JPH05209160A - 水溶性粘着剤組成物、ハンダマスク剤、粘着テープ及び粘着テープの製造方法 - Google Patents

水溶性粘着剤組成物、ハンダマスク剤、粘着テープ及び粘着テープの製造方法

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JPH05209160A
JPH05209160A JP4138798A JP13879892A JPH05209160A JP H05209160 A JPH05209160 A JP H05209160A JP 4138798 A JP4138798 A JP 4138798A JP 13879892 A JP13879892 A JP 13879892A JP H05209160 A JPH05209160 A JP H05209160A
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JP
Japan
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weight
sensitive adhesive
parts
meth
pressure
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Pending
Application number
JP4138798A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hanatani
信雄 花谷
Makoto Miura
誠 三浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた粘着物性を有し、かつ、剥離後の粘着
剤の痕跡を水によって洗浄することのできる水溶性粘着
剤組成物を提供する。 【構成】 一般式(I)で表される(メタ)アクリル系
モノマー(a)30〜97重量%と、該(メタ)アクリ
ル系モノマー(a)と共重合可能なモノマー(b)70
〜3重量%からなる共重合体を主成分とすることを特徴
とする水溶性粘着剤組成物。 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のア
ルキレン基をそれぞれ示し、R3 はH、アルキル基、ア
リール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の平均値
であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の用途に用いられ
る水溶性粘着剤組成物に関する。本発明の水溶性粘着剤
組成物の代表的な用途としては、プリント基板のハンダ
マスク剤やハンダマスク用およびその他のマスク用の粘
着テープが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着剤といえば、素ねりされた天
然ゴムに、ロジン系、テルペン系、C 5 系又はC9 系の
石油系粘着付与樹脂を混合したものに、必要に応じて可
塑剤やオイルを添加したゴム系粘着剤や、アクリル酸や
アクリル酸アルキルエステル等を共重合して得られるア
クリル系粘着剤が一般的であった。また、最近ポリシロ
キサンを主成分としたシリコン系粘着剤が高温下でも良
い接着性を示すため特殊な用途で用いられている。
【0003】しかしながら、これらの粘着剤はすべて有
機溶剤にしか溶解しないため、粘着テープやラベルを作
るためには一度有機溶剤に必要な成分を溶解した後、塗
工・乾燥を行ったり、重合で用いた有機溶剤を塗工後乾
燥させたりすることが必要であった。そのため乾燥工程
での爆発限界の管理面や、有機溶剤を扱うオペレーター
の健康面の問題があった。また、これらの粘着剤を用い
た粘着テープでは、一度用いた粘着テープを剥離した時
に残った粘着剤のカスを、ベンジン等の有機溶剤を用い
て落とさなければならないので、取扱いが面倒であっ
た。さらに、工業的にみても、これらの粘着剤を用いた
マスク用粘着テープでは、テープ剥離後に粘着剤の痕跡
を除去するために塩素系溶剤を用いざるを得ず、環境へ
の悪影響も問題であった。
【0004】このような観点から、水溶性の粘着剤はい
くつか開発されてきた。例えば、特開昭60−2299
72号公報や特開平2−232287号公報に記載され
ているように、アクリル酸リッチな比較的硬い高分子量
物に常温で粘性を有する多価アルコール等を添加するこ
とで粘着剤としたものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような粘
着剤組成では、広い温度範囲で安定した粘着物性を発揮
することができず、例えば、低温で粘着性の高いものは
高温での保持力に劣っていたり、逆に高温での接着性に
優れたものは低温ではタックがなくなる、といった問題
があった。
【0006】本発明の目的は、優れた粘着物性を有し、
かつ、剥離後の粘着剤の痕跡を水によって洗浄すること
のできる水溶性粘着剤組成物を提供することにある。
【0007】本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の
モノマー成分組成の共重合体を用いた水溶性粘着剤組成
物によって、上記目的を達成できることを見出し、その
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の7つからな
る。
【0009】第1発明の水溶性粘着剤組成物は、下記一
般式(I)で表される(メタ)アクリル系モノマー
(a)30〜99.99重量%と、該(メタ)アクリル
