JPH0840748A - 撥水性ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

撥水性ガラスおよびその製造方法

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JPH0840748A
JPH0840748A JP18029594A JP18029594A JPH0840748A JP H0840748 A JPH0840748 A JP H0840748A JP 18029594 A JP18029594 A JP 18029594A JP 18029594 A JP18029594 A JP 18029594A JP H0840748 A JPH0840748 A JP H0840748A
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康朗 甲斐
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/42Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions at least one coating of an organic material and at least one non-metal coating

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れた撥水撥油液を用い、簡単
な積層膜構成で、撥水性能はもとより、より長期的に耐
摩耗性、耐候性に優れた撥水性ガラスを得る。 【構成】 ガラス基板と、該基板の表面に、表面処理す
ることなく成膜した状態でマイクロピット状表層、凹凸
状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状
を呈している酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜で成る
下地層と、該下地層の上に、少なくともフルオロアルキ
ルシラン0.1 〜20重量%と、酸化アンチモンをドーパン
トとする酸化錫の粒子0.04〜2重量%と、シリコーン化
合物0.03〜2重量%と、水を0.005 〜15重量%と、有機
溶媒からなる混合溶液に、酸をフルオロアルキルシラン
1mol に対して5×10-4mol 〜2×10-2mol になるよう
添加した撥水撥油液を塗布成膜した薄膜である撥水層と
からなることを特徴とする撥水性ガラス。並びにその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水撥油性能はもとよ
り、耐久性、耐摩耗性に優れた撥水性ガラスおよびその
製造方法に関し、車両用、船舶用、航空機用あるいは建
築用等のウィンドウガラスやミラーなどに有用である。
【0002】
【従来技術】ガラスや樹脂等の基材に撥水撥油性を付与
させるために、フルオロアルキル基含有化合物やジメチ
ルシロキサン、フッ素系樹脂を含有する処理剤を前記基
材表面に塗布成膜する試みがなされている。しかしこれ
らの処理剤を単に塗布しただけでは前記基材表面との結
合力が弱く、耐候性や耐摩耗性を充分にもたせることは
できず、撥水性を長期に亘り維持することは困難であっ
た。
【0003】これまでは、ガラスなどの素材上に、撥水
撥油性を付与するためにポリフルオロアルキル基(Rf
基)含有シラン化合物とアルコール等の希釈剤を用いた
ものが各種出願されている。例えば特開昭58−122979号
公報、特開昭58−129082号公報、特開昭58−172245号公
報、特開平5−345641号公報等である。
【0004】さらに例えば特開平3ー90345 号公報に
は、ガラス等の透明基材上に高屈折率誘電層として酸化
錫やアンチモンをドープした酸化錫層を形成した後、そ
の上にフッ素化合物を含む低屈折率層を設けることによ
り撥水性を示す透明成形体が記載され、該低屈折率層を
形成するための処理剤としてフルオロアルキル基含有化
合物とシリコン化合物、アルコール、酸の混合液が用い
られている等が開示されている。
【0005】また例えば、特開昭58−167448号公報に
は、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物叉は該化
合物の部分加水分解縮合物からなる厚さ1μm 以下の薄
膜をガラス表面に形成することにより、透視性等を損な
うことなく、低反射率及び撥水撥油性とする低反射率ガ
ラスが記載されている。
【0006】しかし、このような従来の処理剤を用いた
撥水撥油処理では、基材表面に導入される撥水撥油基の
結合力が弱く、耐久性、耐候性試験において、比較的短
時間で撥水性が劣化し、撥水性能を長く持続することが
できないという問題点があった。
【0007】さらに耐候性に優れたものとして、テフロ
ンを被覆したガラスがあるが、膜が柔らかいため傷つき
易くすぐに透明性が損なわれるという問題点があった。
また例えば、特開昭60−231442号公報には、ガラス基板
上に接着成分としてシロキサン結合を有する有機ケイ素
化合物の重合物、および撥水成分としてフッ素化合物の
重合物の双方よりなる撥水性被膜を形成した撥水処理硝
子が記載されているが、表面が撥水成分の重合物が全て
または相対的に多く含有された構成になっているために
傷つき易いという問題点があった。
【0008】また例えば、特開平3−153859号公報に
は、プラスチック基板上に金属酸化物層が形成され、そ
の上に金属酸化物層およびフッ素樹脂の複合層を積層し
た表面改質プラスチックが記載されているが、基板がプ
ラスチックであるため密着性が必ずしも満足できるもの
ではない等の問題がある。
【0009】また例えば、特開平5−51238 号公報に
は、ガラス基板上に金属酸化物相と該金属酸化物相中に
分散された撥水性微粒子とからなる撥水層をもつ撥水性
ガラスが記載されているが、微粒子が均等に膜中に分散
した構成では傷つき易いという問題点があった。
【0010】また例えば特開平4ー160039号公報には、
ガラス表面に金属酸化物被膜を設け、更にその表面に、
SnやSbの元素のイオンをイオン注入することにより撥水
性を付与することが記載されているが、充分な初期接触
角が得られないことや注入後にイオンが徐々に酸化し撥
水性能が長く持続できないという問題点があった。
【0011】また、基材表面に下地層と撥水層を設けた
ものとしては、例えば特開平2ー311332号公報には、ガ
ラス基材表面にSiO2等の金属酸化物層を形成し、アルコ
キシシラン化合物及びフルオロアルキルシラン化合物等
のシリル化した撥水層を設ける撥水性ガラスの製造方法
が記載されており、さらに特開平5ー238781号公報に
は、ガラス基体表面にシリカ下地層、及びペルフルオロ
アルキル、アルキルシランで処理されている耐久撥水性
表面を有するガラス物品が記載されている等がある。こ
れらでは特に過酷な環境下での長期的な耐久性や耐摩耗
性等において撥水性の劣化や微小な傷が微かに付くよう
なことがあり、必ずしも充分とは言い難いものであっ
た。
【0012】またさらに基板表面に凹凸状の下地層を設
け、その上に撥水層を設けたものとしては、例えば特開
平4ー124047号公報には、硝子表面に金属酸化物皮膜を
形成し、エッチングによって凹凸を設け、その上にポリ
フルオロアルキル基を有するフッ素シリコン等の撥水処
理剤をコーティングするガラス表面の撥水処理方法が記
載されており、さらにまた特開平6ー116430号公報に
は、プラスチックフイルム上に微小な凹凸(粗さが0.01
〜0.3 μm)を形成した(プラズマ放電処理)SiO2等の
無機硬質膜と、この上にシロキサン結合を介して形成さ
せたフッ素を含む化学吸着単分子膜とからなる撥水撥油
性フイルムが記載されている等がある。これらはいずれ
もその凹凸処理が複雑であり、凹凸形状も所期のものと
は異なり、しかも特により過酷な環境下での撥水性の長
期的な耐久性や耐摩耗性等の保持において充分維持でき
ず、撥水性の劣化が起こり易く、微小な傷が微かに付く
ようなことがあり、必ずしも充分満足するものとは言い
難いものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐
候性に優れしかも硬い、特により過酷な環境下での撥水
