JPH0841298A - 電気電子部品用封止材料 - Google Patents

電気電子部品用封止材料

Info

Publication number
JPH0841298A
JPH0841298A JP19902094A JP19902094A JPH0841298A JP H0841298 A JPH0841298 A JP H0841298A JP 19902094 A JP19902094 A JP 19902094A JP 19902094 A JP19902094 A JP 19902094A JP H0841298 A JPH0841298 A JP H0841298A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
acid
melting
polyester
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19902094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3346904B2 (ja
Inventor
Satoru Ishii
悟 石井
Satoshi Murouchi
聡士 室内
Yoshio Suzuki
義雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP19902094A priority Critical patent/JP3346904B2/ja
Publication of JPH0841298A publication Critical patent/JPH0841298A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3346904B2 publication Critical patent/JP3346904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い射出圧力でも成形可能な全芳香族ポリエ
ステルからなる電気電子部品用封止材料を提供する。 【構成】 キャピラリーレオメーターにより求めた溶融
完了温度(Tη2、℃)および固化開始温度(Tη1
℃)の差(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範囲にあ
る光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルから
なることを特徴とする電気電子部品用封止材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形時の流動性に
優れ、かつ封止した電気電子素子の損傷を防止すること
が可能な電気電子部品用封止材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気電子部品の保護を目的として
熱可塑性樹脂による封止が行われている。例えば、特開
昭60−40163号公報には、高分子液晶(LCP)
を用いた電子部品の樹脂による封止が例示されている。
同公報によれば、LCPを用いて射出成形により樹脂で
封止する場合に、LCPの溶融粘度が高いときは射出成
形において高い圧力を必要とし、その結果封入成形を受
ける精密な電子部品が高い圧力により損傷することがあ
る。また溶融粘度が高いと、成形材料は型内への十分な
流入を妨げられて空隙(ボイド)を生じ、その結果ボイ
ドを通して水分などが電子部品に到達し、絶縁不良の原
因となるなどの欠点を生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低い射出圧
力でも成形可能な全芳香族ポリエステルからなる封止材
料を開発することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、キャピラリーレオメーターにより求めた溶融完了温
度(Tη2、℃)および固化開始温度(Tη1、℃)の差
(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範囲にある光学的
溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルからなること
を特徴とする電気電子部品用封止材料に関するものであ
る。また、本発明の第2は、上記本発明の第1の全芳香
族ポリエステルの融点が、300〜450℃の範囲にあ
ることを特徴とする電気電子部品用封止材料に関するも
のである。さらに本発明の第3は、上記本発明の第1の
全芳香族ポリエステルと、組成物全体に対して10〜9
5重量%の無機充填材とからなる電気電子部品用封止材
に関するものである。
【0005】以下、本発明をさらに説明する。本発明の
サーモトロピック液晶ポリエステルは、溶融時に光学的
異方性を示し、かつ熱可塑性を有するポリマーである。
このように溶融時に光学的異方性を示すポリマーは、溶
融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質
を示す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利
用した通常の偏光検査法により確認することができる。
サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に細長く、偏平
な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って剛性が高い。
本発明において用いるサーモトロピック液晶ポリエステ
ルには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成す
るポリマーのセグメントで構成され、残りの部分が異方
性溶融相を形成しないポリマーのセグメントから構成さ
れるポリマーも含まれる。また、複数のサーモトロピッ
ク液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
【0006】サーモトロピック液晶ポリエステルを構成
するモノマーの代表例としては(A)芳香族ジカルボン
酸の少なくとも1種、(B)芳香族ヒドロキシカルボン
酸系化合物の少なくとも1種、(C)芳香族ジオール系
化合物の少なくとも1種、(D)(D1)芳香族ジチオ
