JPH08503416A - 回転噴霧部材を有する被覆剤噴射装置及び回転噴霧部材着脱用工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 駆動側の回転子に回転噴霧部材を固定する装置。本発明によれば、被膜剤を噴射する回転噴霧部材（１２）は、弾性連結部材（２５）によって駆動手段（１４）に取り付けられる。遠心力により組立状態を維持する力が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】 回転噴霧部材を有する被覆剤噴射装置及び回転噴霧部材着脱用工具 本発明は、回転噴霧部材を有する被覆剤噴霧装置に関する。噴霧部材は、例え ば、好ましくは鉢形または釣鐘形等の形状を呈するとともに、タービンにより超 高速回転せしめられる。 本発明は、特に、噴霧装置を軽量化するととともに取扱い易くし、かつ回転噴 霧部材の着脱を容易にすることを目的とした改良に関する。 本発明はまた、回転噴霧部材を着脱するための工具に関する。 有機溶剤や水性塗料等の液体被覆剤を噴霧する従来の設備では、被覆剤を細か な水滴状に霧化してから、静電気的に被覆対象物上に誘引している。被覆剤は、 高速回転する鉢形の回転噴霧部材によって霧化される。回転速度は、毎分３０， ０００〜１００，０００回転の範囲であり、通常は毎分４０，０００〜６０，０ ００回転とされる。 こうした回転速度の場合には、回転噴霧部材を出来るだけ軽量にすることが望 ましく、特に、いわゆる「不つりあい」効果の影響を受けて損傷されがちな空気 軸受及び／または磁気軸受を備えたタービンにより回転噴霧部材を駆動する場合 は、回転噴霧部材を正確に動的つりあい状態にすることが望ましい。 従来、この種の回転噴霧部材は、円周方向に等しい角度に配置された６〜８本 の組をなすボルトにより、タービンの回転子に組み付けられている。このような 組立構造は、回転噴霧部の重量を激増させ、かつ動的つり合せの複雑化を招く。 また、洗浄や保守に際した回転噴霧部材の着脱が時間のかかる困難な作業になる 。 本発明の目的は、前記問題を解消した新しい種類の組立構造を提供することに ある。 本発明に係る第１の態様は、回転噴霧部材と前記回転噴霧部材を回転させる駆 動手段とからなる液体被覆剤噴霧装置において、遠心力に応じて半径方向に拡が るようにしてある部材であって、前記回転噴霧部材または前記駆動手段の相対的 に剛性の高い部分の内側環状面に係合する少なくともひとつの嵌合環を含む弾性 連結部材によって、前記噴霧部材が前記駆動手段に取り付けられることを特徴と する液体被覆剤噴霧装置である。 本発明の好ましい実施例において、嵌合環は、半径方向外方に延在する玉縁等 の環状凸部を含み、前記内側環状面は、前記環状玉縁等を収容しうるような形状 および大きさの溝を含む。弾性連結部材は、少なくとも一部分が半径方向に均等 に弾性変形可能な環状部材とすることができる。これは特に、前記弾性連結部材 が弾性変形可能なプラスチック材料によって製作されている場合に当てはまる。 本発明の別な実施例において、嵌合環は、複数個の可撓翼部を画成するスロッ トまたはその他の長手開口を備えた環状部分とされる。この場合、前記玉縁は、 前記翼部の端部に形成され、したがって前記スロットによって区分された構造と なる。この場合には、前記嵌合環は金属環であってもよい。 以下に添付図面を参照しながら本発明の単なる例として被覆剤噴霧装置と着脱 用工具との種々の実施例について行なう説明により、本発明の内容が理解される とともに、本発明のその他の利点がより明らかになろう。 第１図は、本発明の液体被膜剤噴霧装置の部分概略縦断面図である。 第２図は、本発明の別な実施例を示す、第１図に同様の図である。 第３図は、本発明のまた別な実施例を示す、第１図と同様の図である。 第４図は、本発明のさらに別な実施例の端部部分を示す概略縦断面図である。 第５図は、本発明の回転噴霧部材を着脱するための工具の部分断面図であって 、前記工具を前記噴霧部材に係合させた状態を示す図である。 第６図は、第５図の線ＶＩ−ＶＩにおける断面図である。 