JP3532161B2 - 鉄塔構築機および鉄塔構築方法 - Google Patents

鉄塔構築機および鉄塔構築方法

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JP3532161B2 JP2001069059A JP2001069059A JP3532161B2 JP 3532161 B2 JP3532161 B2 JP 3532161B2 JP 2001069059 A JP2001069059 A JP 2001069059A JP 2001069059 A JP2001069059 A JP 2001069059A JP 3532161 B2 JP3532161 B2 JP 3532161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄塔を構築するた
めの鉄塔構築機および鉄塔構築方法に関し、詳細には、
例えばラジオ塔や煙突等のように、高さが要求され、形
状が極めてスレンダーとなる柱状鉄塔を構築するための
鉄塔構築機および鉄塔構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄塔には、電波塔、テレビ塔、ラジオ
塔、煙突等がある。これらの鉄塔はいずれも、その機能
的側面、あるいは街のシンボル等としてのデザイン的な
側面等から、一定以上の高さが要求されている。
【0003】このうち、ラジオ塔や煙突等は、前記した
ような側面から高さが要求されるものの、テレビ塔等と
は違い、塔自体の揺れに対してはある程度までは許容で
きる鉄塔である。したがって、従来、ラジオ塔や煙突等
としては、高さが要求され、形状が極めてスレンダーと
なる柱状鉄塔、例えば、直径2m程度の鋼管柱が、高さ
200m程度まで鉛直方向に連結されて成立するような
鉄塔が構築されてきた。
【0004】また、一般に、構造物の施工には、建築用
資機材を揚重するためのクレーンが用いられている。前
記クレーンとしては、例えば、クローラークレーン、サ
イドタワークレーン、クライミングクレーン等が知られ
ている。これらのクレーンは、構造物の形状や高さ、あ
るいは敷地の条件等によって使い分けられている。そし
て、高さが要求され、形状が極めてスレンダーとなる柱
状鉄塔の構築にも前記各クレーンは用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
クレーンを前記柱状鉄塔の構築に用いることは、施工
上、あるいは構造上の諸問題を包含している。
【0006】前記クローラークレーンは、クレーンのブ
ームの基端部が地上に設置された車体に位置し、前記ブ
ームの長さには限界がある。したがって、施工できる構
造物の高さには限界があり、高さが要求される前記柱状
鉄塔の構築には対応できない場合が多い。また、前記ブ
ームを上げ下ろしするための十分な広い敷地が要求され
るため、敷地の状況によっては対応できない場合があ
る。
【0007】また、前記サイドタワークレーンは、その
クレーンマストが、支持盤上に立設し、かつ構造物のあ
る側面に近接するように設けられる。このため、クレー
ンマスト自体に非常に大きい剛性が要求されるととも
に、高さを有する構造物の施工においては、前記クレー
ンマストを上方に延設していく必要がある。したがっ
て、施工費が高価となる。
【0008】さらに、前記クライミングクレーンは、そ
のクレーンマストが構造物のある側面に部分的に係合し
て設けられ、該クレーンマストは構造物に支持される。
このため、クレーンによって建築用資機材を吊上げる際
には、ブームの基端部下方に位置するクレーンマストに
は大きなモーメントが作用する。そして前記クレーンマ
ストは前記構造物に支持されているため、前記構造物に
は該構造物を捻るようなモーメントが作用する。このモ
ーメントは、ブームの基端部と吊上点との水平距離と、
吊上重量との積で表される。ところで、前記柱状鉄塔
は、高さが要求され、形状が極めてスレンダーとなるた
め、鉄塔材自体には大きな水平剛性が要求される。この
ため、鉄塔材の肉厚が大きくなり、吊上げる鉄塔材は、
例えば35t程度の大きな重量となる傾向がある。した
がって、クレーンマストに係合された構造物には、極め
て大きな前記モーメントが作用する。これによって、構
造物には前記モーメントから生じる水平変形を許容変形
に抑えるための非常に大きい水平剛性が要求される。し
かしながら、前記柱状鉄塔においては、前記水平剛性を
確保できない場合が多い。したがって、前記クライミン
グクレーンを用いる工法は極めて不安定な工法である。
【0009】また、前記クライミングクレーンによる工
法において、前記したような構造物の水平剛性不足を補
うために仮設設備を強化することは、高さが要求される
構造物の施工においては非常に困難であるばかりでな
く、施工費を著しく高価なものとしてしまう。
【0010】本発明の課題は、例えば、ラジオ塔や煙突
等のように、高さが要求され、形状が極めてスレンダー
となる柱状鉄塔を、狭い敷地においても確実に、容易か
つ安定的に、しかも安価に構築できるような、鉄塔構築
機および鉄塔構築方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図3に示すよ
うに、構築すべき柱状の鉄塔2を挟む位置に配置される
とともに該鉄塔2に支持される少なくとも一組のマスト
4と、該一組のマスト4をその上端部が構築中の鉄塔2
より上方になるように上昇させる上昇手段(例えば、ガ
