JP4390946B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装材、扉、家具、家電製品の表装材等に使用される導管を有する木目柄がリアルに再現され、且つ表面の耐磨耗性、耐擦傷性、耐汚染性に優れた化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンボス加工を行わず印刷加工だけで導管のある木目柄を再現した化粧材には、その製法から大別して撥液性導管方式によるものとネガパターントップコート方式によるものとがある。
撥液性導管方式による化粧材は、紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄を印刷し、次いでそれに同調させて導管柄を撥液性を有するインキで印刷し、その上からウレタン樹脂等からなる2液熱硬化型樹脂液を塗工してトップコート層を形成するが、トップコートの樹脂液が導管柄部分においてはじかれることによって化粧材の表面にグロス/マット感による導管柄の意匠効果が得られるようにしたものである。
また、トップコート層の耐磨耗性を向上させるために、研磨剤等を添加した電離放射線硬化型樹脂を用いた化粧材が、特許番号第2740943号公報、特開平10−119226号公報に開示されている。
ネガパターントップコート方式による化粧材は、先ず紙、プラスチックシート等の基材シート面に木目柄を印刷し、次いで艶消しシーラー層を全面に形成し、その上から艶の出るトップコート樹脂からなるインキを用いてネガパターンの導管柄を木目柄に同調させて印刷することによって、導管部にシーラー層の艶消し面が現われるようにし、化粧材表面における艶変化によって、導管柄の意匠効果が得られるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、これまでの撥液性導管方式による化粧材における2液熱硬化型樹脂層の厚みは通常10μm程度であって、この厚みでは耐磨耗性が不足するので、実用上これ以上の充分な厚みにしようとすると、ブロッキング等の生産上の問題が生じる。これを避けるためには、2液熱硬化型樹脂に代わって電離放射線硬化型樹脂が一般的に使用されるが、トップコート層が厚くなるほど、導管部を構成する撥液性インキの「はじき」が不十分となり、導管は実際よりも細く再現され、繊細な導管は完全に埋没してしまうという問題がある。さらに、表面の耐摩擦性を向上させるためにトップコート層に研磨剤を添加すると、導管部以外の水平トップ面の物性は改善されるが、導管部においては、固体である研磨剤が樹脂と同時にはじかれずに導管部に多く溜まることにより、導管部の再現ができなくなる問題がある。
特許番号第2740943号公報、特開平10−119226号公報には、電離放射線硬化型樹脂によるトップコート層に研磨剤を混入させて耐摩擦性、耐擦傷性等の物性を向上させた化粧材が開示されているが、これらは表面物性だけを考慮したものであり、前述のように耐摩擦性の付与と導管柄の優れた意匠表現とを両立させたものではなかった。
さらに、ネガパターントップコート方式においては、トップコート樹脂に研磨剤を混入すると、ネガ型トップコート層形成のための印刷版が磨耗するのでロングランの生産に適さないという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、トップコート樹脂層が実用に充分な厚みを有し、さらに艶消しフィラーや研磨剤等を含有していてもシャープな導管柄を再現し、意匠性に優れた化粧材の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明による化粧材は、紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄印刷インキ層が形成され、該木目柄印刷インキ層を被覆するようにシーラー層が形成された後に、該シーラー層上に導管印刷インキ層が、前記木目柄印刷インキ層に同調するように形成され、さらに、前記導管印刷インキ層以外のシーラー層の全面をトップコート層が被覆してなり、前記シーラー層が、アクリル系若しくは塩化ビニル−アクリル系樹脂からなり、常温で40dyne/cm以下の界面張力を有し、前記導管印刷インキ層が、トップコート樹脂の浸透性に優れたポリエステル系及びウレタン系樹脂よりなり、常温で50dyne/cm以上の界面張力を有し、前記トップコート層が、40dyne/cm以上の表面張力を有する電離放射線硬化型樹脂によって塗工されてなることを特徴とするものである。さらに、前記トップコート層に耐磨耗性を付与する研磨剤が混入され、また、艶消し用フィラーが、前記トップコート層に、あるいは前記トップコート層と前記シーラー層の両方に混入されてなることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による化粧材の模式断面図である。
