JPH082095Y2 - 包装箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、自動車のバンパー等
のコの字状の商品を収容する際に使用される包装箱に関
する。

【０００２】

【従来の技術】コの字状の商品を収容する包装箱の一例
として、図１０に示すブランクを組立てて成るものが挙
げられる。

【０００３】図１０に示すように、底板５１の両端に折
目線５２、５３を介して前板５４及び後板５５が連設さ
れ、前記底板５１の両側に折目線５６を介して、四角筒
体の構成要素である外側壁５７が連設されている。

【０００４】前記折目線５６を折り曲げて四角筒体の外
側壁５７を起立させ、折目線５８、５９を折り曲げるこ
とにより、四角筒体の前壁６１及び後壁６２を形成す
る。切目線６３により前記前壁６１及び後壁６２から切
り分けられる内側板６１ａ、６２ａを重ね合わせて、耳
片６４をスリット６５に係止させると、四角筒体の内側
壁が形成される。

【０００５】前記外側壁５７と内側板６２ａに連設され
た底フラップ６６ａ、６６ｂを重ね合わせると、四角筒
体の下端面が閉塞される。

【０００６】前記各折目線５２、５３を折り曲げて、前
記底板５１の両端に前板５４及び後板５５とを起立させ
ると、この前板５４及び後板５５の両側部が前記前壁６
１及び後壁６２の端部に当接し、距離をおいて並列させ
た二つの四角筒体が、底板５１、前板５４及び後板５５
とにより構成される連結部材により連結される。

【０００７】前記前板５４及び後板５５に連設された蓋
フラップ６７ａ、６７ｂを重ね合わせて、各耳片６８を
各スリット６９に係止させると、連結部材の天板が形成
される。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の包装箱は、折り曲げ箇所が多く、組立てに時間がか
かり、作業効率が劣るという欠点がある。

【０００９】そこで、この考案は、組立てをワンタッチ
で極めて効率良く行うことができる包装箱を提供するこ
とを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この考案は、距離をおいて並列させた二つの四角
筒体と、この四角筒体を連結する連結部材とから成り、
前記四角筒体を前壁、後壁、内側壁及び外側壁により構
成すると共に、前記内側壁の高さを、外側壁の高さより
前記連結部材の高さ分低く設定し、且つこの内側壁の上
端縁に折曲線を介して連結片を連設し、前記連結部材を
前板部材と後板部材とにより構成し、この前板部材を、
前記四角筒体の各前壁上端部に固着される前板と、この
前板の中央部下端縁に折目線を介して連設される前底板
とにより構成し、前記後板部材を、前記四角筒体の各後
壁上端部に固着される後板と、この後板の中央部下端縁
に折目線を介して連設される後底板とにより構成し、前
記連結片の一方に、一方の四角筒体の内側壁の上端縁の
前端を起点とする斜め折曲線を設け、この斜め折曲線の
外側部分を前記前底板に、他方の連結片に、他方の四角
筒体の内側壁の上端縁の後端を起点とする斜め折曲線を
設け、この斜め折曲線の外側部分を前記後底板にそれぞ
れ固着し、各斜め折曲線を折り曲げることにより折り畳
み可能に形成する構成を採用したのである。

【００１１】また、上記の構成に代えて、前記前底板の
一側縁を一方の四角筒体の内側壁の上端縁に連結すると
共に、他方の四角筒体の内側壁の上端縁と、この上端縁
に当接する側の前記後底板の一側縁とを連結し、且つ、
前記前底板に、四角筒体と連結された側縁の前端を起点
とする斜め折曲線を、前記後底板に、四角筒体と連結さ
れた側縁の後端を起点とする斜め折曲線をそれぞれ設け
て、各斜め折曲線を折り曲げることにより折り畳み可能
に形成する構成としてもよい。

【００１２】さらに、上記各構成に加えて、各四角筒体
の下端縁に四枚の底フラップを連設し、相互に隣接する
底フラップを二枚一組にして連結すると共に、この連結
部分に折込線を設けて、この折込線を折り込むことによ
り各四角筒体の底面を折り畳み可能にする構成としても
よい。

【００１３】

【作用】以上のように構成された包装箱は、前底板を前
板に、後底板を後板に重ね合わせ、斜め折曲線を折り曲
げると、前板部材と後板部材とがスライドして重なり合
い、四角筒体も共に折り畳まれ、この包装箱全体が折り
畳まれる。

