JPH0841298A - 電気電子部品用封止材料 - Google Patents
電気電子部品用封止材料Info
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- JPH0841298A JPH0841298A JP19902094A JP19902094A JPH0841298A JP H0841298 A JPH0841298 A JP H0841298A JP 19902094 A JP19902094 A JP 19902094A JP 19902094 A JP19902094 A JP 19902094A JP H0841298 A JPH0841298 A JP H0841298A
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Abstract
ステルからなる電気電子部品用封止材料を提供する。 【構成】 キャピラリーレオメーターにより求めた溶融
完了温度(Tη2、℃)および固化開始温度(Tη1、
℃)の差(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範囲にあ
る光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルから
なることを特徴とする電気電子部品用封止材料。
Description
優れ、かつ封止した電気電子素子の損傷を防止すること
が可能な電気電子部品用封止材料に関するものである。
熱可塑性樹脂による封止が行われている。例えば、特開
昭60−40163号公報には、高分子液晶(LCP)
を用いた電子部品の樹脂による封止が例示されている。
同公報によれば、LCPを用いて射出成形により樹脂で
封止する場合に、LCPの溶融粘度が高いときは射出成
形において高い圧力を必要とし、その結果封入成形を受
ける精密な電子部品が高い圧力により損傷することがあ
る。また溶融粘度が高いと、成形材料は型内への十分な
流入を妨げられて空隙(ボイド)を生じ、その結果ボイ
ドを通して水分などが電子部品に到達し、絶縁不良の原
因となるなどの欠点を生ずる。
力でも成形可能な全芳香族ポリエステルからなる封止材
料を開発することを目的とする。
は、キャピラリーレオメーターにより求めた溶融完了温
度(Tη2、℃)および固化開始温度(Tη1、℃)の差
(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範囲にある光学的
溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルからなること
を特徴とする電気電子部品用封止材料に関するものであ
る。また、本発明の第2は、上記本発明の第1の全芳香
族ポリエステルの融点が、300〜450℃の範囲にあ
ることを特徴とする電気電子部品用封止材料に関するも
のである。さらに本発明の第3は、上記本発明の第1の
全芳香族ポリエステルと、組成物全体に対して10〜9
5重量%の無機充填材とからなる電気電子部品用封止材
に関するものである。
サーモトロピック液晶ポリエステルは、溶融時に光学的
異方性を示し、かつ熱可塑性を有するポリマーである。
このように溶融時に光学的異方性を示すポリマーは、溶
融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質
を示す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利
用した通常の偏光検査法により確認することができる。
サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に細長く、偏平
な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って剛性が高い。
本発明において用いるサーモトロピック液晶ポリエステ
ルには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成す
るポリマーのセグメントで構成され、残りの部分が異方
性溶融相を形成しないポリマーのセグメントから構成さ
れるポリマーも含まれる。また、複数のサーモトロピッ
ク液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
するモノマーの代表例としては(A)芳香族ジカルボン
酸の少なくとも1種、(B)芳香族ヒドロキシカルボン
酸系化合物の少なくとも1種、(C)芳香族ジオール系
化合物の少なくとも1種、(D)(D1)芳香族ジチオ
ール、(D2)芳香族チオフェノール、(D3)芳香族チ
オールカルボン酸化合物の少なくとも1種、(E)芳香
族ヒドロキシルアミン、芳香族ジアミン系化合物の少な
くとも1種等の芳香族化合物が挙げられる。これらは単
独で構成される場合もあるが、多くは(A)と(C);
(A)と(D);(A)、(B)と(C);(A)、
(B)と(E);あるいは(A)、(B)、(C)と
(E)等の様に組合せて構成される。
しては、テレフタル酸、4,4'−ビフェニルジカルボン
酸、4,4'−テルフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエー
テル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4'−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4'−ジカルボン
酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3'−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3'−ジカルボン酸、1,6
−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ま
たはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロ
モテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフ
タル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、