本発明による化粧材10の製造は、先ず、図1に示すように、基材シート1の片面に印刷によって着色ベタインキ層2を設け、次いで木目柄インキ層3を印刷によって形成する。ここまでは、従来の化粧材と同様であるが、次に目止め効果のある表面張力の小さい樹脂液によって全面にシーラー層4を設け、次に、このシーラー層4を介して後述するトップコート樹脂の浸透性が高い樹脂をバインダーとするインキを用いて導管印刷インキ層5を木目柄インキ層3に同調するように印刷によって形成する。
最後に、この導管印刷インキ層5を被覆するように、40dyne/cm以上の電離放射線硬化型樹脂を使用してトップコート層6を形成する。この表面張力の高い電離放射線硬化型樹脂を使用するのは、導管印刷インキ層5の上部にコートされる電離放射線硬化型樹脂が、導管印刷インキ層5に侵入し易くするためである。
以上説明したように、本発明による化粧材10は、中間層にシーラー層4を設けることが特徴であって、このシーラー層4の表面は、高艶または適宜に制御された艶を持たせることができ、これは最終化粧材の艶を制御するのに役立つと共に、シーラー層4は、所謂目止め層として機能しているので、トップコート樹脂の木目柄インキ層3への侵入をくい止めることができ、木目柄インキ層の影響のない導管印刷インキ層5のみへのトップコート樹脂の侵入作用によってトップコート面の優れたグロス/マット効果と図1に示すような化粧材表面の凹凸が生じ、導管柄をよりシャープに、再現性のよいものに仕上げることができる。
このトップコート樹脂に粘度が高く浸透性の悪い電離放射線硬化型樹脂を使用しても、導管印刷インキ層5に対する浸透は起こり、浸透ムラやボヤケのないシャープな導管意匠が得られる。
トップコート層6は導管印刷インキ層5よりも厚く形成されることによって前述の凹凸形成が可能になるが、それらの厚みが例え同等であっても、後述する艶消し効果のある導管印刷インキ層5を形成することによってグロス/マット効果が顕著になり、従来よりも優れた導管の再現が可能である。
さらに、トップコート層6の中に、艶消しフィラー(図1では微小ドットで示す)や耐磨耗性を付与する研磨剤7等を混入させることによって狙いとする表面物性を達成することができる。
なお、本発明による化粧材10は、使用目的に応じて基材シート1の他の面に裏打ち材が接着されて使用される。裏打ち材としては、単板、合板、パーチクルボード、木質繊維板等の木質板、薄葉紙、晒クラフト紙、板紙等の紙、石膏ボード、セメント板、硅酸カルシウム、等の無機質窯業系板、鉄、アルミニウム等の金属板、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂板、ハニカムボード等である。
【0006】
図2は、従来の化粧材の模式断面図である。
参考までに従来の化粧材20を説明しておくと、本発明による化粧材10と異なり、シーラー層4が使用されていないで、トップコート層15が木目柄インキ層13と導管印刷インキ層14と同時に接触している。従って、トップコート樹脂の導管印刷インキ層14への侵入は、木目柄インキ層13によって影響を受け、シャープな凹凸感、グロス/マット効果は実現できない。
【0007】
本発明による化粧材10に使用される基材シート1は、インキ浸透性のない塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂等のプラスチックシート、あるいは、印刷用純白紙、紙間強化紙、硬化性樹脂を含浸させた紙、織布、不織布等のいずれを使用してもよい。紙系に場合は、坪量50〜150g/m2 程度で、厚みが50〜300μm程度が好ましい。
【0008】
着色ベタ印刷、木目柄印刷は、公知の印刷法で行われ、インキバインダーとしては、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、セルローズ等の汎用樹脂を選択できるが、シーラー層4との良好な密着性を得るためにはニトロセルローズ系、アクリル系のバインダーの使用が好ましい。
【0009】
シーラー層4には、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の汎用アクリル系樹脂をバインダーとして使用することで、界面張力が、40dyne/cm(常温)以下の塗膜が得られ、目止め効果が大きく、且つハイグロスな面を有するものである。
なお、シーラー層4上に印刷される導管柄の印刷時の耐溶剤性等を向上させるため、汎用のイソシアネート系硬化剤を加えた2液熱硬化型樹脂にするか、あるいは紫外線、電子線照射により硬化する不飽和2重結合を有するものを使用してもよい。但し、2液熱硬化型樹脂を使用する場合は、トップコート層6との密着性を低下させるばかりか、表面張力を大きくして目止め効果を低下させるため、イソシアネート硬化剤は反応等量以下の添加に止めることが好ましい。
