JP4623530B2 - 耐ブリスター性粘着剤組成物とそれを用いた粘着シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ブリスター性粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シートに関するものである。さらに詳細には、各種プラスチック成型品の表面に貼付した後、経時において、常温や高温でのフクレや浮きなどのブリスターの発生がない優れた耐ブリスター性粘着剤組成物及び粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より感圧接着剤を塗布した粘着シート類は、押し付けるだけですぐ貼り付くという簡便さと、塗布された粘着剤が一般に使われている接着剤とは異なり無溶剤や無公害な点が好まれ、多くの分野において幅広く使用されている。近年、製品の軽量化の要請を受けて、プラスチック製品が多くなってきたことに伴い、プラスチック成型品やプラスチック製包装材料に粘着シートをラベルとして使用する例が増加している。透明なプラスチック、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートやポリスチレンなどの樹脂板には表面傷保護用として、また装飾用として粘着シート類がしばしば貼付されている。しかしながら従来のポリエステルなどのガスバリヤー性のあるフィルムを基材シートとして用いた粘着シートやラベルをポリカーボネート、アクリルやスチレンなどの樹脂板に貼付した場合、粘着シートやラベルと樹脂被着体との間に気泡が発生し、フクレや浮きなどのいわゆるブリスターが生じることが多い。特にこの現象は高温や高温多湿下で顕著である。このようなブリスターの発生は、商品の美観を損なうとともに、ラベルの脱落の原因ともなる。特に透明ラベルの場合では、粘着剤面がアバタ状もしくは白濁した状態に透けて見え、著しく外観が損なわれるのを免れないのが実状である。このブリスター発生の原因は、粘着剤基材シートとして用いられているプラスチックフィルムなどが、ポリカーボネートなどのプラスチック成型品から発生する微量ガスのバリヤー層となるため、ガスの逃げ場がなく、フクレや浮きとしてブリスターが発生するものと考えられる。
【0003】
これらを防止するために種々の検討がなされている。粘着シートについては、シートと粘着層との間に多孔質素材などの通気層を存在させる方法、あるいは基材シート自体に通気性を持たせる方法、さらに離型紙を散点状に窪みがつくように加工して、粘着剤の表面が平坦ではなく散点状に浮き出させるように加工するなどしてブリスター状態を解消する方法が考えられている。しかしながら、これらの方法では粘着シートの厚さが厚くなる上、透明性が損なわれて透明ラベルとして使用することができないなどの問題が生じる。
【0004】
また、粘着剤組成物については、特開平2−3481号公報では、(メタ)アクリル酸エステル、共重合可能なカルボキシル基含有化合物及びビニル基を有する第三級アミンをラジカル共重合してなるアクリル系粘着剤組成物が開示されているが、溶剤型重合の場合、カルボキシル基含有化合物とビニル基を有する第三級アミンを併用させると、重合時に架橋反応を起し、高粘度又はゲル化し反応安定性が低く、塗工性にも問題がある。特開平2−292382号公報では、特定構造式のアミノ基を含有する不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを重合して得られるアクリル系共重合体と架橋剤からなる感圧性接着剤組成物が開示されているが、経時で架橋度合が進み粘着力が低下し、フクレや浮きなどのブリスター性を防止する効果が低い。特開平8−3521号公報では、炭素数4〜12のアルキル基をもつ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数1〜2のアルキル基をもつ(メタ)アクリル酸エステル及び極性モノマーよりなる共重合体にアジリジン系架橋剤を配合してなる耐ブリスター性粘着シート用粘着剤が開示されているが、経時における高温多湿での耐ブリスター性が不十分である。また特開平10−310754号公報では、炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有不飽和モノマーを共重合して得られた特定の分子量を有する樹脂組成物(1)と、炭素数1〜20のメタクリル酸アルキルエステルもしくはメタクリル酸シクロアルキルアルキルエステル、メタクリル酸ベンジルまたはスチレンから選ばれた1種または2種以上のモノマーとアミノ基含有不飽和モノマーを共重合して得られた特定のTg及び特定の分子量を有する樹脂組成物(2)とを配合する粘着剤組成物が開示されている。この粘着剤組成物は、カルボキシル基とアミノ基を同一反応系に入れることを避けて、2液タイプにしたものであるが、経時における高温多湿での耐ブリスター性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合反応の安定性がよく、塗工に適した低粘性を有し、各種プラスチック成型品の表面に貼付した後、経時において、常温や高温多湿でのフクレや浮きなどのブリスターの発生がない優れた耐ブリスター性粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐ブリスター性に優れた粘着シート用粘着剤の開発に鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分に、カルボキシル基含有不飽和単量体及び第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体と粘着剤の溶液重合では共重合性が低いために通常使用されないスチレン系単量体とを共重合させると、重合安定性が良く架橋剤を使用しても保存後の粘着力の低下が少なく、耐ブリスター性が向上することを見出し、本発明に至った。