ール、(D2)芳香族チオフェノール、(D3)芳香族チ
オールカルボン酸化合物の少なくとも1種、(E)芳香
族ヒドロキシルアミン、芳香族ジアミン系化合物の少な
くとも1種等の芳香族化合物が挙げられる。これらは単
独で構成される場合もあるが、多くは(A)と(C);
(A)と(D);(A)、(B)と(C);(A)、
(B)と(E);あるいは(A)、(B)、(C)と
(E)等の様に組合せて構成される。
【0007】上記(A)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4'−ビフェニルジカルボン
酸、4,4'−テルフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエー
テル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4'−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4'−ジカルボン
酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3'−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3'−ジカルボン酸、1,6
−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ま
たはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロ
モテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフ
タル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、
エトキシテレフタル酸等で代表される上記芳香族ジカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0008】(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸、または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメ
チル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフト
エ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ
酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7
−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0009】(C)芳香族ジオールとしては、4,4'−
ジヒドロキシビフェニル、3,3'−ジヒドロキシビフェ
ニル、4,4'−ジヒドロキシテルフェニル、ハイドロキ
ノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオール、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒド
ロキシフェノキシ)エタン、3,3'−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン等の芳香族ジオール、または
クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メト
キシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−
クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン等の芳香族ジ
オールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0010】(D1)芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオー
ル、2,6−ナフタレン−ジチオール、2,7−ナフタレ
ン−ジチオール等が挙げられる。 (D2)芳香族チオフェノールとしては、4−メルカプ
トフエノール、3−メルカプトフェノール、6−メルカ
プトフェノール等が挙げられる。 (D3)芳香族チオールカルボン酸としては、4−メル
カプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカ
プト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ
酸等が挙げられる。
【0011】(E)芳香族ヒドロキシルアミン、芳香族
ジアミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N
−メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレン
ジアミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N'−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3−
アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4'ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジ
アミノトルエン、4,4'−エチレンジアニリン、4,4'
−ジアミノジフェノキシエタン、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4'−ジアミ
ノジフェニルエ−テル(オキシジアニリン)等が挙げら
れる。
【0012】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
エステルは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やス
ラリー重合法等の多様なエステル形成法などにより製造
することができる。
【0013】本発明に用いるサーモトロピック液晶ポリ
エステルの重量平均分子量は、約2,000〜200,0
00、好ましくは約4,000〜100,000である。