エトキシテレフタル酸等で代表される上記芳香族ジカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸、または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメ
チル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフト
エ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ
酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7
−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
ジヒドロキシビフェニル、3,3'−ジヒドロキシビフェ
ニル、4,4'−ジヒドロキシテルフェニル、ハイドロキ
ノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオール、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒド
ロキシフェノキシ)エタン、3,3'−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン等の芳香族ジオール、または
クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メト
キシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−
クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン等の芳香族ジ
オールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
ゼン−1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオー
ル、2,6−ナフタレン−ジチオール、2,7−ナフタレ
ン−ジチオール等が挙げられる。 (D2)芳香族チオフェノールとしては、4−メルカプ
トフエノール、3−メルカプトフェノール、6−メルカ
プトフェノール等が挙げられる。 (D3)芳香族チオールカルボン酸としては、4−メル
カプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカ
プト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ
酸等が挙げられる。
ジアミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N
−メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレン
ジアミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N'−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3−
アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4'ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジ
アミノトルエン、4,4'−エチレンジアニリン、4,4'
−ジアミノジフェノキシエタン、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4'−ジアミ
ノジフェニルエ−テル(オキシジアニリン)等が挙げら
れる。
エステルは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やス
ラリー重合法等の多様なエステル形成法などにより製造
することができる。
エステルの重量平均分子量は、約2,000〜200,0
00、好ましくは約4,000〜100,000である。
分子量の測定は、例えば圧縮フィルムについて赤外分光
法により末端基を測定して求めることができる。また溶
液状で行う一般的な測定法としてGPCを用いることも
できる。
ピック液晶ポリエステルのうち、一般式化1で表わされ
るモノマー単位を必須成分として含む(共)重合体であ
る芳香族ポリエステルが好ましい。特に好ましいもの
は、上記モノマー単位を5モル%以上含む芳香族ポリエ
ステルである。
の1つは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびジ
ヒドロキシビフェニルの3種の化合物からそれぞれ誘導
される繰返し単位を有する化2で表わされるポリエステ
ルであるが、このポリエステルのジヒドロキシビフェニ
ルから誘導される繰返し単位は、その一部または全部を
ジヒドロキシベンゼンから誘導される繰返し単位により
置換することができる。また、p−ヒドロキシ安息香酸
およびヒドロキシナフトエ酸の2種の化合物からそれぞ
れ誘導される繰返し単位を有する化3で表わされるポリ
エステルも好ましいものである。
ルは、1種または2種以上の混合物として使用すること
もできる。
ラリーレオメーターにより求めた溶融完了温度(T
η2、℃)と固化開始温度(Tη1、℃)との差(Tη2
−Tη1)が、10〜80℃の範囲にあることが肝要で
ある。Tη2−Tη1の値が10℃未満である全芳香族ポ
リエステルでは、低粘度に保持される温度範囲が狭すぎ
るために高い圧力で射出することとなり、電気電子素子
の損傷を招く懸念があるので好ましくない。一方、Tη
2−Tη1の値が80℃を越えるような全芳香族ポリエス
テルでは、固化速度が小さくなりすぎるために、低い射
出圧力で射出することはできるが、金型空隙から溶融樹
脂の漏れを生じ、いわゆるバリの発生が多くなるためや
はり好ましくない。
は、耐熱性と成形性とのバランスを考慮して300〜4
50℃、好ましくは300〜420℃の範囲である。融
点が300℃未満では、封止材料として耐熱性が不足す
るために好ましくない。また450℃を越えると融点が
高くなりすぎるために樹脂の分解が生じ易く、また通常
の射出成形機によっては成形が困難となるために好まし
くない。
族ポリエステルの融点、ならびにキャピラリーレオメー
ターにより求めた溶融完了温度(Tη2)および固化開
始温度(Tη1)とは、以下に定義されるものである。 <融点>DSC装置(セイコー電子工業(株)製、SSC
−5020)を用い、完全に溶融させた状態から10℃
