JPH0848005A - 硬質化粧シート - Google Patents

硬質化粧シート

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JPH0848005A
JPH0848005A JP6201546A JP20154694A JPH0848005A JP H0848005 A JPH0848005 A JP H0848005A JP 6201546 A JP6201546 A JP 6201546A JP 20154694 A JP20154694 A JP 20154694A JP H0848005 A JPH0848005 A JP H0848005A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
decorative sheet
impregnated paper
layer
intermediate layer
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JP6201546A
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Shinichiro Katsuta
信一郎 勝田
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂含浸紙1の片面に、熱可塑性樹
脂中間層2を設け、さらに中間層2上に硬化型樹脂を塗
布、硬化させた保護層3を設けた化粧シートにおいて、
(1)最外層に特定組成のものを用いる必要なく、密着
性良好な化粧シートを得る。また、(2)引っかき硬
度、耐摩耗性が良好なものを得る。 【構成】 (1)熱可塑性樹脂含浸紙1に、浸漬含浸法
により得た含浸紙を用いる。(2)中間層2を設ける前
の熱可塑性樹脂含浸紙1、保護層3を設ける前の熱可塑
性樹脂含浸紙1−中間層2の積層体、あるいは、熱可塑
性樹脂含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体に、圧密
処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬質化粧シートに関す
る。硬質化粧シートは、合板、パーチクルボード、繊維
板等の基材に接着し化粧板となした後、建材または家具
等の構成部材の表面化粧用に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】化粧シートにおいて、優れた表面硬度及
び耐擦傷性、耐摩耗性を付与するため、化粧シートの最
外層に熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化
型樹脂等の硬化型樹脂を塗布、硬化させた保護層を設け
ることは、(1)特開昭63−54242号公報、
(2)特開平1−108038号公報、(3)特開平5
−263397号公報等により公知である。
【0003】例えば(1)特開昭63−54242号公
報、(2)特開平1−108038号公報には、ロール
コート法、グラビアコート法、エアナイフコート法、リ
バースコート法、ディップコート法、バーコート法等の
塗布含浸法により熱可塑性樹脂等を含浸した原紙を用
い、該原紙の片面に、熱可塑性樹脂等からなるオーバー
コート層を設け、さらに該オーバーコート層上に硬化型
樹脂を塗布、硬化させたハードコート層を設けた化粧シ
ートが開示されている。さらに、オーバーコート層を設
けることにより、原紙とハードコート層の密着性、ハー
ドコート層の耐摩耗性等の物性が良好であり、原紙の表
面をカバーするため表面平滑性を付与し、オーバーコー
ト剤の浸透を防止することも開示されている。
【0004】しかし、上記(1)、(2)で得られる化
粧シートは、2mm間隔の升目にクロスカットした後セ
ロテープによる剥離試験(以下、クロスカット試験とい
う。)を行うと、原紙層で破壊剥離してしまう問題があ
る。
【0005】また、上記問題に対し、(3)特開平5−
263397号公報には、化粧シートの最外層の硬化型
樹脂組成に特定のスリップ剤を添加することによって、
粘着テープ類の表面付着性を低下させ、粘着テープ剥離
試験において紙層で破壊剥離が起こらないことが開示さ
れている。しかし、上記(3)で得られる化粧シート