【0007】
即ち、本発明は、貼付したプラスチック製品から発生する微量ガスのバリヤー性を有する合成樹脂からなるシートやフィルムを基材とする粘着シート用の粘着剤組成物であって、かつ、(a)アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、(b)スチレン系単量体1〜30重量%、(c)カルボキシル基含有不飽和単量体0.1〜7重量%及び(d)第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体0.1〜15重量%(ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計を100重量%とする)からなる重量平均分子量が3万〜10万である共重合体(A)100重量部に対してグリシジル基を有する架橋剤(B)0.05〜5重量%を添加してなることを特徴とする粘着剤組成物を提供するものである。また、別の形態として、貼付したプラスチック製品から発生する微量ガスのバリヤー性を有するプラスチックフィルム上に、上記記載の粘着剤組成物を塗布して形成した粘着剤層を有することを特徴とする粘着シートを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。本発明に使用する(a)アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの群より少なくとも1種以上使用することができる。好ましくは炭素数が2〜12のアクリル酸アルキルエステルである。さらに必要に応じてその他の共重合可能な不飽和単量体を使用することができる。共重合可能な不飽和単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられる。
【0009】
本発明に使用する(b)スチレン系単量体は、本発明に極めて重要な必須成分である。粘着剤の溶剤重合反応では共重合性が低いため、通常使用されないスチレン系単量体を併用することで、カルボキシル基含有不飽和単量体とアミノ基含有不飽和単量体を同一系で反応させてもゲル化などの発生がなく反応時の安定性が良好である。共重合体の分子量が抑えられ、架橋剤を添加して加工された粘着シートの保存後の粘着性低下及びブリスター性を防止する効果がある。その使用量は、1〜30重量%である。使用量が1重量%より少ない場合には、ブリスター性を防止する効果が少なく、30重量%を越える場合には、共重合性が阻害され、得られる共重合体の分子量が低くなり、凝集力が低下し保持力が所定の強度に達しない。好ましい使用量は5〜20重量%である。使用するスチレン系単量体としては、具体的にスチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。好ましくはスチレンである。
【0010】
本発明に使用する(c)カルボキシル基含有不飽和単量体は、各種プラスチックに対する密着性の向上に必要である。カルボキシル基含有不飽和単量体としては、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸などが挙げられる。これらの群より少なくとも1種以上使用することができる。好ましくはアクリル酸である。その使用量は、0.1〜7重量%である。使用量が0.1重量%より少ない場合には、十分な耐ブリスター性が得られなく、7重量%を超える場合には、粘着力が低下するおそれがあるので好ましくない。好ましい使用量は、1〜5重量%である。
【0011】
本発明に使用する(d)第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体は、各種プラスチックに対する耐ブリスター性の向上に必要である。アミノ基含有不飽和単量体としては、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらの群より少なくとも1種以上使用することができる。その使用量は、0.1〜15重量%である。使用量が0.1重量%より少ない場合には、十分な耐ブリスター性が得られなく、15重量%を超える場合には、粘着力が低下するおそれがあるので好ましくない。好ましい使用量は、1〜10重量%である。(c)カルボキシル基含有不飽和単量体の量と(d)第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体の量を比較すると、第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体の量がカルボキシル基含有不飽和単量体の量より多いほうが、耐ブリスター性の向上には好ましい。
【0012】
本発明の粘着剤組成物の重量平均分子量は、1万〜20万の範囲にあることが必要である。1万より少ない場合には、架橋剤を使用しても凝集力が不足して耐ブリスター性が不十分である。20万を超える場合には、架橋剤を使用すると経時で粘着力が低下して耐ブリスター性が不足する。好ましい重量平均分子量の範囲は、3万〜10万である。重量平均分子量はポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0013】