/分の速度で室温まで冷却したサンプルを、窒素雰囲気
下、20℃/分で昇温し、吸熱ピークを測定し、これを
融点とする。 <キャピラリーレオメーターにより求めた固化開始温度
(Tη1)>キャピラリーレオメーター((株)インテス
コ製、モデル2010)を用い、L/D=40/1(m
m/mm)、流入角90゜のキャピラリーを用いて、剪
断速度100sec-1において見かけ粘度の温度依存性を
測定する。測定は融点より40℃高い温度から開始し、
4℃/分の速度で等速冷却し、見かけ粘度−温度曲線に
おいて、見かけ粘度の温度依存性(見かけ粘度/温度の
勾配)が急激に上昇する温度の前後における曲線の接線
の交点を求め、この交点に対応する温度を固化開始温度
(Tη1)とする。 <同溶融完了温度(Tη2)>固化開始温度(Tη1)の
測定の場合と同一の装置およびキャピラリー用い、剪断
速度も同一とする。測定は、融点より50℃低い温度か
ら開始し、4℃/分の速度で等速加熱し、見かけ粘度−
温度曲線において、見かけ粘度の温度依存性が急激に低
下する温度の前後における曲線の接線の交点を求め、交
点に対応する温度を溶融完了温度(Tη2)とする。
来のポリエステルの重縮合法に準じて製造することがで
き、製造法に特に制限はないが、代表的な製法として
は、例えば次の(1)〜(4)の方法が挙げられる。 (1)芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物、芳香
族ヒドロキシカルボン酸のアシル化物および芳香族ジカ
ルボン酸から、脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。 (2)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸および芳香族ジカルボン酸と無水酢酸とから脱
酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸
のジフェニルエステルおよび芳香族ヒドロキシカルボン
酸のフェニルエステルから、脱フェノール重縮合反応に
より製造する方法。 (4)芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカル
ボン酸を所望量のジフェニルカーボネートと反応させ、
カルボキシル基をフェニルエステル化した後、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応によ
り製造する方法。
A)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)お
よびテレフタル酸(TPA)を反応器に仕込み、無水酢
酸を加えて無水酢酸還流下にアセチル化を行い、その後
昇温して250〜350℃の温度範囲で酢酸を留出しな
がら脱酢酸重縮合することによりポリエステルが得られ
る。重合時間は1時間〜数十時間の範囲で選択すること
ができる。
マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、
酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチ
モン、金属触媒が代表的であり、特に脱フェノール重縮
合の際に有効である。
合と固相重合を併用することも可能である。すなわち、
溶融重合により重縮合を終えたポリマーを固相重合によ
りより高重合度化することができる。固相重合は公知の
方法を広く使用することができる。例えば、溶融重合に
より得られたポリエステルを、窒素などの不活性雰囲気
下で250〜350℃の温度範囲で1時間〜30時間熱
処理することにより行われる。
いが、一般の高粘度反応に用いられる撹拌設備、例え
ば、錨型撹拌器、多段型撹拌器、らせん帯撹拌器、らせ
ん軸撹拌器等、およびそれらを変形した撹拌設備を備え
た撹拌槽型重合器、さらに、ワーナー式ミキサー、バン
バリーミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサ
ー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、ハグミ
ル、ギヤーコンパウンダーなどから選ばれるものが望ま
しい。
族ポリエステルは、単独で、または数種の全芳香族ポリ
エステルを混合して使用することができる。いずれの場
合も、共重合するモノマーの種類、配合割合、重合順
序、触媒、その他の重合条件などを適宜に選択し、得ら
れた光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルに
ついて、前記キャピラリーレオメーターにより求めた溶
融完了温度(Tη2)と固化開始温度(Tη1)との差
(Tη2−Tη1)が10〜80℃の範囲になるように重
合することが肝要である。言い替えれば、Tη2−Tη1
の値を指標として、共重合モノマーの種類、配合割合、
重合順序、触媒、その他の重合条件を適宜に選択して重
合を行う。
が10〜80℃の範囲にある光学的溶融異方性を有する
全芳香族ポリエステル単独でも用いられるが、組成物全
体に対して10〜95重量%の無機充填材を配合した組
成物としても用いることができる。この無機充填材とし
ては、熱膨張率が小さく、熱伝導率が大きく、かつ電気
電子部品の電気的動作を妨害する懸念のある有害物質を
可能な限り含まない無機充填材であれば特に限定されな
い。好ましくは、例えば、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、ケイ酸チタン、ケイ酸アルミニウム、
ケイ酸リチウム・アルミニウム、ケイ酸マグネシウム・ア
ルミニウム、チタン酸アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素、タルク、マイカなどの球状粒子や破砕粒
子、およびガラスビーズ、グラスファイバーなどが例示
される。粒子状充填材の粒径または繊維状充填材の直径
およびアスペクト比などは、適宜に任意の範囲から選択
して使用することができる。これらは単独で用いること
ができ、また2種以上を混合することもできる。これら
のうち、流動性と耐熱性のバランスの点から、シリカ、
アルミナ、ガラスビーズ、グラスファイバーおよびタル
クの1種または2種以上の混合物を充填材として用いる
ことが好ましい。
好に保つためには、充填材の量を樹脂組成物全体に対し