性能の長期的な耐久性や耐摩耗性等を維持できる撥水性
ガラスおよびその製造方法を、特異な形成による特異な
形状の下地層と保存安定性に優れた特定した撥水撥油液
の組み合わせ積層することによって提供することにあ
る。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなされたものであって、少なくともフ
ルオロアルキルシラン0.1 〜20重量%と、酸化アンチモ
ンをドーパントとする酸化錫の粒子0.04〜2重量%と、
シリコン化合物0.03〜2重量%と、水を0.005 〜15重量
%および有機溶媒とからなる混合溶液に、酸をフルオロ
アルキルシラン1mol に対して5×10-4mol 〜2×10-2
mol になるように添加した特定の撥水撥油液を、酸化物
溶液あるいは混合酸化物溶液を被膜し、550 〜650 ℃で
焼成後においてもそのまま、マイクロピット状表層、凹
凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形
状を呈している酸化物膜あるいは混合酸化物薄膜を下地
層として設けたガラス基板の下地層上に塗布し、次いで
100 〜400 ℃で焼き付けることにより、上記目的が達成
できる。
【0015】また本発明は、ガラス基板と、該基板の表
面に、表面処理することなく成膜した状態でマイクロピ
ット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1
種以上の表層形状を呈している酸化物薄膜あるいは混合
酸化物薄膜で成る下地層と、該下地層の上に、少なくと
もフルオロアルキルシラン0.1 〜20重量%と、酸化アン
チモンをドーパントとする酸化錫の粒子0.04〜2重量%
と、シリコーン化合物0.03〜2重量%と、水を0.005 〜
15重量%と、有機溶媒からなる混合溶液に、酸をフルオ
ロアルキルシラン1mol に対して5×10-4mol 〜2×10
-2mol になるよう添加した撥水撥油液を塗布成膜した薄
膜である撥水層とからなることを特徴とする撥水性ガラ
スを提供する。
【0016】また本発明は、ガラス基板と、該基板の表
面に、前記したマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸
状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状を呈してい
る酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜における該マイク
ロピットまたは/および凹凸あるいは/ならびに凸が、
R max(最大高さ)=5〜60nm、 R a(中心線平均粗
さ)=2〜20nm、 R z(10点平均粗さ)=5〜55nm、 S
m(凹凸の平均間隔)=5〜700nmであることから成る
膜厚が10〜300nmの下地層と、該下地層の上に、前記し
た撥水撥油液を塗布成膜した薄膜である撥水層とからな
ることを特徴とする撥水性ガラスを提供する。
【0017】また本発明は、ガラス基板と、該基板の表
面に、前記したマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸
状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状を呈してい
る酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜における該マイク
ロピットまたは/および凹凸あるいは/ならびに凸が、
スキューネス(歪度)=0乃至>0、クルトシス(尖
度)=3乃至>3であることから成る下地層と、該下地
層の上に、前記した撥水撥油液を塗布成膜した薄膜であ
る撥水層とからなることを特徴とする撥水性ガラスを提
供する。
【0018】また本発明は、ガラス基板と、該基板の表
面に、前記したマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸
状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状を呈してい
る酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜における該マイク
ロピットまたは/および凹凸あるいは/ならびに凸が、
R max(最大高さ)=5〜60nm、 R a(中心線平均粗
さ)=2〜20nm、 R z(10点平均粗さ)=5〜55nm、 S
m(凹凸の平均間隔)=5〜700nmであることから成
り、しかもスキューネス(歪度)=0乃至>0、クルト
シス(尖度)=3乃至>3であることから成る下地層
と、該下地層の上に、前記した撥水撥油液を塗布成膜し
た薄膜である撥水層とからなることを特徴とする撥水性
ガラスを提供する。
【0019】また本発明は、前記した撥水撥油液を、平
均膜厚として10〜300nmであって、R max(最大高さ)=
5〜60nm、 R a(中心線平均粗さ)=2〜20nm、 R
z(10点平均粗さ)=5〜55nm、 S m(凹凸の平均間
隔)=5〜700nmであるマイクロピットまたは/および
凹凸あるいは/ならびに凸を有するマイクロピット状表
層、凹凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上で
なる前記した酸化物膜あるいは混合酸化物薄膜を下地層
として設けたガラス基板の下地層上に塗布し、次いで10
0 〜400 ℃で焼き付けることを特徴とする撥水性ガラス
の製造方法を提供する。
【0020】また本発明は、前記した撥水撥油液を、ス
キューネス(歪度)=0乃至>0、クルトシス(尖度)
=3乃至>3であるマイクロピットまたは/および凹凸
あるいは/ならびに凸のマイクロピット状表層、凹凸状
表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上でなる前記し
た酸化物膜あるいは混合酸化物薄膜を下地層として設け
たガラス基板の下地層上に塗布し、次いで100 〜400 ℃
で焼き付けることを特徴とする撥水性ガラスの製造方法
を提供する。
【0021】また本発明は、前記した撥水撥油液を、平
均膜厚として10〜300nmであって、R max(最大高さ)=
5〜60nm、 R a(中心線平均粗さ)=2〜20nm、 R
z(10点平均粗さ)=5〜55nm、 S m(凹凸の平均間
隔)=5〜700nmであり、しかもスキューネス(歪度)
=0乃至>0、クルトシス(尖度)=3乃至>3である
マイクロピットまたは/および凹凸あるいは/ならびに
凸のマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のう
ち少なくとも1種以上でなる前記した酸化物膜あるいは
混合酸化物薄膜を下地層として設けたガラス基板の下地
層上に塗布し、次いで100 〜400 ℃で焼き付けることを
特徴とする撥水性ガラスの製造方法を提供する。
【0022】ここで、前記ガラス基板としては、無機質
の透明板ガラスであって、車輌用、船舶用、航空機用あ
るいは建築用等に用いられる市販のソーダライムガラス
を採用することができ、無色または着色、ならびにその
種類あるいは色調、形状等にとくに限定されるものでは
なく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん、各種強化
ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用できると
ともに、複層ガラスあるいは合せガラス、またミラー用
ガラスとしても使用できることは言うまでもないもので
ある。
【0023】また前記した下地層とする酸化物膜として
は、いかなる手法により作製してもよいが、例えば金属
アルコキシド系化合物あるいは金属アセチルアセトネー
ト系化合物中から少なくとも1種以上の化合物を2つ以
上選択し、しかも該選択した該溶液の選択する2つ以上
の化合物の混合割合の調整または/および該溶液を相対
湿度のコントロールのもとに成膜し、100 ℃以上の温度
で加熱することにより得ることができる。該下地層の成
膜は、100 〜300 ℃で約10分間前後によるゲル膜とした
後、さらに約600 ℃前後、例えば500 〜650 ℃程度で約
3分間前後焼成することが優れた耐候性や耐摩耗性等を
