JP2005522416A - 核酸の酵素的レドックス標識 - Google Patents

核酸の酵素的レドックス標識 Download PDF

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Abstract

式(I)で表される修飾ヌクレオシド類似体:P−S−B−L−R(式中、Pは、5’トリホスフェート又はその類似体若しくは誘導体であり;Sは、ジデオキシ糖を除く、置換又は未置換5員又は6員環糖、糖類似体又は非環状糖類似体であり;Bは、置換又は未置換窒素塩基若しくは塩基類似体又はその誘導体であり;Lは、リンカー基であり;Rは、置換又は未置換メタロセン部分、置換又は未置換金属錯体、又は置換又は未置換レドックス活性有機部分である)。この修飾ヌクレオシドは、ヌクレオチド鎖に酵素的組み込みができ、ヌクレオチドのレドックス標識が可能である。

Description

本発明は、レドックス標識ヌクレオシド類似体の合成、構成及び用途に関する。より詳細には、本発明は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、とりわけテンプレート依存的ヌクレオチジルトランスフェラーゼによる核酸へのランダム又は部位特異的組み込みをするとともに、得られた核酸生成物を電気化学的に検出するためのヌクレオシドトリホスフェートに関する。
特異的核酸配列の検出は、遺伝子の同定及びそれらの発現及び変異の分析において中心的役割を果たしている。これらの課題に用いられる方法には、標識又は塩基配列の同一性の決定のために、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素による核酸プローブの合成がおこなわれることがある。標識では、化学的に標識されるか、又は特異的に検出可能にするような特定の化学組成を有するヌクレオチドを組み込むことがよくある。
長年、ヌクレオチド及び核酸が、放射性同位元素、最も一般的には32Pで標識されてきた。しかしながら、放射性構成物を使用することには、潜在的な健康上の危険があるとともに、付随して調節が面倒であり、放射線分解、短い同位体の半減期及び比較的面倒な検出手段により生じるさらなる不都合がある。非同位体標識の初期の実施において、ビオチン標識ヌクレオチドが以前に記載された。この用途では、適切なポリメラーゼにより効率的にDNA及びRNAに組み込むことができた。標識の比色検出では、ビオチン−アビジン相互作用及びアビジン−酵素複合体が利用された。より最近では、ハプテン標識法、例えば、ジゴキシゲニン標識(d)NTP及び抗体−酵素複合体が、代替物として導入された。ビオチン−、ジゴキシゲニン−及びジニトロフェニル−ヌクレオチドは、現在広く使用されている。現在では、蛍光標識が、核酸配列決定やミクロアレー発現分析における用途では主に使用されている。蛍光標識では、感度が増加するとともに、多色検出をおこなうことも可能である。これは、他の用途と同様に、化学的オリゴヌクレオチド合成の間に、酵素的合成の過程で蛍光標識ヌクレオチドの組み込みによるか、又は合成後に反応性染料構成物を用いて誘導化することにより、オリゴヌクレオチドを標識できる。酵素的組み込み用の多種多様な蛍光標識NTP、dNTP、ddNTP及び非環状NTPが、現在市販されている。蛍光法が緻密であるため、最近、希土類クリプテートで標識したヌクレオチドを使用して核酸の時間分解蛍光及びFRET検出が実行されている。
電気化学的検出(ECD)は、電子の流れに基づく分子の検出である。電気化学的検出は、他の手法の代替法として有望であり、高感度で、迅速であり、小型化(例えば、ラブ・オン・チップ)フォーマットで安価に製造するのに都合がよい。いくつかの異なるものが、現在開発及び商業化されている。一つの手法においては、未標識核酸を、1.1V付近での電位でグアニン(G)核酸塩基の遷移金属錯体介在酸化により、amol感度で検出する。
ほとんどの他の電気化学的法は、化学的複合化により、レドックス標識、典型的には金属錯体、メタロセン又はキノンの一つ以上のコピーを導入することに基づいている。安定であり、迅速に合成ができ、且つレドックスの調整が容易であることから、フェロセンによる標識が、顕著に注目を集めている。初期のレドックス標識では、5’−アミノヘキシルオリゴヌクレオチドをフェロセンと複合化してfmolレベルでハイブリダイゼーション及びPCR産物の電気化学的検出が可能とされた。オリゴヌクレオチド合成及びオリゴヌクレオチドの3’端標識中に5’端標識するためのフェロセンのホスホラミダイトも、最近実証された。
化学的オリゴヌクレオチド合成中の内部組み込みについて、フェロセニル部分を2’−デオキシウリジンの5の位置に結合したホスホラミダイトモノマー、及びフェロセニルプロパルギルアミドによるヨード−dUのオンカラム誘導化が、アデノシン及びシトシンの2’−リボース位置に標識したホスホラミダイトとともに、記載された。
これらの手法の他に、DNAプローブの非特異的内部標識が、フェロセンカルボキサルデヒド又はアミノフェロセンとの反応により得られた。フェロセンのナフタレンジイミド誘導体がインターカレーションを介してdsDNAに優先的に結合する能力を用いて、ハイブリダイゼーションが検出された。
核酸に電気化学法を適用することは、蛍光法ほどには前進していない。この分野では、集積ECDを用いたCE(キャピラリー電気泳動)チップの構成が開発されており、且つECD DNA配列決定についての「4色染料プライマー」類似体法が最近実証された。しかしながら、各レドックス標識核酸をホスホラミダイト又は合成後反応により調製する現在の技術では、実用的な使用範囲が制限される。
本発明によれば、窒素塩基にレドックス標識を有する修飾ヌクレオシド類似体が提供される。
本明細書では、レドックス標識ヌクレオシド類似体の構成、合成及び用途、さらに詳細には、核酸にランダム又は部位特異的に組み込むためのNTPを、それらの電気化学的検出とともに説明する。重要なことに、これらの類似体は、オリゴ−及びポリ−ヌクレオチドに、酵素的合成の過程で、多数のヌクレオチジルトランスフェラーゼ又はポリメラーゼ(テンプレート依存ヌクレオチジルトランスフェラーゼ)により組み込まれる。ある種の用途では、高レベルの標識が可能であり、検出の感度が顕著に増加する。
したがって、本発明の第一の態様によれば、
式(I)で表される修飾ヌクレオシド類似体:
P−S−B−L−R (I)
(式中、
Pは、5’トリホスフェート又はその類似体若しくは誘導体であり;
Sは、ジデオキシ糖を除く、置換又は未置換5員又は6員環糖、糖類似体又は非環状糖類似体であり;
Bは、置換又は未置換窒素塩基若しくは塩基類似体又はその誘導体であり;
Lは、リンカー基であり;
Rは、置換又は未置換メタロセン部分、置換又は未置換金属錯体、又は置換又は未置換レドックス活性有機部分である)が提供される。
これらの修飾ヌクレオシド類似体の利点は、これらがヌクレオチド鎖に酵素的に組み込むことができることである。
一実施態様によれば、Pは、トリホスフェート又はトリホスフェート含有部分、例えば、α−、β−又はγ−チオトリホスフェート、α−ジチオトリホスフェート、β,γ−メチレントリホスフェート又は他の酵素適合トリホスフェート部分である。本発明のヌクレオシドトリホスフェートは、酵素的手段により、核酸鎖に最も容易に取り込まれることができる。
好ましくは、基Sは、置換又は未置換リボース、2’−デオキシリボース、3’−フルオロ−2’−デオキシリボース、3’−アミノ−2’−デオキシリボース;2’−O,4’−C−メチレン−、2’−C,4’−C−エチレン−又は2’−O,4’−C−エチレン架橋フラノース等の二環「ロックド」LNA糖;又は2−ヒドロキシエトキシメチル基又はその類似体を含む非環状部分から選択される。糖が置換糖であるとき、置換基(単一又は複数)は、フルオロ基、アミノ基、水酸基、メチル基、若しくはメトキシ基、又はヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の活性部位への結合と適合する他の小さな置換基の一つ以上でよい。
好ましくは、基Bは、置換又は未置換プリン若しくはピリミジン又は他の核酸塩基若しくは核酸塩基類似体である。より好ましくは、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル又はチミン誘導体、例えば、アデニン及びグアニンの7−デアザ変異体である。核酸塩基誘導体を使用する場合には、核酸塩基誘導体は、好ましくは少なくとも一つのチオ又はブロモ基を含む。
核酸塩基が、プリン構造に基づくものであるときには、Lは、好ましくはプリン構造のC8に結合している。塩基が、プリン構造の7−デアザ変異体であるときには、Lは、好ましくはC7又はC8に結合している。核酸塩基が、ピリミジン構造に基づくものであるときには、Lは、好ましくはC5に結合している。これにより、組み込み後オリゴヌクレオチドから延びて離れていくL及びRについて、所望の配向が得られる。
