JPH084303A - 建築物の構築工法 - Google Patents

建築物の構築工法

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JPH084303A
JPH084303A JP13567294A JP13567294A JPH084303A JP H084303 A JPH084303 A JP H084303A JP 13567294 A JP13567294 A JP 13567294A JP 13567294 A JP13567294 A JP 13567294A JP H084303 A JPH084303 A JP H084303A
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main
building
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anchor
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JP13567294A
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Inventor
Hiroshi Nakanishi
宏 中西
Yoshio Inoue
喜雄 井上
Yoshihiro Hamazaki
義弘 浜崎
Takao Nanjiyou
孝夫 南絛
Takeshi Mitamura
武 三田村
Masayuki Akiyama
正幸 穐山
Yuichi Mimura
裕一 三村
Hiroharu Shiotani
弘治 塩谷
Tamotsu Kitanobou
保 北之防
Hiroshi Tomioka
洋 富岡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物等の引上げ時の主柱の傾きを効果的に
阻止しながらスムーズな構造物の引上げを行う。 【構成】 各主柱12の上端部に梁16を介してジャッ
キ18を設置し、各主柱12よりも内側方の箇所におい
て上記ジャッキ18から懸垂されるワイヤー20により
構造物25を引上げることにより建築物10を構築す
る。この際、梁16と基礎11との間にアンカーワイヤ
ー21を張架し、構造物25の引上げ荷重により上記主
柱12の上端部に作用する転倒モーメントに対抗するモ
ーメントがこの主柱12に作用するようにアンカーワイ
ヤー21の張力を設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地上等で構築されたメ
ガトラス等の構造物を、主柱の上端部より懸垂される吊
材により所定高さまで引上げて主柱に結合する建築の構
築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の構築工法において
は、先ず、主柱を立設した後、この主柱の上端部にクレ
ーン等の引上げ手段を設置し、地上で構築されたメガト
ラス(トラス構造を有する巨大構造物)等の構造物を引
上げ手段より懸垂されるワイヤー等の吊材により所定の
高さまで引上げて主柱に結合するようにした構築工法が
知られており、高層建築、あるいは超高層建築の分野で
適用されている(特開平5−230891号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の構築
工法では、構造物を引き上げる吊材が支持部材(クレー
ンのアーム等)を介して主柱の中心からずれた位置より
懸垂されるのが一般的であり、構造物を引上げる際に
は、構造物の引上げ荷重によるモーメント(転倒モーメ
ント)が主柱の上端部に作用している。この転倒モーメ
ントは引上げ荷重が大きく、かつ吊材の懸垂位置が主柱
の中心から離れるほど大きくなる。従って、上記メガト
ラスのような超重量物を引き上げる際には、過大な転倒
モーメントが主柱の上端部に作用し、これにより主柱が
傾く虞がある。しかし、このような主柱の傾きは、後の
構造物の引上げ作業、あるいは構造物と主柱との結合作
業等に支障をきたすことになるので極力防止する必要が
ある。
【0004】そこで、このような事態を回避すべく、上
記吊材を主柱の中心に極力近い位置より懸垂したり、あ
るいは構造物重量の軽減を図る等して上記転倒モーメン
トを小さくして構造物を引上げるのが望ましいが、建築
物の構造上、これにもおのずと限界がある。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、主柱の傾きを効果的に阻止しながらス