同様の構造の部材を同じ参照番号で示してある第１〜３図において、液体被膜 剤噴霧装置１１は、回転子１４しか図示されていないタービンによって高速回転 せしめられる鉢形の回転噴霧部材１２を含む。この実施例の場合は、空気タービ ンが用いられ、回転子は、空気の噴射を受ける駆動羽根１６を備えている。回転 子の半径方向懸架軸受および軸方向安定手段は、空気式及び／または磁気式及び ／または玉軸受式とされるが、本発明の 部分をなすものではないので図示さ れていない。回転子１４は、被覆剤供給管１７を挿通する軸方向の通路１５を有 しており、前記被覆剤供給管は、放出ノズル１８面で終端し、かつ回転噴霧部材 １２の半径方向内側のフランジ１９の少し手前で終端している。従来どおり、フ ランジ１９はその円周縁部に環状に並んだ複数の穴部２０を有する。フランジ１ ９の裏面２１に付着した被覆剤は、遠心力によって前記後者を経由し、鉢形部分 の内壁に沿って排出縁部２２に流れる。そして、被覆剤が前記縁部から細かな粒 子の噴霧となって霧化される。静電気を利用して塗布する場合、回転噴霧部材が 金属部材であれば、噴霧部材自体を高電圧に接続することができる。噴霧部材が 絶縁材料でできている時は、ボンバードメント式帯電装置を用いることができる 。 本発明の重要な特徴の一つに従うと、回転噴霧部材１２は、遠心力に応じて半 径方向に拡がるようにしてある少なくともひとつの嵌合環２６を含む弾性連結部 材２５により、駆動手段（この実施例では特に回転子１４）に接続される。嵌合 環は、適切に整形された連結部を介して前記回転噴霧部材（第１および２図）ま たは前記駆動手段（第３図）の相対的に剛性の高い部分の内側環状面に係合する 。連結部の形状については、嵌合環２６の変形によって嵌合環２６とその嵌合相 手となる前記剛性の高い部分との間の締結力が遠心力とともに増加するような形 状とする。 また、このように取り付けることによって、回転時に回転噴霧部材１２が回転 子１４に対して自動的に心合わせされる。より正確には、嵌合環２６は、半径方 向外方に延在する玉縁３０または類似の何らかの環状凸部を有し、その係合相手 となる内側環状面には、前記環状玉縁等を収容できるような形状および大きさの 溝３１ａまたは３１ｂが設けられる。この溝が回転噴霧部材の溝３１ａまたは回 転子１４の溝３１ｂである。 図面に示すように、弾性連結部材２５は概して環状であり、連結部材の半径方 向に均一に弾性変形可能な部分が嵌合環となっている。 第１図の実施例において、弾性連結部材２５は回転子１４に固定されている。 そのために前記連結部材は、例えば圧入または螺合により、回転子に設けられた 環状凹部内に固定される剛性環状部３４を備えている。 第２図の実施例では、弾性連結部材２５は回転子１４と一体に構成されている 。 第３図の実施例では、弾性連結部材２５は回転噴霧部材１２に固定されている 。環状部３４は、例えば圧入または螺合により、前記噴霧部材に設けられた環状 凹 部に固定されている。 第１および３図の実施例において、嵌合環２６は、複数個の可撓羽根３６を形 成するスロット３５またはその他の類似の開口を備えた環状部分となっている。 玉縁３０は前記羽根の端部に形成され、したがって前記スロットによって区分さ れている。この種の嵌合環は、特に弾性連結部材が金属製、例えばステンレス鋼 製の場合に適している。しかし、前記部材はプラスチック材料製であってもよい 。 弾性連結部材がプラスチック材でできている場合、遠心力の作用によって半径 方向に均一に弾性変形可能であれば、前記嵌合環は第２図に示すように連続環で あってもよい。 第２図の実施例において、連結部材２５は、回転部材と一体構成されている。 この場合は、回転子１４もプラスチック材料から製作され、これによって装置が さらに軽量化されている。 これ以外の組合せも可能であることは言うまでもない。特に、回転子と一体成 形された弾性連結部材に、さらに可撓羽根を設けることができる。これに代わる 方法として、前記弾性連結部材を回転噴霧部材と一体構成することもできる。 第４図において、第１〜３図のものと同じ構造部材は、同じ参照符号で示され ている。