JP3499023B2 - 共重合ポリエステル及びポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

共重合ポリエステル及びポリエステル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来使用している装置
にて溶融加工を行うことが可能で、得られた成形物に優
れた耐熱性、高い機械物性を付与せしめることが可能で
ある新規な光学異方性を示す共重合ポリエステルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在市
販されている、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
アルキレンテレフタレートを用いた光学異方性ポリエス
テルは、特公昭56−18016号公報などに開示され
ているように、p−アセトキシ安息香酸とポリエチレン
テレフタレートをアシッドリシスしつつ重合させて得ら
れるヒドロキシ安息香酸ユニットを主成分とするポリマ
ーで、このポリマーは液晶転移温度 230℃前後で機械特
性にも優れるものであり、ポリエチレンテレフタレート
が工業的に入手し易い原料であるため生産コストの上で
も優れたものである。しかしながら、このポリマーは、
例えば、熱変形温度が65〜70℃と低く、いわゆる熱特性
に劣るという欠点があったため、耐熱性を要求される用
途には使用することができなかった。また上記ポリマー
は、耐熱性向上を目的としてポリエチレンテレフタレー
トユニット含量を低下させると、重合途中でp−アセト
キシ安息香酸に由来する不溶不融物ができてしまう欠点
もあった。一方、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族
ジカルボン酸および芳香族ジオールを構成単位とする溶
融異方性ポリエステルは耐熱性の面では優れているが、
一般の射出成形機で成形可能な融点 350℃以下を実現す
るため高価なモノマーを多用しなければならない。更
に、上記いずれの光学異方性ポリエステルも高温でのガ
ス発生が多いという欠点もあった。発生ガスはリレー等
の電子部品に使用した場合金属接点の汚染の原因とな
り、成形後の熱処理等の工程が必要となって電子部品を
製造する際に著しく工程が煩雑になるといった問題があ
った。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために、鋭意研究努力した結果、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸を主成分とすることなく、また高価な
芳香族ジオールを多用することなく、高い耐熱性と優れ
た機械的物性を備え、ガス発生が少ない成形物が得られ
る光学異方性を有するポリエステルを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち本発明は、必須の構成成分とし
て、下記一般式(1) 、(2) 、(3) で表される構成単位を
含み、全構成単位に対して、(1) の構成成分が40〜95mo
l %、(2)の構成成分が1〜40 mol%、(3) の構成成分
が0.1 〜20 mol%であることを特徴とする溶融時に光学
異方性を示す共重合ポリエステルである。 (1) -OC-Ar1-COO-Ar2-O- (2) -[OC-Ar3-COO-(CH2)nO]l- (3) -OC-Ar4-O- (ここでAr1 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フェニレ
ン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより選ばれ
た1種も若しくは2種以上。Ar2 は、1,3 −フェニレ
ン、1,4 −フェニレン、2,6 −ナフタレン、パラ位でつ
ながるフェニレン数2以上の化合物の残基、又はパラ位
のフェニレン間を-O- 、-CH2- 、-CO-、-S- 、-SO-、-S
O2- 、-CH3CCH3- 、-CF3CCF3- 及び-O-(CH2)m-O- {m
=2〜6}により結合された化合物から選ばれた1種若
しくは2種以上。Ar3 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フ
ェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより
選ばれた1種若しくは2種以上。Ar4 は、1,4 −フェニ
レン、又は1,4 −フェニレン、2,6 −ナフタレン、4,4'
−ビフェニレンから選ばれた2種以上。l は数平均値と
して2〜200 から選ばれ、n は2〜6より選ばれる。) 上記(1) 〜(3) の構成単位を具現化するには、通常のエ
ステル形成能を有する種々の化合物が使用される。以下
に本発明を構成する共重合ポリエステルを形成するため
に必要な原料化合物について、順を追って詳しく説明す
る。
【0004】アリレート成分(1) は、ジカルボン酸及び
ジオールからなり、ジカルボン酸成分Ar1 は1,3 −フェ
ニレン、1,4 −フェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,6
−ナフタレンより選ばれた1種若しくは2種以上であ
る。ジオール成分Ar2 は、1,3−フェニレン、1,4 −フ
ェニレン、2,6 −ナフタレン、及びパラ位でつながるフ
ェニレン数2以上の化合物(例えば4,4'−ビフェニレン
など)の残基から、又はパラ位のフェニレン間を-O-
(例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル)、-C
H2- (例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン)、
-CO-(例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン)、
