JPH05331441A - アルカリ水溶性粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

アルカリ水溶性粘着剤組成物及び粘着テープ

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JPH05331441A
JPH05331441A JP14171492A JP14171492A JPH05331441A JP H05331441 A JPH05331441 A JP H05331441A JP 14171492 A JP14171492 A JP 14171492A JP 14171492 A JP14171492 A JP 14171492A JP H05331441 A JPH05331441 A JP H05331441A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
water
pressure
soluble
adhesive
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Application number
JP14171492A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Nobuo Hanatani
信雄 花谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性水及び中性水に不溶でありアルカリ性水
にのみ溶解し、かつ耐熱性及び対ずれ応力性に優れたア
ルカリ水溶性粘着剤組成物を得る。 【構成】 下記の式(I)で示される少なくとも1種の
末端カルボキシル基含有反応性モノマー15〜60重量
%と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜85
重量%とを共重合して得られた共重合体を、分子内に少
なくとも2個のカルボキシル基反応性官能基を有する架
橋剤により架橋してなるアルカリ水溶性粘着剤組成物。 CH2 =CH−CO−O−(R1 −COO−)n H …式(I) (但し、式(I)において、R1 は炭素数1〜4のアル
キレン基、nは平均付加重合度であり1〜4の任意の値
を示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端カルボキシル基含
有反応性モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとを共重合して得られた共重合体を含むアルカリ水溶
性粘着剤及び該粘着剤を用いた粘着テープに関し、酸性
水及び中性水には不溶であり、アルカリ性水にのみ溶解
し、該アルカリ性水により洗浄可能なpH選択性を有す
るアルカリ水溶性粘着剤組成物及び粘着テープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】水溶性粘着剤の歴史は古く、糖類、蛋白
質またはゴム等の天然物系の水溶性高分子を用いた再湿
型接着剤がよく知られている。また、ベースポリマーと
しては、アラビアゴム、デキストリン、デンプンまたは
ニカワ等が用いられている。これらの粘着性材料は、常
態では、粘着性を有さないが、水によって賦活され、粘
着性を示す。そして、被着体に貼付された後、これらの
粘着性材料は乾燥されることにより接着性を発揮する。
従って、これらの粘着性材料は、水に濡らすだけで使用
することができ、かつ不衛生でなく安価であるため、郵
便切手、印紙類またはふすま紙等に広く利用されてい
る。
【0003】他方、常態で粘着性を有する水溶性粘着剤
は、特に、製紙業界で紙と紙を水溶性粘着剤で固定し、
スプライスした後に、この接着部分をパルプ溶解槽に戻
し再利用する用途において広く利用されている。また、
瓶や食品等のラベル用粘着剤、特に、不要になった場合
に水洗によってラベルを容易に剥がすことを可能とする
ためのラベル用粘着剤にも用いられている。さらに、生
理用ナプキンの分野では、固定用粘着剤として使用され
ており、下着に残った粘着成分が洗濯によって容易に洗
浄・除去されるように構成されている。
【0004】上記のような水溶性粘着剤としては、特開
昭60−229972号に開示されているように、ポリ
アクリル酸100重量部、ジエチレングリコール70重
量部及びポリプロピレングリコール50重量部を配合
し、ポリアクリル酸のカルボキシル基の一部をカリウム
により中和したものや、特公昭52−32769号に開
示されているように、ポリエチレンイミン100重量
部、アミノ化及びリン酸化デンプン30重量部並びにポ
