JPH08501707A

JPH08501707A - 止血切開封止装置

Info

Publication number: JPH08501707A
Application number: JP6504521A
Authority: JP
Inventors: カッサロス，ジョージス; トーマス，デヴィッド・グリーム; アリソン，リチャード・デイル
Original assignee: シャーウッド・メディカル・カンパニー
Priority date: 1992-07-16
Filing date: 1993-07-15
Publication date: 1996-02-27
Anticipated expiration: 2012-09-10
Also published as: ATE180956T1; WO1994002072A1; AU4675093A; DE69325290D1; US5540715A; EP0684788A1; EP0684788B1; DE69325290T2; CA2140349C; AU684718B2; JP2652588B2; US5630833A; US5413571A; CA2140349A1

Abstract

(57)【要約】患者の体内の切開を封止するための装置であって、該装置は、細長いシャフト部材（２４、６２、７８）を有する生体吸収性封止部材（２０、６０、７６）と、エストラマー性可撓性バルーン部材（２２、４８、６８、７０、８６、９０）とを含む。この装置は、患者の体内の切開を止血封止するための、装置に結合された、予め成形された、又は注入可能なコラーゲン性材料（９２）を含んでいてもよい。シャフト部材は、その上の一つ又はそれ以上のバルーン部材と流体流連通してシャフト部材中に延長する一つ又はそれ以上の管腔（２６、６４、６６、８０、８２、８４）を含んでもよく、患者の体内の切開を効果的に封止する比較的簡単な装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】止血切開封止装置発明の技術分野本発明は一般に止血装置に関する。より具体的には、本発明は、患者の身体に形成された切開または穿刺に挿入し、体内を流れる液流から該切開または穿刺を封止することができる挿入組立体および封止装置に関する。背景技術カテーテル挿入処置時、看護婦または医師は、動脈または他の血管に通常のカテーテル導入器または拡張器で開口部を創生するであろう。この開口部のサイズは用いる処置の種類およびカテーテルのサイズに左右され変動する。例えば、標準的な血管造影法で用いるカテーテルおよびカテーテルシースの直径は代表的には５から８フレンチ（それぞれ１．６７ｍｍから２．６７ｍｍ）の間である。血管形成術で用いるカテーテルおよびカテーテルシースの直径は８（２．６７ｍｍ）または９（３．３３ｍｍ）フレンチであろう。大動脈内バルーンポンプ法で用いるカテーテルおよびカテーテルシースの直径は代表的には１４から１６フレンチ（それぞれ４．６７ｍｍおよび５．３３ｍｍ）で、心肺支援システムで用いるカテーテルおよびカテーテルシースの直径は代表的には１８から２０フレンチ（それぞれ６．０ｍｍおよび６．６７ｍｍ）である。さらに、このカテーテルはしばしば捩じれ、或いはそうでなければ処置部位に向けて前進するように操作され、それによって患者の身体の切開部または穿刺部が拡大する。医療処置が完了し、このカテーテルは動脈または他の血管から除去されると、血塊が形成されるまで通常の処置によって外部から圧力をかけられる。これらの処置を受ける患者の多くは、ヘパリンのような抗凝血薬で処置されているので、看護婦は切開部位に外部からの圧力をより長時間かけることを必要とすることがある。切開部の出血を停止させるために要する時間は看護婦の時間を有効に使用するものではなく、さらに痛みを伴う血腫または目に見えない挫傷が切開部位にさらに形成される可能性がある。なぜならば、動脈は血塊が動脈の開口部を塞ぐまで内部で出血し続けているからである。 Kurthの米国特許第４，８２９，９９４号(1989年5月16日)では、患者の大腿部血管に圧縮力をかけるために、骨盤エプロンおよび鼠蹊部ばんそうこうから成るエプロン様装置を提供することによって上記の問題を解決しようとした。この装置は看護婦が切開部位に直接圧力をかける必要性を効果的に排除するが、この装置の使用によって生じる大腿部血管の血流の減少は処置患者の血栓形成の可能性を高めるかもしれない。上記の問題を解決するための別の試みはSinogskyの米国特許第４，９２９，２４６号(1990年5月29日)に開示されている。この特許に開示されている装置を使用する方法は、その遠位端で膨張可能なバルーンを有する半硬質チューブを穿刺動脈の外腔に隣接する部位に向けて上方の組織中を前進させる工程を含む。続いてこのバルーンを膨張させ、当該動脈の外腔に直接圧力をかける。その後、この半硬質チューブの中央に位置する光ファイバーによって動脈の外腔に向けてレーザーエネルギーを照射し、それによってレーザーエネルギーは光ファイバーおよび半硬質チューブのバルーンの中を通過し、動脈を熱によって接着し切開を封止する。最後に、半硬質チューブおよびバルーンを切開から除去する。上記の問題を解決するためのさらに進んだ試みは、Kenseyの米国特許第４，７４４，３６４号(1988年5月17日)並びにKenseyの関連する米国特許第４，８５２，５６８号、４，８９０，６１２号および５，０２１，０５９号（それぞれ1989 年8月1日、1990年1月2日および1991年6月4日）に開示されている。最初のKensey の２つの特許は、血管壁のの開口部の封止用装置を開示するが、これはその中に取外し可能なように配置されたアンカー部材を有する細長い管状体から成る。この管状体はまた、管状体から血管内部にアンカー部材を押し出すために管状体の中に配置された放出装置を含む。引き戻しフィラメントはアンカー部材に固定され、それによってアンカー部材の嵌合表面は穿刺部位に隣接する血管内側表面に止血できるように嵌合する。第三のKenseyの特許は栓部材を含む装置を開示し、この装置は、穿刺された血管または器官に隣接する組織の部分に嵌合させ、栓部材を適切な場所に保持するように適合された保持部分と、穿刺血管または器官内に入り込み、隣接する組織に嵌合し、穿刺を封止する泡沫物質で形成された封止部分とを有する。最後のKenseyの特許は、血管壁の内側および外側表面に沿って配置され、当該穿刺を封止する一対の部材を含む装置を開示する。従来技術の装置のいずれも、血管壁の穿刺または切開の閉鎖を実施する簡単で安全な比較的安価な手段の使用を教示していない。発明の開示したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服する装置および使用方法を提供することである。本発明の別の目的は、動脈の切開を封止するために必要な時間を減少させ、カテーテルを切開から除去した後血腫が形成される可能性を少なくすることである。本発明のこれらの目的および他の目的は、血管、管路または管腔の切開を以下に述べるような装置を用いて封止する方法および装置を提供することによって達成される。本発明の１つの形態は、好ましくは、バルーン部材をその上に有する比較的直径が小さい生体吸収性の封止部材を含む。