【００１４】折り畳み状態の包装箱の前板部材をスライ
ドさせると、斜め折曲線の折り曲げが解除されて、距離
をおいて並列させた四角筒体が連結部材により連結され
る。

【００１５】四角筒体の下端縁に四枚の底フラップを連
設し、相互に隣接する底フラップを二枚一組にして連結
すると共に、この連結部分に折込線を設けるものにあっ
ては、組立て時、折り畳み時のいずれの場合も、前板部
材と後板部材とのスライドに連動して、この折込線が曲
げ伸ばしされ、四角筒体の組立て、折り畳みが行われ
る。

【００１６】

【実施例】図１に示すように、この考案に係る包装箱
は、距離をおいて並列させた二つの四角筒体１と、この
四角筒体１を連結する連結部材２とから成り、図２及び
図３に示すブランクを組立てることにより形成される。

【００１７】前記四角筒体１は、図２に示すように、外
側壁３の一側に前壁４、内側壁５及び後壁６が折目線
７、８、９を介して順次連設され、前記外側壁３の他側
には糊代片１１が設けられている。

【００１８】前記内側壁５の高さ（図２中符号Ｈ）は、
前記外側壁３の高さ（図２中符号Ｈ′）より前記連結部
材２の高さ（図２中符号ｈ）分低く設定されている。こ
の内側壁５の上端縁には、折曲線１２を介して連結片１
３が連設され、この連結片１３には斜め折曲線１４が設
けられている。

【００１９】前記外側壁３、前壁４、内側壁５及び後壁
６の下端縁には、折目線１５を介して底フラップ３ａ、
４ａ、５ａ、６ａがそれぞれ連設され、底フラップ３
ａ、５ａには折込線１６が設けられている。

【００２０】また、外側壁３には、底フラップ３ａと反
対側の端縁に折り曲げ片３ｂが連設されている。

【００２１】前記連結部材２は、図３（ａ）に示す前板
部材２ａと、図３（ｂ）に示す後板部材２ｂとにより構
成される。

【００２２】前板部材２ａは、前板１７と、この前板１
７の一端中央部に折目線１８を介して連設される前底板
１９とにより構成される。

【００２３】前記前板１７の他端には、折目線２１を介
して両側部にスリット２２を有する折り曲げ片２３が連
設され、前記前底板１９の中央には係止突片２４が設け
られている。

【００２４】後板部材２ｂは、後板２５と、この後板２
５の一端中央部に折目線２６を介して連設される後底板
２７とにより構成される。

【００２５】前記後板２５の他端には、折目線２８を介
して蓋フラップ２９が連設され、先端縁の両側部に耳片
３１が設けられている。前記折目線２６の中央には、前
記係止突片２４が係止されるスリット３２が設けられて
いる。

【００２６】前記四角筒体１は、前記各折目線７、８、
９を折り曲げて糊代片１１を後壁６に固着し、底フラッ
プ３ａ、５ａの折込線１６より外側部分を隣接する底フ
ラップ６ａ、４ａにそれぞれ固着し、二枚一組に連結さ
れた底フラップ３ａと６ａ、５ａと４ａにより底面を閉
塞することにより、図１に示すように組立てられる。

【００２７】このとき、四角筒体１の底面は、この四角
筒体１を構成するいずれかの壁の下端縁に連設される底
板（特に図示しない）により閉塞してもよい。

【００２８】この四角筒体１の各前壁４及び各後壁６の
上端部に、前板１７及び後板２５の両側部をそれぞれ固
着する。

【００２９】また、図４に示すように、一方の連結片１
３の斜め折曲線１４の外側部分を前底板１９に、他方の
連結片１３の斜め折曲線１４の外側部分を後底板２７に
固着して、前底板１９の係止突片２４を前記スリット３
２に係止させる。

【００３０】このようにすると、図１及び図４に示すよ
うに、前記各四角筒体１が距離をおいて連結部材２によ
り連結され、この連結状態が保持される。

【００３１】図１に示す状態でバンパーを収容し、折曲
線２１、２８を折り曲げて折り曲げ片２３と蓋フラップ
２９とを重ね合わせ、耳片３１をスリット２２に係止さ
せると、図５に示すように、四角筒体１及び連結部材２
の天面が蓋フラップ２９により閉塞される。

【００３２】図１の状態から、前底板１９の係止突片２
４とスリット３２との係止を解除し、斜め折曲線１４を
折り曲げると、前底板１９が前板１７に、後底板２７が
後板２５に接近して、前板部材２ａと後板部材２ｂとが
スライドする。