好ましくは、Lは、環状基を有するか又は有しない、飽和又は不飽和脂肪族鎖である。好ましくは、Lは、輪郭長さが1〜24個の結合、最も好ましくは長さが3〜12個の結合である。Lは、他の基、例えば、一つ以上のアミン基を含むことができる。Lは、好ましくは、リンカーの剛性を増加するために、一つ以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を有している。最も好ましくは、Lは、プロペニル誘導体又はプロピルアルギル誘導体、例えば、プロペニルアミン又はプロパルギルアミンから選択される。
Rは、置換又は未置換メタロセン、置換又は未置換金属錯体又は有機レドックス部分である。好適な置換基には、フルオロ基、ブロモ基、クロロ基、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、シアノ基、チオシアノ基、アミノ基、ニトロ基、ビニル基、アミド基、メチルアミド基及びジメチルアミド基のうちの一つ以上があげられる。
好ましくは、好適なメタロセンには、フェロセン、及びレドックス電位が標準水素電極(SHE)に対して−1.0〜+1.0Vの範囲である他のメタロセンなどがある。
一実施態様によれば、レドックス活性有機部分は、キノンである。アントラキノン及び置換アントラキノンが、とりわけ好ましい。
好適な金属錯体には、遷移金属、例えば、鉄、銅、コバルト、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、又は好適なレドックス挙動を示す他の遷移金属又は非遷移金属のキレート及びクリプテートなどがある。好適なレドックス挙動には、E0が標準水素電極に対して+1V〜−1Vの範囲である可逆性電子移動を示す金属錯体などがある。
有用なレドックス標識ヌクレオシドを製造するのに、多数のリガンドを使用できる。
好ましいリガンドには、三座リガンド、とりわけO及びN金属ドナーの両方を含有しているものなどがある。これらの金属には、Fe、Ru及びOs、さらには2つの三座リガンドが金属中心に適切に結合している他の金属などがある。金属中心だけでなくリガンドの特性を変化させることにより、錯体のレドックス特性が調整される。リガンドには、三座N−ドナーリガンド、例えば、テルピリジン(terpy)、ビス(ベンズイミダゾリル)ピリジン(bzimpy)及びビス(ピラゾリル)ピリジン(bpp)、並びに混合O,N,Oドナーリガンド、例えば、ピリジンジカルボン酸(dipic)などがある。ここに挙げられていないリガンドもあること、及び本発明は、式Iのレドックス標識ヌクレオシドにおいて好適な金属錯体を生成する全てのリガンドをカバーすることは、理解されるところであろう。
好ましい実施態様によれば、Rは、置換又は未置換メタロセン部分、より好ましくはフェロセンである。
本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体の合成方法であって、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン、金属錯体又は錯化剤又は有機レドックス部分前駆体と反応させて前記ヌクレオシ(チ)ド類似体と、前記メタロセン、金属錯体又は錯化剤又は有機レドックス部分との間に結合を形成することを含む方法が提供される。この方法は、出発ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体がトリホスフェート又はトリホスフェート誘導体を含まない場合には、続いて5’トリホスフェート又はその誘導体を組み込む工程をさらに含んでいてもよい。
好ましい実施態様によれば、前記ヌクレオシ(チ)ド前駆体と前記メタロセン、金属錯体又は錯化剤又は有機レドックス部分との間の結合が、縮合反応により形成される。この実施態様によれば、本方法は、縮合剤を添加する工程をさらに含む。
別の実施態様によれば、前記ヌクレオシ(チ)ド類似体と前記メタロセン、金属錯体若しくは錯化又は有機レドックス部分との間の結合が、置換反応により形成される。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体の合成方法であって、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン前駆体と、縮合剤の存在下で反応させて前記ヌクレオシド類似体と、前記メタロセン又はその誘導体との間に結合を形成することを含む方法が提供される。
一実施態様によれば、ヌクレオチド前駆体は、5−アミノアリル−ウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−ウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−シチジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−シチジン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−デアザアデノシン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−デアザグアノシン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−2’−デオキシシチジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−2’−デオキシシチジン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−7−デアザ−2’デオキシアデノシン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−アシクロウリジン−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−アシクロシチジン−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−アシクロデアザアデノシン−トリホスフェート又は7−アミノプロパルギル−アシクロデアザグアノシン−トリホスフェートである。ここに挙げたもの以外のヌクレオチド前駆体もあり、それらを、使用することもできる。
一実施態様によれば、メタロセン前駆体は、カルボン酸である。好ましくは、このメタロセン前駆体は、フェロセンカルボン酸又はフェロセン酢酸又はその誘導体である。
好ましくは、前記縮合剤が、カルボジイミド、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ウロニウム化合物、活性化エーテル類、及びアミド結合の形成に用いられる他の化合物のいずれか一つから選択される。好適な縮合剤には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、スクシンイミドエステル、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、又はこれらの縮合剤の組み合わせなどをあげることができる。
好ましい実施態様によれば、前記縮合剤は、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)である。
本発明の第三の態様によれば、第一の態様によるヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基を含むオリゴ−又はポリ−ヌクレオチドプローブ、プライマー又は酵素的反応生成物が提供される。好ましくは、前記ヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基が、本発明の第一の態様によるメタロセンヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基を含む。
本発明の第四の態様によれば、ヌクレオチド鎖の組み込み方法であって、テンプレートヌクレオチド鎖と、第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体とを、前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼ又はポリメラーゼの存在下で反応させることを含む方法が提供される。
本発明の第五の態様によれば、ヌクレオチド鎖の延長方法であって、ヌクレオチド鎖と、第一の態様の修飾ヌクレオシド類似体とを、末端トランスフェラーゼ又はポリ(A)ポリメラーゼ等の非前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼの存在下で反応させることを含む方法が提供される。
好ましくは、修飾ヌクレオシド類似体は、トリホスフェートである。
本発明の第六の態様によれば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の電気化学的検出方法であって、本発明の第一の態様の修飾ヌクレオシド類似体を核酸鎖に組み込み、前記類似体をそのレドックス電位に基づいて検出することを含む方法が提供される。
本発明の第七の態様によれば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の電気化学的検出方法であって、本発明の第一の態様による二種以上の異なる修飾ヌクレオシド類似体を同一又は異なる核酸鎖に組み込み、前記修飾ヌクレオシド類似体をそれらの異なるレドックス電位に基づいて検出することを含む方法が提供される。