分子量の測定は、例えば圧縮フィルムについて赤外分光
法により末端基を測定して求めることができる。また溶
液状で行う一般的な測定法としてGPCを用いることも
できる。
【0014】これらのモノマーから得られるサーモトロ
ピック液晶ポリエステルのうち、一般式化1で表わされ
るモノマー単位を必須成分として含む(共)重合体であ
る芳香族ポリエステルが好ましい。特に好ましいもの
は、上記モノマー単位を5モル%以上含む芳香族ポリエ
ステルである。
【0015】
【化1】
【0016】本発明の特に好ましい芳香族ポリエステル
の1つは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびジ
ヒドロキシビフェニルの3種の化合物からそれぞれ誘導
される繰返し単位を有する化2で表わされるポリエステ
ルであるが、このポリエステルのジヒドロキシビフェニ
ルから誘導される繰返し単位は、その一部または全部を
ジヒドロキシベンゼンから誘導される繰返し単位により
置換することができる。また、p−ヒドロキシ安息香酸
およびヒドロキシナフトエ酸の2種の化合物からそれぞ
れ誘導される繰返し単位を有する化3で表わされるポリ
エステルも好ましいものである。
【0017】
【化2】
【化3】
【0018】本発明のサーモトロピック液晶ポリエステ
ルは、1種または2種以上の混合物として使用すること
もできる。
【0019】本発明の全芳香族ポリエステルは、キャピ
ラリーレオメーターにより求めた溶融完了温度(T
η2、℃)と固化開始温度(Tη1、℃)との差(Tη2
−Tη1)が、10〜80℃の範囲にあることが肝要で
ある。Tη2−Tη1の値が10℃未満である全芳香族ポ
リエステルでは、低粘度に保持される温度範囲が狭すぎ
るために高い圧力で射出することとなり、電気電子素子
の損傷を招く懸念があるので好ましくない。一方、Tη
2−Tη1の値が80℃を越えるような全芳香族ポリエス
テルでは、固化速度が小さくなりすぎるために、低い射
出圧力で射出することはできるが、金型空隙から溶融樹
脂の漏れを生じ、いわゆるバリの発生が多くなるためや
はり好ましくない。
【0020】また本発明の全芳香族ポリエステルの融点
は、耐熱性と成形性とのバランスを考慮して300〜4
50℃、好ましくは300〜420℃の範囲である。融
点が300℃未満では、封止材料として耐熱性が不足す
るために好ましくない。また450℃を越えると融点が
高くなりすぎるために樹脂の分解が生じ易く、また通常
の射出成形機によっては成形が困難となるために好まし
くない。
【0021】本発明の光学的溶融異方性を有する全芳香
族ポリエステルの融点、ならびにキャピラリーレオメー
ターにより求めた溶融完了温度(Tη2)および固化開
始温度(Tη1)とは、以下に定義されるものである。 <融点>DSC装置(セイコー電子工業(株)製、SSC
−5020)を用い、完全に溶融させた状態から10℃
/分の速度で室温まで冷却したサンプルを、窒素雰囲気
下、20℃/分で昇温し、吸熱ピークを測定し、これを
融点とする。 <キャピラリーレオメーターにより求めた固化開始温度
(Tη1)>キャピラリーレオメーター((株)インテス
コ製、モデル2010)を用い、L/D=40/1(m
m/mm)、流入角90゜のキャピラリーを用いて、剪
断速度100sec-1において見かけ粘度の温度依存性を
測定する。測定は融点より40℃高い温度から開始し、
4℃/分の速度で等速冷却し、見かけ粘度−温度曲線に
おいて、見かけ粘度の温度依存性(見かけ粘度/温度の
勾配)が急激に上昇する温度の前後における曲線の接線
の交点を求め、この交点に対応する温度を固化開始温度
(Tη1)とする。 <同溶融完了温度(Tη2)>固化開始温度(Tη1)の
測定の場合と同一の装置およびキャピラリー用い、剪断
速度も同一とする。測定は、融点より50℃低い温度か
ら開始し、4℃/分の速度で等速加熱し、見かけ粘度−
温度曲線において、見かけ粘度の温度依存性が急激に低
下する温度の前後における曲線の接線の交点を求め、交
点に対応する温度を溶融完了温度(Tη2)とする。
【0022】また本発明の全芳香族ポリエステルは、従
来のポリエステルの重縮合法に準じて製造することがで
き、製造法に特に制限はないが、代表的な製法として
は、例えば次の(1)〜(4)の方法が挙げられる。 (1)芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物、芳香
族ヒドロキシカルボン酸のアシル化物および芳香族ジカ
ルボン酸から、脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。 (2)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸および芳香族ジカルボン酸と無水酢酸とから脱
酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸
のジフェニルエステルおよび芳香族ヒドロキシカルボン
酸のフェニルエステルから、脱フェノール重縮合反応に
より製造する方法。 (4)芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカル
ボン酸を所望量のジフェニルカーボネートと反応させ、
カルボキシル基をフェニルエステル化した後、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応によ
り製造する方法。
【0023】例えば、p−ヒドロキシ安息香酸(PHB
A)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)お
よびテレフタル酸(TPA)を反応器に仕込み、無水酢
酸を加えて無水酢酸還流下にアセチル化を行い、その後
昇温して250〜350℃の温度範囲で酢酸を留出しな
がら脱酢酸重縮合することによりポリエステルが得られ
る。重合時間は1時間〜数十時間の範囲で選択すること
ができる。
【0024】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、
酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチ
モン、金属触媒が代表的であり、特に脱フェノール重縮
合の際に有効である。