イドレール3、クライミングスライダ5)とを備え、前
記一組のマスト4の上端部に作業ヤード6が設けられ、
この作業ヤード6に、構築中の鉄塔2上に継ぎ足すべき
鉄塔材2aを吊上げるための揚重手段(例えば、鉄塔材
吊上機7)が水平移動可能に設けられてなり、前記上昇
手段は、構築すべき鉄塔2を挟むようにして該鉄塔2に
固定された一組のガイドレール3と、前記マスト4に沿
って上下方向に移動可能に設けられたクライミングスラ
イダ5と、鉛直方向に伸縮可能なメインシリンダ5aと
を備え、前記メインシリンダ5aの上端部に前記マスト
4が取り付けられ、下端部に前記クライミングスライダ
5が取り付けられ、前記マスト4はガイドレール3に鉛
直方向に移動可能に設けられており、前記クライミング
スライダ5を前記ガイドレール3にロックした状態で前
記メインシリンダ5aを伸長させることによって、前記
マスト4を前記ガイドレール3に対して上昇させ、前記
マスト4を前記ガイドレール3にロックした状態で前記
メインシリンダ5aを収縮させることによって、前記ク
ライミングスライダ5を前記マスト4およびガイドレー
ル3に対して上昇させることを特徴としている。請求項
2記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、構築
すべき柱状の鉄塔2を挟む位置に配置されるとともに該
鉄塔2に支持される少なくとも一組のマスト4と、該一
組のマスト4をその上端部が構築中の鉄塔2より上方に
なるように上昇させる上昇手段(例えば、ガイドレール
3、クライミングスライダ5)とを備え、前記一組のマ
スト4の上端部に作業ヤード6が設けられ、この作業ヤ
ードに、構築中の鉄塔2上に継ぎ足すべき鉄塔材2aを
吊上げるための揚重手段(例えば、鉄塔材吊上機7)が
水平移動可能に設けられてなり、前記作業ヤード6は、
一組の長辺それぞれの中点近傍において、前記一組のマ
スト4によって支持され、前記作業ヤード6の、前記一
組のマスト4どうしを結ぶ線で分けられる2つのエリア
のうち、一方のエリアには前記揚重手段(例えば、鉄塔
材吊上機7)が設置され、他方のエリアにはジブクレー
ン8が設置されていることを特徴としている。
【0012】請求項1又は2記載の発明によれば、前記
上昇手段によって、前記一組のマストをその上端部が構
築中の鉄塔より上方になるように上昇させていくことに
より、該一組のマストの上端部に設けられる作業ヤード
も前記鉄塔より上方となるように上昇する。これによ
り、マストを上方に延設させる工程を経ることなく、前
記作業ヤードを前記鉄塔より上方に位置させることがで
き、さらに前記揚重手段によって、構築中の鉄塔上に、
継ぎ足すべき鉄塔材を吊上げて継ぎ足すことが可能とな
る。しかも、前記一組のマストは構築中の鉄塔に支持さ
れるので、狭い敷地においても確実に施工を行うことが
できる。したがって、安価に、狭い敷地においても確実
に、前記柱状鉄塔の構築工事を行うことができる。
【0013】また、請求項1又は2記載の発明によれ
ば、構築中の鉄塔上に継ぎ足すべき鉄塔材を吊上げるた
めの揚重手段は、前記一組のマストの上端部に位置する
作業ヤードに設けられている。これにより、前記揚重手
段により鉄塔材を吊上げて鉄塔の構築を行う際、該揚重
手段の吊上点は前記作業ヤードの、前記一組のマスト間
に位置する。したがって、前記吊上げ作業を行う際の、
構築中の鉄塔、前記一組のマスト、前記作業ヤード、か
ら構成される構造体の重心も、前記一組のマスト間近傍
に位置する。ところで、前記構造体の剛性の中心、すな
わち剛心は、明らかに、前記一組のマストの中央付近、
すなわち、構築中の鉄塔の位置近傍に位置する。したが
って、揚重手段による吊上げ作業の際、前記重心と前記
剛心とのずれ、すなわち偏心が小さくなる。これによ
り、前記吊上げ作業時に前記偏心によって生じる、前記
構造体を捻るように作用するモーメントが小さくなり、
したがって、前記モーメントから生じる前記構造体の水
平変形も小さくなる。したがって、吊上げる鉄塔材が大
重量であっても、容易かつ安定的に、前記柱状鉄塔の構
築工事を行うことができる。
【0014】前記鉄塔としては、例えば、角形や円形の
鋼管柱、あるいは、鋼材をトラス状の柱に組み立てたも
の等、が考えられる。
【0015】前記マストとしては、例えば、角形や円形
の鋼管柱、あるいは、鋼材をトラス状の柱に組み立てた
もの等、が考えられる。
【0016】
【0017】前記鉄塔材吊上機を水平移動可能に設ける
には、例えば、前記作業ヤード上に水平移動ガーダを設
け、該鉄塔材吊上機を該水平移動ガーダ上で走行させれ
ばよい。なお、前記鉄塔材吊上機は、解体時に容易に吊
下げ撤去を行うことが可能となるような、分解可能に組
み立てられているものや軽量のものが望ましい。
【0018】また、前記作業ヤード上には、さらに、ガ
イドレールや解体時使用の小型クレーン等を吊上げるた
めのジブクレーン等を設置した方が望ましい。
【0019】なお、前記ジブクレーンは、鉛直軸まわり
に旋回可能なブーム、および、前記作業ヤード上を水平
移動可能な走行台車を備えているものが望ましい。
【0020】また、前記解体の方法としては、例えば、
前記鉄塔材吊上機を前記作業ヤード上で解体した後、前
記ジブクレーンによって吊下げ撤去するとともに、該ジ
ブクレーンによって、他の解体可能な前記マスト等を吊
下げ撤去する。そして、前記ジブクレーンによって、該
ジブクレーンよりも小さいクレーンを前記作業ヤード上
まで吊上げ、該クレーンによって前記ジブクレーン、お