また、トップコート樹脂を厚塗りする場合、塗膜が厚くなるほど艶が上がる傾向にあり、その艶が最終目標値を越える場合、シーラー層4にも艶消し剤を混入し化粧材表面の艶を制御することができる。この艶消し剤としては、処理あるいは未処理のシリカ、樹脂マット剤等の汎用のものでよい。
より優れた耐磨耗性を付与するために、研磨剤をシーラー層4にも添加するようにしてもよい。但し、シーラー層4のマット化、研磨剤の添加はリフティング、すなわちシーラー層4上層部への研磨剤の移行を発生させ、表面張力が大きくなり、トップコート樹脂に対する目止め効果は低下するので研磨剤の添加はシーラー層4における樹脂の20%以下に止めることが好ましい。
【0010】
導管印刷インキ層5は、汎用のポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂をバインダーとする印刷インキによって形成される。このポリエステル系とウレタン系樹脂を使用することで、界面張力が50dyne/cm(常温)以上の導管印刷インキ層5が得られ、艶の低下が大きく、且つ、トップコート樹脂の浸透効果の高い導管印刷インキ層5が得られる。
この導管部分の艶の低下は意匠効果にとって重要であり、さらに艶消し効果を高めるには、処理あるいは未処理シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の汎用の体質顔料を添加することが好ましい。
また充分なグロス/マット効果による良好な意匠性を得るためには、導管印刷インキ層5は厚みのある方が有利である。但し、トップコート層より厚くすることは好ましくない。
【0011】
トップコート層6の形成には、40dyne/cm以上の表面張力を有する電離放射線硬化型樹脂が使用されるが、2液熱硬化型コート材も使用することができる。但し、粘土が低く、チキソトロピー性が小さく、表面張力が高いものを使用して、導管印刷インキ層5に対して浸透性に優れたものを使用する必要がある。
トップコート層6表面の耐磨耗性を向上させるために、平均粒径が1μm以上のα−アルミナやシリカが、また艶を押さえるために親水処理を施したシリカや炭酸カルシウムが添加されるが、これらフィラーの添加量は樹脂重量の20%を越えないことが好ましい。
また、表面の滑り性(手触り感)の向上、セロテープ剥離性の付与のためにシリコーン、フッソ等のスリップ剤を添加してもよい。但し、トップコート樹脂と相容性のあるスリップ剤はトップコート層6の表面の界面張力を下げやすく、またワックスの添加はチキソトロピー性を高めるので、浸透性に不利に作用する。従って、スリップ剤は、トップコート樹脂と相容性のないものを選ぶことが好ましい。
【0012】
以下、本発明による化粧材10の実施例に付いて具体的に説明する。
(実施例1)
アクリル系樹脂ラテックスを含浸した化粧原紙(GF601含浸紙(株)興人製)からなる基材シート1にグラビア印刷法で2μm程度の着色ベタインキ層2および木目柄印刷インキ層3を積層した。(着色ベタインキ:アクリル−硝化綿ブレンド樹脂(HAT(株)インクテック製/絵柄インキ:硝化綿−アルキッド樹脂(MAM(株)インクテック製)。これに下記の目止めシーラー(*)を5μmのシーラー層4となるように塗工した後、前記絵柄に同調した導管柄を浸透性のある下記の導管インキ(**)をグラビア印刷法で形成し、この上にトップコート樹脂として下記の電離放射線硬化型樹脂(***)を5〜20g/m2 塗工後、100°Cで30秒加熱風乾し、この間に導管部を撥液させ、175KV,5Mradの条件で電子線照射を行い、塗膜を架橋させ、実施例1のサンプルを作成した。
(実施例2)
アクリル系樹脂ラテックスを含浸した化粧原紙(GF601含浸紙(株)興人製)からなる基材シート1にグラビア印刷法で2μm程度の着色ベタインキ層2および木目印刷インキ層3を積層した。(着色ベタインキ:アクリル−硝化綿ブレンド樹脂(HAT(株)インクテック製/絵柄インキ:硝化綿−アルキッド樹脂(MAM(株)インクテック製)。これに下記の目止めシーラー(*)を5μmのシーラー層4となるように塗工した後、前記絵柄に同調した導管柄を浸透性のある下記の導管インキ(**)をグラビア印刷法で形成し、この上にトップコート樹脂として下記の電離放射線硬化型樹脂(****)を5〜20g/m2 塗工後、100°Cで30秒加熱風乾し、この間に導管部を撥液させ、175KV,5Mradの条件で電子線照射を行い、塗膜を架橋させ、実施例2のサンプルを作成した。
目止めシーラー(*)
メタクリル酸メチル 30 重量部
メタクリル酸 20
メタクリル酸ブチル 10
ヒドロキシエチルメタクリレート 3
導管インキ(**)
ポリエステル樹脂 3.5重量部
ウレタン樹脂 18
未処理シリカ(平均粒系3μm) 10
希釈溶剤(酢酸ブチル) 68.5