系モノマー(a)と共重合可能なモノマー(b)70〜
0.01重量%からなる共重合体を主成分とすることを
特徴とする。
【0010】 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のア
ルキレン基をそれぞれ示し、R3 は、H又はアルキル基
又はアリール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の
平均値であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。)
【0011】第2発明の水溶性粘着剤組成物は、一般式
(I)で表される(メタ)アクリル系モノマー(a)3
0〜97重量%と、該(メタ)アクリル系モノマー
(a)と共重合可能な、分子内にカルボキシル基をも
ち、ホモポリマーのTg(ガラス転移点)が60℃以下
である(メタ)アクリル系モノマー(c)60〜3重量
%を主体とするモノマー組成で得られる共重合体を主成
分とすることを特徴とする。
【0012】 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のア
ルキレン基をそれぞれ示し、R3 は、H又はアルキル基
又はアリール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の
平均値であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。)
【0013】第3発明の水溶性粘着剤組成物は、請求項
2記載の水溶性粘着剤組成物において、分子内にカルボ
キシル基をもち、ホモポリマーのTg(ガラス転移点)
が60℃以下である(メタ)アクリル系モノマー(c)
が、下記一般式(II)又は(III) で表されるモノマーであ
ることを特徴とする。
【0014】 CH2 =CR1 ─COO(R4 COO)q H ・・・・・ (II) (式中、R1 はH又はCH3 、R4 は炭素数1〜8のア
ルキレン基をそれぞれ示し、qは1以上の整数を示
す。)
【0015】 CH2 =CR1 ─COO(R5 OCOR6 COO)r H ・・・(III) (式中、R1 はH又はCH3 、R5 、R6 は共に炭素数
が1〜8のアルキレン基をそれぞれ示し、rは1以上の
整数を示す。)
【0016】第4発明のハンダマスク剤は、請求項1〜
3のいずれかに記載の水溶性粘着剤組成物を主体とす
る。
【0017】第5発明の粘着テープは、請求項1〜3の
いずれかに記載の水溶性粘着剤組成物が、支持体の少な
くとも片面に積層されてなることを特徴とする。
【0018】第6発明の粘着テープの製造方法は、テー
プ支持体上で直接光重合することにより、請求項1〜3
のいずれかに記載の水溶性粘着剤組成物層を得ることを
特徴とする。
【0019】第7発明の粘着テープの製造方法は、離型
性を有する基材上で光重合して得た請求項1〜3のいず
れかに記載の水溶性粘着剤組成物層を、テープ支持体に
転写することを特徴とする。以上により上記目的が達成
される。
【0020】以下、本発明の第1発明について詳しく説
明する。
【0021】第1発明の粘着剤組成物の主成分は、一般
式(I)で表される(メタ)アクリル系モノマー(a)
と、該モノマー(a)と共重合可能なモノマー(b)と
の共重合体から構成される。 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) 式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のアル
キレン基をそれぞれ示し、R3 は、H又はアルキル基又
はアリール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の平
均値であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。
【0022】上記一般式(I)で表わされる(メタ)ア
クリル系モノマー(a)は水溶性又は水分散性のもので
あり、式中、R2 で示される炭素数1〜4のアルキレン
基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン等の直鎖状のものの他、炭素数が2
のものとして、例えば、−CH(CH3 )−、炭素数が
3のものとして、例えば、−CH2 CH(CH3 )−、
−CH(CH3 )CH 2 −、−C(CH3 2 −、炭素
数が4のものとして、例えば、−CH2 CH2CH(C
3 )−、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−CH
(CH3 )CH2CH2 −、−CH2 C(CH3
2 −、−C(CH3 2 CH2 −、−CH(CH3 )C
H(CH3 )−、−CH(CH(CH3 2 )−、−C
H(CH2 CH 2 CH3 )−、−C(CH3 )(CH2
CH3 )−等の分枝状のものを挙げることができる。
【0023】一般式(I)で表わされる(メタ)アクリ
ル系モノマー(a)の具体例としては、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等を挙げる
ことができ、広い温度範囲で安定した粘着物性を得るた
めには、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好まし
い。また、一般式(I)で表されるモノマー(a)は、
2種以上併用することができる。
【0024】第1発明の共重合体におけるモノマー組成
は、(メタ)アクリル系モノマー(a)が30〜99.