リアクリル酸7.5重量部を配合したもの等が知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】他方、電子材料の分野
では、プリント基板や半導体等の保護のために、保護テ
ープが貼付されており、組み立て前に該保護テープを剥
離し、残存した保護テープ用粘着剤残渣をフロン等の溶
剤で洗浄することにより除去していた。しかしながら、
近年、地球環境保護のために、フロンに代えて、水によ
る洗浄が要求されており、従って保護テープ用粘着剤と
してもその粘着成分残渣が水洗浄可能なものであること
が求められている。
【0006】上記のような保護テープの一例として、プ
リント基板等のめっきマスキングテープが従来より多用
されている。このプリント基板用めっきマスキングテー
プは、端子部を金めっきする際に用いられており、プリ
ント基板の生産工程においては欠かせない保護部材であ
る。このめっきマスキングテープは、めっき工程におい
て酸性水あるいは中性水で処理される。従って、プリン
ト基板用のめっきマスキングテープに用いる粘着剤とし
ては、水による洗浄を可能とするためには、酸性水及び
中性水に対して不溶であり、アルカリ性水にのみ溶解し
得るものであることが必要である。しかしながら、上述
した従来の水溶性粘着剤は中性水に溶解するため、上記
めっきマスキングテープ用粘着剤として用いることがで
きなかった。
【0007】また、従来の水溶性粘着剤は、いずれも水
溶性を十分に発現させるために、その分子量が水に溶解
可能な程度に抑えられている。従って、加熱やずれ応力
により容易に流動あるいは変形し、剥離もしくは接着不
良等の所望でない現象が生じ易いという欠点があった。
このような欠点を解消するために、従来、粘着剤中の官
能基と反応性を有する官能基を含む低分子量物質を、粘
着剤に配合し、上記官能基同士を反応させて高分子鎖を
延長し、三次元的な構造を形成するという、いわゆる架
橋構造を形成する方法が広く用いられている(例えば、
遠山三夫著、「感圧接着剤(粘着剤)〜その機能と仕組
み」(高分子刊行会))。しかしながら、架橋構造を有
する粘着剤はゲルとなり、溶剤には溶解しないため、水
溶性粘着剤において上記架橋構造を形成すると、水に対
する溶解性が損なわれてしまう。よって、水に対して十
分な溶解性を有しながらも、加熱やずれ応力等に対して
耐性を有する粘着剤の登場が望まれている。
【0008】本発明の目的は、上述した従来の水溶性粘
着剤の欠点を解消し、架橋構造を有しているため加熱や
ずれ応力に対する耐性を有しているにも関わらず、酸性
水及び中性水に対しては不溶・不膨潤であり、アルカリ
性水においてのみ溶解または膨潤し、かつ該アルカリ性
水によって洗浄され得る新規な水溶性粘着剤を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、架橋構
造を有しており、従って使用に際しては加熱あるいはず
れ応力等に対して十分な耐性を有し、しかも酸及び中性
水に対して不溶・不膨潤であり、アルカリ性水にのみ溶
解・膨潤し、該アルカリ性水によって洗浄・除去するこ
とが可能なpH選択的水溶性粘着剤すなわちアルカリ性
水溶性粘着剤を得るべく鋭意検討した結果、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと特定の末端カルボキシル基
含有反応性モノマーとを共重合して得られた共重合体を
用いれば、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明
をなすに至った。
【0010】すなわち、本願の請求項1に記載の発明
は、下記の一般式(I)で示される少なくとも1種の末
端カルボキシル基含有反応性モノマー15〜60重量%
と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体とする
ビニル系モノマー40〜85重量%とを共重合して得ら
れた共重合体を、分子内に少なくとも2個のカルボキシ
ル基反応性官能基を有する架橋剤により架橋してなるこ
とを特徴とするアルカリ水溶性粘着剤組成物である。 CH2 =CH−CO−O−(R1 −COO−)n H … 式(I) (但し、上記式(I)において、R1 は炭素数1〜4の
アルキレン基、nは平均付加重合度であり、1〜4の範
囲の数を示す。)
【0011】また、請求項2に記載の発明は、基材の一
面に請求項1に記載のアルカリ水溶性粘着剤組成物から
なる粘着剤層を設けてなる粘着テープである。以下、請
求項1,2に記載の発明の構成の詳細を説明する。
【0012】末端カルボキシル基含有反応性モノマー 請求項1に記載の発明において用いられる末端カルボキ
シル基含有反応性モノマーは、上述した一般式(I)で
示されるものである。このような末端カルボキシル基含
有反応性モノマーの例としては、アクリル酸の2量体で
あるβ−アクリロキシプロピオン酸、アクリル酸の3量
体であるβ−アクリロキシプロピオン酸−アクリル酸付
加物(以下、アクリルトリマーと略す。)、アロニック
スM−5600(東亜合成化学社製商品名)、β−CE
A(RADCURE社製、商品名)等が挙げられ、これ
らのうち少なくとも1種を選択して用いることができ
る。
【0013】上記一般式(I)中のnは、アクリル酸の
平均付加重合度であり、1〜4の間の任意の値をとる。
nが1未満の場合には得られた共重合体が硬質化し、粘
着剤の被着体への密着性が阻害されるからであり、4を
超えると加水分解性が増し、得られた粘着剤が熱等によ
り容易に分解するようになり、適当ではない。上記末端
カルボキシル基含有反応性モノマーは、請求項1に記載
の発明では、モノマー組成100重量部中、15〜60
重量部を占めることが必要であり、好ましくは25〜5
0重量部とされる。15重量部未満では、親水性が乏し
くなり、アルカリ水溶性が不十分となるからである。他
方、60重量部を超えると、親水性が高くなり過ぎ、中
性水にも容易に膨潤するようになり、さらに共重合体全
体が硬質化し、粘着性が低下するため適当ではない。
【0014】(メタ)アクリル酸アルキルエステル 請求項1に記載の発明においては、共重合体を構成する
ために、上記のように(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルが用いられる。使用し得る(メタ)アクリル酸アル
キルエステルとしては、上述したpH選択的水溶性をよ
り好ましく発揮させるためには、アルキル基の炭素数が
1〜20のものであることが好ましく、より好ましくア
ルキル基の炭素数が4〜10のものが用いられる。
【0015】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の例としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート及びステアリル(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができ、これらのうち少なくとも1種を選択して用い
ることができる。
【0016】請求項1に記載の発明では、上記(メタ)
アクリル酸アルキルエステルは、モノマー組成100重
量部中40〜85重量部を占めることが必要であり、好
ましくは50〜75重量部の範囲とされる。40重量部
未満では共重合体が硬質化し、得られた粘着剤の粘着性
が乏しくなるからである。他方、85重量部を超える
と、親水性が失われ、粘着剤のアルカリ水溶性が低下す
るからである。
【0017】(I)式以外のビニル重合性不飽和カルボ
ン酸 請求項1に記載の発明では、上記末端カルボキシル基含
有反応性モノマーの一部を、(I)式以外のビニル重合
性不飽和カルボン酸で置き換えてもよい。この場合、上
記不飽和カルボン酸は、末端カルボキシル基含有反応性
モノマー100重量部に対し、1〜50重量部の範囲で
共重合され、それによって、金属やエポキシ樹脂等の高
極性被着体に対する接着性が著しく高められる。これ
は、ポリマー中の極性の絶対量が増すことにより、高極
性被着体表面の極性官能基あるいは金属と水素結合ある
いは化学吸着による密な接合が可能であるためである。
末端カルボキシル基含有反応性モノマーと比較して、低
分子量カルボン酸は極性基密度を上げるのに有効で、高
分子量カルボン酸は極性を上げると共に樹脂を可塑化
し、表面濡れ性向上に有効で、いずれも高極性被着体に
対する接着性を高める効果がある。
【0018】用い得る上記不飽和カルボン酸の例として
は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
(無水)マレイン酸、2−アクリロキシエチルコハク
酸、2−アクリロキシプロピルコハク酸、2−アクリロ
キシエチルフタル酸、2−アクリロキシプロピルフタル
酸、2−アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2
−アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−ア
クリロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロ
キシプロピルテトラヒドロフタル酸等があり、これらの
うち少なくとも1種を選択して用いることができる。
【0019】上記不飽和カルボン酸は、上記末端カルボ
キシル基含有反応性モノマー100重量部に対し、1〜
50重量部の割合で共重合される。1重量部未満では高
極性被着体に対する接着性を高める効果が十分に得られ
ず、50重量部を超えると架橋によりゲル化し、アルカ
リ性水に対する溶解性が損なわれ、またポリマーが硬質
化して接着性が乏しくなるからである。
【0020】その他の共重合可能なモノマー 請求項1に記載の発明では、上述したモノマー成分の
他、さらに他の共重合可能なモノマーを本発明の目的を
阻害しない範囲で共重合させてもよい。このようなモノ
マーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢
酸ビニル等のビニルモノマーや、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基含有モ
ノマーや、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げら
れる。
【0021】架橋剤 請求項1に記載の発明では、上述した各モノマー成分を
共重合して得られた共重合体が、分子内に少なくとも2
個のカルボキシル基反応性官能基を有する架橋剤により
架橋される。該架橋剤により共重合体を架橋するのは、
得られた粘着剤に熱及びずれ応力等による流動や変形が
生じ難い性質を与えるためである。 用い得る架橋剤と
しては、アジリジン系、イソシアネート系、金属キレー
ト系等のカルボキシル基と反応して共有結合あるいはイ
オン結合を形成し、高分子同士を架橋させる働きを有す
る官能基を分子内に2個以上有する有機化合物が挙げら
れる。
【0022】このような架橋剤としては、1,6−ヘキ
サメチレンジエチレンウレア、トリエチレンメラミン、
N,N´−ビス(4,6−ジエチレンイミノ−1,3,
5−トリアジリン−2−イル)−ヘキサメチレンジアミ
ン、ジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジ
エチレンウレア、ω−アジリジニルプロピオン酸−2,
2−ジヒドロキシメチルブタノール−トリエステル、ビ
ス−イソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、
トリメチロ−ルプロパンートリ−β−(2−メチルアジ
リジン)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、水添キシレンジイソシアナート、テトラ
メチルキシレンジイソシアナート、コロネート(日本ポ
リウレタン社製商品名)、アルミニウムエチルアセトア
セテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチ
ルアセトネート)、アルミニウムビス(エチルアセトア
セテート)−モノ(アセチルアセトネート)、ジ−イソ
プロポキシ−ビスアセトルアセナトチタン、イソ−プロ
ポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、ジ−n
−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)チタン等
が例示され、これらのうちから少なくとも1種が粘着剤
中に配合される。
【0023】上記架橋剤は、共重合体100重量部に対
し、通常0.01〜5重量部の範囲で配合される。な
お、上記アルカリ性水溶液としては、アルカリ金属の水
酸化物、炭酸塩、酢酸塩または有機アミンもしくは水酸
化アンモニムウ等の水溶液が用いられ、アルカリ性水溶
液のpHは11〜14であることが必要である。pHが
11未満では十分なアルカリ性水に対する溶解性が得ら
れず、ゲル分が残留する。よって、本発明のアルカリ水
溶性粘着剤は、pH11〜14のアルカリ性水溶液によ
って溶解させることが必要である。
【0024】また、請求項1に記載の各発明の粘着剤組
成物には、上述したモノマー成分の他に、安定剤、粘着
付与樹脂、可塑剤及び充填剤等を本発明の目的を阻害し
ない範囲内で配合してもよい。上記のようにして得られ
た請求項1に記載の発明にかかるアルカリ水溶性粘着剤
では、上記架橋剤により架橋構造が形成されているた
め、粘着剤の凝集性が高められる。従って、耐熱性及び
対ずれ応力が高められ、使用中の粘着剤の所望でない流
動や変形を防止することができる。
【0025】また、請求項2に記載の発明のように、請
求項1に記載の発明の粘着剤を、プラスチックフィルム
等の基材に塗工し、粘着テープとしたものでは、優れた
接着性を示し、従来のポバール系あるいは天然物系水溶
性粘着剤では接着不可能であった被着体を強固に接着さ
せることができる。さらに、使用後に不必要な粘着テー
プを剥離する際には、被着体上に粘着剤組成物の一部あ
るいは全部が残るという、いわゆる糊残り現象も生じな
い。よって、請求項1に記載の発明の粘着剤は、被着体
に貼付した後、粘着剤残渣を被着体上に残存させること
なく剥離することが求められている、めっきマスキング
テープや仮固定用テープ等に好適に用いることができ
る。
【0026】また、請求項1に記載の粘着剤組成物は、
pH11〜14のアルカリ性水溶液に完全に溶解し、該
アルカリ性水溶液で洗浄することにより被着体上に残存
している極めて小さな粘着剤残渣を完全に除去すること
ができる。しかも、酸性水や中性水に溶解しないため、
前述しためっきマスキングテープ等の電子材料分野にお
いて好適に用いることができる。さらに、請求項1に記
載の発明のアルカリ水溶性粘着剤は、完全に上記アルカ
リ性水溶液に溶解し得るため、これまで架橋型の粘着剤
を用いることができなかったビール瓶や日本酒瓶等のガ
ラス容器またはダンボール等の再生利用が予定されてい
る紙製品用のラベルに好適に用いることができる。
【0027】
【作用】請求項1に記載の発明のアルカリ水溶性粘着剤
は、上記一般式(I)で示される末端カルボキシル含有
反応性モノマーと、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとを上記特定の割合で共重合させて得られた共重合体
を用いているため、アルカリ性水にのみ溶解し、酸性水
及び中性水には溶解しない。また、請求項1に記載の発
明において、上記各共重合体は、いずれも、上記架橋剤
により架橋されて架橋構造を形成しているため、耐熱性
及び対ずれ応力も高められている。
【0028】このように、従来の架橋型粘着剤が溶剤に
溶解しないゲル分を有していたのに対し、請求項1に記
載の発明の粘着剤では架橋構造を有しているに関わら
ず、上記アルカリ性水溶液で溶解することができる。こ
の理由は必ずしも明確ではないが、上記一般式(I)で
示される末端カルボキシル基含有反応性モノマーによる
官能基中のエステル結合が、アルカリにより加水分解さ
れ、それによってゲルが消滅し、アルカリ性水に対して
溶解するものと考えられる。従って、上記架橋構造は、
アルカリ性水に対する溶解性には大きく影響しない。よ
って、本発明においては、上記のように多種多様な架橋
剤を用いることができ、それによって硬化時間及び架橋
間密度等を容易に調整することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより本発明を明らかにする。共重合体の調製 下記の表1に示す組成となるようにモノマー成分を配合
し(表1中の数値は重量部を示す。)、これにアゾビス
イソブチロニトリル0.03重量部及びメタノール10
0重量部を加え、窒素雰囲気下において60℃で12時
間重合し、共重合体を得た。各共重合体の重量平均分子
量(Mw)を表1に併せて示す。次に、各共重合体に、
1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレアをテトラヒド
ロフラン(THF)に対する溶解分率(ゾル分率)が1
5〜25重量%となるように配合し、得られた粘着剤
を、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ10
0μmとなるように塗布し、乾燥することにより、実施
例1〜8及び比較例1〜5の各粘着シートを作製した。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1において、β−CEAは、RA
DCURE社製商品名を、*は非架橋型ポリマーである
ことを示し、ポリビニルピロリドンとしては、BASF
社製ポリビニルピロリドン、カルボキシメチル変成澱粉
としては松谷化学社製カルボキシメチル変成澱粉を用い
た。
【0032】実施例1〜8及び比較例1〜5の評価 アルカリ性水溶液に対する粘着剤の溶解性を評価するた
めに、上記のようにして得た各粘着シートを、下記の表
2に示す洗浄液に50℃の温度で2時間浸漬し、浸漬後
の溶解分率(ゾル分率)を測定した。溶解分率が大きい
程、溶解性が高いということができる。結果を下記の表
3に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】次に、各粘着シートの粘着物性を評価する
ために、ステンレス板(以下、SPと略す。)に対する
180°剥離粘着力を測定した。まず、各粘着シートを
10mmに切断し、粘着テープを用意した。次に、幅5
0mm×長さ125mm×厚さ2mmのSPを120℃
に加熱し、加熱直後に上記粘着テープを貼り合わせ、2
000gのゴムローラーで300mm/分の速さで圧着
し、接着試験片を得た。この接着試験片を貼り付け後6
0分経過した後に、測定温度23℃及び相対湿度50%
の下で、引張速度300mm/分で180°剥離し、剥
離強度を測定し、SP粘着力(単位g/mm)とした。
結果を表3に示す。
【0036】また、耐熱性及び対ずれ応力性を評価する
ために、湿熱条件下で定加重保持力を測定した。すなわ
ち、上記粘着シートを、被着体としてのステンレス板に
貼り合わせ(貼り合わせ面積=10mm×10mm)、
貼り合わせ面を垂直方向にした状態で粘着シート側に5
00gの懸垂加重を加えて40℃及び相対湿度80%の
環境の下に放置した。そして、1時間経過後の粘着テー
プのずれた長さを測定し、湿熱保持力(mm)とした。
湿熱保持力(mm)が小さい程、耐熱性及び対ずれ応力
が高いということができる。結果を表3に示す。
【0037】表3から明らかなように、比較例1〜3で
は、酸性水及び中性水に対して不溶であるものの、アル
カリ性水に対しては完全には溶解しない。これは、比較
例1〜3では、一般式(I)で示したモノマー量に対し
て(I)式以外のビニル重合性不飽和カルボン酸が過剰
に添加されているため、アルカリ水溶性が損なわれてい
るためと考えられる。また、実施例6〜8では、(I)
式以外のビニル重合性不飽和カルボン酸が請求項2に記
載の発明の範囲で用いられているため、アルカリ水溶性
が損なわれることなく、粘着力が高められていることか
わかる。さらに、従来の水溶性粘着剤である比較例4,
5では、架橋が形成されていないため、SP粘着力が低
く、湿熱保持力も不十分であり、従って耐熱性及び対ず
れ応力性が不十分であった。のみならず、比較例4,5
では、アルカリ性水だけでなく、酸性水及び中性水にも
100%溶解し、従ってpH選択的水溶性が得られない
ことがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
アルカリ水溶性粘着剤では、中性水及び酸性水では溶解
せず、pH=11〜14のアルカリ性水にのみ溶解させ
ることができる。従って、pH選択性に優れたアルカリ
水溶性粘着剤を得ることができるため、電子材料分野に
おけるめっきマスキングテープや保護テープ用粘着剤と
して好適なアルカリ水溶性粘着剤を提供することができ
る。しかも、請求項1に記載の発明のアルカリ水溶性粘
着剤では、架橋剤により架橋結合が形成されており、従
って熱やずれ応力によって粘着剤が流動もしくは変形し
難い。すなわち、上記pH選択的水溶性を損なうことな
く、耐熱性及び対ずれ応力性も高められているアルカリ
水溶性粘着剤が提供される。
【0039】よって、請求項1に記載の発明にかかるア
ルカリ水溶性粘着剤を請求項2に記載の発明のように、
粘着テープに用いた場合、中性水及び酸性水中では溶解
せずに、被着体に密着して粘着テープとしての性能を維
持し、該粘着剤がアルカリ性水によって完全に溶解する
ため、粘着剤残渣をアルカリ性水によって確実に洗浄・
除去することができる。しかも、使用に際しては、上記
架橋剤による架橋結合の形成により耐熱性及び対ずれ応
力性が高められているため、優れた粘着力を示し、さら
に再剥離した際にも糊残り現象が生じ難い。よって、請
求項1に記載の発明によれば、中性水によっては剥離し
てはならないラベルやマスキング等の用途に適した粘着
剤、並びに電子材料分野における脱フロン洗浄を推進す
ることを可能とする粘着剤を提供することが可能とな
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で示される少なくと
    も1種の末端カルボキシル基含有反応性モノマー15〜
    60重量%と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
    主体とするビニル系モノマー40〜85重量%とを共重
    合して得られた共重合体を、分子内に少なくとも2個の
    カルボキシル基反応性官能基を有する架橋剤により架橋
    してなることを特徴とする、アルカリ水溶性粘着剤組成
    物。 CH2 =CH−CO−O−(R1 −COO−)n H … 式(I) (但し、式(I)において、R1 は炭素数1〜4のアル
    キレン基、nは平均付加重合度であり、1〜4の範囲の
    数を示す。)
  2. 【請求項2】 基材の一面に請求項1に記載のアルカリ
    水溶性粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成してなる、
    粘着テープ。
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