本発明に使用するグリシジル基を有する架橋剤(B)は、1分子内に少なくとも2個以上のグリシジル基を有する化合物が使用することができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどの多官能グリシジル化合物が挙げられる。その使用量は、本発明の共重合体(A)100重量部に対して0.05〜5重量部である。使用量が0.05重量部より少ない場合には、十分な耐ブリスター性が得られなく、5重量部を超える場合には、粘着力が低下して耐ブリスター性が得られない。
【0014】
本発明の共重合体(A)は、通常塊状重合、溶液重合などで製造することができるが、好ましくは溶液重合である。使用する溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、アセトンなどの通常の有機溶剤である。また重合に使用する重合開始剤は、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物など油溶性の重合開始剤を使用することができる。
【0015】
本発明の共重合体(A)の粘着性を調整する目的で必要に応じ種々のものを配合してもよい。配合に使用される具体例としては、テルペン系、テルペンーフェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系、石油系などの粘着付与樹脂、メラミン樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料などが挙げられる。
【0016】
本発明の耐ブリスター性粘着剤組成物を各種基材シートに塗布して耐ブリスター性粘着シートが得られる。基材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレンなどのフィルムあるいはこれらの複合フィルムなどの合成樹脂からなるシートやフィルム、合成紙などが使用できる。粘着剤を塗布するに先立ち、密着性を向上させるためにプラスチックフィルムの表面にコロナ処理などをおこなって使用することができる。また、片面にシリコン剥離剤、シリコンアクリル樹脂などで背面処理されたプラスチックフィルムを使用することができる。さらに、粘着剤が塗布されたプラスチックフィルム粘着層を汎用のシリコン剥離紙、シリコン剥離フィルムなどで保護することもできる。
【0017】
本発明の耐ブリスター性粘着剤組成物は、通常使用されている塗布装置、例えばロール塗布装置などで塗工することができる。塗布量は、使用される用途により異なるが塗布厚としては通常5〜300μmである。
【0018】
本発明の耐ブリスター性粘着シートは、ガスが発生しやすい樹脂、すなわちスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などより成形された成形品の表面に効果的に使用されブリスターを防止することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例において詳しく説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。なお、実施例及び比較例における部もしくは%とあるのは特にことわりのない限り、重量部または重量%を示す。
【0020】
製造例1(共重合体A−1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル100部、ブチルアクリレート89部、スチレン5部、アクリル酸2部、ジメチルアミノエチルメタクリレート4部、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル0.2部を仕込む。攪拌しながら窒素ガス気流中酢酸エチルの還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエン85部を添加して室温まで冷却する。粘度3,500mPa・s、固形分35%、重量平均分子量80,000である共重合体A−1を得た。
【0021】
製造例2(共重合体A−2)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル50部、ブチルアクリレート84部、スチレン10部、アクリル酸2部、ジメチルアミノエチルメタクリレート4部、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル0.2部を仕込む。攪拌しながら窒素ガス気流中酢酸エチルの還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエン135部を添加して室温まで冷却する。粘度3,000mPa・s、固形分35%、重量平均分子量65,000である共重合体A−2を得た。
【0022】
製造例3〜6(共重合体A−3〜6)
製造例3〜6は、製造例2と同様の方法にて、表1に示すように単量体の種類及び量を変える以外は同様に共重合体A−2〜A−6を得た。
【0023】
製造例7〜9(共重合体A−7〜9)
製造例7は、製造例1のスチレン単量体を使用しなかった例であり、製造例8は、製造例2の官能基含有単量体をアクリル酸だけの例であり、製造例9は、製造例2の官能基含有単量体をジメチルアミノエチルメタクリレートだけの例であり、製造例1及び2と同様に反応して共重合体A−7〜A−9を得た。表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
表1及び表2中、単量体の種類を下記の略号で示した。