封止部材は、好ましくは生体吸収性材料で形成されたシャフト部分を含み、これは、バルーン部材を拡張させる前に、封止部材を切開から血管内へと操作するに十分な硬さを有する。バルーン部材は、それを膨張する前に患者の血管内へと容易に移動できるように、好ましくはシャフト部材よりも大きな可撓性を有する生体吸収性材料で形成してもよい。バルーン部材は、挿入中にバルーン部材の視覚化のために、好ましくはその中に放射線不透過性材料を含む食塩溶液のような液体で膨張させてもよい。一旦バルーン部材を膨張させると、封止部材は、バルーン部材の近位側が概ね切開近くの血管内壁と接触するまで切開内に引き出すことができる。本発明のこの形態では、バルーン部材は切開を封止し、血管から血流が切開に入るのを防止する。封止部材は、好ましくは、数週間にわたって患者の体内で分解され患者の体内で完全に吸収される材料から形成される。封止部材が分解されるので、封止部材のバルーン部分は分解し、食塩溶液および放射線不透過性材料は害を及ぼすことなく、患者の血流中に遊離される。封止部材は、一旦切開内に適切に配置されると、コラーゲンまたは他の生体吸収可能な栓部材が封止部材管腔の近位端に挿入され、封止部材が切開を止血によって封止するまで封止部材中に流体を保持することができる。また、一旦止血が切開内で達成されると、この流体はバルーン部材から除去され、放射線不透過性材料の遊離に対して患者がアレルギー反応を生じる危険性を最小にすることができる。本発明の別の形態では、生体吸収可能なコラーゲン部材を上記の封止部材と組み合わせて用いてもよい。この実施態様では、一旦バルーン部材が膨張され患者の血管内に配置されると、封止部材のシャフトを滑り落ちるようにコラーゲン部材は細長い管状部材として成形できる。コラーゲン部材は血管の外壁に接触するか、または切開内の予め定めた位置に達するまで封止部材のシャフトを滑り落ちるように成形される。コラーゲン部材は、患者の体からの流体と接触したとき膨張し、その結果コラーゲンが組織の周囲の弾性組織に対して拡張し、さらにコラーゲンが封止部材のシャフトと接触し嵌合して、切開中の所望の位置にカテーテル部材を保持するような材料で形成される。本発明のさらに別の実施態様では、封止部材はその遠位端に一対のバルーン部材を含む。バルーン部材は、それが拡張されたときバルーンがシャフト部材から一般に横方向に拡大するようにシャフトの遠位端に配置される。バルーン部材をこのように配置することによって、バルーン封止部材の不注意による血管からの除去に対してより大きな耐性を提供し、さらにその結果バルーン部材は上述の単一のバルーン部材の場合より浅く血管内に入るようにシャフト部材の遠位端を血管内に配置することを可能にする。本発明のまた別の実施態様では、封止部材のシャフト部材は、その中に延長する一対の管腔を有し、さらにその遠位部分の横方向に離隔した一対のバルーン部材を含む。バルーン部材は好ましくは別々に膨張可能で、使用者が血管内にシャフト部材の遠位端を配置し続いてこの遠位バルーン部材を膨張させることを可能にする。一旦、遠位バルーン部材の近位側が血管内壁に隣接して配置されるように封止部材を血管内に引き出すと、続いて第二のバルーン部材を膨張させ、血管の内壁と外壁に沿ってサンドイッチ型配置を形成することができる。バルーン部材によって形成されたサンドイッチは、血管内の血流から切開を封止する。本実施態様の変更では、第二のバルーン部材は、シャフト部材の遠位端より近位に配置され、コラーゲン部材が第二のバルーン部材と血管外壁の近位側との間に配置されることを可能にする。この変更では、近位バルーン部材は血管外壁の近位に配置され、それぞれのバルーン部材の間に組織と血管壁を挟むサンドイッチを形成する。このコラーゲン部材は半硬質コラーゲン円筒で形成してもよいが、また封止部材のシャフト部材内の第三の管腔を経て好ましくは切開内に注入される、注入可能なコラーゲンで形成してもよい。本発明の利点は、血管内の予め定めた位置に挿入組立体から固体アンカーを操作する必要がないということである。さらに、バルーン部材がカテーテル部材のシャフト部分から分離する可能性は、アンカー部材が縫合から分離する可能性より小さい。本発明のさらに別の利点は、バルーン部材に放射線不透過性または他のコントラスト用媒体を充填することができるということであるが、これは、本発明が患者の切開および血管内に挿入されたとき、使用者が封止部材の位置を目で確認することを可能にする。本発明のなお別の利点は、バルーン部材が分解されるにつれ、放射線不透過性材料は害を与えることなく患者の血流中に遊離されるであろうということである。本発明のまた別の利点は、使用が比較的簡単で、誤用または切開部位の血腫の形成の可能性が最小となるであろうということである。本発明のなお別の利点は、それは血管壁を封止して切開における血腫の形成を防止するということである。図面の簡単な説明図１は一部断面側面立面図で、患者の切開内に封止部材を挿入する前の挿入シース内の本発明を示す。図２は一部断面側面立面図で、本発明の封止部材および挿入シースの患者の切開内への挿入を示す。図３は一部断面側面立面図で、膨張させ患者の血管内に配置された、図１の封止部材のバルーン部材を示す。図４は本発明の別の実施態様を示す一部断面側面立面図で、患者に本実施態様を挿入する前の一対のバルーン部材と挿入シース内の止血用コラーゲン部材とを有する封止部材を示す。図５は、図４に示した実施態様の一部断面側面立面図で、患者の体内に配置され、バルーン部材を拡膨張させた封止部材および止血用コラーゲン部材を示す。図６は一部側面図で、その中に挿入された栓部材を有する図４の実施態様の封止部材の近位部を示す。図７は本発明のまた別の実施態様の一部断面側面立面図で、一対のバルーン部材を有する、挿入シース内に挿入された患者に挿入する前の２つの管腔を備えるカテーテル部材を示す。図８は一部断面側面立面図で、患者の切開内の好ましい位置に配置された図７の封止部材を、膨張させた遠位バルーン部材とともに示す。図９は一部断面側面立面図で、患者の切開の好ましい位置に挿入され、両方のバルーン部材を膨張させた、切開内に配置された図８の封止部材を示す。図１０は本発明のまた別の実施態様の一部断面側面立面図で、一対のバルーン部材および止血用コラーゲン部材を有する、挿入シース内の２つの管腔を備える封止部材で、患者に挿入前のものを示す。図１１は一部断面側面立面図で、患者の切開内に挿入した後の図１０の封止部材を示す。図１２は本発明のまた別の実施態様の一部断面側面立面図で、バルーン部材の近位に止血用コラーゲン部材が配置された、患者の切開内における封止部材および止血用コラーゲン部材を示す。図１３は本発明のまた別の実施態様の一部断面側面立面図で、患者の切開内に挿入する前の、挿入シース内の３つの管腔を備える封止部材を示す。図１４は図１３の実施態様の一部断面側面立面図で、バルーン部材の間に配置された注入可能なコラーゲン部材を有する、患者の切開内に挿入された封止部材を示す。発明の実施態様本発明を、血管（例えば患者の大腿血管１０）の切開または穿刺を封止するために本発明を使用する特定の参考例によって以下で説明する。本発明は、殆ど全てのカテーテル法または他の医療処置（例えば腹腔検査鏡または他の侵襲性が最小限かもしくは少ない外科処置）であって、その中を流れる患者の体液の損失を防ぐために、患者の切開または穿刺を封止することが望ましい、いずれの処置にも用いることができると考えられる。