JP2512596B2 - プライマ―を用いた貼付構造体 - Google Patents
プライマ―を用いた貼付構造体Info
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- JP2512596B2 JP2512596B2 JP2109346A JP10934690A JP2512596B2 JP 2512596 B2 JP2512596 B2 JP 2512596B2 JP 2109346 A JP2109346 A JP 2109346A JP 10934690 A JP10934690 A JP 10934690A JP 2512596 B2 JP2512596 B2 JP 2512596B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、可塑剤を含有する軟質ポリ塩化ビニル樹脂
製成形品を、両面粘着テープ等の粘着剤層を介して他の
被着体に貼着する場合に用いて好適な、プライマーを用
いた貼付構造体に関する。
製成形品を、両面粘着テープ等の粘着剤層を介して他の
被着体に貼着する場合に用いて好適な、プライマーを用
いた貼付構造体に関する。
(従来の技術) 可塑剤を含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂は、安価で成形
性、加工性に優れ、日用品、パイプ、ホース等の産業用
品、輸送機器その他あらゆる分野で汎用されている。
性、加工性に優れ、日用品、パイプ、ホース等の産業用
品、輸送機器その他あらゆる分野で汎用されている。
この可塑剤の種類としては、通常フタル酸エステル
系、燐酸エステル系、高分子可塑剤系などの幾つかの系
統に分かれているが、フタル酸エステル系、なかでもジ
オクチルフタレートは、安価にして可塑化効率にも優れ
ているので最も多く使用されている。
系、燐酸エステル系、高分子可塑剤系などの幾つかの系
統に分かれているが、フタル酸エステル系、なかでもジ
オクチルフタレートは、安価にして可塑化効率にも優れ
ているので最も多く使用されている。
しかしながら、これらの低分子可塑剤は、これらを含
む成形品を長期間使用していると、表面にブリードし、
製品がベトツクと共に汚れが目立つ傾向にあり、特に、
この成形品が粘着剤を介して他の物(以下「被着体」と
いう)に貼着されている場合には、可塑剤が粘着剤層に
移行し、接着力が低下して被着体から脱落するという問
題があった。特に、この問題は、軟質ポリ塩化ビニル樹
脂製成形品が、シート状、板状等の形状をとるときは、
粘着剤との貼着面積が比較的大きくなり、この傾向が強
かった。
む成形品を長期間使用していると、表面にブリードし、
製品がベトツクと共に汚れが目立つ傾向にあり、特に、
この成形品が粘着剤を介して他の物(以下「被着体」と
いう)に貼着されている場合には、可塑剤が粘着剤層に
移行し、接着力が低下して被着体から脱落するという問
題があった。特に、この問題は、軟質ポリ塩化ビニル樹
脂製成形品が、シート状、板状等の形状をとるときは、
粘着剤との貼着面積が比較的大きくなり、この傾向が強
かった。
例えば、自動車の車体に取りつけられる軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製のモールの場合、両面粘着テープを介して
車体に取りつけられるが、真夏では直射日光に曝される
と、モール自体が50℃以上に昇温すると言われている。
両面粘着テープの粘着剤中に可塑剤が移行する速度は、
温度上昇と共に加速度的に増加する為、モールの長期耐
久試験は通常70℃以上で実施されている。このような高
温下では、可塑剤移行防止剤として市販されている(メ
タ)アクリル酸エステル系の樹脂や、ポリエステル系、
ニトリルゴム系、ウレタン系などの樹脂ではその可塑剤
移行防止機能は働かず、ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)に若干の効果が認められたのみであった。
ビニル樹脂製のモールの場合、両面粘着テープを介して
車体に取りつけられるが、真夏では直射日光に曝される
と、モール自体が50℃以上に昇温すると言われている。
両面粘着テープの粘着剤中に可塑剤が移行する速度は、
温度上昇と共に加速度的に増加する為、モールの長期耐
久試験は通常70℃以上で実施されている。このような高
温下では、可塑剤移行防止剤として市販されている(メ
タ)アクリル酸エステル系の樹脂や、ポリエステル系、
ニトリルゴム系、ウレタン系などの樹脂ではその可塑剤
移行防止機能は働かず、ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)に若干の効果が認められたのみであった。
そこでこの問題を解決する手段として、成形品と粘着
剤層との間にプライマー層を介在させることが提案され
た。(特開昭58−185675号公報、特公平1−42987号公
