JPH05170998A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05170998A
JPH05170998A JP35459391A JP35459391A JPH05170998A JP H05170998 A JPH05170998 A JP H05170998A JP 35459391 A JP35459391 A JP 35459391A JP 35459391 A JP35459391 A JP 35459391A JP H05170998 A JPH05170998 A JP H05170998A
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JP
Japan
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acid
resin composition
polyarylate
mol
bis
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Application number
JP35459391A
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English (en)
Inventor
Kenji Yasue
健治 安江
Takashi Ida
孝 井田
Shigeru Hayase
茂 早瀬
Shinichiro Katahira
新一郎 片平
Megumi Ogasa
恵 小笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐薬品性、成形性の低下を伴わない
で機械的性質、特に耐衝撃性の改良された主成分がポリ
アリレートとポリアミドとよりなる樹脂組成物を提供す
る。さらに、電気電子分野、自動車分野、機械分野など
の幅広い分野で、また様々な環境下で使用しうる耐久性
に優れた部品を構成する材料となる樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 下記の三成分を溶融混練してなる樹脂組成
物。 (イ)成分:ポリアリレートが1〜79重量部。 (ロ)成分:ポリアミドが20〜80重量部。 (ハ)成分:芳香族ビニル単量体10〜90モル%とマ
レイミド系単量体10〜90モル%とおよび不飽和ジカ
ルボン酸またはその誘導体0.1〜50モル%とからな
るイミド化共重合体が1〜79重量部。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミドとポリアリ
レートとイミド化共重合体とからなる樹脂組成物に関す
るものであり、詳細には、耐熱性、耐薬品性及び成形性
に優れるとともに、機械的性質、特に耐衝撃強度が大き
く改良された樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアリレートは熱変形温度が175℃
(18.6kg/cm2 荷重下)と高く耐熱性には優れ
るものの、よく知られているように耐薬品性は十分でな
く環境ストレスクラックが発生しやすい。例えば、常温
においてさえわずか0.3%の歪負荷状態でアセトンに
接触するとクラックが短時間のうちに発生する。またポ
リアリレートを射出成形法で成形しようとすれば一般に
350℃以上の温度が必要であることにみられるよう
に、溶融粘度が高く、成形性にも優れているとはいえな
い。
【0003】しかし、例えば、ビスフェノールAとテレ
フタル酸とイソフタル酸とからなるポリアリレートが4
5重量%と、ナイロン6が55重量%とからなる樹脂組
成物は優れた耐薬品性を示し、5%の歪を与えてアセト
ンに接触させても全くクラックは発生しない。熱変形温
度も160℃と高い。スパイラル流動長による成形性の
評価によればポリアリレート単独の場合にくらべ約10
倍優れている。このようにポリアリレートとポリアミド
とよりなる樹脂組成物は耐熱性および耐薬品性に優れる
のみならず成形性にも優れ、すでに電気電子分野を中心
に様々な成形品として利用されている。
【0004】しかし、ポリアリレートとポリアミドとよ
りなる樹脂組成物の衝撃強度については満足できる値で
はない。エンジニアリングプラスチックの実用的な性能
において衝撃強度はもっとも重要な特性であり、これに
劣ることは材料としての信頼性に欠けることを意味す
る。ポリアリレートとポリアミドとの樹脂組成物におい
て、例えば、上記のビスフェノールAとテレフタル酸と
イソフタル酸とからなるポリアリレートが45重量%
と、ナイロン6が55重量%とからなる樹脂組成物の場
合、アイゾット衝撃強度は6kg・cm/cmである。
この値はエンジニアリングプラスチックとしては必ずし
も満足できる値ではない。例えば、電気分野におけるコ
ネクターへの応用では、端子の圧入の際の割れが発生し
やすいという問題が生じる。ヒンジ部分があるコネクタ
では繰り返しの着脱により、ヒンジ部の疲労破壊が発生
しやすいという問題がある。また自動車分野での外装部
品への応用では、石などの衝突により簡単に破損すると
いう問題がある。
【0005】このようなポリアリレートとポリアミドと
よりなる樹脂組成物の衝撃強度を改良する試みは多数な
されているが、多くの場合他方で耐熱性が低下したり、
弾性率が低下するなどの新たな性能上の不都合が惹起す
る。例えば、特開昭54−56652号公報にはエラス
トマーを配合したものが、特開昭54−93043号公
報にはアイオノマーを配合したものが、特開昭59−1
05050号公報にはスルホン酸基含有ポリエチレンテ
レフタレートを配合したものが、特開昭61−1833
53号公報にはα、β−不飽和酸のグリシジルエステル
を共重合したオレフィン系重合体を配合したものが、特
開昭62−283146号公報、特開昭64−3186
5号公報及び特開平1−161044号公報にはα、β
−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合したオレフィ
ン系重合体及びα、β−不飽和ジカルボン酸の無水物を
共重合したオレフィン系重合体を配合したものが、特開
昭64−153号公報にはエラストマーとエポキシ官能
性の重合体を配合したものが、それぞれ開示されてい
る。
【0006】しかし、これらの公報に開示されている樹
脂組成物においては、いずれも低い弾性率のオレフィン
