JPH083733Y2 - 偏心差動減速機 - Google Patents
偏心差動減速機Info
- Publication number
- JPH083733Y2 JPH083733Y2 JP1989127466U JP12746689U JPH083733Y2 JP H083733 Y2 JPH083733 Y2 JP H083733Y2 JP 1989127466 U JP1989127466 U JP 1989127466U JP 12746689 U JP12746689 U JP 12746689U JP H083733 Y2 JPH083733 Y2 JP H083733Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- differential
- external gear
- eccentric
- hollow
- shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Retarders (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、偏心差動減速機に関する。
従来の技術 従来の偏心差動減速機としては、例えば、一対の平行
なフランジ部およびこれらフランジ部同士を連結する複
数の支柱からなるシャフトと、このシャフトのフランジ
部に両端部がそれぞれ回転可能に支持され中央部に偏心
部を有する複数のクランク軸と、これらクランク軸に回
転力を付与する入力軸と、前記フランジ部間に配置され
支柱が遊嵌される遊嵌孔および偏心部が挿入される挿入
孔が形成された差動外歯車と、差動外歯車を囲むよう配
置され、差動外歯車に噛み合うとともに該差動外歯車よ
り歯数が若干多い内歯車と、を備え、クランク軸の回転
によって差動外歯車を偏心回転させ、この差動外歯車の
偏心回転を高比で減速して内歯車あるいはシャフトを回
転させるようにしたものが知られている。
なフランジ部およびこれらフランジ部同士を連結する複
数の支柱からなるシャフトと、このシャフトのフランジ
部に両端部がそれぞれ回転可能に支持され中央部に偏心
部を有する複数のクランク軸と、これらクランク軸に回
転力を付与する入力軸と、前記フランジ部間に配置され
支柱が遊嵌される遊嵌孔および偏心部が挿入される挿入
孔が形成された差動外歯車と、差動外歯車を囲むよう配
置され、差動外歯車に噛み合うとともに該差動外歯車よ
り歯数が若干多い内歯車と、を備え、クランク軸の回転
によって差動外歯車を偏心回転させ、この差動外歯車の
偏心回転を高比で減速して内歯車あるいはシャフトを回
転させるようにしたものが知られている。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、一般に、このような偏心差動減速機の
内部には差動外歯車、内歯車等に供給される潤滑油が充
満しているため、従来にあっては、該減速機の内部にこ
れを貫通する信号ケーブル、油、空圧用配管、駆動力伝
達軸等を配置することはできなかった。この結果、これ
らの信号ケーブル等は減速機を迂回してその外側に配置
せざるを得ず、配置作業が困難になるとともに装置全体
も複雑かつ大型化するという問題点があった。
内部には差動外歯車、内歯車等に供給される潤滑油が充
満しているため、従来にあっては、該減速機の内部にこ
れを貫通する信号ケーブル、油、空圧用配管、駆動力伝
達軸等を配置することはできなかった。この結果、これ
らの信号ケーブル等は減速機を迂回してその外側に配置
せざるを得ず、配置作業が困難になるとともに装置全体
も複雑かつ大型化するという問題点があった。
この考案は、内部に潤滑油から遮断された中空空間を
形成することにより、信号ケーブル等の配置を容易に、
かつ、装置全体を簡単かつ小型化することができる偏心
差動減速機を提供することを目的とする。
形成することにより、信号ケーブル等の配置を容易に、
かつ、装置全体を簡単かつ小型化することができる偏心
差動減速機を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 このような目的は、前述した偏心差動減速機におい
て、両端部が一対のフランジ部の中央部に形成した貫通
孔にそれぞれ密封状態で嵌入され、中央部が差動外歯車
の中央部に形成した貫通孔に遊嵌された中空の遮断スリ
ーブを設けることにより達成することができる。
て、両端部が一対のフランジ部の中央部に形成した貫通
孔にそれぞれ密封状態で嵌入され、中央部が差動外歯車
の中央部に形成した貫通孔に遊嵌された中空の遮断スリ
ーブを設けることにより達成することができる。
作用 この考案においては、遮断スリーブの両端部を一対の
フランジ部に形成した貫通孔にそれぞれ嵌入するととも
に、その中央部を差動外歯車に形成した貫通孔に遊嵌