よび他の解体可能な前記マスト等を吊下げ撤去する。さ
らに、前記クレーンによって、該クレーンよりもさらに
小さいクレーンを前記作業ヤード上に設置する、という
具合に、次第にクレーンを小さくしていき、最後のクレ
ーンを人が把持して撤去する、といった一般に行われて
いる解体方法が採用可能である。
【0021】請求項記載の発明は、請求項1又は2
載の鉄塔構築機1によって鉄塔2を構築していく鉄塔構
築方法であって、先ず、構築すべき鉄塔2の下端部を構
成する鉄塔材2(2f)を支持盤(例えば、地盤)上に
立設し、次に、前記鉄塔構築機1を、その少なくとも一
組のマスト4が前記立設された鉄塔材2(2f)を挟む
ようにして、該鉄塔材2(2f)に支持させ、次に、前
記上昇手段(例えば、ガイドレール3、クライミングス
ライダ5)によって、前記一組のマスト4をその上端部
が前記鉄塔材2(2f)より上方になるように上昇させ
ることによって、前記作業ヤード6を前記鉄塔材2(2
f)より上方に上昇させる上昇工程と、この上昇工程
後、前記作業ヤード6上の揚重手段(例えば、鉄塔材吊
上機7)によって、前記鉄塔材2(2f)に次の鉄塔材
2aを吊上げたうえで継ぎ足す継ぎ足し工程とを所定回
数繰り返して行うことを特徴としている。
【0022】請求項記載の発明によれば、構築すべき
鉄塔の下端部を構成する鉄塔材を支持盤上に立設し、前
記鉄塔構築機を、その少なくとも一組のマストが前記立
設された鉄塔材を挟むようにして該鉄塔材に支持させた
後、前記上昇工程と前記継ぎ足し工程とを所定回数繰り
返すことにより、鉄塔が構築される。ここで、前記上昇
工程は、前記作業ヤードが前記鉄塔より上方に位置する
ように、マストを上方に延設させる工程を経ることな
く、前記上昇手段により行われる。しかも、前記一組の
マストは前記鉄塔に支持されるので、狭い敷地において
も確実に施工が行われる。したがって、容易かつ安価
に、しかも狭い敷地においても確実に、前記柱状鉄塔の
構築工事を行うことができる。
【0023】また、請求項記載の発明によれば、前記
継ぎ足し工程の際、構築中の鉄塔、前記一組のマスト、
前記作業ヤード、から構成される構造体の偏心が小さく
なる。これにより、前記偏心によって生じる、前記構造
体を捻るように作用するモーメントが小さくなり、した
がって、前記モーメントから生じる前記構造体の水平変
形も小さくなる。したがって、吊上げる鉄塔材が大重量
であっても、安定的に、前記柱状鉄塔の構築工事を行う
ことができる。
【0024】なお、前記支持盤としては、鉄塔が地盤上
に構築される場合には該地盤であり、鉄塔が構造物の上
部に構築される場合には該構造物である。
【0025】構築すべき鉄塔は、形状が極めてスレンダ
ーになることから、該鉄塔の転倒防止策が施される必要
がある。その一つの方法として、前記鉄塔を、複数の方
向からステーケーブル等の引張材で同時に引張っておく
方法が考えられる。
【0026】請求項記載の発明は、請求項記載の鉄
塔構築方法において、前記鉄塔材を順次継ぎ足して鉄塔
を構築する際に、前記作業ヤード6上の所定箇所から引
張材(例えば、ステーケーブル10)を垂下させるとと
もに、前記支持盤(例えば、地盤12)上に引張力調整
装置11を設け、該引張材を該引張力調整装置11に緊
結しておくことを特徴としている。
【0027】請求項記載の発明によれば、前記作業ヤ
ード上の所定箇所から引張材が垂下され、該引張材が前
記支持盤上に設けられた引張力調整装置に緊結される。
ところで前記したように、前記柱状鉄塔においては、鉄
塔材自体に高い剛性が要求されるため、鉄塔材の肉厚が
大きくなり、したがって、吊上げる鉄塔材は大きな重量
となる傾向がある。このため、前記揚重手段によって前
記鉄塔材を吊上げる際、前記偏心が小さい場合において
も、前記鉄塔材の重量が大きいことによって、前記構造
体を捻るように作用するモーメントが大きくなる場合が
ある。ここで、前記引張力調整装置に緊結された前記引
張材によって、前記作業ヤードを引張ることにより、前
記モーメントに対抗させることができるため、該構造体
の水平変形が防止される。したがって、吊上げる鉄塔材
が大重量であっても、さらに安定的に、前記柱状鉄塔の
構築工事を行うことができる。
【0028】なお、前記所定箇所とは、例えば、前記作
業ヤードの、前記揚重手段の吊上点とは前記一組のマス
トを挟んで反対側の位置である。
【0029】また、前記引張力調整装置に荷重検知セン
サを設けておき、前記バックステーケーブルがウィンチ
によって自動的に巻き取られ、または巻き出されるよう
にすることで、該バックステーケーブル10の引張力が
自動調整される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鉄塔構築機お
よび鉄塔構築方法の実施の形態について詳細に説明す
る。先ず、前記鉄塔構築機の、主に構成等について説明
する。
【0031】図1〜図3において、符号1は本発明に係
る鉄塔構築機を示す。図1〜図2に示すように、構築す
べき鉄塔2の両側には、該鉄塔2を挟むようにして一組
のガイドレール3が設けられている。前記ガイドレール
3(上昇手段)を挟むようにして、かつ、該ガイドレー
ル3に対して鉛直方向に移動可能に、一組のマスト4が
設けられている。前記マスト4には、前記ガイドレール
3に係合して、該一組のマスト4を前記鉄塔2に対して
上昇させるためのクライミングスライダ5(上昇手段)
が設けられている。前記一組のマスト4の上端部には作