本明細書で用いられるように、エレメントの遠位端とはエレメントの患者に最も近い端を指し、エレメントの近位端とは患者から最も遠い端を指す。より完全に本発明が理解され評価されるように、患者の大腿動脈１０の血管造影カテーテル法の慣用の方法を本明細書で説明する。そのような方法では、血管造影針（図示せず）は、約２５から４５度の好ましい角度で患者の皮膚１２の表皮および皮膚層を通って経皮的に挿入される。針は、針が大腿動脈壁を貫通するまで、患者の皮膚の中に６ｍｍから７０ｍｍ経皮的に挿入される。針による動脈の穿刺は続いて医師により確認され、小さな直径のガイドワイヤー（図示せず）が針の中を約１５から２０ｃｍ挿入される。続いてガイドワイヤー上を針を引き出し、一方、動脈１０に圧力をかけて出血を抑え、切開部位の血腫の形成を防止する。カテーテル（図示せず）および外側導入器つまりカテーテルシース１４をガイドワイヤーの上で挿入し、続いてカテーテルの内側からガイドワイヤーを取り除く。次に、カテーテルを最終位置に進めて処置を行う。一旦この処置が終了するとカテーテルは除去され、カテーテルシース１４のみが切開内に残され、本発明物を以下に開示するように切開に挿入することを可能にする。図１−３に示すように、本発明の最も簡単で好ましい形態は比較的小さな直径の封止部材２０から成るが、これは、細長いシャフト部材２４の遠位端に固定されたバルーン部材２２または他の手動により拡張することができる部材を含む。本実施態様のシャフト部材２４は好ましくは、カテーテルシース１４の内径または患者の体に形成された切開の直径とほぼ等しいか、もしくはわずかに小さい直径を有する。シャフト部材２４の直径は好ましくは切開の直径とほぼ等しいけれども、それはまた切開の直径よりわずかに大きくてもまた小さくても、切開周囲の組織の弾性のゆえに本発明の効果を顕著には減少させない。本実施態様では、シャフト部材２４は、バルーン部材２２と流体流連通したシャフト部材の中を延びる単一の管腔２６を含む。シャフト部材２４は、好ましくは比較的硬質の生体吸収性材料（例えばラクチドまたはグリコリドポリマーもしくはコポリマー（DuPont Co. Inc.製の市販製品ＭＥＤＩＳＯＲＢに含まれる）または同様に適切な生体吸収性材料）で構成される。シャフト部材２４の硬さは、封止部材２０が切開内に直ちに挿入可能で、切開周囲の組織の収縮によっては容易につぶれないが、しかし挿入後数週間以内に患者の体内に吸収され得るように十分な多孔性を有するように選択される。シャフト部材２４は、好ましくは成形または押出しによって成形され、その遠位端と近位端との間に延びる単一の管腔２６を含む。本実施態様では、バルーン部材２２は好ましくはブロー成形、押出しまたは別の方法で成形され、続いて接着または他の方法でシャフト部材２４に固定される。バルーン部材２２は好ましくは生体吸収性もしくは生体分解性ポリマー性エラストマーまたは非エラストマー材料（例えばラクチドもしくはグリコリドポリマーまたはコポリマー）で構成される。そのような２種の可能な材料は、ｄ１−ラクチドおよびポリカプロラクトンの修飾組み合わせである。好ましい材料は、患者の血管に挿入された後比較的短時間の間膨張するのに十分な可撓性を有し、一方数日もしくは数週間以内に血管内の血流によって分解されるのに十分な生体吸収性を有するという特徴を有する。さらに、バルーン部材２２の内部表面は潤滑剤または他の材料によって被覆され、バルーン部材２２が使用前に収縮またはそれ自身に粘着するのを防止してもよい。このバルーン部材２２が使用の目的の場合は、バルーン部材２２は、切開内で止血が達成されるまで比較的短時間その中に流体を保持する能力をもつことを要求され、したがって、本発明のバルーン部材２２は、血管造影法や他の処置に使用されるバルーン部材またはカテーテル装置ほど液密である必要がないことは認識されるべきである。したがってバルーン部材２２の好ましい形態は、血管から切開内への血流が停止し、切開内の出血が止まるまでバルーン部材２２内の食塩溶液を保持する能力をもつフィルム様材料で構成される。一旦これが達成されると、バルーン部材２２は、好ましくは血管内の血流によって害を及ぼすことなく分解される。さらに、たとえバルーン部材２２の分解中にどのような遊離粒子またはフラグメントがバルーン部材２２から生じても、これらのフラグメントは、切開より下流で有害な閉塞を形成することなく、好ましくは患者の血流中で無害に分解される。図１−３に示したように、本実施態様の挿入は比較的簡単で、下記により詳しく述べるような多数の保護手段を含むことができる。まず最初に、封止部材２９は、適切な材料（例えばポリオレフィン、ビニールまたはフッ素ポリマー）で構成された細長い半硬質の管状部材から成る挿入シース２８に好ましくは配置される。一旦、血管造影法または他の処置が完了すると、一時的に手で圧力をかけ切開上流の動脈を圧迫し、続いて挿入シース２８をカテーテルシース１４の中に、挿入シース２８の遠位端が患者の血管内のカテーテルシース１４の遠位端をわずかに越えるまで挿入する。続いて封止部材２０を挿入シース２８に対して遠位に、バルーン部材２２が患者の血管内の挿入シース２８の遠位端を通り抜けるまで移動させる。続いて、注射筒組立体または他の流体含有部材（図示せず）をシャフト部材２４の近位端に装着し、好ましくは放射線不透過性材料を含む食塩溶液または他の流体を封止部材２０に注入することによって、バルーン部材２２を少なくとも部分的に膨張させる。続いて、カテーテルシース１４および導入器シース２８を少なくとも部分的に切開中に引き入れ、切開の遠位部分周辺の組織および血管壁を、図２に示すようにシャフト部材２４の周りで収縮させる。続いて、バルーン部材２２を完全に膨張させ、切開に隣接する血管の内壁とバルーン部材２２の近位表面とが接触するのが使用者によって検知されるまで、封止部材２０を切開内に引き出す。一旦この接触を認めたら、バルーン部材２２をわずかに引き出し、バルーン部材２２が切開内を通り抜ける血流から当該切開を効果的に封止することを確認する。続いて、カテーテルシースおよび挿入シース２８を切開から完全に除去することができる。次に、シャフト部材２４を患者の皮膚外表近くまたはその下で皮膚に縫合し、切開内の所望の位置に封止部材２０を保持することができる。続いてシャフト部材２４を患者の皮膚の外表またはその下で切断し、患者の皮膚表面の上に延びている余分なシャフト部材２４を除去することができる。図６に示し、さらに下記にも述べるように、続いて、生体吸収性栓部材３０を管腔２６の近位端に挿入し、封止部材２０中の流体が管腔２６を通って処置前に失われるのを防止することができる。また別の選択として、シャフト部材２４の周りの縫合を縛り、シャフト部材２４を圧迫し、それによってその中を流れる液流を抑えることが可能である。この実施態様はまた、挿入シース２８を使用しないで切開に挿入できる。この挿入方法では、封止部材２０の遠位端は、カテーテルシース１４を通って直接血管に挿入される。封止部材２０の遠位端が一旦移動し、カテーテルシース１４の遠位端を越えて延びると、カテーテルシース１４は部分的または完全に切開から引き出すことができる。