JPH08482U - 測定機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の測定機器における表示装置は、ＣＲＴ
（陰極線管）を使用した大形でかつ重量体であり、表示
装置を組み込んだ測定機器全体が重量化し、据付、運搬
が困難であった。 【解決手段】 検出器３を備え試験または分析を行う測
定機と、前記検出器３から出力される検出信号を演算処
理するパーソナルコンピュータ７と、このパーソナルコ
ンピュータ７によって演算処理され結果の測定データを
表示する表示器１１とからなり、この表示器１１を液晶
ディスプレイで構成するとともに前記パーソナルコンピ
ュータ７に対して傾動起倒可能に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、試験または分析のための検出器を備えて試料（試験片）の試験を 行う材料試験機や分析を行う分析機器等の測定機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、マイコンの利用により、材料試験機や分析機器において、測定値（デー タ）の収集や処理、記憶が容易に行なわれるようになってきている。例えば、検 出器からの検出信号に測定条件ならびにデータ処理条件等を付加して演算処理し た後、演算結果を測定データとしてグラフィックプリンタにより記録するととも に、ディスプレイに表示させることが行われている。

【０００３】 また、最近の測定機器ではパーソナルコンピュータも併用し、フロッピーディ スクを使用して膨大なデータの処理、記憶等を迅速に行わせている。そこで、パ ソコンの処理状況表示手段も兼ねさせるため、上記ディスプレイとしては、通常 ＣＲＴ表示装置が使用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

ところが、上記ＣＲＴ表示装置は、陰極線管を使用して構成されることから、 表示装置としては大形で重量体であるため、表示装置を組み込んだ測定機器全体 が重量化し、据付、運搬が困難になるという問題点があった。また、表示装置の 表示面が操作側に固定されるため、測定機器の設置場所によっては不使用時に表 示面が損傷される可能性が大きい等の問題点があった。この考案はこのような問 題点を解決する測定機器を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案が提供する測定機器は、試験または分析のための検出器を備え試料等 の試験または分析を行う測定機本体と、前記検出器から出力される検出信号を演 算処理する演算処理機器と、この演算処理機器によって演算処理された結果の測 定データを表示する表示器とからなり、この表示器を液晶ディスプレイで構成す るとともに前記演算処理機器に対して傾動起倒可能に構成したものである。

【０００６】 ここで、演算処理機器は、具体的にはパーソナルコンピュータやマイクロコン ピュータおよびこの両者からなる種々のコンピュータを指し、検出信号の演算処 理が迅速に行われるとともに、表示のための測定データが効率良く演算処理され る。また、表示器を液晶ディスプレイで構成することにより、表示器の厚みは薄 くコンパクトで軽量となる。さらに、表示器は演算処理機器（コンピュータ）に 対して傾動起倒可能で表示面を観察が容易な角度に設定でき、また傾倒できるの で表示器が演算処理機器（コンピュータ）から突出したままの状態は解消できる とともに、この傾動起倒操作が軽量なので容易になる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は、この考案を材料試験機に実施した実施例の全体を示す図で、試験機本 体１にはつかみ具２にて試験片４が把持されている。この本体１の下方の機台に は、図示されていないが後述する負荷機構が設置され試験片４を負荷する。その 荷重はロードセル（荷重検出器）３で検出される。この荷重検出信号は材料試験 機の制御機能を有するマイクロコンピュータ６によって演算処理され、演算処理 された試験測定データは、パーソナルコンピュータ７にて表示等のために演算処 理される。そして、その結果はフロッピィディスク８に記録され、プリンタ９に て記録されるとともに、液晶ディスプレイ（以下ＬＣＤという）１１にて表示さ れる。

【０００８】 材料試験機のように情報量が膨大で、かつ迅速な演算処理が求められる場合、 このデータの演算処理はマイクロコンピュータ６によるのが能率的で試験制御を 円滑ならしめ、また試験データの表示はそのための演算処理をパーソナルコンピ ュータ７にて行わせることが効率的であることから、マイクロコンピュータ６と パーソナルコンピュータ７が有機的に結合されている。

【０００９】 図２は、上記試験機システムの電気系の構成を示すブロックダイヤグラムで、 試験機本体１とマイクロコンピュータ６とパーソナルコンピュータ７およびＬＣ Ｄ１１等がブロックで示され、かつお互いの有機的関係が開示されている。試験 機本体１におけるサーボ弁２１は、マイクロコンピュータ６の制御回路部２５か らの駆動信号で駆動され、またロードセル３からの検出信号は検出器アンプ２８ へ出力され、Ａ／Ｄ変換器２６を経てデジタル信号に変換され、マイクロコンピ ュータ６に入力される。マイクロコンピュータ６には試験条件発生部２４が設け られ、試験条件、試験片条件、データ処理条件等の設定、変更を行うことができ るようになっており、試験機の制御が行われる。また、これらの条件はＬＣＤ１ １にて表示することができる。さらに警報処理部２７により、試験片４の測定結 果が標準値若しくは許容範囲を逸脱する場合に、ＬＣＤ１１にて警報表示するこ とができる。

【００１０】 なお、試験機本体１におけるサーボ弁２１の駆動によって、負荷のための油圧 作動が制御され、試験片４には制御された負荷が行われる。

【００１１】 図３は、上記したような各種表示が行われる表示器の構成を示す図で、ＬＣＤ １１は、パーソナルコンピュータ７上面の設置台１４に設けた支持枠１２と蝶番 部材１５によりヒンジ結合し、傾動可能に設置されている。したがって、使用時 にはＬＣＤ１１を観察しやすい位置に傾動させ、不使用時には倒してＬＣＤ１１ をカバー１６で覆うことができる。このことによってＬＣＤ１１の表示面の損傷 は防止できる。