報参照) (発明が解決しようとする課題) ところが、上記従来技術でも、未だ完全に可塑剤の粘
着剤層への移行阻止するには至っていない。上記従来技
術はアクリル系重合体を主体としたプライマーを用いる
ものであって、アクリル系重合体の可塑剤の移行防止機
能を利用するのが狙いであるが、アクリル系重合体の全
体量に占める割合が多くなると、塗布性能が低下する傾
向にあり、妥当な塗布性能が得られる含量に止めると、
効果的な可塑剤の移行防止機能を発揮しないという関係
があって、初期には可塑剤の移行が阻止されても、長期
使用中には徐々に移行が進行し、初期の目的が達成出来
ないのである。
剤層との間にプライマー層を介在させることが提案され
た。(特開昭58−185675号公報、特公平1−42987号公
報参照) (発明が解決しようとする課題) ところが、上記従来技術でも、未だ完全に可塑剤の粘
着剤層への移行阻止するには至っていない。上記従来技
術はアクリル系重合体を主体としたプライマーを用いる
ものであって、アクリル系重合体の可塑剤の移行防止機
能を利用するのが狙いであるが、アクリル系重合体の全
体量に占める割合が多くなると、塗布性能が低下する傾
向にあり、妥当な塗布性能が得られる含量に止めると、
効果的な可塑剤の移行防止機能を発揮しないという関係
があって、初期には可塑剤の移行が阻止されても、長期
使用中には徐々に移行が進行し、初期の目的が達成出来
ないのである。
本発明者等は、上記従来技術の問題点を解決する為鋭
意研究を重ねた末、ポリメタクリル酸メチルに注目し、
この分子量依存性を研究したところその重合体の重量平
均分子量が一定の範囲にあるものについて、長期間安定
して可塑剤の移行防止機能を発揮することを見出した。
しかしながら、製品の用途によっては高温条件下のみな
らず可塑剤が移行しない常温下においても強い接着力を
要求される場合があり、かかる要求を満足するにはポリ
メタクリル酸メチル単独では必ずしも充分な接着力が得
られず、メタクリル酸メチルと他のモノマーとの共重合
体とすることによりこの問題を解決すべく鋭意研究を進
めた結果、本発明を完成するに至ったものである。
意研究を重ねた末、ポリメタクリル酸メチルに注目し、
この分子量依存性を研究したところその重合体の重量平
均分子量が一定の範囲にあるものについて、長期間安定
して可塑剤の移行防止機能を発揮することを見出した。
しかしながら、製品の用途によっては高温条件下のみな
らず可塑剤が移行しない常温下においても強い接着力を
要求される場合があり、かかる要求を満足するにはポリ
メタクリル酸メチル単独では必ずしも充分な接着力が得
られず、メタクリル酸メチルと他のモノマーとの共重合
体とすることによりこの問題を解決すべく鋭意研究を進
めた結果、本発明を完成するに至ったものである。
(課題を解決する為の手段) 本発明の1は、被着体、粘着剤層、プライマー層及び
可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品がこの順に積
層されており、上記プライマー層は、メタクリル酸メチ
ルと、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシル基
のうち少なくとも一種の官能基を有する不飽和有機化合
物とからなる共重合体に、エチレンイミンを反応させて
得られたもので、重量平均分子量が10万〜50万、メタク
リル酸メチル成分が80〜92重量%、エチレンイミン成分
が3〜10重量%である共重合体を主成分とすることを特
徴とする貼着構造体をその要旨とするものであり、本発
明の2は、粘着剤層が、両面粘着テープである上記記載
の貼着構造体をその要旨とするものである。
可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品がこの順に積
層されており、上記プライマー層は、メタクリル酸メチ
ルと、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシル基
のうち少なくとも一種の官能基を有する不飽和有機化合
物とからなる共重合体に、エチレンイミンを反応させて
得られたもので、重量平均分子量が10万〜50万、メタク
リル酸メチル成分が80〜92重量%、エチレンイミン成分
が3〜10重量%である共重合体を主成分とすることを特
徴とする貼着構造体をその要旨とするものであり、本発
明の2は、粘着剤層が、両面粘着テープである上記記載
の貼着構造体をその要旨とするものである。
本発明においては、メタクリル酸メチルと、カルボキ
シル基、グリシジル基、ヒドロキシル基のうち少なくと
も一種の官能基を有する不飽和有機化合物とからなる共
重合体に、エチレンイミンを反応させて得られた共重合
体(以下、メタクリル酸メチル成分とエチレンイミン成
分とを含む共重合体と略称する)を用いる。この共重合