続いて、バルーン部材２２は、封止部材２０に食塩溶液を注入することによって膨張させることができる。バルーン部材２２は、続いてその近位表面が血管の内壁に接触するまで切開内に引き込まれる。続いて、封止部材２０は、上記のように切開周囲組織にシャフト部材２４を縫合することによって該切開に固定することができる。さらに、一旦切開において止血が達成されたならば、所望の場合は、封止部材２０から液を除去し、バルーン部材２２を収縮することができる。図３に示したように、封止部材２０が一旦切開内に配置されると、バルーン部材２２は、好ましくは数日の範囲内で分解するように設計され、バルーン部材２２からの流体があればそれを患者の血流中に害を及ぼすことなく遊離させる。シャフト部材２４は、好ましくは数週間の範囲内で患者の体内に吸収されるように設計され、その結果、数か月後には全封止部材２０は、殆どの患者で完全に吸収されているであろう。本発明は、挿入処置の各工程でバルーン部材２２の位置を使用者が安全に確認できるように設計されている。これは、使用者が封止部材２０に放射線不透過性材料を注入し、続いて、挿入過程でバルーン部材２２の位置を使用者が知ることを望むときはいつでも、慣用の映像化方法でバルーン部材２２の正確な位置または形態を目で確認することを可能にすることによって達成される。さらに、封止部材２０は、バルーン部材２２が切開に不適切に配置された場合、切開から容易に除去できる。これは、注射筒組立体のプランジャを引き込むかまたはシャフト部材２４の近位端から注射筒組立体を除去し、バルーン部材２２を収縮することによって達成できる。シャフト部材２４の硬さのために、その後、使用者は切開から封止部材２０を引き出すことができる。最後に、バルーン部材を膨張させることができないか、または膨張の間に破裂した場合、封止部材２０は容易に切開から除去でき、封止部材２０からバルーン部材２２のフィルム様フラグメントが外れたとしても、該フラグメントは迅速に患者の血流中で分解するであろう。図４−６に示したように、本発明はまた、修飾封止部材４２の外径の周りに滑動可能に配置できる生体吸収性の止血用つまりコラーゲン部材４０を含むことができる。この実施態様のコラーゲン部材４０は、好ましくは膨張可能な止血用コラーゲンスポンジまたは同様な生体吸収性膨張性止血材料（例えば商品名VITACU FFとしてVitaphore Corporationから販売されているコラーゲンカフ）である。図４に示すように、本実施態様は好ましくは修飾挿入シース４４を含む。この実施態様の挿入シース４４は、その中に封止部材４２とコラーゲン部材４０とを受け入れる大きさに作られており、その近位端から延びるプランジャ部材４６を含む。プランジャ部材４６はカテーテル４２のシャフト部材２４の一部分を取り巻き、コラーゲン部材４０の近位側に接触する大きさで、一方プランジャ部材４６の一部分は挿入シース４４の近位端から延びている。コラーゲン部材４０は挿入シース４４の内壁に対してわずかに圧縮され、その間に摩擦接触を生じ、一方コラーゲン部材４０の内部表面は好ましくはシャフト部材２４がその中で滑動可能である大きさに作られている。この実施態様の封止部材４２はその遠位端に一対のバルーン部材４８を含み、さらに、それと流体流連通するシャフト部材２４を通って延びる１つまたはそれ以上の管腔を含むことができる。本実施態様のバルーン部材４８は、シャフト部材２４の遠位端が、バルーン部材４８を膨張させたとき、先の実施態様の場合よりも血管内壁のより近くに配置されるという点を除いて、先の実施態様のバルーン部材２２と同じ機能を果たす。封止部材４２の遠位端の２個のバルーン部材４８の使用によって、好ましくは先の実施態様の場合よりも血管内壁に沿ってより平たい横断面プロフィールを提供し、図６に示すようにバルーン部材４８の近位表面はその遠位端より近位のシャフト部材２４に固定でき、封止部材４２の切開からの不注意な撤去にさらに抵抗性を生じる。この実施態様の患者の切開への挿入は、上記に記載した好ましい実施態様の挿入方法と概ね同様である。最初に、封止部材２０とコラーゲン部材４０とをその中に含む挿入シース４４がカテーテルシース１４に挿入される。次の工程の前に、好ましくは、切開または患者の血管内にわずかに延びるように、カテーテルシース１４の遠位端を配置する。続いて挿入シース４４を、その遠位端が患者の血管内でカテーテルシース１４を越えてほんのわずか遠位方向に延びるように、カテーテルシース１４に対して移動させる。続いて、封止部材４２を、バルーン部材４８が患者の血管内で挿入シース４２の遠位端を越えて延びるように挿入シース４４に対して遠位方向に移動させる。続いて、注射筒組立体または他の流体含有部材（図示せず）を用いて、食塩溶液または他の流体を封止部材２０の管腔２６内に注入することによって手動的にバルーン部材４８を膨張させる。続いて、カテーテルシース１４および挿入シース４４を少なくとも部分的に切開から引き出し、さらに、封止部材２０をバルーン部材４８の近位側が血管内壁に接触するまで、切開内を近位に移動させる。続いて、カテーテルシース１４および挿入シース４４を完全に切開から引き出し、一方、封止部材４２のシャフト部材２４を挿入シース４４内を滑らせ、バルーン部材４８と血管との間の接触を維持させる。図５に示すように、カテーテルシース１４と挿入シース４４をこのように一層引き出すことによって、血管に隣接する切開周辺組織がシャフト部材２４の周りで収縮させられる。別の選択肢として、本実施態様のバルーン部材４８の放射径がわずかに大きいために、カテーテルシース１４は、一旦バルーン部材４８を最初に膨張させると切開から引き出すことができる。次に、挿入シース４４と封止部材２０とを、バルーン部材４８が血管内壁に接触するまで切開内に一緒に引き出し、その後挿入シース４４の引き出しは、バルーン部材４８と血管壁との接触を検知した後も継続される。バルーン部材４８が一旦血管壁に隣接して配置されると、使用者はプランジャ部材４６を押し下げ、コラーゲン部材４０を切開の遠位方向に、好ましくは血管の外壁に隣接する切開内の位置まで移動させる。コラーゲン部材４０の遠位端は、拡張し、さらに切開内で挿入シース４４の遠位端とバルーン部材４８との間で補足され得る一切の血液または流体を吸収するように構成されている。コラーゲン部材４０の遠位端のこの拡張によって、切開周辺組織が拡張し、それによってコラーゲン部材４０は切開内に固定される。さらに、コラーゲン部材４０の遠位部分もまたシャフト部材２４の周りで潰され、切開内の所望の位置に封止部材４２は摩擦によって保持される。一旦バルーン部材４８とコラーゲン部材４０とが切開内の位置に収まると、シャフト部材２４の近位部分は患者の皮膚外表、またはその下で切除できる。使用者が封止部材４２の中に流体を保持することを所望する場合は、使用者は、図６に示すようにシャフト部材２４の近位端に栓部材３０を挿入できる。この実施態様では、バルーン部材４８は切開を閉鎖するために作動し、血管から血流が切開に入るのを防止する。この実施態様では、切開周囲組織に対してコラーゲン部材４０を広げることによって止血される。したがって、一旦コラーゲン部材４０によって止血されると、バルーン部材４８は、本実施態様の実施に対して不利な影響を与えることなく縮小できる。さらに、この実施態様のバルーン部材４８のより小さな横断面プロフィールは、血管内を流れる血流の短時間の混乱を最小限にするように設計される。