系重合体を配合しており、衝撃強度は改良されるものの
耐熱性と機械的強度が低下するという新たな問題が生じ
る。機械的強度の中で特に弾性率の低下が著しい。機械
的強度や耐熱性の低下は樹脂樹脂組成物のエンジニアリ
ングプラスチックとしての価値を著しく減ずるものであ
る。
【0007】以上みてきたように、ポリアリレートとポ
リアミドとよりなる樹脂組成物の衝撃強度を機械的性質
や耐熱性の低下を伴わないで改良する試みは、樹脂組成
物の用途を大きく拡大するので、強く願望されていたに
もかかわらずほとんどなされていなかったし、また成功
もしていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明の課題は、ポリアリレートとポリアミドとよ
りなる樹脂組成物の耐熱性、耐薬品性及び成形性の低下
を伴わないで機械的性質、特に耐衝撃性の改良された樹
脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の課
題は電気電子分野、自動車分野、機械分野などの幅広い
分野で、また様々な環境下で使用することができる耐久
性に優れた部品を構成する材料となる樹脂組成物を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレー
ト、ポリアミド及びイミド化共重合体を構成成分とする
特定の樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性及び成形性を維
持したまま機械的性質、特に衝撃強度が大きく改良され
ることを見いだし本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、下記の三成分
よりなる樹脂組成物である。 (イ)成分:ポリアリレートが1〜79重量部。 (ロ)成分:ポリアミドが20〜80重量部 (ハ)成分:芳香族ビニル単量体10〜90モル%、マ
レイミド系単量体10〜90モル%および不飽和ジカル
ボン酸またはその誘導体0.1〜50モル%とからなる
イミド化共重合体が1〜79重量部。
【0011】以下本発明について詳細に説明する。本発
明で用いられるポリアリレートはビスフェノール成分と
芳香族ジカルボン酸とから得られるものである。
【0012】ポリアリレートを構成するビスフェノール
成分としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン(以下ビスフェノールAPと略称する)、ハイドロキ
ノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラメチルビ
スフェノールAと略称する)、1,1−ビス(3,5−
ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、ビス(3,5−ジエチル−
4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジエチル−
4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジエチル−
4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)サルファイド、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(3,
5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)サルファイ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
などが挙げられる。中でも好ましいビスフェノールとし
てはビスフェノールA、ビスフェノールAP及びテトラ
メチルビスフェノールAが挙げられる。本発明で用いら
れるビスフェノールは必要に応じて2種類以上を用いる
ことも可能である。
【0013】ポリアリレートを構成する芳香族ジカルボ
ン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニ
ル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカンなどが挙
げられ、テレフタル酸とイソフタル酸がもっとも好まし
く用いられる。テレフタル酸とイソフタル酸の比には特
に制限はなく、目的に応じてそれぞれ単独で用いてもよ
いし、混合して用いてもよい。その場合テレフタル酸の
比が大きいほど高い耐熱性を有するポリアリレートが得
られる。
【0014】本発明で用いられるポリアリレートにおい
てはその特性を実質的に損なわない範囲で芳香族ジカル
ボン酸の一部をその他のジカルボン酸に置き換えてもよ
い。ただし、その場合他のジカルボン酸は、全ジカルボ
ン酸に対して20モル%以下であることが好ましい。こ
のようなジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸などの脂
環式あるいは脂肪族ジカルボン酸及びこれらのハロゲン
化物などが挙げられる。
【0015】ポリアリレートには必要に応じてp−ヒド
ロキシ安息香酸やm−ヒドロキシ安息香酸のような芳香
族のヒドロキシカルボン酸を共重合することも可能であ
る。ポリアリレートは溶融重合法や界面重合法で製造す
ることができる。溶融重合法では例えばアセチル化され
たビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸とを必要に応
じてルイス酸などの触媒の存在化に、高温・減圧下で重
合することによって得られる。しかしこの場合には得ら
れるポリマーが着色することが多い。界面重合法で製造
する場合、テレフタル酸および/またはイソフタル酸は
酸ハロゲン化物として水と非相溶の有機溶剤に溶解し、
ビスフェノール類はアルカリ水溶液に溶解し、2液を混
合攪拌することによりポリアリレートを製造することが
できる。界面重合法で製造すると着色の少ないポリマー
を得ることができる。
【0016】本発明で用いるポリアリレートの相対粘度
としては特に制限はないが、溶媒としてフェノール/テ
トラクロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度
25℃、濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で1.