以下、本発明を、実施態様及び添付図面を参照してさらに説明するが、本発明は、これらには限定されない。
特記のない限りは、ここで使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション法及び生化学における当業者)により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。分子的方法、遺伝的方法及び生化学的方法(一般的には、Sambrook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(分子クローニング:実験マニュアル),第2版(1989)、Cold Spring Harbor Laboratory Press社,Cold Spring Harbor,NY及びAusubel等、Short Protocols in Molecular Biology(分子生物学におけるショートプロトコール)(1999),第4版、John Wiley&Sons社−完全版のタイトルは、「Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における最新プロトコール)」となっている(これらは、引用することにより本明細書の内容とする)参照)並びに化学的方法には、標準的な方法を使用する。
本発明の第一の態様によれば、
式(I)で表される修飾ヌクレオシド類似体:
P−S−B−L−R (I)
(式中、
Pは、トリホスフェート又はその類似体若しくは誘導体であり;
Sは、ジデオキシ糖を除く、置換又は未置換5員又は6員環糖、糖類似体又は非環状糖類似体であり;
Bは、置換又は未置換窒素塩基若しくは塩基類似体又はその誘導体であり;
Lは、リンカー基であり;
Rは、置換又は未置換メタロセン部分、置換又は未置換金属錯体、又は置換又は未置換レドックス活性有機部分である)が提供される。
重要なことに、本発明の修飾ヌクレオシド類似体は、酵素的にヌクレオチド鎖に組み込むことができる。糖が5員又は6員環糖である場合には、本発明の修飾ヌクレオシド類似体は、連鎖生長反応を継続しながら、ヌクレオチド鎖への酵素的な組み込みが可能である。
ヌクレオシド類似体は、核酸(DNA又はRNA又はキメラDNA/RNA)鎖に酵素的又は化学的手段により組み込まれることができ、そこで、鎖及び塩基対に塩基スタッキングしたり、相補鎖におけるヌクレオチド残基を立体的に収容できる、化合物である。
天然ヌクレオチドは、窒素塩基、糖及び1個以上のホスフェート基からなる。より一般的な定義では、ヌクレオチド類似体は、糖の極端なトランケーション等のこれらの部分の非常に不自然な形態を含むことができる。
本発明の実施態様によれば、基Pは、最も一般的にはトリホスフェート又はα−チオ−トリホスフェートであるが、β-及びγ-チオトリホスフェート並びに酵素適合性部分である他の類似体を含むことができる。
ヌクレオシドとヌクレオチドの両方において、窒素塩基は、プリン誘導体又はピリミジン誘導体である。2種の主要なプリンは、アデニン及びグアニンであり、3種の主要なピリミジンは、シトシン、ウラシル及びチミンである。窒素塩基は、修飾されていてもよい。例えば、ウリジンの場合、C4置換基(O)をSで置き換えて4−チオウリジンを形成してもよい。シトシンの場合、H5を、メチル基により置き換えて5−メチルシトシンを形成してもよい。7−デアザプリン誘導体においては、N7を、C7により置き換えてもよい。ヌクレオシド誘導体に対してさらなる修飾をほどこして、窒素塩基を代替の芳香族基、例えば、ピロール又はインドール環構造で置き換えることも、考えられる。このような修飾も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明によれば、式(I)の糖構造は、置換又は未置換ペントース又はヘキソース又は非環状部分でよい。好ましくは、ペントースは、リボース、2’−デオキシリボース、3’−フルオロリボース、3’−アミノリボース、3’−フルオロ−2’−デオキシリボース、3’−アミノ−2’−デオキシリボース又は3’−アジド−誘導体である。非環状糖置換は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ基質としても機能する。
Rは、置換又は未置換メタロセン、置換又は未置換金属錯体又は有機レドックス部分である。一実施態様によれば、好適なメタロセンには、フェロセン、及びレドックス電位が標準水素電極(SHE)に対して−1.0〜+1.0Vの範囲である他のメタロセンなどがある。別の実施態様では、好適な金属錯体には、遷移金属、例えば、鉄、銅、ルテニウム及びロジウム、又は好適なレドックス挙動を示す他の非遷移元素のキレート及びクリプテートなどがある。
好ましくは、Rは、未置換又は置換フェロセンである。種々の置換基を選択してフェロセンヌクレオシド類似体のレドックス電位を変更することにより、異なる標識を得ることができる。好適な置換基には、ニトロ基、第一、第二及び第三アミン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミデート、ハロゲン、アルキル及びアルキル誘導体並びにシクロペンタジエニル環での置換と適合する各種の他の置換基などがある。レドックス修飾置換基を、リンカー基に結合していないフェロセンの環に付加してもよい。この選択性は、置換を他の環に導く先に置換された環の電子的特性により生じる。
Rが、置換金属キレートであるときには、金属リガンドを選択して金属キレートヌクレオシド類似体のレドックス電位を変更してもよい。これは、酸素、窒素、イオウ及び他のドナーの間のドナー原子を変更することにより、及びリガンドフレームワーク構造を変更することによりおこなうことができる。別法として、単一のキレート又はクリプテートリガンドの金属成分を変更して、各種のレドックス電位を得ることができる。
基Rは、リンカー基Lによりヌクレオシドに連結されている。リンカー基は、好ましくは環状基を有するか、又は有しておらず、好ましくは輪郭長さが1〜24個の結合、最も好ましくは長さが3〜12個の結合である、飽和又は不飽和脂肪族鎖である。飽和度は、変化させてもよい。二重結合及び/又は三重結合及び/又は芳香族環の割合がおおきいほど、剛性が大きい。炭素鎖は、1個以上の窒素原子、イオウ原子及び/又は酸素原子で置換されていてもよい。広範囲の結合化学反応が適合可能である。
好ましい実施態様によれば、結合は、アルキルアミド基を介して生じる。
第二の態様の好ましい実施態様によれば、本発明の第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体の合成方法であって、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン、金属キレート又は有機レドックス部分前駆体と、縮合剤の存在下で、反応させて前記ヌクレオシ(チ)ド類似体と、前記メタロセン、金属キレート又は有機レドックス部分との間に結合を形成することを含む方法が提供される。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体の合成方法であって、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン前駆体と、縮合剤の存在下で反応させて前記ヌクレオシド類似体と、前記メタロセンとの間に結合を形成することを含む方法が提供される。
ヌクレオシド前駆体及びヌクレオチド前駆体は、誘導化ヌクレオシド及びモノヌクレオチド等の種々の形態をとることができる。好ましい反応には、ヌクレオシドトリホスフェート及び最小数の化学的工程が含まれる。当業者は、この合成を、多数の方法によりおこなうことができる。
好ましくは、メタロセン前駆体は、メタロセンカルボン酸である。他の実施態様によれば、メタロセン前駆体は、アルキルアミノ、アルデヒド、ハロゲン化又は他の部分を含む別の反応形態でもよい。好ましくは、修飾ヌクレオシド類似体がフェロセンヌクレオシド類似体であるとき、メタロセン前駆体は、フェロセンカルボン酸又はフェロセン酢酸である。
縮合剤は、当該技術分野において周知であり、ウラン化合物、活性化エーテル及びアミド結合の形成に用いられる他の化合物の他に、ジシクロヘキシルカルボジイミド及び他のカルボジイミドなどがある。一実施態様によれば、縮合剤は、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)である。
本発明のヌクレオシド類似体は、DNA、RNA及びDNA/RNAキメラを標識したり、オリゴヌクレオチドに組み込むのに有用である。
本発明の一つの態様によれば、第一の態様によるメタロセンヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基を含むオリゴ−又はポリ−ヌクレオチドプローブ、プライマー又は他の酵素的反応生成物が提供される。
本発明によれば、組み換え手段又は合成手段により、分子プローブ又はプライマーを生成できる。一般的に、プローブ又はプライマーは、標的配列に特異的にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドである。プライマーには、例えば、PCRプライマー又は別の用途の反応のためのプライマーなどがある。