し、しかも該遮断スリーブを前述のように中空としたの
で、遮断スリーブの内部には減速機内に充満している潤
滑油から遮断された広い中空空間が形成される。そし
て、このような広い中空空間は信号ケーブル等の配置空
間として使用することができるため、該信号ケーブル等
の配置が容易になるとともに、装置全体を簡単かつ小型
化することができる。さにら、この遮断スリーブの両端
部はフランジ部の貫通孔にそれぞれ密封状態で嵌入され
ているため、遮断スリーブの外周とフランジ部の貫通孔
の内周との間に余分な間隙(空間)が生じることはな
く、この結果、減速機に余分な量の潤滑油を注入する必
要がなくなる。しかも、遮断スリーブの両端部はフラン
ジ部の貫通孔にそれぞれ密封状態で嵌入されているた
め、該遮断スリーブはフランジ部に両持ちで強固に支持
されることになり、この結果、遮断スリーブががたつい
て異常騒音が発生したり摩耗粉が発生したりすることは
ない。
フランジ部に形成した貫通孔にそれぞれ嵌入するととも
に、その中央部を差動外歯車に形成した貫通孔に遊嵌
し、しかも該遮断スリーブを前述のように中空としたの
で、遮断スリーブの内部には減速機内に充満している潤
滑油から遮断された広い中空空間が形成される。そし
て、このような広い中空空間は信号ケーブル等の配置空
間として使用することができるため、該信号ケーブル等
の配置が容易になるとともに、装置全体を簡単かつ小型
化することができる。さにら、この遮断スリーブの両端
部はフランジ部の貫通孔にそれぞれ密封状態で嵌入され
ているため、遮断スリーブの外周とフランジ部の貫通孔
の内周との間に余分な間隙(空間)が生じることはな
く、この結果、減速機に余分な量の潤滑油を注入する必
要がなくなる。しかも、遮断スリーブの両端部はフラン
ジ部の貫通孔にそれぞれ密封状態で嵌入されているた
め、該遮断スリーブはフランジ部に両持ちで強固に支持
されることになり、この結果、遮断スリーブががたつい
て異常騒音が発生したり摩耗粉が発生したりすることは
ない。
また、請求項2の記載のように構成すれば、回転する
入力軸の中空部および回転スリーブの中空部を、潤滑油
から遮断され、かつ遮断スリーブ内の中空空間に接続さ
れた中空空間とすることができる。これより、信号ケー
ブル等の配置がさらに容易になるとともに、装置全体を
さらに簡単に、かつ小型化することができる。
入力軸の中空部および回転スリーブの中空部を、潤滑油
から遮断され、かつ遮断スリーブ内の中空空間に接続さ
れた中空空間とすることができる。これより、信号ケー
ブル等の配置がさらに容易になるとともに、装置全体を
さらに簡単に、かつ小型化することができる。
実施例 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
る。
第1、2図において、1は割出し装置であり、この割
出し装置1のケーシング2は外側ケーシング3と、この
外側ケーシング3内に一方から挿入されて固定された内
側ケーシング4と、から構成されている。この内側ケー
シング4内には駆動モータ7が収納され、この駆動モー
タ7は内側ケーシング4の内周に固定されたステータ8
と、ステータ8内に挿入され回転するロータ9とを有す
る。10はロータ9に挿入されて固定された中空軸であ
り、この中空軸10は後述する減速機の入力軸および駆動
モータ7の出力軸の双方の機能を果す。11はステータ8
に固定されたブラケットであり、このブラケット11およ
び前記内側ケーシング4には複数の軸受12を介して前記
中空軸10が回転可能に支持されている。13は駆動モータ
7に内蔵された光学式エンコーダであり、この光学式エ
ンコーダ13は前記中空軸10の回転量を検出する。なお、
14は内側ケーシング4の一端開口を閉止するカバーであ
る。前記外側ケーシング3と内側ケーシング4との間に
はリング状をしたシリンダ室18が形成され、このシリン
ダ室18内には一対の給排通路19、20を通じて給排される
流体により中空軸10の軸線方向に移動するリング状のピ
ストン21が摺動可能に収納されている。
出し装置1のケーシング2は外側ケーシング3と、この
外側ケーシング3内に一方から挿入されて固定された内
側ケーシング4と、から構成されている。この内側ケー
シング4内には駆動モータ7が収納され、この駆動モー
タ7は内側ケーシング4の内周に固定されたステータ8
と、ステータ8内に挿入され回転するロータ9とを有す
る。10はロータ9に挿入されて固定された中空軸であ
り、この中空軸10は後述する減速機の入力軸および駆動
モータ7の出力軸の双方の機能を果す。11はステータ8
に固定されたブラケットであり、このブラケット11およ
び前記内側ケーシング4には複数の軸受12を介して前記
中空軸10が回転可能に支持されている。13は駆動モータ