ムーズな構造物の引上げを行うことができる建築物の構
築工法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
メガトラス等の構造物を、主柱の上端部で、この主柱の
中心からずれた位置より懸垂される吊材により所定高さ
まで引上げてこの主柱に結合する建築物の構築方法にお
いて、上記主柱の上端部と地上固定部とに亘ってアンカ
ー部材を張架し、上記構造物の引上げ時に、この構造物
の引上げ荷重により上記主柱に作用する転倒モーメント
に対抗するモーメントが上記主柱に作用するように上記
アンカー部材の張力を設定して上記構造物を引上げるも
のである。
【0007】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の建築物の構築工法において、上記地上固定部にアンカ
ー巻き取り手段を設けたものである。
【0008】請求項3に係る発明は、上記請求項1記載
の建築物の構築工法において、上記地上固定部にアンカ
ー巻き取り手段を設け、このアンカー巻き取り手段に上
記アンカー部材を連結したものである。
【0009】請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至
3のいずれかに記載の建築物の構築工法において、上記
地上固定部を上記主柱の基礎をしたものである。
【0010】請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至
4のいずれかに記載の建築物の構築工法において、上記
構造物と上記主柱との間に転動部材を介在させるもので
ある。
【0011】請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至
5のいずれかに記載の建築物の構築工法において、上記
主柱が上記構造物の周囲に複数本配設されるものであっ
て、隣合う主柱同志の上端部と下端部位とに亘ってワイ
ヤーブレスを張架したものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、アンカー部材によって、構造
物の引上げ荷重により主柱に作用する転倒モーメントに
対抗するモーメントが支柱に作用し、これにより主柱の
傾きが阻止され、主柱の鉛直状態がより良く維持される
(請求項1)。
【0013】この場合、地上固定部にアンカー巻き取り
手段を設け、これに上記アンカー部を連結するようにす
れば、アンカー部材の張力調整を行うことが可能とな
り、アンカー部材の伸縮による張力変化等に有効に対応
することが可能となる(請求項2)。なお、この発明に
おいて「巻き取り」とは、ドラム、リール等にアンカー
部材を巻き取る場合以外に、ジャッキ等によりアンカー
部材を引き込む場合も包含する趣旨である。
【0014】また、上記地上固定部に吊材巻き取り手段
を設けるとともに、上記主柱上端部にガイド手段を設
け、吊材をガイド手段を介して地上固定部に導いて吊材
巻き取り手段に連結し、この吊材巻き取り手段の駆動に
より上記構造物を引上げられるようにすれば、ガイド手
段と地上固定部との間において上記吊材に作用する引張
り荷重により上記転倒モーメントに対向するモーメント
が支柱に作用する(請求項3)。
【0015】さらに、主柱を支持する基礎を地上固定部
とすれば、アンカー部材等を強固に支えることが可能に
なるとともに、アンカー部材を主柱に沿ってほぼ鉛直に
張架することが可能となる(請求項4)。
【0016】加えて、構造物と主柱との間に転動部材を
介在させて構造物を引上げるようにすれば、よりスムー
ズに構造物を引上げることが可能となり、構造物と主柱
との衝突による双方の損傷等を抑制することが可能とな
る(請求項5)。
【0017】また、主柱が構造物の周囲に複数本配設さ
れる場合、例えば、平面視で正方形のコーナ部分に主柱
が立設され、その内側方において構造物が構築されて引
上げられる場合等には、隣合う主柱同志の上端部と下端
部位とに亘ってワイヤーブレスを張架して構造物を引上
げるようにすれば、風荷重等によって構造物が回動し、
これにより各主柱が構造物に押圧されても、各主柱が各
ワイヤーブレスに支えられて傾く等することがない(請
求項6)。
【0018】
【実施例】本発明に係る建築物の構築工法について図面
を用いて説明する。
【0019】図1は、本発明にかかる構築工法の一例を
説明する平面図、図2は、図1における正面図である。
これらの図は、それぞれ複数層からなる高層建築物10
