JPH084732Y2 - 車載用オーディオ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は車載用オーディオ装置に係り、特にシートポ
ジション（座席）及び音楽のジャンルに応じたイコライ
ザ特性に従ってオーディオ信号を制御する車載用オーデ
ィオ装置に関する。

〈従来技術〉 イコライザは設定されたイコライジングカーブ（イコ
ライジング特性）に基づいて各周波数帯域毎に入力オー
ディオ信号のゲインを制御し、ユーザの好みにあった音
質のサウンドを出力するようになっている。

ところで、車載用オーディオ装置においては、フロン
トスピーカとリアスピーカとでは車の制約により口径や
重量その他に差異がある。また、座席によって音響信号
の反射、吸収特性に差がある。このため、自動車内では
座席によって周波数特性が異なってくる。そこで、従来
はどの座席にいる人を主体にするかに応じて、すなわち
リスニングポジションに応じてイコライジング特性をマ
ニュアル操作で調整している。

又、音楽のジャンルによっては低音部を強調したい場
合、高音部を強調したい場合、中音部を強調した場合、
あるいは周波数特性を全体的にフラットにしたい場合等
がある。たとえば、ボーカルの場合には高音部を、ロッ
クの場合には低音部を、ジャズの場合には高低音部を、
クラッシクの場合には中音部をそれぞれ他の周波数帯域
よりある程度強調して聴きたい場合がある。かかる場
合、従来は所望のイコライジング特性となるようにマニ
ュアル操作により調整している。

〈考案が解決しようとする課題〉 このように、従来はシートポジション毎に、あるいは
ジャンル毎にイコライジング特性をマニュアル操作で設
定しなければならず、しかも頻繁にシコライジング特性
を設定する必要があるため、設定操作が面倒で時間を要
するという問題があった。

以上から本考案の目的は、簡単な操作でシートポジシ
ョン、ジャンルを考慮した所望のイコライジング特性を
設定することができる車載用オーディオ装置を提供する
ことである。

〈課題を解決するための手段〉 上記課題は本考案においては、ジャンル別の各種イコ
ライジング特性とシートポジション別の各種イコライジ
ング特性を記憶する手段と、ジャンルを選択するジャン
ル選択手段と、シートポジションを選択するポジション
選択手段と、選択されたジャンル及びシートポジション
のイコライジング特性を用いて総合イコライジング特性
を決定する手段により達成される。

〈作用〉 ジャンル別の各種イコライジング特性とシートポジシ
ョン別の各種イコライジング特性を予め設定しておき、
聴こうとする音楽のジャンルとリスニングポジションで
あるシートポジションが選択された時、該選択されたジ
ャンル及びシートポジションの各イコライジング特性を
加算して総合イコライジング特性を決定し、該総合イコ
ライジング特性をイコライザに入力してオーディオ信号
を制御する。

〈実施例〉 第１図は本考案に係わる車載用オーディオ装置の要部
ブロック図である。図において、１はオーディオ信号の
音質を所定のイコライジング特性に基づいて調整するイ
コライザ部、２はスペアナ部、３はアンプ、４はスピー
カ、５はマイコン構成のコントロール部であり、イコラ
イジング特性決定部5a、イコライジング特性修正部5b、
表示制御部5c及び現在有効な総合イコライジング特性EQ
T、ジャンル別のイコライジング特性EQJ、シートポジシ
ョン別のイコライジング特性EQSをそれぞれ記憶する記
憶部5d等を有している。６はジャンル別の各種イコライ
ジング特性6a、シートポジション別の各種イコライジン
グ特性6bを記憶する不揮発性のイコライジングカーブ記
憶部、７は操作パネルで、表示部7a、各種キー部7bを有
している。

第２図はジャンル別イコライジング特性6aの例であ
り、ボーカル、ロック、ジャズ、クラシックのイコライ
ジング特性EQ21〜EQ51と、フラットなイコライジング特
性EQ11が設定されている。尚、ボーカルのイコライジン
グ特性EQ21は中音部が特に強調され、ロックのイコライ
ジング特性EQ31は低音部が特に強調され、ジャズのイコ
ライジング特性EQ41は高音部が強調され、クラシックの
イコライジング特性EQ51は中音部が比較的強調されてい
る。