99重量%である。モノマー(a)が30重量%未満に
なると、粘着剤組成物は十分な水溶性が得られず、好ま
しくは50〜95重量%である。
【0025】第1発明で使用されるモノマー(b)とし
ては、一般式(I)で表される(メタ)アクリル系モノ
マー(a)と共重合可能なものであって、下記一般式
(IV)で表される(メタ)アクリル酸エステルが挙げら
れる。 CH2 =CR1 ─COOR7 ・・・・・ (IV) 式中、R1 はH又はCH3 を示し、R7 は炭素数1〜1
9のアルキル基を示す。炭素数1〜19のアルキル基と
しては、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0026】上記 (IV)式で表される(メタ)アクリル
酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これら
の(メタ)アクリル酸エステルを2種以上用いてもよ
い。
【0027】共重合体のモノマー組成については、上記
(メタ)アクリル酸エステルの量が多くなると、粘着力
は増すが共重合体の水溶性を阻害するので70重量%以
下であり、より好ましくは50重量%以下である。
【0028】第1発明において、上記一般式 (IV)以外
に使用可能なモノマー(b)としては、例えば、分子内
にカルボキシル基を持つビニルモノマー、分子内にグリ
シジル基、アミド基等を含むビニルモノマー等、一般式
(I)のモノマーと共重合可能なビニルモノマーであれ
ば、特に限定されるものではない。また、これらのモノ
マー(b)は2種以上併用してもよい。
【0029】分子内にカルボキシル基を持つビニルモノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、フマール酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロキ
シエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフ
タル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、
2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタレー
ト、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフ
タレート、2−(メタ)アクリロキシエチルテトラヒド
ロフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルテト
ラヒドロフタレート、3−(メタ)アクリロキシプロピ
オン酸等が挙げられる。
【0030】また、分子内にエポキシ基を持つビニルモ
ノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、グリシジルメチル(メタ)アクリレート、グリシ
ジルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】共重合体のモノマー組成については、この
ようなモノマー(b)量が多くなると、共重合体の粘着
物性に悪影響を及ぼすので20重量%以下であり、より
好ましくは0.01〜5重量%である。
【0032】第1発明において、必要に応じて、粘着剤
組成物中のカルボキシル基やエポキシ基を含有する成分
を架橋させることができる。このような架橋は、前記共
重合体のみでは凝集性が不十分であったり、後述の可塑
剤を比較的多く配合するために凝集性が不足するような
場合に行われる。粘着剤組成物中のカルボキシル基と反
応して架橋させる化合物としては、例えば、アジリジン
系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物
等が挙げられる。アジリジン系化合物としては、例え
ば、下記化学式で表される化合物が使用可能である。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】
【化3】
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】エポキシ系化合物としては、例えば、下記
化学式で表される化合物が挙げられ、第3級アミンや第
4級アンモニウム塩等の触媒を併用すると効果的であ
る。
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシク
ロペンタジエンジオキシド等。
【0050】また、粘着剤組成物中のエポキシ基と反応
して架橋させる化合物としては、例えば、脂肪族ポリア
ミン系化合物、脂環族アミン系化合物、芳香族アミン系
化合物、ポリアミドアミン化合物等が挙げられる。
【0051】脂肪族ポリアミン系化合物としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、ジエチレントリアミン変性
物、ジプロピレントリアミン、トリエチレントリアミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルア
ミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン(変性
品)、N−アミノエチルピペラジン、ビス−アミノプロ
ピルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、
ビス−(ヘキサメチレン)トリアミン及びその誘導体、
ジシアンジアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレ
ンジアミン付加物、ポリオキシプロピレンジアミン、そ
の他の脂肪族ポリアミン、変成脂肪族ポリアミン等が使
用可能である。
【0052】脂環族アミン系化合物としては、例えば、
3,3'- ジメチル4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、3-アミノ-1- シクロヘキシルアミノプロパン、4,4'
−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミ
ン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン、その他の脂環族ポリアミ
ン、変成脂環族ポリアミン、複素環式変成アミン等が使
用可能である。
【0053】芳香族アミン系化合物としては、例えば、
4,4'−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリ
ン)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジ
フェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、2,4-トル
イレンジアミン、m−トルイレンジアミン、o−トルイ
レンジアミン、メタキシリレンジアミン、キシリレンジ
アミン等の芳香族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン等
が使用可能である。
【0054】ポリアミドアミン系化合物としては、例え
ば、変性ポリアミドアミン、ポリアミド樹脂、アミノポ
リアミド樹脂等が使用可能である。
【0055】上記以外に、3級アミン類、イミダゾール
類、酸無水物等が使用可能である。上記粘着剤組成物中
の架橋点は、カルボキシル基、エポキシ基に限定される
ものではなく、また、架橋に用いる化合物も上記の化合
物に限定されるものではない。
【0056】架橋剤の配合量は、少なくなると効果がな
く、多くなると攪拌中にゲル化を起こしたり架橋を阻害
するので、一般に上記共重合体100重量部に対して、
0.001〜10重量部である。
【0057】第1発明では、主として、粘着剤組成物の
粘着力をコントロールするために、必要に応じて、可塑
剤を配合してもよい。使用可能な可塑剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、ポリグリセリン、アルカノールアミン等が挙げられ
る。可塑剤の配合量は、少なくなると効果がなく、多く
なると組成物自体の凝集性がなくなるので、一般に上記
共重合体100重量部に対して、1〜300重量部であ
り、好ましくは10〜100重量部である。
【0058】上記共重合体の重合には、公知の任意の重
合方法が採用されてよく、例えば、光重合開始剤を用
い、基材にモノマーを塗工後紫外線等の光を照射して重
合させる方法も使用可能である。
【0059】次に、本発明の第2及び第3発明について
詳しく説明する。第2発明の粘着剤組成物の主成分は、
一般式(I)で表される(メタ)アクリル系モノマー
(a)と(メタ)アクリル系モノマー(c)を主体とす
る共重合体から構成される。上記アクリル系モノマー
(a)は、水溶性又は水分散性であり、第1発明で用い
られたものが好適に使用される。また、これらのモノマ
ー(a)は2種以上併用してもよい。
【0060】上記共重合体におけるモノマー組成は、
(メタ)アクリル系モノマー(a)30〜97重量%で
ある。モノマー(a)が30重量%未満になると、粘着
剤組成物は十分な水溶性が得られず、好ましくは50〜
95重量%である。
【0061】上記(メタ)アクリル系モノマー(c)
は、(メタ)アクリル系モノマー(a)と共重合可能で
あって、ホモポリマーのTgが60℃以下であり、分子
内にカルボキシ基をもつものであり、例えば、請求項3
記載の一般式(II)又は(III) で表されるものが好適に使
用される。
【0062】 CH2 =CR1 ─COO(R4 COO)q H ・・・・・ (II) 式中、R1 はH又はCH3 を示し、R4 は炭素数1〜8
のアルキレン基を示し、qは1以上の整数を示す。上記
アルキレン基としては、直鎖状のものに限定されるもの
ではなく、分枝状のものも使用可能であり、具体的に
は、第1発明と同様なものが挙げられる。
【0063】 CH2 =CR1 ─COO(R5 OCOR6 COO)r H・・・(III) 式中、R1 はH又はCH3 を示し、R5 及びR6 は炭素
数1〜8のアルキレン基を示し、rは1以上の整数を示
す。上記アルキレン基としては、直鎖状のものに限定さ
れるものではなく、分枝状のものも使用可能であり、具
体的には、第1発明と同様なものが挙げられる。
【0064】一般式(II)で表される(メタ)アクリル系
モノマー(c)としては、例えば、カルボキシブチルア
クリレート、カルボキシエチルアクリレート等が挙げら
れる。また、一般式(III) で表される(メタ)アクリル
系モノマー(c)としては、例えば、2−アクリロキシ
エチルコハク酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフタ
ル酸等が挙げられる。これらのモノマー(c)は2種以
上併用してもよい。
【0065】また、上記共重合体におけるモノマー組成
は、モノマー(c)が60〜3重量%であり、粘着剤組
成物がより高い粘着性を示すために、好ましくは40〜
5重量%である。
【0066】第2発明では、第3成分として、一般式(I
V)で表される(メタ)アクリレートと共重合可能な他の
ビニルモノマーが配合されてもよい。 CH2 =CR1 ─COOR7 ・・・・・ (IV) 式中、R1 はH又はCH3 を示し、R7 は炭素数1〜1
9のアルキル基を示す。炭素数1〜19のアルキル基と
しては、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0067】上記 (IV)式で表される(メタ)アクリル
酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0068】また、第2発明では、必要に応じて、粘着
剤組成物中のカルボキシル基やエポキシ基を含有する成
分を架橋させることができる。カルボキシル基やエポキ
シ基の架橋させる化合物としては、第1発明で用いられ
る化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0069】第2発明では、必要に応じて、粘着剤組成
物に、第1発明で使用されるものと同じ可塑剤を配合し
てもよい。
【0070】第2発明における共重合体の重合には、公
