護基で保護されうる。これは、5’−水酸基が核酸の化学合成の際に投入されるホスホロアミダイトヌクレオシドと反応するのを防止するためである。また、投入されるホスホロアミダイトヌクレオシド上の(デオキシ)リボース残基に結合した三価のリン酸基は、ジイソプロピルアミノ基等で保護されうる。これは、結合の際に、テトラゾール等によって活性化されるためである。この三価のリン酸基はまた、シアノエチル、メトキシ等も結合する。これは、側鎖の反応を抑制するためである。さらに、塩基のプリン環のアミノ基は、フェノキシアセチル基、イソブチリル基等で保護されうる。これは、環外アミノ基の求核機能を保護するためである。本発明のホスホロアミダイト誘導体は、これらの保護基が1またはそれより多くの箇所において導入されている。好ましくは、上述した全ての箇所において保護基が導入されている。本発明のホスホロアミダイト誘導体の例として、2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(図6の化合物9a)、2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(図6の化合物9b)、及び、2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(図6の化合物9c)が含まれる。
本発明のヌクレオチが組み込まれた核酸
本発明はまた、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオチドが、1又はそれより多く組み込まれた核酸を提供する。本発明の核酸は、一本鎖又は二本鎖のRNA又はDNAを含む。二本鎖は、DNA/DNA、RNA/RNA、又はDNA/RNAであってもよい。また、DNAには、RNAを鋳型として逆転写してなるcDNAも含まれる。あるいは、核酸は3本鎖、4本鎖等も形成しうる。
本発明のヌクレオシド等は、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドと塩基対を形成することが可能である。本発明の2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基は、図4に例示したように、2−アミノ−6−チエニルプリン(s)と同様に、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イルと、2箇所で水素結合を生じる。
本発明の2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオチドは、転写、複製又は逆転写反応により、DNA又はRNA等の核酸に取り込むことが可能である。あるいは、天然型塩基を有するヌクレオシド又はヌクレオチドと同様に、化学合成によってDNA又はRNAに取り込んでもよい。
転写、複製又は逆転写反応は公知の方法に従って行うことが可能である。限定されるわけではないが、例えば、転写反応はT7 RNAポリメラーゼ(Takara等)、複製反応は、クレノウフラグメント(KF)、逆転写反応はAMV Reverse Transcriptase XL(AMV−RT)(Life Science社)を使用することが可能である。複製反応は、反応中に6位置換された2−アミノ−プリン−9−イル基を有するヌクレオチドが除去されてしまうのを防ぐために、例えば、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性をもたないTaq DNAポリメラーゼ(Takara TaqTM)を用いてvを含むプライマーによる鋳型DNAのPCR増幅も可能である。
本発明のヌクレオシド等は、塩基中のチアゾリル基又はオキサゾリル基には2つの配向性が存在するが、どちらの配向をとっても、sのチエニルにおけるC−H基のような立体的に突出する置換基がないので、yとの塩基対形成に立体障害を及ぼさない、という利点を有する。そのため、表1及び図9に示されたように、本発明のヌクレオチドvに対するyの1塩基取り込み効率は、Vmax/Km=1.4x10であり、天然塩基のA/T間の取り込み効率と同程度の高さであった。また、sに対するyの取り込み効率よりも、約4倍高かった。よって、本発明のヌクレオシドは効率よくyと塩基対を形成することが示されている。また、選択性に関しては、vに対するyの取り込み効率は、Cの取り込みの約3倍、Tの取り込みの20倍以上であった。
また、伸長反応中のyの選択的導入についても、s−y塩基対よりもv−y塩基対の方が、複製の効率が高いことが示さされた(図12)。さらに、非天然型塩基が鋳型中に2個またはそれより多く連続する場合も、本発明のヌクレオチドを含む核酸は有用である。図13に示されたように、対照のsを2つ並べて導入した鋳型DNAを用いた場合、yはほとんど取り込まれず伸長産物は実質的に得られない。これに対し本発明のヌクレオチドvは2つ並んでいても複製が進行し、2つの基質yが相補鎖DNA中に取り込まれた産物が得られる。
さらに、本発明のヌクレオチドは転写反応においても有用である。具体的には図15に示されたように、対照のsを含む鋳型に対する基質yのRNA中への取り込み効率は、天然型塩基対(AT)の場合に比べて50−60%程度であった。これに対し、本発明のvを含む鋳型に対する基質yの取り込み効率は96%であり、天然型塩基対とほぼ同程度の高さである。また、複製の場合と同様に転写においても、鋳型に非天然型塩基が鋳型中に2またはそれより多く連続する場合も本発明のヌクレオチドを含む核酸は有用である。鋳型中に対象sを2つ並べた場合(NN=ss)、2つのyが取り込まれたRNAは得られなかった。これに対し、鋳型中にvが2つ並んでいる場合(NN=vv)は転写が進行し、その効率は30%程度であったが、2つの基質yがRNA中に取り込まれた(図16)。
このように、塩基sの代わりにvを利用することにより、期待されたとおりに、複製、転写ともに基質yの取り込み効率を向上させることができる。さらに、従来不可能であった、非天然型塩基yが2つ又はそれより多く連続して配置されるDNA及びRNAの作成も可能である。これは、人工塩基対を介して、機能性コンポーネントをRNA中に導入した新規機能性RNAやタンパク質の開発とそれらの大量調製を初めて可能とし、これらの新規バイオポリマーの商業化に大きく貢献する。
本発明のヌクレオチドが組み込まれた核酸は、tRNA、mRNA、アンチセンスDNA若しくはRNA、リボザイム又はアプタマーとして使用されうる。アンチセンスDNA若しくはRNAとは、ある特定の遺伝子の発現を抑えるDNA又はRNAである。標的とする遺伝子配列(センス鎖)の全長又は部分配列に対して相補的という意味で名付けられた。人為的に遺伝子発現を調節する手法として使用されうる。本発明のヌクレオチドが組み込まれたアンチセンスDNA又はRNAは、非天然型塩基を含むため標的に対する相補性が天然型塩基のみを使用した場合と比較して異なるものを創製しうる。リボザイムは、RNAを構成成分とする触媒の総称である。アプタマーは、in vitroセレクション法によって得られた、タンパク質等の特定の分子に結合する機能を有する核酸である
また、本発明の、ヌクレオチドが組み込まれたDNA又はRNA(例えば、mRNA、合成RNA)は、タンパク質、ペプチドの全体又は一部をコードするものであってもよい。本発明の核酸は遺伝子断片やプローブなどとして使用されうる。天然の遺伝子の一部又は全部を本発明の核酸で置換した態様、天然の遺伝子に本発明のヌクレオチドを1個又はそれより多く付加したもの、又はこれらを組み合わせたものも本発明に包含される。このような本発明の核酸(ヌクレオチド)を含む非天然型の遺伝子は、従来の天然型の遺伝子の改変と同様な方法又は従来の方法に準じた方法により行うことができる。従って、従来の天然型の遺伝子と同様に、本発明の核酸を含む非天然型の遺伝子を適当な発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞を形質転換することによって、発現させることが可能である。
