JPH08503647A - 折り畳み可能な棺 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 予めつけられた折線に沿って、一枚の波状の厚紙から打ち抜かれた単体部材（１０）を折り畳むことにより作られる棺であって、当該単体部材の少なくとも一面はセルロースコーティングで覆われ、その表面は色づけされて木目調の外観を呈するように装飾されている。まず、当該部材（１０）の異なるパネル（１，２）の２つの部分（１’，２’）を互いに利用し、スロット（２６ａ，２６ｂ）に挿入される取付タブを用い当該２つの部分（１’，２’）を相互に固定して、当該棺の底部が形成される。その後、サイドパネル（１）の一部分（１”）を先端パネル（３，４）から延びる尾部（３"'，４"'）へと折り返し、対応する一対の開口部（１４ａ，３４ａ）、（１５ａ，４５ａ）に挿入される固定部材を用いて当該部分（１”）を尾部に固定し、そして最後に、もう一方のサイドパネル（２）の一部分（２”）を当該部分（１”）の上に折り返し、対応する一対の開口部（２３，１３）、（２４ｂ，１４ｂ）、（２５ｂ，１５ｂ）に挿入される固定部材を用い当該２つの部分（１”，２”）を相互に固定することにより、棺のカバーが形成される。開示される棺は、環境に悪影響を与えることなく、埋葬及び火葬の双方に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 折り畳み可能な棺 本発明は折り畳み可能な棺に関する。 本発明は特に、軽量な棺であって、畳むとほんの小さなスペースしか必要とせ ず、運搬に便利な上、どのような状況において、そしていかなる道具をも必要と せず、非常に簡単に組み立てることができる棺を提供することを目的とし、また 高い強度の堅固な構造を提供することを目的とする。 本発明はまた、環境にいかなる短期的、中期的又は長期的な悪影響を与えるこ となく、埋葬及び火葬の双方に用いることのできる棺を提供することを目的とす る。 本発明のその他の目的は、容易に生物分解する材料で作られる棺を提供するこ とにある。 上記の目的を達成するため、本発明による棺は、クレーム１に述べられる特徴 を有する。その他の任意に選択し得る特徴は、クレーム１に従属する諸クレーム に述べられている。 優位な点として、棺の壁を形成するために使用する材料は、１枚のシートの形 態でもって、その内部は波状の厚紙でできており、当該シートの２面のうち少な くとも１面はセルロースのコーティング材料の一ないし数層によって覆われ、例 えば材料の表面が木材の外観を帯びるように色付けされ、任意に装飾される。 シートの２つの面を覆う単層又は複層のコーティング層を形成するセルロース 材料は、塩素、フッ素、塩酸、フッ化水素酸、塩素化漂白剤、フッ素化漂白剤等 の化学剤の処理を受けていない純粋の天然セルロースを用い、当該層を水彩絵の 具で着色したり、これは任意ではあるか、紫外線放射にさらして軽く風化したり するのが望ましい。 シートの内部の波状部分は、塩素化漂白剤又はフッ素化漂白剤の作用を受けず 、水洗いされたリサイクル紙を使い、環境的に中性の接着剤を用いて組み立てる こと が望ましい。 棺の内部に使用し得る収容ケースは、優位な点として、収容ケースの壁の内面 となるよう設計されたその１つの面を、例えば、ほぼ５〜１０マイクロメータ程 の厚さのポリエステルの薄いフィルムで覆われた波状のリサイクル厚紙の基板か ら成る材料で作られている。そのような材料は腐食液体、特にアミノ酸のような 死体の分解によって生ずる生成物に耐えうるように設計されているものの、当該 材料それ自体は腐敗して土に還元でき、また液体窒素（約−１８０℃）から＋２ ４０℃位の最大値にわたる温度に対し変形することなく耐えうる。 