図７−９は本発明のさらに別の実施態様を示すが、ここでは、封止部材６０は変更を加えられ、その中を延びる第一と第二の管腔６４と６６とをもつシャフト部材６２を含む。この実施態様では、第一の管腔６４は、概ねシャフト部材６２の遠位端に沿って位置する可撓性第一バルーン部材６８と流体流連通している。第二の管腔６６は、第二バルーン部材７０と流体流連通している。第二バルーン部材７０は、シャフト部材６２に沿って長手方向に、さらに近位方向に第一バルーン部材６８から離隔している。図７は、任意に挿入シース２８内に位置する本実施態様の封止部材６０を示す。挿入シース２８が用いられるときは、カテーテルシース１４は最初切開および血管内に配置され、その結果、カテーテルシース１４の遠位端は患者の血管内に比較的わずかに延びる。続いて、挿入シース２８の遠位端が血管内でカテーテルシース１４の遠位端を越えてわずかだけ延びるように、挿入シース２８をカテーテルシース１４に挿入する。次に、使用者は封止部材６０のシャフト部材６２を握り、第一バルーン部材６８が血管内の挿入シース２８の遠位端を越えて延びるまで、挿入シース２８内を遠位方向に封止部材６０を移動させる。続いて、注射筒組立体または他の流体含有部材（図示せず）を、封止部材６０の第一の管腔６４の近位端に挿入する。続いて、封止部材６０の第一の管腔６４内に食塩溶液または他の流体を注入することによって、第一バルーン部材６８を患者の血管内で膨張させる。第一バルーン部材６８が一旦膨張すると、カテーテルシース１４と挿入シース２８とを患者の血管から切開に沿ってほぼ中ほどの中間点へ引き出す。続いて、第一バルーン部材６８の近位側が血管壁の内表面と接触するまで、封止部材６０を切開内の近位方向に引き出す。バルーン部材６８と血管壁との間の接触によって、その中を流れる血流から切開が封止される。続いて、カテーテルシース１４と挿入シース２８は完全に切開から除去される。続いて、第二の注射筒組立体または他の流体含有部材（図示せず）を第二の管腔６６の近位端に取付け、流体をその中に注入し第二バルーン部材７０を膨張させる。第二バルーン部材７０が膨張するにつれ、第二バルーン部材７０は切開周囲組織に対して拡張し、封止部材６０を切開内の望ましい位置に固定する。所望の場合は、シャフト部材６２は、患者の皮膚外表の下で切除され、管腔６４と６６は栓部材３０または縫合によって封止され、上記のようにバルーン部材６８と７０とが処置の完了前に収縮するのを防ぐことができる。図９に示すように、切開周囲組織と血管壁とが第一および第二バルーン部材６８及び７０と血管壁との間のシャフト部材６２の部分の周りで収縮する。この実施態様の好ましい形態では、第二バルーン部材７０は、シャフト部材６２に沿って方向付けられ、血管壁が（より好ましくは血管壁と切開周囲組織の一部分とが）圧縮されるかまたは他の方法で第一と第二のバルーン部材６８と７０との間に固定されるように第二バルーン部材７０が膨張するにつれ、第二のバルーン部材７０はシャフト部材６２に対して半径方向およびわずかに近位方向にまたは遠位方向に拡張され、封止部材６０が適切に切開内に確実に配置されるようにする。一旦、封止部材６０が上記のように切開内に挿入されると、第一および第二のバルーン部材６８と７０とは好ましくは数日以内に分解され、シャフト部材６２は好ましくは数週間以内に分解される。先の実施態様のバルーン部材のように、一旦止血が達成されると、本実施態様のバルーン部材６８および７０は個々に、または一緒に収縮させてもよい。図１０−１１は本発明のまた別の実施態様を示すが、これは上記に記載した図７−９に示した実施態様と同様である。この実施態様では、円筒形に形成されたの止血部材（例えばコラーゲン部材７２）が第一と第二のバルーン部材６８と７０との間に配置されたシャフト部材６２の一部分の周りに配置される。図１０は、切開内に封止部材６０を挿入する前の挿入シース２８内のこの別の実施態様を示している。先の実施態様の場合のように、封止部材６０は、その中を延びる第一と第二の管腔６４と６６とを有するシャフト部材６２およびその上の第一と第二のバルーン部材６８と７０とを含む。この実施態様では、コラーゲン部材７２は、好ましくは摩擦によってまたは別の方法で、シャフト部材６２の第二バルーン部材７０の遠位に配置される。コラーゲン部材７２の長さは、好ましくはコラーゲン部材７２の遠位端がシャフト部材６２の遠位端と第一バルーン部材６８とから離隔するように選ばれる。コラーゲン部材７２の近位端は、好ましくは、図１１に示すように第二バルーン部材７０の遠位側に概ね隣接するように配置される。また別に、コラーゲン部材７２は、第二バルーン部材７０の遠位側と第一バルーン部材６８の近位側との間で、本実施態様の実施に不利な影響を与えることなく完全に拡張できる。この実施態様を切開に挿入する方法は、図７−９で示した実施態様の挿入方法と同じであるが、封止部材６０が切開内に挿入されるにつれ、コラーゲン部材７２が、概ね血管外壁近くの位置から第二バルーン部材７０の遠位側に拡張するように切開内に配置されることだけが異なっている。この実施態様の別の形態では、細長いコラーゲン部材（図示せず）が、第一および第二バルーン部材６８と７０との間、並びに血管壁を通って拡張するように設計される。図１０および１１に示した実施態様では、第一のバルーン部材６８は、血管内の血流から切開を封止するように機能する。コラーゲン部材７２は拡張し切開内の止血を促進し、第二バルーン部材７０は、コラーゲン部材７２および第一バルーン部材６８が適切に切開内に確実に配置されるように補助する。本実施態様および図７−９に示した実施態様のシャフト部材６２は、先の実施態様の場合よりも第二バルーン部材７０の近位側近くの皮膚の外表のさらに下方で切断される。なぜならば、これらの実施態様のバルーン部材６８と７０とは封止部材６０の残りの部分を切開内の所定位置に維持し、これらの実施態様を患者の切開内に挿入する間、シャフト部材６２の近位部分は、単にバルーン部材６８及び７０へのアクセスを提供するからである。図１２は本発明のまた別の実施態様を図示している。本実施態様は図７−図９および図１０−図１１に示した実施態様と同様である。本実施態様では、止血コラーゲン部材７４はシャフト部材６２に沿って第二バルーン部材７０の近位側と接触するように滑動可能である。この実施態様では、第一および第二のバルーン部材６８と７０は切開周囲の組織部分および血管壁をその間に保持するように機能し、その中の血管から流出する血流から切開を封止し、切開内の所望する位置に封止部材６０を固定維持する。この実施態様のコラーゲン部材７４は切開内の止血を促進し、さらに切開周囲組織から出る流体を吸収して、患者の皮膚外表に切開から流体が漏れるのを防止する。図１３および１４は本発明のまた別の実施態様を示すが、ここでは、封止部材７６はその中に第一、第二および第三（それぞれ８０、８２および８４）の管腔を有するシャフト部材７８を含む。第一の管腔８０は、第一バルーン部材８６と流体流連通している。第一バルーン部材８６は、好ましくはシャフト部材７８の遠位端に沿って配置される。第二の管腔８２は、第一バルーン部材８６と第二バルーン部材９０との間に好ましくは配置されている、シャフト部材７８の一部分に沿った開口部８８と流体流連通している。