また、本発明のヌクレオチドを含む新たなコドンを設計することが可能である。本発明のヌクレオチドの一態様として、塩基2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリンを含むヌクレオチド(v)を例に説明する。前述したように、鋳型中に本発明のヌクレオチドが2つまたはそれ以上連続して存在する場合でも、複製反応及び転写反応は進行し、相補的な位置に5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチド(y)が取り込まれる。よって、本発明の方法により従来不可能であった、非天然型塩基yが2つ又はそれより多く隣接して配置されるDNA及びRNAの作成が可能である。よって、yを3つ含むコドン(yyy)、yを2つ含むコドン(例えば、yyA、Gyy、yGy)、yを1つ含むコドン(例えば、yAG、CyT、AGy)を設計することができる。またvを含むコドンの作成も可能である。新たなコドンは、天然型のアミノ酸をコードさせることもできるし、また、非天然型のアミノ酸をコードさせることもできる。さらに、転写や輸送などの機能をコードさせることもできる。このように、本発明は新規な非天然型人工塩基を提供するのみならず、本発明のヌクレオチドを含む新たなコドンの設計による、全く新しい遺伝暗号の設計を可能とするものであり、新たな遺伝暗号の世界を提供するものである。
さらに、本発明の新たなコドンに応じたtRNA系を設計することにより、非常に多くのアミノ酸を利用可能とする新たなタンパク質合成システムを設計することができる。利用可能なアミノ酸はリボソームにおけるタンパク質合成酵素系で利用できるものであればよい。従って、本発明は前記本発明のコドンを用いた新たなタンパク質合成システムを提供する。本発明のタンパク質合成システムによれば、所望の位置のコドンの核酸を本発明の核酸に効率よく置換又は導入することにより、所望の非天然型のアミノ酸を含有するタンパク質の製造が可能となる。
さらにまた、本発明の非天然型塩基を有するヌクレオチドが組み込まれた核酸は、RNA干渉(RNA interference、RNAi)においても利用可能である。RNA干渉は、二本鎖RNA(dsRNA)によってその配列特異的にmRNAが分解され、その結果遺伝子の発現が抑制される現象である。RNA干渉の典型的な例としては、dsRNAは、RNaseIIIファミリーに属するダイサー(Dicer)により、3’末端の側に2塩基程度のオーバーハングを有する約21塩基−23塩基のsiRNA(short interfering RNA)にプロセッシングされる。siRNAはRISCと呼ばれるsiRNA−蛋白質複合体に取り込まれ、配列特異的にmRNAを分解する。RNA干渉は、哺乳動物(ヒト、マウス等)、線虫、植物、ショウジョウバエ、菌類などの広範な生物種間で保存されている現象であることが示されている。本発明の非天然型塩基を有するヌクレオチドが組み込まれた核酸は、RNA干渉におけるsiRNAとして、または分解を受けるmRNAの一部として利用可能である。
非天然型塩基を有するヌクレオチドが組み込まれた核酸を調製する方法
本発明はさらに、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドが組み込まれた核酸を調製する方法を提供する。本発明の方法は、本発明のヌクレオチドを含む核酸を鋳型として転写、複製又は逆転写を行い、本発明のヌクレオチドの相補的な位置に、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドを組み込むことを含む。
前述したように、鋳型中に本発明のヌクレオチドが2つまたはそれ以上連続して存在する場合でも、複製反応及び転写反応は進行し、相補的な位置に5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドが取り込まれる。よって、本発明の方法により従来不可能であった、非天然型塩基yが2つ又はそれより多く隣接して配置されるDNA及びRNAの作成も可能となった。
本発明はさらにまた、前記方法に使用するためのキットも提供する。本発明のキットは、本発明のヌクレオチドを含む核酸、並びに、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチド、を含む。キット中の本発明のヌクレオチドを含む核酸は、本発明の方法の転写、複製又は逆転写反応における鋳型として利用されうる。
図1は、本発明のヌクレオシド及びヌクレオチドの態様の構造を示す。 図2は、2−アミノ−6−チエニルプリン(s)とピリジン−2−オン(y)の人工塩基対、並びにそれを利用したタンパク質合成のスキームを示す。 図3は、2−アミノ−6−チエニルプリン(s)とピリジン−2−オン(y)の人工塩基対、並びに、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン(v)とyの人工塩基対を利用した転写反応の選択性及び効率を示す。 図4は、2−アミノ−6−チエニルプリン(s)とピリジン−2−オン(y)の人工塩基対、並びに、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン(v)とyの人工塩基対の配向と立体障害を示す。 図5は、本発明のヌクレオシド、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリンの合成スキームを示す。
図5中、R=t−ブチル−ジメチリシリル;Ts=トシルである。aシリーズは、R=R=H;bシリーズは、R=CH,R=H;cシリーズは、R=H,R=CHである。図6は、本発明のヌクレオシド誘導体、2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリンの合成スキームを示す。
図6中、Pac=フェノキシアセチル;DMT=4,4’−ジメトキシトリチルである。aシリーズは、R=R=H;bシリーズは、R=CH,R=H;cシリーズは、R=H,R=CHである。図7は、本発明のヌクレオチド、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン 5’−三リン酸の合成スキームを示す。
図7中、PPP=トリホスフェートである。aシリーズは、R=R=H;bシリーズは、R=CH,R=H;cシリーズは、R=H,R=CHである。図8は、Klenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入反応に使用したプライマー及び鋳型の塩基配列、並びに、反応産物のポリアクリルアミド電気泳動図を示す。 図9は、Klenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入反応における反応速度の解析結果を示す。 図10は、Klenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入反応における反応速度の解析に使用したプライマー及び鋳型の塩基配列を示す。 図11は、Klenowフラグメントによる伸長反応に使用したプライマー及び鋳型の塩基配列を示す。 図12は、Klenowフラグメントによる伸長反応の反応産物のポリアクリルアミド電気泳動図を示す。 図13は、Klenowフラグメントによる伸長反応の反応産物のポリアクリルアミド電気泳動図を示す。 図14は、転写反応のスキームを示す。 図15は、temp35 N−1を用いた転写反応の反応産物のポリアクリルアミド電気泳動図を示す。転写効率はレーン5を100%とすると、レーン1、2、3及び4は、各々23%、96%、24%及び60%であった。 図16は、temp35 N−2を用いた転写反応の反応産物のポリアクリルアミド電気泳動図を示す。転写効率はレーン5を100%とすると、レーン1、2、3及び4は、各々2%、35%、1%及び6%であった。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1 2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン誘導体の合成(図5−7)
1) 2−トリブチルスズチアゾール(化合物3a)の合成(図5)