本発明は、以下に説明する添付図面を参照に、棺の典型的な実施例の詳細な説 明により、さらによく理解されるであろう。 図１は、棺の壁を形成するためにデザインされたブランクを示しており、これ は１枚の波状の厚紙のシートを打ち抜き、折線をつけることにより得られる。 図２ａ〜図２ｆは、図１に描かれたブランクから棺を組み立て、閉じる各段階 を示す。 図３ａ及び図３ｂは、棺を組み立て、閉じる際に、図１のブランクの各部分を それぞれ固定する為に設計された定着部材を示している。 図４ａ、図４ｂ及び図４ｃは、棺の内部に設置する腐食液体収容ケースを示し ている。 図１に描かれたブランク１０は、棺の底、側壁及びカバーを形作る２枚のパネ ル１及び２と、基本的に端壁を形成する２枚のパネル３及び４から成る。ブラン ク１０は、すべて一体であり、１枚の波状の厚紙のシートを型で打ち抜いて特徴 的に形成されている。 パネル１は、パネル１の上部１’において、上端１ａに対して平行方向に並ぶ 小さい矩形開口部１１及び１２を備えるとともに、パネル１の下部１”にあって 、下端１ｂに近接しそれに対して平行方向に並ぶ一連の矩形開口部を備えている 。さらに詳しく説明すると、これら下部の開口部は、中央開口部１３と、この開 口部１３に対称的に位置する２つの開口グループ１４ａ，１４ｂ及び１５ａ，１ ５ｂとから 成る。 パネル２は、パネル２の上部２’において、その上端２ａに近接した位置であ ってそれに対して平行方向に並ぶ２つの矩形開口部２１及び２２を備えるととも に、パネル２の下部２”にあり、下端２ｂに近接した位置であってそれに対して 平行方向に並ぶ３つの矩形開口部２３，２４ｂ及び２５ｂを有している。 これらの矩形開口部はすべて同じ寸法である。 パネル２はさらに、相互に対称的に位置する２つの細長い孔２６ａと２６ｂと を備えている。パネル４がその自由端４ｃに側方タブ５を有する点を除けば、パ ネル３と４とは実質的に形状と寸法が一致する。 パネル３及び４のそれぞれの上部３’及び４’は実質的に三角形状であり、そ れぞれの上端３ａ及び４ａの方向に狭い形状となっている。しかしながら、パネ ル３と４のこれら３’と４’の部分は、端部３ａと４ａのあたりで再び広がり、 それぞれが端部タブ３”と４”を形成しており、これら端部タブ３”及び４”は 、三角部分３’及び４’の端部３’ａ及び４’ａとのそれぞれの合流点において 、一種のフックを形成するが、これらフックの機能については後述する。 付属部分３"'及び４"'は、それぞれおおよそ矩形であり、パネル３及び４の下 方向へ、その下端３ｂ及び４ｂより下に延びている。 付属部分３"'は上述の開口部１１，１２・・・２５ｂと同じ寸法の矩形開口部 ３４ａと、Ｕ字形でその幅が開口部３４ａの長さと等しいノッチ３４ｂを有して おり、そのノッチ３４ｂの側端部は当該開口部３４ａの短い方の側部と一直線を 成している。 同様に、付属部分４"'は、開口部３４ａと同様の開口部４５ａ及びノッチ３４ ｂと同様のノッチ４５ｂを有している。 ブランク１０を保管し運搬するには、パネル４をパネル２の上へ折り込み、続 いてパネル１を、パネル２と３、及び図１において明らかなようにその反対側の パネル４のタブ５の表面をも覆うように折り込む。この配置では、図１から明ら かなように、タブ５はパネル１の自由端１ｃのあたりでパネル１の表面に固定さ れる。こ の作業は、パネル１の外面からは固定方法が分からないように接着剤を用いてう まく行われる。 その後、ブランク１０は、組み立てられ、そして折られることにより畳み込ま れた形となり、保管や運搬のために、それぞれの束として一定数のブランク、例 えば１０個ずつを束ねることができる。 以下、棺の組み立て方法を図２ａ〜図２ｆを参照して説明する。 