7に内蔵された光学式エンコーダであり、この光学式エ
ンコーダ13は前記中空軸10の回転量を検出する。なお、
14は内側ケーシング4の一端開口を閉止するカバーであ
る。前記外側ケーシング3と内側ケーシング4との間に
はリング状をしたシリンダ室18が形成され、このシリン
ダ室18内には一対の給排通路19、20を通じて給排される
流体により中空軸10の軸線方向に移動するリング状のピ
ストン21が摺動可能に収納されている。
外側ケーシング3の内周面と内側ケーシング4の他端
面とによって囲まれる空間には前記駆動モータ7の回転
を高比で減速して出力す減速機25が収納されている。こ
の減速機25は同軸である一対の平行なフランジ部26,27
と、これらフランジ部26,27間に配置され円周方向に等
距離離れた複数、ここでは3本の支柱28とからなるシャ
フト20を有し、前記フランジ部27と支柱28とは一体形成
されており、一方、フランジ部26と支柱28とはボルト24
およびピン30により互いに連結されている。また、この
シャフト29はフランジ部26、支柱28、フランジ部27を貫
通する複数本のボルト31およびピン32によりケーシング
2に固定されている。前記フランジ部26、27には軸受3
3、34を介して複数本、ここでは3本のクランク軸35の
両端部がそれぞれ回転可能に支持され、これらのクラン
ク軸35は中央部に2個の偏心部としての偏心カム36を有
する。そして、これらのクランク軸35の前記支柱28と周
方向に交互に配置されている。前記フランジ部26、27間
には2個の差動外歯車39が配置され、各差動外歯車39に
は支柱28がそれぞれ遊嵌される遊嵌孔40およびクランク
軸35の偏心カム36がそれぞれ挿入される挿入孔41が形成
されている。さらに、前述のフランジ部26、27および差
動外歯車39の各中央部にはそれぞれ貫通孔37、38および
44が形成されている。そして、前記挿入孔41と偏心カム
36との間にはニードルベアリング42が介装されており、
また、前記差動外歯車39の外周には多数の外歯43が形成
されている。46は前記差動外歯車39の外側を囲むよう配
置された円筒体であり、この円筒体46と外側ケーシング
3との間にはクロスローラベアリング47が介装されてい
る。円筒体46内にはリング状をした内歯車48が取付けら
れ、この内歯車48の内周には差動外歯車39の外歯43に噛
み合う内歯49が多数のピンにより形成され、これらの内
歯49の歯数は前記外歯43の歯数より若干、この実施例で
は1だけ多い。この結果、クランク軸35が回転して差動
外歯車39が偏心回転すると、この差動外歯車39の偏心回
転は高比で減速されて内歯車48に伝達される。52は減速
機25の他側に設置されたリング状のテーブルであり、こ
のテーブル52は前記円筒体46に固定されている。
面とによって囲まれる空間には前記駆動モータ7の回転
を高比で減速して出力す減速機25が収納されている。こ
の減速機25は同軸である一対の平行なフランジ部26,27
と、これらフランジ部26,27間に配置され円周方向に等
距離離れた複数、ここでは3本の支柱28とからなるシャ
フト20を有し、前記フランジ部27と支柱28とは一体形成
されており、一方、フランジ部26と支柱28とはボルト24
およびピン30により互いに連結されている。また、この
シャフト29はフランジ部26、支柱28、フランジ部27を貫
通する複数本のボルト31およびピン32によりケーシング
2に固定されている。前記フランジ部26、27には軸受3
3、34を介して複数本、ここでは3本のクランク軸35の
両端部がそれぞれ回転可能に支持され、これらのクラン
ク軸35は中央部に2個の偏心部としての偏心カム36を有
する。そして、これらのクランク軸35の前記支柱28と周
方向に交互に配置されている。前記フランジ部26、27間
には2個の差動外歯車39が配置され、各差動外歯車39に
は支柱28がそれぞれ遊嵌される遊嵌孔40およびクランク
軸35の偏心カム36がそれぞれ挿入される挿入孔41が形成
されている。さらに、前述のフランジ部26、27および差
動外歯車39の各中央部にはそれぞれ貫通孔37、38および
44が形成されている。そして、前記挿入孔41と偏心カム
36との間にはニードルベアリング42が介装されており、
また、前記差動外歯車39の外周には多数の外歯43が形成
されている。46は前記差動外歯車39の外側を囲むよう配
置された円筒体であり、この円筒体46と外側ケーシング
3との間にはクロスローラベアリング47が介装されてい
る。円筒体46内にはリング状をした内歯車48が取付けら
れ、この内歯車48の内周には差動外歯車39の外歯43に噛
み合う内歯49が多数のピンにより形成され、これらの内
歯49の歯数は前記外歯43の歯数より若干、この実施例で
は1だけ多い。この結果、クランク軸35が回転して差動