-S- (例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド)、-SO2- (例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン)、-CH3CCH3- (例えば4,4'−イソプロピリデン
ジフェノール)、-CF3CCF3- (例えば4,4'−ヘキサフロ
ロイソプロピリデンジフェノール)及び-O-(CH2)m-O-
{m =2〜6}(例えば4,4'−(エチレンジオキシ)ジ
フェノール)により結合された化合物から選ばれた1種
若しくは2種以上である。そしてジカルボン酸及びジオ
ールのそれぞれの量は実質的に等量であり、その合計量
は全構成単位に対して40〜95mol %であり、好ましくは
50〜90mol %である。この量が95mol %を越えると、生
成したポリマーの融点が著しく上昇し、溶融加工性が悪
化し、又、40mol %未満であると、耐熱温度が低下し、
好ましくない。
【0005】尚、以上のジカルボン酸及びジオール単位
をポリマー中に導入するために、ジカルボン酸やジオー
ル以外のジエステル形成性誘導体を用いることができ
る。
【0006】次に、ポリエステル成分(2) において、Ar
3 は1,3 −フェニレン、1,4 −フェニレン、4,4'−ビフ
ェニレン、2,6 −ナフタレンより選ばれた1種若しくは
2種以上であり、n は2〜6(好ましくは2)であり、
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート等が挙げられ、このポリエステル成分(2)
の量は全構成単位に対して1〜40mol %であり、好まし
くは1〜30mol %である。この量が1mol %未満である
と、生成したポリマーの融点が著しく上昇し、40mol %
を越えると耐熱性が低下するなど好ましくない。次に、
繰り返し単位lは数平均値として2〜200 から選ばれ、
形態はペレットやリサイクル粉砕品などを用いることが
できる。これらの原料ポリエステルは、業界周知の一般
的方法によって製造することができる。
【0007】次に、ヒドロキシカルボン酸成分(3) にお
いて、Ar4 は1,4 −フェニレン、又は1,4 −フェニレ
ン、2,6 −ナフタレン、4,4'−ビフェニレンより選ばれ
た2種以上である。このヒドロキシカルボン酸成分(3)
の量は、全構成単位に対して 0.1〜20mol %であり、重
合の容易さを考慮すると好ましくは1〜15 mol%であ
り、より好ましくは3〜15 mol%である。0.1mol%未満
であると、融点が著しく上昇し、成形性が損なわれるの
で好ましくない。又、20 mol%を越えると芳香族ヒドロ
キシカルボン酸成分が脱炭酸してできるフェノール或い
はナフトール等およびその誘導体を主成分とするガスの
成形体からの発生が多くなるので好ましくない。成形体
からのガス発生はリレー等の電子部品に使用した場合、
金属接点汚染の原因となり熱処理等の特殊な二次工程が
必要とされ製造上の経済性が著しく劣る。
【0008】以上述べたように、本発明は構成単位(3)
の量を 0.1〜20mol %に限定することにより、共重合ポ
リエステルから発生するガス量を低減したものである
が、この範囲において工業的に入手が容易な構成成分
(1) 及び(2) の割合を限定することにより溶融加工性、
耐熱性及び機械的特性の全てに優れる共重合ポリエステ
ル及びその組成物を提供できたのである。構成成分(1)
が40mol %未満で、構成成分(2) が40mol %を越える
と、耐熱温度が低下してしまい好ましくない。一方、構
成成分(1) が95mol %を越え、構成成分(2) が1mol %
未満であると、融点が著しく上昇し、加工特性が非常に
悪いものとなる。
【0009】本発明の共重合ポリエステルは、直接重合
法やエステル交換法を用いて重合され、重合に際して
は、通常、溶媒重合法や溶融重合法、スラリー重合法等
が用いられる。これらの重合に際しては、種々の触媒の
使用が可能であり、代表的なものは、ジアルキル錫酸化
物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチ
タン珪酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のア
ルカリ及びアルカリ土類金属塩類、BF3 の如きルイス酸
塩等が挙げられる。触媒の使用量は、一般にはモノマー
全重量に基づいて、約 0.001乃至1重量%が好ましい。
これらの重合法により製造されたポリマーは、更に減圧
又は不活性ガス中で加熱する固相重合により分子量の増
加を図ることができる。
【0010】溶融時に、光学的異方性を示す液晶性ポリ
マーであることは、本発明において熱安定性と易加工性
を併せ持つ上で不可欠な要素である。溶融異方の性質
は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確
認することができる。より具体的には、溶融異方性の確
認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用し、リンカム社
製ホットステージに載せた試料を溶融し、窒素雰囲気下
で 150倍の倍率で観察することにより実施できる。上記
ポリマーは、光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿
入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であ
ると、例えば溶融静止状態であっても偏光は透過する。
本発明の加工性の指標としては液晶性及び融点(液晶性
発現温度)が考えられる。液晶性を示すか否かは溶融時
の流動性に深く関わり、本願のポリエステルは溶融状態
で液晶性を示すことが不可欠である。ネマチックな液晶
性ポリマーは融点以上で著しく粘性低下を生じるので、
一般的に融点またはそれ以上の温度で液晶性を示すこと
が加工性の指標となる。融点(液晶転移温度)は、出来
得る限り高い方が耐熱性の観点からは好ましいが、ポリ
マーの溶融加工時の熱劣化や成形機の加工能力を考慮す
ると、350 ℃以下であることが望ましい目安となる。
又、少なくとも融点に10℃を加えた温度以上で樹脂の溶
融粘度が 1000sec-1の剪断速度下で1×105 ポイズ以下