一般的に、酵素反応生成物は、ポリメラーゼ反応による等の酵素反応により生成する生成物を含む。
本発明の別の態様によれば、ヌクレオチド鎖の延長方法であって、テンプレートヌクレオチド鎖と、第一の態様による修飾ヌクレオシド類似体とを、前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼ又はポリメラーゼの存在下で反応させることを含む方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、ヌクレオチド鎖の延長方法であって、ヌクレオチド鎖と、第一の態様の修飾ヌクレオシド類似体とを、末端トランスフェラーゼ又はポリ(A)ポリメラーゼ等の非前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼの存在下で反応させることを含む方法が提供される。
一般的に、前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼは、ポリメラーゼヌクレオチドに対するテンプレートを使用して相補鎖とするトランスフェラーゼである。非前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼは、通常テンプレート非依存性であり、限定された数のヌクレオチドを有する鎖を生成する。
好ましくは、修飾ヌクレオシド類似体は、ヌクレオシドトリホスフェートである。
本発明者等により、電気化学的に検出可能な核酸プローブの調製を容易にする目的で、通常のDNA及びRNAポリメラーゼにより核酸を標識するための最初のレドックス標識ヌクレオシドトリホスフェートが提供される。
本発明のフェロセン標識誘導体は、一般的に使用されているポリメラーゼには良好な基質であり、高い標識度が可能であることがわかった。一実施態様によれば、本発明者等は、ヌクレオシドトリホスフェートを用いてピリミジン環のC5の位置を修飾した誘導体(図1)を合成した。C5の修飾は、大部分のポリメラーゼにより、修飾したヌクレオチドのDNA又はRNAへの組み込みを妨害することはほとんどない。かさばったC5置換基を有するdUTP及びUTP誘導体であっても、これらの酵素のための基質としてうまく使用することができる。特定のヌクレオチド誘導体の基質の品質は、ポリメラーゼによって異なる。
本発明の一つの態様によれば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の電気化学的検出方法であって、本発明の修飾ヌクレオシド類似体を核酸鎖に組み込み、前記類似体をそのレドックス電位に基づいて検出することを含む方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の検出方法であって、本発明による二種以上の異なる修飾ヌクレオシド類似体を同一又は異なる核酸鎖に組み込み、前記修飾ヌクレオシド類似体をそれらの異なるレドックス電位に基づいて検出することを含む方法が提供される。これには、異なるレドックス電位を有するレドックス標識ヌクレオチドの製造、これらのヌクレオチドの核酸への組み込み、その後の同時検出及び定量化が含まれる。
一実施態様によれば、1種類のヌクレオチド(例えば、dUTP)を2種の異なるレドックスタグで標識した後、これらのヌクレオチドを別個に異なる処理に対応するcDNAに組み込み、RNAを混合し、同時に検出することにより、二色mRNA発現分析の電気化学的類似法が可能となる。レドックス標識ターミネーターヌクレオチド(通常3’OH基を欠くもの、又はより一般的には、鎖へのそれらの組み込みの後に酵素的鎖延長の停止を生じるヌクレオチド)を、4つの共通塩基A、G、C及びTの各々に対応するヌクレオチドが異なるレドックス基を担持するように用いるとき、4色色素ターミネーター核酸配列決定に類似の電気化学法が可能となる。類似の実施態様によれば、プライマー延長法により核酸多形(SNP及びインデル)の分析が可能となる。
本発明の当業者は、本発明をキットとして提供できる。このキットは、本発明を実施するのに必要とする要素を含むことができる。例えば、キットに、レドックス標識ヌクレオチド(単一又は複数)のバイアル(単一又は複数)、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素(単一又は複数)のバイアル、適切な未標識ヌクレオチド混合物、最適化した反応緩衝液、制御テンプレート及びプライマーを入れて、ユーザーがDNA合成の効率を測定できるようにすることができる。この場合、ユーザーは、用途に応じて特定のプライマー及びテンプレート核酸を適用する。
電気化学的検出
電気化学的検出は、液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動法、マイクロチャネル電気泳動法(Kissinger及びHeineman,Laboratory techniques in Electroanalytical Chemistry(電気分析化学における実験方法),Dekker,N.Y.,1996参照)に用いたり、ミクロアレーフォーマットで使用できる。電気化学的検出は、極めて感度がよく、容積nl〜plにおいて試料のamol〜zmol量を測定できることが判明した。電気化学的方法は、HPLC(Johnston、1995;Shigenaga、1990;Takenaka等、1994)中、マイクロキャピラリー電気泳動(Woolley等、1998)中及びミクロアレーフォーマット(Umek等、2001)において、標識DNAを検出するのに使用されてきた。以下で示す実施例では、計測が局部的に有効なために、HPLC−ECDを使用した。この方法の分離力は、CEと比較して低いが、実証目的には十分である。
本明細書に含まれている書類、行為、材料、装置、物品等の説明は、本発明についての情報を提供する目的でしかない。これらの事柄のいずれか又は全てが、従来技術の一部分を構成したり、本願の各クレームの優先日前にオーストラリアにおいて存在していた本発明と関連する分野に共通の一般常識であることを認めたものではない。
本明細書全体において、用語「含む」とは、述べられた要素、整数若しくは工程、又は要素群、整数群若しくは工程群を含むが、他の要素、整数若しくは工程、又は要素群、整数群若しくは工程群を排除しないことを意味する。
本発明の態様がより完全に理解且つ認識されるように、以下の実施例において一定の好ましい実施態様を挙げて説明する。これらの実施例において、本発明はこれらの特定の実施態様には限定されない。
略語
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DTT:ジチオトレイトール
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Fc−UTP:5−(3−フェロセンカルボキサミドプロペニル−1)−ウリジン−5’−トリホスフェート
Fc−dUTP:5−(3−フェロセンカルボキサミドプロペニル−1)−2’−デオキシウリジン−5’−モノホスフェート
HBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
PAGE:ポリアクリルアミドゲル電気泳動
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
RP HPLC:逆相高圧液体クロマトグラフィー
TEAB:重炭酸トリエチルアンモニウム
実施例の材料及び方法
特記のない限りは、化学合成の出発材料は、Sigma−Aldrich社又はBio−Rad社から入手し、さらなる精製をおこなうことなく使用した。
5−(3−アミノプロペニル−1)−ウリジン−5’−トリホスフェート及び5−(3−アミノプロペニル−1)−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェートは、報告されている手順(Langer等、1981年)にしたがって調製した。
オリゴヌクレオチドは、Sigma Genosys社から購入し、記載されている方法(Sambrook等、1989年)によりPAGE(20%アクリルアミド/8M尿素)を変性することにより精製した。
大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片は、NEBから購入した。T4DNAポリメラーゼは、MBA Fermentasから購入した。T7RNAポリメラーゼは、USBから購入した。TthDNAポリメラーゼは、Perkin Elmerから購入した。1H及び31PNMRスペクトルは、Bruker DMX−300分光計により記録した。化学シフトを、外部標準に対するppm(δ)の単位で報告する。
UVスペクトル及びDNA溶融実験は、Cary100Bio分光光度計(Varian社)により実施した。HPLC分離及び分析は、Akta Purifierシステム(Pharmacia Biotech社)(モニタリング波長:260nm及び440nm)により実施した。逆相C18カラム(Zorbax ODS,250〜9.4mm)を用いて、分取分離をおこなった。