【００１２】 図４は、ＬＣＤ１１をパーソナルコンピュータ７上面の設置台１４に着脱自在 に設置する実施例を示す図で、パーソナルコンピュータ７はキーボード１０Ａが 一体的に設けられたコンパクト形のものである。考案の特徴であるＬＣＤ１１は その基部に係合部１７が設けられ、この係合部１７を介してパーソナルコンピュ ータ７上面の設置台１４に設けた係合枠１８の係合溝に、係合、離脱される。不 使用時には係合を解いて離脱させ、ＬＣＤ１１を仮想線のごとく倒伏させてパー ソナルコンピュータ７の収納部１９に収納する。

【００１３】 ＬＣＤ１１による表示内容は、キーボード１０のスイッチにより切り替え表示 されるが、図５に示すように、表示器１１を複数個に区分してそれぞれに試験条 件Ｓ１、試験片種類Ｓ２、試験データ処理条件Ｓ３、試験結果Ｓ４などを同時に 表示させるようにしてもよい。ＳＷ１〜ＳＷ４はこれらのそれぞれの表示をオン オフさせるスイッチである。なお、この表示器１１のパーソナルコンピュータ７ への取り付けは、図３あるいは図４のいずれでもよい。

【００１４】 この考案が提供する測定機器には、図示例に示すような材料試験機の外に材料 の成分組成を分析する分析装置やガスクロマトグラフなどのクロマト分析機器な どを包含するものである。これらの場合検出器は、成分を測定する成分検出器で ある。

【００１５】 この考案をまとめるとつぎのとおりである。

【００１６】 付記１ 試験または分析のための検出器を備え試料等の試験または分析を行う測定機本 体と、前記検出器から出力される検出信号を演算処理する演算処理機器と、この 演算処理機器によって演算処理された結果の測定データを表示する表示器とから なり、この表示器を液晶ディスプレイで構成するとともに前記演算処理機器に対 して傾動起倒可能に構成したことを特徴とする測定機器。

【００１７】 付記２ 試験または分析のための検出器を備え試料等の試験または分析を行う測定機本 体と、前記検出器から出力される検出信号を演算処理するコンピュータと、この コンピュータによって演算処理された結果の測定データを表示する表示器とから なり、この表示器を液晶ディスプレイで構成するとともに前記コンピュータに対 して傾動起倒可能に構成したことを特徴とする測定機器。

【００１８】 付記３ 試験または分析のための検出器を備え試料等の試験または分析を行う測定機本 体と、前記検出器から出力される検出信号を演算処理するパーソナルコンピュー タと、このパーソナルコンピュータによって演算処理された結果の測定データを 表示する表示器とからなり、この表示器を液晶ディスプレイで構成するとともに 前記パーソナルコンピュータに対して傾動可能に構成したことを特徴とする測定 機器。

【００１９】 付記４ 試験または分析のための検出器を備え試料等の試験または分析を行う測定機本 体と、前記検出器から出力される検出信号を演算処理するパーソナルコンピュー タと、このパーソナルコンピュータによって演算処理された結果の測定データを 表示する表示器とからなり、この表示器を液晶ディスプレイで構成するとともに その基部に前記パーソナルコンピュータに対して起倒自在に係合する係合部を設 けて構成したことを特徴とする測定機器。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明した如く、この考案が提供する測定機器は、測定結果を液晶ディスプ レイにて表示するようにしたので、表示器の小型軽量化すなわち材料試験機器や 分析機器全体の軽量化を図ることができる。また、表示器の使用、不使用時に応 じて表示器を傾動でき、観察を容易にするとともに不使用時における表示面の損 傷を効果的に防止できる利点がある。この表示器の傾動起倒操作も液晶ディスプ レイによって構成したので容易となる。さらに測定機の制御を行うマイクロコン ピュータと測定値の表示用の演算処理を行うパーソナルコンピュータを結合する ことで演算処理が迅速かつ円滑に行わせることができる。特に試験機のような膨 大なデータの演算処理を必要とする測定機器においては演算処理が効率的に行わ れる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による測定機器の全体構成を示す斜視
図である。

【図２】この考案による測定機器の電気系ブロックダイ
ヤグラムを示す図である。

【図３】この考案による表示器の構成を示す図である。

【図４】この考案による表示器の構成を示す図である。

【図５】この考案による表示器の変形例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１…試験機本体 ２…つかみ具 ３…ロードセル（荷重検出器） ４…試験片 ６…マイクロコンピュータ ７…パーソナルコンピュータ ９…プリンタ １０…キーボード １１…液晶ディスプレイ １２…支持枠 １４…設置台 １５…蝶番部材 １６…カバー １７…係合部 １８…係合枠 １９…収納部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】試験または分析のための検出器を備え試料
   等の試験または分析を行う測定機本体と、前記検出器か
   ら出力される検出信号を演算処理する演算処理機器と、
   この演算処理機器によって演算処理された結果の測定デ
   ータを表示する表示器とからなり、この表示器を液晶デ
   ィスプレイで構成するとともに前記演算処理機器に対し
   て傾動起倒可能に構成したことを特徴とする測定機器。