前記図に、噴霧装置がより完全に、特に回転子１４を覆うキャップ４０ の前部分とともに図示されている。このキャップは環状の開口４１を有しており 、その前方に回転噴霧部材１２が設けられている。キャップ内において円周方向 に等しい角度に離間配置された空気放出路４２は、圧縮空気供給源（図示せず） に接続してある。前記放出路は、開口４１の近くにある開口から空気を放出し、 放出された空気は、従来の方法で、回転噴射部材１２のまわりにおいて「空気ス カート」を形成する。このような構成によって、回転部材の汚れが防止されると ともに、霧化された被覆剤の噴射形態を整えることができる。 本発明のこの実施例において、弾性連結部材２５ａは、プラスチック材料によ って製作されるとともに、それぞれ前記回転噴霧部材１２と前記駆動手段すなわ ち回転子１４とに嵌合する同軸整合状態の２つの嵌合環２６ａ、２６ｂを有する 。２つの嵌合環は、連結部材２５ａのフランジ４５に取り付けられて前記フラン ジの両側に延在し、その回転軸は必然的に回転子１４の回転軸と同じになる。フ ラ ンジ４５は、ノズル１８が挿通される中央穴４６を有する。また、前記フランジ は、キャップ４０の開口４１付近まで半径方向外方に延在する延長部４８を有す る。したがって、弾性連結部材２５ａは開口４１の大部分を封鎖し、以てタービ ン４０を外部の汚れから保護する形になる。また、空気をキャップ４０の内側か ら外側へと導き、特に鉢形の回転噴霧部材の後部において気流を発生させるよう に、フランジ４５はその延長部４８にら旋状（図示せず）に規則正しく配置した 一連の穴５０を有する。これは前記噴霧部材の外面の汚れを抑制している。フラ ンジ４５は、回転噴霧部材１２の回転速度を測定する装置の取付けにも利用され る。さらに前記フランジは、回転子１４と同じ側の内面において穴４６の近くに 凹部５２を有している。この凹部は、円周方向に細長い形状を呈するとともに、 ２本の並列管５３、５４のオリフィスを通過して移動する。第４図には前記管の 一本のみが図示されている。管の一本は圧縮空気供給源に接続され、他方はマイ クロホン・センサ５５に接続されている。このように、２本の管が組み合わさっ て音響接続部を構成している。この音響接続部の特性は、凹部５２が回転毎に管 を通過する時に変化する。したがって、マイクロホン・センサ５５は、噴霧部材 の回転速度を表す周波数の信号を発することになる。フランジ４５の反対側には 、回転軸のまわりにおいて対称な別の凹部５２ａが形成されて、装置の動的つり あいが保たれる。 嵌合環２６ａ、２６ｂは各々、回転噴霧部材１２に設けられた溝３１ａと回転 子１４に設けられた溝３１ｂとにそれぞれ嵌合する玉縁３０ａ、３０ｂを有して いる。回転噴霧部材１２を取り外すには、前記噴霧部材を連結部材２５ａから取 り外すか、または前記連結部材を回転子１４から取り外せばよいことは明らかで ある。鉢形部分の洗浄または交換を行なう場合には前者の方法で十分であり、タ ービンを点検する時のアクセスは後者の方法により得られる。 当然ながら、２つの嵌合環２６ａ、２６ｂは、羽根が変位することによって弾 性がもたらされる第１および３図と同じ種類のものであってもよい。 いずれの場合も、回転停止時にさほど大きな力を要さずに嵌合させられるよう に整形された連結部材を配設するが、組立済みの装置を前記速度で回転させると 、遠心力によって、組立部材間の把持力が高まるような方向に嵌合環または各環 が 変形する。また、これによって一緒に回転する部材が自動的に心合わせされる。 第５および６図に、弾性連結部材２５の端部に回転部材１２を着脱するための 工具を示す。この工具は、ねじ部分６１を備えた把手６０を有しており、前記ね じ部分の端部に区分環６２が固定されて、区分環６２には円周方向に等しい角度 に離間配置された複数個の可撓性把持部６３が形成されている。各把持部は、回 転噴霧部材１２の縁部２２に係合する形の切欠部６４を有する。ただし、前記切 欠部はいくつかで組をなし、通常は、係合相手の縁部の円周よりも大なる円周上 に位置する。区分環６２の外側かつ同軸に、把持環６５が配設されている。