PAGEは、20cmガラスプレートにより、Protean IIxiセル(Bio−Rad)を用いておこなった。ゲルは、0.09Mトリスホウ酸塩、2mM EDTA作動緩衝液で、600Vで実施し、Fluor−S MultiImager(Bio−Rad)で走査する前にSYBR Green II(Molecular Probes)で染色した。アガロースゲルは、0.0945Mトリスホウ酸塩、1mM EDTA緩衝液で、Gelloタンクセル(HyBaid)において、5V/cmで実施した。
光学的検出と電気化学的検出の両方によるフェロセン標識DNA資料のHPLC分析を、LC−10A溶媒供給モジュール、SIL−10A自動インジェクター、DGU−14Aデガッサー、SPD−M10A UV/VISホトダイオードアレー検出器及びESA Coulochem II電気化学的検出器(ESA社)(Guard Cell Model 5020(電位0.8V)、標準分析セル Model5010(電位0.7V))を備えた、島津高速液体クロマトグラフを用いて実施した。分析に、Vydac逆相Protein&Peptide C18カラム(250×4mm)を使用した。
例1:Fc−dUTP及びFc−UTPの合成
5−(トランス−3−アミノプロペニル−1)2’−デオキシウリジン5’−トリホスフェートの試料45マイクロモルを、無水エタノールから2回蒸発して極微量の水を除去してから、1ml無水DMFに溶解した。フェロセンカルボン酸23mg(0.1ミリモル)をDMSOに添加して調製した溶液と、固体HBTU37.9mg(0.1ミリモル)を、ヌクレオチド溶液に添加し、HBTUが溶解するまで攪拌し、混合物を、室温で一晩インキュベーションした。反応混合物を、水に5mM2−メルカプトエタノールを添加して調製した溶液20mlで希釈し、0.45μmポリプロピレンメンブレンフィルター(Gelman Sciences社)により、黄色のフェロセンカルボン酸沈殿を除去した。濾液を、5mM2−メルカプトエタノール水溶液で平衡化したDEAEセルロースカラム(1×25cm)に付し、TEAB(0〜0.35M、500ml)を5mM2−メルカプトエタノールに添加して直線濃度勾配とした溶液で分離した。生成物は、勾配の最後で大きなピークとして溶離した。
生成物の画分を、プールし、蒸発させ、アセトニトリル(0〜30%)を0.05MLiClO4に添加して直線勾配とした溶液を用いてRP HPLCにより精製した。溶媒を回転蒸発により除去し、残留物を水0.5mlに溶解し、生成物を、アセトンに2%LiClO4を添加して調製した溶液5mlを添加することにより沈殿させた。沈殿物を、アセトンで洗浄し、空気乾燥した。Fc−dUTP収量14マイクロモル(30%)。UV(H2O)λmax=439nm(ε=300M-1cm-2)。1H NMR(D2O)δ2.36(m、H2’、2H)、3.98(d、J=4.5Hz、H9、2H)、4.19(m、H4’、H5’、3H)、4.27(s、FcのC55、5H)、4.51(s、H2”、2H)、4.77(m、H3’、1H)、4.81(s、H1”、2H)、6.27(t、J=6Hz、H1’、1H)、6.39(s、H7、1H)、6.48(t、J=4.5Hz、H8、1H)、7.88(s、H6、1H)。
同一の手順を使用して、Fc−UTPを合成した(収率7%)。
例2:特徴付け
フェロセン標識dUTP(Fc−dUTP、1)及びフェロセン標識UTP(Fc−UTP、2)誘導体(図1)を、HBTUの存在下、5−(3−アミノプロペニル)−ヌクレオシドトリホスフェートとフェロセンカルボン酸との反応により、うまく合成された。この手順により、核酸塩基とレドックス標識との間の比較的剛い6−結合連鎖が生成する。生成物を、イオン交換クロマトグラフィーに付した後RP HPLCに付することにより均一に精製した。両方の生成物の収率は、比較的低かった(Fc−dUTPについて30%、Fc−UTPについて7%)。これは、反応の過程における立体障害によるものと思われる。また、本発明者等は、この手順を使用してフェロセン酢酸に付加したdUTP誘導体を合成した。
Fc−dUTP及びFc−UTPは、修飾ヌクレオチド成分とフェロセンカルボキサミド成分についてのスペクトルの重なりに相当する特徴的な吸収スペクトルを有している。これらは、UV領域における強い吸収と、440nm付近のフェロセンのシールの広いピークの特徴を有している。Fc−dUTPのサイクリックボルタンメトリーは、Ag/AgClに対してE1/2=398mVで対称ピークを生じる。これは、Fc成分の可逆性レドックス反応と一致する。Fc−dUTPのレドックス電位は、同じ緩衝液(データをここで示す)で測定したフェロセンカルボキシレートの電位(310mV 対Ag/AgCl)よりも90mV大きく、ペンタジエニル環置換基(−COO〜−CONHR)のより電子吸引性であるものへの変更を反映している。観測された電位は、水性緩衝液(406〜425mV対Ag/AgCl)においてDNAオリゴヌクレオチドの5’端に結合したフェロセンカルボキサミド部分について報告したものと近似している。
例3:サイクリックボルタンメトリー
サイクリックボルタンモグラムを、電気化学分析器(BAS社)を用いて、記録した。3電極システムは、ガラス状炭素作用電極、Ag/AgCl(飽和KCl)参照電極(Eref=206mV)及び白金対極からなるものであった。実験は、20mMトリス酢酸塩(pH7.4)、100mM KCl及び1mM MgCl2に0.8mM Fc−NTPを添加したものを入れた5ml電気化学セルにおいて、走査速度20mV/秒で実施した。走査範囲は、−0.1〜+0.8V(対Ag/AgCl)であった(図2参照)。
例4:DNAポリメラーゼによるプライマー延長
18−merプライマー5’−CAACGTCCGAGCAGTACA及び40−merテンプレート5’−AAGCTCCTTAGTCTGTCAATGTACTGCTCGGACGTTGCGA(図3A)からなるDNA部分二本鎖を、PAGE精製オリゴヌクレオチドをアニーリングすることにより調製した。DNA二本鎖(2μM)を、ポリメラーゼ反応混合物20μl(6.7mM Tris−HCl pH8.8、6.6mM MgCl2、1mM DTT、16.8mM (NH42SO4、200μM dNTP及び0.25U/μl クレノウ断片又はT4 DNAポリメラーゼ)において、室温で20分間インキュベーションした。等容積のゲルローディング緩衝液(98%ホルムアミド、10mM EDTA pH8.0、0.025%ブロモフェノールブルー、0.025%キシレンシアノールFF)により反応を停止させ、95℃で2分間加熱し、変性PAGE(図3B参照)に付した。Fc−dUTPの基質特性を、図3Aに示すモデルDNA二本鎖を用いたDNAポリメラーゼ触媒プライマー延長アッセイで試験した。テンプレートの配列により、プライマーの延長の進行が反応混合物から一部のdNTPを省略することにより制御することができる。大腸菌DNAポリメラーゼIクレノウ断片又はT4 DNAポリメラーゼとともにプライマーテンプレートをインキュベーションした結果を図3Bに示す。反応混合物に未標識dTTPを添加することにより18−merプライマー(レーン1)が2ヌクレオチド(レーン2及び8)延長する。T4 DNAポリメラーゼ(レーン8)により示された生成物の不均一性は、そのより強い3’−5’ エキソヌクレアーゼ活性により生じたものであり、レーン9〜11においても明らかである。Fc−dUTPをdTTPの代わりに使用すると、両方のDNAポリメラーゼが2つの連続したFc−dUMP残基をプライマーの3’端に組み込む(レーン3及び9)。組み込まれたpFc−dU残基は、pT残基(574対321Da)の約2倍の分子量を有し、嵩のある付加物も、鎖の流体力学的性質を代えるので、Fc−dUTP延長プライマーの泳動度は、その自然対応物の泳動度よりも顕著に低い。プライマーの小さな割合がクレノウ断片(レーン3)により延長されないが、この挙動は、ゲル全体にわたっては一致していない。
ある種の修飾ヌクレオシドトリホスフェートは、ターミネーターの性質を有しており、それらのDNAへの組み込みにより、さらなる延長が防止されたりゆるやかになる。この可能性を確認するために、プライマーテンプレートを、Fc−dUTP、及び限定されたプライマーの延長に必要とする一種又は二種の他のdNTPとともに、インキュベーションした。Fc−dUTP、dGTP及びdATPの存在下で、クレノウ断片により、Fc−dUの組み込みに続いて鎖がうまく延長される(レーン5)。同様に、T4 DNAポリメラーゼにより、Fc−dUTP及びdGTPの存在下で、プライマーが3残基だけ延長される(レーン11)。このことから、Fc−dUTPが、両方とも効率的に組み込まれ、且つさらなる延長を顕著に妨害しないと結論できる。興味深いことに、クレノウ断片は、Fc−dUTP/dATP/dGTP混合物(レーン5)で、dTTP/dATP/dGTP(レーン4)においてよりも、より明確な延長を示す。この場合、G15での組み込み不良により、少量の26mer生成物を形成し、次の「停止」位置G11で停止する。プライマーテンプレートを、4種全ての天然dNTP(レーン6及び12)又はFc−dUTP+三種のdNTP(レーン7及び13)とともにインキュベーションすると、プライマーのランオフ延長が生じる。この場合も、Fc−dUTPを、dTTPの代わりに用いたとき、明らかな停止は記録されなかった。
例5:PCRの過程におけるFc−dUTPによるDNAの標識