体において、メタクリル酸メチル成分は80〜92重量%と
する。これ以下では可塑剤移行の抑制効果が得られない
ことがある。
シル基、グリシジル基、ヒドロキシル基のうち少なくと
も一種の官能基を有する不飽和有機化合物とからなる共
重合体に、エチレンイミンを反応させて得られた共重合
体(以下、メタクリル酸メチル成分とエチレンイミン成
分とを含む共重合体と略称する)を用いる。この共重合
体において、メタクリル酸メチル成分は80〜92重量%と
する。これ以下では可塑剤移行の抑制効果が得られない
ことがある。
また、エチレンイミン成分は3〜10重量%とする。ま
た、メタクリル酸メチル成分、エチレンイミン成分及び
官能基を有する不飽和有機化合物成分のほかに、上記成
分の含有量が保持できる範囲内であれば、上記官能基を
持たない不飽和有機化合物成分が含まれていてもよい。
た、メタクリル酸メチル成分、エチレンイミン成分及び
官能基を有する不飽和有機化合物成分のほかに、上記成
分の含有量が保持できる範囲内であれば、上記官能基を
持たない不飽和有機化合物成分が含まれていてもよい。
本発明において、メタクリル酸メチル成分とエチレン
イミン成分とを含む共重合体とした場合に、粘着剤層と
の接着力が向上する理由については未だ完全に解明した
訳ではないが、反応したエチレンイミンに由来するアミ
ノ基と、粘着剤中のカルボキシル基や水酸基などの極性
基とが強い相互作用を発揮する為と推察される。
イミン成分とを含む共重合体とした場合に、粘着剤層と
の接着力が向上する理由については未だ完全に解明した
訳ではないが、反応したエチレンイミンに由来するアミ
ノ基と、粘着剤中のカルボキシル基や水酸基などの極性
基とが強い相互作用を発揮する為と推察される。
しかして、メタクリル酸メチル成分とエチレンイミン
成分とを含む共重合体は、その重量平均分子量が10万以
上のものでなければならず、これ以下では接着力の向上
を期待出来ず、又可塑剤移行の抑制効果が得られない。
成分とを含む共重合体は、その重量平均分子量が10万以
上のものでなければならず、これ以下では接着力の向上
を期待出来ず、又可塑剤移行の抑制効果が得られない。
なお、共重合体の重量平均分子量の上限は、重合時の
作業性やプライマー塗布時の作業性等の点から50万以下
とされる。
作業性やプライマー塗布時の作業性等の点から50万以下
とされる。
本発明の1のプライマー層を形成する為の組成物中
に、粘着性付与樹脂その他の添加剤を混合することは任
意である。
に、粘着性付与樹脂その他の添加剤を混合することは任
意である。
本発明の1のプライマー層を形成する場合、その組成
物を後述する粘着剤層の上面に塗布する際の乾燥後の厚
みについては特に制限はなく、可塑剤の移行を阻止する
という観点から言えば厚い程よいが、塗布時の作業性や
コスト面からみて1〜20μが好適である。
物を後述する粘着剤層の上面に塗布する際の乾燥後の厚
みについては特に制限はなく、可塑剤の移行を阻止する
という観点から言えば厚い程よいが、塗布時の作業性や
コスト面からみて1〜20μが好適である。
本発明の1もしくは2で用いる粘着剤層を形成する粘
着剤としては、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、その他の周知
のアクリル系粘着剤が好ましく、これらは架橋されてい
るのがより好ましい。又これらの粘着剤は粘着性付与樹
脂、老化防止剤その他の添加剤を併用するのは任意であ
る。
着剤としては、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、その他の周知
のアクリル系粘着剤が好ましく、これらは架橋されてい
るのがより好ましい。又これらの粘着剤は粘着性付与樹
脂、老化防止剤その他の添加剤を併用するのは任意であ
る。
本発明の1で用いる粘着剤層を形成する手段として
は、被着体に直接粘着剤を塗布するか、或いは予めプラ
イマー層を形成した軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成形品の
該プライマー層上に塗布してもよいが、本発明の2のよ
うに、両面粘着テープを用いた方が、手数がかからず、
且つ均一な層が形成されるので好ましい。
は、被着体に直接粘着剤を塗布するか、或いは予めプラ
イマー層を形成した軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成形品の
該プライマー層上に塗布してもよいが、本発明の2のよ
うに、両面粘着テープを用いた方が、手数がかからず、
且つ均一な層が形成されるので好ましい。
両面粘着テープを用いる場合は、その基材としては、
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体等からなる合成樹脂軟
質発泡シート、クロロプレンシート、紙、不織布、アク
リルゴムシート等が用いられ、特に、合成樹脂軟質発泡