知の任意の重合方法が採用されてよく、例えば、光重合
開始剤を用い、基材にモノマーを塗工後紫外線等の光を
照射して重合させる方法も使用可能である。
【0071】次に、本発明の第5発明について説明す
る。請求項1〜3記載の水溶性粘着剤組成物から得られ
る粘着剤層を、支持体の片面に積層することにより粘着
テープが得られる。支持体としては、例えば、セロファ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のフィルムもしくはシート;クレープ紙、不
織布、布基材、又はこれらとポリエチレンの積層体等が
挙げられる。粘着テープを製造する方法は重合方法によ
って異なるが、例えば溶液重合や塊重合等の場合は、水
溶性粘着剤組成物を直接支持体に塗布するか、一旦離型
紙等の剥離性基材に塗布した後支持体に転写すればよ
く、また、溶剤を実質的に含まず光重合による場合は、
支持体又は剥離性基材上で紫外線等の光を照射すること
によって粘着剤層を得、要すれば支持体に転写すること
により粘着テープを得ることができる。
【0072】第6発明は、前記の溶剤を実質的に含まず
光重合による方法のうち、直接テープ支持体上で紫外線
等の光照射により粘着剤層を得て粘着テープを製造する
方法であり、第7発明は剥離性基材上で紫外線等の光照
射により得た粘着剤層を、テープ支持体に転写して粘着
テープを製造する方法である。
【0073】これらの方法で粘着テープを製造する場
合、一般にモノマー組成中に光重合開始剤を配合する。
光重合開始剤としては例えば、4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケ
トン〔メルク社製「ダロキュア2959」〕、2−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン〔メルク社製
「ダロキュア1173」〕、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の
アセトフェノン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテ
ル系開始剤;ベンジルジメチルケタール等のケタール系
開始剤;その他ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキ
シド、アシルホスフォナート等を挙げることができる。
光重合開始剤の配合量は、モノマー成分100重量部に
対して0.1〜5重量部とするのが好ましい。
【0074】また凝集力を高めるために、上記光重合開
始剤とともに多官能ビニル化合物を重合性架橋剤として
含有させてもよい。このような化合物としては、例えば
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート
等を挙げることができる。重合性架橋剤の配合量として
は、モノマー成分100重量部に対して0〜0.5重量
部程度が好ましい。
【0075】更に、モノマー組成物を支持体等の基材に
塗布する際、予め増粘しておくことが製造上有利であ
る。増粘の方法としては、塗布前にモノマーの一部を重
合させておいたり、増粘剤やチキソトロープ剤を配合す
る方法がある。増粘剤としてはポリアクリル酸やポリビ
ニルピロリドン等の水溶性のポリマーが例示され、チキ
ソトロープ剤としてはフュームドシリカ、ポリビニルピ
ロリドン等が例示される。
【0076】以上のように配合調整されたモノマー組成
物(以下、光重合組成物という)を基材に塗布した後、
不活性ガスで置換されたボックス内で、石英ガラス、パ
イレックスガラス或いはホウ酸ガラス越しに紫外線等の
光の照射が行われる。また不活性ガス雰囲気中でなくて
も、光重合性組成物の表面を離型性を有するポリエステ
ルフィルム等の光透過性フィルムでカバーすることによ
り、空気(酸素)との接触を遮断して光照射を行っても
よい。なおこの場合は、酸素除去効果のあるフェニルジ
イソデシルホスファイト、トリイソデシルホスファイ
ト、オクタン酸第一錫等の化合物を添加しておくのが好
ましい。
【0077】光照射には通常紫外線が用いられる。紫外
線ランプとしては、光波長300〜400nmに発光スペ
クトル分布を有するものが用いられ、その例としてはケ
ミカルランプ、ブラックライトランプ(東芝電材社の商
品名)、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタ
ルハライドランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯などが
用いられる。これらのうち、前2者のランプは、比較的
低い光強度を得るために用いられ、後5者のランプは、
比較的高い光強度を得るために用いられる。
【0078】光強度は、被照射体までの距離や電圧の調
整によって、一般に0.5〜100mW/cm2 程度とし、
照射時間は10秒〜5分程度とする。
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0079】(実施例1)セパラブルフラスコに、2−
ヒドロキシエチルアクリレート〔モノマー(a)〕23
4重量部、ブチルアクリレート〔モノマー(b)〕60
重量部、アクリル酸〔モノマー(b)〕3重量部、メル
カプトエタノール(分子量調整用連鎖移動剤)3重量部
及びメタノール300重量部を入れ、70℃のオイルバ
ス中で加温した後、0.15重量部の重合開始剤(アゾ
ビスイソブチロニトリル)を加え、窒素雰囲気下で3時
間重合して粘着剤溶液を得た。
【0080】(実施例2)実施例1で得られた粘着剤溶
液100重量部に、可塑剤としてポリエチレングリコー
ル(分子量400)10重量部を加え、よく攪拌して粘
着剤溶液を得た。
【0081】(実施例3)実施例1で得られた粘着剤溶
液100重量部に、ポリエチレングリコール(分子量4
00)10重量部を加え、さらに、1,6−ヘキサメチ
レンジエチレンウレア(相互薬工社製「H.D.U」)
の5%メタノール溶液1重量部を加え、よく攪拌して粘
着剤溶液を得た。
【0082】(実施例4)セパラブルフラスコに、2−
ヒドロキシエチルアクリレート〔モノマー(a)〕23