て10〜95重量%配合することが好ましく、30〜6
5重量%の範囲が特に好ましい。10重量%未満では、
熱膨張率や熱伝導率の向上が小さく、一方、95重量%
を越えると樹脂の流動性が低下し、表面状態が劣化する
ので、いずれも好ましくない。
より電子部品の封止を行うには、公知の任意の方法を採
用することができる。封止方法としては、例えば樹脂温
度290℃〜370℃、金型温度20℃〜170℃で射
出成形し、対象とする電気電子部品を例えばインサート
成形により作製することができる。
性値は、以下の方法で測定した。 (融点):前記の通りである。 (キャピラリーレオメーターによる固化開始温度(Tη
1)および溶融完了温度(Tη2)):前記の通りであ
る。 (コイル素子の変形量の測定):成形材料をインサート
専用射出成形機(型締め力25トン)により所定のシリ
ンダ温度および金型温度30℃でコイル素子の封止成形
を行い、得られた封止部品を軟X線投影装置により撮影
して、コイル素子の変形量を測定する。
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,449g(10.5
モル)および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HN
A)846g(4.5モル)を投入し、真空乾燥の後、
無水酢酸1,720gを加え、150℃で3時間、無水
酢酸環流下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、
酢酸を留去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度
で昇温し45分保持した。次いで、300℃まで1℃/
分の速度で昇温して30分保持し、さらに320℃まで
1℃/分の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論
留出量の93%に達した時点で、ジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25gを投入した。そ
の後トルクは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止
することなく保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後、3時間経過した後に槽内物
質を取り出したところ、フレーク状を呈していた。得ら
れた樹脂の融点は280℃、溶融完了温度は305℃、
固化開始温度は280℃であり、溶融完了温度と固化開
始温度の差は25℃であった。また、290℃で溶融し
たところ光学異方性を示した。上記の樹脂に石英ガラス
粉末を40重量%混合し、二軸押出機で混練造粒し、ペ
レット状の成形材料を得た。その材料について、射出温
度290℃で射出成形実験を行ったところ、コイル素子
の変形量は0.4mmであった。
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,615g(11.7
モル)および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HN
A)620g(3.3モル)を投入し、真空乾燥の後、
無水酢酸1,720gを加え、150℃で3時間、無水
酢酸環流下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、
酢酸を留去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度
で昇温し45分保持した。次いで、300℃まで1℃/
分の速度で昇温して30分保持し、さらに320℃まで
1℃/分の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論
留出量の93%に達した時点で、ジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25gを投入した。そ
の後トルクは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止
することなく保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後、3時間経過した後に槽内物
質を取り出したところ、フレーク状を呈していた。得ら
れた樹脂の融点は332℃、溶融完了温度は356℃、
固化開始温度は330℃であり、溶融完了温度と固化開
始温度の差は26℃であった。また、340℃で溶融し
たところ光学異方性を示した。上記の樹脂に石英ガラス
粉末を40重量%混合し、二軸押出機で混練造粒し、ペ
レット状の成形材料を得た。その材料について、射出温
度340℃で射出成形実験を行ったところ、コイル素子
の変形量は0.3mmであった。
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合層に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,035g(7.5モ
ル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)6
98g(3.75モル)、テレフタル酸(TPA)57
3g(3.45モル)およびイソフタル酸(IPA)5
0g(0.3モル)を投入し、真空乾燥の後、無水酢酸
1,720gを加え、150℃で3時間、無水酢酸環流
下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、酢酸を留
去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度で昇温し
45分保持した。次いで、300℃まで1℃/分の速度
で昇温して30分保持し、さらに320℃まで1℃/分
の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論留出量の
93%に達した時点で、ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト1.25gを投入した。その後トル
クは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止すること
なく保持した。ジステアリルペンタエリトリトールジホ
スファイト投入後、3時間経過した後に槽内物質を取り