シートを素材とする場合は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製
成形品或いは被着体の表面に凹凸があるとき、該凹凸形
状に追従して変形するので、強固な接着力を得ることが
できる。例えば、微細な独立気泡を有するエチレン−酢
酸ビニル共重合体発泡成形シートを適宜の厚さにスライ
スして表皮層を除去したものが使用される。表皮層が除
去されていない発泡成形シートは、発泡体自体が柔軟性
に富んでいても、表皮層の剛性が高く、大きい有効接着
面積が得られない。尚、発泡体が連続気泡であるとき
は、粘着剤を塗布するときに、その溶剤が浸透するの
で、予め薄い合成樹脂フイルムを積層しておくのが良
い。
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体等からなる合成樹脂軟
質発泡シート、クロロプレンシート、紙、不織布、アク
リルゴムシート等が用いられ、特に、合成樹脂軟質発泡
シートを素材とする場合は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製
成形品或いは被着体の表面に凹凸があるとき、該凹凸形
状に追従して変形するので、強固な接着力を得ることが
できる。例えば、微細な独立気泡を有するエチレン−酢
酸ビニル共重合体発泡成形シートを適宜の厚さにスライ
スして表皮層を除去したものが使用される。表皮層が除
去されていない発泡成形シートは、発泡体自体が柔軟性
に富んでいても、表皮層の剛性が高く、大きい有効接着
面積が得られない。尚、発泡体が連続気泡であるとき
は、粘着剤を塗布するときに、その溶剤が浸透するの
で、予め薄い合成樹脂フイルムを積層しておくのが良
い。
又、両面粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤とし
ては、無論上記アクリル系粘着剤が好ましい。
ては、無論上記アクリル系粘着剤が好ましい。
本発明の貼着構造体を得る方法としては、前述のよう
に、可塑剤含有の軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成形品の表
面に本発明の1で用いるプライマー層を形成し、更にそ
の上に両面粘着テープの一方の粘着面を貼着するか、又
は粘着剤を塗布し、かくして形成された三層構造の積層
体の、該粘着面を、目的とする被着体に対して押圧貼着
するのが、最も効果的な貼着効果が得られて好ましい。
に、可塑剤含有の軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成形品の表
面に本発明の1で用いるプライマー層を形成し、更にそ
の上に両面粘着テープの一方の粘着面を貼着するか、又
は粘着剤を塗布し、かくして形成された三層構造の積層
体の、該粘着面を、目的とする被着体に対して押圧貼着
するのが、最も効果的な貼着効果が得られて好ましい。
(作用) 本発明の1は、被着体、粘着剤層、プライマー層及び
可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品がこの順に積
層されており、上記プライマー層は、メタクリル酸メチ
ルと、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシル基
のうち少なくとも一種の官能基を有する不飽和有機化合
物とからなる共重合体に、エチレンイミンを反応させて
得られたもので、重量平均分子量が10万〜50万、メタク
リル酸メチル成分が80〜92重量%、エチレンイミン成分
が3〜10重量%である共重合体を主成分とすることを特
徴とする貼着構造体であるから、プライマー層が具有す
るその優れた可塑剤移行防止機能により、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製成形品中に含まれる可塑剤の、粘着剤層へ
の移行が該プライマー層によって阻止され、特に高温条
件下に曝されてもその効果が低下しない。又、プライマ
ー層が具有するその優れた接着力により、温度条件如何
にかかわらず粘着剤層との接着力も向上する。
可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品がこの順に積
層されており、上記プライマー層は、メタクリル酸メチ
ルと、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシル基
のうち少なくとも一種の官能基を有する不飽和有機化合
物とからなる共重合体に、エチレンイミンを反応させて
得られたもので、重量平均分子量が10万〜50万、メタク
リル酸メチル成分が80〜92重量%、エチレンイミン成分
が3〜10重量%である共重合体を主成分とすることを特
徴とする貼着構造体であるから、プライマー層が具有す
るその優れた可塑剤移行防止機能により、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製成形品中に含まれる可塑剤の、粘着剤層へ
の移行が該プライマー層によって阻止され、特に高温条
件下に曝されてもその効果が低下しない。又、プライマ
ー層が具有するその優れた接着力により、温度条件如何
にかかわらず粘着剤層との接着力も向上する。
本発明の2は、粘着剤層が両面粘着テープで形成され
ているので、被着体に粘着剤層を塗布する手間が省略さ
れ、プライマー層を設けた軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成
形品を被着体の目的とする箇所に貼着するのが容易であ
る。
ているので、被着体に粘着剤層を塗布する手間が省略さ
れ、プライマー層を設けた軟質ポリ塩化ビニル樹脂製成
形品を被着体の目的とする箇所に貼着するのが容易であ
る。
(実施例) 以下に本発明の実施例を述べる。
実施例1. .プライマー組成物の調製 メチルメタアクリレートモノマー95重量部とアクリル
酸5重量部を配合し、これに対して重合触媒としてアゾ
ビスイソブチルニトリルを0.5重量部混合して、20分間
窒素バブリングした後、60℃の温度で24時間反応させ、
更に100℃の温度で24時間反応させて重合反応を一旦終
了した。
酸5重量部を配合し、これに対して重合触媒としてアゾ
ビスイソブチルニトリルを0.5重量部混合して、20分間
窒素バブリングした後、60℃の温度で24時間反応させ、
更に100℃の温度で24時間反応させて重合反応を一旦終
了した。
次いでこの反応物をトルエン及びイソプロピルアルコ
ールで希釈し、固形分濃度が30重量%となるように調製
した。しかる後、エチレンイミンを2.5重量部添加し80
℃で3時間反応させ、共重合体を得た。
ールで希釈し、固形分濃度が30重量%となるように調製
した。しかる後、エチレンイミンを2.5重量部添加し80
℃で3時間反応させ、共重合体を得た。
.軟質ポリ塩化ビニル樹脂シート 可塑剤としてDOPを30重量部含有するポリ塩化ビニル
樹脂を材料とし、プレス機を用いて30mm×80mm×5mmの
寸法の短冊状のシートを製造した。
樹脂を材料とし、プレス機を用いて30mm×80mm×5mmの
寸法の短冊状のシートを製造した。
.両面粘着テープの製造 粘着剤として2−エチルヘキシルアクリレート89.5重
量%、アクリル酸10重量%と、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート0.5重量%を配合し、重量平均分子量が60
万の粘着剤成分をイソシアネート系化合物(商品名;コ
ロネートL)にて架橋して粘着剤としたものを、シート
状の担体に塗布して粘着剤層の厚みが60μの粘着シート
とした。次に、これを予めコロナ放電処理した厚み1.2m
m、発泡倍率20倍のポリエチレン発泡シート(積水化学
工業社製、商品名;ソフトロンIF)に転写して、10mm幅
の両面粘着テープを製造した。
量%、アクリル酸10重量%と、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート0.5重量%を配合し、重量平均分子量が60
万の粘着剤成分をイソシアネート系化合物(商品名;コ
ロネートL)にて架橋して粘着剤としたものを、シート
状の担体に塗布して粘着剤層の厚みが60μの粘着シート
とした。次に、これを予めコロナ放電処理した厚み1.2m
m、発泡倍率20倍のポリエチレン発泡シート(積水化学
工業社製、商品名;ソフトロンIF)に転写して、10mm幅
の両面粘着テープを製造した。
.試験片の製造 プライマー組成物を、軟質ポリ塩化ビニル樹脂シート
の片面に乾燥後の厚みが1μとなるように塗布し、室温
にて15分間乾燥してプライマー層を形成した。このプラ
イマー層を形成した軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートの
該プライマー層上に、両面粘着テープを貼り付けた後、
被着体であるアクリル塗装鋼板に、5Kgのローラーで片
道押圧して試験片である貼着構造体を製造した。
の片面に乾燥後の厚みが1μとなるように塗布し、室温
にて15分間乾燥してプライマー層を形成した。このプラ
イマー層を形成した軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートの
該プライマー層上に、両面粘着テープを貼り付けた後、
被着体であるアクリル塗装鋼板に、5Kgのローラーで片
道押圧して試験片である貼着構造体を製造した。
実施例2. メチルメタアクリレートモノマーを90重量部、アクリ
ル酸を10重量部、エチレンイミンを5重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
ル酸を10重量部、エチレンイミンを5重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
実施例3. 両面粘着テープの基材が、エチレン−酢酸ビニル共重
合体からなる15倍の発泡体(積水化学工業社製、商品
名;ボラーラES1501)シートを用いたこと以外は、実施
例2と同様にして試験片を製造した。
合体からなる15倍の発泡体(積水化学工業社製、商品
名;ボラーラES1501)シートを用いたこと以外は、実施
例2と同様にして試験片を製造した。
実施例4. 両面粘着テープの基材が、アクリル系の発泡体(米国
3M社製、商品名;VHB#4213)シートを用いたこと以外
は、実施例2と同様にして試験片を製造した。
3M社製、商品名;VHB#4213)シートを用いたこと以外
は、実施例2と同様にして試験片を製造した。
比較例1. アゾビスイソブチロニトリルを2.0重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
以外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
比較例2. メチルメタアクリレートを75重量部、アクリル酸を25
重量部用い、エチレンイミンを12.5重量部としたこと以
外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
重量部用い、エチレンイミンを12.5重量部としたこと以
外は、実施例1と同様にして試験片を製造した。
比較例3. プライマーとして、芳香族イソシアネート系ポリエー
テルポリウレタンを用いたこと以外は、実施例1と同様
にして試験片を製造した。
テルポリウレタンを用いたこと以外は、実施例1と同様
にして試験片を製造した。
比較例4. プライマーとして、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験片を製
造した。
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験片を製
造した。
以上の各実施例及び比較例について、プライマー組成
物の重量平均分子量の測定及び剥離力の測定を行った。
その結果を各実施例については第1表に、又各比較例に
ついては第2表にそれぞれ示す。
物の重量平均分子量の測定及び剥離力の測定を行った。
その結果を各実施例については第1表に、又各比較例に
ついては第2表にそれぞれ示す。
尚、上記各測定方法は次の通りである。
.重量平均分子量 プライマー組成物をテトラハイドロフラン(THF)を
溶剤とし、固形分濃度が0.5重量%になるように調製
し、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)法
によりポリスチレン換算重量平均分子量を測定した。
溶剤とし、固形分濃度が0.5重量%になるように調製
し、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)法
によりポリスチレン換算重量平均分子量を測定した。
.剥離力(0゜剥離力) 試験片を室温で24時間放置した後に常態剥離力を測定
し、又別途90℃中で72時間老化させた後室温に迄冷却
し、3時間以上放置して完全冷却した後に老化剥離力を
測定した。その際の引っ張り速度は200mm/分である。
し、又別途90℃中で72時間老化させた後室温に迄冷却
し、3時間以上放置して完全冷却した後に老化剥離力を
測定した。その際の引っ張り速度は200mm/分である。
注)1.剥離力(判定)において、 ◎;老化剥離力が、格段に優れているもの。
△;老化剥離力が、劣るもの。
×;老化剥離力が、格段に劣るもの。
(効果) 本発明の1の貼着構造体は、叙上の通り構成されてい
るので、プライマー層が具有する優れた可塑剤移行防止
機能により、該プライマー層と接する側の粘着剤層への
可塑剤移行が完全に阻止され特に高温条件下に曝されて
もその効果が低下しない。又、プライマー層が具有する
その優れた接着力により、温度条件如何にかかわらず粘
着剤層との接着力も向上する。
るので、プライマー層が具有する優れた可塑剤移行防止
機能により、該プライマー層と接する側の粘着剤層への
可塑剤移行が完全に阻止され特に高温条件下に曝されて
もその効果が低下しない。又、プライマー層が具有する
その優れた接着力により、温度条件如何にかかわらず粘
着剤層との接着力も向上する。
本発明の2は、粘着剤層が、両面粘着テープで形成さ
れているので、被着体に粘着剤層を塗布する手間が省略
され、プライマー層を設けた軟質ポリ塩化ビニル樹脂成
形品を被着体の目的とする箇所に貼着するのが容易であ
る。従って貼着構造体の製造工程が短縮されると共に作
業性が改善され品質の安定したものが得られ、又、被着
体と可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品との大小
関係如何に係わらずこの効果は変わらない。従ってその
用途範囲が拡大される。
れているので、被着体に粘着剤層を塗布する手間が省略
され、プライマー層を設けた軟質ポリ塩化ビニル樹脂成
形品を被着体の目的とする箇所に貼着するのが容易であ
る。従って貼着構造体の製造工程が短縮されると共に作
業性が改善され品質の安定したものが得られ、又、被着
体と可塑剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品との大小
関係如何に係わらずこの効果は変わらない。従ってその
用途範囲が拡大される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 27:06 C08L 27:06
Claims (2)
- 【請求項1】被着体、粘着剤層、プライマー層及び可塑
剤含有の軟質塩化ビニル樹脂製成形品がこの順に積層さ
れており、上記プライマー層は、メタクリル酸メチル
と、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシル基の
うち少なくとも一種の官能基を有する不飽和有機化合物
とからなる共重合体に、エチレンイミンを反応させて得
られたもので、重量平均分子量が10万〜50万、メタクリ
ル酸メチル成分が80〜92重量%、エチレンイミン成分が
3〜10重量%である共重合体を主成分とすることを特徴
とする貼着構造体。 - 【請求項2】粘着剤層が、両面粘着テープである特許請
求の範囲第1項記載の貼着構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2109346A JP2512596B2 (ja) | 1990-04-24 | 1990-04-24 | プライマ―を用いた貼付構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2109346A JP2512596B2 (ja) | 1990-04-24 | 1990-04-24 | プライマ―を用いた貼付構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH047380A JPH047380A (ja) | 1992-01-10 |
JP2512596B2 true JP2512596B2 (ja) | 1996-07-03 |
Family
ID=14507898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2109346A Expired - Fee Related JP2512596B2 (ja) | 1990-04-24 | 1990-04-24 | プライマ―を用いた貼付構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2512596B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP4856322B2 (ja) * | 2001-06-08 | 2012-01-18 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 塗装板用プライマー組成物 |
JP2007085999A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Fujitsu Ten Ltd | 電波送受信器における電波干渉回避装置 |
JP6340952B2 (ja) * | 2014-06-26 | 2018-06-13 | Dic株式会社 | 両面粘着テープ、物品及び電子機器 |
JP6959720B2 (ja) * | 2015-07-28 | 2021-11-05 | 田島ルーフィング株式会社 | 階段用床材 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58185675A (ja) * | 1982-04-23 | 1983-10-29 | Inoue Mtp Co Ltd | プライマ組成物 |
JPS58215471A (ja) * | 1982-06-08 | 1983-12-14 | Inoue Mtp Co Ltd | ポリ塩化ビニル用プライマ組成物 |
JP2512587B2 (ja) * | 1990-03-26 | 1996-07-03 | 積水化学工業株式会社 | プライマ―組成物、及びこのプライマ―組成物を用いた貼付構造体 |
-
1990
- 1990-04-24 JP JP2109346A patent/JP2512596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH047380A (ja) | 1992-01-10 |
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