電離放射線硬化型樹脂(***)
ビスフェノAエチレンオキサイド
変性ジアクリレート 50 重量部
トリメチロールプロパンエチレンオコサイド
変性トリアクリレート 20
球状アルミナ(平均粒径25μm) 15
不定型シリカ(平均粒径1.8μm) 8
微粉末シリカ(平均粒径0.1μm) 1
両端末メタクリレート変性シリコーンオイル 1
電離放射線硬化型樹脂(****)
ビスフェノAエチレンオキサイド
変性ジアクリレート 50 重量部
トリメチロールプロパンエチレンオキサイド
変性トリアクリレート 20
球状アルミナ(平均粒径25μm) 15
不定型シリカ(平均粒径1.8μm) 8
微粉末シリカ(平均粒径0.1μm) 1
ポリジメチルシロキサン
変性シリコーンオイル 1
【0013】
また、下記の比較例サンプルを用意した。
(比較例1)
アクリル系樹脂ラテックスを含浸した化粧原紙(GF601含浸紙(株)興人製)からなる基材シート1にグラビア印刷法で2μm程度の着色ベタインキ層2および木目柄印刷インキ層3を積層した。(着色ベタインキ:アクリル−硝化綿ブレンド樹脂(HAT(株)インクテック製/絵柄インキ:硝化綿−アルキッド樹脂(MAM(株)インクテック製)。これに下絵柄に同調したパターンを導管インキ(♯)を印刷した。これに電離放射線硬化型樹脂(***)を5〜20g/m2 塗工後、電子線照射を行い、塗膜を架橋させて比較例1のサンプルを作成した。
(比較例2)
アクリル系樹脂ラテックスを含浸した化粧原紙(GF601含浸紙(株)興人製)からなる基材シート1にグラビア印刷法で2μm程度の着色ベタインキ層2および木目柄印刷インキ層3を積層した。(着色ベタインキ:アクリル−硝化綿ブレンド樹脂(HAT(株)インクテック製/絵柄インキ:硝化綿−アルキッド樹脂(MAM(株)インクテック製)。これに下絵柄に同調したパターンを浸透性導管インキ(**)で印刷した。これに電離放射線硬化型樹脂(***)を5〜20g/m2 塗工後、電子線照射を行い、塗膜を架橋させて比較例2のサンプルを作成した。
(比較例3)
アクリル系樹脂ラテックスを含浸した化粧原紙(GF601含浸紙(株)興人製)からなる基材シート1にグラビア印刷法で2μm程度の着色ベタインキ層2および木目柄印刷インキ層3を積層した。(着色ベタインキ:アクリル−硝化綿ブレンド樹脂(HAT(株)インクテック製/絵柄インキ:硝化綿−アルキッド樹脂(MAM(株)インクテック製)。これに下記のシーラー(♯♯)を全面に塗工して5μmの層厚みとした後、下絵柄に同調したパターンを浸透性導管インキ(**)で印刷し、その上に電離放射線硬化型樹脂(***)を5〜20g/m2 塗工後、電子線照射を行い、塗膜を架橋させて比較例3のサンプルを作成した。
導管インキ(♯)
ニトロセルローズアルキッド樹脂 30 重量部
未処理シリカ(平均粒系3μm) 10
DOP(可塑剤) 5
希釈溶剤(酢酸エチル/トルエン) 55
シーラー(♯♯)(BUBシーラー、昭和インキ(株)製)
ブチラールウレタン樹脂 14 重量部
未処理シリカ(平均粒系5μm) 1
希釈溶剤(MEK/酢酸エチル/IPA) 85
【0014】
以上のように用意された実施例1、2、比較例1〜3の各サンプルを意匠、特に導管の意匠性(導管とその周辺部の艶差)と耐磨耗性について、トップコート層の塗布量毎に比較した。尚、耐磨耗試験は、JIS磨耗A試験に準拠した。
その結果は次の表に示す。
【0015】
【表1】
Figure 0004390946
評価
◎: 導管部の艶が引けたグロス/マット効果の高い高意匠性の化粧材
○: 導管部の艶引けが充分でないが、意匠効果は認められる化粧材
△: 導管インキ塗布量の少ない細い導管部での艶引けが全くみられない意匠効果の低い化粧材
×: 導管部の艶引けが全くなく、全面が均一な艶に見える意匠効果の全くない化粧材
以上の結果、実施例1、2は、満足すべき耐磨耗性を付与するトップコート層厚みを有しながら、且つグロス/マット感による充分な意匠性を発揮できるものであることが確認された。
【0016】
本発明によれば、トップコート樹脂の浸透性が低く界面張力の小さいアクリル系樹脂を主体とするバインダーからなるシーラー層を木目柄インキ層の上に設け、これにトップコート樹脂の浸透性が高く、表面張力の大きなポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂をバインダーとするインキを用いて導管印刷インキ層5を形成することによって、汎用のトップコート樹脂(2液熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂)を用いて、層厚が100μmを越えない範囲において「侵込み同調型」の化粧材を得ることができる。