アルゴン雰囲気下、78℃に冷却したジエチルエーテル(25ml)にn−ブチルリチウム(ヘキサン中、1.57M,3.2ml,5.0mmol)を加え、続いて2−ブロモチアゾール(化合物1)(450μl,5.0mmol)を滴下し−78℃で30分撹拌した。この溶液に塩化トリブチルスズ(1.5ml,5.5mmol)を−78℃で滴下し、液温が室温になるまで撹拌しながら自然に昇温した(30分)。
この反応溶液を飽和食塩水で3回洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥後、溶媒を減圧下で留去して2−トリブチルスズチアゾール(化合物3a)(2.1g,黄色の液体)を得た。2−トリブチルスズチアゾールは、さらなる精製を行わずに、そのまま次の反応に用いた。
2) 2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6a)の合成(図5)
2−アミノ−6−トシルオキシ−9−(2−デオキシ−3,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物4)を、Nagatsugiら(Nagatsugi,F.,Uemura,K.,Nakashima,S.,Maeda,M.,and Sasaki,S.,Tetrahedron,53,3035−3044,1997)に従って合成した。化合物4(490mg,0.75mmol)とPd(PPh(44mg,0.04mmol)とLiCl(64mg,1.5mmol)にジオキサン(9.4ml)を加え、15分間撹拌しながらアルゴンでバブリングした。この溶液に、1)で合成した2−トリブチルスズチアゾール(化合物3a)(1.4g,3.8mmol)を加え、さらに15分間、アルゴンでバブリングを行った後、オイルバス上で3時間環流した。反応溶液を濃縮した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% MeOH、CHCl中で溶出)で精製した。得られた2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−3,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物5a)(430mg,粗精製物)をTHF(7.5ml)に溶解し、TBAF(1M THF溶液,2.3ml)を加えて室温で15分撹拌した。反応溶液を濃縮した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% MeOH、CHCl中で溶出)で精製した。
最終的に、RP−HPLC(19x150mm,水 μ bond sphere 5μ C18 100μ,流速:10ml/分,HO中、10%−50% CHCN,15分,直線勾配)で精製し、目的とする2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6a)(155mg,64%,2工程の収率,黄色固体)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ2.26(m,1H),2.65(m,1H),3.55(m,2H),3.84(m,1H),4.38(m,1H),4.96(t,1H,J=5.4Hz),5.30(d,1H,J=4.0Hz),6.29(t,1H,J=6.5Hz),6.74(s,2H),8.00(d,1H,J=3.2Hz),8.12(d,1H,J=3.2),8.41(s,1H);
13C−NMR(68MHz,DMSO−d)δ39.32,61.55,70.58,82.52,87.57,122.66,123.93,141.68,144.66,147.36,154.78,159.68,164.03;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C1315S(M+1)として、計算値335.0926,測定値335.0922;UV−vis(EtOH中)λmax=360nm(ε=8030),298nm(ε=8620),231nm(ε=18080),λmin=326nm(ε=4240),265nm(ε=3450),215nm(ε=9660);TLC Rf=0.12(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
3) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7a)の合成(図6)
2)で合成した2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6a)(150mg,0.45mmol)をピリジン(2.2ml)に溶解し、塩化トリメチルシリル(TMS−Cl)(423μl,3.3mmol)を加えて室温で25分撹拌した(溶液A)。これとは別に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(108mg,0.8mmol)にピリジン(221μl)とアセトニトリル(221μl)を0℃で冷却し、この溶液に塩化フェノキシアセチル(Pac−Cl)(92μl,0.67mmol)を加えて0℃で5分撹拌した(溶液B)。
溶液Bに0℃に冷却した溶液Aを氷冷下で加え、室温で12時間撹拌した。反応溶液を0℃に氷冷した後、濃アンモニア水(220μl)とHO(220μl)を加えて0℃で10分間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルと水を加えて分液し、有機層をNaSOで乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% MeOH、CHCl中で溶出)で精製し、目的とする2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7a)(200mg,95%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ2.34(m,1H),2.78(m,1H),3.57(m,2H),3.88(m,1H),4.45(m,1H),4.93(t,1H,J=5.3Hz),5.12(s,2H),5.34(d,1H,J=4.0Hz),6.42(t,1H,J=6.6Hz),6.95(m,3H),7.30(t,2H,J=7.5),8.12(d,1H,J=3.1Hz),8.21(d,1H,J=3.1),8.79(s,1H),10.96(s,1H);
13C−NMR(68MHz,DMSO−d)δ45.67,61.46,67.33,70.49,83.28,87.91,114.34,120.71,125.14,126.01,129.30,145.13,145.28,146.85,151.89,153.77,157.75,162.75,167.55;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C2121S(M+1)として、計算値469.1294,測定値469.1300;TLC Rf=0.25(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
4) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8a)の合成(図6)
3)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7a)(94mg,0.20mmol)をピリジンで3回共沸乾燥した。次いで、4,4’−ジメトキシトリチル塩化物(75mg,1.1モル等量)とピリジン(2.0ml)を加えて室温で20時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルと5% NaHCOを加え分液した後、有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層はNaSOで乾燥、濃縮した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:EtOAc=1:1,v/vで溶出)で精製し、目的とする2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(133mg,86%)(化合物8a)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ2.39(d,1H,J=3.8),2.64(m,1H),2.89(m,1H),3.33−3.48(m,2H),3.72(s,6H),4.17(m,1H),4.43(bs,2H),4.88(m,1H),6.55(t,1H,J=6.4Hz),6.74(dd,4H,J=2.4,9.0),7.03(d,2H,J=8.7),7.08−7.37(m,12H),7.64(d,1H,J=3.1Hz),8.21(d,1H,J=3.1),8.29(s,1H);