業ヤード6が形成されており、該作業ヤード6上には、
主に鉄塔材2a等の重量部材を吊上げるための鉄塔材吊
上機7(揚重手段)と、主に、ガイドレール3や解体時
使用の小型クレーン等を吊上げるためのジブクレーン8
とが設置されている。前記鉄塔2は、複数の方向からス
テーケーブル9によって引張られており、これによっ
て、該鉄塔2の転倒が防止されている。作業ヤード6
の、前記鉄塔材吊上機7とは前記一組のマスト4を挟ん
で反対型からは、バックステーケーブル10(引張材)
が垂下されており、地盤12中に設けられている引張力
調整装置11に緊結されている。前記引張力調整装置1
1には、図示しない荷重検知センサが設けられており、
前記バックステーケーブル10が、図示しないウィンチ
によって自動的に巻き取られまたは巻き出されることに
より、該バックステーケーブル10の引張力が自動調整
されるようになっている。
【0032】前記鉄塔材吊上機7には、図3に示す水平
移動ガーダ6c上を走行可能とする走行台車7aや、鉄
塔材2aを吊上げるためのウィンチ7bが備えられてい
る。前記ジブクレーン8には、前記作業ヤード6上を走
行可能な走行台車8aや鉛直軸廻りに旋回可能なブーム
8bが備えられている。前記ジブクレーン8によって、
前記鉄塔材吊上機7による鉄塔材2aの吊上げ作業の補
助や、ガイドレール3や解体時使用の小型クレーン等を
吊上げる作業を行うことが可能である。
【0033】図2に示すように、前記一組のマスト4の
上端部近傍には、それぞれ一本のマスト4につき2本の
補強材6aが、該マスト4と前記作業ヤード6とを繋ぐ
ように、斜め方向に設けられている。鉄骨部材である前
記補強材6aによって、前記作業ヤード6が前記一組の
マスト4に安定的に支持されている。
【0034】図3に示すように、前記一組のマスト4の
上端部には、矩形状の作業ヤード6が形成されている。
前記作業ヤード6は、一組の長辺それぞれの中点近傍に
おいて、前記一組のマスト4によって支持されている。
前記作業ヤード6の、前記一組のマスト4どうしを結ぶ
線で分けられる2つのエリアのうち、一方のエリアには
前記鉄塔材吊上機7が設置され、他方のエリアには前記
ジブクレーン8が設置されている。前記作業ヤード6上
には、その長辺方向に、互いに平行となるように2本の
水平移動ガーダ6cが設けられており、前記鉄塔材吊上
機7は該水平移動ガーダ6cに案内されて、作業ヤード
6上を水平方向に移動可能である。前記作業ヤード6の
うち、前記鉄塔材吊上機7が水平移動する範囲において
は吹抜け6bが形成されており、これによって、該鉄塔
材吊上機7が鉄塔材2aを吊上げながら前記作業ヤード
6上を水平移動することが可能である。前記作業ヤード
6の長辺側の縁部には、歩廊6dおよび手摺6eが設け
られている。
【0035】図4に示すように、前記鉄塔2には、ブラ
ケット2bが所定間隔で設けられており、前記ガイドレ
ール3にも、ブラケット3aが所定間隔で設けられてい
る。前記ガイドレール3はそのブラケット3aを、前記
鉄塔2の前記ブラケット2bにボルト固定あるいは溶接
固定されており、該ガイドレール3と該鉄塔2との固定
は、該固定部に設けられるガイドレール支持梁2cによ
って補強されている。前記ガイドレール3には、後述す
る、上部ロックピン5d、下部ロックピン5f、クライ
ミングストッパ5gの端部5h等が挿入されるための溝
3bが、所定間隔で形成されており、これによって、前
記マスト4と前記ガイドレール3とが係合できるように
なっている。
【0036】前記ガイドレール3の、前記鉄塔2側の反
対側には、前記マスト4が、該ガイドレール3に沿って
鉛直方向に移動可能に設けられている。前記マスト4に
は、前記ガイドレール3を押圧できるような、クライミ
ングローラ4aが、上下に、ガイドレールを挟んで互い
に逆側に、2箇所設けられている。前記クライミングロ
ーラ4aによって、前記マスト4が前記ガイドレール3
に対して水平方向に不動とされ、さらに鉛直方向に移動
可能である。前記上下2箇所のクライミングローラ4a
それぞれの、前記ガイドレール3に対して反対側には、
水平方向に伸縮可能な隙間調整シリンダ4bが設けられ
ている。前記隙間調整シリンダ4bによって、前記クラ
イミングローラ4aは前記ガイドレール3を適切な圧力
で押圧することが可能であり、したがって、前記マスト
4は前記ガイドレール3に沿って、安定的に鉛直方向に
移動可能である。
【0037】前記マスト4には、鉛直方向に伸縮可能な
メインシリンダ5aが固定されており、該メインシリン
ダ5aの下端部には、前記マスト4に沿って上下方向に
移動可能なクライミングスライダ5が形成されている。
立体状のフレームで形成されている前記クライミングス
ライダ5には、前記マスト4を両側から押圧することが
可能となる、クライミングローラ5bが計6個設けられ
ている。前記クライミングローラ5bによって、クライ
ミングスライダ5は前記マスト4に沿って安定的に鉛直
方向に移動可能である。
【0038】前記メインシリンダ5aの上端部近傍に
は、水平方向に伸縮可能な上部ロックシリンダ5cが設
けられており、該上部ロックシリンダ5cの先端部に
は、上部ロックピン5dが設けられている。前記上部ロ
ックシリンダ5cを伸長させて前記上部ロックピン5d
を、ガイドレール3に設けられている前記溝3bに挿入
することにより、前記マスト4を前記ガイドレール3に
対して鉛直方向にロックすることが可能である。前記ク
ライミングスライダ5には、水平方向に伸縮可能な下部