得るために好ましいものである。
【0024】ことに表面処理をすることなく前記したマ
イクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少な
くとも1種以上の表層形状を呈している酸化物薄膜とな
り、さらに550 〜650 ℃程度で焼成しても被膜乾燥時の
マイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少
なくとも1種以上の表層形状が崩れるようなことがな
い。以下の下地層でも同様である。
【0025】上述した選択した2つ以上の化合物につい
ては、例えば平均分子量が異なるものを選択し、該選択
は成膜した酸化物膜の表層をマイクロピット状、凹凸状
あるいは凸状とするためであり、混合する2種以上の化
合物の平均分子量は数千(具体的には例えば800 乃至80
00程度、好ましくは2000乃至7000程度)と数万(具体的
には例えば10000 乃至70000 程度)あるいは、数千と数
十万(具体的には例えば100000乃至400000程度)の組み
合わせであることが好ましい。
【0026】さらに下地層としては、例えば一つの出発
原料として4官能を有する金属アルコキシドあるいは金
属アセチルアセトネート化合物を加水分解ならびに脱水
縮合したゾル溶液Aと、さらに一つの出発原料として3
官能あるいは2官能を有する金属アルコキシドあるいは
金属アセチルアセトネート化合物を加水分解ならびに脱
水縮合したゾル溶液Bをそれぞれ選択し混合することな
るコーティング溶液を被膜し成膜したゾルゲル膜であっ
てもよいものである。
【0027】さらにまた例えば、上述したゾル溶液Aお
よびBとは異種金属の金属アルコキシドあるいは金属ア
セチルアセトネート化合物を出発原料として加水分解な
らびに脱水縮合したゾル溶液Cを用い、前記ゾル溶液
A、BならびにCをそれぞれ少なくとも選択し混合する
ことなるコーティング溶液を被膜し成膜したゾルゲル膜
であってもよいものである。
【0028】また、上述した金属アルコキシド系化合物
としては、金属にすべてアルコキシ基のみが結合した場
合、すなわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシ
ド等のみならず、その一部がメチル基、エチル基等に置
換したもの、例えばモノメチルアルコキシド、モノエチ
ルアルコキシド等を含むものである。さらにまた、上述
した金属アセチルアセトネート系化合物としては、金属
に全てアセチルアセトン基のみが結合した場合のみなら
ず、その一部がメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ
基等に置換したものを含むものである。
【0029】さらに、上述の金属としては、とくに限定
するものではないが、Si、TiまたはZrを選択するのが好
ましく、具体的なものとしては、例えばテトラメトキシ
シラン〔Si(OMe)4 Me:CH3 〕(以下Meは
CH3 である)、テトラエトキシシラン〔Si(OEt)
4 Et:C2 5 〕(以下EtはC2H5である)、メチル
トリエトキシシラン〔MeSi(OEt)3 〕、メチル
トリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3 〕、チタン
テトライソプロポキシド〔Ti(O−iso−Pr)4
Pr:C3 7 〕(以下PrはC3H7である)、チタンア
セチルアセトネート〔Ti(CH2 COCH2 COCH
3 4 〕、ジルコニウムノルマルブトキシド〔Zr(O
−n−Bu)4 Bu:C4 9 〕(以下BuはC4H9であ
る)、ジルコニウムアセチルアセトネート〔Zr(CH
2 COCH2 COCH3 4 〕等が好適であり、他に例
えばジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、チタンテトラノルマルブトキシド、ジルコニウム
テトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラオクチレ
ート等がある。
【0030】またさらに、前記マイクロピット状表層、
凹凸状表層、凸状表層のうちの少なくとも1種以上でな
る酸化物膜あるいは混合酸化物薄膜の具体的なものとし
ては、SiO2の酸化物膜、SiO2・TiO2あるいはSiO2・ZrO2
等の混合酸化物膜等が挙げられる。
【0031】また、前記マイクロピット状表層、凹凸状
表層、凸状表層のうちの少なくとも1種以上でなる酸化
物膜あるいは混合酸化物薄膜の下地層の平均膜厚として
は10〜300nmであるとしたのは、10nm未満では所期の表
層形状が得られ難くなって撥水剤の充分な量の保持がで
きなくなり、長期の撥水性発現ができなくなるためであ
る。また300nmを超えると経済的でなくなることはもち
ろん、下地層自体の物理的耐久性が低減することとなる
ため等である。最適には30〜200nm 程度である。
【0032】また、前記したマイクロピット状表層、凹
凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形
状を呈している酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜にお
ける該マイクロピット状または/および凹凸状あるいは
/ならびに凸状が、 R max(最大高さ)=5〜60nm、 R
a(中心線平均粗さ)=2〜20nm、 R z(10点平均粗
さ)=5〜55nm、 S m(凹凸の平均間隔)=5〜700nm
で成ることとしたのは、該マイクロピット状表層、凹凸
状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状
のマイクロピット状または/および凹凸状あるいは/な
らびに凸状を表現することは困難であるが、走査型プロ
ーブ顕微鏡のAFM モード(セイコー電子製、SP3700、4
μm四方スキャンあるいはオリンパス製、NV2000、4μ
m四方スキャン)で観察し、JIS B 0601における表面粗
さの表示であるR max 、R a 、 R zさらにS m でもって
大まかに表示したものであり、例えば R max>60nm、 R
a>20nm、 R z>55nmでは摩擦などの外的な応力によ
り、凹凸形状が破壊され易くなり、長期の物理的耐久性
が低減し、 R max<5nm、 R a>2nm、 R z>5nmでは
ほとんど平滑状に近いものとなり到底所期のめざす表層
形状とはならないためである。
【0033】さらに、前記マイクロピット状または/お
よび凹凸状あるいは/ならびに凸状をスキューネス(Sk
ewness=Rsk、歪度)=0乃至>0、クルトシス(Kurtos
is=Rkr、尖度)=3乃至>3であることとしたのは、ス
キューネスが断面(振幅分布)曲線における縦倍率方向
の対称性を表す値であって、機械加工面程度である所謂
Rsk=0から中心線より上に尖った円錐状の山が無平坦
で多在する所謂 Rsk>0の範囲の表面粗さであり、平坦
部のなかに深い谷が点在する(マイナスが大きいほど山
がない状態)所謂Rsk <0では充分な量の撥水剤を下地
層に保持しできないため、長期の撥水性発現ができなく
なるものである。好ましくは0乃至0に比較的近い>0
の範囲であって、細く尖りすぎて物理的耐久性が低減し
ない程度に尖った円錐状の山が無平坦で多在する状態の
前記表層である。
【0034】またクルトシスが断面(振幅分布)曲線に
おける形状を表す値(表面粗さの確率密度分布:正規分
布に近いものが機械加工面であって Rsk=0、 Rkr=3
であり、一般に形状が鋭いほど、横倍率方向の平坦部分
の割合が大きい表面)であって、正規分布の山が細く尖
り過ぎるような異常に高い山や深い谷がある所謂 Rkr>
3では、長期の物理的耐久性が低減したり長期の撥水性
発現ができなくなり、また正規分布の山が広く低くお碗
状のようなどちらかと言えば平坦状のなかにクレーター
状が点在する所謂 Rkr<3では、結果的に撥水剤との接
触面積が減り、多在する円錐状山にのめり込みながら被
覆するとは異なって撥水剤の保持が弱くなり、長期の撥
水性発現ができなくなるものであり、 Rkr=3から Rkr
>3の範囲である。好ましくは Rkr=3から3に比較的
近い Rkr>3の範囲であって、適度に尖った円錐状の山
が無平坦で乱立多在する状態の前記表層である。
