JPH083521A - 耐ブリスター性粘着シート用粘着剤、該粘着剤を用いた耐ブリスター性粘着シート及び該粘着シートを積層した耐ブリスター性積層体 - Google Patents

耐ブリスター性粘着シート用粘着剤、該粘着剤を用いた耐ブリスター性粘着シート及び該粘着シートを積層した耐ブリスター性積層体

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JPH083521A
JPH083521A JP6164750A JP16475094A JPH083521A JP H083521 A JPH083521 A JP H083521A JP 6164750 A JP6164750 A JP 6164750A JP 16475094 A JP16475094 A JP 16475094A JP H083521 A JPH083521 A JP H083521A
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JP
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blister
tacky adhesive
adhesive sheet
resistant
acid ester
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Application number
JP6164750A
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Inventor
Toshio Sugizaki
俊夫 杉崎
Yoshikazu Kama
善和 釜
Masao Kogure
正男 小暮
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Lintec Corp
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Lintec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭素数4〜12のアルキル基をもつアクリル酸
エステル単位若しくはメタクリル酸エステル単位60〜
80重量%、炭素数1〜2のアルキル基をもつアクリル
酸エステル単位若しくはメタクリル酸エステル単位15
〜38重量%及び極性モノマー0.1〜10重量%より
なる共重合体100重量部当たりアジリジン系架橋剤
0.005〜10重量部を配合してなることを特徴とす
る耐ブリスター性粘着シート用粘着剤。 【効果】本発明の粘着剤、粘着シート及び積層体は、接
着剤層に特定の共重合体及び架橋剤を用いることによ
り、ブリスターの発生を効果的に防止することを可能と
し、接着力及び保持力が十分であるので、各種プラスチ
ック成形品、特にポリカーボネート樹脂シートやスチレ
ン系樹脂シートに好適に使用することができ、美麗な外
観を長期に維持しうるという利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐ブリスター性粘着シ
ート用粘着剤、耐ブリスター性粘着シート及び耐ブリス
ター性積層体に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は、各種プラスチック成形品の表面に貼付した場
合、ふくれや浮きなどのブリスターの発生のない粘着シ
ート用粘着剤、粘着シート及び積層体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より感圧性の粘着剤を塗布した粘着
シート類は、押しつけるだけですぐ貼りつくという便利
さと、塗布された粘着剤が一般の接着剤と異なり無溶剤
であり無公害である点が好まれ、印刷ラベル用、包装貼
付用などとして多くの産業分野で広く利用され、大きく
発展してきた。この粘着シート類は、例えば、紙、木材
を始めとして金属類、セラミック類、各種プラスチック
類など、ほとんどすべての材料に適用することができる
が、特に、近年、製品の軽量化の要請を受けて、プラス
チック製品が多くなったことに伴い、プラスチック製商
品又は商品のプラスチック製包装ケースに粘着シート類
をラベルとして貼付して使用する例が増加している。所
望の印刷を施した粘着シート類をプラスチック成形品の
表面に貼付すると見掛け上は、プラスチック成形品に直
接印刷したような外観を呈する。また、ポリカーボネー
ト樹脂板は、透明性と耐衝撃性に優れていることから、
窓用に使用されることが多く、このような窓用ポリカー
ボネート樹脂板に、その表面傷防護用として、また日照
調整用として、粘着シート類がしばしば貼付されてい
る。しかしながら、従来のポリエステルなどのガスバリ
ヤ性のあるフイルムを基材シートとして用いた粘着シー
トやラベルを、スチレン系樹脂やポリカーボネート樹脂
などの成形品に貼付した場合、粘着シートやラベルと樹
脂被着体との間に気泡が発生し、ふくれや浮きなど、い
わゆるブリスターが生じることが多い。このようなブリ
スターの発生は、粘着シートがラベルとして貼付された
場合、特に外観を極めて見苦しくするものであるととも
に、ラベルなどが脱落する原因にもなり、特に透明ラベ
ルの場合では、粘着剤面がアバタ状もしくは白濁した状
態に透けて見え、著しく外観が損なわれるのを免れな