ロックシリンダ5eが設けられており、前記下部ロック
シリンダ5eの先端部には、下部ロックピン5fが設け
られている。前記下部ロックシリンダ5fを伸長させて
前記下部ロックピン5fを、ガイドレール3に設けられ
ている前記溝3bに挿入することにより、前記マスト4
を前記ガイドレール3に対して鉛直方向にロックするこ
とが可能である。
【0039】前記マスト4の下端部には、クライミング
ストッパ5gが回動可能に、これによって、前記ガイド
レール3に設けられている前記溝3bに対して係脱可能
に設けられている。前記クライミングストッパ5gを回
動させることにより、該クライミングストッパ5gの端
部5hを、前記溝3bに挿入したり、前記溝3bから外
したりすることが可能である。
【0040】次に、本発明に係る鉄塔構築機を用いて鉄
塔2の構築を行う方法を、工程ごとに詳細に説明する。
なお、図4は、鉄塔2の構築工程のフローを示す図であ
る。
【0041】[脚部構築工程]図6に示すように、構築
すべき鉄塔2の脚部を構築する[脚部構築工程]につい
て説明する。先ず、鉄塔2を構築する箇所の下方の地盤
12に、図示しない杭、フーチング等を適切に設けてお
く。次に、脚部フレーム2dを、図示しないラフターク
レーンによって吊上げて前記杭上部に設置する。次に、
前記ラフタークレーンによって第1節鉄骨建方、すなわ
ち、下端部の鉄塔材2(2f)の前記脚部フレーム2d
上部への連結、を行う。この際、予め鉄塔材2(2f)
の上端部に取り付けておいたステーケーブル9を、複数
の方向から同時に引張ることにより、該鉄塔材2(2
f)の転倒を防止するとともに、該鉄塔材2の鉛直精度
を調整しながら前記連結作業を行う。また、脚部フレー
ム2dと前記鉄塔材2(2f)との間には球面台座2e
を設けておく。これにより、鉄塔材2(2f)の下端部
がピン支持となり、前記鉄塔材2(2f)の下端部にモ
ーメントが作用することが防止されるため、安定的に、
鉄塔2の構築を行うことが可能である。なお、前記鉄塔
材2(2f)には、予めブラケット2bを所定間隔で設
けておく。
【0042】[鉄塔構築機据付工程]次に、図7に示す
ように、前記鉄塔材吊上機7を、下端部の鉄塔材2(2
f)に支持させる[鉄塔構築機据付工程]について説明
する。先ず、1本の前記ガイドレール3と一本の前記マ
スト4とを係合させた部材を、2つ、地盤12上で組立
てる。前記係合の方法は、前記上部ロックピン5d、前
記下部ロックピン5f、前記クライミングストッパ5g
の端部5hを、ガイドレール3に設けられている前記溝
3aに挿入しておくものである。これによって、前記ガ
イドレール3と前記マスト4とが一体化される。なお、
ガイドレール3には、予めブラケット3aを所定間隔で
設けておく。
【0043】次に、前記ガイドレール3と前記マスト4
とが一体化された前記部材を、前記ラフタークレーンに
よって一つずつ吊上げ、立設されている鉄塔材2(2
f)の側面に固定する。なお、前記固定の方法は、鉄塔
材2のブラケット2aと、前記ガイドレール3のブラケ
ット3bとをボルト固定あるいは溶接固定するものであ
る。さらに、前記固定部にはガイドレール支持梁2cを
設けて、前記鉄塔2と前記ガイドレール3とが、より確
実に固定されるようにする。
【0044】次に、前記ラフタークレーンによって、前
記一組のマスト4の上端部に矩形状の作業ヤード5を構
築する。この際、前記一組のマスト4によって、前記作
業ヤードの、一組の長辺の中点近傍それぞれが支持され
るようにする。また、それぞれ一本のマスト4につき2
本の鉄骨部材6aを、該マスト4と前記作業ヤード6と
を繋ぐように、斜め方向に設ける。これによって、前記
作業ヤード5が前記一組のマスト4に安定的に支持され
る。また、前記作業ヤード6上には、その長辺方向に、
互いに平行となるような2本の前記水平移動ガーダ6c
を設けておくとともに、前記鉄塔材吊上機7が該水平移
動ガーダ6c上を水平移動する範囲において、吹抜け6
bを形成しておく。さらに、前記作業ヤード6の長辺側
の縁部には、適切に、歩廊6d、手摺6eを設けてお
く。
【0045】次に、前記ラフタークレーンによって、前
記一組のマスト4どうしを結ぶ線で分けられる前記作業
ヤード6上の2つのエリアのうち、一方のエリアには前
記鉄塔材吊上機7を、他方のエリアには前記ジブクレー
ン8を吊上げて設置する。
【0046】[鉄塔材継ぎ足し工程]次に、図1および
図7に示すように、鉄塔材2aを吊上げ、立設された構
築中の鉄塔2に継ぎ足していく、[鉄塔材継ぎ足し工
程]について説明する。地盤12上に仮置された鉄塔材
2aを、立設された構築中の鉄塔2の上端部に吊上げて
連結する。この際、図3に示すように、鉄塔材2aを、
鉄塔2とは所定距離離れた箇所において吊上げ、所定の
水平レベルまで吊上げた後、前記鉄塔材吊上機7を前記
水平移動ガーダ6c上を移動させることにより、構築中
の鉄塔2の上端部に連結する。
【0047】[鉄塔構築機上昇工程]次に、図7および
図12に示すように、鉄塔構築機1を、前記鉄塔2に対
して上昇させていく、[鉄塔構築機上昇工程]について
説明する。なお、図12は1本のマストと1本のガイド
レールとの係合部を示しているが、以下に示す工程は、
1組のマストと1組のガイドレールに対して同時に行う
ものである。
【0048】図12(a)に示すように、前記上部ロッ
クピン5d、前記下部ロックピン5f、前記クライミン
グストッパ5gの端部5hが前記ガイドレール3の溝3
bに挿入されることにより、前記マスト4と前記ガイド