は、最外層に特定組成のものを用いることにより原紙層
の破壊剥離の問題を回避したものであって、最外層に一
般使用されている組成のものを使用して解決したもので
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、係る問題を
解決するものであり、その第1の目的は、最外層に特定
組成のものを用いる必要なく、密着性良好な化粧シート
を得ることにある。また、本発明の第2の目的は、上記
(1)、(2)の化粧シートよりも、引っかき硬度、耐
摩耗性が良好である、密着性良好な化粧シートを得るこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
熱可塑性樹脂含浸紙1の片面に、熱可塑性樹脂中間層2
を設け、さらに中間層2上に硬化型樹脂を塗布、硬化さ
せた保護層3を設けた化粧シートにおいて、熱可塑性樹
脂含浸紙1が、浸漬含浸法により、熱可塑性樹脂を主体
とした組成を化粧シート用原紙に含浸して得たものであ
ることを特徴とする硬質化粧シートである。
【0008】前記構成は、従来の塗布含浸法により得た
熱可塑性樹脂含浸紙を用いる代わりに、浸漬含浸法によ
り得た熱可塑性樹脂含浸紙を用いる点に特徴があり、こ
れにより、クロスカット試験において原紙層での破壊剥
離も発生することのない密着性良好な化粧シートが得ら
れる。即ち第1の目的が達成できる。
【0009】本発明が適用する浸漬含浸法とは、化粧シ
ート用原紙を含浸液に浸漬した後、スクィズする方法で
あり、例えば乾燥する前のウェットウェブに樹脂を含
浸・スクィズする方法、乾燥したドライウェブに樹脂
を含浸・スクィズする方法等が挙げられる。
【0010】本発明の第2の発明は、中間層2を設ける
前の熱可塑性樹脂含浸紙1、保護層3を設ける前の熱可
塑性樹脂含浸紙1−中間層2の積層体、あるいは、熱可
塑性樹脂含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体が、圧
密処理されているものであることを特徴とするものであ
る。
【0011】前記構成により、圧密処理を施さないもの
と比較して、引っかき硬度、耐摩耗性が向上した化粧シ
ートが得られる。即ち第2の目的が達成できる。特に熱
可塑性樹脂含浸紙1−中間層2の積層体の状態で圧密処
理を施すと、他の状態で施す場合と比較して、引っかき
硬度の向上が顕著に見られる。また、圧密処理を施す
と、得られる化粧シートは、引っかき硬度の向上によ
り、化粧シート表面(保護層3側)に傷が付き難くなり
密着性も向上する。しかし、第1の目的を達成するため
には、必ず、浸漬含浸法により得た熱可塑性樹脂含浸紙
1を用いなければならない。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる熱可塑性樹脂含浸紙1は、浸漬含浸法により、熱
可塑性樹脂を主体とした組成を化粧シート用原紙に含浸
して得たものである。
【0013】上記化粧シート用原紙としては、上質紙、
純白ロール紙、各種填料内填紙、及びそれらに印刷を施
したものが用いられるが、意匠性、遮蔽性が良好なこと
から、チタン紙、印刷が施されたチタン紙が好適に用い
られる。
【0014】また含浸剤の組成は、熱可塑性樹脂を主体
とする。熱可塑性樹脂としては、スチレンブタジエン共
重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体等によっ
て代表される合成ゴムラテックス、または、酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、アクリ
ル系エマルジョン、スチレンアクリル系エマルジョン、
ウレタン系ディスパージョン、エポキシ系ディスパージ
ョン等によって代表される合成樹脂エマルジョン、合成
樹脂ディスパージョンが挙げられる。また、必要に応じ
て熱硬化性樹脂を、熱可塑性樹脂に対し25重量%まで
添加することができる。熱硬化性樹脂の添加は、硬さに
とっては好ましいが、添加量が多いと、シートの柔軟性
が損なわれ加工中に紙切れしやすくなる、含浸液ライフ
が短くなる等の不具合が生じる。熱硬化性樹脂としては
メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の初期縮合