【００３３】このとき、四角筒体１も、図６に示すよう
に、相互に連結された底フラップ３ａ、６ａ及び５ａ、
４ａの連結部分に設けられた折込線１６が折り込まれる
ことにより、外側壁３と前壁４とが、後壁６と内側壁５
とに接近する。

【００３４】前記四角筒体１と連結部材２とは、最終的
に、図７に示すように折り畳まれる。

【００３５】図７に示す状態から、前板部材２ａをスラ
イドさせると、前記折込線１６と斜め折曲線１４の折り
曲げが解除されて、四角筒体１の組立てに連動して、前
記前底板１９と後底板２７とが重なり合い、係止突片２
４とスリット３２とを係止させることにより、この包装
箱の組立て状態を保持することができる。

【００３６】図８及び図９に示すブランクは、この考案
に係る包装箱の第二の実施例に関するものである。な
お、上記第一の実施例と同様の構成及び作用を示すもの
については、同じ符号を付して説明を省略する。

【００３７】図８に示す各折目線７、８、９を折り曲げ
て糊代片１１を後壁６に固着すると四角筒体１′（図示
省略）が組立てられ、底フラップ３ａ、５ａの折込線１
６より外側部分を隣接する底フラップ６ａ、４ａにそれ
ぞれ固着すると、この四角筒体１′の底面が、二枚一組
に連結された底フラップ３ａと６ａ、５ａと４ａとによ
り閉塞される。

【００３８】図９（ａ）に示すブランクは、前板部材
２′ａに係るもので、前底板１９の一側縁に折目線１２
ａを介して連結片１３ａが連設されている。この前底板
１９には、前記折目線１２ａの前端を起点とする斜め折
曲線１４ａが設けられている。

【００３９】図９（ｂ）に示すブランクは、後板部材
２′ｂに係るもので、後底板２７の一側縁に折目線１２
ｂを介して連結片１３ｂが連設されている。この後底板
２７には、前記折目線１２ｂの後端を起点とする斜め折
曲線１４ｂが設けられている。

【００４０】前述の如く組立てられた四角筒体１′の各
前壁４及び各後壁６の上端部に、前板１７及び後板２５
の両側部を、一方の四角筒体１′の内側壁５の上端部に
前記連結片１３ａを、他方の四角筒体１′の内側壁５の
上端部に前記連結片１３ｂをそれぞれ固着する。

【００４１】このようにすると、前記前底板１９の一側
縁が一方の四角筒体１′の内側壁５の上端縁に連結さ
れ、他方の四角筒体１′の内側壁５の上端縁と、この上
端縁に当接する側の前記後底板２７の一側縁とが連結さ
れる。

【００４２】なお、前記連結片１３ａ、１３ｂを設ける
ことなく、前底板１９の一側縁と一方の四角筒体１′の
内側壁５の上端縁とを、及び他方の四角筒体１′の内側
壁５の上端縁と、この上端縁に当接する側の後底板２７
の一側縁とを、それぞれ接着テープを貼着することによ
り連結する構成とすることもできる。

【００４３】斜め折曲線１４ａ、１４ｂを折り曲げる
と、前底板１９が前板１７に、後底板２７が後板２５に
接近して、前板部材２′ａと後板部材２′ｂとがスライ
ドし、四角筒体１′も折込線１６の折り込みにより折り
畳まれる。

【００４４】前板部材２′ａをスライドさせると、折込
線１６と斜め折曲線１４ａ、１４ｂの折り曲げが解除さ
れて、四角筒体１′の組立てに連動して、前底板１９と
後底板２７とが重なり合い、この包装箱が組立てられ
る。

【００４５】

【考案の効果】以上のように構成された包装箱は、前板
部材と後板部材とをスライドさせると同時に、斜め折曲
線を曲げ伸ばしすることにより、この包装箱の折り畳
み、組立てをワンタッチで極めて効率良く行うことがで
きる。

【００４６】不使用時には、折り畳んで扁平状態にして
おくことができるので、少ないスペースに保管しておく
ことができる。

【００４７】四角筒体の下端縁に、二枚一組に連結され
た底フラップを連設し、連結部分に折込線を設けるもの
にあっては、連結部材の折り畳み、組立てを、四角筒体
の折り畳み、組立てに連動させて行うことができ、より
作業効率のすぐれたものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一の実施例の斜視図