5〜3.0であることが好ましい。相対粘度が1.5未
満である場合には樹脂組成物の機械的性能が低下するの
で好ましくない。逆にこれが3.0を超える場合には樹
脂組成物の成形性が急速に低下するので好ましくない。
【0017】本発明で用いられるポリアミドはアミノ
酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸から構成
されるアミド結合を有する重合体である。ポリアミドの
構成成分であるアミノ酸の例としては、6−アミノカプ
ロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸、パラアミノメチル安息香酸などが挙げられる。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラ
クタムなどが挙げられる。ジアミンの例としては、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメ
チルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミ
ン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビ
ス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)
ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが挙げられ
る。ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−
クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メ
チルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
【0018】本発明で用いられるアミドの例としては、
ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミ
ド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド
(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン
11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリト
リメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンT
MDT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイ
ロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタ
ルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカミド、(ナイロンPA
CM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロ
ヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPAC
M12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンM
XD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナ
イロン11T),ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテ
レフタルアミド(ナイロン11T(H))およびこれら
の共重合ポリアミド、混合ポリアミドなどが挙げられ、
中でもとくに好ましくはナイロン6、ナイロン46、ナ
イロン66およびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリ
アミドである。
【0019】ここで用いられるポリアミドは通常公知の
溶融重合法で製造される。ポリアミドの相対粘度として
は特に制限はないが、溶媒としてフェノール/テトラク
ロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度25
℃、濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で1.5〜
5.0であることが好ましい。相対粘度が1.5未満で
ある場合には樹脂組成物の機械的性能が低下するので好
ましくなく、5.0を超える場合には樹脂組成物の成形
性が急速に低下するので好ましくない。
【0020】本発明で用いられるポリアミドに含まれる
アミノ基の量は10〜100当量/106 gであるもの
が好ましい。ポリアミドに含まれるアミノ基は、溶融混
練により樹脂組成物を製造する際に、ポリアリレートあ
るいはイミド化共重合体と化学反応することが期待され
るので特定量存在することが好ましい。アミノ基が10
当量/106 g未満では満足な衝撃強度を有する樹脂組
成物が得られないことがあるので好ましくない。逆にこ
れが100当量/106 gを超える場合には溶融混練時
にゲルが発生する場合があるので好ましくない。アミノ
基は試料をm−クレゾールに溶解し、p−トルエンスル
ホン酸で常法により滴定することにより求められる。
【0021】本発明で用いられるイミド化共重合体は芳
香族ビニル単量体、マレイミド系単量体および不飽和ジ
カルボン酸またはその誘導体とからなるものである。イ
ミド化共重合体を構成する芳香族ビニル単量体の例とし
てはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
t−ブチルスチレン、ο−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジメチルスチレン、ハロゲン化スチレンなど