の第1層部分の構築段階を概略的に示している。
【0020】より詳細に説明すると、断面方形の四本の
主柱12が設けられ、これらの各主柱12がそれぞれ平
面視で正方形の各コーナ部となる位置に立設されてい
る。
【0021】各主柱12の上端部には梁16が固定さ
れ、これらの梁16に後述の構造物25を引上げるため
の、例えばラチェット機構等を有したジャッキ18がそ
れぞれ設置されている。各ジャッキ18は、同図に示す
ように、梁16において上記主柱12から内側方に突出
する部分、すなわち平面視で四本の主柱12により囲ま
れた部分の内側方に突出する部分に設置されており、各
ジャッキ18からそれぞれワイヤー20が導出、懸垂さ
れている。また、各主柱12の上端部近傍には、それぞ
れブラケット14が設けられ、引上げられた構造物25
がこれらの各ブラケット14に結合されるようになって
いる。
【0022】上記梁16において、上記主柱12から外
側方に突出する部分、すなわち平面視で各主柱12によ
って囲まれた部分の外側方に突出する部分には、アンカ
ーワイヤー21が結合され、これらの各アンカーワイヤ
ー21が地上の固定部との間に張架されている。正確に
は、基礎11上にそれぞれ固定されたジャッキ22から
導出されるアンカーワイヤー21の先端部が上記梁16
の下面部分に結合されている。そして、上記ジャッキ2
2の操作により上記アンカーワイヤー21が引き込まれ
ることにより各アンカーワイヤー21がそれぞれ所定の
張力で張架されている。
【0023】また、上記各主柱12の上端部には、一対
のワイヤーブレス23,24が結合され、これらの各ワ
イヤーブレス23,24がそれぞれ隣合う主柱12の基
礎11との間に張架されている。なお、以後の説明の便
宜上、主柱12と、この主柱12に対して時計周り(図
1で時計周り)に隣合う主柱12の基礎11との間に張
架されるワイヤーブレスをワイヤーブレス24、また、
この主柱12に対して反時計周り(図1で反時計周り)
に隣合う主柱12の基礎11との間に張架されるワイヤ
ーブレスをワイヤーブレス23と区別することにする。
【0024】一方、上記各主柱12によって囲まれた部
分の内側方では、その地上部分において構造物25が構
築されている。図示の例において、構造物25はトラス
構造を有する巨大構造物(メガトラス)であり、平面視
で略正方形に形成されている。構造物25の上面コーナ
部分には、上記ジャッキ18から懸垂されるワイヤー2
0の先端部に具備された図外の係合部材が係合されてい
る。
【0025】また、上記構造物25の上面コーナ部分に
は、図3及び図4に詳しく示すように、それぞれ上記各
主柱12の側面に対向する部分が設けられ、この部分に
ガイドローラ27を具備する一対のアタッチメント26
がそれぞれ取付けられ、各ガイドローラ27がそれぞれ
主柱12の側面に当接している。これにより構造物25
が上方へ引き上げられる際には、各アタッチメント26
のガイドローラ27が主柱12の側面上を転動して、構
造物25をガイドするようになっている。
【0026】次に、上記建築物10の構築工法について
説明する。
【0027】先ず、地上に立設された主柱12の梁16
にそれぞれジャッキ18が設置されるとともに、各主柱
12の基礎11にジャッキ22が設置される。各ジャッ
キ22からはアンカーワイヤー21が導出され、これら
が上記各梁16に結合されて所定の張力で張架される。
また、隣合う各主柱12の上端部と基礎11との間に所
定の張力でワイヤーブレス23,24が張架される。
【0028】一方、上記各主柱12により囲まれた内側
方の地上部分では、上述の作業と並行して、構造物25
の構築が行われ、この構造物25の構築が完了すると、
上記各ジャッキ18からワイヤー20が導出され、各ワ
イヤー20がそれぞれ構造物25の上面コーナ部分に係
合される。そして、上記各ジャッキ18が操作されるこ
とにより構造物25が一定量ずつ上方に引上げられる。
【0029】このようにして構造物25の引き上げが開
始されると、この構築工法では、主柱12の中心から内
側方にずれた位置より懸垂されるワイヤー20により構
造物25が引き上げられるため、構造物25の引上げ荷
重による転倒モーメント(図3の矢印19aに示す)が
主柱12の上端部に作用し、これにより各主柱12を内
側方に傾ける力(図5の矢印に示す)が各主柱12に加
わることになる。
【0030】しかし、上記転倒モーメントが主柱12に
作用して各主柱12が内側方に傾こうとすると、上記各
アンカーワイヤー21に張力が加わり、これにより上記
転倒モーメントに対抗するモーメント(図3の矢印19
bに示す)が主柱12に作用することになる。これによ
り構造物25の引上げ荷重による主柱12の傾きが阻止
される。
【0031】ところで、この構築工法においては、作業
環境の変化等により上記アンカーワイヤー21に伸縮が
生じる虞があるが、アンカーワイヤー21に伸縮が生じ
た場合には、上記ジャッキ22を操作してアンカーワイ
ヤー21を引込み、あるいは送り出すことにより上記ア
ンカーワイヤー21の張力を調整することにより、適切
に主柱12の傾きを阻止することができる。
【0032】また、構造物25の引上げ時には、風荷重
等により構造物25が図6の一点鎖線に示すように時計
周りに回動する場合があり、このような場合には各主柱
12が構造物25によって押圧され、各主柱12に、そ
れぞれ互いにねじれる方向(図6の実線矢印方向)に傾
ける力が加えられることになる。
【0033】しかし、この構築工法では、上述の力が作
用することにより各主柱12が傾こうとすると上記ワイ
ヤーブレス23に張力が加わり、これにより各主柱12
の傾きが阻止される。また、図示していないが、構造物
25が反時計周りに回動して各主柱12が押圧された場
合には、ワイヤーブレス24に張力が加わり、これによ
り各主柱12の傾きが阻止される。
【0034】このようにして上記構造物25が所定高さ
(図2の破線)まで引き上げられると、構造物25が上
記各ブラケット14を介して各主柱12に結合され、こ
れにより第1層部分の構築が完了する。
【0035】以上説明したように、上記建築物10の構
築工法によれば、主柱12の上端部と基礎11とに亘っ
てアンカーワイヤー21を所定の張力で張架したので、
メガトラス等の構造物25を、主柱12の中心からずれ
た位置より懸垂されるワイヤー20により引上げながら
も、構造物25の引上げ荷重による主柱12の内側方へ
の傾きを効果的に阻止することができる。また、各主柱
12上端部と、隣合う主柱12の基礎とに亘ってワイヤ
ーブレス23,24を張架したので、これにより構造物
25の回動による各主柱12のねじれ方向の傾きをも阻
止することができる。従って、上述の構築工法によれ
ば、作業時の主柱12の鉛直状態をより良く維持するこ
とができる。
【0036】さらに、上記の構築工法では、構造物25
のコーナ部分にアタッチメント26を取付け、これに具
備されたガイドローラ27を主柱12の側面に当接、転
動させながら構造物25を引上げるようにしているの
で、構造物25をスムーズに引上げることができるとと
もに、構造物25と主柱12との衝突による双方の損傷
を阻止することができるという利点がある。
【0037】なお、以上説明した建築物10の構築工法
は、本発明に係る建築物の構築工法の一実施例であっ
て、具体的な工法については、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施例で
は、構造物25を引上げる手段としてジャッキ18を用
いた例について説明したが、構造物25を引上げる手段
としてクレーンを用いても構わない。但し、構造物25
の引上げ荷重により主柱12に作用する転倒モーメント
を小さくする観点から、主柱12に近い場所に設置で
き、それ故に主柱12の中心に近い場所からワイヤー2
0を懸垂することが可能なジャッキ18を用いる方が望
ましい。
【0038】また、上記実施例では、予めアンカーワイ
ヤー21の張力を設定するようにしているが、構造物2
5の引上げに応じて、上記ジャッキ22を随時操作しな
がら、上記転倒モーメントに対抗するモーメントが上記
主柱12に作用するようにしても構わない。
【0039】さらに、上記実施例では、主柱12の上端
部と基礎11との間にアンカーワイヤー21を張架して
主柱12の傾きを阻止するようにしているが、例えば、
図7に示すように上記梁16及び基礎11にそれぞれ滑
車30,32を設け、上記ワイヤー20をこれらの滑車
30を介して地上に導いて巻き取るようにしてもよい。
この場合にも、構造物25の引上げ荷重により主柱12
に作用する転倒モーメントに対抗するモーメントを主柱
12に作用させることができ、上記実施例同様に、主柱
12の傾きを効果的に阻止することができる。特に、こ
れによれば、ワイヤー20が上記アンカーワイヤー21
の機能を兼ねることになるので、施工部材を削減するこ
とができる。しかも、地上でワイヤー20を巻き取るの
で、高所作業を軽減することができるという利点もあ
る。
【0040】また、上記実施例では、建築物10の第1
層部分の構築のみについて説明しているが、勿論、第2
層部分、あるいはそれより上層の部分を構築する場合も
同様にして構築することができる。例えば、第2層部分
を構築する場合には、上記実施例のように構造物25を
引き上げて主柱12に結合した後、主柱12の上部に更
に主柱を継ぎたすとともに、その上端部にジャッキを設
置し、上記構造物25上で新たな構造物を構築する。そ
して、構造物25上で新たに構築された構造物をジャッ
キ操作により所定高さに引上げた後、新たに継ぎたされ
た主柱に結合することにより2層部分を構築することが
できる。このようにして第2層部分を構築する場合に
は、上記アンカーワイヤー21及びワイヤーブレス2
3,24を、新たに継ぎたされた主柱の上端部分と、主
柱12に結合された第1層部分の上記構造物25との間
に張架するようにすれば、第2層部分を構築する場合に
も、第1層部分を構築する場合同様、主柱の傾きを効果
的に阻止することができる。
【0041】さらに、上記実施例では、アンカーワイヤ
ー21の先端部を、ジャッキ22を介して基礎11に固
定するようにしているが、必ずしも基礎11に固定する
必要はなく、基礎11の側方部分に固定する等してもよ
い。但し、アンカーワイヤー21の先端部を上記実施例
のように基礎11に固定するようにすれば、アンカーワ
イヤー21を強固に支持することができ、しかも、アン
カーワイヤー21を主柱12に沿って鉛直に配すること
が可能となるので、建蔽率が高い建築物の建築現場等で
はスペース的に有利となる。
【0042】加えて、上記実施例では、平面視で正方形
の建築物10を構築する例について説明したが、例え
ば、これ以外に、平面視で五角形、あるいは八角形等の
多角形の建築物を構築する場合にも勿論本願発明の構築
工法を適用することができる。
【0043】また、上記実施例では、四本の主柱12に
それぞれ設置されたジャッキ18により構造物25を引
き上げる場合について説明したが、本願発明の構築工法
は、一本の主柱12の上端部にジャッキ18を設置して
構造物を引き上げる場合にも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、メガト
ラス等の構造物を、主柱の上端部で、この主柱の中心か
らずれた位置より懸垂される吊材により所定高さまで引
上げてこの主柱に結合する建築物の構築方法において、
上記主柱の上端部と地上固定部とに亘ってアンカー部材
を張架し、上記構造物の引上げ時に、この構造物の引上
げ荷重により上記主柱に作用する転倒モーメントに対抗
するモーメントが上記主柱に作用するように上記アンカ
ー部材の張力を設定して上記構造物を引上げるようにし
たので、構造物の引上げ時の主柱の傾きを効果的に阻止
することができ、主柱の鉛直状態をより良く維持するこ
とができる。
【0045】この際、地上固定部にアンカー巻き取り手
段を設け、このアンカー巻き取り手段に上記アンカー部
材を連結するようにすれば、アンカー部材の張力を調整
することが可能となり、アンカー部材の伸縮等による張
力変化に有効に対応することが可能となる。
【0046】また、上記地上固定部に吊材巻き取り手段
を設けるとともに、上記主柱上端部にガイド手段を設
け、上記吊材を上記ガイド手段を介して上記吊材巻き取
り手段に連結するようにすれば、吊材をアンカー部材と
して兼用でき、これにより施工部材の削減が図れ、また
高所での作業を軽減することができる。
【0047】さらに、上記地上固定部として主柱の基礎
を利用すれば、アンカー部材等を強固に支持することが
可能になるとともに、主柱に沿ってほぼ鉛直にアンカー
部材等を張架することができ、これにより施工時の省ス
ペース化を図ることが可能となる。
【0048】加えて、上記構造物と上記主柱との間に転
動部材を介在させて上記構造物を引上げるようにすれ
ば、よりスムーズに構造物を引上げることが可能とな
り、構造物と主柱との衝突による双方の損傷等を防止す
ることが可能となる。
【0049】また、主柱が上記構造物の周囲に複数本配
設されているような場合には、隣合う主柱同志の上端部
と下端部位とに亘ってワイヤーブレスを張架して上記構
造物を引上げるようにすれば、風荷重等によって構造物
が回動し、これにより各主柱が構造物に押圧されるよう
な場合でも、効果的に各主柱の傾きを阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物の構築工法を説明する平面
略図である。
【図2】本発明に係る建築物の構築工法を説明する正面
略図である。
【図3】本発明に係る建築物の構築工法を説明する図2