い。この現象は、粘着シートの基材シートとして用いる
プラスチックスフイルムなどが、粘着層の間に発生する
微量ガスのバリアー層となるため、ガスの逃げ場がな
く、ガスの気泡斑点としてブリスターが発生するものと
思われる。したがって、フイルムと粘着剤層との間に、
紙や多孔質ポリウレタンなどから成る通気層を介在させ
れば、ブリスター状態を解消しうることが考えられる
が、この方法では粘着シートの総厚が厚くなる上に、透
明性が損なわれて透明ラベルとして使用できないなどの
問題が生じる。また、スチレン−イソプレン−スチレン
型ブロックコポリマー又はスチレン−ブタジエン−スチ
レン型ブロックコポリマーなどから成るゴム系粘着剤を
塗布したものでも、ある特定の配合で耐ブリスター性能
を持つことが明らかになっているが、これらはいずれも
ゴム系であるために粘着剤層部分の耐候性が劣るという
欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の粘着シートが有する欠点を克服し、粘着剤層の耐
候性が良好であって、粘着保持力に優れる上に、通気層
を設けなくてもブリスターの発生を防止しうるなど、優
れた特徴を有する耐ブリスター性粘着シート用粘着剤、
耐ブリスター性粘着シート及び耐ブリスター性積層体を
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐ブリス
ター性に優れた粘着シート用粘着剤、粘着シート及び積
層体を開発するために鋭意研究を重ねた結果、ブリスタ
ーが樹脂被着体の内部から発生する微量ガスに原因があ
ることに着目し、粘着剤組成物として、特定構造のアク
リル酸エステル系モノマー単位若しくはメタクリル酸エ
ステル系モノマー単位及び極性モノマー単位よりなる共
重合体に、特定の架橋剤を配合してなる粘着剤が、ブリ
スターの発生を防止するとともに、良好な粘着性を示す
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)炭素数4〜12
のアルキル基をもつアクリル酸エステル単位若しくはメ
タクリル酸エステル単位60〜80重量%、炭素数1〜
2のアルキル基をもつアクリル酸エステル単位若しくは
メタクリル酸エステル単位15〜38重量%及び極性モ
ノマー0.1〜10重量%よりなる共重合体100重量
部当たりアジリジン系架橋剤0.005〜10重量部を
配合してなることを特徴とする耐ブリスター性粘着シー
ト用粘着剤、(2)基材シートに第(1)項記載の粘着剤
を塗布したことを特徴とする耐ブリスター性粘着シー
ト、及び、(3)プラスチック成形品に第(2)項記載の
粘着シートを積層したことを特徴とする耐ブリスター性
積層体を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
耐ブリスター性粘着シート用粘着剤は、炭素数4〜12
のアルキル基をもつアクリル酸エステル単位若しくはメ
タクリル酸エステル単位60〜80重量%、炭素数1〜
2のアルキル基をもつアクリル酸エステル単位若しくは
メタクリル酸エステル単位15〜38重量%及び極性モ
ノマー単位0.1〜10重量%よりなる共重合体100
重量部当たりアジリジン系架橋剤0.005〜10重量
部を配合してなるものである。本発明に用いられる炭素
数4〜14のアルキル基をもつアクリル酸エステル若し
くはメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸若しく
はメタクリル酸と、炭素数4〜14のアルコール、例え
ば、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタ
ノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1
−ブタノール、1−メチル−1−ペンタノール、2−メ
チル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノー
ル、2−エチル−1−ブタノール、3,5,5−トリメチ
ル−1−ヘキサノール、3−ヘプタノール、2−エチル
ヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n
−テトラデカノールなどから得られる構造を有するエス
テル類を挙げることができる。これらのモノマーはそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。本発明に用いられる共重合体において、炭
素数4〜14のアルキル基をもつアクリル酸エステル単
位若しくはメタクリル酸エステル単位は、共重合体中に
60〜80重量%、好ましくは63〜78重量%含有さ
れる。炭素数4〜14のアルキル基をもつアクリル酸エ
ステル単位若しくはメタクリル酸エステル単位の含有量
が60重量%未満であると、十分な接着力が得られない
おそれがあるので好ましくない。炭素数4〜14のアル
キル基をもつアクリル酸エステル単位若しくはメタクリ
ル酸エステル単位の含有量が80重量%を超えると、保
持力が低下するので好ましくない。本発明に用いられる
炭素数1〜2のアルキル基をもつアクリル酸エステル若
しくはメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸若し