第３図はシートポジション別イコライジング特性6bの
例であり、ドライバポジション（パッセンジャポジショ
ン）、リアポジション、フロントポジション、オールポ
ジション毎にイコライジング特性EQ21〜EQ24が設定され
ている。尚、オールポジション以外のイコライジング特
性EQ21〜EQ23は、各ポジションにおいて音場の総合特性
がフラットとなるように設定される。すなわち、所定の
周波数特性の音響信号がスピーカから出力される時、各
シートポジションにおいて該周波数特性の音が聞こえる
ように決定される。

第４図は操作パネル７の表面図であり、表示部7aの第
１表示部11でFM/AMの別、同調周波数等の表示が行わ
れ、第２表示部12でスペアナ表示、イコライジングカー
ブの表示が行われ、第３表示部（ジャンルインジケー
タ）13で選択されたジャンル名表示が行われる。

操作キーとしては、（１）ジャンルを選択すると共
に、イコライジング特性のマニュアル設定時にレベルア
ップを指示するキー21、（２）シートポジションを選択
すると共に、イコライジング特性のマニュアル設定時に
レベルダウンを指示するキー22、（３）イコライジング
特性のマニュアル設定を指示するキー23等がある。尚、
7cはカセット挿入／排出口である。

以下、ジャンル選択、シートポジション選択、イコラ
イジング特性のマニュアル作成について第１図の全体的
動作を説明する。

（Ａ） ジャンル選択 予め、不揮発性のイコライジングカーブ記憶部６にジ
ャンル別イコライジング特性6a及びシートポジション別
イコライジングカーブ特性6b（第２図、第３図参照）を
記憶しておく。

かかる状態において、音楽のジャンルを選択するに
は、まずキー21を押圧する。これにより、表示性部5cは
最初のジャンルであるフラットを示すインジケータ「FK
AT」を点灯すると共に、そのイコライジングカーブを第
２表示部12に第５図（ａ）に示すように表示する。又、
イコライジング特性決定部5aは、選択されたジャンルの
イコライジング特性EQJと既に選択されているポジショ
ンのイコライジング特性EQSを周波数（60Hz,125Hz,250H
z,500Hz,1KHz,3.5KHz,10KHz）毎に加算して総合イコラ
イジング特性EQTを求め、該イコライジング特性EQTをイ
コライザ部１に入力しオーデョオ信号のゲインを各周波
数帯域毎に制御させる。

以後、キー21が押圧される毎にジャンルをフラット→
ボーカル→ロック→ジャズ→クラッシク→フラット・・
・・ と変化し、同時にそれぞれのイコライジングカーブ（第
５図参照）を表示すると共に、総合イラコイジング特性
を求め、該イコライジング特性に基づいてオーディオ信
号を制御する。

そして、キー21が所定時間例えば５秒間押圧されない
と表示制御部5cは最終的に選択したジャンルのイコライ
ジングカーブの表示を消し、代わって、スペアナ部２か
ら入力された信号レベルに基づいてスペクトラム・アナ
ライザ表示（スペアナ表示）する。

（Ｂ） シートポジヨン選択 リスニング・ポジションに合わせた音場補正を行うた
めに、シートポジション（座席）を選択するには、キー
22を押圧する。これにより、表示制御部5cは第６図
（ａ）に示すように第２表示部12の右上1/4領域を点灯
して、最初のシートポジションであるドライバポジショ
ンを指示する。また、イコライジング特性決定部5aは、
選択されたポジションのイコライジング特性EQSと既に
選択されているジャンルのイコライジング特性EQJを周
波数毎に加算して総合イコライジング特性EQTを求め、
該イコライジング特性をイコライザ部１に入力しオーデ
ィオ信号のゲインを各周波数帯域毎に制御させる。