外歯車39が偏心回転すると、この差動外歯車39の偏心回
転は高比で減速されて内歯車48に伝達される。52は減速
機25の他側に設置されたリング状のテーブルであり、こ
のテーブル52は前記円筒体46に固定されている。
55は減速機25の軸線上に配置された中空の遮断スリー
ブであり、この遮断スリーブ55の一端部は前記貫通孔38
に嵌入されて取付けられ、その他端部は前記貫通孔37に
嵌入されて取付けられ、さらに、その中央部は差動外歯
車39の貫通孔44に遊嵌されている。また、この遮断スリ
ーブ55とフランジ部26、27間にはOリング56、57がそれ
ぞれ介装され、これにより、遮断スリーブ55とフランジ
部26、27との間は密封状態となる。この結果、この遮断
スリーブ55内には、差動外歯車39、内歯車48等を潤滑す
るために減速機25内に充満されている潤滑油から遮断さ
れた中空空間59が形成される。前記テーブル52には遮断
スリーブ55の他端が挿入されるとともに、このテーブル
52と遮断スリーブ55の他端との間にはシール部材58が介
装され、これにより、これらの間が密封状態に維持され
る。また、前記中空軸10の他端部には中空である回転ス
リーブ60の基端部(一端部)が挿入されて圧入により固
定され、また、この回転スリーブ60の先端部(他端部)
は中空軸10に近接する側のフランジ部27の貫通孔38に挿
入されている。そして、この回転スリーブ60の先端部と
フランジ部27との間には、回転スリーブ60の回転時にも
これらの間を密封状態に維持するシール部材61が介装さ
れている。この結果、中空軸10および回転スリーブ60の
内部にも減速機25内を充満する潤滑油から遮断された中
空空間62が形成されている。ここで、これらの中空空間
62、59およびテーブル52内の中空空間64は互いに連続し
ており、この結果、割出し装置1の回転軸線上に潤滑油
から遮断された直線状に延びる貫通した広い連続空間63
が形成される。そして、この広い連続空間63は、例えば
テーブル52上に設置されたクランプ装置等に制御信号を
送る信号ケーブル、油、空圧を給排する油、空圧用配
管、駆動力を伝達する伝達軸等を配置する空間として使
用する。これにより、信号ケーブル等の配置が容易にな
るとともに、割出し装置1全体の構成が簡単となり、か
つ小型化する。さらに、この遮断スリーブ55の両端部は
フランジ部27、26の貫通孔38、37にそれぞれ密封状態で
嵌入されているため、遮断スリーブ55の外周とフランジ
部27、26の貫通孔38、37の内周との間に余分な間隙(空
間)が生じることはなく、この結果、減速機25に余分な
量の潤滑油を注入する必要がなくなる。しかも、遮断ス
リーブ55の両端部は前述のようにフランジ部27、26の貫
通孔38、37にそれぞれ密封状態で嵌入されているため、
該遮断スリーブ55はフランジ部27、26に両持ちで強固に
支持されることになる。ここで、この遮断スリーブに類
似した中空パイプがテーブル52等に片持ちで支持された
場合には、該中空パイプは容易にがたついて異常騒音が
発生したり摩耗粉が発生したりするが、この実施例では
遮断スリーブ55は前述のようにフランジ部27、26に強固
に支持されているので、このような事態を防止すること
ができる。なお、前述した中空軸10を中実になすととも
に、回転スリーブ60を省略することもできるが、この場
合には、例えばケーシング内に遮断スリーブの中空空間
に連続する空間を形成し、この空間および前記中空空間
を信号ケーブル等の配置空間とすればよい。しかしなが
ら、このような場合には装置全体の構造が多少複雑にな
り大型化する。前記各クランク軸35の一端にはそれぞれ
外歯車65が固定され、これらの外歯車65には前記回転ス
リーブ60の外周に形成された外歯車66が噛み合ってい
る。この結果、駆動モータ7の回転力は中空軸10、回転
スリーブ60、外歯車66、65を介してクランク軸35に付与
され、これらクランク軸35を同期して回転させる。
ブであり、この遮断スリーブ55の一端部は前記貫通孔38
に嵌入されて取付けられ、その他端部は前記貫通孔37に
嵌入されて取付けられ、さらに、その中央部は差動外歯
車39の貫通孔44に遊嵌されている。また、この遮断スリ
ーブ55とフランジ部26、27間にはOリング56、57がそれ
ぞれ介装され、これにより、遮断スリーブ55とフランジ
部26、27との間は密封状態となる。この結果、この遮断
スリーブ55内には、差動外歯車39、内歯車48等を潤滑す
るために減速機25内に充満されている潤滑油から遮断さ
れた中空空間59が形成される。前記テーブル52には遮断
スリーブ55の他端が挿入されるとともに、このテーブル
52と遮断スリーブ55の他端との間にはシール部材58が介
装され、これにより、これらの間が密封状態に維持され
