JPH084559Y2 - 面格子の取付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、防犯効果を意図して窓枠の外側の配する面
格子の取付け装置に関するものである。

［従来の技術］ 例えば、実公昭58-56296号公報所載のように、建屋外
壁に取付けた一方のブラケットに設けた透孔に、面格子
の他の一端側に設けたスライド軸の先端を係合させ、屋
内側においてのみスライド軸のスライド操作をできるよ
うにした構造のもの（第一従来例）や、実公昭58-40225
号公報所載のように、面格子の下端に係合折曲片を設
け、この係合折曲片を窓枠の下枠の屋外端に設けた立ち
上り部片に係止させる一方、面格子の上部に屋内側から
の操作により降下させる出入杆を突出させ、その出入杆
と面格子の上端部片とで窓枠上枠の外端部片を挾持させ
るようにした構造のもの（第二従来例）がある。

［考案が解決しようとする課題］ 第一従来例および第二従来例いずれも火災時に屋内側
から面格子を開放できるようにしたものであるが、第一
従来例は、ブラケットを介して面格子を取付けるように
したものであるから、屋外側からブラケットごと取り外
されるおそれがあり、そのためにはブラケットを建屋外
壁から取り外せないように二次加工を施さなければなら
ない。

また、第二従来例は、例えば、火災時などにおいて面
格子を取り外すと、建屋ないし窓枠との関係では面格子
は自由になる構造のため、これを落下させるおそれがあ
り、従って、平常時には面格子の開放操作が容易にでき
ない構造になっている。

本考案はこれら従来例にない構造にして、殊に、第二
従来例の欠点を除去した面格子の取付け装置を提供する
ことを目的として案出したものである。

［課題を解決するための手段］ 面格子の上框と下框の左右両側に、スプリングによっ
て突出方向に付勢させた係合ピンを、上下框間に於いて
互いに同一軸線に位置させて突出自在に設け、該係合ピ
ンが係離する係合孔を窓枠の上枠と下枠に各係合ピンに
対応させてそれぞれ設けると共に、上下框の屋内面に設
けた縦長長孔を通じて上下框内に挿入した螺子の先端を
係合ピンに締付け自在に螺合した構成とする。

［実施例］ 図面は本考案に係る面格子の取付け装置の一実施例を
示し、１は面格子Ｂの上框、２は下框で、上下の各框1,
2の両側には取付け具Ａを組付け、該取付け具Ａを構成
する。

係合ピン６は、第６図で示す通り、上下框1,2間にお
いて互いに同一軸線上に位置するようにして配してあ
る。

取付け具Ａは、フランジ３側を開口して縦設した案内
穴４を備えた主体５の案内穴４に前記係合ピン６を縦動
自在に係合して構成し、主体５を前記框1,2に設けた透
孔７に嵌入させ、該主体５の周側に設けた弾性の係止部
片８とフランジ３とで前記透孔７を構成する框部片
１′,2′を挾持させるようにして框1,2に組付けたもの
である。

図示９は案内穴４の奥壁４′と係合ピン６間に介在さ
せたスプリングで、係合ピン６の先端はこのスプリング
９によって案内穴４すなわち框1,2より突出方向に付勢
され、係合ピン６の先端６′はこのスプリング９に抗し
て案内穴４すなわち框1,2内に収まるようになってい
る。

10は上下框1,2の屋内側面1a,2aに設けた縦長の長孔
で、この長孔10を通じて螺子11の先端11′を框1,2内に
挿入し、長孔10より貫通した該先端を主体５の長孔16を
通じて前記係合ピン６に横設した螺子孔12に締付け自在
に螺合し、螺子孔12は係合ピン６の基端６″側に設けて
ある。

13は前記面格子Ｂを窓枠Ｃに嵌合したとき、前記係合
ピン６の対応位置に設けた係合孔で、ピン６が係離自在
に係合する係合孔13は窓枠Ｃの上枠14と下枠15に設けて
ある。

しかして、係合ピンの先端６′が案内穴４に納まった
位置において螺子11を締付けた後、面格子Ｂを窓枠Ｃに
嵌合し、次いで、螺子11を緩めると係合ピン６の先端
６′はスプリング９の付勢によって框1,2ないし取付具
主体５より突出して上下枠14,15に設けた係合孔13,13に
係合して面格子Ｂは窓枠Ｃに組付けられる。

また、内外障子20,21のガラスパネル22の清掃等の必
要時には、上下框1,2の一側側の取付け具Ａの係合ピン
６を螺子11によって縦動させて、該先端６′を係合孔13
より離脱させて框1,2内に後退せしめ、螺子11を締付け
て該後退状態を保持させると、面格子Ｂの一側側は窓枠
Ｃに対して自由になり、上下框1,2の他の一側側の取付
け具Ａの係合ピン６を回動中心軸として面格子Ｂを回動
開放させることができる。

なお、図示17は主体５に設けた長孔18の縁部に一端を
係止するようにし、他の一端を係合ピン６に嵌入させた
規制ピンで、この規制ピン17は誤操作によって螺子11を
係合ピン６より離脱させて、スプリング９の付勢によっ
て係合ピン６が主体５より外れないよう機能するための
ものである。

［考案の効果］ 本考案は前記の通りの構成であるから、既設の窓枠に
簡単な加工を施すことによって面格子を取付けることが
でき、面格子を取付ける専用の窓枠を準備する必要がな
く、しかも、取り外し操作は屋内側から行う必要がある
ので防犯効果が損なわれることもない。

また、火災、清掃時の必要な際には、上下框の一側側
の係合ピンを係合孔から離脱させ、他の一側側の係合ピ
ンを回動中心軸として面格子を回動開放させることがで
き、屋内側からの開放操作を容易に行える装置を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる面格子の取付け装置の一実施例を
示し、第１図は縦断面図、第２図は要部の縦断正面図、
第３図は第２図の中央縦断面図、第４図は取付具の分解
斜視図、第５図は取付具主体と規制ピンの関係を示す斜
視図、第６図は配置関係を示す斜視図である。 Ｂ……面格子、６……係合ピン、９……スプリング 10……長孔、11……螺子、13……係合孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】面格子の上框と下框の左右両側に、スプリ
   ングによって突出方向に付勢させた係合ピンを、上下框
   間に於いて互いに同一軸線に位置させて突出自在に設
   け、該係合ピンが係離する係合孔を窓枠の上枠と下枠に
   各係合ピンに対応させてそれぞれ設けると共に、上下框
   の屋内面に設けた縦長長孔を通じて上下框内に挿入した
   螺子の先端を係合ピンに締付け自在に螺合した、面格子
   の取付け装置。