組み立ての第１段階では、図２ａに描かれているように、端の壁を形作るパネ ル３及び４が側壁を形作るパネル１及び２に対して直角をなすようにブランク１ ０を広げ、棺の底の内壁を形作るパネル１の上部１’を下方に既定の折線に沿っ て折り畳む。 組み立ての第２段階では、図２ｂに描かれているように、パネル２の上部２’ をパネル１の上部１’の上に折り込み、その後、パネル３及び４のそれぞれの上 部３’及び４’を、予め下方へ折り込まれたパネル２の上部２’の上へ折り込み 、タブ３”及び４”を長孔２６ｂ及び２６ａへそれぞれ差し込むことにより上部 ３’及び４’がパネル２の上部２’に取り付けられる。 最後に、以下のようにして棺の底部を完成する。つまり、（内側にある）パネ ル１の上部１’と（棺の底部の外側を構成している）パネル２の上部２’を互い に重ね、このようにした時にそれぞれに一致する一方の開口部２１と１１及びも う一方の開口部２２と１２を通る定着部材（その構造及び作業は後に詳しく記述 する）によってパネル１の上部１’をパネル２の上部２’に固定させる。 このように棺の底部は二重壁になり、ブランク１０の残り部分は堅固なケース を形成する。 図２ｃに描かれているように、その後、ブランク１０をひっくり返すことによ り、液体収容ケース（図２ｃには描かれていない）の棺内への導入が可能となる 。 そして、棺は死体を受け入れる準備が整うが、液体収容ケースの中に吸収材料 からなるベッドを置き、死体をそのベッドの上にのせるのが好ましい。 図２ｄには棺を閉じる第１段階が描かれているが、これはまた、組み立ての第 ４ 段階であるとも考えられる。 この段階において、一方ではパネル３及び４のそれぞれの付属部分３"'及び４ "'を実際に水平になるように折り込み、他方ではサイドフラップ５３及び５４を 内方へ折り込む。当該サイドフラップはそれぞれ付属部分３"'及び４"'に隣接す るパネル３及び４の一部のそれぞれの隅と図１に示される折線との間の部分に配 設され、パネル１の下部１”の内方への折り畳みが開始される。 図２ｅに図示される棺を閉じる第２段階（組み立ての第５段階）では、パネル １の１”の部分をパネル３及び４のそれぞれの付属部分３"'及び４"'の上に同じ 水平位置になるように折り込み、その一方で開口部１４ａと３４ａ，１４ｂと３ ４ｂ，１５ａと４５ａ，１５ｂと４５ｂをそれぞれ重ね合わせる。その後、パネ ル１及び２のそれぞれの上部１’及び２’を相互に定着させる際に使用した上記 と同じ定着部材により、付属部分３"'をパネル１の１”部分に定着させるが、こ の定着部材は開口部１４ａと３４ａを貫通する。同様に、付属部分４”は、開口 部１５ａと４５ａを貫通する同じタイプの別の定着部材でパネル１の一部である １”に固定される。 棺の閉鎖を完成するには、図２ｆに描かれているように、一連の開口部２３， ２４ｂ及び２５ｂを有するパネル２の２”部分をパネル１の１”の部分の上へ折 り込むだけでよいが、上記の開口部をパネル１のそれぞれの開口部１３，１４ｂ 及び１５ｂと一致させ、その後、それぞれペアになった開口部２３と１３；２１ ｂと１４ｂ；２５ｂと１５ｂをそれぞれ貫通する上述の３つのタイプの定着部材 により、これら２つの部分１”及び２”を互いに固定させる。 ブランク１０を完全で堅固な構造に作り上げることにより、棺はこのように簡 単かつ迅速に組み立てられ、閉じることができる。 以下、図３ａ及び図３ｂを参照して、上述の定着部材の構成及び作用を説明す る。 図３ａ及び図３ｂに描かれる定着部材２０は矩形の平たい枠６１を有し、枠６ １の外端６１ａは垂直壁６２より外側へ延び、当該垂直壁６２の内部表面の一側 は、枠６１の内端６１ｂによって規定される。 優位な点として、枠６１と壁６２とは、低圧・高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ ） のようなプラスチック材料により一体に造られている。 