が挙げられ、なかでもスチレンがもっとも一般的でり、
また好ましい。イミド化共重合体を構成するマレイミド
系単量体の例としてはマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マ
レイミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)マレイミ
ド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−フェニルマレイミド、N−トリルマレイミ
ド、N−(p−メトキシフェニル)マレイミドなどが挙
げられる。イミド化共重合体を構成する不飽和ジカルボ
ン酸またはその誘導体の例としてはマレイン酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、エンドテトラヒドロフタル酸、お
よびこれらのハロゲン化物や無水物が挙げられ、なかで
も無水マレイン酸がもっとも一般的であり、また好まし
い。
【0022】本発明で用いられるイミド化共重合体を構
成する成分として、前記成分以外に必要に応じてその他
の共重合可能な単量体を用いることができる。このよう
な共重合可能な単量体の例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル
などのシアン化ビニル単量体、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチルなどのアクリル酸エステル単量体、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸
エステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸などのビニ
ルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリル酸
アミドなどのアクリル酸系アミド単量体などが挙げられ
る。
【0023】イミド化共重合体を構成する芳香族ビニル
単量体、マレイミド系単量体不飽和ジカルボン酸または
その誘導体、これらの各成分の共重合比は、芳香族ビニ
ル単量体が10〜90モル%であり、マレイミド系単量
体が10〜90モル%であり、不飽和ジカルボン酸また
はその誘導体が0.1〜50モル%である。
【0024】芳香族ビニル単量体が10モル%未満の場
合には、得られる樹脂組成物の機械的強度と耐熱性の低
下が認められ、逆に90モル%を超える場合には得られ
る樹脂組成物の靱性が低下する。マレイミド系単量体が
10モル%未満の場合には得られる樹脂組成物の耐熱性
が低下し、90モル%を超える場合には樹脂組成物の成
形性が低下する。不飽和ジカルボン酸またはその誘導体
が0.1モル%未満の場合には得られる樹脂組成物の靱
性が低下することがある。また、50モル%を超える場
合には樹脂組成物が溶融混練の過程でゲル化することが
ある。
【0025】本発明で用いるイミド化共重合体の製造方
法については特に制限はなく、公知の方法で製造するこ
とができる。例えば、芳香族ビニル単量体、マレイミド
系単量体および芳香族ジカルボン酸またはその誘導体を
必要によりラジカル発生剤の存在下、ラジカル共重合す
る方法がある。また、マレイミド系単量体の代わりに、
例えば、無水マレイン酸を用いラジカル共重合させてか
ら、得られた共重合体にアンモニアや第1アミンを反応
させてイミド化共重合体を製造する方法もある。本発明
で用いるイミド化共重合体はこれらの方法を含むその他
の方法によっても製造することができる。
【0026】本発明の樹脂組成物は(イ)成分のポリア
リレートと(ロ)成分のポリアミドと(ハ)成分のイミ
ド化共重合体を溶融混練することによって得られ、樹脂
組成物を構成する(イ)成分と(ロ)成分と(ハ)成分
との配合割合は(イ)成分が1〜79重量部であり、
(ロ)成分が20〜80重量部であり、(ハ)成分が1
〜79重量部である。(イ)成分が1重量部未満では樹
脂組成物の耐熱性が低下するばかりでなく、衝撃強度、
吸水時の機械的強度や寸法安定性が低下する。逆に
(イ)成分が79重量部を超える場合には樹脂組成物の
耐薬品性、成形性が低下するばかりでなく熱安定性や衝
撃強度が低下する。同じく(ロ)成分が20重量部未満
の場合には耐薬品性、成形性が低下するばかりでなく熱
安定性や衝撃強度が低下する。また(ロ)成分が80重
量部を超える場合には樹脂組成物の耐熱性が低下するば
かりでなく、衝撃強度、吸水時の機械的強度や寸法安定
性が低下する。また(ハ)成分が1重量部未満では樹脂
組成物の耐熱性が低下するばかりでなく、衝撃強度、吸
水時の機械的強度や寸法安定性が低下する。逆に(ハ)
成分が79重量部を超える場合には樹脂組成物の耐薬品
性、成形性が低下するばかりでなく熱安定性や衝撃強度
が低下する。
【0027】溶融混練する場合、一般的な押し出し機や
射出成形機などを用いて溶融混練することが可能であ
る。一般に、(イ)成分のポリアリレートと(ハ)成分
のイミド化共重合体が非晶性であり、(ロ)成分のポリ
アミドが結晶性である場合、溶融混練の温度は(イ)成
分と(ハ)成分のガラス転移温度よりも少なくとも50
℃高く、同時に(ロ)成分のポリアミドの融点よりも少
なくとも10℃高いことが好ましい。(イ)および
(ハ)成分だけでなく、(ロ)成分も非晶性の場合に
は、いずれのガラス転移温度よりも少なくとも50℃高
い温度で溶融混練することが好ましい。またいかなる場
合でも380℃以上の温度では樹脂組成物が分解するこ
とがあるので好ましくない。
【0028】本発明において溶融混練の前に各成分を十
分に乾燥して水分を除くことが大切である。また場合に
より押し出し機にベント口を設けて溶融混練時に同時に
脱水してもよい。水分率は樹脂組成物重量当たり、0.