第三の管腔８４は第二バルーン部剤９０と流体流連通している。第二バルーン部材９０は、好ましくは、シャフト部材７８と、シャフト部材７８に沿った開口部８８とから近位方向に離隔している。この実施態様では、封止部材７６は、好ましくは上記の１つまたはそれ以上の挿入方法と同じ態様で切開内に挿入される。上記に開示したように、第一バルーン部材８６を最初に膨張させ、第一バルーン部材８６の近位表面が血管壁の内表面に隣接するように配置する。続いて第二バルーン部材９０を膨張させ、血管の近位側の切開内部位の切開周囲組織と嵌合させて接触させる。次に、市販の注入可能なコラーゲン９２を第二の管腔８２の中に、さらに開口部８８を通して封止部材７６に注入することができる。コラーゲン社（CollagenCorp．、Palo Alto 、カリフォルニア、USA）は、ＺＹＤＥＲＭの商品名でそのような注入可能なコラーゲンを市販している。注入可能なコラーゲン９２を封止部材７６に注入するにつれ、注入可能なコラーゲン９２は初めにシャフト部材７８の周りに流れ込み、切開周囲組織の一切の空間または不定形を充填する。さらに開口部８８からより多くの注入可能なコラーゲン９２を押し込むにつれ、注入可能なコラーゲン９２は切開周囲組織を拡張させ、それによって血管から流出する血流が切開内に進入するのを防止する。この実施例では、膨張させた第一および第二のバルーン部材８６と９０は、注入可能なコラーゲン９２が第一と第二のバルーン部材８６と９０とを越えて遠位方向または近位方向に流れるのを抑制する。さらに、注入可能なコラーゲン９２は切開内の止血を促進し、注入可能なコラーゲン９２が患者の体内に吸収されるにつれ、周囲組織がコラーゲンマトリックスを浸透させるのを可能にする。前出の実施例では、封止部材およびコラーゲン部材の種々の形態が開示され、本発明の実施例について上記の種々の特徴は、請求の範囲によって限定される基本的発明から逸脱することなく互いに交換または修飾できることが予想される。封止部材の上記シャフト部材は好ましくは比較的硬い生体吸収性の物質（例えばラクチドもしくはグリコリドポリマーまたはコポリマー）で構成されるが、封止部材は、封止部材の構成成分が上記のような所望の機能を果たすために必要な品質を有する限り、多数の生体吸収性物質で構成することができる。上記のバルーン部材はまた、該バルーン部材が上記のように封止と止血を達成するためにバルーン部材の生体吸収性および可撓性が保持される限り、多数の異なる物質で構成することができる。同様に、上記のようなコラーゲン部材または注入可能なコラーゲンは、コラーゲン部材または注入可能なコラーゲンが、上記のように所望の止血機能を発揮するために必要な品質を有する限り、多数の生体吸収性物質で構成することができる。

【手続補正書】【提出日】１９９５年６月１５日【補正内容】請求の範囲１．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は生体吸収可能封止部材を含み、該封止部材は、細長いシャフト部材と該シャフト部材に操作的に結合されている膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材および前記膨張可能部材は前記切開中を流れる体液の流れから切開を封止する大きさに作られ、さらに切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な態様で構成される、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。２．前記膨張可能部材が、前記切開内に前記封止部材を挿入するための第一の差し渡し直径と、前記封止部材を切開内の所定位置に操作的に保持するための第二の差し渡し直径とを有する第一バルーン部材と、前記切開内に前記封止部材を挿入するための第一の差し渡し直径と、前記封止部材を切開中の所定位置に操作的に保持するための第二の差し渡し直径とを有する第二バルーン部材とを含む、請求項１に記載の装置。３．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は生体吸収可能封止部材を含み、該封止部材は、細長いシャフト部材と該シャフト部材上の手動膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材及び前記膨張可能部材は前記切開中を流れる体液の流れから該切開を封止する大きさに作られ、さらに切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な態様で構成される、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。４．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は生体吸収可能封止部材を含み、該封止部材は、細長いシャフト部材と該シャフト部材上の手動膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材は、前記膨張可能部材と流体流連通して関連する少くとも一つの管腔を含み、前記シャフト部材及び前記膨張可能部材は、前記切開中を流れる体液の流れから該切開を封止する大きさに作られ、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な態様で構成され、前記装置はさらに前記シャフト部材の少くとも一部を操作的に包囲する止血材料を含む、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。５．患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法であって、該方法は、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な生体吸収可能材料からなる封止部材を提供する工程と、封止部材の遠位端が切開を越えて僅かに延長するように封止部材を切開内に挿入する工程と、封止部材の一部を、その内部に流体を注入することにより半径方向に膨張させる工程と、切開内を流れる流体流を防止するために、封止部材の半径方向膨張部分が切開の所定位置に接触するまで、切開内に封止部材を引き出す工程と、封止部材を切開内の所定位置に残し、患者の体内に吸収させる工程とを含む、患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法。６．患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法であって、該方法は、細長いシャフト手段と、該シャフト手段と関連する少くとも第一の半径方向膨張可能バルーン部材とを有する封止手段を提供する工程であって、前記シャフト手段及びバルーン部材は、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能である生体吸収可能材料からなる、封止手段を提供する工程と、前記第一バルーン部材が切開を越えて遠位に配置されるように、封止手段を切開中へ挿入する工程と、前記バルーン部材を半径方向に膨張させるために、バルーン部材内へ流体を注入する工程と、切開中を流れる流体流から切開を封止するために、前記バルーン部材が切開の所定部分に接触するまで、封止手段を切開内で近位に移動させる工程と、切開内の所定位置に封止手段を残し、患者の体内に吸収させる工程とを含む、患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法。