枠６１内の壁６２によって規定されるスペースは、上下が開放され、フレーム ６１の長さ方向に平行に走る２枚の可動フラップ６３を収容するハウジング６９ から成り、フラップ６３はそれぞれ実質的に直角の二面角を有してペダル６４ａ 又は６４ｂに定着している。 ベダル６４ａ及び６４ｂは、対応するペダル／フラップ組立体を旋回させるち ょうつがいを形成するフレキシブル結合部によって、それぞれ対応する垂直壁６ ２の内部表面６５に接続している。 ハウジング６９の上部開口部は矩形の閉塞板７１を含むカバー７０によって閉 じることができ、この閉塞板７１は、枠６１の内端６１ｂによって規定される開 口部の中へ、きちんとはまるような形と寸法であるとともに、フレキシブルスト リップ７２により枠６１に接続されている。 また、カバー７０は閉塞板７１に対し垂直な２枚の壁７３を有しており、壁７ ３はそれぞれ２つのカム７３ａ及び７３ｂを有し、これらのカムは次のような形 と寸法とを有している。すなわち、カバー７０が、図３ｂに描かれるように、ハ ウジング６９を閉じる位置に置かれたときに、カム７３ａ及び７３ｂがペダル６ ４ａ及び６４ｂをそれぞれ続けて旋回させることにより、当該ペダル６４ａ及び ６４ｂが対応する壁６２の内部表面６５に対し垂直の位置に固定される。これは 、フラップ６３を水平位置に置き、この位置で固定する効果がある。カバー７０ は、タブ７４によって容易に動かすことができる。 図３ｂから分かるように、２枚又は３枚の板紙を組み立てるために、定着部材 ２０を一致する矩形の開口部の中へ挿入するとき、これらの開口部は垂直壁６２ の形に対応する形状を有し、定着部材２０はその挿入直後、図３ａに描かれる形 態を有するが、定着部材２０が図３ｂに描かれる形態を持つようカバー７０を配 置するだけで良く、一方では、枠６１の端部とフラップ６３との間に板紙を挟む ことにより、板紙を固定すれは良い。 図３ｂで明らかなように、カバー７０の閉塞板７１は、枠６１上のフック７５ を 用いてタブ７４を取り付けることによって固定される。 図４ａ〜図４ｃに描かれているように、液体収容ケース８０は、波状の厚紙を 基礎とする１枚のシートから切り抜いた矩形のブランク８１を折り畳むことによ って簡単に形成され、ケース８０の内部を形作る表面８２は６ミクロンの厚さの ポリエステルのフィルムで覆われている。 図４ａに描かれている平たいブランク８１は、図４ｂに描かれた中間形態を経 て、以下のように折り畳まれる。つまり、ブランク８１を打ち抜くときに予めつ けておいた折線に沿い、矩形のケース８０（図４ｃ）を形作るよう折られ、一旦 ケースが位置決めされると、棺の内壁の支持力によってその形が維持される。 上述の棺は特に軽量でかなりの重量に耐えうる。例えば、棺の外壁の厚さは７ ．５mm）液体収容ケースの壁の厚さは４mm、通常寸法の棺の総重量は約１２kgで あり、棺が耐えうる最大荷重はおよそ２００kgである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハー・アレキサンドル スイス国、ＣＨ―1032 ロマネル―スュー ル―ローザンヌ、シェマン・ドゥ・コド、 ９ 【要約の続き】 される。