【図２】同上の四角筒体の展開図

【図３】（ａ）同上の前板部材の展開図 （ｂ）同上の後板部材の展開図

【図４】同上の使用状態における縦断側面図

【図５】同上の使用状態における斜視図

【図６】同上の折り畳み途中の斜視図

【図７】同上の折り畳み状態の斜視図

【図８】第二の実施例の四角筒体の展開図

【図９】（ａ）同上の前板部材の展開図 （ｂ）同上の後板部材の展開図

【図１０】従来例の展開図

【符号の説明】

１、１′ 四角筒体 ２ 連結部材 ２ａ、２′ａ 前板部材 ２ｂ、２′ｂ 後板部材 ３、５７ 外側壁 ３ａ、４ａ、５ａ、６ａ、６６ａ、６６ｂ 底フラップ ３ｂ 折り曲げ片 ４、６１ 前壁 ５ 内側壁 ６、６２ 後壁 ７、８、９、１２ａ、、１２ｂ、１５、１８、２１、２
６、２８、５２、５３、５６、５８、５９ 折目線 １１ 糊代片 １２ 折曲線 １３、１３ａ、１３ｂ 連結片 １４、１４ａ、１４ｂ 斜め折曲線 １６ 折込線 １７、５４ 前板 １９ 前底板 ２２、３２、６５、６９ スリット ２３ 折り曲げ片 ２４ 係止突片 ２５、５５ 後板 ２７ 後底板 ２９、６７ａ、６７ｂ 蓋フラップ ３１、６４、６８ 耳片 ５１ 底板 ６１ａ、６２ａ 内側板 ６３ 切目線

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 距離をおいて並列させた二つの四角筒体
   と、この四角筒体を連結する連結部材とから成り、前記
   四角筒体を前壁、後壁、内側壁及び外側壁により構成す
   ると共に、前記内側壁の高さを、外側壁の高さより前記
   連結部材の高さ分低く設定し、且つこの内側壁の上端縁
   に折曲線を介して連結片を連設し、前記連結部材を前板
   部材と後板部材とにより構成し、この前板部材を、前記
   四角筒体の各前壁上端部に固着される前板と、この前板
   の中央部下端縁に折目線を介して連設される前底板とに
   より構成し、前記後板部材を、前記四角筒体の各後壁上
   端部に固着される後板と、この後板の中央部下端縁に折
   目線を介して連設される後底板とにより構成し、前記連
   結片の一方に、一方の四角筒体の内側壁の上端縁の前端
   を起点とする斜め折曲線を設け、この斜め折曲線の外側
   部分を前記前底板に、他方の連結片に、他方の四角筒体
   の内側壁の上端縁の後端を起点とする斜め折曲線を設
   け、この斜め折曲線の外側部分を前記後底板にそれぞれ
   固着し、各斜め折曲線を折り曲げることにより折り畳み
   可能に形成した包装箱。
2. 【請求項２】 距離をおいて並列させた二つの四角筒体
   と、この四角筒体を連結する連結部材とから成り、前記
   四角筒体を前壁、後壁、内側壁及び外側壁により構成す
   ると共に、前記内側壁の高さを、外側壁の高さより前記
   連結部材の高さ分低く設定し、前記連結部材を前板部材
   と後板部材とにより構成し、この前板部材を、前記四角
   筒体の各前壁上端部に固着される前板と、この前板の中
   央部下端縁に折目線を介して連設される前底板とにより
   構成し、前記後板部材を、前記四角筒体の各後壁上端部
   に固着される後板と、この後板の中央部下端縁に折目線
   を介して連設される後底板とにより構成し、前記前底板
   の一側縁を一方の四角筒体の内側壁の上端縁に連結する
   と共に、他方の四角筒体の内側壁の上端縁と、この上端
   縁に当接する側の前記後底板の一側縁とを連結し、且
   つ、前記前底板に、四角筒体と連結された側縁の前端を
   起点とする斜め折曲線を、前記後底板に、四角筒体と連
   結された側縁の後端を起点とする斜め折曲線をそれぞれ
   設けて、各斜め折曲線を折り曲げることにより折り畳み
   可能に形成した包装箱。
3. 【請求項３】 各四角筒体の下端縁に四枚の底フラップ
   を連設し、相互に隣接する底フラップを二枚一組にして
   連結すると共に、この連結部分に折込線を設けて、この
   折込線を折り込むことにより各四角筒体の底面を折り畳
   み可能にしたことを特徴とする請求項１又は請求項２に
   記載した包装箱。