くはメタクリル酸と、メタノール若しくはエタノールと
から得られる構造を有するエステルを挙げることができ
る。これらのモノマーはそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用
いられる共重合体において、炭素数1〜2のアルキル基
をもつアクリル酸エステル単位若しくはメタクリル酸エ
ステル単位は、共重合体中に15〜38重量%、好まし
くは18〜36重量%含有される。炭素数1〜2のアル
キル基をもつアクリル酸エステル単位若しくはメタクリ
ル酸エステル単位の含有量が15重量%未満であると、
保持力が低下するので好ましくない。炭素数1〜2のア
ルキル基をもつアクリル酸エステル単位若しくはメタク
リル酸エステル単位の含有量が38重量%を超えると、
十分な接着力が得られないので好ましくない。
【0006】本発明に用いられる極性モノマーとして
は、極性基として、例えば、カルボキシル基、水酸基、
アミノ基、アミド基、エポキシ基、スルホン酸基、イソ
シアネート基などの中から選ばれた少なくとも1種の基
を1個又は2個以上を有するアクリル系モノマーを挙げ
ることができる。このような極性モノマーとしては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸−2−アミノエチル、メタクリル酸−2
−アミノエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アク
リル酸−2−イソシアナートエチル、メタクリル酸−2
−イソシアナートエチル、イタコン酸、マレイン酸など
極性基を有し、共重合体中において、極性基が側鎖とし
て存在するものを挙げることができる。これらの極性モ
ノマーは、それぞれを単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。本発明において、極性モ
ノマー単位は、共重合体中に0.1〜10重量%含有さ
れる。極性モノマー単位の含有量が0.1重量%未満で
あると、十分な耐ブリスター性が得られないので好まし
くない。極性モノマー単位の含有量が10重量%を超え
ると、接着力が低下するおそれがあるので好ましくな
い。本発明においては、必要に応じて上記のモノマー以
外のモノマーを共重合させることもできる。共重合可能
なモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、スチ
レン、ビニルトルエン、酢酸ビニルなどを挙げることが
できる。本発明に用いられる共重合体は、重量平均分子
量が15万〜200万、好ましくは25万〜175万、
さらに好ましくは30万〜150万の範囲にあることが
必要である。この重量平均分子量が15万未満では粘着
剤としての保持力が低いおそれがあるし、200万を超
えると塗布などの作業性が悪くなる傾向が生じるので好
ましくない。共重合体の重量平均分子量は、ゲル・パー
ミエイション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレ
ンを標準試料として求めることができる。さらに、本発
明に用いる共重合体のガラス転移温度は−60〜20
℃、好ましくは−30〜10℃の範囲にあることが必要
である。ガラス転移温度が−60℃未満では接着力が十
分でないし、20℃を超えるとボールタックが低下する
傾向が生じる。
【0007】本発明に用いられる共重合体の製造方法に
は特に制限はなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など
の公知の方法を任意に選択することができる。モノマー
混合物を、溶剤中で重合開始剤を加えて重合する溶液重
合法によれば、得られた共重合体の溶液を次の工程に使
用することができるので好ましい。本発明においては、
共重合体は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などにより
得られ、好ましくは、溶液重合によって得られる。溶液
重合体溶液に用いる溶剤の種類及び共重合体溶液の濃度
は特に制限はなく、粘着剤の塗工条件などを勘案し、希
釈若しくは濃縮して使用できる。次いで、共重合体溶液
にアジリジン系架橋剤を配合することにより、本発明の
耐ブリスター性粘着シート用粘着剤を得ることができ
る。アジリジン系架橋剤とは、分子内に2個以上のアジ
リジン環構造を有し、共重合体中の極性モノマー単位と
反応して、共重合体分子を架橋することができる化合物
である。このようなアジリジン系架橋剤としては、例え
ば、ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジン
カーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ−β−
アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン
トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トルエン−
2,4−ビス(1−アジリジンカーボキサミド)、トリ
エチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メ
チルアジリジン)、トリス−1−(2−メチルアジリジ