13C−NMR(68MHz,CDCl)δ41.08,55.16,64.06,67.76,72.58,84.27,86.38,86.91,113.01,114.83,122.33,123.60,126.75,127.17,127.73,127.98,129.71,129.85,129.89,133.53,135.61,144.39,144.66,145.71,148.03,151.19,153.71,156.74,158.26,163.42,166.30;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C42239S(M+1)として、計算値771.2601,測定値771.2633;TLC Rf=0.22(CHCl:MeOH=20:1,v/v)。
5) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(化合物9a)の合成(図6)
4)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8a)(130mg,0.17mmol)をピリジンで3回、THFで3回共沸乾燥した。次いで、THF(850μl)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(44μl,1.5モル等量)を加えた。この溶液に2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノクロロホスフルアミダイト(41μl,1.1モル等量)を室温で撹拌しながら加えた。
反応溶液は、室温で1.5時間撹拌した後、メタノール(50μl)を加えた。この溶液に酢酸エチル・トリエチルアミンの混合溶液(EtOAc:TEA=20:1,v/v,10ml)と5% NaHCO(10ml)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した。有機層はNaSOで乾燥、濃縮した後、残査をシリカゲルカラム クロマトグラフィー(CHCl:ヘキサン=2:3,v/v,2% TEAで溶出)で精製し、目的とする2−フェノキシアセチルアミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物9a)(133mg,81%,白色泡状物)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ1.09−1.18(m,12H),2.44(t,1H,J=6.6),2.62(t,1H,J=6.6),2.75(m,1H),2.89(m,1H),3.35−3.85(m,12H),4.30(m,1H),4.82(m,3H),6.52(t,1H,J=6.4),6.74(m,4H),7.03−7.37(m,14H),7.64(d,d,1H,J=3.1),8.21(d,1H,J=3.1),8.33,8.34(s,s,1H);
31P−NMR(109MHz,CDCl)δ149.57;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C5156SP(M+1)として、計算値971.3679,測定値971.3696;TLC Rf=0.20及び0.26(ジアステレオ異性体)(CHCl:ヘキサン=3:2,v/v,2% TEA)。
6)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン 5’−三リン酸エステル(化合物10a)の合成(図7)
2)で合成した2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6a)(33mg,0.10mmol)をトルエンで3回共沸乾燥した。次いで、これにプロトンスポンジ(32mg,0.15mmol)とトリメチルリン酸(500μl)を加えた。この溶液を氷冷下で撹拌し、POCl(12μl,0.13mmol)を滴下しながら加えた。
0℃で2時間撹拌した後、トリ−n−ブチルアミン(BuN)(120μl,0.5mmol)とビス−トリブチルアンモニウム ピロリン酸((BuNH)HP)(DMF溶液中0.5M,1.0ml,0.5mmol)を加え、0°Cで10分間撹拌した。この溶液に重炭酸トリエチルアンモニウム(0.5M溶液,500μl)を加えた後、5mlのHOを加えてDEAE Sephadex A−25カラムクロマトグラフィー(1.5x30cm,50mM−1.5M TEAB,直線勾配)で精製した(粗精製物32mg)。最終的に、RP−HPLC(4.6x250mm,MICRA Scientific Inc.Synchropak RPP,流速:1ml/min,0%−30% CHCN 100mM TEAA中,10分間,直線勾配)で精製し、目的とする2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン 5’−三リン酸エステル(化合物10a)を得た。
H−NMR(270MHz,DO)δ1.11(t,27H,J=7.3Hz),2.42(m,1H),2.77(m,1H),3.03(q,18H,J=7.3Hz),4.09(m,3H),4.28(m,1H),6.34(t,1H,J=6.5Hz),7.76(d,1H,J=2.5Hz),7.99(d,1H,J=2.5),8.36(s,1H);
31P−NMR(109MHz,DO)δ−22.52(t,1H,J=19.8Hz),−10.65(d,1H,J=20.7Hz),−9.69(d,1H,J=18.3Hz);
ESI−MS C131612S(M−1)として、計算値572.98,測定値572.94。
実施例2 複製における非天然型塩基の位置選択的導入−Klenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入実験(図8)
本実施例では、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が欠損した大腸菌由来のDNAポリメラーゼI、Klenowフラグメント(KF exo)を用い、複製(2−オキソ−(1H)ピリジン(y)のDNA中への取り込み)におけるv−y塩基対(本発明)による1ヌクレオチド取り込み効率を、s−y塩基対(対照)のそれと比較した。
具体的には、Amersham USB社のLarge fragment of DNA polymerase Exonuclease−free Klenow enzyme(Cloned)と添付の10×反応緩衝液(500mM Tris−HCl pH7.5,100mM MgCl、10mM DTT,0.5mg/ml BSA)を使用した。KF exoの酵素濃度は,購入したロット毎にBioRad社のBio−Rad Protein Assayキットにより決定した。
また,反応に用いたプライマーとしては、以下の配列を有する合成オリゴヌクレオチドを使用した。
5’−actcactatagggaggaaga−3’(配列番号1、図8)
反応用プライマーはT4 polynucleotide kinase(TaKaRa)と[α−32P]ATPを用いて、予め5’末端を標識し、ゲル電気泳動により精製した。
また、鋳型DNAとしては、以下の配列を有する合成オリゴヌクレオチドを使用した。
5’−ttctctntcttcctccctatagtgagtcgtattat−3’ (n=a又はv)(配列番号2、図8)