レール3とが一体化されていることを確認する。
【0049】次に、図12(b)に示すように、前記上
部ロックシリンダ5cを収縮させて、前記ガイドレール
3の溝3bに挿入されている前記上部ロックピン4fを
前記溝3bから外す。また、前記クライミングストッパ
5gを回動させて、該クライミングストッパ5gの端部
5hを前記溝3bから外す。
【0050】次に、図12(c)に示すように、前記メ
インシリンダ5aを伸長させる。これによって、前記メ
インシリンダ5aと前記マスト4との固定点4cおよび
前記下部ロックピン5fと前記ガイドレール3の溝3b
との係合部を2つの支点として、前記マスト4が前記ガ
イドレール3に対して上昇、すなわち、前記鉄塔2に対
して上昇する。
【0051】次に、図12(d)に示すように、前記下
部ロックシリンダ5eを収縮させて、前記下部ロックピ
ン5fを前記ガイドレール3の前記溝3bから外す。
【0052】次に、図12(e)に示すように、前記メ
インシリンダ5aを収縮させて、該メインシリンダ5a
の下方に形成されている前記クライミングスライダ5を
前記マスト4および前記ガイドレール3に対して上昇さ
せる。その後、前記下部ロックシリンダ5eを伸長させ
て、前記下部ロックピン5fを、当初挿入されていた前
記溝3bより上方に位置する前記溝3bに挿入する。
【0053】前記したような、前記[鉄塔材継ぎ足し工
程]および前記[鉄塔構築機上昇工程]を所定回数繰り
返すことによって、図8〜図10に示すように、鉄塔を
構築していくことができる。
【0054】図8〜図10に示すように鉄塔2を構築し
ていく過程において、前記鉄塔材吊上機7によって鉄塔
材2aを吊上げる際、前記鉄塔構築機1を捻るように作
用するモーメントが過大になる場合がある。この場合に
は、図2に示すように、バックステーケーブル10を、
前記作業ヤード6の、前記鉄塔材吊上機7とは前記一組
のマスト4を挟んで反対型から垂下させ、予め地盤12
中に適切に埋め込まれた引張力調整装置11に緊結す
る。前記引張力調整装置11には、図示しない荷重検知
センサが設けられており、前記バックステーケーブル1
0が、図示しないウィンチによって自動的に巻き取ら
れ、または巻き出されることにより、該バックステーケ
ーブル10の引張力が自動調整されるようになってい
る。
【0055】また、図8〜図10に示すように鉄塔2を
構築していく過程において、図11に示すような、鉄塔
2の構築のための昇降式作業足場6iを、前記作業ヤー
ド6から、ケーブル6hによって吊ることによって、容
易に確保することができる。前記昇降式作業足場6i
は、前記ケーブル6hの上端部に備えられているウィン
チ6jによって昇降可能に設けられるものであり、暴風
設備をも兼ねるものである。
【0056】さらに、図8〜図10に示すように鉄塔2
を構築していく過程において、図11に示すように、前
記作業ヤード6を平面的に延設することによって、足場
材、溶接器、仮設材等の仮置、その他多目的に利用でき
る資機材仮置スペース6fを、容易に確保することがで
きる。
【0057】以下、鉄塔2の構築後の前記鉄塔構築機1
の解体作業を説明する。図4に示すように、前記鉄塔材
吊上機7を前記作業ヤード6上で解体した後、前記ジブ
クレーン8によって吊下げ撤去するとともに、該ジブク
レーン8よって、他の解体可能な前記マスト4等を吊下
げ撤去する。そして、前記ジブクレーン8によって、該
ジブクレーン8よりも小さい、図示しない4t吊小型ク
レーンを前記作業ヤード6上まで吊上げ、該4t吊小型
クレーンによって前記ジブクレーン8、および他の解体
可能な前記マスト4等を吊下げ撤去する。さらに、前記
4t吊小型クレーンによって、該4t吊小型クレーンよ
りも小さい、図示しない2t吊簡易クレーンを前記作業
ヤード6上まで吊上げ、該2t吊簡易クレーンによっ
て、前記4t吊小型クレーン、および他の解体可能な前
記マスト4等を吊下げ撤去する。そして最後に、解体し
た前記2t吊簡易クレーンを、人が把持して撤去する。
【0058】本実施の形態によれば、以下のような効果
を得ることができる。 前記[脚部構築工程]および前記[鉄塔構築機据付工
程]の後、前記[鉄塔材継ぎ足し工程]と前記[鉄塔構
築機上昇工程]とを所定回数繰り返すことにより、鉄塔
2が構築される。ここで、前記[鉄塔構築機上昇工程]
は、前記作業ヤード6が前記鉄塔2より上方に位置する
ように、マスト4を上方に延設させる工程を経ることな
く、前記クライミングスライダ5等により行われる。し
かも、前記一組のマスト4は前記鉄塔2に支持されて設
けられるので、狭い敷地においても確実に施工が行われ
る。したがって、吊上げる鉄塔材2aが大重量であって
も、容易かつ安価に、しかも狭い敷地においても確実
に、前記柱状鉄塔の構築工事を行うことができる。
【0059】前記[鉄塔材継ぎ足し工程]の際、構築
中の鉄塔2、前記一組のマスト4、前記作業ヤード6、
から構成される構造体の偏心が小さくなる。これによ
り、前記偏心によって生じる、前記構造体を捻るように
作用するモーメントが小さくなり、前記モーメントから
生じる前記構造体の水平変形も小さくなる。したがっ
て、吊上げる鉄塔材2aが大重量であっても、容易かつ
安定的に、前記柱状鉄塔の構築工事を行うことができ
る。
【0060】前記作業ヤード上には、主に、鉄塔材2
a等の重量部材を吊上げるための鉄塔材吊上機7と、主
に、ガイドレール3や解体時使用の小型クレーン等を吊
上げるためのジブクレーン8との双方が設定されてい