1重量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔モノ
マー(a)〕15重量部、ブチルアクリレート〔モノマ
ー(b)〕30重量部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト〔モノマー(b)〕15重量部、グリシジルメタクリ
レート(架橋点モノマー)6重量部、ラウリルメルカプ
タン(分子量調整用連鎖移動剤)3重量部及びエタノー
ル300重量部を入れ、90℃のオイルバス中で加温度
した後、0.1重量部の重合開始剤(アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル)0.1重量部を加え、窒素雰囲
気下で3時間重合して粘着剤溶液を得た。
【0083】(実施例5)実施例4で得られた粘着剤溶
液100重量部に、可塑剤としてジグリセリン20重量
部を加えて、よく攪拌し粘着剤溶液を得た。
【0084】(実施例6)実施例4で得られた粘着剤溶
液100重量部に、ジグリセリン20重量部を加え、さ
らに、ジエチレントリアミンの5%エタノール溶液1重
量部を加えて、よく攪拌し粘着剤溶液を得た。
【0085】(比較例1)セパラブルフラスコに、2−
ヒドロキシエチルアクリレート60重量部、ブチルアク
リレート234重量部、アクリル酸3重量部、メルカプ
トエタノール3重量部、メタノール300重量部を入
れ、オイルバス中で70℃に加温した後、0.15重量
部の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を加
え、窒素雰囲気下で3時間重合して、粘着剤溶液を得
た。
【0086】(比較例2)セパラブルフラスコに、2−
ヒドロキシエチルアクリレート30重量部、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート30重量部、ブチルアクリレ
ート120g、2−エチルヘキシルアクリレート111
重量部、グリシジルメタクリレート6重量部、ラウリル
メルカプタン3重量部、エタノール300重量部を入
れ、オイルバス中で70℃に加温した後、アゾビスシク
ロヘキサンカルボニトリル0.1重量部を加え、窒素雰
囲気下で3時間重合して、粘着剤溶液を得た。
【0087】(実施例7)セパラブルフラスコに、メト
キシポリエチレングリコールメタクリレート〔第一工業
製薬社製、(I)式において、R1 =CH3 、R2 =C
2 CH2 、R3=CH3 、p=8〕90重量部、ブチ
ルアクリレート197.4重量部、アクリル酸9重量
部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3重量部、ラウ
リルメルカプタン0.6重量部及び酢酸エチル300重
量部を入れ、90℃のオイルバス中で加温した後、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.15重量部を加え、窒素雰
囲気下で8時間重合して、粘着剤溶液を得た。上記粘着
剤組成物100重量部に、コロネートL(日本ポリウレ
タン社製)5%トルエン溶液10gを加え、ディスパー
スによってよく攪拌し塗工液を得た。
【0088】(実施例8)セパラブルフラスコに、メト
キシポリエチレングリコールアクリレート〔第一工業製
薬社製、(I)式において、R1 =H、R2 =CH2
2 、R3 =CH 3 、p=8〕120重量部、ブチルア
クリレート158.7重量部、アクリル酸3重量部、ス
チレン15重量部、グリシジルメクリレート3重量部、
2−メルカプトエタノール0.3重量部及び酢酸エチル
300重量部を入れ、実施例7と同様にして、粘着剤溶
液を得た。上記粘着剤溶液100重量部に、ジエチレン
トリアミン0.05重量部を加え、ディスパースによっ
てよく攪拌し塗工液を得た。
【0089】(実施例9)セパラブルフラスコに、アル
キルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート
〔第一工業製薬社製、(I)式において、R1 =H、R
2 =CH2 CH2 、R3 =C6 5 9 19 〜C6
5 1123、p=16〜17〕150重量部、ブチルア
クリレート131.4重量部、N−ビニルピロリドン1
5重量部、アジリジニルエチルアクリレート3重量部、
ラウリルメルカプタン0.6重量部及び酢酸エチル30
0重量部を入れ、実施例7と同様にして、粘着剤溶液を
得た。上記粘着剤溶液100重量部に、テレフタル酸
0.05重量部を加え、ディスパースによってよく攪拌
し塗工液を得た。
【0090】(比較例3)セパラブルフラスコに、ブチ
ルアクリレート281.7重量部、アクリル酸15重量
部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート3重量部、
ラウリルメルカプタン0.3重量部及び酢酸エチル30
0重量部を入れ、実施例7と同様にして、粘着剤溶液を
得た。上記粘着剤組成物100重量部に、コロネートL
(日本ポリウレタン社製)5%トルエン溶液10gを加
え、ディスパースによってよく攪拌し塗工液とした。
【0091】〔粘着シートの作製〕実施例1〜9及び比
較例1〜3で得られた粘着剤組成物又は塗工液を、厚さ
25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムに、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗工し、
70℃のオーブンで3分間、次いで100℃のオーブン
で5分間乾燥させて、粘着シートを作製した。
【0092】〔粘着シートの物性測定〕得られた粘着シ
ートについて、下記3項目の物性を測定し、その結果を
表1に示した。 (1)SP粘着力 JIS Z0237に準拠して測定した。 (2)40℃保持力 JIS Z0237に準拠して測定し、2時間後のずれ
(mm)又は落下時間(分)で示した。 (3)水溶性 粘着シートを40℃の温水に10分間浸漬後に、粘着剤
が全く残っていなければ◎、粘着剤の吸水率が100重
量%以上の場合を○、粘着剤の吸水率が100重量%未
満の場合を×とした。