る。また、前記中空軸10の他端部には中空である回転ス
リーブ60の基端部(一端部)が挿入されて圧入により固
定され、また、この回転スリーブ60の先端部(他端部)
は中空軸10に近接する側のフランジ部27の貫通孔38に挿
入されている。そして、この回転スリーブ60の先端部と
フランジ部27との間には、回転スリーブ60の回転時にも
これらの間を密封状態に維持するシール部材61が介装さ
れている。この結果、中空軸10および回転スリーブ60の
内部にも減速機25内を充満する潤滑油から遮断された中
空空間62が形成されている。ここで、これらの中空空間
62、59およびテーブル52内の中空空間64は互いに連続し
ており、この結果、割出し装置1の回転軸線上に潤滑油
から遮断された直線状に延びる貫通した広い連続空間63
が形成される。そして、この広い連続空間63は、例えば
テーブル52上に設置されたクランプ装置等に制御信号を
送る信号ケーブル、油、空圧を給排する油、空圧用配
管、駆動力を伝達する伝達軸等を配置する空間として使
用する。これにより、信号ケーブル等の配置が容易にな
るとともに、割出し装置1全体の構成が簡単となり、か
つ小型化する。さらに、この遮断スリーブ55の両端部は
フランジ部27、26の貫通孔38、37にそれぞれ密封状態で
嵌入されているため、遮断スリーブ55の外周とフランジ
部27、26の貫通孔38、37の内周との間に余分な間隙(空
間)が生じることはなく、この結果、減速機25に余分な
量の潤滑油を注入する必要がなくなる。しかも、遮断ス
リーブ55の両端部は前述のようにフランジ部27、26の貫
通孔38、37にそれぞれ密封状態で嵌入されているため、
該遮断スリーブ55はフランジ部27、26に両持ちで強固に
支持されることになる。ここで、この遮断スリーブに類
似した中空パイプがテーブル52等に片持ちで支持された
場合には、該中空パイプは容易にがたついて異常騒音が
発生したり摩耗粉が発生したりするが、この実施例では
遮断スリーブ55は前述のようにフランジ部27、26に強固
に支持されているので、このような事態を防止すること
ができる。なお、前述した中空軸10を中実になすととも
に、回転スリーブ60を省略することもできるが、この場
合には、例えばケーシング内に遮断スリーブの中空空間
に連続する空間を形成し、この空間および前記中空空間
を信号ケーブル等の配置空間とすればよい。しかしなが
ら、このような場合には装置全体の構造が多少複雑にな
り大型化する。前記各クランク軸35の一端にはそれぞれ
外歯車65が固定され、これらの外歯車65には前記回転ス
リーブ60の外周に形成された外歯車66が噛み合ってい
る。この結果、駆動モータ7の回転力は中空軸10、回転
スリーブ60、外歯車66、65を介してクランク軸35に付与
され、これらクランク軸35を同期して回転させる。
69は円筒体46と外側ケーシング3との間に配置された
リング状のコレットであり、このコレット69は半径方向
の外力を受けると、その一端部が屈曲する。そして、こ
のコレット69の一端部外周にはピストン21の他端部内周
が摺動可能に係合している。そして、前記ピストン21が
他側に移動したとき、コレット69の一端部は楔作用によ
って半径方向内側に押されて変形し、円筒体46に制動力
を付与する。前述したシリンダ室18、給排通路19、20、
ピストン21、コレット69は全体として、円筒体46、内歯
車48、テーブル52を所定の回転位置においてクランプす
るクランプ機構70を構成する。
リング状のコレットであり、このコレット69は半径方向
の外力を受けると、その一端部が屈曲する。そして、こ
のコレット69の一端部外周にはピストン21の他端部内周
が摺動可能に係合している。そして、前記ピストン21が
他側に移動したとき、コレット69の一端部は楔作用によ
って半径方向内側に押されて変形し、円筒体46に制動力
を付与する。前述したシリンダ室18、給排通路19、20、
ピストン21、コレット69は全体として、円筒体46、内歯
車48、テーブル52を所定の回転位置においてクランプす
るクランプ機構70を構成する。
次に、この考案の一実施例の作用について説明する。
今、駆動モータ7が作動してその回転が中空軸10、回
転スリーブ60、外歯車66、65を通じて各クランク軸35に
伝達され、該クランク軸35が同期して回転しているとす
る。ここで、これらクランク軸35の偏心カム36が差動外
歯車39の挿入孔41に挿入されているため、差動外歯車39
はクランク軸35の回転により偏心回転(公転)する。こ
のとき、差動外歯車39の外歯43は内歯車48の内歯49に噛
み合っているが、この内歯車48の内歯49の歯数は差動外
歯車39の外歯43の歯数より若干多いため、内歯車48には
差動外歯車39の偏心回転が高比で減速されて伝達され