【0025】また上記の各重縮合方法において、溶融重
合と固相重合を併用することも可能である。すなわち、
溶融重合により重縮合を終えたポリマーを固相重合によ
りより高重合度化することができる。固相重合は公知の
方法を広く使用することができる。例えば、溶融重合に
より得られたポリエステルを、窒素などの不活性雰囲気
下で250〜350℃の温度範囲で1時間〜30時間熱
処理することにより行われる。
【0026】また、重合器は特に限定されるものではな
いが、一般の高粘度反応に用いられる撹拌設備、例え
ば、錨型撹拌器、多段型撹拌器、らせん帯撹拌器、らせ
ん軸撹拌器等、およびそれらを変形した撹拌設備を備え
た撹拌槽型重合器、さらに、ワーナー式ミキサー、バン
バリーミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサ
ー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、ハグミ
ル、ギヤーコンパウンダーなどから選ばれるものが望ま
しい。
【0027】上記のようにして得られた本発明の全芳香
族ポリエステルは、単独で、または数種の全芳香族ポリ
エステルを混合して使用することができる。いずれの場
合も、共重合するモノマーの種類、配合割合、重合順
序、触媒、その他の重合条件などを適宜に選択し、得ら
れた光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステルに
ついて、前記キャピラリーレオメーターにより求めた溶
融完了温度(Tη2)と固化開始温度(Tη1)との差
(Tη2−Tη1)が10〜80℃の範囲になるように重
合することが肝要である。言い替えれば、Tη2−Tη1
の値を指標として、共重合モノマーの種類、配合割合、
重合順序、触媒、その他の重合条件を適宜に選択して重
合を行う。
【0028】封止材料としては、前記Tη2−Tη1の値
が10〜80℃の範囲にある光学的溶融異方性を有する
全芳香族ポリエステル単独でも用いられるが、組成物全
体に対して10〜95重量%の無機充填材を配合した組
成物としても用いることができる。この無機充填材とし
ては、熱膨張率が小さく、熱伝導率が大きく、かつ電気
電子部品の電気的動作を妨害する懸念のある有害物質を
可能な限り含まない無機充填材であれば特に限定されな
い。好ましくは、例えば、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、ケイ酸チタン、ケイ酸アルミニウム、
ケイ酸リチウム・アルミニウム、ケイ酸マグネシウム・ア
ルミニウム、チタン酸アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素、タルク、マイカなどの球状粒子や破砕粒
子、およびガラスビーズ、グラスファイバーなどが例示
される。粒子状充填材の粒径または繊維状充填材の直径
およびアスペクト比などは、適宜に任意の範囲から選択
して使用することができる。これらは単独で用いること
ができ、また2種以上を混合することもできる。これら
のうち、流動性と耐熱性のバランスの点から、シリカ、
アルミナ、ガラスビーズ、グラスファイバーおよびタル
クの1種または2種以上の混合物を充填材として用いる
ことが好ましい。
【0029】封止材料としての流動性および耐熱性を良
好に保つためには、充填材の量を樹脂組成物全体に対し
て10〜95重量%配合することが好ましく、30〜6
5重量%の範囲が特に好ましい。10重量%未満では、
熱膨張率や熱伝導率の向上が小さく、一方、95重量%
を越えると樹脂の流動性が低下し、表面状態が劣化する
ので、いずれも好ましくない。
【0030】本発明の封止材料の配合および封止材料に
より電子部品の封止を行うには、公知の任意の方法を採
用することができる。封止方法としては、例えば樹脂温
度290℃〜370℃、金型温度20℃〜170℃で射
出成形し、対象とする電気電子部品を例えばインサート
成形により作製することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。 <測定方法>本発明の実施例および比較例に示した各物
性値は、以下の方法で測定した。 (融点):前記の通りである。 (キャピラリーレオメーターによる固化開始温度(Tη
1)および溶融完了温度(Tη2)):前記の通りであ
る。 (コイル素子の変形量の測定):成形材料をインサート
専用射出成形機(型締め力25トン)により所定のシリ
ンダ温度および金型温度30℃でコイル素子の封止成形
を行い、得られた封止部品を軟X線投影装置により撮影
して、コイル素子の変形量を測定する。
【0032】<実施例1>錨型撹拌翼を有し、重合槽の
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,449g(10.5
モル)および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HN
A)846g(4.5モル)を投入し、真空乾燥の後、
無水酢酸1,720gを加え、150℃で3時間、無水
酢酸環流下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、
酢酸を留去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度
で昇温し45分保持した。次いで、300℃まで1℃/
分の速度で昇温して30分保持し、さらに320℃まで
1℃/分の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論
留出量の93%に達した時点で、ジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25gを投入した。そ
の後トルクは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止
することなく保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後、3時間経過した後に槽内物
質を取り出したところ、フレーク状を呈していた。得ら
れた樹脂の融点は280℃、溶融完了温度は305℃、
固化開始温度は280℃であり、溶融完了温度と固化開
始温度の差は25℃であった。また、290℃で溶融し