【0093】
【表1】
【0094】(実施例10)2−ヒドロキシエチルアク
リレート60重量部、カルボキシエチルアクリレート2
0重量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート20重量部及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン(光重合開始剤)0.5重
量部を混合した光重合性組成物を、厚さ25μmのPE
Tフィルム上に、乾燥後の厚さが25μmとなるように
塗布し、離型処理されたPETフィルムを被覆して、紫
外線を10分間照射して粘着シートを得た。
【0095】(実施例11)2−ヒドロキシエチルアク
リレート40重量部、カルボキシエチルアクリレート3
0重量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート30重量部、ジグリセリン10重量部及び及び2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン(重合開始剤)0.5重量部を混合した光重合性組
成物を得た。
【0096】(実施例12)2−ヒドロキシエチルアク
リレート50重量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート20重量部、カルボキシエチルアクリレート10重
量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート2
0重量部、可塑剤〔H(OCH2 CH2 nOH、n=
9〕15重量部及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン(重合開始剤)0.5重量
部を混合して光重合性組成物を得た。これを実施例10
と同様にして粘着シートを得た。
【0097】(実施例13)2−ヒドロキシエチルアク
リレート70重量部、カルボキシエチルアクリレート1
0重量部、(I)式のモノマー〔第一工業製薬社製、
(I)式において、R 1 =H、R2 =CH2 CH2 、R
3 =C6 5 m 2m、m=9〜12、p=16〜1
7〕20重量部及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン(重合開始剤)0.5重量
部を混合して光重合性組成物を得た。これを実施例10
と同様にして粘着シートを得た。
【0098】(実施例14)2−ヒドロキシエチルアク
リレート40重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレー
ト10重量部、カルボキシエチルアクリレート20重量
部、2−アクリロキシエチルコハク酸10重量部、
(I)式のモノマー〔(I)式において、R1 =H、R
2 =CH2 CH2 、R3 =CH3 、n=3〕10重量部
及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン(重合開始剤)0.5重量部を混合して光
重合性組成物を得た。これを実施例10と同様にして粘
着シートを得た。
【0099】(実施例15)セパラブルフラスコに、2
−ヒドロキシエチルアクリレート50重量部、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート10重量部、2−アクリロキ
シエチルコハク酸20重量部、メトキシポリエチレング
リコールアクリレート20重量部、ラウリルメルカプタ
ン0.5重量部及びエタノール100重量部を入れ、7
0℃のオイルバス中で加温した後、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.2重量部を加え、窒素雰囲気下4時間重合
し粘着剤溶液を得た。上記粘着剤溶液に、1,6−ヘキ
サメチレンジエチレンウレア(相互薬工社製)0.1重
量部を加えてよく攪拌し、塗工液を得た。この塗工液
を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムに、乾燥後の厚さが25μmとなるように
塗工し、70℃のオーブンで3分間、次いで100℃の
オーブンで5分間乾燥させて、粘着シートを作製した。
【0100】(実施例16)セパラブルフラスコに、2
−ヒドロキシエチルアクリレート50重量部、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート10重量部、カルボキシエ
チルアクリレート15重量部、メトキシポリエチレング
リコールメタクリレート15重量部、ブチルアクリレー
ト10重量部、ラウリルメルカプタン0.5重量部及び
エタノール100重量部を入れ、70℃のオイルバス中
で加温した後、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量
部を加え、実施例15と同様にして、粘着剤溶液を重合
し、塗工液を得た。
【0101】(実施例17)セパラブルフラスコに、2
−ヒドロキシエチルアクリレート40重量部、2−アク
リロキシエチルコハク酸30重量部、メトキシポリエチ
レングリコールメタクリレート10重量部、(I)式の
モノマー〔(I)式において、R1 =H、R 2 =CH2
CH2 、R3 =CH3 、p=3〕20重量部、ラウリル
メルカプタン0.1重量部及びエタノール100重量部
を入れ、70℃に加温した後、実施例15と同様にし
て、粘着剤溶液を重合し、塗工液を得た。
【0102】(実施例18)セパラブルフラスコに、2
−ヒドロキシエチルアクリレート50重量部、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート10重量部、2−アクリロキ
シエチルコハク酸9重量部、メトキシポリエチレングリ
コールメタクリレート20重量部、ブチルアクリレート
10重量部、ラウリルメルカプタン0.5重量部、グリ
シジルメタクリレート1重量部及びエタノール100重
量部を入れ、70℃に加温した後、実施例15と同様に
して、粘着剤溶液を得た。上記粘着剤組成物に、ジエチ
レントリアミン0.1重量部を加えてよく攪拌し塗工液
を得た。
【0103】尚、実施例15〜18で得られた塗工液
を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムに、乾燥後の厚さが25μmとなるように
塗工し、70℃のオーブンで3分間、次いで100℃の
オーブンで5分間乾燥させて、粘着シートを作製した。
【0104】(比較例4)セパラブルフラスコに、ブチ
ルアクリレート94重量部、エチルアクリレート2重量
部、アクリル酸3重量部、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート1重量部及び酢酸エチル100重量部を入れ、70
℃のオイルバス中で加温した後、アゾビスイソブチロニ
トリル0.2重量部を加え窒素雰囲気下で8時間重合
し、粘着剤組成物を得た。上記粘着剤組成物100重量
部に、コロネートL0.5重量部を加え、ディスパーに
よってよく攪拌し塗工液を得た後、実施例15と同様に
して、粘着シートを作製した。
【0105】(比較例5)セパラブルフラスコに、ブチ
ルアクリレート30重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート64重量部、アクリル酸5重量部、ヒドロキシエ
チルメタクリレート1重量部及び酢酸エチル100重量
部を入れ、70℃のオイルバス中で加温した後、アゾビ
スイソブチロニトリル0.2重量部を加え窒素雰囲気下
で8時間重合し、粘着剤組成物を得た。上記粘着剤組成
物100重量部に、コロネートL0.5重量部を加え、
ディスパーによってよく攪拌し、塗工液を得た。上記粘
着剤組成物に、ジエチレントリアミン0.1重量部を加
えてよく攪拌し塗工液を得た後、実施例15と同様にし
て、粘着シートを作製した。
【0106】尚、実施例10〜18及び比較例4、5で
得られた粘着シートにつき、実施例1と同様にして、S
P粘着力、40℃保持力及び水溶性の3項目の物性を測
定し、その結果を表2に示した。
【0107】
【表2】
【0108】表1及び表2より、本発明の粘着剤組成物
から得られた粘着シート(実施例1〜18)は、SP粘
着力、40℃保持力に優れ、粘着剤の水溶性も十分満足
できるものである。一方、比較例1〜5による粘着シー
トでは、粘着剤の水溶性が著しく不足している。
【0109】
【発明の効果】本発明によると、粘着性能に優れ、か
つ、剥離後の粘着剤の痕跡を水によって洗浄することの
できる水溶性粘着剤組成物を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表される(メタ)アクリル
    系モノマー(a)30〜99.99重量%と、該(メ
    タ)アクリル系モノマー(a)と共重合可能なモノマー
    (b)70〜0.01重量%からなる共重合体を主成分
    とすることを特徴とする水溶性粘着剤組成物。 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のア
    ルキレン基をそれぞれ示し、R3 は、H又はアルキル基
    又はアリール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の
    平均値であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。)
  2. 【請求項2】一般式(I)で表される(メタ)アクリル
    系モノマー(a)30〜97重量%と、該(メタ)アク
    リル系モノマー(a)と共重合可能な、分子内にカルボ
    キシル基をもち、ホモポリマーのTg(ガラス転移点)
    が60℃以下である(メタ)アクリル系モノマー(c)
    60〜3重量%を主体とするモノマー組成で得られる共
    重合体を主成分とすることを特徴とする水溶性粘着剤組
    成物。 CH2 =CR1 ─COO(R2 O)p 3 ・・・・・(I) (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数1〜4のア
    ルキレン基をそれぞれ示し、R3 は、H又はアルキル基
    又はアリール基又はアラルキル基を示し、pは縮合度の
    平均値であり、1〜40の範囲の任意の値を示す。)
  3. 【請求項3】請求項2記載の水溶性粘着剤組成物におい
    て、分子内にカルボキシル基をもち、ホモポリマーのT
    g(ガラス転移点)が60℃以下である(メタ)アクリ
    ル系モノマー(c)が、下記一般式(II)又は(III) で表
    されるモノマーであることを特徴とする水溶性粘着剤組
    成物。 CH2 =CR1 ─COO(R4 COO)q H ・・・・・ (II) (式中、R1 はH又はCH3 、R4 は炭素数1〜8のア
    ルキレン基をそれぞれ示し、qは1以上の整数を示
    す。) CH2 =CR1 ─COO(R5 OCOR6 COO)r H ・・・(III) (式中、R1 はH又はCH3 、R5 、R6 は共に炭素数
    が1〜8のアルキレン基をそれぞれ示し、rは1以上の
    整数を示す。)
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性粘
    着剤組成物を主体とするハンダマスク剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性粘
    着剤組成物が、支持体の少なくとも片面に積層されてな
    ることを特徴とする粘着テープ。
  6. 【請求項6】テープ支持体上で直接光重合することによ
    り、請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性粘着剤組成
    物層を得ることを特徴とする粘着テープの製造方法。
  7. 【請求項7】離型性を有する基材上で光重合して得た請
    求項1〜3のいずれかに記載の水溶性粘着剤組成物層
    を、テープ支持体に転写することを特徴とする粘着テー
    プの製造方法。
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