開示される棺は、環境に悪影響を与えることな く、埋葬及び火葬の双方に用いることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ブランクを折り畳むことにより作られる棺であって、当該ブランクは実質的 にセルロース材料から成る１枚のシートから単体とし打ち抜かれたものであり、 当該棺の壁用組立部材及び強化部材とともに当該棺の壁面となる複数のパネルが 当該ブランクに形成されており、このブランクは複数の開口部とともに、当該棺 の壁の異なる表面に対応する前記パネルとその部材との間に予めつけられた複数 の折線とを有しており、前記開口部が前記パネルの異なる部材を他の一方の上に 折り畳まれかつ下方に折り曲げられれば、少なくとも２枚の前記パネルのそれぞ れの開口部が互いに一致するよう配設されているため、前記開口部を閉鎖しかつ 当該開口部の端部を共に保持しつつ当該開口部を貫通して導入される定着部材を 用いて、前記複数のパネルを相互に固定することができる、ことを特徴とする折 り畳み可能な棺。 ２．クレーム１に記載される棺において、２枚の異なるサイドパネル（１，２） の２つの部分（１’，２’）を互いに折り畳むことにより重ね合わせ、また一方 において、前記部分の１つ（２’）に設けられたスロット（２６ａ，２６ｂ）へ 、前記部分（２’）を含むサイドパネル（２）に隣接するエンドパネル（３，４ ）にそれぞれ付属する定着用タブ（３”，４”）を挿入することにより、他方に おいて、前記パネル部分（２’，１’）の双方にそれぞれ設けられた少なくとも １組の開口部（２２，１２；２１，１１）であってパネル部分を相互に重ねる際 に一致するものに挿入される定着部材を用いて、前記サイドパネルを互いに固定 することにより棺の底部が組み立てられる、ことを特徴とする棺。 ３．クレーム１又は２に記載される棺において、第１のサイドパネル（１）の一 部分（１”）を第１及び第２のエンドパネル（３，４）にそれぞれ付属する取り 付け用付属部分（３"'，４"'）へ折り込み、重ねることにより、またその後、一 方において前記パネルのこの部分に設けられ、他方においてこれらの付属部分（ ３"'，４ "'）のそれぞれに設けられた、組になった開口部（１４ａ，３４ａ）及び（１５ ａ，４５ａ）を通じて挿入される定着部材により、前記パネルのこの一部分（１ ”）をこれらの付属部分（３"'，４"'）へ接続することにより、またその後、前 記の第１のサイドパネル（１）の前記部分（１”）へ第２のサイドパネル（２） の一部分（２”）を折り返すことにより、また最後に、サイドパネル（１，２） のこれらの２つの部分（１”，２”）のそれぞれ組となった開口部（２３，１３ ；２４ｂ，１４ｂ；２５ｂ，１５ｂ）を通じて挿入される定着部材によって、サ イドパネル（１，２）のこれら２つの部分（１”，２”）を定着することにより 、棺のカバーが作られ、これら開口部はこれらパネル部分を相互に重ねたときに 、互いに一致するものである、ことを特徴とする棺。 ４．クレーム１から３のいずれか１つに記載される棺において、前記シートは波 状の厚紙を基礎とする１枚のシートであることを特徴とする棺。 ５．クレーム４に記載される棺において、前記シートはその２面のうち少なくと も１面が純粋な天然セルロースからなるコーティング材で覆われていることを特 徴とする棺。 ６．前記クレームのいずれか１つに記載される棺において、前記定着部材はそれ ぞれ全て、いかなる悪影響も環境におよぼすことなく排除できるプラスチック材 料でできていること特徴とする棺。 ７．クレーム６に記載される棺において、前記プラスチック材料は低圧・高密度 ポリエチレン（ＨＤＰＥ）からなることを特徴とする棺。 ８．前記クレームのいずれか１つに記載される棺において、棺の内部でその底部 に液体収容ケースが設置されることを特徴とする棺。 ９．クレーム７に記載される棺において、前記収容ケースが、ケースの内面を成 す表面を死体の分解によって生ずる化合物に対して耐性のあるプラスチック材料 でコーティングした波状の厚紙を基礎とする材料から成る矩形シートを、折り畳 むことにより作られることを特徴とする棺。 １０．クレーム８又は９に記載される棺において、前記収容ケースが吸収材料か らなるベッドを有することを特徴とする棺。