以後、キー22が押圧される毎にシートポジションを ドライバ→パッセンジャ（助手席）→リア→フロント
→全席→ドライバ・・・・ と変化し、同時にそれぞれのポジション（第６図参照）
を第２表示部12に表示すると共に、総合イコライジング
特性を求め、該イコライジング特性に基づいてオーディ
オ信号を制御する。

そして、キー22が所定時間例えば５秒間押圧されない
と表示制御部5cは最終的に選択したポジションを示す表
示を消し、代わって、スペアナ部２から入力された信号
レベルに基づいてスペアナ表示する。

（Ｃ） イコライジング特性のマニュアル作成 ジャンル別の各イコライジング特性は予めメーカサイ
ドで設定されるため、該特性をユーザの好みの特性に変
更したい場合がある。かかる場合には、キー23を押圧す
る。これにより、表示制御部5cは現在選択されているジ
ャンルのイコライジング特性EQJを第２表示部12に表示
する。

ついで、キー23を押圧して所望の周波数を選択する。
尚、キー23を押圧する毎に周波数は 60Hz→125Hz→250Hz→500Hz→1KHz→3.5KHz→10KHz→
60Hz・・・ と変化する。そして、周波数が選択されると表示制御部
5cはイコライジングカーブにおける該周波数のゲインを
示すバー状ドットを点滅する。

かかる点滅状態において、ゲインアップキー、ゲイン
ダウンキーとなる各キー21、22を押圧し、イコライジン
グ特性修正部5bの制御でゲインを所望の値に設定する。
尚、キー21を押圧する毎に2dBづつアップし、又キー22
を押圧する毎に2dBづつダウンするから、これらキーを
用いて±12dBの範囲でゲイン調整を行う。所定周波数に
ついてゲインの設定が完了すれば、キー23を押圧して次
の周波数を選択して同様の操作を行う。

尚、表示制御部5cは設定されたゲインに従ってイコラ
イザカーブを修正表示し、又、イコライジング特性決定
部5aは、修正されたイコライジング特性EQJと既に選択
されている座席のイコライジング特性EQSを周波数毎に
加算して総合イコライジング特性EQTを求め、該イコラ
イジング特性をイコライザ部１に入力しオーディオ信号
のゲインを各周波数帯域毎に制御させる。

キー21、22が所定時間例えば５秒間連続して操作され
ないと表示制御部5cはイコライジングカーブの表示を消
し、代わって、スペアナ部２から入力された信号レベル
に基づいてスペアナ表示する。

〈考案の効果〉 以上本考案によれば、ジャンル別のイコライジング特
性とシートポジション別のイコライジング特性を予め設
定しておき、聴こうとする音楽のジャンルとリスニング
・ポジションであるシートポジションが選択された時、
該選択されたジャンル及びシートポジションの各イコラ
イジング特性を加算して総合イコライジング特性を決定
し、該総合イコライジング特性をイコライザに入力して
オーディオ信号を制御するように構成したから、簡単な
操作でジャンルとリスニングポジションを考慮した総合
特性を設定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車載用オーディオ装置の要部ブロック
図、 第２図はジャンル別イコライザ特性を示す図表、 第３図はシートポジション別イコライザ特性を示す図
表、 第４図は操作パネルの正面図、 第５図は各ジャンルのイコライジングカーブ表示例、 第６図はシートポジション表示例である。 １……イコライザ部、２……スペアナ部、５……コント
ローラ部、６……イコライジングカーブ記憶部、6a……
ジャンル別イコライジング特性、6c……シートポジショ
ン別イコライジング特性、21……ジャンル選択用のキ
ー、22……シートポジション選択用のキー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定のイコライジング特性に従ってオーデ
   ィオ信号を制御するイコライザと、ジャンル別のイコラ
   イジング特性とシートポジション別のイコライジング特
   性を記憶する手段と、ジャンルを選択するジャンル選択
   手段と、シートポジションを選択するポジション選択手
   段と、前記各選択手段により選択されたジャンルのイコ
   ライジング特性とシートポジションのイコライジング特
   性を合成して総合イコライジング特性を決定してイコラ
   イザに入力する手段を有することを特徴とする車載用オ
   ーディオ装置。