であることが好ましい。更に好ましくは1×104 ポイズ
以下である。これらの溶融粘度は液晶性を具備すること
で概ね実現される。
【0011】次に本発明のポリエステルは使用目的に応
じて各種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填
剤を配合することができる。繊維状充填剤としてはガラ
ス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリ
カ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒
硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレ
ス繊維、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等、金属繊維
状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的
な繊維状充填剤はガラス繊維である。尚、ポリアミド、
フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の高融
点有機質繊維状物質も使用することが出来る。一方、粉
粒状充填剤としては、カーボンブラック、黒鉛、シリ
カ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバ
ー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅素カルシウム、カオ
リン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如
く硅素酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化ア
ンチモン、アルミナの如く金属の酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムの如く金属の炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムの如く金属の硫酸塩、その他フェラ
イト、炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等
が挙げられる。又、板状充填剤としては、マイカ、ガラ
スフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。有機充填剤
の例を示せば芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー
繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維等の耐熱
性高強度合成繊維である。これらの無機及び有機充填剤
は1種又は2種以上併用することが出来る。繊維状充填
剤と粒状又は板状充填剤との併用には特に機械的強度と
寸法精度、電気的性質を兼備する上で好ましい組み合わ
せである。無機充填剤の配合量は、組成物全量に対して
95重量%以下、好ましくは1〜80重量%である。これら
の充填剤の使用にあたっては、必要ならば収束剤又は表
面処理剤を使用することが望ましい。
【0012】更に本発明のポリエステルには、本発明の
企図する目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を補
助的に添加してもよい。この場合に使用する熱可塑性樹
脂の例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオー
ル等からなる芳香族ポリエステル、ポリアセタール(ホ
モ又はコポリマー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ホリカーボネート、ABS、ポリフェニレ
ンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等
を挙げることが出来る。又、これらの熱可塑性樹脂は2
種以上混合して使用することが出来る。又、熱可塑性ポ
リマーに通常用いられる酸化防止剤(例えばトリデシル
フォスファイト等のリン化合物、又は商品名イルガノッ
クス1010等のヒンダードフェノールを含む化合物
等)、滑剤(例えばステアリルアルコール、ポリエチレ
ンワックス等)、難燃剤(例えば臭素化ビスフェノール
A等のハロゲン化合物や、有機リン化合物からなるポリ
マーや、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物等)
等の当業界周知な添加物の使用は目的に応じて選択使用
することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明で得られる特定の構成単位よりな
る溶融時に異方性を示す共重合ポリエステル及びその組
成物は、溶融時の流動性が良好でなおかつ熱安定性に優
れており、ガス発生が少なく、又、特殊な構造を持った
成形機を用いずとも射出成形や押出し成形、圧縮成形が
可能であり、種々の立体成形、繊維、フィルム等に加工
できる。本発明の共重合ポリエステル及びその組成物
は、この様な特性により、精密な部品、特にピッチ間の
狭いコネクターや、リール部品、薄肉部品、電線被覆材
などに好適である。
【0014】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 表1に示す如く、テレフタル酸624 g、2,6 −ナフタレ
ンジカルボン酸812 g、1,4 −ジヒドロキシベンゼン51
7 g、4,4'−ジヒドロキシビフェニル525 g(アリレー
ト成分(1) として80.0 mol%)、4−ヒドロキシ安息香
酸130 g(ヒドロキシカルボン酸成分(3) として10.0 m
ol%)、全ヒドロキシ基の103 %に相当する無水酢酸 1
678 g及び最終全仕込量に対して0.05重量%の酢酸カリ
ウムを、攪拌機、窒素導入管及び留出管を備えた内容量
6リットルの反応器に仕込み、反応器内を窒素にて置換
した後、窒素気流下で、この混合物を 140℃にて1時間