る。この結果、内歯車48は低速で回転するが、この内歯
車48の回転は円筒体46を介してテーブル52に伝達され、
テーブル52を低速で回転させる。このようにしてテーブ
ル52が所定量だけ回転して割出しが終了すると、駆動モ
ータ7の作動を停止させるとともに、給排通路20からシ
リンダ室18に流体を供給してピストン21をコレット69に
向かって移動させ、これによりコレット69を半径方向内
側に変形させて内歯車48、テーブル52をケーシング2に
クランプする。ここで、前述のように連続空間63には信
号ケーブル、油、空圧用配管、動力伝達軸等を配置して
いるが、この連続空間63は遮断スリーブ55および回転ス
リーブ60によって減速機25内に充満している潤滑油から
遮断されているため、これら信号ケーブル等が潤滑油に
接触するようなことはない。
転スリーブ60、外歯車66、65を通じて各クランク軸35に
伝達され、該クランク軸35が同期して回転しているとす
る。ここで、これらクランク軸35の偏心カム36が差動外
歯車39の挿入孔41に挿入されているため、差動外歯車39
はクランク軸35の回転により偏心回転(公転)する。こ
のとき、差動外歯車39の外歯43は内歯車48の内歯49に噛
み合っているが、この内歯車48の内歯49の歯数は差動外
歯車39の外歯43の歯数より若干多いため、内歯車48には
差動外歯車39の偏心回転が高比で減速されて伝達され
る。この結果、内歯車48は低速で回転するが、この内歯
車48の回転は円筒体46を介してテーブル52に伝達され、
テーブル52を低速で回転させる。このようにしてテーブ
ル52が所定量だけ回転して割出しが終了すると、駆動モ
ータ7の作動を停止させるとともに、給排通路20からシ
リンダ室18に流体を供給してピストン21をコレット69に
向かって移動させ、これによりコレット69を半径方向内
側に変形させて内歯車48、テーブル52をケーシング2に
クランプする。ここで、前述のように連続空間63には信
号ケーブル、油、空圧用配管、動力伝達軸等を配置して
いるが、この連続空間63は遮断スリーブ55および回転ス
リーブ60によって減速機25内に充満している潤滑油から
遮断されているため、これら信号ケーブル等が潤滑油に
接触するようなことはない。
なお、前述の実施例においては、シャフト29を固定
し、内歯車48を回転させるようにしたが、この考案にお
いては内歯車48を固定し、シャフト29を回転させるよう
にしてもよい。また、前述の実施例においては、中空軸
10に回転スリーブ60を圧入により固定するようにした
が、この考案においては、焼きばめ、接着剤あるいは溶
接により固定してもよい。さらに、この考案は割出し装
置以外に、例えばロボットの関節構造、刃物台の駆動装
置に適用することもできる。
し、内歯車48を回転させるようにしたが、この考案にお
いては内歯車48を固定し、シャフト29を回転させるよう
にしてもよい。また、前述の実施例においては、中空軸
10に回転スリーブ60を圧入により固定するようにした
が、この考案においては、焼きばめ、接着剤あるいは溶
接により固定してもよい。さらに、この考案は割出し装
置以外に、例えばロボットの関節構造、刃物台の駆動装
置に適用することもできる。
考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、内部に潤滑
油から遮断された広い中空空間を形成することができる
ため、信号ケーブル等の配置が容易となり、また、装置
全体を簡単かつ小型化することもできる。しかも、減速
機への余分な潤滑油の注入および異常騒音、摩耗粉の発
生を防止することもできる。
油から遮断された広い中空空間を形成することができる
ため、信号ケーブル等の配置が容易となり、また、装置
全体を簡単かつ小型化することもできる。しかも、減速
機への余分な潤滑油の注入および異常騒音、摩耗粉の発
生を防止することもできる。
第1図はこの考案の一実施例を示す断面図、第2図は第
1図のI−I矢視断面図である。 10……入力軸、25……偏心差動減速機 26、27……フランジ部 28……支柱、29……シャフト 35……クランク軸、36……偏心部 39……差動外歯車、40……遊嵌孔 41……挿入孔、48……内歯車 55……遮断スリーブ、59……中空空間 60……回転スリーブ、62……中空空間
1図のI−I矢視断面図である。 10……入力軸、25……偏心差動減速機 26、27……フランジ部 28……支柱、29……シャフト 35……クランク軸、36……偏心部 39……差動外歯車、40……遊嵌孔 41……挿入孔、48……内歯車 55……遮断スリーブ、59……中空空間 60……回転スリーブ、62……中空空間
Claims (2)
- 【請求項1】一対のフランジ部およびこれらフランジ部
同士を連結する支柱からなるシャフトと、このシャフト