前記 把持環は、把手のねじ部６１に螺合するねじ穴６６を有する。把持環の内面６７ は、円錐形状を呈するとともに、可撓性把持部６３に当接する。把持環６５は、 ねじ部６１に螺着せしめられるため、区分環６２に対して軸方向に移動するとと もに、把持部６３を同時に半径方向内方に屈曲させる。こうして噴霧部材の縁部 ２２が前記把持部６３によって把持されることになり、回転噴霧部材の着脱が大 幅に簡便化される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．回転噴霧部材（１２）と前記噴霧部材を回転させる駆動手段（１４）とか らなる液体被膜剤噴霧装置において、遠心力に応じて半径方向に拡がるようにし てある部材であって、前記回転噴霧部材または前記駆動手段の相対的により剛性 な部分の内側環状面に係合する少なくともひとつの嵌合環（２６）を含む弾性連 結部材（２５）により、前記回転噴霧部材が前記駆動手段に取り付けられること を特徴とする液体被膜剤噴霧装置。 ２．前記嵌合環（２６）が、半径方向外方に延在する玉縁（３０、３０ａ、３ ０ｂ）またはその他の環状凸部を含み、前記内側環状面が、前記環状玉縁等を収 容しうるような形状および大きさの溝（３１ａ、３１ｂ）を含むことを特徴とす る請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．前記弾性連結部材が環状の形状を呈し、前記嵌合環が、半径方向に均一に 弾性変形可能な部分を構成することを特徴とする請求の範囲第１または２項に記 載の装置。 ４．前記弾性連結部材（２５）が、前記駆動手段の回転部分（１４）に固定さ れることを特徴とする請求の範囲の前記項のいずれかに記載の装置。 ５．前記弾性連結部材（２５）が、前記回転部分と一体構成される（第２図） ことを特徴とする請求の範囲第４項に記載の装置。 ６．前記弾性連結部材が、前記回転噴霧部材に固定される（第３図）ことを特 徴とする請求の範囲第１〜３項のいずれかに記載の装置。 ７．前記嵌合環が、複数個の可撓羽根（３６）を画成するスロット（３５）ま たはその他類似の開口が設けられた環状部分であり、前記玉縁（３０）が、前記 羽根の端部に形成されるとともに前記スロットによって区分された構造を有する ことを特徴とする請求の範囲第２〜６項のいずれかに記載の装置。 ８．前記嵌合環が弾性変形可能なプラスチック材料製であることを特徴とする 請求の範囲第２〜６項のいずれかに記載の装置。 ９．前記弾性連結部材が、嵌合によってそれぞれ前記回転噴霧部材（１２）と 前記駆動部材（１４）とに連結される同軸状態の２つの嵌合環（２６ａ、２６ｂ ） を含むことを特徴とする請求の範囲の前記いずれかの項目に記載の装置。 １０．前記連結部材が、前記２つの嵌合環の間に延在するフランジ（４５）を 含むことを特徴とする請求の範囲第９項に記載の装置。 １１．前記フランジが、前記駆動手段を覆うキャップ（４０）の近くまで半径 方向外方に延在する延長部（４８）を含むことを特徴とする請求の範囲第１０項 に記載の装置。 １２．前記フランジの前記延長部が、周方向に等しい角度に離間配置されると ともに、前記キャップの内側から外側へと向かう気流を発生させる配向とされる 穴（５０）を含むことを特徴とする請求の範囲第１１項に記載の装置。 １３．前記フランジが凹部（５２）を含み、マイクロホン・センサ（５５）が 音響接続部によって前記凹部に連結されることを特徴とする請求の範囲第１０〜 １２項のいずれかに記載の装置。 １４．請求の範囲の前記いずれかの項に記載の嵌合式弾性連結部材によって駆 動手段に連結される回転噴霧部材を着脱するための工具であって、前記工具が、 把手（６０）の端部の環状部に配置された、各々が前記回転噴霧部材の縁部に係 合する形状の切欠部（６４）を含む複数個の可撓性把持部（６３）と、前記環状 部のまわりに同軸的に延在し、前記可撓性把持部（６３）に係合する実質的に円 錐状の内面（６７）を有した把持環（６５）とを含み、前記把持環が前記環状部 に対して軸方向に移動して前記把持部を同時に屈曲させることを特徴とする回転 噴霧部材着脱用工具。