5重量%以下に抑えて溶融混練することが好ましい。
0.5重量%を超える水分率で溶融混練を行った場合に
は樹脂組成物を構成するポリアリレートあるいはポリア
ミドの加水分解が著しく、満足な物性を有する樹脂組成
物を得ることが難しいので好ましくない。
【0029】本発明の樹脂組成物はその特性を大きく損
なわない限りにおいて顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐
候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、強化材などを添加して
もよい。熱安定剤や酸化防止剤としてはヒンダードフェ
ノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合
物、銅化合物あるいはこれらの混合体が挙げられ、特に
リン化合物が最も効果的である。リン化合物としては亜
リン酸、亜リン酸エステル、正リン酸、正リン酸エステ
ルなどが挙げられる。これら熱安定剤、酸化防止剤、耐
候剤などの添加剤は一般に溶融混練時に加えられる。強
化材としてはクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜
鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシ
ウム、ケイ酸カルシウム、アスベスト、アルミン酸ナト
リウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウ
ム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カ
ルシウム、硫酸バリウム、カリウム明バン、ナトリウム
明バン、鉄明バン、ガラスバルーン、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ほう酸、ほう砂、ほ
う酸亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊
維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸
カリ、チッカホウ素、マイカ、グラファイト、ガラス繊
維、炭素繊維などが、例として挙げられる。
【0030】さらに必要に応じて他の重合体を本発明の
樹脂組成物に配合することも可能である。かかる重合体
としてはポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ジエン、天然ゴム、塩素化ブチル
ゴム、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、ブタジエン−スチレンラジアルテレブロ
ック共重合体などのエラストマー、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
セタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェ
ノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタ
クリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
【0031】本発明の樹脂組成物は通常の成形加工方法
で目的の成形品とすることができる。例えば、射出成
形、押出し成形、吹き込み成形、焼結成形などの熱溶融
成形法が適用できる。あるいは有機溶媒溶液から流延法
により薄膜とすることもできる。
【0032】本発明の樹脂組成物は、従来のように低い
弾性率のオレフィン系重合体を配合しなくても、衝撃強
度が改良されている。また、ポリアリレート単独の場合
に比べ耐薬品性に優れており、ポリアミド単独の場合に
比べ吸水率が減少しており、薬品や水による機械的性質
や寸法の変化が少ない。
【0033】このように、本発明の樹脂組成物は耐熱
性、耐薬品性及び成形性の低下を伴うことなく、機械的
性質、特に耐衝撃性が改良されている。このような優れ
た特性を利用して、電気電子分野におけるスイッチやコ
ネクターなどの機構部品やハウジング類、自動車分野に
おけるアンダーボンネット部品や外装部品、外板部品あ
るいはリフレクターなどの光学部品など、あるいは機械
分野におけるギアやベアリングリテーナーなどに好適に
利用することができる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の参考例、実施例および比較例の評価に用いた測定
法及び試料はつぎの通りである。
【0035】1.曲げ強度および曲げ弾性率 射出成形で得た厚さ1/8インチの試験片を用い、AS
TM D790に基づいて曲げ強度及び曲げ弾性率の測
定を行った。
【0036】2.アイゾット衝撃試験 上記試験片を用いてアイゾット衝撃試験を行った。測定
はASTM D256に基づいて行った。
【0037】3.熱変形温度(HDT) 上記試験片を用いて熱変形温度(HDT)を測定した。
測定はASTM D648に基づいて行った。荷重は1