【0035】ことに、従来の有機溶液よりの酸化物膜を
弗酸処理するエッチングした膜、例えばSiO2膜では、 R
sk<0で Rkr<3となり、上述したように期待する程充
分な量の撥水剤をエッチングSiO2膜に保持することがで
きないため、エッチングSiO2膜がない場合よりよいもの
の、めざす長期の撥水性発現ができなくなる。
【0036】これらのことから、Rsk が0乃至>0、Rk
r が3乃至>3、好ましくはRsk が0乃至0に比較的近
い>0、Rkr がRkr =3から3に比較的近い Rkr>3で
あることにより、下地層として広い表面積と適度の深さ
ならびに形状を有するため、充分な撥水剤の保持が可能
であるとともに、摩擦などに対する充分な物理的強度を
有するものとなるものである。
【0037】また、前記表層におけるマイクロピット
状、凹凸状あるいは凸状の大きさは、例えば成膜する際
の相対湿度により、その径を5乃至500nm に制御するこ
とができる。径が500nm を超えると、酸化物膜自体の透
明性が損なわれ白化するとともに膜強度も弱くなり、ま
た5nm未満では酸化錫あるいは酸化アンチモンをドーパ
ントとする酸化錫粒子が膜上に定着し難くなるため、5
乃至500nm が好ましいものである。
【0038】また、前記酸化アンチセンをドーパントと
する酸化錫粒子の粒径は、100nm を超えると下地層の酸
化物膜あるいは混合酸化物膜上に定着し難くなるため、
100nm 以下が好ましい。
【0039】本発明において使用するフルオロアルキル
シランの種類としては、例えばCF 3 CH2 CH2 Si
(OMe)3 、CF3 CH2 CH2 SiCl3 、CF3
(CF2 5 CH2 CH2 Si(OMe)3 、CF
3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OMe)Cl3 、C
3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OMe)3 、CF
3(CF2 7 CH2 CH2 SiCl3 、CF3 (CF
2 7 CH2 CH2 SiMe(OMe)2 、CF3 (C
2 7 CH2 CH2 SiMe(Cl)2 などを挙げる
ことができる。
【0040】また、本発明において使用する酸化アンチ
モンをドーパントとする酸化錫としては、酸化錫のHOMO
(Highest Occupied Molecular Orbital)とLUMO(Lowest
Unoccupied Molecular Orbital) 間のバンドエネルギー
ギャップ間に酸化アンチモンの不純物HOMOレベルを形成
し、半導体性を発現するもので、フルオロアルキルシラ
ンの光劣化を抑制するため用いる。酸化錫はcassiterit
e(錫石) の結晶構造を有しており、その結晶格子の中に
酸化アンチモンが侵入型固溶体として存在していると考
えられ、酸化アンチモンが酸化錫の結晶格子中にドープ
されることにより酸化錫の部分還元がおこり(SnO2-x
Sb2O3+X ) 酸化錫のLUMOレベルに余剰電子が供給され電
子導電性が発現するものである。具体的には例えば商品
名T-1 (三菱マテリアル(株))や商品名エルコム(触
媒化成工業(株))がある。また、予めシリコン化合物
と酸化アンチモンをドーパントとする酸化錫粒子を含ん
だゾルとしては、例えば商品名エルコムCT(触媒化成
工業(株))がある。
【0041】またさらに、前記したシリコン化合物とし
ては、例えばテトラメトキシシラン〔Si(OM
e)4 〕、テトラエトキシシランSi(OEt)4 〕、
メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OEt)3 〕、
メチルトリメトキシシランMeSi(OMe)3 〕を原
料とした加水分解物が好ましいものである。
【0042】また、前記した有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等
のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチルセロソ
ルブ等が一種または二種以上混合して用いることができ
る。
【0043】また、前記した酸はフルオロアルキルシラ
ンを加水分解する際の触媒として働くが、硫酸、硝酸、
塩酸、燐酸、芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸など
を用いることができる。特に好ましいのは、硫酸、硝
酸、塩酸などの強酸である。
【0044】また、前記したこれらの混合溶液中のフル
オロアルキルシラン量としては、0.1 重量%未満では充
分な撥水性が得られず、20重量%を超えると酸化アンチ
モンをドーパントとする酸化錫微粒子に対しフルオロア
ルキルシラン量が相対的に多くなり、酸化アンチモンを
ドーパントとする酸化錫微粒子の添加効果が発現し難く
なるため0.1 〜20重量%である。
【0045】さらに、前記した酸化アンチモンをドーパ
ントとする酸化錫微粒子は、撥水性ガラスの撥水性能の
耐久性を向上せしめる効果があり、その量とてしては、
0.04重量%未満では添加効果がなく、2重量%を超える
と初期の撥水性を低下させるため、0.1 乃至2重量%で
ある。
【0046】さらにまた、前記したシリコン化合物は、
ことに酸化アンチモンをドーパントとする酸化錫微粒子
を酸化物膜表面に安定して固定させるために必要であ
り、その量としては、0.03重量%未満では添加効果がな
く、2重量%を超えると初期の撥水性を低下させるた
め、0.1 乃至2重量%である。
【0047】また、前記した水の添加量は、0.005 重量
%未満ではフルオロアルキルシランの加水分解を充分に
行えず、フルオロアルキルシランの基板への結合量が少
なくなるため、撥水撥油性能が充分に得られない。また
15重量%を超えるとフルオロアルキルシラン同士やシリ
コン化合物との間で重縮合が進み易く凝集が生じるた
め、充分な撥水撥油性能が得られなかったり、液の保存
安定性が低下したりするため、0.005 〜15重量%であ
る。
【0048】さらにまた、酸の添加量は、フルオロアル
キルシラン1mol に対して5×10-4mol 未満では添加効
果がなく、2×10-2mol を超えると処理剤中でフルオロ
アルキルシラン同士やシリコン化合物との重縮合が促進
されるため、充分な撥水撥油性能が得られなかったり、
液の保存安定性が低下したりするため、フルオロアルキ
ルシラン1mol に対して5×10-4mol 〜2×10-2mol で
ある。
【0049】またさらに、前記混合溶液からなる撥水撥
油液を酸化物膜あるいは混合酸化物膜上に塗布し乾燥す
ることによって、密着性、耐候性に優れた撥水撥油性が
得られ、乾燥焼き付ける温度としては、100 ℃未満でも
400 ℃を超える温度でも撥水性ガラスの撥水性能の耐久
性が向上しないため、100 乃至400 ℃で焼き付けること
で撥水性能のさらに優れた耐久性能を得ることができ
る。好ましくは150 乃至350 ℃、より好ましくは200 〜
300 ℃程度であって、より安定かつ確実にその性能を発
現するものとなるものである。なお保持時間としては20
〜40分間程度である。
【0050】さらにまた、塗布方法としては、浸せき引
き上げ法、スプレー法、フローコート法あるいはスピン
コート法、あるいは溶液を含ませた刷毛や綿布等で塗布
するなど、既知の塗布手段が適宜採用し得るものであ
る。
【0051】
【作用】前述したように、本発明によれば、ガラス基板
の表面に、表面処理することなく成膜した状態で、すな
わち550 〜650 ℃で焼成後においてもそのままの形状を
保持するマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層
のうち少なくとも1種でなる酸化物膜あるいは混合酸化
物膜、すなわち膜厚が10〜300nmであって、マイクロピ
ット状、凹凸状、凸状がR max =5〜60nm、R a =2〜
20nm、R z =5〜55nm、S m =5〜700nmであるか、ま
たは/およびスキューネスが0乃至>0、クリトシスが
3乃至>3である当該膜が下地層としてあり、さらにそ
の上に撥水層がが各々特定した量で配分した少なくとも
フルオロアルキルシランと酸化アンチモンをドーパント
とする酸化錫とシリコン化合物と水および有機溶媒から