の要部拡大図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面略図である。
【図5】転倒モーメントの作用による主柱の傾き方向を
示す平面略図である。
【図6】構造物の回動による主柱の傾き方向を示す平面
略図である。
【図7】本発明に係る建築物の構築工法の別の一例を説
明する正面図である。
【符号の説明】
10 建築物 12 主柱 14 ブラケット 16 梁 18,22 ジャッキ 20 ワイヤー 23,24 ワイヤーブレス 25 構造物 26 アタッチメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南絛 孝夫 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 三田村 武 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 穐山 正幸 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 三村 裕一 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 塩谷 弘治 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 北之防 保 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 富岡 洋 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メガトラス等の構造物を、主柱の上端部
    で、この主柱の中心からずれた位置より懸垂される吊材
    により所定高さまで引上げてこの主柱に結合する建築物
    の構築方法において、上記主柱の上端部と地上固定部と
    に亘ってアンカー部材を張架し、上記構造物の引上げ時
    に、この構造物の引上げ荷重により上記主柱に作用する
    転倒モーメントに対抗するモーメントが上記主柱に作用
    するように上記アンカー部材の張力を設定して上記構造
    物を引上げることを特徴とする建築物の構築工法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の建築物の構築工法に
    おいて、上記地上固定部にアンカー巻き取り手段を設
    け、このアンカー巻き取り手段に上記アンカー部材を連
    結したことを特徴とする建築物の構築工法。
  3. 【請求項3】 上記請求項1記載の建築物の構築工法に
    おいて、上記地上固定部に吊材巻き取り手段を設けると
    ともに、上記主柱上端部にガイド手段を設け、上記吊材
    を上記ガイド手段を介して上記吊材巻き取り手段に連結
    したことを特徴とする建築物の構築工法。
  4. 【請求項4】上記請求項1乃至3のいずれかに記載の建
    築物の構築工法において、上記地上固定部が、上記主柱
    の基礎であることを特徴とする建築物の構築工法。
  5. 【請求項5】 上記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    建築物の構築工法において、上記構造物と上記主柱との
    間に転動部材を介在させることを特徴とする建築物の構
    築工法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1乃至5のいずれかに記載の
    建築物の構築工法において、上記主柱が上記構造物の周
    囲に複数本配設されるものであって、隣合う主柱同志の
    上端部と下端部位とに亘ってワイヤーブレスを張架した
    ことを特徴とする建築物の構築工法。
JP13567294A 1994-06-17 1994-06-17 建築物の構築工法 Pending JPH084303A (ja)

Priority Applications (1)

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JP2008532876A (ja) * 2004-12-03 2008-08-21 マニトウォク・クレイン・グループ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 車載式クレーン
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