る。したがって、吊上げる部材の仕分けが容易となると
ともに、鉄塔2の構築を行う際に複雑な取付作業が生じ
た場合においても、吊り換え等を容易に行うことができ
る。したがって、作業性を大幅に向上させることができ
る。
【0061】前記鉄塔材吊上機7によって前記鉄塔材
2aを吊上げる際、前記構造体を捻るように作用するモ
ーメントが大きくなる場合においても、前記作業ヤード
6の、前記鉄塔材吊上機7とは前記一組のマスト4を挟
んで反対型から垂下され、前記地盤12中に埋め込まれ
た引張力調整装置11に緊結された前記バックステーケ
ーブル10が、前記モーメントに対抗する。前記引張力
調整装置11には、荷重検知センサが設けられており、
前記バックステーケーブル10が、ウィンチによって自
動的に巻き取られ、または巻き出されることにより、該
バックステーケーブル10の引張力が自動調整される。
したがって、構造体の水平変形が防止され、吊上げる鉄
塔材2aが大重量であっても、さらに安定的に、前記柱
状鉄塔の構築工事を行うことができる。
【0062】鉄塔2を構築していく過程において、鉄
塔2構築のための昇降式作業足場6iを、作業ヤード6
から、ウィンチ6jが上端部に備えられたケーブル6h
によって吊ることによって、容易に確保することができ
る。さらに、前記昇降式作業足場6iによって、暴風設
備をも兼ねることができる。
【0063】鉄塔2を構築していく過程において、作
業ヤード6を平面的に延設することによって、足場材、
溶接器、仮設材等の仮置、その他多目的に利用できる資
機材仮置スペース6fを、容易に確保することができ
る。
【0064】なお、構築中の鉄塔2は上方に高く連結さ
れ、しかも前記鉄塔構築機1は前記鉄塔2に支持される
ため、前記鉄塔2には、極めて大きな圧縮力が作用す
る。この場合、前記鉄塔2が座屈しないように、何らか
の対策を施した方が望ましい。その一つの方法として、
本実施の形態においては特に示していないが、前記鉄塔
2の上下の2点を結ぶ張弦ケーブルを、複数、バランス
よく設け、この張弦ケーブルを緊張させておく、等の方
法が考えられる。
【0065】
【発明の効果】請求項1又は2記載の発明によれば、マ
ストを上方に延設させる工程を経ることなく、前記作業
ヤードを前記鉄塔より上方に位置させることができ、さ
らに前記揚重手段によって、構築中の鉄塔上に、継ぎ足
すべき鉄塔材を吊上げて継ぎ足す作業を行うことが可能
となる。しかも、前記一組のマストは構築中の鉄塔に支
持されて設けられるので、狭い敷地においても確実に施
工を行うことができる。したがって、安価に、狭い敷地
においても確実に、前記柱状鉄塔の構築工事を行うこと
ができる。
【0066】また、請求項1又は2記載の発明によれ
ば、前記吊上げ作業を行う際、構築中の鉄塔、前記一組
のマスト、前記作業ヤード、から構成される構造体の偏
心が小さくなる。これにより、前記偏心によって生じ
る、前記構造体を捻るように作用するモーメントが小さ
くなり、前記モーメントから生じる前記構造体の水平変
形も小さくなる。したがって、吊上げる鉄塔材が大重量
であっても、容易かつ安定的に、前記柱状鉄塔の構築工
事を行うことができる。
【0067】請求項記載の発明によれば、構築すべき
鉄塔の下端部を構成する鉄塔材を支持盤上に立設し、前
記鉄塔構築機を、その少なくとも一組のマストが前記立
設された鉄塔材を挟むようにして該鉄塔材に支持させた
後、前記上昇工程と前記継ぎ足し工程とを所定回数繰り
返すことにより、鉄塔が構築される。ここで、前記上昇
工程は、前記作業ヤードが前記鉄塔より上方に位置する
ように、マストを上方に延設させる工程を経ることな
く、前記上昇手段により行われる。しかも、前記一組の
マストは前記鉄塔に支持されて設けられるので、狭い敷
地においても確実に施工が行われる。したがって、容易
かつ安価に、しかも狭い敷地においても確実に、前記柱
状鉄塔の構築工事を行うことができる。
【0068】また、請求項記載の発明によれば、前記
継ぎ足し工程の際、構築中の鉄塔、前記一組のマスト、
前記作業ヤード、から構成される構造体の偏心が小さく
なる。これにより、前記偏心によって生じる、前記構造
体を捻るように作用するモーメントが小さくなり、前記
モーメントから生じる前記構造体の水平変形も小さくな
る。したがって、吊上げる鉄塔材が大重量であっても、
容易かつ安定的に、前記柱状鉄塔の構築工事を行うこと
ができる。
【0069】請求項記載の発明によれば、請求項
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、前
記揚重手段によって前記鉄塔材を吊上げる際、前記構造
体を捻るように作用するモーメントが大きくなる場合に
おいても、前記引張材が前記モーメントに対抗するの
で、該構造体の水平変形が防止される。したがって、吊
上げる鉄塔材が大重量であっても、さらに安定的に、前
記柱状鉄塔の構築工事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄塔構築機の正面図である。
【図2】本発明に係る鉄塔構築機の側面図である。
【図3】本発明に係る鉄塔構築機の平面図である。
【図4】ガイドレールおよびマストを鉄塔に支持させた
状態を示す図である。
【図5】本発明に係る鉄塔構築機による鉄塔構築の工程
を示すフロー図である。
【図6】本発明に係る鉄塔構築機によって鉄塔構築を行
う施工工程のうち、[脚部構築工程]を示す図である。
【図7】同、[鉄塔構築機据付工程]を示す図である。
【図8】同、[鉄塔材継ぎ足し工程]と[鉄塔構築機上
昇工程]とにより、鉄塔を構築していく過程を示す図で
ある。
【図9】同、[鉄塔材継ぎ足し工程]と[鉄塔構築機上
昇工程]とにより、鉄塔を構築していく過程を示す図で
ある。
【図10】同、[鉄塔材継ぎ足し工程]と[鉄塔構築機
上昇工程]とにより、鉄塔を構築していく過程を示す図
である。
【図11】同、[鉄塔材継ぎ足し工程]と[鉄塔構築機
上昇工程]とにより、鉄塔を構築していく過程におい
て、昇降式作業足場と資機材仮置スペースとを設けた鉄
塔構築機の図である。
【図12】本発明に係る鉄塔構築機に設けられるマスト
が、鉄塔に対して上昇していく過程を示す図であり、
(a)は、上部ロックピン、下部ロックピンともガイド
レールの溝に挿入された状態を示す図、(b)は、上部
ロックピンがガイドレールの溝から外された状態を示す
図、(c)は、メインシリンダを伸長させることによ
り、マストが鉄塔に対して上昇した状態を示す図、
(d)は、下部ロックピンがガイドレールの溝から外さ
れた状態を示す図、(e)は、メインシリンダを収縮さ
せることにより、クライミングスライダを鉄塔に対して
上昇させた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 鉄塔構築機 2 鉄塔 2a 鉄塔材 3 ガイドレール(上昇手段) 4 マスト 5 クライミングスライダ(上昇手段) 6 作業ヤード 7 鉄塔材吊上機(揚重手段) 8 ジブクレーン(揚重手段) 10 バックステーケーブル(引張材) 11 引張力調整装置 12 地盤(支持盤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 12/00 - 12/34 E04G 21/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構築すべき柱状の鉄塔を挟む位置に配置さ
    れるとともに該鉄塔に支持される少なくとも一組のマス
    トと、該一組のマストをその上端部が構築中の鉄塔より
    上方になるように上昇させる上昇手段とを備え、 前記一組のマストの上端部に作業ヤードが設けられ、 この作業ヤードに、構築中の鉄塔上に継ぎ足すべき鉄塔
    材を吊上げるための揚重手段が水平移動可能に設けられ
    なり、 前記上昇手段は、構築すべき鉄塔を挟むようにして該鉄
    塔に固定された一組のガイドレールと、前記マストに沿
    って上下方向に移動可能に設けられたクライミングスラ
    イダと、鉛直方向に伸縮可能なメインシリンダとを備
    え、 前記メインシリンダの上端部に前記マストが取り付けら
    れ、下端部に前記クライミングスライダが取り付けら
    れ、 前記マストはガイドレールに鉛直方向に移動可能に設け
    られており、 前記クライミングスライダを前記ガイドレールにロック
    した状態で前記メインシリンダを伸長させることによっ
    て、前記マストを前記ガイドレールに対して上昇させ、 前記マストを前記ガイドレールにロックした状態で前記
    メインシリンダを収縮させることによって、前記クライ
    ミングスライダを前記マストおよびガイドレールに対し
    て上昇させ ることを特徴とする鉄塔構築機。
  2. 【請求項2】構築すべき柱状の鉄塔を挟む位置に配置さ
    れるとともに該鉄塔に支持される少なくとも一組のマス
    トと、該一組のマストをその上端部が構築中の鉄塔より
    上方になるように上昇させる上昇手段とを備え、 前記一組のマストの上端部に作業ヤードが設けられ、 この作業ヤードに、構築中の鉄塔上に継ぎ足すべき鉄塔
    材を吊上げるための揚重手段が水平移動可能に設けられ
    てなり、 前記作業ヤードは、一組の長辺それぞれの中点近傍にお
    いて、前記一組のマストによって支持され、 前記作業ヤードの、前記一組のマストどうしを結ぶ線で
    分けられる2つのエリアのうち、一方のエリアには前記
    揚重手段が設置され、他方のエリアにはジブクレーンが
    設置されていることを特徴とする鉄塔構築機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の鉄塔構築機によって
    鉄塔を構築していく鉄塔構築方法であって、 先ず、構築すべき鉄塔の下端部を構成する鉄塔材を支持
    盤上に立設し、 次に、前記鉄塔構築機を、その少なくとも一組のマスト
    が前記立設された鉄塔材を挟むようにして、該鉄塔材に
    支持させ、 次に、前記上昇手段によって、前記一組のマストをその
    上端部が前記鉄塔材より上方になるように上昇させるこ
    とによって、前記作業ヤードを前記鉄塔材より上方に上
    昇させる上昇工程と、この上昇工程後、前記作業ヤード
    上の揚重手段によって、前記鉄塔材に次の鉄塔材を吊上
    げたうえで継ぎ足す継ぎ足し工程とを所定回数繰り返し
    て行うことを特徴とする鉄塔構築方法。
  4. 【請求項4】請求項記載の鉄塔構築方法において、 前記鉄塔材を順次継ぎ足して鉄塔を構築する際に、前記
    作業ヤード上の所定箇所から引張材を垂下させるととも
    に、前記支持盤上に引張力調整装置を設け、該引張材を
    引張力調整装置に緊結しておくことを特徴とする鉄塔構
    築方法。
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