７．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該切開は患者の皮膚から患者の血管内へと延長し、前記装置は、内部に管腔を有する生体吸収可能封止手段を含み、該封止手段は、細長いシャフト手段と該シャフト手段の遠位端部分上の膨張可能手段とを含み、前記シャフト手段及び膨張可能手段は、切開内を流れる体液の流れから切開を封止する大きさに作られ、前記シャフト手段は、血管に略隣接する位置から切開内へと近位に延長する大きさに作られ、前記膨張手段は、前記シャフト手段に沿って配向され、切開に略隣接する血管内に延長する大きさとされ、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な態様で構成される、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。８．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は生体吸収可能封止部材を含み、該封止部材は、細長いシャフト部材と該シャフト部材上の膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材は、前記膨張可能部材と流体流連通して関連する少くとも一つの管腔を含み、前記シャフト部材及び前記膨張可能部材は、切開内を流れる体液の流れから切開を封止する大きさとされ、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に患者の体内で吸収可能な態様で構成され、該装置はさらに、前記シャフト部材の少くとも一部を操作的に包囲する止血材料を含む、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。９．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は、細長いシャフト部材と該シャフト部材上の膨張可能部材とを含む封止部材を含み、前記膨張可能部材は、一対の半径方向膨張可能バルーン部材を含み、前記シャフト部材は、前記膨張可能部材と流体流連通して関連する少なくとも一つの管腔を含み、前記シャフト部材及び前記膨張可能部材は、切開中を流れる体液の流れから切開を封止する大きさとされ、前記装置はさらに、切開を効果的に閉鎖するのに充分な時間の後に体内で吸収可能である態様で、前記シャフト部材の少くとも一部を操作的に包囲して構成される止血材料を含む、患者の体内に形成された切開を封止するための装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＫ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ (72)発明者アリソン，リチャード・デイルアメリカ合衆国ワシントン州98072，ウッディンヴィル，ハンドレッドナインティーフィフス・ストリート・ノース・イースト・22622

Claims

【特許請求の範囲】１．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は、生体吸収可能封止部材を含み、該封止部材が細長いシャフト部材と、それに有効に結合されている膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材および前記膨張可能部材が切開の中を流れる体液の流れから切開を封止する大きさに作られ、さらに切開の有効な閉鎖を許容するために十分な時間後に患者の体内で吸収可能な態様で構成されている、切開を封止するための装置。２．前記膨張可能部材が、切開内に前記封止部材を挿入するための第一の差し渡し直径と、前記封止部材を切開内の予め定められた位置に有効に保持するための第二の差し渡し直径とを含む請求の範囲第１項に記載の装置。３．前記シャフト部材が内部に管腔を有する細長い部材であり、該管腔が前記膨張可能部材と流体流連通している請求の範囲第１項に記載の装置。４．前記シャフト部材がその上に遠位部分を含み、前記膨張可能部材が、切開内の前記封止部材を有効に保持するために前記遠位部分と有効に結合している請求の範囲第１項に記載の装置。５．前記膨張可能部材が、切開内に前記封止部材を挿入するための第一の差し渡し直径と、前記封止部材を切開内の予め定められた位置に有効に保持するための第二の差し渡し直径とを有する第一バルーン部材を含む請求の範囲第１項に記載の装置。６．前記膨張可能部材が、切開内に前記封止部材を挿入するための第一の差し渡し直径と、前記封止部材を切開内の予め定められた位置に有効に保持するための第二の差し渡し直径とを有する第二バルーン部材を含む請求の範囲第５項に記載の装置。７．前記第一バルーン部材および前記第二バルーン部材が前記シャフト部材に沿って互いに有効に離隔している請求の範囲第６項に記載の装置。８．前記シャフト部材が内部を有効に延び、前記第一バルーン部材と前記第二バルーン部材と流体流連通している複数の管腔を含む請求の範囲第６項に記載の装置。９．前記封止部材がそれと有効に結合している止血材料を含む請求の範囲第１項に記載の装置。 10．前記止血部材が前記シャフト部材の周りに有効な方向に配置されている請求の範囲第９項に記載の装置。 11．前記止血材料がコラーゲン性材料で形成されている請求の範囲第９項に記載の装置。 12．前記シャフト部材が患者の体内に形成された切開内に延ばすことができる大きさに作られる請求の範囲第１項に記載の装置。 13．前記シャフト部材が遠位部分および近位部分を含み、前記膨張可能部材が前記シャフト部材の前記遠位部分に有効に結合されている請求の範囲第１項に記載の装置。 14．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は、生体吸収可能封止部材を含み、前記封止部材が細長いシャフト部材と、その上の手動膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材が、前記膨張可能部材と流体流連通している、シャフト部材と結合した少なくとも１個の管腔を含み、前記シャフト部材および前記膨張可能部材が切開の中を流れる体液の流れから切開を封止する大きさに作られ、さらに切開の有効な閉鎖を許容するために十分な時間後に体内で吸収可能な態様で構成されている、切開を封止するための装置。 15．流体含有部材からの流体を前記膨張可能部材中に受理し、さらにその中に流体を受理することに対応して前記膨張可能部材の差し渡し直径を増大させることができるように、シャフト部材と有効に結合した前記流体含有部材を収容できる大きさに前記シャフト部材が作られた請求の範囲第１４項に記載の装置。 16．前記膨張可能部材が手動によって流体をその内部に受理するように形成された可撓性部材である請求の範囲第１４項に記載の装置。 17．前記流体が放射線不透過性材料を含有する請求の範囲第１６項に記載の装置。 