のフランジ部に両端部がそれぞれ回転可能に支持され中
央部に偏心部を有する複数のクランク軸と、これらクラ
ンク軸に回転力を付与する入力軸と、前記フランジ部間
に配置され支柱が遊嵌される遊嵌孔および偏心部が挿入
される挿入孔が形成された差動外歯車と、差動外歯車を
囲むよう配置され、差動外歯車に噛み合う内歯車と、を
備え、クランク軸の回転によって差動外歯車を偏心回転
させ、この差動外歯車の偏心回転を高比で減速して内歯
車あるいはシャフトを回転させるようにした偏心差動減
速機において、前記一対のフランジ部および差動外歯車
の各中央部にそれぞれ貫通孔を形成し、両端部が各フラ
ンジ部の貫通孔にそれぞれ密封状態で嵌入され、中央部
が差動外歯車の貫通孔に遊嵌された中空の遮断スリーブ
を設け、該遮断スリーブの内部に減速機内の潤滑油から
遮断された中空空間を形成するようにしたことを特徴と
する偏心差動減速機。 - 【請求項2】前記入力軸を中空になすとともに、基端部
が入力軸に挿入されて固定され、先端部が入力軸に近接
する側のフランジ部の貫通孔に密封状態で挿入された中
空の回転スリーブをさらに設け、前記入力軸の内部およ
び回転スリーブの内部に減速機内の潤滑油から遮断され
た中空空間をさらに形成するようにした請求項1記載の
偏心差動減速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989127466U JPH083733Y2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 偏心差動減速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989127466U JPH083733Y2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 偏心差動減速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0365039U JPH0365039U (ja) | 1991-06-25 |
JPH083733Y2 true JPH083733Y2 (ja) | 1996-01-31 |
Family
ID=31675220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989127466U Expired - Lifetime JPH083733Y2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 偏心差動減速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083733Y2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008249149A (ja) | 2003-03-28 | 2008-10-16 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置 |
DE10217343B4 (de) * | 2001-04-18 | 2017-07-06 | Teijin Seiki Co. Ltd. | Reduktionsgetriebe |
WO2022249700A1 (ja) * | 2021-05-25 | 2022-12-01 | 日本トムソン株式会社 | 減速機 |
WO2022249699A1 (ja) * | 2021-05-25 | 2022-12-01 | 日本トムソン株式会社 | 減速機 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003021198A (ja) * | 2001-07-06 | 2003-01-24 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 遊星歯車構造を採用した変速機 |
JP4707499B2 (ja) * | 2005-08-17 | 2011-06-22 | ナブテスコ株式会社 | 回転駆動機構 |
JP2006046664A (ja) * | 2005-09-15 | 2006-02-16 | Nabtesco Corp | 駆動モータ付き歯車装置 |
JP2006038234A (ja) * | 2005-10-17 | 2006-02-09 | Nabtesco Corp | 回転駆動装置 |
KR101375972B1 (ko) * | 2006-04-25 | 2014-03-18 | 나부테스코 가부시키가이샤 | 회전 출력 장치 |
JP2010210073A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Nabtesco Corp | 駆動装置 |