T4 DNAリガーゼ遺伝子のセグメント(位置1001〜1988)を、フェロセン標識TTP類似体の存在下での増幅のためのモデル配列として使用した。遺伝子を、プラスミドpKL01にクローニングした。25−mer5’−GCT GAT GGA GCT CGG TGT TTT GCT T−3’を前方向プライマーとして使用し、31−mer5’−TAT ATA AGC TTC ATA GAC CAG TTA CCT CAT G−3’を逆方向プライマーとして使用した。これらのプライマーを使用することにより、長さ998ntのアンプリコンを形成できる。反応混合物(各20uL)は、6.7mM tris−HCl(pH8.8)、1.66mM(NH42SO4、0.045%Triton X−100、ゼラチン0.02mg/mL、2.5mM MgCl2、0.2uM各プライマー、20ug/mL pKL01プラスミド、0.2mM dNTP及び0.1U/uL Tthポリメラーゼ(エクソ)を含有していた。ある反応混合物において、TTPを、部分的又は完全にFc−dUTPと置き換えた。この場合、TTPとFc−dUTPの総濃度が、まだ0.2mMであるようにした。PCRの条件は、以下のようであった:95℃で2分、その後94℃で30秒間、50℃で30秒間、50℃で1分間及び70℃で10分間を22サイクル。増幅後、ゲルローディング緩衝液(30%グリセロール、0.25%ブロモフェノールブルー及び0.25%キシレンシアノールFF)4uLを添加し、試料を、1%アガロースゲルにより分析した。
Fc−dUTPによりTTPを完全に置き換えたとき、Tth DNAポリメラーゼによるPCR生成物の形成には、効果がなかった。しかしながら、TTPを、Fc−dUTPにより25%、50%又は75%置き換えたとき、正しいアンプリコンの合成が観察された。アンプリコンの分子は、Fc−dUTP:dTTP比の増加とともに分子量が増加していくことを示し、Fc−dUMPが広範に組み込まれたことが明らかである。
例6:転写の過程におけるFc−UTPのRNAへの組み込み
T7 RNAポリメラーゼのためのプロモータを含み、その後にアプタマーC40についての遺伝子及びT7ターミネーター配列を有する円形プラスミドpT7Mtaを、転写に使用した。T7 RNAポリメラーゼは、修飾ヌクレオチドをRNAの最初の12ヌクレオチドに組み込んだとき、短い不完全なRNA転写物を生成する傾向がある。この可能性のあるやっかいな問題を回避するために、コード配列の最初の18ヌクレオチドにおいてA残基を含有しないテンプレートを使用した。
典型的な転写混合物(10μL)は、40mM tris−HCl(pH8.0)、15mM MgCl2、5mM DTT、BSA 0.05mg/mL、1U□L Rnasin、0.4mM NTP、pT7Mtaテンプレート10ug/mL及びT7 RNAポリメラーゼ10U/uLを含有していた。一部の反応混合物では、UTPを、Fc−UTPで部分的又は完全に置き換えた。この場合、UTPとFc−UTPの総濃度は、まだ0.4mMであるようにした。反応混合物を、37℃で2時間インキュベーションした。反応は、ゲルローディング緩衝液(98%ホルムアミド、10mM EDTA(pH8.0)、0.025%ブロモフェノールブルー及び0.025%キシレンシアノールFF)10μLを添加することにより、停止させ、95℃で2分間加熱した。RNAフラグメントを、10%PAGE/8M尿素により分離した。ゲルを、SYBR Green II(Sigma社)により、製造業者の手順に準じて染色し、Fluorimager(Bio−Rad社)で可視化した。
この構成物においてT7の停止が不十分であったため、形成されたRNA生成物の大部分は、意図する長さ117ntの生成物よりも顕著に長い。それにもかかわらず、多量のFc−UMP標識RNAが生成した。UTPをFc−UTPにより置き換えることにより、形成したRNA生成物の量が顕著に減少した。しかしながら、UTPが全く存在しない場合でも、T7 RNAポリメラーゼにより、顕著な量のRNA生成物が合成された。
例7:HPLC中の標識ポリヌクレオチドの電気化学的検出
4μMの二本鎖DNA(40−merテンプレート5’−AAGCTCCTTAGTCTGTCAATGTACTGCT CGGACGTTGCTA−3’及び18−merプライマー5’−CAACGTCCGAGCAGTACA−3’)を、6.7mM Tris−HCl(pH8.8)、6.6mM MgCl2、1mM DTT、16.8mM (NH42SO4、200μM dNTP(TTPを除く)、200μM Fc−dUTP及び0.25U/μlクレノウ断片からなる反応混合物240μLにおいて、室温で20分間インキュベーションした。低分子量成分を、Bio−Spin30クロマトグラフィーカラム(Bio−Rad社)により分離した。溶離液を、等容積のフェノール/クロロホルム(1:1)及びクロロホルムで抽出した。DNAを、アセトンに2%LiClO4を添加したもの10容を添加することにより沈殿させ、遠心分離(12000g、15分)した。沈殿を、真空乾燥し、HPLC緩衝液(50mM LiClO4/2.5%アセトニトリル水溶液)200μLに再溶解し、DNA濃度を、260nmでの吸収により、分光光度法で測定した。異なる量の試料を、分析用逆相カラム(Vydac、Protein&Peptide C18、250×4mm)にローディングし、無勾配溶離をし、光学的検出(260nm)及び電気化学的(E=0.7V)検出により分析した(流量1mL/分)。TTPの代わりにFc−dUTPを含む4種全てのdNTPの存在下で延長した後、モデルDNA二本鎖は、5種のFc−dUMP残基を含有するであろう。このフェロセン標識二本鎖を、RP HPLCの過程における電気化学的検出に使用した。HPLCシステムは、材料及び方法のところで説明したように、光学的検出器と電気化学的検出器の両方を備えていた。異なる量のDNA二本鎖を、逆相カラムに注入し、50mM LiClO4/2.5%アセトニトリル水溶液により無勾配モードで溶離した。溶離液を、260nmで光学的に、0.7Vで電気化学的にモニターした。これらの条件において、DNA二本鎖についての保持時間は、17.5分であった。ピコモル量のDNAのみが、UV/VISホトアレー検出器により信頼性よく検出された。一方、電気化学的検出では、フェムトモル量の二本鎖が記録された(図4)。
例8:Fc−dUMP残基を含有するDNA二本鎖の溶融分析
溶融実験用DNA試料を、電気化学的検出のためのDNA二本鎖の調製において上記した方法により調製した。対照試料として、全ての天然ヌクレオチドを含有する未修飾DNA二本鎖を、同じ手順で調製した。両方のDNA二本鎖を、0.3M KH2PO4(pH7.0)1mLに溶解し、標準石英キュベットに移した。温度を25℃から95℃(温度勾配1℃/分)まで増加させたときにともなう試料の260nmでの吸収の変化を記録することにより、溶融曲線を得た。
核酸の天然成分の修飾は、DNA二本鎖の安定性に大きく影響することがある。この問題は、DNAハイブリッドの形成が関与する全ての用途において極めて重要である。フェロセン修飾ヌクレオチドのDNAへの組み込みの影響を確認するために、Fc−dUMPの5つの残基を含有するDNA二本鎖の溶融温度を測定した。同じ配列を有する未修飾二本鎖の溶融を、比較検討した。修飾DNAハイブリッドの溶融温度(71°)は、通常の二本鎖の溶融温度(75℃)より4℃低いだけであった。このことから、dUMPのC5の位置でフェロセンにより修飾しても、DNAの生来の構造を顕著には破壊しないと結論できる。
例9:フェロセン標識アシクロヌクレオチドトリホスフェート誘導体の合成
フェロセン標識アシクロヌクレオチドトリホスフェート誘導体の最初の代替合成は、図5に概略示す反応を用いておこなった。
例10:ビニルフェロセン残基のヌクレオチドへの導入−第二代替合成経路
ビニルフェロセン残基をヌクレオチドに導入することにより、核酸残基とフェロセン残基との間の完全複合化がなされる。これは、フェロセン、DNAπスタック及び電極との間の電子移動に有利である。dUTPのビニルフェロセン含有誘導体の合成を、図6に示す。
Hg−dUTP10マイクロモルを、水1mLに溶解した。乾燥ビニルフェロセン50マイクロモルと、0.1M Li2PdCl4をメタノールに添加した溶液1mLとを、この溶液に添加した。暗青色混合物を、暗所で12時間攪拌した。色が徐々に消失し、Pdの黒色沈殿が、溶液中に形成する。沈殿物を、濾過し、溶液を、DEAEセルロースカラムにローディングした。カラムを、50%メタノールで洗浄後、30%エタノールに0〜0.4M重炭酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)を添加した勾配溶液で洗浄した。最終精製は、Zorbaxカラム(1〜25cm)を用いた逆相HPLCによりおこなった(50mM LiClO4におけるアセトニトリルの0〜30%勾配)。生成物含有画分を、蒸発させ、最少容積の水に溶解し、アセトンに2%LiClO4を添加して調製した溶液10容を添加することにより沈殿させた。沈殿を、空気中で乾燥した。収率5%。
例11:3−フェロセンカルボキサミドプロピニル−1の合成