18．前記膨張可能部材が生体吸収性エラストマー材料で形成されている請求の範囲第１４項に記載の装置。 19．前記シャフト部材が半硬質生体吸収性材料で形成されている請求の範囲第１４項に記載の装置。 20．患者の体内に形成された切開を封止するための装置であって、該装置は、生体吸収可能封止部材を含み、前記封止部材が細長いシャフト部材と、その上の手動膨張可能部材とを含み、前記シャフト部材が、前記膨張可能部材と流体流連通している、シャフト部材と結合した少なくとも１個の管腔を含み、前記シャフト部材および前記膨張可能部材が、切開の中を流れる体液の流れから切開を封止する大きさに作られ、切開の有効な閉鎖を許容するために十分な時間後に体内で吸収可能な態様で構成され、さらに、前記シャフト部材の少なくとも一部分を有効に取り囲む止血材料を含む、切開を封止するための装置。 21．前記止血材料が注入可能なコラーゲン材料である請求の範囲第２０項に記載の装置。 22．前記止血材料が、前記シャフト部材の少なくとも一部分を有効に取り囲む予め成形されたコラーゲン性材料である請求の範囲第２０項に記載の装置。 23．前記膨張可能部材が放射状に膨張可能な一対のバルーン部材をその上に含む請求の範囲第１４項に記載の装置。 24．前記シャフト部材の周りに有効に配置された止血材料をさらに含む請求の範囲第２３項に記載の装置。 25．前記止血材料が、前記シャフト部材に沿って有効に離隔された前記バルーン部材の間に有効に配置される請求の範囲第２４項に記載の装置。 26．患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法であって、該方法は、切開の効果的な閉鎖を許容するために十分な時間の後、患者の体内で吸収可能な生体吸収性材料の封止部材を提供する工程と、前記封止部材の遠位端が切開を越えて少しだけ膨張するように封止部材を切開内に挿入する工程と、封止部材の一部分をその内部に流体を注入することによって半径方向に膨張させる工程と、封止部材の半径方向に膨張した部分が切開の予め定めた部分と接触するまで切開内に前記封止部材を引き出し、切開内を流れる液流を防ぐ工程と、切開内の予め定めた位置に前記封止部材を残し、患者の体内で吸収させる工程とを含む、患者の体内の切開または穿刺を封止する方法。 27．前記封止部材内の管腔中に流体を注入し、封止部材の一部分を半径方向に膨張させる工程をさらに含む、請求の範囲第２６項に記載の方法。 28．前記封止部材の遠位部分がその上にバルーン部材を含み、前記方法が流体をその内部に注入しバルーン部材を半径方向に膨張させる工程をさらに含む、請求の範囲第２６項に記載の方法。 29．前記封止部材がその上に一対のバルーン部材を含み、前記方法が封止部材に流体を注入してバルーン部材を半径方向に膨張させ、切開内の所望の位置に前記封止部材を保持する工程をさらに含む、請求の範囲第２６項に記載の方法。 30．前記方法がさらに止血材料を封止部材の周りの切開内に挿入し、切開を止血封止する工程を含む、請求の範囲第２６項に記載の方法。 31．前記方法がさらに切開中を切開内の予め定められた位置にコラーゲン材料である止血材料を移動させる工程を含み、さらに前記コラーゲン材料が前記封止部材に有効に結合されている、請求の範囲第３０項に記載の方法。 32．前記封止部材が細長いシャフト部材を含み、さらに前記方法が、封止部材を切開内に配置したときに止血材料をシャフト部材に沿って切開内の予め定めた位置に移動させる工程を含む、請求の範囲第３０項に記載の方法。 33．前記封止部材が細長いシャフト部材を含み、さらに、前記方法が止血材料をシャフト部材を通して切開内の予め定めた位置に注入し、止血封止する工程を含む、請求の範囲第３０項に記載の方法。 34．前記封止部材が複数のバルーン部材をその上に含むように形成され、さらに前記方法が切開の遠位部分に隣接する第一バルーン部材を半径方向に膨張する工程を含む、請求の範囲第２６項に記載の方法。 35．前記方法がさらに、第二バルーン部材を半径方向に膨張し、第一バルーン部材の近位に位置する、切開に隣接した患者の組織と嵌合させることによって、切開内の予め定めた位置に第二バルーン部材を保持する工程を含む、請求の範囲第３４項に記載の方法。 36．前記方法がさらに封止部材の周りに止血部材を挿入し、第一および第二バルーン部材の間の切開内に配置させる工程を含む、請求の範囲第３５項に記載の方法。 37．患者の体内の切開又は穿刺を封止する方法であって、該方法は、その上に細長いシャフト手段およびそれと有効に結合した少なくとも半径方向に膨張可能な第一バルーン部材を有し、前記シャフト手段およびバルーン部材が、切開の有効な閉鎖を許容するために十分な時間の後患者の体内で吸収可能な生体吸収性材料で形成される封止手段を提供する工程と、前記封止手段を切開内に第一バルーン部材が切開を越えて遠位側に配置されるように挿入する工程と、流体をバルーン部材に注入し前記バルーン部材を半径方向に膨張させる工程と、前記バルーン部材が切開の予め定めた部分と接触するまで前記封止手段を切開内に近位に移動させ、その中を流れる液流から切開を封止する工程と、切開内の予め定めた位置に前記封止手段を残し、患者の体内で吸収させる工程とを含む、患者の体内の切開または穿刺を封止する方法。 39．前記方法が、切開内に封止手段を挿入する前にシャフト手段の周りに止血材料を配置させることを含む、請求の範囲第３８項に記載の方法。 40．前記方法が、封止部材を切開内に配置した後止血材料を切開内に挿入することを含む、請求の範囲第３８項に記載の方法。 41．前記方法が切開内に止血材料を注入することを含む、請求の範囲第３８項に記載の方法。 42．前記封止手段が、前記封止手段のシャフト手段の中を実質的に延びる管腔を含む、請求の範囲第３７項に記載の方法。 43．前記封止手段が複数のバルーン部材をその上に含む、請求の範囲第３７項に記載の方法。 44．第一バルーン部材が封止手段の遠位部分と結合し、さらに前記方法が、第一バルーン部材が切開の遠位部分に隣接するように第一バルーン部材を膨張させることを含む請求の範囲第４３項に記載の方法。 45．第二バルーン部材がシャフト部材と結合し、シャフト部材に沿って近位方向に離隔され、さらに前記方法が、第一バルーン部材の近位側の切開内で第二バルーン部材を膨張させることを含む請求の範囲第４４項に記載の方法。 46．前記方法がさらにシャフト手段の周りに止血材料を配置し、切開を止血封止することを含む、請求の範囲第４５項に記載の方法。 47．前記方法がさらに、切開内に封止手段を挿入する前に、封止手段のシャフト手段の周りに止血材料を配置することを含む、請求の範囲第４６項に記載の方法。 48．前記方法がさらにシャフト手段の中に止血材料を注入し、第一および第二バルーン部材の間の切開内に配置させることを含む、請求の範囲第４６項に記載の方法。 49．シャフト手段がその内部に複数の管腔を含み、さらに前記方法が、その中に流体を注入してその上の少なくとも第一および第二バルーン部材を選択的に半径方向に膨張させることを可能にすることを含む、請求の範囲第３７項に記載の方法。 50．前記方法がさらにバルーン部材中に注入された流体の視覚化を含み、それによって前記封止手段の視覚化を可能にする、請求の範囲第３７項に記載の方法。