8.6kg/cm2 で行った。
【0038】4.スパイラル長さ 直径5mmの半円形断面を有するスパイラル金型を用
い、射出成形(三菱重工MST125/75型成形機使
用)によりスパイラル長さを測定した。成形機のシリン
ダー温度は表1の押出機のそれと同じにし、金型温度は
80℃とした。射出圧力は600kg/cm2 とした。
【0039】5.吸水率 前記厚さ1/8インチの試験片を用い、吸湿処理後の重
量変化から求めた。
【0040】6.寸法変化 厚さ2mm、幅50mmの正方形の試験片を用い、その
厚みと縦、横の寸法変化を測定し、その平均値を寸法変
化とした。
【0041】7.吸湿処理 前記厚さ1/8インチの試験片を60℃、95%RHの
条件で168時間処理を行い、処理後の性能測定に供し
た。
【0042】8.ポリアリレート 次の3種類のポリアリレートを代表例として実施例に用
いた。 (1)U−ポリマ−(ユニチカ製U−100、ビスフェ
ノールA/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、相対
粘度1.60、これをPAR−1で表す。) (2)参考例6のポリアリレート(PAR−2) (3)参考例7のポリアリレート(PAR−3)
【0043】9.ポリアミド 次の3種類のポリアミドを代表例として実施例に用い
た。 (1)ナイロン6(ユニチカ製、A1030BRL、相
対粘度2.6) (2)ナイロン66(ICI製、A125、相対粘度
2.76) (3)ナイロン46(ユニチカ製、F5000、相対粘
度2.80)
【0044】10.イミド化共重合体 後述する参考例1〜5で得た5種類のイミド化共重合体
を用いた。 イミド化共重合体1(参考例1) イミド化共重合体2(参考例2) イミド化共重合体3(参考例3) イミド化共重合体4(参考例4) イミド化共重合体5(参考例5)
【0045】参考例1 攪拌機を備えたオートクレーブにおいて、スチレン10
4重量部、無水マレイン酸98重量部を400重量部の
メチルエチルケトンに溶解し、温度を80℃に保った。
別にベンゾイルパーオキサイド0.3重量部をメチルエ
チルケトン50重量部に溶解し、この溶液を攪拌しつつ
8時間かけて連続的にオートクレーブに添加した。添加
後さらに3.5時間、80℃に保った。粘調な反応液の
一部をサンプリングして、ガスクロマトガラフィーによ
り未反応モノマーの定量を行い、重合率および重合体中
の無水マレイン酸の含有率を測定した。スチレンおよび
無水マレイン酸の重合率はともに99%であった。共重
合体中の無水マレイン酸成分の含有率は50モル%であ
った。
【0046】次いで重合液にアニリン112重量部(使
用無水マレイン酸の120モル%当量)、トリエチルア
ミン2重量部、酸化防止剤としてイルガノックス107
6(チバガイギー社製)1重量部を添加し、140℃に
昇温後、7時間反応せしめ、イミド化を行った。反応液
を100℃まで冷却しステンレス製のバットに反応溶液
をパージした。これを180℃で3時間真空乾燥して脱
溶媒後、粉砕処理を行い黄白色の共重合体の粉体を得
た。C−13NMR分析により酸無水物基のイミド基へ
の転化率は99.0%であった。この結果この共重合体
は無水マレイン酸成分が0.5モル%、スチレン成分が
50モル%、フェニルマレイミド成分が49.5モル%
からなることが分かる。これをイミド化共重合体1とす
る。
【0047】参考例2 参考例1において重合液に添加するアニリンの量を98
重量部(使用無水マレイン酸の105モル%当量)とし
た以外は、参考例1と同様にしてイミド化共重合体を得
た。イミド化率は96%であった。この結果この共重合
体は無水マレイン酸が2.0モル%、スチレンが50モ
ル%、フェニルマレイミドが48.0モル%からなるこ
とが分かる。これをイミド化共重合体2とする。
【0048】参考例3 参考例1において重合液に添加するアニリンの量を93
重量部(使用無水マレイン酸の100モル%当量)とし
た以外は、参考例1と同様にしてイミド化共重合体を得
た。イミド化率は94.5%であった。この結果この共
重合体は無水マレイン酸が2.75モル%、スチレンが
50モル%、フェニルマレイミドが47.25モル%か
らなることが分かる。これをイミド化共重合体3とす
る。
【0049】参考例4 参考例1において重合液にアニリンに代えてシクロヘキ
シルアミンを104重量部(使用無水マレイン酸の10
5モル%当量)とした以外は、参考例1と同様にしてイ
ミド化共重合体を得た。イミド化率は97%であった。
この結果この共重合体は成分である無水マレイン酸成分
が1.5モル%、スチレン成分が50モル%、フェニル
マレイミド成分が48.5モル%からなることが分か
る。これをイミド化共重合体4とする。
【0050】参考例5 参考例1において重合液に添加するアニリンの量を88
重量部(使用無水マレイン酸の95モル%当量)とした
以外は、参考例1と同様にしてイミド化共重合体を得
た。イミド化率は90.4%であった。この結果この共
重合体は無水マレイン酸が4.8モル%、スチレンが5
0モル%、フェニルマレイミドが45.2モル%からな