BA :ブチルアクリレート
St :スチレン
AAC :アクリル酸
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート
DMAPA :ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
【0027】
実施例1
実施例1は、製造例1で得られた共重合体A−1の固形分100部に対して、グリシジル基を有する架橋剤であるビスフェノールAタイプ多官能エポキシ化合物(旭電化工業(株)製 商品名アデカレジンEP−41000E)0.5部を添加して、十分に混合して耐ブリスター性粘着剤を得た。該粘着剤を100℃の乾燥機で60秒間乾燥させた後の厚さが25μm(dry)になるように、離型紙に塗工し、厚さ25μmのアルミ蒸着ポリエステルフィルムに転写して粘着シートを作製した。結果は表3に示すように、初期及び保存後の耐ブリスター性は良好であったし、粘着力も保持力も良好であった。
【0028】
実施例2〜6
実施例2〜6は、実施例1の共重合体A−1を表1で示す共重合体A−2〜6に変える以外は、実施例1と全く同様にして粘着シートを作製した。結果は表3に示すように、すべて良好であった。
【0029】
実施例7〜9
実施例7及び8は、実施例2のグリシジル基を有する架橋剤の量を変化させる以外、実施例9は、実施例2のグリシジル基を有する架橋剤を1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学(株)製 商品名テトラッドC)に変えた以外は、実施例2と全く同様にして粘着シートを作製した。結果は表3に示すように、すべて良好であった。
【0030】
比較例1〜3
比較例1〜3は、実施例1の共重合体A−1を表2で示す共重合体A−7〜9に変える以外は、実施例1と全く同様にして粘着シートを作製した。結果は表3に示すように、比較例1及び2は、初期の耐ブリスター性は良好であったが、保存後の耐ブリスター性が悪かった。比較例3は、初期及び保存後の耐ブリスター性が共に悪かった。
【0031】
比較例4及び5
比較例4は、比較例1のグリシジル基を有する架橋剤の量を増やした以外、比較例5は、製造例2で示す共重合体A−2にグリシジル基を有する架橋剤の変わりにトリレジンイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製 商品名コロネートL)する以外は実施例1と全く同様にして粘着シートを作製した。結果は表3に示すように、比較例4は、初期の耐ブリスター性は良好であったが、保存後の耐ブリスター性が悪かった。比較例5は、初期及び保存後の耐ブリスター性が共に悪かった。
【0032】
【表3】
【0033】
試験方法
耐ブリスター性
(イ)初期の耐ブリスター性
本発明で得られた粘着シートを55×75mmの大きさに切断し試験片とした。該試験片を透明なポリカーボネート板(三菱ガス化学(株)製 ユーピロンシート3mm厚)に貼付し、23℃、65%RH中に1時間放置後、80℃の雰囲気下に24時間時間放置する。23℃、65%RHに戻し粘着シートの表面の変化を観察する。
(ロ)保存後の耐ブリスター性
本発明で得られた粘着シートを70℃の雰囲気下に1ヶ月間放置した後、初期の耐ブリスター性と同様に表面の変化を観察する。
◎:ブリスターの発生がない。
○:表面に数個のブリスターが発生。
×:多数ブリスターが発生。
2.粘着力
(イ)初期の粘着力
本発明で得られた粘着シートをJIS Z0237に準じて180゜引き剥がし粘着力を貼付20分後に測定する。
(ロ)保存後の粘着力
本発明で得られた粘着シートを70℃の雰囲気下に1ヶ月間放置した後、初期の粘着力と同様に測定する。
3.保持力
本発明で得られた粘着シートをJIS Z0237に準じて、40℃において1Kg荷重で測定し落下するまでの秒数を計る。ここで符号NCは、ズレ無し、CFは、凝集破壊を表す。
【0034】
【発明の効果】
本発明の耐ブリスター性粘着剤組成物を用いた粘着シートは、ブリスターの発生を効果的に防止することができ、粘着力及び保持力が十分であるので、ポリカーボネート樹脂やスチレン樹脂などの被着体に好適に使用することができる。
Claims (3)
- 貼付したプラスチック製品から発生する微量ガスのバリヤー性を有する合成樹脂からなるシートやフィルムを基材とする粘着シート用の粘着剤組成物であって、かつ、(a)アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、(b)スチレン系単量体1〜30重量%、(c)カルボキシル基含有不飽和単量体0.1〜7重量%及び(d)第3級アミンであるアミノ基含有不飽和単量体0.1〜15重量%(ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計を100重量%とする)からなる重量平均分子量が3万〜10万である共重合体(A)100重量部に対してグリシジル基を有する架橋剤(B)0.05〜5重量%を添加してなることを特徴とする粘着剤組成物。
- 貼付したプラスチック製品から発生する微量ガスのバリヤー性を有するプラスチックフィルム上に、請求項1に記載の粘着剤組成物を塗布してなることを特徴とする粘着シート。
- スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂により成形された成形品への貼付に用いられる請求項2に記載の粘着シート。
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