なる混合溶液に、酸をフルオロアルキルシランに対し特
定量添加した撥水撥油液を塗布成膜することでなる撥水
性ガラスおよびその製造方法とすることにより、適度に
尖った円錐状の山を主とする無平坦状に乱立多在する特
異なマイクロピット状、凹凸状、凸状をなす表層であっ
て、保存安定性に優れた撥水撥油液を用いることがで
き、マイクロピット状、凹凸状、凸状にのめり込むよう
にして充分な量の該撥水撥油液を保持し得、均質かつ均
一に安定かつ確実な成膜処理をすることができることと
なる。
【0052】上述したように、ことに特定した特異な下
地層ならびに特定した撥水撥油液による撥水層の組み合
わせたことにより、初期接触角が115 〜110 °、スーパ
ーJV2000時間後の接触角が104 〜100 °、ワイパー揺動
10万回後の接触角が101 〜99°である等、これら3者と
もクリアーできることとなり、下地層はもちろん撥水層
も含む膜全体の強度アップに繋がり、撥水層自身の優れ
た撥水性能、密着性を有し硬い、ならびにことに撥水性
能の優れた耐候性、耐久性を示すものとなって、車輌
用、船舶用、航空機用あるいは建築用の窓材または各種
製品、さらにはミラーガラス等に格段に有用な撥水性ガ
ラスとその製造方法となる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0054】実施例1 大きさ約100mm ×100mm 、厚さ約2mmのクリア・フロー
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコールで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用基板とし
た。
【0055】シリカゾル(平均分子量:約3000、固形分
濃度:約30重量%)約20.0g、シリカゾル(平均分子
量:約100000、固形分濃度:約6重量%)約28.6gをビ
ーカーに入れ、低平均分子量の固形分/高平均分子量の
固形分を約3.5 のmol 比とし、イソプロピルアルコール
約50gならびに1ーブタノール約100 gで希釈し、約15
時間攪拌してコーテイング溶液を得た。
【0056】ついで、該溶液をディッピング法により前
記ガラス基板表面に、約23℃、相対湿度約50%の環境で
成膜し、約270 ℃で約10分間加熱してゲル膜を形成し、
膜厚約150nm 、さらに約600 ℃、約3分間程度焼成後、
膜厚が約100nm 程度であった。表層の表面形状を走査型
プローブ顕微鏡NV2000の AFM〔原子間顕微鏡、スキャン
ライン:256 本、スキャンサイズ:4,000nm、オリンパス
光学工業(株)〕で測定したところ、表1に示すよう
に、R max =23. 9nm 、R a =6.2nm 、R z =22.1nm、
S m =621nm 、その径は約672nm 以内、平均径約50nm程
度であるマイクロピット状乃至凹凸状の表層を呈する酸
化物膜を得た。また、当該膜は表1に○印で示したよう
にスキューネス(Rsk )が0乃至>0、クリトシス(Rk
r )が3乃至>3からRsk が0乃至0に近い>0、Rkr
が3乃至3に近い>3となり所期の下地層膜であった。
【0057】さらについで、該マイクロピット状乃至凹
凸状の表層薄膜上に、予め下記の配合で液を混合し、約
30分間攪拌して撥水撥油液として調製してあった混合溶
液を塗布した。なお、本実施例による撥水撥油液の組成
比を表2に示す。
【0058】(撥水撥油液の配合)シリカゾルのエタノ
ール溶液1g(平均分子量:約3000、固形分濃度:1wt
%)、T-1〔商品名:三菱マテリアル(株)製、酸化ア
ンチモンをドーパントとする酸化錫微粉末(粒径:約20
nm)〕0.01g、イソプロピルアルコール5.72g、ヘプタ
デカトリデシルフルオロアルキルシラン〔CF3(CF2)7CH2
CH2Si(OMe)3 〕1g、pH 1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2
g、合計8.13g。
【0059】その後約250 ℃で約30分間乾燥することに
より、撥水性ガラスを得た。得られた撥水性ガラスにつ
いて、下記の試験を行った。 (撥水性試験)大気中(約25℃)での水に対する接触角
を測定。
【0060】(耐候性試験)スーパーUVにより評価。 条件:60mW/cm2 で2000時間後の接触角を測定。 (耐摩耗性試験)自動車用ワイパーによる摺動耐久性に
より評価。
【0061】条件:上水を滴下しながら、105 gの荷重
をかけて10万回(往復を1回とする)の摺動を行い、接
触角を測定。 その結果は、表2に示すように、初期接触角が112 °、
耐候性試験後でも接触角が103 °となって充分優れ、耐
摩耗性試験後でも接触角が100 °と充分優れるものであ
った。調製した撥水撥油処理液は約1カ 月後においても
凝集するような兆候もなく、酸化錫粒子が良く分散した
状態で充分安定した液であった。
【0062】実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1の低平均分子
量のシリカゾル約30gと高平均分子量のシリカゾル約2
3.1gをビーカーに入れ、低平均分子量/高平均分子量
の固形分を約6.5 のmol 比とし、他は実施例1と同様と
した。得られた酸化物膜は、表1に示すように、膜厚が
約50nm、R max =12.2nm、R a =3.4nm 、R z =11.0n
m、S m =約423nm であり、その凹凸の径は約510nm 以
内、平均径約100nm 程度であるマイクロピット状を含む
凹凸状表層を有するものとなった。また、当該膜は表1
に○印で示したようにRsk が0乃至>0、Rkr が3乃至
>3からRsk が0乃至0に近い>0、Rkr が3乃至3に
近い>3となり所期の下地層膜であった。
【0063】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状を含む
凹凸状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本実施例の
撥水撥油液の組成比および評価結果は表2に示す。
【0064】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液100 g(平均分子量:約3000、固形
分濃度:1wt%)、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕1g、イソプロピルアルコール888 g、ヘプ
タデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH 1.5
硝酸水溶液0.2 g、水9.8 g、合計 1000.0 g。
【0065】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
2 °、耐候性試験後でも接触角が102 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が100 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の撥水性能を発
揮するものであった。
【0066】実施例3 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1の低平均分子
量のシリカゾル約40gと高平均分子量のシリカゾル約1
8.2gをビーカーに入れ、低平均分子量/高平均分子量
の固形分を約11のmol 比とし、他は実施例1と同様とし
た。得られた酸化物膜は、表1に示すように、膜厚が約
60nm、R max =11.1nm、R a =2nm、R z=10.0nm、S
m =約358 を有するマイクロピット状を含む凸状であ
り、マイクロピット状を含む凸状の径は約380 〜500nm
を有するものとなった。また、当該膜は表1に○印で示
したようにRsk が0乃至>0、Rkr が3乃至>3からRs
k が0乃至0に近い>0、Rkr が3乃至3に近い>3と
なり所期のめざす下地層膜であった。
【0067】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状を含む
凸状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本実施例の撥