ン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ−β−
(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどを挙げる
ことができる。これらのアジリジン系架橋剤は、共重合
体100重量部当たり0.005〜10重量部、好まし
くは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜2重
量部配合される。アジリジン系架橋剤の配合量が、共重
合体100重量部当たり0.005重量部未満である
と、十分な耐ブリスター性が得られないので好ましくな
い。アジリジン系架橋剤の配合量が、共重合体100重
量部当たり10重量部を超えると、粘着剤のポットライ
フが短くなり、あるいは、接着力が低下するおそれがあ
るので好ましくない。本発明の耐ブリスター性粘着シー
トは、前記の粘着剤を、従来より慣用されている塗布方
法に従って、基材シートの表面に塗布することにより製
造することができる。また、粘着シートの耐久性をさら
に向上させるために、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの
老化防止剤を配合することもできる。本発明に用いられ
る基材シートしては、例えば、ポリエステル、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン
などの合成樹脂からなるシートやフイルム、合成紙、あ
るいは、セルロース系シートやフイルム、さらには、種
々の材料からなる不織布、織布、編布などを用いること
ができる。これらの基材シートには、用途により、表面
に適当な文字や図柄などの印刷を施しておくことができ
る。
【0008】本発明の耐ブリスター性積層体は、上記の
粘着シートをプラスチック成形品に積層したものであ
る。本発明に用いられるプラスチック成形品としては、
プラスチックより成形加工により製造されたフイルム、
シート、成形品などを挙げることができる。粘着シート
をプラスチック成形品に積層する方法には特に制限はな
く、公知の方法を使用することができる。使用するプラ
スチック成形品にも制限はないが、長期間の間に微量の
ガスを放出して積層したシートとの間にブリスターを形
成しやすい、ガス放散性樹脂より成形された成形品の表
面に特に効果的に使用することができる。このようなガ
ス放散性樹脂としては、種々のものがあるが、特にブリ
スターの発生が多い例としては、スチレン系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ノリル樹
脂などのように芳香環を有するモノマー単位を5モル%
以上、特に15モル%以上含む樹脂、ポリメチルメタク
リレートなどのアクリル系樹脂、反応射出成形ポリウレ
タン樹脂、さらに、成形直後のポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン系樹脂を挙げることができ
る。ここにいうスチレン系樹脂とは、樹脂製造の際に、
スチレンモノマーを原料モノマー中5モル%以上、特に
15モル%以上使用したもの、例えば、ポリスチレン樹
脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ス
チレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹
脂などがこれに該当し、これらは成形後残存するスチレ
ンモノマーがガスとして放散され、ブリスターの原因と
なっているものと考えられる。 一方、スチレンモノマー単位を含有しない樹脂であって
も、芳香環を有するモノマー単位を5モル%以上、特に
15モル%以上含む樹脂は水分あるいは低分子物質を吸
着しやすいため、ブリスターの原因となるガスを発生す
る傾向がある。アクリル樹脂などのようにポリマー側鎖
に極性基を持つ樹脂も同様な傾向を有する。また、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
は、通常定常的な微量ガスの放散はないが、成形直後に
はガスの放散がみられてブリスターが発生しやすいの
で、このような場合にも、本発明の粘着シートはブリス
ターの防止に効果的である。これらの中で、本発明の耐
ブリスター性積層体として特に好適なものとしては、窓
用ポリカーボネート樹脂板やポリメチルメタクリレート
樹脂板、及び、透明性のよいスチレン系樹脂製の成形品
である。窓用ポリカーボネート樹脂板やポリメチルメタ
クリレート樹脂板に、日照調整や表面傷の発生を防止す
るなどの目的で粘着シートを貼付することは広く行われ
ているが、このような場合、ブリスターの発生は特に目
立ちやすく外観を損ねるので、商品として致命的な欠陥
となる。また、透明なスチレン系樹脂製成形品に貼付し
たラベルにブリスターが発生すると極めて目立ちやす
く、現実に磁気テープなどの容器として用いられるポリ
スチレンケースのブリスターの発生が大きな問題となっ
ている。したがって、本発明の耐ブリスター性粘着剤、
粘着シート及び積層体は、このような用途に適用すると
特に有効である。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各性能は次に記す方法にしたが
って求めた。 (1)接着力 JIS Z 0237 により、180度引き剥がし接着