あるいは、
5’−agctctntcttcctccctatagtgagtcgtattat−3’ (n=s)(配列番号3、図8)
反応条件:鋳型鎖DNA(20μM)1μl、5’末端が32Pで標識されたプライマー(5μM)4μl、および10×反応緩衝液 1μlを混合した溶液を、95℃で3分加温後、急冷してアニーリングを行い、鋳型DNAとプライマーの二本鎖を形成させた。酵素希釈用緩衝液(50mM リン酸緩衝液 pH7、50%グリセロール、1mM DTT)で希釈したKlenowフラグメント溶液(1μM)を2μl加えて37℃で2分間インキュベーションした後、dNTP溶液(図7に示したA、G、C、T又はyのうちの1種)(100μM)を2μl加えて反応を開始した。37℃で2分間インキュベーションした後、10μlの10M尿素を含むTBE溶液を加え、75℃で3分間加温することで反応を終了した。反応条件はまとめると以下の通りである:鋳型/プライマー2μM;KF exo 200nM;dNTP 20μM;反応 37℃ 2分間。
反応溶液の一部を20%ポリアクリルアミド−7 M尿素ゲルで電気泳動し、バイオイメージングアナライザー(BAS2500,富士フィルム)で反応産物を解析した。結果を図7に示す。本発明のヌクレオチドvを含む核酸を鋳型とした場合の、相補鎖DNA中のvに対応する位置への1塩基取り込み実験において、yが選択的に取り込まれた。ただし、Cもわずかに取り込まれた。本発明のvのyの取り込み選択性は、sの選択性と同様であった。
実施例3 複製における非天然型塩基の位置選択的導入−Klenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入反応の反応速度定数の解析(図9−10)
本実施例では、実施例2と同様のKlenowフラグメントによる1ヌクレオチド挿入反応における、反応速度定数を解析した。
具体的には、反応プライマーとしては、5’末端が6−FAMで蛍光標識されたプライマー(配列番号1、図10)を用いた。5’末端が蛍光標識されたプライマーは、GeneScan用カスタム蛍光プライマーとしてApplied Biosystemsから市販されているものを購入し、ゲル電気泳動で精製した。反応産物の解析はDNAシークエンサー(Applied Biosystems;model ABI377)で行った。
反応条件:2×反応緩衝液(100mM Tris−HCl pH7.5,20mM MgCl,2mM DTT,100μg/ml BSA)に溶かした鋳型鎖DNA(配列番号2又は3)(10μM)と蛍光標識されたプライマー(10μM)を95℃で3分加温後急冷してアニーリングし、鋳型鎖とプライマーの二本鎖を形成させた。この二本鎖DNA溶液を5μlずつ分注した後,酵素希釈用緩衝液で希釈したKF exo溶液(15−250nM)を2μl加えて、37℃で2分間インキュベートし、DNA・酵素複合体を形成させた。その溶液に3μlのdNTP溶液(A、G、C、T又はyのうち1種)(100μM−7mM)を加えて、37℃で酵素反応(1.5−20分間)を行った。反応の終了は、10μlの20mM EDTAを含む95%ホルムアミド溶液(停止溶液)を加えて75℃で3分加温することで行った。
反応条件をまとめると以下の通りである。溶液(10μl)中、5μM鋳型−プライマー二本鎖、3−50nM 酵素及び30−2100μM dNTPを使用。溶液(10μl)は、50mM Tris・HCl(pH7.5)、10mM MgCl、1mM DTT及び0.05mg/ml BSAを含む。反応は、37℃で1.5−20分間。
反応溶液の一部を停止溶液で希釈した50倍希釈した後、その希釈反応液0.5μlをローディング溶液(脱イオンホルムアミド:25mM EDTAを含む50mg/mLブルーデキストラン溶液=5:1)3μlと混合し、90℃で2分加熱し、氷上に置いて急冷した。そのうちの約0.5μlを1レーンおきにシークエンスゲルにロードし電気泳動を行った。シークエンスゲル(36cm WTR)の組成は、6M 尿素、8%ポリアクリルアミド(アクリルアミド:ビスアクリルアミド=19:1)、0.5×TBEである。泳動用緩衝液は,0.5×TBEを用いた。Run Moduleは、GS Run 36C−2400である。泳動時間は約1時間とし、反応産物のピークパターンの解析及び定量は、GeneScan Software(Version 3.0)を用いて行われた。
未反応のプライマー断片,および一ヌクレオチド挿入されたDNA断片のピークの高さを用いて、1ヌクレオチド伸長されたプライマーの割合を定量し、Hanes−Woolf plot(Goodman,M.F.,Creighton,S.,Bloom,L.B.,Petruska,J.Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,28,83−126(1993))により酵素学的パラメーターK,Vmaxを算出した。結果を表1及び図9に示す。
Figure 2005026187
a=標準偏差を括弧内に示した。
b=測定されなかった。反応は非常に非効率的であり正確な測定値は得られなかった。
c=この値は、使用された種々の酵素濃度に対して酵素濃度(20nM)に標準化された。
d=この用語の単位は、% min−1−1である。
表1及び図9に示されたように、vに対するyの取り込み効率は、Vmax/Km=1.4x10であった。これは、天然塩基のA/T間の取り込み効率と同程度である。また、sに対するyの取り込み効率(Vmax/Km=3.6x10)よりも、約4倍高かった。また、選択性に関しては、vに対するyの取り込み効率は、cの取り込み(Vmax/Km=4.1×10)の約3倍、tの取り込み(Vmax/Km=5.1×10)の20倍以上であった。
実施例4 複製における非天然型塩基の位置選択的導入−Klenowフラグメントによる伸長反応(図11−13)
本実施例では、1塩基取り込みではなく、Klenowフラグメント伸長反応中における相補鎖DNA中のv対応位置へのyの選択的導入について調べた。反応プライマーDNA及び鋳型DNAとしては下記のものを使用した。
プライマー
5’−ataatacgactcactatagggag−3’ (配列番号4、図11)
鋳型DNA
5’−ttctcnntcttcctccctatagtgagtcgtattat−3’ (nn=ta、tv、ts,vv又はss)(配列番号5、図11)
プライマーは、実施例2と同様に[α−32P]ATPを用いて、予め5’末端を標識し、ゲル電気泳動により精製した。実験2および3ではプライマーからの伸長の1塩基目としてy塩基が取り込まれる。これに対し、本実験では、プライマーから伸長した数塩基先の対応する部分に鋳型のvが存在するため、伸長反応中における相補鎖DNA中のv対応位置へyの導入が調べられる。
2×反応緩衝液(20mM Tris−HCl pH 7.5,14mM MgCl,0.2mM DTT)中に溶かした鋳型鎖DNA(400nM)と5’末端が32Pで標識されたプライマー(図11)(400nM)を95℃で3分加温後急冷してアニーリングを行い、二本鎖を形成させた。この二本鎖DNA溶液を5μlずつ分注した後、dNTP溶液(図12又は13の各レーン中に示した組み合わせ)(50μM)2μlと水で希釈したKlenowフラグメント(KF exo;TaKaRaから購入したシークエンス用Cloned Klenow Fragment(Large Fragment E.coli DNA Polymerase I)3μl(0.15単位)を加えて、37℃で酵素反応を開始した。3分間インキュベートした後、10μlの10 M尿素を含むTBE溶液を加えて75℃で3分加温して酵素反応を終了させた。反応条件をまとめると以下の通りである:鋳型/プライマー 200nM;KF exo 0.015U/μl;dNTPs 10μM;反応 37℃ 3分間。
反応溶液の一部を15%ポリアクリルアミド−7 M尿素ゲルで電気泳動して、バイオイメージングアナライザー(BAS2500,富士フィルム)で反応産物を解析した。結果を図12及び13に示す。図12において、NN=vTにおける基質A,G,yのレーンと、NN=sTにおける基質A,G,yのレーンを比較すると、35−merのバンドの濃さから、複製の伸長反応でも、s−y塩基対よりもv−y塩基対の方が、複製の効率が高いことがわかる。さらに、本発明のvまたは対照のsを2つ並べた場合の複製効率を調べた(図13)。図13に示されたように、sを2つ並べて導入した鋳型DNAを用いた場合、その部分で2つの基質yが取り込まれる効率は著しく低下し、35−merの産物はほとんど得られなかった(NN=ss、A,G,yのレーン)。これに対し、vの場合は、これが2つ並んでいても複製は進行し、2つの基質yが相補鎖DNA中に取り込まれた産物が得られることがわかった(NN=vv、A,G,yのレーン)。
実施例5 転写によるRNA中へのryTPの位置選択的導入(図14−16)
本実施例では、RNAへの転写反応によるryTPの位置選択的導入を調べた。具体的には、vおよびsを含むDNA(temp35N−1とtemp35N−2;各35−mer)(各々、配列番号2及び5)を鋳型に用いてT7 RNAポリメラーゼによる転写反応を行った。転写反応に必要なDNAプライマーは以下の配列のものを使用した。
T7prim21;21−マー
5’−ataatacgactcactataggg−3’ (配列番号6 図14)
鋳型鎖とT7prim21を10mM NaClを含む10mM Tris−HCl(pH7.6)中で混合し,アニーリング操作により二本鎖とし,転写反応に用いた(図14)。T7転写反応は、TAKARA SHUZO CO.,LTDの酵素を用いて、20μlのスケールで行った[T.Ohtsuki et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,98,4922−4925(2001)]。具体的には、40mM Tris−HCl pH8.0,5mM DTT,24mM MgCl,2mM スペルミジン,0.01% TritonX−100,10mM GMP,1mM NTPs(図15及び16に示されたように、N=G,C,U,これにryTPを含むまたは含まない),2μCi[α−32P]ATP,2μM 二本鎖DNA(鋳型鎖とT7prim21),2.5U/μl T7 RNA ポリメラーゼ(TaKaRa)を含む反応液中で、37℃で3時間インキュベーションし、転写反応を行った。転写反応が完全に進行すれば、以下の全長配列を有するRNA産物が得られる。
5’−gggaggaaganngagaa−3’ (nn=ua、ya又はyy)(配列番号7 図14)
反応液に等量の10M尿素を含むBPBdye溶液を添加し、75℃で3分加温して反応を終了させた後、20%ポリアクリルアミド−7 M尿素ゲルで電気泳動を行い、転写反応生成物の確認をした。[α−32P]ATPによりラベルされた反応産物をバイオイメージングアナライザー(BAS2500,富士フィルム)で解析した。結果を、図15及び16に示す。T7 RNAポリメラーゼによる転写(図14)でのsTを含む鋳型に対する基質yのRNA中への取り込み効率は、天然型塩基対(AT)の場合に比べて50−60%程度であった。これに対しvTを含む鋳型に対する基質yの取り込み効率は96%であり、天然型塩基対とほぼ同程度の高い転写効率を示した(図15)。
また、鋳型中にsを2つ並べた場合(NN=ss)、2つのyが取り込まれたRNA中は得れなかった。これに対し、鋳型中にvが2つ並んでいる場合(NN=vv)は転写が進行し、その効率は30%程度であったが、2つの基質yがRNA中に取り込まれた(図16)。
実施例6 2−アミノ−6(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン誘導体の合成(図5−7)
1) 2−トリブチルスズ−4−メチルチアゾール(化合物3b)の合成(図5)
アルゴン雰囲気中−78℃に冷却したジエチルエーテル(25ml)に4−メチルチアゾール(化合物2b)(455μl,5.0mmol)を加えた後、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.58M,3.2ml,5.0mmol)を滴下し−78℃で30分撹拌した。この溶液に塩化トリブチルスズ(1.5ml,5.5mmol)を−78℃で滴下し室温まで撹拌しながら自然に昇温した(30分)。この反応溶液を飽和食塩水で3回洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥後、溶媒を除去して2−トリブチルスズ−4−メチルチアゾール(化合物3b)(黄色の液体)を得た。化合物3bは、さらなる精製は行わずに、そのまま次の反応に用いた。
2) 2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6b)の合成(図5)
1)で合成した2−トリブチルスズ−4−メチルチアゾール(化合物3b)と2−アミノ−6−トシルオキシ−9−(2−デオキシ−3,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物4)から実施例1の化合物6aの合成と同様にして目的物6bを得た。2工程の収率78%。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ2.27(m,1H),2.49(s,3H),2.65(m,1H),3.56(m,2H),3.85(m,1H),4.39(m,1H),4.96(br s,1H),5.30(br s,1H),6.30(t,1H,J=6.8Hz),6.73(br s,2H),7.57(s,1H),8.40(s,1H);
13C−NMR(68MHz,DMSO−d)δ17.08,61.55,70.58,82.56,87.57,118.76,122.64,141.51,147.31,154.02,154.69,159.70,162.79;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C1417S(M+1)として、計算値349.1083,測定値349.1063;
UV−vis(EtOH中)λmax=232nm(ε=17600),311nm(ε=8260),361nm(ε=9020),λmin=267nm(ε=2750),334nm(ε=6740);
TLC Rf=0.20(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
3) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7b)の合成(図6)
2)で合成した2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6b)から実施例1の化合物7aの合成と同様にして目的物7bを得た。収率95%。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ2.35(m,1H),2.51(s,3H),2.80(m,1H),3.59(m,2H),3.89(m,1H),4.47(m,1H),4.92(t,1H,J=5.4Hz),5.12(s,2H),5.35(d,1H,J=4.1Hz),6.43(t,1H,J=6.7Hz),6.97(m,3H),7.31(t,2H,J=7.5Hz),7.70(s,1H),8.78(s,1H),10.96(s,1H);
13C−NMR(75MHz,DMSO−d)δ17.01,61.49,67.33,70.54,83.38,87.99,114.46,120.13,120.85,126.13,129.44,145.31,147.03,152.09,153.84,154.75,157.95,161.77,167.65;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C2223S(M+1)として、計算値483.1451,測定値483.1414;
TLC Rf=0.23(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
4) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8b)の合成(図6)
3)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7b)から実施例1の化合物8aの合成と同様にして目的物8bを得た。収率99%。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ2.65(s,m,3H,1H),2.86(m,1H),3.34−3.47(m,2H),3.72(s,6H),4.18(m,1H),4.69(br s,2H),4.87(m,1H),6.59(t,1H,J=6.3Hz),6.74(dd,4H,J=2.0,8.9Hz),7.00−7.38(m,15H),8.28(s,1H),9.12(br s,1H);
13C−NMR(68MHz,CDCl)δ17.73,40.49,55.21,60.41,63.98,67.90,72.47,84.43,86.35,86.49,113.07,114.86,119.27,122.26,123.63,126.79,127.31,127.74,127.99,129.72,129.89,135.57,135.61,144.41,148.27,149.72,151.39,153.40,155.90,156.92,158.35,162.02,166.11;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C4341S(M+1)として、計算値785.2757,測定値785.2715;
TLC Rf=0.48(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
5) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(化合物9b)の合成(図6)
4)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8b)から実施例1の化合物9aの合成と同様にして目的物9bを得た。収率81%。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ1.09−1.13(m,12H),2.38(t,1H,J=6.5Hz),2.57(t,1H,J=6.5Hz),2.60(s,3H),2.70(m,1H),2.81(m,1H),3.34(dd,2H,J=4.1,13.6Hz),3.68(s,6H),3.49−3.83(m,4H),4.24(m,1H),4.69(m,1H),4.74(br s,2H),6.46(t,1H,J=6.4Hz),6.69(m,4H),6.96−7.33(m,15H),8.25,8.27(s,s,1H),8.94(br s,1H);
31P−NMR(121MHz,CDCl)δ149.09;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C5258PS(M+1)として、計算値985.3836,測定値985.3973;
TLC Rf=0.38及び0.25(ジアステレオ異性体)(CHCl:hexane=3:2,v/v,2%TEA)。
実施例7 2−アミノ−6(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン誘導体の合成(図5−7)
1) 2−トリブチルスズ−5−メチルチアゾール(化合物3c)の合成(図5)
5−メチルチアゾール(化合物2c)から実施例6の化合物3bの合成と同様にして目的物3cを得、さらなる精製は行わずに、そのまま次の反応に用いた。
2) 2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6c)の合成(図5)
1)で合成した2−トリブチルスズ−5−メチルチアゾール(化合物3c)と2−アミノ−6−トシルオキシ−9−(2−デオキシ−3,5−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物4)から実施例1の化合物6aの合成と同様にして目的物6cを得た。2工程の収率81%。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ2.26(m,1H),2.54(s,3H),2.64(m,1H),3.55(m,2H),3.84(m,1H),4.38(m,1H),4.96(t,1H,J=5.5Hz),5.30(d,1H,J=4.0Hz),6.29(t,1H,J=6.8Hz),6.68(br s,2H),7.80(s,1H),8.38(s,1H);
13C−NMR(68MHz,DMSO−d)δ11.78,61.57,70.61,82.52,87.57,122.52,138.00,141.44,142.88,147.57,154.61,159.65,162.03;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C1417S(M+1)として、計算値349.1083,測定値349.1125;
UV−vis(EtOH中)λmax=232nm(ε=17040),307nm(ε=11100),361nm(ε=10430),λmin=267nm(ε=3980),333nm(ε=7420);
TLC Rf=0.15(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
3) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7c)の合成(図6)
2)で合成した2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物6c)から実施例1の化合物7aの合成と同様にして目的物7cを得た。収率95%。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ2.35(m,1H),2.59(s,3H),2.79(m,1H),3.59(m,2H),3.89(m,1H),4.45(m,1H),4.93(t,1H,J=5.4Hz),5.14(s,2H),5.35(d,1H,J=3.9Hz),6.43(t,1H,J=6.7Hz),6.97(m,3H),7.31(t,2H,J=7.8Hz),7.92(s,1H),8.77(s,1H),10.91(s,1H);
13C−NMR(75MHz,DMSO−d)δ11.76,61.49,67.40,70.55,83.32,87.98,114.48,120.83,125.93,129.43,139.52,143.61,145.20,147.17,152.05,153.81,157.95,160.95,167.80;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C2223S(M+1)として、計算値483.1451,測定値483.1489;
TLC Rf=0.18(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
4) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8c)の合成(図6)
3)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物7c)から実施例1の化合物8aの合成と同様にして目的物8cを得た。収率94%。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.54(s,3H),2.58(m,1H),2.83(m,1H),3.28−3.42(m,2H),3.67(s,6H),4.12(m,1H),4.68(bs,2H),4.82(m,1H),6.52(t,1H,J=6.3Hz),6.69(dd,4H,J=2.5,8.8Hz),6.96−7.32(m,14H),7.81(s,1H),8.22(s,1H),8.96(br s,1H);
13C−NMR(75MHz,CDCl)δ 12.28,40.43,55.18,60.39,64.00,67.98,72.56,84.40,86.39,86.54,113.15,114.98,122.36,123.72,126.90,127.10,127.85,128.10,129.83,129.98,130.00,135.69,135.73,135.94,139.39,144.17,144.45,144.53,148.59,149.86,151.44,153.54,157.15,158.51,161.71;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C4341S(M+1)として、計算値785.2757,測定値785.2794;
TLC Rf=0.35(CHCl:MeOH=9:1,v/v)。
5) 2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−[2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−3−O−(N,N−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスフォルアミジル)−β−D−リボフラノシル]プリン(化合物9c)の合成(図6)
4)で合成した2−フェノキシアセチルアミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−5−O−ジメトキシトリチル−β−D−リボフラノシル)プリン(化合物8c)から実施例1の化合物9aの合成と同様にして目的物9cを得た。収率74%。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ1.10−1.12(m,12H),2.38(t,1H,J=6.5Hz),2.54(s,3H),2.56(t,1H,J=6.5Hz),2.68(m,1H),2.83(m,1H),3.32(m,2H),3.67(s,6H),3.47−3.83(m,4H),4.24(m,1H),4.70(m,1H),4.76(br s,2H),6.45(t,1H,J=6.6Hz),6.69(m,4H),6.96−7.33(m,14H),7.80(s,1H),8.24,8.25(s,s,1H),8.83(br s,1H);
31P−NMR(121MHz,CDCl)δ149.03;
HRMS(FAB,3−NBA matrix)C5258PS(M+1)として、計算値985.3836,測定値985.3972;
TLC Rf=0.19及び0.12(ジアステレオ異性体)(CHCl:hexane=3:2,v/v,2%TEA).

Claims (13)

  1. 2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  2. チアゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基を塩基として有する、請求項1に記載のヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  3. チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位が低級アルキル基で置換されている、請求項1又は2に記載のヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  4. 2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)プリン−9−イル基又は−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)プリン−9−イル基を塩基として有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  5. 以下の
    i)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
    ii)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
    iii)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
    iv)2−アミノ−6−(2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
    v)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
    vi)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
    vii)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
    viii)2−アミノ−6−(4−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;
    ix)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン;
    x)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン;
    xi)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル;及び
    xii)2−アミノ−6−(5−メチル−2−チアゾリル)−9−(β−D−リボフラノシル)プリン リン酸エステル
    からなるグループから選択される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  6. ホスホロアミダイト誘導体である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヌクレオシド、ヌクレオチド又はそれらの誘導体。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のヌクレオチドが組み込まれた核酸。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のヌクレオチドと、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドとが塩基対を形成している、請求項7に記載の核酸。
  9. tRNA、mRNA、アンチセンスDNA若しくはRNA、リボザイム又はアプタマーとして使用される、請求項7に記載の核酸。
  10. タンパク質、ペプチド全体又は一部をコードする、請求項7に記載の核酸。
  11. 5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドが組み込まれた核酸を調製する方法であって、
    2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオチドを含む核酸を鋳型として転写、複製又は逆転写を行い、前記2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、を塩基として有するヌクレオチドの相補的な位置に、5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチドを組み込む
    ことを含む、前記方法。
  12. 鋳型において、前記2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基を有するヌクレオチドが、2又はそれより多く隣接して配置される、請求項11に記載の方法。
  13. 2−アミノ−6−(2−チアゾリル)プリン−9−イル基、又は、2−アミノ−6−(2−オキサゾリル)プリン−9−イル基、ここにおいて、チアゾリル基又はオキサゾリル基の4位及び/又は5位は置換されていてもよい、を塩基として有するヌクレオチドを含む核酸、並びに
    5位置換若しくは非置換−2−オキソ(1H)−ピリジン−3−イル基を塩基として有するヌクレオチド
    を含む、請求項11又は12の方法に使用するためのキット。
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