フェロセンカルボン酸1当量と、DCC1.2当量と、HOBt1.2当量と、プロパルギルアミン2当量とを、ジクロロメタンに溶解し、一晩攪拌した。ジシクロヘキシルウレアの沈殿を、濾過し、CH2Cl2で洗浄した。液体を合わせて、蒸発させ、シリカゲルカラムに付した。生成物を、CH2Cl2に0〜10%MeOHを添加した勾配溶液で精製し、真空乾燥した。収率92%。
例12:5−(3−フェロセンカルボキサミドプロピニル−1)−アシクロウリジンの合成
5−ヨードアシクロウリジン1当量と、3−フェロセンカルボキサミドプロピニル−1 1当量と、トリエチルアミン1当量と、Pd(PPh34 0.1当量と、CuI 0.2当量とを、無水DMFに混合し、室温で4時間攪拌した。DMFを、真空除去し、残留物を、シリカカラムに付した。生成物を、CH2Cl2に0〜20%MeOHを添加した勾配溶液で精製した(生成物は、MeOHの15%で溶離した)。有機溶媒を、真空除去した。収率20%。
例13:5−(3−フェロセンカルボキサミドプロピニル−1)−アシクロウリジン5’−トリホスフェートの合成
例12で調製した5−(3−フェロセンカルボキサミドプロピニル−1)−アシクロウリジンを、無水ピリジンを用いて、3回蒸発させ、トリエチルホスフェート0.5mLに溶解し、氷冷した。POCl31当量を、この溶液に添加した。氷上で3分間インキュベーション後、0.5Mピロリン酸トリブチルアンモニウム10当量を無水DMFに添加した溶液と、DMF1mLと、トリブチルアミン0.24mLとの混合物を、添加し、1分間攪拌した。反応を、1M TEAB 10mL(pH7.0)を添加することにより停止した。この混合物を、蒸発させ、20%EtOH水溶液に溶解し、DEAEセルロースにより、20%エタノールに0〜0.4M TEABを添加して調製した勾配濃度溶液で分離した。最終精製は、Zorbaxカラムを用いた逆相HPLCによりおこなった(50mM LiClO4におけるアセトニトリルの0〜30%勾配)。生成物含有画分を、蒸発させ、最少容積の水に溶解し、アセトンに2%LiClO4を添加して調製した溶液10容を添加することにより沈殿させた。沈殿を、空気中で乾燥した。収率3%。POCl3とフェロセン残留物との副反応のために、収率が非常に低い。
フェロセンと他のレドックス活性部分のヌクレオシドトリホスフェートとの複合化により、分子生物学及び遺伝子分析において電気化学法を大きく拡大し普及させることができる。核酸の酵素的レドックス標識は、DNA配列決定、mRNA発現分析及び遺伝型において各種の用途がある。
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上記は、本発明の実施態様を説明したものであり、当業者に明らかな修正は、本発明の範囲を逸脱することなく行うことができる。
UTP及びdUTPのフェロセン標識誘導体の合成を示す。 Fc−dUTPのサイクリックボルタモグラムである。 Fc−dUTPのDNAへの酵素的組み込みに使用されるテンプレート−プライマーの構造を示す。 クレノウ断片及びT4 DNAポリメラーゼによる、Fc−dUTPのDNAへの組み込みを示し、図3Aのプライマー−テンプレートDNAを、DNAポリメラーゼ及び異なる一連のdNTPとともにインキュベーションした(図の上に示す)ものであり、DNAフラグメント長さを左側に示す。 HPLC後の60fmol Fc−dU標識DNAの電気化学的検出をおこなった結果を示す図であり、下パネルは260nmでのUV検出を示し、上パネルは、700mVでのECDを示す。 レドックス標識非環状ウリジントリホスフェートの調製のための代替合成スキームを示す。 レドックス標識非環状ウリジントリホスフェートの調製のための第二代替合成スキームを示す。

Claims (43)

  1. 式(I)で表される修飾ヌクレオシド類似体:
    P−S−B−L−R (I)
    (式中、
    Pは、5’トリホスフェート又はその類似体若しくは誘導体であり;
    Sは、ジデオキシ糖を除く、置換又は未置換5員又は6員環糖、糖類似体又は非環状糖類似体であり;
    Bは、置換又は未置換窒素塩基若しくは塩基類似体又はその誘導体であり;
    Lは、リンカー基であり;
    Rは、置換又は未置換メタロセン部分、置換又は未置換金属錯体、又は置換又は未置換レドックス活性有機部分である)。
  2. Pが、酵素適合性トリホスフェート部分である、請求項1に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  3. Pが、トリホスフェート、α−チオトリホスフェート、β−チオトリホスフェート、γ−チオトリホスフェート、α−ジチオトリホスフェート又はβ,γ−メチレントリホスフェートからなる群から選択されたものである、請求項2に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  4. 基Sが、置換又は未置換リボース、2’−デオキシリボース、3’−フルオロ−2’−デオキシリボース、3’−アミノ−2’−デオキシリボース;2’−O,4’−C−メチレン−、2’−C,4’−C−エチレン−又は2’−O,4’−C−エチレン架橋フラノースから選択された二環「ロックド」LNA糖;又は2−ヒドロキシエトキシメチル基又はその類似体を含む非環状部分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  5. 基Sが、フルオロ基、アミノ基、水酸基、メチル基又はメトキシ基の一つ以上から選択された置換基で置換されている、請求項4に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  6. 基Sが、未置換である、請求項4に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  7. 基Bが、置換又は未置換プリン若しくはピリミジン又は他の核酸塩基若しくは核酸塩基類似体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  8. Bが、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル若しくはチミン、イノシン、又はアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン若しくはイノシンの誘導体である、請求項7に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  9. Bが、アデニン又はグアニンの7−デアザ変異体である、請求項8に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  10. 前記誘導体は、少なくとも一個のチオ基を含む、請求項8に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  11. Lは、環状基又はアミン又はカルボキシル又はアミドを有するか又は有しない、飽和又は不飽和脂肪族鎖であるか又はそれを含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  12. Lが、フルオロ置換基、エーテル置換基又はヒドロキシ置換基で置換されている、請求項11に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  13. Lは、輪郭長さが1〜24結合である、請求項11又は12に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  14. Lの長さが、3〜12個の結合である、請求項13に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  15. Lが、プロペニル誘導体又はプロパルギル誘導体から選択されたものである、請求項11に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  16. Rが、置換又は未置換メタロセン、置換又は未置換金属錯体又は有機レドックス部分であり、置換基が、フルオロ基、ブロモ基、クロロ基、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、シアノ基、チオシアノ基、アミノ基、ニトロ基、ビニル基、アミド基、メチルアミド基及びジメチルアミド基の一つ以上から選択されたものである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  17. Rは、レドックス電位が標準水素電極(SHE)に対して−1.0〜+1.0Vの範囲であるメタロセンである、請求項16に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  18. Rが、フェロセンである、請求項16又は17に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  19. Rが、キノン又はキノン含有部分である、請求項16に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  20. 前記キノン又はキノン含有部分が、アントラキノン及び置換アントラキノンから選択されたものである、請求項19に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  21. Rが、E0が標準水素電極(SHE)に対して−1V〜+1Vの範囲である可逆性電子移動を示す金属錯体である、請求項16に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  22. Bが、置換又は未置換シトシン、ウラシル又はチミンから選択されたものであり、Lが、シトシン、ウラシル又はチミンのC5炭素に接合されている、請求項8に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  23. Bが、置換又は未置換アデニン又はグアニン又はアデニン若しくはグアニンの7−デアザ誘導体(ここで、N7は、C7により置き換えられており、Lは、C8炭素又はC7炭素に接合されている)から選択されたものである、請求項8に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体の合成方法であって、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン、金属錯体又は有機レドックス部分前駆体と反応させて前記ヌクレオシ(チ)ド類似体と、前記メタロセン、金属錯体又は有機レドックス部分との間に結合を形成することを含む方法。
  25. 出発ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体がトリホスフェート又はトリホスフェート誘導体を含まない場合には、続いて5’トリホスフェート又はその誘導体を組み込む工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ヌクレオシ(チ)ド前駆体と前記メタロセン、金属錯体又は有機レドックス部分との間の結合が、縮合反応により形成され、且つ前記方法が、縮合剤を添加する工程をさらに含む、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記ヌクレオシ(チ)ド類似体と前記メタロセン、金属キレート又は有機レドックス部分との間の結合が、置換反応により形成される、請求項24又は25に記載の方法。
  28. 前記方法が、ヌクレオシド又はヌクレオチド前駆体をメタロセン前駆体と、縮合剤の存在下で反応させて前記ヌクレオシド類似体と、前記メタロセン又はその誘導体との間に結合を形成することを含む、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記ヌクレオチド前駆体が、ウリジン5’−トリホスフェート、シチジン5’−トリホスフェート、アデノシン5’−トリホスフェート、グアノシン5’−トリホスフェート、2’デオキシアデノシン5’−トリホスフェート、2’デオキシグアノシン5’−トリホスフェート、2’デオキシチミジン5’−トリホスフェート、2’−デオキシウリジン5’−トリホスフェート、2’−デオキシシチジン5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−ウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−ウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−シチジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−シチジン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−デアザアデノシン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−デアザグアノシン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリル−2’−デオキシシチジン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−2’−デオキシシチジン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−7−デアザ−2’デオキシアデノシン−5’−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン−5’−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−アシクロウリジン−トリホスフェート、5−アミノプロパルギル−アシクロシチジン−トリホスフェート、7−アミノプロパルギル−アシクロデアザアデノシン−トリホスフェート又は7−アミノプロパルギル−アシクロデアザグアノシン−トリホスフェートから選択されたものである、請求項24〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記メタロセン前駆体が、カルボン酸である、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記メタロセン前駆体が、フェロセンカルボン酸又はフェロセン酢酸又はその誘導体である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記縮合剤が、カルボジイミド、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ウロニウム化合物、活性化エーテル類、及びアミド結合の形成に用いられる他の化合物のいずれか一つである、請求項26に記載の方法。
  33. 前記縮合剤が、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)である、請求項31に記載の方法。
  34. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基を含むオリゴ−又はポリ−ヌクレオチドプローブ、プライマー又は酵素的反応生成物。
  35. 前記ヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基が、請求項1〜23のいずれか1項に記載のメタロセンヌクレオシド類似体の少なくとも一つの残基を含む、請求項34に記載のオリゴ−又はポリ−ヌクレオチドプローブ、プライマー又は酵素的反応生成物。
  36. ヌクレオチド鎖の組み込み方法であって、テンプレートヌクレオチド鎖と、請求項1〜23のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体とを、前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼ又はポリメラーゼの存在下で反応させることを含む方法。
  37. ヌクレオチド鎖の延長方法であって、ヌクレオチド鎖と、請求項1〜23のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体とを、末端トランスフェラーゼ又はポリ(A)ポリメラーゼ等の非前進型ヌクレオチジルトランスフェラーゼの存在下で反応させることを含む方法。
  38. DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の電気化学的検出方法であって、請求項1〜23に記載のいずれか1項に記載の修飾ヌクレオシド類似体を核酸鎖に組み込み、前記類似体をそのレドックス電位に基づいて検出することを含む方法。
  39. DNA、RNA、DNA/RNAキメラ又は核酸類似体の電気化学的検出方法であって、請求項1〜23に記載のいずれか1項に記載の二種以上の異なる修飾ヌクレオシド類似体を同一又は異なる核酸鎖に組み込み、前記修飾ヌクレオシド類似体をそれらの異なるレドックス電位に基づいて検出することを含む方法。
  40. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の少なくとも一種のレドックス標識ヌクレオチドを単一又は複数で、さらに少なくとも一種のヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を単一又は複数で含むキット。
  41. 好適な未標識ヌクレオチド混合物、最適化された反応緩衝液、制御テンプレート及びプライマーの一つ以上を、ユーザーがDNA合成の効率を測定できるようにさらに含む、請求項40に記載のキット。
  42. 前記金属錯体が、鉄、銅、コバルト、ルテニウム、ロジウム、オスミウムを二座、三座、四座、六座又は八座リガンドで錯化したものを含む、遷移金属のキレート及びクリプテートから選択されたものである、請求項21に記載の修飾ヌクレオシド類似体。
  43. 前記金属錯体が、三座N−ドナーリガンド、例えば、テルピリジン(terpy)、ビス(ベンズイミダゾリル)ピリジン(bzimpy)及びビス(ピラゾリル)ピリジン(bpp)、並びに混合O,N,Oドナーリガンド、例えば、ピリジンジカルボン酸(dipic)から選択された一つ以上のリガンドである、請求項42に記載の修飾ヌクレオシド。
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