たところ光学異方性を示した。上記の樹脂に石英ガラス
粉末を40重量%混合し、二軸押出機で混練造粒し、ペ
レット状の成形材料を得た。その材料について、射出温
度290℃で射出成形実験を行ったところ、コイル素子
の変形量は0.4mmであった。
【0033】<実施例2>錨型撹拌翼を有し、重合槽の
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,615g(11.7
モル)および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HN
A)620g(3.3モル)を投入し、真空乾燥の後、
無水酢酸1,720gを加え、150℃で3時間、無水
酢酸環流下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、
酢酸を留去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度
で昇温し45分保持した。次いで、300℃まで1℃/
分の速度で昇温して30分保持し、さらに320℃まで
1℃/分の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論
留出量の93%に達した時点で、ジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25gを投入した。そ
の後トルクは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止
することなく保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後、3時間経過した後に槽内物
質を取り出したところ、フレーク状を呈していた。得ら
れた樹脂の融点は332℃、溶融完了温度は356℃、
固化開始温度は330℃であり、溶融完了温度と固化開
始温度の差は26℃であった。また、340℃で溶融し
たところ光学異方性を示した。上記の樹脂に石英ガラス
粉末を40重量%混合し、二軸押出機で混練造粒し、ペ
レット状の成形材料を得た。その材料について、射出温
度340℃で射出成形実験を行ったところ、コイル素子
の変形量は0.3mmであった。
【0034】<比較例1>錨型撹拌翼を有し、重合槽の
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合層に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,035g(7.5モ
ル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)6
98g(3.75モル)、テレフタル酸(TPA)57
3g(3.45モル)およびイソフタル酸(IPA)5
0g(0.3モル)を投入し、真空乾燥の後、無水酢酸
1,720gを加え、150℃で3時間、無水酢酸環流
下にアセチル化反応を行った。その後昇温し、酢酸を留
去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度で昇温し
45分保持した。次いで、300℃まで1℃/分の速度
で昇温して30分保持し、さらに320℃まで1℃/分
の速度で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論留出量の
93%に達した時点で、ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト1.25gを投入した。その後トル
クは上昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止すること
なく保持した。ジステアリルペンタエリトリトールジホ
スファイト投入後、3時間経過した後に槽内物質を取り
出したところ、フレーク状を呈していた。得られたフレ
ーク状物質を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、2
80℃で2時間、300℃で2時間、さらに330℃で
6時間熱処理を行った。熱処理後の樹脂の融点は401
℃、溶融完了温度は415℃、固化開始温度は409℃
であり、溶融完了温度と固化開始温度の差は6℃であっ
た。また、411℃で溶融したところ光学異方性を示し
た。上記の樹脂に石英ガラス粉末を40重量%混合し、
二軸押出機で混練造粒し、ペレット状の成形材料を得
た。その材料について、射出温度411℃で射出成形実
験を行ったところ、コイル素子の変形量は1.5mmで
あった。
【0035】<比較例2>錨型撹拌翼を有し、重合槽の
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、p−
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)1,242g(9.0モ
ル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)5
58g(3.0モル)、テレフタル酸(TPA)448
g(2.7モル)およびイソフタル酸(IPA)50g
(0.3モル)を投入し、真空乾燥の後、無水酢酸1,7
20gを加え、150℃で3時間、無水酢酸環流下にア
セチル化反応を行った。その後昇温し、酢酸を留去しな
がら温度を280℃まで1℃/分の速度で昇温し45分
保持した。次いで、300℃まで1℃/分の速度で昇温
して30分保持し、さらに320℃まで1℃/分の速度
で昇温し保持した。酢酸の留出量が理論留出量の93%
に達した時点で、ジステアリルペンタエリトリトールジ
ホスファイト1.25gを投入した。その後トルクは上
昇したが、撹拌動力を上げ、撹拌を停止することなく保
持した。ジステアリルペンタエリトリトールジホスファ
イト投入後、3時間経過した後に槽内物質を取り出した
ところ、フレーク状を呈していた。得られたフレーク状
物質を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃
で2時間、300℃で2時間、さらに330℃で6時間
熱処理を行った。熱処理後の樹脂の融点は390℃、溶
融完了温度は392℃、固化開始温度は390℃であ
り、溶融完了温度と固化開始温度の差は2℃であった。
また、400℃で溶融したところ光学異方性を示した。
上記の樹脂に石英ガラス粉末を40重量%混合し、二軸
押出機で混練造粒し、ペレット状の成形材料を得た。そ
の材料について、射出温度400℃で射出成形実験を行
ったところ、コイル素子の変形量は1.8mmであっ
た。
【0036】
【発明の効果】光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリ
エステルは、射出成形圧力を低くすることが可能であ
り、これを用いて封止成形を行うと、封止した電気電子
素子の損傷を少なくすることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31 H05K 3/28 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャピラリーレオメーターにより求めた
    溶融完了温度(Tη2、℃)および固化開始温度(T
    η1、℃)の差(Tη2−Tη1)が、10〜80℃の範
    囲にある光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステ
    ルからなることを特徴とする電気電子部品用封止材料。
  2. 【請求項2】 前記全芳香族ポリエステルの融点が、3
    00〜450℃の範囲にあることを特徴とする請求項1
    に記載の電気電子部品用封止材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の全芳香族ポリエステル
    と、組成物全体に対して10〜95重量%の無機充填材
    とからなる電気電子部品用封止材料。
JP19902094A 1994-08-01 1994-08-01 電気電子部品用封止材料 Expired - Lifetime JP3346904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19902094A JP3346904B2 (ja) 1994-08-01 1994-08-01 電気電子部品用封止材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19902094A JP3346904B2 (ja) 1994-08-01 1994-08-01 電気電子部品用封止材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0841298A true JPH0841298A (ja) 1996-02-13
JP3346904B2 JP3346904B2 (ja) 2002-11-18

Family

ID=16400791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19902094A Expired - Lifetime JP3346904B2 (ja) 1994-08-01 1994-08-01 電気電子部品用封止材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3346904B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040184A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 ポリプラスチックス株式会社 液晶性高分子及び成形体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040184A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 ポリプラスチックス株式会社 液晶性高分子及び成形体
JP5543479B2 (ja) * 2009-09-30 2014-07-09 ポリプラスチックス株式会社 液晶性高分子及び成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3346904B2 (ja) 2002-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5036106B2 (ja) サーモトロピック液晶ポリマー
JPS62179780A (ja) 発光素子装置
EP0264291B1 (en) Polyester resin composition
JP5543479B2 (ja) 液晶性高分子及び成形体
JPH0548249B2 (ja)
JPH051137B2 (ja)
JPS62131067A (ja) 導電性樹脂組成物
JP2002249647A (ja) 流動性が改良された全芳香族耐熱液晶ポリエステル樹脂組成物
JPH0425140B2 (ja)
JPS62143964A (ja) 安定化ポリエステル樹脂組成物
JPH0571630B2 (ja)
WO2000068291A1 (fr) Polymere a cristaux liquides
US5767223A (en) Wholly-aromatic thermotropic liquid crystal polyester and sealing material for electric and electronic parts
JP3375217B2 (ja) 電気電子部品用封止材
WO2001081449A1 (fr) Resine polyester a cristaux liquides
JP3346904B2 (ja) 電気電子部品用封止材料
JPH0582859B2 (ja)
JP2632803B2 (ja) 電動機ローター
JPH0571631B2 (ja)
JPS62141064A (ja) 熱可塑性樹脂封止剤
JP3499023B2 (ja) 共重合ポリエステル及びポリエステル樹脂組成物
JPH1160927A (ja) サーモトロピック液晶ポリマー組成物
JP2683337B2 (ja) 光ピツクアツプ
JP3060110B2 (ja) 改良された耐ブリスター性を有するサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH1036492A (ja) 全芳香族ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term