水撥油液の組成比および評価結果は表2に示す。
【0068】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール2.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計5.0 g。
【0069】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
4 °、耐候性試験後でも接触角が103 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が101 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の優れる撥水性
能を発揮するものであった。
【0070】実施例4 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1において使用
したコーティング溶液を使用し、成膜時の相対湿度を約
35%とし、その他は実施例1と同様にした。得られた酸
化物膜は、表1に示すように、膜厚が約80nm、R max
20.2nm、R a =4.3nm 、R z =18.3nm、S m =約452nm
の凸状を有し、表面に径が約10〜20nmのマイクロピット
を有するマイクロピット状乃至凸状表層となった。ま
た、当該膜は表1に○印で示したようにRsk が0乃至>
0、Rkr が3乃至>3からRsk が0乃至0に近い>0、
Rkr が3乃至3に近い>3となり所期のめざす下地層膜
であった。
【0071】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状乃至凸
状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本実施例の撥水
撥油液の組成比および評価結果は表2に示す。
【0072】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール22.59 g、
ヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.13g。
【0073】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
4 °、耐候性試験後でも接触角が104 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が100 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の優れる撥水性
能を発揮するものであった。
【0074】実施例5 実施例1と同様なガラス基板を用い、テトラエトキシシ
ラン〔Si(OC2H5)4 :TEOS〕を16g、エタノール(EtO
H) を8.5 g、水(予めHCl でpH4に調整)を5.5 gそ
れぞれ秤り取り、約80℃で約20時間加熱還流を行い、ゾ
ル溶液Aとした。該ゾル溶液Aの重量平均分子量(Mw,
ポリスチレン換算値)を測定したところ、約40,000であ
った。
【0075】メチルトリメトキシシラン〔CH3Si(OC
H3)3:MTMS〕を36.6g、イソプロピルアルコール (iPA)
を約28.9gおよび純水(pH7) を14.5g秤り取り、約70℃
で約5時間加熱還流を行い、ゾル溶液Bとした。該ゾル
溶液Bの平均分子量を測定したところ、約2,000 であっ
た。
【0076】上記溶液Aと溶液Bを混合し、約350 gの
iPA で希釈し、室温で約10時間攪拌し、溶液Aと溶液B
の固形分(SiO2として換算)のモル比が1:3.5 である
コーテイング溶液を得、ディッピング法により、前記ガ
ラス基板表面に、約23℃、相対湿度約50%の環境で被膜
し、約100 ℃で約30分間加熱し、膜厚が約150nm のSiO2
のゲル膜を得た。さらに約600 ℃、約3分間程度焼成
後、膜厚が約90nmであり、前記顕微鏡と約2万倍の倍率
で表面状態を観察したところ、表1に示すように、R
max =35.5nm、R a =7.8nm 、R z =33.1nm、S m =約
657nm 以内の凸状等を有し、約10〜50nmの径を有するマ
イクロピット状乃至凹凸状表層をなしていた。また、当
該膜は表1に○印で示したようにRsk が0乃至>0、Rk
r が3乃至>3からRsk が0乃至0に近い>0、Rkr が
3乃至3に近い>3となり所期のめざす下地層膜であっ
た。
【0077】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状乃至凹
凸状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本実施例の撥
水撥油液の組成比および評価結果は表2に示す。
【0078】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.16g、イソプロピルアルコール5.44g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.00g。
【0079】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
2 °、耐候性試験後でも接触角が104 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が101 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の優れる撥水性
能を発揮するものであった。
【0080】実施例6 実施例1と同様なガラス基板に、テトラプロポキシドチ
タン〔Ti(OiPr)4 〕2.8 g、iPA 46.6gならびに水(pH
2)0.6 gを秤り取り、室温で約30分間攪拌を行い、溶
液Cとした。実施例5と同様に溶液Aと溶液Bを混合し
た後、該溶液Cを加え、その後iPA 300 gをさらに加え
てコーテイング溶液を調製した。該コーテイング溶液に
おける溶液Aと溶液Bとの固形分(SiO2として換算)と
溶液Cの固形分(TiO2として換算)とのモル比は1:3.
5 :0.45である。実施例5と同様にして、膜厚約70nmの
SiO2・TiO2混合薄膜を得た。表面状態を観察したとこ
ろ、表1に示すように、R max =15.8nm、R a =4.7 n
m、R z =14.4nm、S m =約488nm の凹凸乃至凸状を有
し、約10〜50nmの径を有するマイクロピット状を含む凹
凸乃至凸状表層をなしていた。また、当該膜は表1に○
印で示したようにRsk が0乃至>0、Rkr が3乃至>3
からRsk が0乃至0に近い>0、Rkr が3乃至3に近い
>3となり所期のめざす下地層膜であった。
【0081】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状を含む
凹凸乃至凸状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本実
施例の撥水撥油液の組成比および評価結果は表2に示
す。
【0082】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)2g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール46.59 g、
ヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、60
%硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計50.0g。
【0083】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
1 °、耐候性試験後でも接触角が100 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が100 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の優れる撥水性
能を発揮するものであった。
【0084】実施例7 溶液A、B、Cそれぞれの固形分のモル比が1:11:1.
2 となるようにコーテイング溶液を調製する以外、実施
例6と同様にして膜厚約50nmの前記下地層薄膜を得た。
表面状態を観察したところ、表1に示すように、R max
=17.8nm、R a=5.3nm 、R z =16.2nm、S m =約414nm
の凹凸乃至凸状を有し、約10〜50nmの径を有するマイ
クロピット状を含む凹凸状乃至凸状表層をなしていた。
また、当該膜は表1に○印で示したようにRsk が0乃至
>0、Rkr が3乃至>3からRskが0乃至0に近い>
0、Rkr が3乃至3に近い>3となり所期のめざす下地
層膜であった。
【0085】さらに次いで、下記の配合で撥水撥油液を
調製し、実施例1と同様に、該マイクロピット状を含む
凹凸状乃至凸状表層薄膜上に撥水撥油処理を行った。本
実施例の撥水撥油液の組成比および評価結果は表2に示
す。
【0086】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール3.21g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水1g、合計6.42g。
【0087】得られた撥水性ガラスは、初期接触角が11
4 °、耐候性試験後でも接触角が104 °となって充分優
れ、耐摩耗性試験後でも接触角が100 °と充分優れるも
のであった。調製した撥水撥油処理液は充分安定した液
であって、実施例1と同様となり、所期の優れる撥水性
能を発揮するものであった。
【0088】実施例8 実施例1において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例1と同様にした。
【0089】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール5.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
2.1硝酸水溶液0.11g、水0.29g、合計8.00g。
【0090】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が113 °、耐候性試験後でも接触角が10
2 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が99
°と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理液
は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、所
期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0091】実施例9 実施例3において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例3と同様にした。
【0092】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール5.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.1硝酸水溶液0.4 g、水0g、合計8.00g。
【0093】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が115 °、耐候性試験後でも接触角が10
2 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が10
0 °と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理
液は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、
所期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0094】実施例10 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。
【0095】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)0.75g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール22.84 g、
ヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計24.0g。
【0096】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が112 °、耐候性試験後でも接触角が10
4 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が10
0 °と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理
液は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、
所期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0097】実施例11 実施例4において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例4と同様にした。
【0098】すなわち、撥水撥油液の配合は、シリカゾ
ルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分濃
度:1wt%)1.6 g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール4.99g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.00g。
【0099】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が111 °、耐候性試験後でも接触角が10
3 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が10
0 °と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理
液は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、
所期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0100】実施例12 実施例1において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例1と同様にした。
【0101】すなわち、撥水撥油液の配合は、酸化アン
チモンをドーバントとする酸化錫微粒子(粒径:5nm)
のゾル液〔固形分濃度2.5 wt%,シリコン化合物として
1.11wt%,酸化アンチモンをドーバントとする酸化錫と
して1.39wt%のもの、触媒化成(株)製〕1g、イソプ
ロピルアルコール5g、ヘプタデカトリデシルフルオロ
アルキルシラン1g、pH 2.5硝酸水溶液0.4 g、水0
g、合計7.4 g。
【0102】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が113 °、耐候性試験後でも接触角が10
2 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が10
0 °と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理
液は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、
所期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0103】実施例13 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。
【0104】すなわち、撥水撥油液の配合は、酸化アン
チモンをドーバントとする酸化錫微粒子(粒径:5nm)
のゾル液〔固形分濃度2.5 wt%,シリコン化合物として
1.11wt%,酸化アンチモンをドーバントとする酸化錫と
して1.39wt%のもの、触媒化成(株)製〕1g、イソプ
ロピルアルコール25g、ヘプタデカトリデシルフルオロ
アルキルシラン1g、pH 2.5硝酸水溶液0.4 g、水0
g、合計27.4g。
【0105】得られた撥水性ガラスは、表2に示すよう
に、初期接触角が111 °、耐候性試験後でも接触角が10
1 °となって充分優れ、耐摩耗性試験後でも接触角が99
°と充分優れるものであった。調製した撥水撥油処理液
は充分安定した液であって、実施例1と同様となり、所
期の優れる撥水性能を発揮するものであった。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】比較例1 シリカゾル(平均分子量:約100000、固形分濃度:約6
重量%)を約200 gをビーカーにはかり、そのままコー
ティング溶液とした。それ以外は実施例1と同様とし
た。得られた下地層膜は、膜厚が約150nm 、表面が平均
径約2nmのマイクロピット状ではあるが平滑面に近い表
層を呈するものを得た。次いで下記の配合で撥水撥油処
理液を調製し、実施例1と同様に下地層上に撥水処理を
行った。撥水撥油液の配合比および評価結果は表3に示
す。
【0109】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)100 g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕1g、イソプロピルアルコール889 g、ヘプ
タデカトリデシルフルオロアルキルシラン0.5 g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水9.8 g、合計1000.5g。
【0110】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が100 °であるものの、耐候性試験後では接触角が78
°となって極端に悪く、耐摩耗性試験後でも接触角が72
°と悪く、下地層が平坦状で上述した各実施例と異な
り、前記各実施例から耐摩耗性はもちろん、所期の耐候
性が著しく劣り、優れる撥水性能を有するものであると
は到底言えないものであった。
【0111】比較例2 比較例1において、撥水撥油処理液の配合を次のように
変えたこと以外は、比較例1と同様にした。撥水撥油液
の配合比および評価結果は表3に示す。
【0112】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール1.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.00g。
【0113】得られた撥水撥油処理ガラスは、溶剤量が
少ないために処理中に乾燥し面内をむらなく処理するこ
とが困難であった。また初期接触角が113 °であるもの
の、耐候性試験後では接触角が92°となったが、耐摩耗
性試験後でも接触角が78°と悪く、下地層が平坦状で上
述した各実施例と異なり、所期の優れる撥水性能を有す
るものであるとは到底言えないものであった。さらに該
撥水撥油処理液は約3日後には凝集し酸化錫の粒子が沈
殿し不安定なものであった。
【0114】比較例3 比較例1において、撥水撥油処理液の配合を次のように
変えたこと以外は、比較例1と同様にした。撥水撥油液
の配合比および評価結果は表3に示す。
【0115】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)2g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール46.59 g、
ヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計50.0g。
【0116】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が112 °であるものの、耐候性試験後では接触角が85
°となったが、耐摩耗性試験後でも接触角が89°と悪
く、下地層が平坦状で上述した各実施例と異なり、所期
の優れる撥水性能を有するものであるとは到底言えない
ものであった。
【0117】比較例4 比較例1において、撥水撥油処理液の配合を次のように
変えたこと以外は、比較例1と同様にした。撥水撥油液
の配合比および評価結果は表3に示す。
【0118】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.2 g、イソプロピルアルコール5.4 g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH
1.5硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.00g。
【0119】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が100 °であるものの、耐候性試験後では接触角が76
°となり、耐摩耗性試験後でも接触角が75°と悪く、下
地層が平坦状で上述した各実施例と異なり、各実施例に
比しその性能は著しく劣り、所期の優れる撥水性能を有
するものであるとは到底言えないものであった。
【0120】比較例5 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0121】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)10g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.1 g、イソプロピルアルコール59.9g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン10g、60%
硝酸水溶液0.005 g、水0g、合計80.005g。
【0122】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が99°であるものの、耐候性試験後では接触角が88°
となり、耐摩耗性試験後でも接触角が88°と悪く、各実
施例と比較しその性能は著しく劣り、所期の優れる撥水
性能を有するものであるとは到底言えないものであっ
た。
【0123】比較例6 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0124】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール2.81g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH1.
5 硝酸水溶液0.2 g、水4g、合計9.02g。
【0125】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が112 °であるものの、耐候性試験後では接触角が95
°となり、耐摩耗性試験後でも接触角が94°と悪く、各
実施例と比較しその性能は著しく劣り、所期の優れる撥
水性能を有するものであるとは到底言えないものであっ
た。さらに該撥水撥油処理液は約1日後には凝集し酸化
錫の粒子が沈殿し極めて不安定なものであった。
【0126】比較例7 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0127】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール5.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH2.
1 硝酸水溶液0.05g、水0.35g、合計8.00g。
【0128】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が100°であるものの、耐候性試験後では接触角が87
°となり、耐摩耗性試験後でも接触角が90°と悪く、各
実施例と比較しその性能は著しく劣り、所期の優れる撥
水性能を有するものであるとは到底言えないものであっ
た。
【0129】比較例8 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0130】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール5.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH1
硝酸水溶液0.4 g、水0g、合計8.00g。
【0131】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が110 °であるものの、耐候性試験後では接触角が97
°となり、耐摩耗性試験後でも接触角が94°と悪く、各
実施例と比しその性能は劣るものの割合近いが、所期の
優れる撥水性能を有するものであるとは言えないもので
あった。さらに該撥水撥油処理液は約1日後には凝集し
酸化錫の粒子が沈殿し極めて不安定なものであった。
【0132】比較例9 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0133】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)1g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.1 g、イソプロピルアルコール47.5g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH1.
5 硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計50.0g。
【0134】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が112 °であるものの、耐候性試験後では接触角が91
°となり、耐摩耗性試験後でも接触角が92°と悪く、各
実施例と比較し耐候性が劣り、所期の優れる撥水性能を
有するものであるとは到底言えないものであった。
【0135】比較例10 実施例2において、撥水撥油液の配合を次のように変え
たこと以外は、実施例2と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0136】すなわち、撥水撥油処理液の配合は、シリ
カゾルのエタノール溶液(平均分子量:約3000、固形分
濃度:1wt%)2g、T-1〔商品名:三菱マテリアル
(株)製〕0.01g、イソプロピルアルコール4.59g、ヘ
プタデカトリデシルフルオロアルキルシラン1g、pH1
硝酸水溶液0.2 g、水0.2 g、合計8.00g。
【0137】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が109 °であるものの、耐候性試験後では接触角が90
°となり、耐摩耗性試験後の接触角が89°と悪く、各実
施例と比較しその性能は劣り、所期の優れる撥水性能を
有するものであるとは到底言えないものであった。さら
に該撥水撥油処理液は約3日後には凝集し酸化錫の粒子
が沈殿し不安定なものであった。
【0138】比較例11 比較例1において、実施例1の撥水撥油液の配合を用い
たこと以外は、比較例1と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0139】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が111 °であるものの、耐候性試験後では接触角が87
°となり、耐摩耗性試験後の接触角が90°と悪く、各実
施例と比較しその性能は劣り、所期の優れる撥水性能を
有するものであるとは到底言えないものであった。
【0140】比較例12 比較例1において、実施例7の撥水撥油液の配合を用い
たこと以外は、比較例1と同様にした。撥水撥油液の配
合比および評価結果は表3に示す。
【0141】得られた撥水撥油処理ガラスは、初期接触
角が113 °であるものの、耐候性試験後では接触角が92
°となり、耐摩耗性試験後の接触角が89°と悪く、各実
施例と比較しその性能は劣り、所期の優れる撥水性能を
有するものであるとは到底言えないものであった。
【0142】
【表3】
【0143】
【発明の効果】以上記述したように、本発明の撥水性ガ
ラスおよびその製造法によれば、保存安定性に優れた特
定した撥水撥油液でもって、手軽に容易な膜形成手段に
よって特異な被膜を安価に効率よく得られ、光学特性を
損なうことなく、撥水性、膜質、密着性、硬さ、耐候性
等に長期的に優れるものとなり、ことに格段の撥水性能
で優れた耐候性、耐摩耗性を示すものとすることがで
き、建築用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種ガラス
物品等に好適に採用できる、有用な撥水性ガラスおよび
その製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における下地層の表層部分を
拡大し簡単な模式図で例示する。
【図2】従来の一例(エッチング処理膜)における下地
層の表層部分を拡大し簡単な模式図で例示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 甲斐 康朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 菅原 聡子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と、該基板の表面に、表面処
    理することなく成膜した状態でマイクロピット状表層、
    凹凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層
    形状を呈している酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜で
    成る下地層と、該下地層の上に、少なくともフルオロア
    ルキルシラン0.1 〜20重量%と、酸化アンチモンをドー
    パントとする酸化錫の粒子0.04〜2重量%と、シリコー
    ン化合物0.03〜2重量%と、水を0.005 〜15重量%と、
    有機溶媒からなる混合溶液に、酸をフルオロアルキルシ
    ラン1mol に対して5×10-4mol 〜2×10-2mol になる
    よう添加した撥水撥油液を塗布成膜した薄膜である撥水
    層とからなることを特徴とする撥水性ガラス。
  2. 【請求項2】 前記酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜
    で成る下地層が、平均膜厚として10〜300nmであって、
    マイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少
    なくとも1種以上の表層形状として R max(最大高さ)
    =5〜60nm、R a(中心線平均粗さ)=2〜20nm、 R z
    (10点平均粗さ)=5〜55nm、S m (凹凸の平均間隔)
    =5〜700nmで成ることを特徴とする請求項1記載の撥
    水性ガラス。
  3. 【請求項3】 前記酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜
    で成る下地層が、マイクロピット状表層、凹凸状表層、
    凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状としてス
    キューネス(歪度)=0乃至>0、クルトシス(尖度)
    =3乃至>3であることを特徴とする請求項1乃至2記
    載の撥水性ガラス。
  4. 【請求項4】 少なくともフルオロアルキルシラン0.1
    〜20重量%と、酸化アンチモンをドーパントとする酸化
    錫の粒子0.04〜2重量%と、シリコン化合物0.03〜2重
    量%と、水を0.005 〜15重量%および有機溶媒とからな
    る混合溶液に、酸をフルオロアルキルシラン1mol に対
    して5×10-4mol 〜2×10-2mol になるように添加した
    撥水撥油液を、酸化物溶液あるいは混合酸化物溶液を被
    膜し、550 〜650 ℃で焼成後においてもそのまま、マイ
    クロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少なく
    とも1種以上の表層形状を呈している酸化物膜あるいは
    混合酸化物薄膜を下地層として設けたガラス基板の下地
    層上に塗布し、次いで100 〜400 ℃で焼き付けることを
    特徴とする撥水性ガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜
    で成る下地層が、平均膜厚として10〜300nmであって、
    マイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少
    なくとも1種以上の表層形状として R max(最大高さ)
    =5〜60nm、R a(中心線平均粗さ)=2〜20nm、 R z
    (10点平均粗さ)=5〜55nm、 S m(凹凸の平均間隔)
    =5〜700nmであるマイクロピット状表層、凹凸状表
    層、凸状表層のうち少なくとも1種以上でなるようにし
    たことを特徴とする請求項4記載の撥水性ガラスの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜
    で成る下地層が、マイクロピット状表層、凹凸状表層、
    凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状としてス
    キューネス(歪度)=0乃至>0、クルトシス(尖度)
    =3乃至>3であるようにしたことを特徴とする請求項
    4乃至5記載の撥水性ガラスの製造方法。
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