反応させた。この後 1.5時間で 230℃まで加熱した。こ
の時酢酸が約900 g留出した。次にこの反応系の中に、
ポリエチレンテレフタレート197 g(ポリエステル成分
(2) として10.0 mol%)を加えた後、2時間で350 ℃ま
で加熱して、更に 350℃にて 0.5時間攪拌した。その時
までに、理論酢酸留出量の95%以上が留出した。次に 3
50℃にて反応容器内を徐々に減圧し、さらに0.2 時間で
1mmHg以下に減圧し、この圧力にて2時間反応を行っ
た。この減圧中に、少量の酢酸が留出した。そして、反
応終了後窒素を導入し、内容物を取り出したところ得ら
れた重合物は淡黄白色であり、パーキンエルマー社製D
SCにて測定した融点は、287 ℃であった。又、オリン
パス社製偏光顕微鏡にて、リンカム社製ホットステージ
上で重合物をクロスニコル下で加熱観察したところ融点
以上ではネマチック性液晶パターンを示した。次に横浜
ケミックス社製ミニショット2型機を用いてこの重合体
より引張試験片を作成し、東洋ボールドウィン社製引っ
張り試験機を用いて測定した結果、引張強度1370kg/cm
2 、引張伸度 1.5%であった。次に融点以下での強度保
持性を評価するために、代用特性として以下の値を用い
た。即ちピカット方式に準じ 0.5mm厚のプレスシートに
一定の荷重下、一定寸法の針が貫通し始める温度を軟化
温度とした。このポリマーの軟化温度は 200℃であっ
た。この値は高いほど高温特性がよいことを示す。次に
得られた重合体を切削しておおむね10mgの立方体を作成
し、これをパーキンエルマー社の熱重量分析装置(TG
A)にて 290℃、30分間の重量減少率を測定し、ガス発
生の評価とした。
【0015】実施例2〜7 実施例1と同様の方法で内容量500ml の反応器を用い、
表1に記載の構成比率にて重合を行い、得られた重合体
を同様の手法で評価した。尚、無水酢酸は、全ヒドロキ
シ基の103 %に相当する量を用いた。得られた重合体
は、実施例1と同様に同条件下で、液晶性パターンを示
した。 実施例8 実施例1で得た重合体をハーケ社製押出機にてガラス繊
維30重量%と混合押出し、同様の手法で試験片を作成し
評価した。結果をまとめて表1に示す。
【0016】比較例1〜6 実施例1と同様の方法で表1に記載の構成比率にて重合
を行った。しかし比較例1、2及び6では 300℃前後よ
り増粘し、最終的に 400℃まで加熱して重合物を得たが
融点が高過ぎ、成形が困難で機械強度を測定することが
できなかった。また比較例3においては成形体を得るこ
とは出来たが著しく高温特性が悪かった。比較例4では
良好な重合物が得られ、機械特性、高温特性も良好であ
ったが、ガス発生量が多かった。比較例5ではガス発生
量は比較的少なかったが、融点が低く高温特性も著しく
悪かった。結果をまとめて表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】(表の注) TPA :テレフタル酸 NDA :2,6 −ナフタレンジカルボン酸 BBA :4,4'−ビフェニルジカルボン酸 HQ :1,4 −ジヒドロキシベンゼン BP :4,4'−ジヒドロキシビフェニル PET :ポリエチレンテレフタレート HBA :4−ヒドロキシ安息香酸 HNA :2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸 N/A :融点が高すぎ成形体が得られず評価できない。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の構成成分として、下記一般式(1)
    、(2) 、(3) で表される構成単位を含み、全構成単位
    に対して、(1) の構成成分が40〜95mol %、(2) の構成
    成分が1〜40 mol%、(3) の構成成分が0.1 〜20 mol%
    であることを特徴とする溶融時に光学異方性を示す共重
    合ポリエステル。 (1) -OC-Ar1-COO-Ar2-O- (2) -[OC-Ar3-COO-(CH2)nO]l- (3) -OC-Ar4-O- (ここでAr1 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フェニレ
    ン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより選ばれ
    た1種も若しくは2種以上。Ar2 は、1,3 −フェニレ
    ン、1,4 −フェニレン、2,6 −ナフタレン、パラ位でつ
    ながるフェニレン数2以上の化合物の残基、又はパラ位
    のフェニレン間を-O- 、-CH2- 、-CO-、-S- 、-SO-、-S
    O2- 、-CH3CCH3- 、-CF3CCF3- 及び-O-(CH2)m-O- {m
    =2〜6}により結合された化合物から選ばれた1種若
    しくは2種以上。Ar3 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フ
    ェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより
    選ばれた1種若しくは2種以上。Ar4 は、1,4 −フェニ
    レン、又は1,4 −フェニレン、2,6 −ナフタレン、4,4'
    −ビフェニレンから選ばれた2種以上。l は数平均値と
    して2〜200 から選ばれ、n は2〜6より選ばれる。)
  2. 【請求項2】 (3) の構成成分の比率が1〜15mol %で
    ある請求項1記載の共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 (2) の構成成分においてn が2である請
    求項1又は2記載の共重合ポリエステル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の共重合
    ポリエステルに無機充填剤95重量%以下(対組成物全
    量)を配合してなるポリエステル樹脂組成物。
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