力を貼付24時間後に測定し、25mm幅当たりのグラム
数で示した。 (2)保持力 JIS Z 0237 により、40℃において1kg荷重
で測定し、落下するまでの秒数で示した。ここで符号N
Cはズレなし、符号cfは凝集破壊を表す。 (3)耐ブリスター性 被着体であるプラスチック成形品がポリスチレン板の場
合には、射出成形した透明ポリスチレン板(日本テスト
パネル社製、2mm厚)に粘着シートを貼り、80℃の熱
風乾燥機中に1時間放置したのちのブリスターの発生状
態を観察した。また、被着体であるプラスチック成形品
がポリカーボネート板の場合には、透明ポリカーボネー
ト板(日本テストパネル社製、2mm厚)に0.1重量%
の界面活性剤を含む水を吹き付け、その上に粘着シート
を置き、次にスキージにより間の水分を押し出しながら
粘着シートを接着させた。30分間放置後、80℃の熱
風乾燥機中に1時間放置したのちのブリスターの発生状
態を観察した。 ○…ブリスターは全く発生していない。 ×…ブリスターが発生している。 実施例1 還流冷却器、窒素導入管、温度計、撹拌羽根を備えた5
00ml4つ口フラスコに、アクリル酸−n−ブチル75
g、アクリル酸エチル20g、アクリル酸5g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.53g及び酢酸エチル230
gを仕込み、内部を窒素で置換したのち、60℃に昇温
してそのまま24時間反応させた。得られたポリマー溶
液は透明で、加熱残分30重量%、25℃における粘度
が2,800cpsであり、共重合体の重量平均分子量
は65万であった。得られたポリマー溶液165gをと
り、架橋剤としてトリメチロールプロパントリ−β−ア
ジリジニルプロピオネート0.2gを加え、均一に溶解
して粘着剤を得た。この粘着剤を、厚さ50μmのポリ
エステルフイルム上に塗布量20±2g/m2になるよ
う塗布し、100℃で1分間熱風乾燥して粘着シートを
作成した。この粘着シートについて、各特性を求め、結
果を第2表に示した。 実施例2〜10 モノマーの仕込み組成、架橋剤の種類及び配合量を第1
表に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして粘
着シートを作成し、それらの特性を求め、結果を第2表
に示した。
【0010】
【表1】
【0011】[注] 1)BA:アクリル酸−n−ブチル 2)EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル 3)EA:アクリル酸エチル 4)MA:アクリル酸メチル 5)AA:アクリル酸 6)TAZM:トリメチロールプロパントリ−β−アジ
リジニルプロピオネート[日本触媒(株)製] 7)TAZO:テトラメチロールメタントリ−β−アジ
リジニルプロピオネート[日本触媒(株)製] 8)TEM:トリエチレンメラミン[日本触媒(株)製] 9)コロネートL:トリメチロールプロパンのトルイレ
ンジイソシアネートアダクト体[日本ポリウレタン(株)
製]
【0012】
【表2】
【0013】比較例1〜5 モノマーの仕込み組成、架橋剤の種類及び配合量を第1
表に示すように変えた以外は、実施例1と同様の操作を
繰り返した。実施例及び比較例から明らかなように、本
発明の粘着剤、粘着シート及び積層体は、耐ブリスター
性に優れる上に、接着力及び保持力も良好である。
【0014】
【発明の効果】本発明の粘着剤、粘着シート及び積層体
は、接着剤層に特定の共重合体及び架橋剤を用いること
により、ブリスターの発生を効果的に防止することを可
能とし、接着力及び保持力が十分であるので、各種プラ
スチック成形品、特にポリカーボネート樹脂シートやス
チレン系樹脂シートに好適に使用することができ、美麗
な外観を長期に維持しうるという利点がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数4〜12のアルキル基をもつアクリ
    ル酸エステル単位若しくはメタクリル酸エステル単位6
    0〜80重量%、炭素数1〜2のアルキル基をもつアク
    リル酸エステル単位若しくはメタクリル酸エステル単位
    15〜38重量%及び極性モノマー0.1〜10重量%
    よりなる共重合体100重量部当たりアジリジン系架橋
    剤0.005〜10重量部を配合してなることを特徴と
    する耐ブリスター性粘着シート用粘着剤。
  2. 【請求項2】基材シートに請求項1記載の粘着剤を塗布
    したことを特徴とする耐ブリスター性粘着シート。
  3. 【請求項3】プラスチック成形品に請求項2記載の粘着
    シートを積層したことを特徴とする耐ブリスター性積層
    体。
JP6164750A 1994-06-23 1994-06-23 耐ブリスター性粘着シート用粘着剤、該粘着剤を用いた耐ブリスター性粘着シート及び該粘着シートを積層した耐ブリスター性積層体 Pending JPH083521A (ja)

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Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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