JP5466078B2 (ja) * | 2010-04-28 | 2014-04-09 | 住友重機械工業株式会社 | ワーク回転装置 |
JP4615621B1 (ja) * | 2010-06-22 | 2011-01-19 | 株式会社ツバキエマソン | 中空固定軸減速機 |
JP5639823B2 (ja) * | 2010-09-16 | 2014-12-10 | 住友重機械工業株式会社 | 偏心揺動型歯車装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6438352U (ja) * | 1987-09-01 | 1989-03-07 |
-
1989
- 1989-10-31 JP JP1989127466U patent/JPH083733Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10217343B4 (de) * | 2001-04-18 | 2017-07-06 | Teijin Seiki Co. Ltd. | Reduktionsgetriebe |
JP2008249149A (ja) | 2003-03-28 | 2008-10-16 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置 |
WO2022249700A1 (ja) * | 2021-05-25 | 2022-12-01 | 日本トムソン株式会社 | 減速機 |
WO2022249699A1 (ja) * | 2021-05-25 | 2022-12-01 | 日本トムソン株式会社 | 減速機 |
US20240191784A1 (en) * | 2021-05-25 | 2024-06-13 | Nippon Thompson Co., Ltd. | Speed reducer |
US12044294B2 (en) | 2021-05-25 | 2024-07-23 | Nippon Thompson Co., Ltd. | Speed reducer |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0365039U (ja) | 1991-06-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH083733Y2 (ja) | 偏心差動減速機 | |
JP3659707B2 (ja) | ロボット等の旋回部構造 | |
KR101344202B1 (ko) | 기어장치 및 기어장치를 이용한 산업용 로봇의 선회부구조 | |
JP4913045B2 (ja) | 偏心揺動型減速機および偏心揺動型減速機を用いた産業用ロボットの旋回部構造 | |
US8821333B2 (en) | Planetary gear mechanism | |
WO2007125835A1 (ja) | 減速装置とその製造方法 | |
EP0710782A1 (en) | Planetary gear type speed reducer | |
JPH08226498A (ja) | 駆動モータ付き偏心差動減速機 | |
EP3270003B1 (en) | Gear device | |
JP2002372110A (ja) | 減速機及びギヤドモータ | |
EP0233303A1 (en) | Planetary gear apparatus | |
JP3596906B2 (ja) | 変速機と電動機の結合構造 | |
JP3688230B2 (ja) | 偏心差動型減速機 | |
JPH0570013B2 (ja) | ||
JP2739909B2 (ja) | 遊星歯車減速機 | |
JP7220553B2 (ja) | 産業機械の回転機構、減速機、産業機械および駆動装置 | |
JP4925992B2 (ja) | 偏心差動型減速機および該偏心差動型減速機を用いた旋回部構造 | |
CN111162631B (zh) | 具有动力源的减速装置 | |
JP4219320B2 (ja) | ロボットの旋回部構造 | |
WO2019181965A1 (ja) | 減速機及び減速機シリーズの製造方法 | |
JP2008025846A5 (ja) | ||
JPH01150044A (ja) | 歯車機構 | |
JPH03129148A (ja) | 遊星歯車装置 | |
JP2022025768A (ja) | ギヤモータ、ギヤモータのシリーズ | |
JP4190484B2 (ja) | 偏心差動型減速機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |