JPH083440A - 高流動性ナイロン系樹脂組成物および電子部品 - Google Patents
高流動性ナイロン系樹脂組成物および電子部品Info
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- JPH083440A JPH083440A JP16280894A JP16280894A JPH083440A JP H083440 A JPH083440 A JP H083440A JP 16280894 A JP16280894 A JP 16280894A JP 16280894 A JP16280894 A JP 16280894A JP H083440 A JPH083440 A JP H083440A
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Abstract
重、低吸水性である熱可塑性樹脂組成物、および、この
熱可塑性樹脂組成物から形成された部分を有する、ウエ
ルド強度、寸法安定性に優れた電子部品を提供するこ
と。 【構成】 【請求項1】(A)ナイロン4,6樹脂 20〜94重
量%、(B)ナイロン4,6以外のナイロン樹脂 0〜
50重量%、(C)スチレン系樹脂 5〜79重量%、
(D)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基から選
ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物を
共重合してなるスチレン系樹脂0.1〜35重量%から
なることを特徴とする高流動性ナイロン系樹脂組成物、
および、その樹脂組成物から形成された部分を有する電
子部品。
Description
に優れ、かつ、低比重、低吸水性である熱可塑性樹脂組
成物、および、この熱可塑性樹脂組成物から形成された
部分を有する、ウエルド強度、寸法安定性に優れた電子
部品に関する。
性、耐摩耗性などの機械的性質が優れ、耐熱性や耐薬品
性が高いといった特長をもち成形加工性も比較的良好で
あるために、自動車部品、電子電気部品、一般機械部品
などの種々の用途に使用されている。このため、ナイロ
ン系樹脂は電子部品用の樹脂材料としても利用されてい
る。近年、自動車分野では、アンダ−フ−ド内の高密度
化、高性能化により、長期にわたって耐熱性の低下のな
い部品や材料が求められ、それにともなって、電子部品
に使われている樹脂に必要とされる耐熱性も高くなる傾
向があり、従来使用されてきたナイロン6やナイロン
6,6を主成分とした樹脂組成物では要求される耐熱性
を満足しない場合が多くなってきている。また、例え
ば、特開平6−49537では、芳香族ナイロン、脂肪
族ナイロン、および、酸化防止剤を構成成分としたナイ
ロン系樹脂組成物およびコネクタ−を提案しているが、
成形加工性、特に射出成形時の流動性が不充分であり、
例えば、射出成形機のシリンダ−温度310℃、金型温
度100℃の条件下、幅10mm、厚さ0.5mmのス
パイラルフロ−での流動長を測定すると、射出圧力50
0kg/cm2ではほとんど流動せず、成形加工性が劣
るという欠点があった。ナイロン4,6はすでに公知の
ポリアミドであり、エンジニアリングプラスチックとし
て優れた特性、特に卓越する耐熱性を持つ樹脂であるこ
とが知られている。ナイロン4,6は、その高い融点の
示すとおり耐熱性に優れ、また、結晶化速度が速いため
に成形サイクルが短く、さらに、溶融粘度が低いために
成形時の流動性が極めて良好であり、そのためウエルド
強度にも優れるという特長を持っている。特に、電子部
品では金属製のピンを圧入する際等にウエルド強度に優
れるか否かは極めて重要である。このようにナイロン
4,6は、ポリアミドのもつ優れた耐薬品性、耐熱性に
加えて、流動性、成形加工性にも優れるために、エンジ
ニアリングプラスチックとして、その応用が各方面から
期待されている樹脂である。しかしながら、ナイロン
4,6樹脂は、その吸水・吸湿性のために、種々の温度
・湿度の環境下での寸法安定性に問題があった。
発明の目的は、耐熱性、流動性、成形性に優れたナイロ
ン4,6樹脂の特長を維持し、同時に、低吸水・吸湿性
で低比重な熱可塑性樹脂組成物、および、この樹脂組成
物から形成された部分を有する、耐熱性、ウエルド強度
に優れ、短い成形サイクルで成形でき、どのような温度
・湿度環境下においても寸法安定性に優れ、低比重・軽
量な電子部品を提供することにある。
(A)ナイロン4,6樹脂 20〜94重量%、(B)
ナイロン4,6以外のナイロン樹脂 0〜50重量%、
(C)スチレン系樹脂 5〜79重量%、(D)カルボ
キシル基、酸無水物基、エポキシ基から選ばれた少なく
とも1種の官能基を有する不飽和化合物を共重合してな
るスチレン系樹脂0.1〜35重量%、(E)官能基含
有オレフィン重合体 0〜20重量%、(F)無機充填
材 0〜50重量%からなり、射出成形機のシリンダ−
温度310℃、金型温度100℃、射出圧力500kg
/cm2の条件下、幅10mm、厚さ0.5mmのスパ
イラルフロ−での流動長が40mm以上であることを特
徴とする高流動性ナイロン系樹脂組成物、並びに、2,
前記1の高流動性ナイロン系樹脂組成物から形成された
部分を有する電子部品を提供するものである。本発明に
従えば、耐熱性、流動性、成形性に優れたナイロン4,
6樹脂の特長を維持し、同時に、スチレン系樹脂との併
用効果により、低吸水・吸湿性で低比重な熱可塑性樹脂
組成物が得られ、さらに、この樹脂組成物から形成され
た部分を有する、耐熱性、ウエルド強度に優れ、短い成
形サイクルで成形でき、どのような温度・湿度環境下に
おいても寸法安定性に優れ、低比重・軽量な電子部品が
えられる。
チレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリテトラ
メチレンアジパミドおよびポリテトラメチレンアジパミ
ド単位を主たる構成成分とする共重合ポリアミドを含
む。さらに、他のポリアミドをナイロン4,6の特性を
損なわない範囲で混合成分として含んでもよい。共重合
成分は特に制限がなく、公知のアミド形成成分を用いる
ことができる。共重合成分の代表的な例としては、6−
アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−
アミノウンデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などの
アミノ酸;ε−カプロラクタム、ω−ラウリルラクタム
などのラクタム;エチレンジアミン、テトレメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノ
ナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキ
シリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、1−
アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、2,2−ビス(アミノプロシル)ピペ
ラジン、アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミンなどに代表されるジアミ
ンと、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2−クロルテレフタル酸、
2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコ−ル酸な
どに代表されるジカルボン酸などを挙げることができ、
また混合成分として用いる他のポリアミドはこれらの成
分からなるものを挙げることができる。また、本発明で
用いられるナイロン4,6の製造方法は任意である。た
とえば特開昭56−149430号公報、特開昭56−
149431号公報、特開昭58−83029号公報お
よび特開昭61−43631号公報などで開示された方
法、つまりまず環状末端基が少ないプレポリマ−を特定
の条件下で製造した後、これを水蒸気雰囲気下で固相重
合して高粘度ナイロン4,6を調製する方法あるいは2
-ピロリドンやN-メチルピロリドンなどの極性有機溶媒
中で加熱してそれを得る方法などがある。ナイロン4,
6の重合度については特に制限はないが、25℃、96
%硫酸中、1g/dlにおける相対粘度が1.5〜6.
0の範囲内にあるナイロン4,6が好ましく用いられ
る。本発明におけるナイロン4,6の添加量は20〜9
4重量%であるが、好ましくは25〜80重量%、さら
に好ましくは28〜75重量%である。ナイロン4,6
の添加量が20重量%未満では成形加工性、流動性が劣
り、94重量%を超えると耐衝撃強度が劣る。
6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、1
2−アミノウンデカン酸、パラアミノメチル安息香酸な
どのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウリルラク
タムなどのラクタム、エチレンジアミン、テトレメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジ
アミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パ
ラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、ビス(3−メチル−4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)プロパン、2,2−ビス(アミノプロシル)
ピペラジン、アミノエチルピペラジン、m−キシリレン
ジアミン、p−キシリレンジアミンなどに代表される脂
肪族、脂環族、芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、2−クロルテレフタル酸、2−メチルテレフタル
酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸、ジグリコ−ル酸などに代表される脂肪
族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導かれるナイロ
ン樹脂;ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタム、ω
−ラウリルラクタムなどのラクタム類の開環重合によっ
て得られるナイロン樹脂;6−アミノカプロン酸、1,
1−アミノウンデカン酸、1,2−アミノドデカン酸な
どから導かれるナイロン樹脂、これらの共重合ナイロン
樹脂、およびこれら2種以上の混合ナイロン樹脂であ
る。これらのうち、好適な例として、工業的に製造され
ているナイロン6樹脂(ポリカプロアミド)、ナイロン
6,6樹脂(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ナイロ
ン12樹脂(ポリドデカアミド)、ナイロン6,10樹
脂(ポリヘキサメチレンセバカミド)、半芳香族ナイロ
ン、芳香族ナイロンなどに代表されるナイロン樹脂およ
びこれらの共重合体、並びにこれらの混合体を挙げるこ
とができる。本発明の(B)ナイロン4,6以外のナイ
ロン樹脂の重合度については特に制限はないが、25
℃、96%硫酸中、1g/dlにおける相対粘度が1.
5〜8.0の範囲内にあるナイロン樹脂が好ましく用い
られる。相対粘度が2.5〜8.0の範囲のナイロン樹
脂を用いると耐衝撃性と成形加工性のバランスの優れた
ものが得られる。ナイロン樹脂の分子構造についても制
限はなく、線状ナイロン、長鎖分岐ナイロン、櫛型ナイ
ロン、短鎖分岐ナイロン、星型分岐ナイロンなどいずれ
の分子構造でもよい。本発明の(B)ナイロン4,6以
外のナイロン樹脂は0〜50重量%であるが、好ましく
は45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下で
ある。(B)成分の添加量が50重量%を超えると成形
加工性、流動性、耐熱性が劣る。なお、(B)ナイロン
4,6以外のナイロン樹脂の添加効果を得るための添加
量は1重量%以上、好ましくは2重量%以上、さらに好
ましくは5重量%以上である。(B)成分を添加するこ
とにより成形加工性や靱性を向上させることができる。
の存在下または不存在下に、芳香族ビニル化合物を必須
成分とし、必要に応じてマレイミド系化合物、ビニルシ
アン化合物、および、共重合可能な他のビニル単量体か
ら選ばれた少なくとも一種の単量体からなる樹脂成分を
重合してなる樹脂である。(C)成分中のゴム質重合体
としては、エチレン−プロピレンのランダム共重合体お
よびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共
重合体およびブロック共重合体などのエチレンとα−オ
レフィンとの共重合体;エチレン−メタクリレ−ト、エ
チレン−ブチルアクリレ−トなどのエチレンと不飽和カ
ルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニル
などのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;エチレン
−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレ
ン−プロピレン−非共役ジエンタ−ポリマ−;ポリブタ
ジエン、イソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム
共重合体およびブロック共重合体、さらに該ブロック共
重合体の水添物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴ
ム;ブチレン−イソプレン共重合体などがあり、これら
は1種または2種以上を併せて用いることができる。こ
れらのうち、耐衝撃性などの点から好ましいゴム質重合
体はジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエンタ−ポリマ−である。
(C)成分中の芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ビニルキシ
レン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブ
ロムスチレン、ジブロムスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチレスチレ
ンなどであり、これらは1種でも2種以上を併せて用い
ることもできる。これらのうち好ましく用いられる芳香
族ビニル化合物はスチレンである。(C)成分中のマレ
イミド系化合物としては、例えば、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられるが、好まし
くは、N−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドであり、
これらは1種または2種以上を併用してもよい。(C)
成分中のビニルシアン化合物としては、例えば、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどであり、好ましく
はアクリロニトリルである。(C)成分中の共重合可能
な他のビニル単量体としては、メチルアクリレ−ト、エ
チルアクリレ−ト、プロピレンアクリレ−トなどのアク
リル酸のアルキルエステル;メチルメタクリレ−ト、エ
チルメタクリレ−ト、プロピレンメタクリレ−トなどの
メタクリルアルキルエステルが挙げられ、これらは1種
でも2種以上併用しても用いることができる。本発明の
(C)成分であるスチレン系樹脂は、具体的には、アク
リロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、メタクリル
酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−ス
チレン樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム−メタクリル酸メチル−スチレン樹脂(ABS
M樹脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、
アクリロニトリル−n−ブチルアクリレ−トゴム−スチ
レン樹脂(AAS樹脂)などを挙げることができる。本
発明においては、ナイロン4,6樹脂との併用で低比重
化を図る目的から、比重1.18未満のスチレン系樹脂
が好ましい。本発明における(C)スチレン系樹脂の添
加量は5〜79重量%であるが、好ましくは5〜60重
量%、さらに好ましくは7〜55重量%である。(D)
成分の添加量が5重量%未満では耐衝撃性が劣り、79
重量%を超えると耐熱性が劣る。
キシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不
飽和化合物を共重合してなるスチレン系樹脂 本発明の(D)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ
基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和
化合物を共重合してなるスチレン系樹脂は、スチレン系
樹脂の構成単位とカルボキシル基、酸無水物基、オキサ
ゾリン基、エポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有する不飽和化合物単位とを主体とする二元また
は多元の共重合体である。(D)成分中のスチレン系樹
脂は、ゴム質重合体の存在下または不存在下に、芳香族
ビニル化合物を必須成分とし、必要に応じてマレイミド
系化合物、ビニルシアン化合物、および、共重合可能な
他のビニル単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体
からなる樹脂成分を重合してなる樹脂である。ここでの
芳香族ビニル化合物、マレイミド系化合物、ビニルシア
ン化合物、および、共重合可能な他のビニル単量体は、
(C)成分で示したものと同一である。(D)成分中の
カルボキシル基含有不飽和化合物の代表的な例としては
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などがあり、酸
無水物基含有不飽和化合物の代表的な例としては無水マ
レイン酸、無水イタコン酸などがあり、オキサゾリン基
含有不飽和化合物の代表的な例としてはビニルオキサゾ
リンなどがあり、エポキシ基含有不飽和化合物の代表的
な例としては、グリシジルメタクリレ−ト、アリルグリ
シジルエ−テルなどがある。本発明において好ましく用
いられる官能基の種類としては、酸無水物基、エポキシ
基が挙げられる。また、(D)成分の共重合体に対し
て、例えば、(C)成分の説明文中で記載したようなビ
ニル系化合物を主鎖中に含有したり、側鎖としてグラフ
ト重合することも、本発明で用いる(D)成分の耐熱性
を高め、また、組成物中の他の成分との相溶性をより向
上させる効果があり、本発明の目的から好ましい。本発
明の(D)成分中における、官能基を有する不飽和化合
物の含有率は、好ましくは0.1〜40重量%、さらに
好ましくは0.5〜30重量%である。本発明における
(D)成分の添加量は0.1〜35重量%であるが、好
ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜2
5重量%である。(D)成分の添加量が1重量%未満で
は耐衝撃性が劣り、35重量%を超えると耐熱性が劣
る。
ィン単位とカルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン
基、エポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を
有する不飽和化合物単位とを主体とする二元または多元
の共重合体である。(E)官能基含有オレフィン重合体
中のオレフィンの代表的な例としては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、メチ
ルブテン、メチルペンテンなどが挙げられ、エチレン、
プロピレンが好ましい。(E)官能基含有オレフィン重
合体中のカルボキシル基含有不飽和化合物の代表的な例
としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などが
あり、酸無水物基含有不飽和化合物の代表的な例として
は無水マレイン酸、無水イタコン酸などがあり、オキサ
ゾリン基含有不飽和化合物の代表的な例としてはビニル
オキサゾリンなどがあり、エポキシ基含有不飽和化合物
の代表的な例としては、グリシジルメタクリレ−ト、ア
リルグリシジルエ−テルなどがある。本発明において好
ましく用いられる官能基の種類としては、酸無水物基、
エポキシ基が挙げられる。また、(E)官能基含有オレ
フィン重合体に対して、例えば、(C)成分の説明文中
に記載したような、ビニル系化合物を主鎖中に含有した
り、側鎖としてグラフト重合することも、本発明で用い
る(E)官能基含有オレフィン重合体の耐熱性を高め、
また、組成物中の他の成分との相溶性をより向上させる
効果があり、本発明の目的から好ましい。本発明の
(E)成分における、官能基を有する不飽和化合物の含
有量は、好ましくは0.1〜35重量%、さらに好まし
くは0.5〜25重量%である。本発明における(E)
官能基含有オレフィン重合体の添加量は0〜20重量%
であるが、好ましくは17重量%以下、さらに好ましく
は15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下であ
る。官能基含有オレフィン重合体の添加量が20重量%
を超えると耐熱性が劣る。なお、(E)官能基含有オレ
フィン重合体の添加効果を得るための添加量は0.1重
量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好まし
くは1重量%以上、特に好ましくは2重量%以上であ
る。(E)成分を用いることにより、靱性、耐衝撃性が
向上し、また(D)成分とともに(A)〜(C)成分の
相溶性を促進する効果もある。
ロス状、マット状を有する種々の充填材である。このよ
うな無機充填材の代表的な例としては、ガラス繊維、ア
スベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、炭酸カル
シウム、タルク、カタルボ、ワラステナイト、シリカ、
アルミナ、シリカアルミナ、ケイソウ土、クレ−、焼成
クレ−、カオリン、マイカ(微細雲母)、粒状ガラス、
ガラスフレ−ク、ガラスバル−ン(中空ガラス)、せっ
こう、ベンガラ、金属繊維、二酸化チタン、チタン酸カ
リウムウイスカ−、ホウ酸アルミニウムイスカ−、マグ
ネシウム系ウイスカ−、酸化マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、アスベスト、アルミン酸ナトリウム、アルミン
酸カルシウム、アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、銅、ステンレス、酸化亜鉛、金属ウイ
スカ−などを挙げることができる。本発明の目的から、
ガラス繊維、炭素繊維、カオリン、マイカ、タルクが好
ましく、とりわけその経済性からガラス繊維、カオリ
ン、マイカ、タルクが好ましい。本発明の成形性や物性
を損なわない限りにおいて表面処理を施したものであっ
てもよく、なかでも、アミノシラン処理、アクリルシラ
ン処理、ウレタン処理、ビニル処理などに代表される表
面処理を施されたものが好ましい。本発明における
(F)無機充填材の添加量は0〜50重量%であるが、
好ましくは45重量%以下である。無機充填材の添加量
が50重量%を超えると成形加工性、流動性が劣る。な
お、(F)無機充填材の添加効果を得るための添加量は
0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好
ましくは2重量%以上、特に好ましくは5重量%以上で
ある。
組成物には、その用途から要求される性能に応じて、本
発明の樹脂の特徴を損なわない範囲において、他の重合
体、例えば、ポリプタジエン(PB)、ポリエチレン
(PE)、エチレン-プロピレン共重合体(EPおよび
EPDM)、ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-
エチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SEBS)、
アルリルゴム(AR)、フッ素ゴム(FR)、ポリエチ
レンテレフタレ−ト(PET)、ポリブチレンテレフタ
レ−ト(PBT)、ポリカ−ボネ−ト(PC)、ポリス
ルホン、ポリエ−テルスルホン(PES)、ポリイミド
(PI)、PPS、ポリエ−テルエ−テルケトン(PE
EK)、フッ化ビニリデン重合体(PVDFなど)、ポ
リオキシメチレン(POM)、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、ポリフェニレンエ−テル(PP
E)、架橋粒子など、および、それらの変性物を適宜混
合してもよい。また、本発明の樹脂の特徴を損なわない
範囲において、他の成分、例えば顔料、染料、着色剤、
有機補強材、耐熱剤、難燃剤、難燃助剤、銅化合物やヒ
ンダ−ドフェノ−ル系化合物等に代表される安定剤、酸
化防止剤、光保護剤、スチレン無水マレイン酸やエポキ
シ化合物等に代表される架橋剤、耐候剤、光安定剤、結
晶核剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤などを添
加導入することができる。
は、公知の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、ブ
ロ−成形、真空成形、圧縮成形など通常の熱可塑性樹脂
に対して用いられる成形に供することにより各種の成形
品に成形し、使用することができる。本発明において、
組成物の流動性は、射出成形機のシリンダ−温度310
℃、金型温度100℃、射出圧力500kg/cm2の
条件下、幅10mm、厚さ0.5mmのスパイラルフロ
−での流動長が40mm以上のものであり、好ましくは
45〜100mm,さらに好ましくは50〜80mmで
ある。 この流動性は、(A)〜(F)成分の配合比率
で調節することができ,(A)、(B)成分が多いほ
ど、また(C)〜(F)成分が少ないほど、さらに
(A)、(B)成分の分子量が低いほど、大きくするこ
とができる。なお、本発明において、電子部品と称する
ものは、各種のコネクタ−、スイッチ、リレ−、コイル
ボビン、ボリュ−ム、ソケット、プラグボ−ド、端子
台、センサ−、抵抗器、トランス、IC(集積回路)な
どの本体、あるいは、主として、ハウジング(ケ−ス、
ボディ、カバ−)、枠、電気絶縁体、スライド(スライ
ダ−)、ベ−ス、ウェ−ハ、レンカム、スプ−ル、カ−
ド、ヨ−クなどとして使用される材料のことである。本
発明の樹脂組成物は、耐熱性、流動性、成形性に優れた
ナイロン4,6樹脂の特長を維持し、同時に、スチレン
系樹脂との併用効果により、低吸水・吸湿性で低比重で
あるため、この樹脂組成物から形成された部分を有する
電子部品は、耐熱性、ウエルド強度に優れ、短い成形サ
イクルで成形でき、どのような温度・湿度環境下におい
ても寸法安定性に優れ、低比重・軽量である。
り本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。 <実施例1〜12および比較例1〜7>なお、実施例お
よび比較例中に記した試料の性能測定は以下の方法によ
って行った。引張強度 :ASTM D638に準じた。耐衝撃性 :ASTM D256に準じ、厚さ1/4イン
チ、23℃、ノッチ付きで測定した。荷重たわみ温度 :ASTM D648、荷重18.6k
g/cm2の条件で測定した。流動性 :射出成形機のシリンダ−温度310℃、金型温
度100℃、射出圧力500kg/cm2の条件下、幅
10mm、厚さ0.5mmのスパイラルフロ−での流動
長を測定した。
ような材料を用いた。(A)ナイロン4,6 :オランダ国DSM社製の「ST
ANYL」、96%硫酸1g/dlでの相対粘度3.
0。(B)ナイロン4,6以外のナイロン樹脂 :ナイロン
6:アライドシグナル社製「8200」、ナイロン
6:鐘紡(株)製「MC120」、ナイロン6,6:
東レ製「レオナ 1402S」、半芳香族系ナイロ
ン:三菱瓦斯化学製「レニ− 6002」、非晶性ナ
イロン:エムス社「グリボリ− XE3038」。(C)スチレン系樹脂 :ABS樹脂:日本合成ゴム
(株)製「ABS12」、AES樹脂:日本合成ゴム
(株)製「AES110」、AS樹脂:日本合成ゴム
(株)製「AS240」。(D)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基から選
ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物を
共重合してなるスチレン系樹脂 :5%メタクリル酸変
性ABS樹脂:日本合成ゴム(株)にて調製、5%メ
タクリル酸変性AES樹脂:日本合成ゴム(株)にて調
製、5%メタクリル酸変性AS樹脂:日本合成ゴム
(株)にて調製、28%無水マレイン酸変性ポリスチ
レン樹脂:オランダ国DSM社製のSMA、エチルア
クリレ−ト・メタクリル酸グリシジル・スチレン共重合
体:日本合成ゴム(株)にて調製。(E)官能基含有オレフィン重合体 :無水マレイン酸
変性エチレンプロピレン共重合体:日本合成ゴム(株)
製「EP T7711」、エチレン-メタクリル酸グ
リシジル共重合体:エチレン/グリシジルメタクリレ−
ト=85/15w/w):日本油脂(株)製。(F)無機充填材 0〜50重量% :ガラス繊維:長
手方向の長さと横断面の平均径との比で示されるアスペ
クト比は約200で、横断面における平均径が約10〜
20μmのチョップドストランド、タルク:富士タル
ク工業(株)製「PKP−80」、ホウ酸アルミニウ
ムウイスカ−:四国化成工業(株)「YS−1」。
押出機(シリンダ−温度290〜320℃)にてペレッ
ト化した。得られたペレットを射出成形機(シリンダ−
温度290〜320℃)にて、所定の試験片を作製し、
試験に供した。実施例および比較例として、以下にその
組成および上記項目の評価結果を表1〜表3に示す。
も本発明の特許請求範囲内の例であり、引張強度や耐衝
撃性といった機械的強度、荷重たわみ温度といった耐熱
性、そして、流動性にも優れている。比較例1〜7 :比較例1は(A)ナイロン4,6樹脂の
配合量が本発明の特許請求範囲未満で、(B)ナイロン
4,6以外のナイロン樹脂の配合量が本発明の特許請求
範囲を超えた場合であり、荷重たわみ温度(耐熱性)が
劣る結果となった。比較例2は(A)ナイロン4,6樹
脂の配合量が本発明の特許請求範囲を超え、(C)スチ
レン系樹脂の配合量が本発明の特許請求範囲未満で、
(D)官能基を有するスチレン系樹脂を添加しなかった
場合であり、耐衝撃性が劣る結果となった。比較例3は
(A)ナイロン4,6樹脂の配合量が本発明の特許請求
範囲未満で、(C)スチレン系樹脂の配合量が本発明の
特許請求範囲を超えた場合であり、引張強度と荷重たわ
み温度(耐熱性)が劣る結果となった。比較例4は
(D)官能基を有するスチレン系樹脂の配合量が本発明
の特許請求範囲を超えた場合であり、成形加工性が極め
て悪く押出成形ができなかったため、材料の性能評価が
できなかった。比較例5は(E)官能基含有オレフィン
重合体の配合量が本発明の特許請求範囲を超えた場合で
あり、引張強度と流動性(成形加工性)が劣る結果とな
った。比較例6は(F)無機充填材の配合量が本発明の
特許請求範囲を超えた場合であり、成形加工性が極めて
悪く押出成形ができなかったため、材料の性能評価がで
きなかった。比較例7は(A)ナイロン4,6樹脂を用
いなかった場合であり、引張強度と流動性(成形加工
性)が劣る結果となった。
ン4,6樹脂の特長を維持し、同時に、スチレン系樹脂
との併用効果により、低吸水・吸湿性で低比重な熱可塑
性樹脂組成物、および、この樹脂組成物から形成された
部分を有する、耐熱性、ウエルド強度に優れ、短い成形
サイクルで成形でき、どのような温度・湿度環境下にお
いても寸法安定性に優れ、低比重(軽量)な電子部品を
提供する。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)ナイロン4,6樹脂 20〜94重
量%、(B)ナイロン4,6以外のナイロン樹脂 0〜
50重量%、(C)スチレン系樹脂 5〜79重量%、
(D)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基から選
ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物を
共重合してなるスチレン系樹脂 0.1〜35重量%、
(E)官能基含有オレフィン重合体 0〜20重量%、
(F)無機充填材 0〜50重量%、からなり、射出成
形機のシリンダ−温度310℃、金型温度100℃、射
出圧力500kg/cm2の条件下、幅10mm、厚さ
0.5mmのスパイラルフロ−での流動長が40mm以
上であることを特徴とする高流動性ナイロン系樹脂組成
物。 - 【請求項2】請求項1記載の高流動性ナイロン系樹脂組
成物から形成された部分を有する電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16280894A JP3387220B2 (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 高流動性ナイロン系樹脂組成物および電子部品 |
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JP16280894A Expired - Fee Related JP3387220B2 (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 高流動性ナイロン系樹脂組成物および電子部品 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007162016A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 共重合体の製造方法、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 |
JP2011520068A (ja) * | 2008-04-21 | 2011-07-14 | ピールブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電磁弁 |
JP2016539236A (ja) * | 2013-12-04 | 2016-12-15 | ジーエス カルテックス コーポレイション | 耐熱性および衝撃強度が改善されたナイロンブレンド組成物およびその製造方法 |
CN114316583A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-04-12 | 广东优巨先进新材料股份有限公司 | 一种强韧性耐高温尼龙复合材料及其制备方法 |
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-
1994
- 1994-06-21 JP JP16280894A patent/JP3387220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9117577B2 (en) | 2008-04-21 | 2015-08-25 | Pierburg Gmbh | Solenoid valve |
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