トップコートに表面張力が40dyne/cm以上の電離放射線硬化型樹脂を使用することにより、高粘度で浸透性が悪い電離放射線硬化型樹脂であっても、導管際において浸透ムラやボヤケの少ないシャープな導管意匠を再現せることができる。
トップコート層にα−アルミナ等の研磨材を混入することにより表面の耐磨耗性を向上させることができる。
また、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の艶消し剤をトップコート層6だけでなくシーラー層4にも振りわけて混入することにより、トップコート層の混入量が減少することとなって、トップコート樹脂の浸透性を有利に保ことができ、結果として、適度な艶を有する、意匠効果のよい化粧材を提供することができる。また、フィラーが従来の撥液性導管方式の場合のように導管部で遊離することがない。
さらに、トップコート層形成時の印刷版の研磨材による磨耗自体は避けられないが、深度があり、耐刷力に優れたベタ版を使用することができるので、版寿命を延ばすことが可能である。なお、ロールコート方式に切り換えればこの問題は完全に消滅する。
本発明による化粧材10は、樫(かし)、楢(なら)、ぶな等の木目導管が密集し、アクセントとなっている木目柄に対して優れた意匠効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧材の模式断面図
【図2】従来の化粧材の模式断面図
【符号の説明】
1 基材シート
2 着色ベタインキ層
3 木目柄印刷インキ層
4 シーラー層
5 導管印刷インキ層
6 トップコート層
7 研磨剤粒子
10 本発明によるポリオレフィン系化粧シート
11 基材シート
12 着色ベタインキ層
13 木目柄印刷インキ層
14 導管印刷インキ層
15 トップコート層
16 研磨剤粒子
20 従来の化粧材

Claims (5)

  1. 紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄印刷インキ層が形成され、該木目柄印刷インキ層を被覆するようにシーラー層が形成された後に、該シーラー層上に導管印刷インキ層が、前記木目柄印刷インキ層に同調するように形成され、さらに、前記導管印刷インキ層以外のシーラー層の全面をトップコート層が被覆してなり、前記シーラー層が、アクリル系若しくは塩化ビニル−アクリル系樹脂からなり、常温で40dyne/cm以下の界面張力を有することを特徴とする化粧材。
  2. 紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄印刷インキ層が形成され、該木目柄印刷インキ層を被覆するようにシーラー層が形成された後に、該シーラー層上に導管印刷インキ層が、前記木目柄印刷インキ層に同調するように形成され、さらに、前記導管印刷インキ層以外のシーラー層の全面をトップコート層が被覆してなり、前記導管印刷インキ層が、トップコート樹脂の浸透性に優れたポリエステル系及びウレタン系樹脂よりなり、常温で50dyne/cm以上の界面張力を有することを特徴とする化粧材。
  3. 紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄印刷インキ層が形成され、該木目柄印刷インキ層を被覆するようにシーラー層が形成された後に、該シーラー層上に導管印刷インキ層が、前記木目柄印刷インキ層に同調するように形成され、さらに、前記導管印刷インキ層以外のシーラー層の全面をトップコート層が被覆してなり、前記トップコート層が、40dyne/cm以上の表面張力を有する電離放射線硬化型樹脂によって塗工されてなることを特徴とする化粧材。
  4. 紙、プラスチックシート等の基材シート上に木目柄印刷インキ層が形成され、該木目柄印刷インキ層を被覆するようにシーラー層が形成された後に、該シーラー層上に導管印刷インキ層が、前記木目柄印刷インキ層に同調するように形成され、さらに、前記導管印刷インキ層以外のシーラー層の全面をトップコート層が被覆してなり、前記シーラー層が、アクリル系若しくは塩化ビニル−アクリル系樹脂からなり、常温で40dyne/cm以下の界面張力を有し、かつ、前記導管印刷インキ層が、トップコート樹脂の浸透性に優れたポリエステル系及びウレタン系樹脂よりなり、常温で50dyne/cm以上の界面張力を有し、かつ、前記トップコート層が、40dyne/cm以上の表面張力を有する電離放射線硬化型樹脂によって塗工されてなることを特徴とする化粧材。
  5. 前記トップコート層に耐磨耗性を付与する研磨剤が混入され、また、艶消し用フィラーが、前記トップコート層に、あるいは前記トップコート層と前記シーラー層の両方に混入されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の化粧材。
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