体が挙げられる。また、必要に応じて浸透助剤、硬化促
進剤を添加してもよい。
【0015】また含浸方法は、上述のとおり浸漬含浸法
を用いる。なお、熱可塑性樹脂含浸紙1に占める含浸剤
(乾燥重量)の割合(含浸率)は、15重量%以上、好
ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以
上である。含浸率が少ないと紙間強度が不十分となり、
紙層で剥離しやすくなる。含浸率の上限は、含浸液と原
紙の性質により決まる。コスト面からは低めに設定する
ことが好ましい。
【0016】次に、本発明に用いる中間層2は、熱可塑
性樹脂含浸紙1の片側面に塗布、乾燥して設ける。
【0017】その組成は、熱可塑性樹脂を主体とする。
熱可塑性樹脂としては、スチレンブタジエン共重合体、
アクリロニトリルブタジエン共重合体等によって代表さ
れる合成ゴムラテックス、または、酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリル酸エステル、アクリル系エマル
ジョン、スチレンアクリル系エマルジョン、ウレタン系
ディスパージョン、エポキシ系ディスパージョン等によ
って代表される合成樹脂エマルジョン、合成樹脂ディス
パージョンが挙げられる。また、必要に応じて熱硬化性
樹脂を、熱可塑性樹脂に対し25重量%まで添加するこ
とができる。熱硬化性樹脂の添加は、硬さにとっては好
ましいが、添加量が多いと、シートの柔軟性が損なわれ
加工中に紙切れしやすくなる、含浸液ライフが短くなる
等の不具合が生じる。熱硬化性樹脂としてはメラミン樹
脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の初期縮合体が挙げら
れる。また、必要に応じて硬化促進剤、色調を調整する
目的で添加される染・顔料、各種填料等を添加してもよ
い。
【0018】また、中間層2の塗布量(乾燥重量)は、
3〜20g/m2 、好ましくは5〜15g/m2 であ
る。塗布量が少ない場合、原紙表面の平滑性が不足し、
また浸透防止が不十分となり、保護層の均一性が損なわ
れ意匠性が悪くなる。塗布量が多い場合、カールしやす
くなって取扱い難くなる。
【0019】中間層2を熱可塑性樹脂含浸紙1に設ける
方法は、公知の塗布方法でよく、ロールコート法、バー
コート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナ
イフコート法等が挙げられる。
【0020】次に、本発明に用いる保護層3は、中間層
2上に硬化型樹脂を塗布、硬化させて設ける。
【0021】硬化型樹脂の組成は、熱硬化型樹脂、紫外
線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂から選択された樹脂を
主成分とする。熱硬化型樹脂としては、アミノアルキッ
ド樹脂、熱硬化アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好適に用
いられる。電子線硬化型樹脂としては、ラジカル重合す
る二重結合を持つアクリレート、即ちポリエステルアク
リレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエステルメタアクリレート、ウレタンメタアク
リレート、エポキシメタアクリレート等が用いられる。
紫外線硬化型樹脂は、前記電子線硬化型樹脂にアセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤、必要に
応じてトリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン
等の光増感剤を混合して用いられる。また、必要に応じ
て、硬化促進剤、シリカ、アルミナ等のマット化剤、シ
リコーン系離型剤等のスリップ剤等を添加しても良い。
【0022】また、硬化型樹脂の塗布量(硬化後の重
量)は、15〜50g/m2 、好ましくは20〜50g
/m2 である。塗布量が少ないと表面硬度が不足し好ま
しくない。塗布量が50g/m2 を越えると、保護層が
ひび割れたり、化粧シートのカールが著しくなり好まし
くない。
【0023】また、硬化型樹脂を中間層2上に設ける方
法は、公知の塗布方法でよく、ロールコート法、バーコ
ート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイ
フコート法等が挙げられる。
【0024】硬化型樹脂を塗布後硬化させる方法として
は、熱硬化型樹脂の場合、100〜200℃で1〜2
0分間程加熱処理する方法、紫外線硬化型樹脂の場
合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボン
アーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光
源を用いて紫外線を照射する方法、電子線硬化型樹脂
の場合、電子線照射装置を用いて、50〜250KVの
加速電圧で1〜5Mradの照射量の電子線を照射する
方法等が挙げられる。
【0025】本発明の第2の発明は、熱可塑性樹脂含浸
紙1、熱可塑性樹脂含浸紙1−中間層2の積層体、ある
いは熱可塑性樹脂含浸紙1−中間層2−保護層3の積層
体のいずれかを圧密処理するのであるが、圧密処理の方
法としては、線圧10〜150Kg/cm、好ましくは
30〜100Kg/cmの範囲でカレンダー処理を行う
ことが好ましい。線圧が低いと表面硬度向上の効果はあ
まり認められず、高すぎるとカレンダーロールがたわん
で均一な圧密処理ができなかったり、カレンダーロール
の寿命が短くなり好ましくない。またブロッキングしな
い温度にロールを加熱して熱カレンダー処理を行っても
よい。
【0026】また、(1)特開昭63−54242号公
報、(2)特開平1−108038号公報、(3)特開
平5−263397号公報記載の化粧シートや本発明の
硬質化粧シートのように、原紙の片面に1層以上塗布、
積層した化粧シートは、塗布面側に強くカールしやすい
欠点がある。カールの強い化粧シートは、これ自体取扱
い難く、また、合板、パーチクルボード、繊維板等の基
材と貼り合わせるとき、化粧シートの端面が基材と合わ
せにくい等、施工性(作業性)の問題につながる。
【0027】前記化粧シートのカールの問題は以下の工
程により簡単に矯正できる。保護層3を設けた後、保
護層3の反対面(熱可塑性樹脂含浸紙1側の面)に対
し、蒸気ダンピングしたり、水あるいは水性塗液の塗
工、乾燥を行う。中間層2を設けた後に、熱可塑性樹
脂含浸紙1側の面に蒸気ダンピングしたり、水あるいは
水性塗液の塗工、乾燥を行う工程との工程を併用す
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例に使用した含浸剤、中間層塗液、保護層塗液
を表1に示す。
【0029】
【表1】 含浸剤 ・組成物a:下記組成固形分40重量%の水希釈物 1)アクリル系エマルジョン(大日本インキ製ホ゛ンコートR3380A) 90重量部 2)尿素系樹脂(大日本インキ製ヘ゛ッカミンJ300S) 10重量部 3)ノニオン系界面活性剤(日本乳化剤製ニューコール#865) 1重量部 中間層塗液 ・組成物b:下記組成固形分35重量%の水希釈物 1)アクリル系エマルジョン(三井東圧製ホ゛ンロンS434) 40重量部 2)ポリウレタンアイオノマー樹脂(大日本インキ製ハイト゛ランAP20) 55重量部 3)メラミン系樹脂(住友化学製スミレース゛613) 5重量部 保護層塗液 ・組成物c:下記組成物 1)ポリエステルアクリレート(荒川化学製ヒ゛ームセット550) 50重量部 2)エステルアクリレート(荒川化学製ヒ゛ームセット710) 50重量部 3)シリコーン系離型剤(荒川化学製KU-450) 3重量部 ・組成物d:下記組成固形分50重量%のトルエン希釈物 1)熱硬化アクリル樹脂(日立化成製ヒタロイト゛2439A) 50重量部 2)メラミン樹脂(日立化成製メラン28D) 50重量部 3)硬化触媒(大日本インキ製ヘ゛ッカミンP198) 5重量部 4)シリコーン系離型剤(東レ・タ゛ウコーニンク゛シリコーン製ST102PA) 6重量部 ・組成物e:下記組成物 1)ポリエステルアクリレート(東亜合成化学製アロニックスM8030) 60重量部 2)トリメチロールフ゜ロハ゜ントリアクリレート(東亜合成化学製アロニックスM309) 30重量部 3)2-ヒト゛ロキシ-3-フェノキシフ゜ロヒ゜ルアクリレート(東亜合成化学製アロニックスM5700) 10重量部
【0030】また、実施例における評価は以下の方法に
より行った。 密着性 保護層3側の面を2mm間隔の升目にクロスカットした
後セロテープによる剥離試験を行った。 引っかき硬度 特殊合板の日本農林規格引き掻き硬度B試験に従った。
数値は引っかいた傷の深さ(μm)を示す。小さいほど
硬く良好。なお、試験には、化粧シートを尿素/酢酸ビ
ニル系接着剤によりパーチクルボードと貼り合わせた化
粧板を用いた。 耐摩耗性 特殊合板の日本農林規格 摩耗A試験及びB試験に従っ
た。なお、試験には、化粧シートを尿素/酢酸ビニル系
接着剤によりパーチクルボードと貼り合わせた化粧板を
用いた。摩耗量は摩耗輪100回転当たりの摩耗減量
(mg)を示す。小さいほど摩耗し難く良好。摩耗値は
印刷の模様のほぼ50%が擦り切れたときの摩耗輪の回
転数を示す。大きいほど良好。 カール度 化粧シートを、A4サイズにカットし、20℃、65%
RHの 環境下に2時間放置した後、4隅の持ち上がり
高さ(mm)を測定した。数値は4隅の値の平均値を、
×は円筒状に丸まったことを示す。
【0031】実施例1 米坪量80g/m2 の着色チタン紙(興人製PM−27
P)に木目模様を印刷した後、浸漬含浸法により、組成
物aを含浸、乾燥して熱可塑性樹脂含浸紙1を得た。
(熱可塑性樹脂含浸紙1に占める組成物a(乾燥重量)
の含浸率は27.3%) 次に、熱可塑性樹脂含浸紙1上に、組成物bを10g/
2 (乾燥重量)塗布、乾燥して中間層2を形成し、含
浸紙1−中間層2の積層体を得た。そして含浸紙1−中
間層2の積層体に、線圧50kg/cm、ロール温度4
0℃条件のカレンダー処理を行った。次に、含浸紙1−
中間層2の積層体の中間層2上に紫外線型硬化樹脂を主
成分とする組成物cを25g/m2 (硬化後の重量)塗
布した後、ランプ出力120W/cm高圧水銀灯、照射
距離120mm、コンベアスピード2.4m/min条
件の紫外線照射処理を行い、保護層3を形成し、含浸紙
1−中間層2−保護層3の積層体を得た。この積層体の
カール度は×(円筒状に丸まる)であった。次に、含浸
紙1−中間層2−保護層3の積層体の含浸紙1側の面
に、水を5g/m2 塗布、乾燥して、化粧シートを得
た。この化粧シートのカール度は40mmであった。
【0032】実施例2 含浸紙1−中間層2の積層体に、圧密処理(カレンダー
処理)を行わなかった以外は、実施例1と同様にして化
粧シートを得た。
【0033】比較例1 熱可塑性樹脂含浸紙1として、米坪量80g/m2 の着
色チタン紙(興人製PM−27P)に木目模様を印刷し
た後、塗布含浸法により、含浸剤aを含浸、乾燥して得
た含浸紙1(含浸率26.0%)を用いた以外は、実施
例2と同様にして化粧シートを得た。
【0034】実施例3 圧密処理(カレンダー処理)を施す対象を、含浸紙1−
中間層2の積層体に代えて、含浸紙1とした以外は、実
施例1と同様にして化粧シートを得た。
【0035】実施例4 圧密処理(カレンダー処理)を施す対象を、含浸紙1−
中間層2の積層体に代えて、含浸紙1−中間層2−保護
層3の積層体とした以外は、実施例1と同様にして化粧
シートを得た。
【0036】実施例5 実施例1の含浸紙1−中間層2の積層体を用い、線圧5
0kg/cm、ロール温度40℃条件のカレンダー処理
を行った。次に、中間層2上に熱硬化型樹脂を主成分と
した組成物dを30g/m2 (硬化後の重量)塗布、乾
燥した後、160℃、10min条件の熱処理を行い、
保護層3を形成し、含浸紙1−中間層2−保護層3の積
層体を得た。この積層体のカール度は×(円筒状に丸ま
る)であった。次に、含浸紙1−中間層2−保護層3の
積層体の含浸紙1側の面に、水を5g/m2 塗布、乾燥
して、化粧シートを得た。この化粧シートのカール度は
45mmであった。
【0037】実施例6 実施例1の圧密処理(カレンダー処理)された含浸紙1
−中間層2の積層体を用い、中間層2上に電子線硬化型
樹脂を主成分とした組成物eを30g/m2 (硬化後の
重量)塗布した後、電子線照射装置(岩崎電気製CB2
50/15/180L)を用い加速電圧165KV、照
射量2Mrad条件の電子線照射処理を行い、保護層3
を形成し、含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体を得
た。この積層体のカール度は×(円筒状に丸まる)であ
った。次に、含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体の
含浸紙1側の面に、水を5g/m2 塗布、乾燥して、化
粧シートを得た。この化粧シートのカール度は25mm
であった。
【0038】実施例1〜6、比較例1の評価結果を表2
に示す。浸漬含浸法により得た含浸紙1を用いた実施例
2は、従来の塗布含浸法により得たものを用いた比較例
1と比較して、原紙層での破壊剥離がなく密着性が良好
なものであることが確認できる。また、圧密処理を施し
た実施例1、3、4は、圧密処理を行わない実施例2と
比較して、引っかき硬度、耐摩耗性の向上が確認でき
る。特に、熱可塑性樹脂含浸紙1−中間層2の積層体の
状態で圧密処理を施した実施例1は、他の実施例3、4
と比較しても、引っかき硬度の向上が顕著に認められ
る。実施例5、6は、実施例1の紫外線硬化型樹脂を熱
硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂に代えた例である。この
場合も、実施例2及び比較例1と同様の化粧シートを作
製し評価したところ、実施例1等と同様に、浸漬含浸法
により得た含浸紙1を用いたことによる効果、圧密処理
を施すことによる効果が認められた。また、カールにつ
いて、実施例1〜6及び比較例1の、水を塗布、乾燥す
る処理前の含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体はす
べてカールが強く円筒状に丸まってしまうが、積層体の
含浸紙1側の面に水を塗布、乾燥する処理を施すことに
よって改善されることが確認できる。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性樹脂含浸紙1−熱可
塑性樹脂中間層2−硬化型樹脂保護層3を設けた化粧シ
ートにおいて、浸漬含浸法により得た熱可塑性樹脂含浸
紙1を用いることにより、クロスカット試験において原
紙層での破壊剥離も発生することのない密着性良好なも
のが得られる。また、熱可塑性樹脂含浸紙1、熱可塑性
樹脂含浸紙1−中間層2の積層体、あるいは熱可塑性樹
脂含浸紙1−中間層2−保護層3の積層体の状態で圧密
処理を施すことにより、得られる化粧シートの引っかき
硬度、耐摩耗性が顕著に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/00 B 9127−2E 13/08 A 9127−2E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂含浸紙1の片面に、熱可塑
    性樹脂中間層2を設け、さらに中間層2上に硬化型樹脂
    を塗布、硬化させた保護層3を設けた化粧シートにおい
    て、熱可塑性樹脂含浸紙1が、浸漬含浸法により、熱可
    塑性樹脂を主体とした組成を化粧シート用原紙に含浸し
    て得たものであることを特徴とする硬質化粧シート。
  2. 【請求項2】 中間層2を設ける前の熱可塑性樹脂含浸
    紙1、保護層3を設ける前の熱可塑性樹脂含浸紙1−中
    間層2の積層体、あるいは、熱可塑性樹脂含浸紙1−中
    間層2−保護層3の積層体が、圧密処理されているもの
    であることを特徴とする請求項1記載の硬質化粧シー
    ト。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂含浸紙1−中間層2−保護
    層3の積層体とした後、熱可塑性樹脂含浸紙1側の面
    に、水または水性液を付与・乾燥された請求項1及び2
    記載の硬質化粧シート。
  4. 【請求項4】 保護層3の樹脂量が、15〜50g/m
    2 であることを特徴とする請求項1、2及び3記載の硬
    質化粧シート。
JP6201546A 1994-08-04 1994-08-04 硬質化粧シート Pending JPH0848005A (ja)

Priority Applications (1)

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JP6201546A JPH0848005A (ja) 1994-08-04 1994-08-04 硬質化粧シート

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