ることが分かる。これをイミド化共重合体5とする。
【0051】参考例6 攪拌装置を備えた反応容器中において、ビスフェノール
A3.0モルとビスフェノ−ルAP3.0モル、水酸化
ナトリウム790g、ハイドロサルファイトナトリウム
10gおよび相間移動触媒としてトリ−n−ブチルベン
ジルアンモニウムクロライド(TBBAC)11.2
g、また末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノ
ール0.12モルを全量が20リットルとなるように水
に溶解した(水相)。別にテレフタル酸クロライド(T
PC)3.0モルとイソフタル酸クロライド(IPC)
3.0モルを全量が10リットルとなるようにジクロロ
メタンに溶解した(有機相)。反応容器を20℃に保
ち、強攪拌下において水相に有機相をすみやかに添加し
た。窒素雰囲気下で4時間反応を行った後、酢酸を添加
し水相を中和して攪拌を停止した。反応溶液は水相とポ
リマーを含む粘凋な有機相とに速やかに分離した。水相
を取り除き、有機相を大量の水で洗浄した後、メタノー
ル中に投下してポリマーを単離した。単離したポリマー
をさらに80℃の熱水で洗浄した後、更に120℃で1
6時間真空乾燥を行った。得られたポリアリレート(P
AR−2)の相対粘度は1.68であった。
【0052】参考例7 ビスフェノールとしてビスフェノールAPを単独で用い
た以外は実施例1と同じ方法でポリアリレートを得た。
得られたポリアリレート(PAR−3)の相対粘度は
1.65であった。
【0053】実施例1〜12 表1および表2で示した配合の原料を100℃で16時
間真空乾燥した後、2軸押出機(池貝鉄鋼製、PCM4
5型2軸押出機)で溶融混練して押し出し、これを切断
して樹脂組成物のペレットとした。いずれも良好にペレ
ット化が可能であった。押出機のシリンダー温度は表1
および表2に掲げた。得られた樹脂組成物のペレットを
射出成形機(三菱重工製MST125/75型)で成形
し、各種試験片を得た。射出成形機のシリンダー温度は
表1および表2の押出機のそれと同じ温度とした。得ら
れた試験片を用いて各種性能評価を行った。その結果を
表1及び表2に掲げた。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】比較例1〜6 表3に掲げた配合比にする以外は実施例と同じにして樹
脂組成物を溶融押し出して、ペレットを得た。いずれも
良好にペレット化が可能であった。押出機のシリンダー
温度は表3に掲げた。得られた樹脂組成物のペレットを
用いて射出成形機(三菱重工製MST125/75型)
で成形し、各種試験片を得た。射出成形機のシリンダー
温度は表3の押出機のそれと同じ温度とした。得られた
試験片を用いて各種性能評価を行った。その結果を表3
に掲げた。なお、比較例3はPAR−1単独で、比較例
4はナイロン6単独で、比較例5はナイロン66単独
で、比較例6はナイロン46単独で同様にして各種性能
評価を行った。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明の樹脂組成物は耐熱性、耐薬品性、成形性の低下を伴
わないで機械的性質、特に耐衝撃性が改良されている。
したがって、本発明の樹脂組成物は電気電子分野、自動
車分野、機械分野などの幅広い分野で、また様々な環境
下で使用しうる耐久性に優れた部品の材料となりうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片平 新一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小笠 恵 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の三成分よりなる樹脂組成物。 (イ)成分:ポリアリレートが1〜79重量部。 (ロ)成分:ポリアミドが20〜80重量部。 (ハ)成分:芳香族ビニル単量体10〜90モル%、マ
    レイミド系単量体10〜90モル%および不飽和ジカル
    ボン酸またはその誘導体0.1〜50モル%とからなる
    イミド化共重合体が1〜79重量部。
JP35459391A 1991-12-18 1991-12-18 樹脂組成物 Pending JPH05170998A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279075A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱可塑性樹脂組成物
JP2010540746A (ja) * 2007-10-02 2010-12-24 エルジー・ケム・リミテッド 硬化組成物およびこれを用いて製造した硬化物
CN109535704A (zh) * 2017-09-22 2019-03-29 上海杰事杰新材料(集团)股份有限公司 一种尼龙复合材料及其制备方法

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