出したところ、フレーク状を呈していた。得られたフレ
ーク状物質を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、2
80℃で2時間、300℃で2時間、さらに330℃で
6時間熱処理を行った。熱処理後の樹脂の融点は401
℃、溶融完了温度は415℃、固化開始温度は409℃
であり、溶融完了温度と固化開始温度の差は6℃であっ
た。また、411℃で溶融したところ光学異方性を示し
た。上記の樹脂に石英ガラス粉末を40重量%混合し、
二軸押出機で混練造粒し、ペレット状の成形材料を得
た。その材料について、射出温度411℃で射出成形実
験を行ったところ、コイル素子の変形量は1.5mmで
あった。
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,242g(9.0モ
ル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)5
58g(3.0モル)、テレフタル酸(TPA)448
g(2.7モル)およびイソフタル酸(IPA)50g
(0.3モル)を投入し、真空乾燥の後、無水酢酸1,7
20gを加え、150℃で3時間、無水酢酸環流下にア
セチル化反応を行った。その後昇温し、酢酸を留去しな
がら温度を280℃まで1℃/分の速度で昇温し45分
保持した。次いで、300℃まで1℃/分の速度で昇温
して30分保持し、さらに320℃まで1℃/分の速度
で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論留出量の93%
に達した時点で、ジステアリルペンタエリトリトールジ
ホスファイト1.25gを投入した。その後トルクは上
昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止することなく保
持した。ジステアリルペンタエリトリトールジホスファ
イト投入後、3時間経過した後に槽内物質を取り出した
ところ、フレーク状を呈していた。得られたフレーク状
物質を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃
で2時間、300℃で2時間、さらに330℃で6時間
熱処理を行った。熱処理後の樹脂の融点は390℃、溶
融完了温度は392℃、固化開始温度は390℃であ
り、溶融完了温度と固化開始温度の差は2℃であった。
また、400℃で溶融したところ光学異方性を示した。
上記の樹脂に石英ガラス粉末を40重量%混合し、二軸
押出機で混練造粒し、ペレット状の成形材料を得た。そ
の材料について、射出温度400℃で射出成形実験を行
ったところ、コイル素子の変形量は1.8mmであっ
た。
エステルは、射出成形圧力を低くすることが可能であ
り、これを用いて封止成形を行うと、封止した電気電子
素子の損傷を少なくすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 キャピラリーレオメーターにより求めた
溶融完了温度(Tη2、℃)および固化開始温度(T
η1、℃)の差(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範
囲にある光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステ
ルからなることを特徴とする電気電子部品用封止材料。 - 【請求項2】 前記全芳香族ポリエステルの融点が、3
00〜450℃の範囲にあることを特徴とする請求項1
に記載の電気電子部品用封止材料。 - 【請求項3】 請求項1に記載の全芳香族ポリエステル
と、組成物全体に対して10〜95重量%の無機充填材
とからなる電気電子部品用封止材料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19902094A JP3346904B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | 電気電子部品用封止材料 |
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JP19902094A JP3346904B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | 電気電子部品用封止材料 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0841298A true JPH0841298A (ja) | 1996-02-13 |
JP3346904B2 JP3346904B2 (ja) | 2002-11-18 |
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JP19902094A Expired - Lifetime JP3346904B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | 電気電子部品用封止材料 |
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JP (1) | JP3346904B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011040184A1 (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-07 | ポリプラスチックス株式会社 | 液晶性高分子及び成形体 |
-
1994
- 1994-08-01 JP JP19902094A patent/JP3346904B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011040184A1 (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-07 | ポリプラスチックス株式会社 | 液晶性高分子及び成形体 |
JP5543479B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-07-09 | ポリプラスチックス株式会社 | 液晶性高分子及び成形体 |
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