JPH0833979B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0833979B2
JPH0833979B2 JP63291992A JP29199288A JPH0833979B2 JP H0833979 B2 JPH0833979 B2 JP H0833979B2 JP 63291992 A JP63291992 A JP 63291992A JP 29199288 A JP29199288 A JP 29199288A JP H0833979 B2 JPH0833979 B2 JP H0833979B2
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章伸 小島
直也 長谷川
秀司 荒木
委久 寺田
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/187Structure or manufacture of the surface of the head in physical contact with, or immediately adjacent to the recording medium; Pole pieces; Gap features
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、ビデオテープデッキなどの磁気記録装置
に用いられる磁気ヘッドに関する。
「従来の技術」 この種の磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体の高密
度化に対応し得る磁気特性を有し、耐摩耗性あるいは成
形性などの機械的性質の面においても優れていることが
要求されている。そこでこれらの要求に答えることがで
きる構造の磁気ヘッドとして、従来からヘッド材料とし
て多用されているフェライトの表面に、フェライトより
も高い飽和磁束密度を有する軟磁性膜を形成した複合型
磁気ヘッド(通称MIGヘッド)が提供されるに至ってい
る。
この複合型磁気ヘッドは、一般に、フェライトからな
る一対の磁気コア半体がそれらの間に軟磁性膜とギャッ
プ部を介在させてガラスボンディングにより接合された
構造となっている。
「発明が解決しようとする課題」 前記構造の磁気ヘッドを製造する場合、一対の磁気コ
ア半体をガラスボンディングによって接合する必要があ
るので、磁気コア半体はガラスボンディング時に、通
常、520℃以上の高温に加熱されるものである。
ところが、磁気コア半体がこのような高温に加熱され
た場合、磁気コア半体と軟磁性膜との境界面で酸素の関
与する拡散反応が生じて境界部分の磁気特性が劣化する
問題がある。即ち、磁気コア半体を構成するフェライト
中の酸素原子が高温状態で軟磁性膜側に拡散し、フェラ
イト中の酸素原子が不足してフェライトの組成に変質を
来し、磁気特性が劣化するのである。また、このような
磁気特性に劣る部分が軟磁性膜に沿って形成された場
合、この部分が疑似ギャプを構成してしまう問題があ
り、疑似ギャップの形成によりノイズが増えるなど、磁
気ヘッドの性能が低下するおそれがある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもの
で、高温でガラスボンディングを行っても疑似ギャップ
が拡大することがなく、疑似ギャップに起因するノイズ
を低減できるとともに、より高温のガラスボンディング
材を使用することができてガラスの信頼性を向上し、更
に、軟磁性膜の耐環境性を向上させることができる構造
の磁気ヘッドを提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した発明は、前記課題を解決するため
に、ギャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性膜を形成
した一対の磁気コア半体を前記非晶質軟磁性膜とギャッ
プ部を介してガラスボンディングにより接合してなる磁
気ヘッドにおいて、前記非晶質軟磁性膜に、Ir,Pt,Auの
中から選択される少なくとも1種の元素を添加してな
り、前記非晶質軟磁性膜の組成を一般式CoXTaYHfZX
W(Xは添加元素を示す)で示した場合に、組成比Y,Z,W
を原子%で、4≦≦15、1≦≦14、1≦≦18、
(ただし、X+Y+Z+W=100)の範囲としたものである。
請求項2記載の発明は前記課題を解決するために、ギ
ャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性膜を形成した一
対の磁気コア半体を前記非晶質軟磁性膜とギャップ部を
介してガラスボンディングにより接合してなる磁気ヘッ
ドにおいて、前記非晶質軟磁性膜に、Pdを添加してな
り、前記非晶質軟磁性膜の組成を一般式CoXTaYHfZPdW
示した場合に、組成比Y,Z,Wを原子%で、4≦≦15、
1≦≦14、5≦≦18、(ただし、X+Y+Z+W=100)の
範囲としたものである。
請求項3記載の発明は前記課題を解決するめに、ギャ
ップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質主軟磁性膜を形成した一
対の磁気コア半体を前記非晶質主軟磁性膜とギャップ部
を介してガラスボンディングにより接合してなる磁気ヘ
ッドにおいて、前記磁気コア半体と非晶質主軟磁性膜と
の間に、Pd,Ir,Pt,Auの中から選択される少なくとも1
種の元素を添加してなるCo-Ta-Hf系の非晶質副軟磁性膜
を設けてなるものである。
請求項4記載の発明は前記課題を解決するために、ギ
ャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質主軟磁性膜を形成した
一対の磁気コア半体を前記非晶質主軟磁性膜とギャップ
部を介してガラスボンディングにより接合してなる磁気
ヘッドにおいて、前記磁気コア半体と非晶質主軟磁性膜
との間に、Pd,Ir,Pt,Auの中から選択される少なくとも
1種の元素を添加してなるCo-Ta-Hf系の非晶質副軟磁性
膜を設けてなり、前記非晶質副軟磁性膜の組成を一般式
CoXTaYHfZXW(Xは添加元素を示す)で示した場合に、
組成比Y,Z,Wを原子%で、4≦≦15、1≦≦14、18
≦35、(ただし、X+Y+Z+W=100)の範囲としたもの
である。
「作用」 非晶質軟磁性膜に含有させた元素の添加効果により、
ガラスボンディングの加熱時に、磁気コア半体側から軟
磁性膜側への酸素の拡散が抑制されて疑似ギャップの拡
大が阻止される。また、非晶質軟磁性膜に含有させた元
素の添加効果により非晶質軟磁性膜の化学的安定性が向
上し、磁気ヘッドの耐環境性が向上する。
非晶質主軟磁性膜と磁気コア半体との間に形成された
非晶質副軟磁性膜が、ガラスボンディングの加熱時に、
磁気コア半体側から非晶質主軟磁性膜側への酸素の拡散
を抑制して疑似ギャップの拡大を阻止する。また、非晶
質主軟磁性膜の磁気特性を低下させることなく疑似ギャ
ップの拡大が阻止されるので優れた電磁変換特性が維持
される。
更に、非晶質主磁性膜と磁気コア半体との間に形成す
る非晶質軟磁性膜を前記のように特別の組成とすると、
ガラスボンディング時の疑似ギャップの拡大が抑制され
るとともに、電磁変換特性を損なうことなく疑似ギャッ
プノイズが0.8dB以下に低下する。
「実施例1」 第1図と第2図は、請求項1と請求項2に記載した発
明の一実施例を示すもので、この例の磁気ヘッドAは、
Mn-Znフェライトなどの酸化物磁性体からなる磁気コア
半体1,2をギャップ部3を介して突き合わせて構成され
ている。これらの磁気コア半体1,2のギャップ部3側に
はCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性膜4が形成され、磁気コア
半体1,2は、各非晶質軟磁性膜4の間にSiO2などからな
るギャップスペーサ層を介在させてギャップ部3を形成
するとともに、この状態でギャップ部3を挾むように磁
気コア半体1,2に形成された溝5にガラスなどのボンデ
ィング材6を充填して接合されている。
前記構造の磁気ヘッドAにおいて、非晶質軟磁性膜4
は、CoxTayHfzXwなる組成を有するとともに、XはPd,I
r,Pt,Auのうち、1種または2種以上を示し、各成分元
素の組成比を原子%で4≦≦15、1≦≦14、1≦
≦18、ただしx+y+z+w=100の関係とすることが好まし
い。
ここで以下に前述の数値限定理由について説明する。
本発明の出願人はCo-Ta-Hf系の軟磁性材料について種
々の提案を行っているが、特開昭60−21504号公報にお
いては、Ta含有量を4〜10原子%、Hf含有量を1〜5原
子%に限定したCo-Ta-Hf系の軟磁性材料を提案してい
る。また、更に、特願昭63−68844号明細書に記載した
如く、Co含有量を81〜85原子%、Ta含有量を8〜13原
子、Hf含有量を5〜10原子%に限定し、(Ta含有量)/
(Hf含有量)の値を1〜2.5に限定した耐熱性非晶質合
金について提案している。しかもこの提案においては、
飽和磁束密度が6000Gを超えるような要求のもとに前記
範囲に限定している。
従って、前記2つの提案から導き出される数値限定範
囲と前記提案における飽和磁束密度の要求をフェライト
の5000G以上とする前述のように4≦≦15、1≦≦1
4なる範囲が好ましい。
前記非晶質軟磁性膜4の成分元素において、主成分の
Coは磁性元素であり、TaとHfは非晶質を形成するために
必要な元素(特願昭63−68844号明細書に記載したよう
にTaとHfの適当な比率により磁歪零を実現できるととも
に、耐熱性を向上させることができる。)であって、添
加元素XはCo-Ta-Hf系の非晶質膜の化学的安定性を向上
させるとともに、磁気コア半体1,2の構成材料である酸
化物磁性体との間での酸素を介在とする拡散反応を抑制
し、更に、耐環境性を向上させるたのものである。
また、Co-Ta-Hf系の軟磁性膜の耐熱性(結晶化温度に
より規制される耐熱性)は、Ta+Hfの濃度(および、T
a:Hfの比率)でほぼ決定される。即ち、一定レベルの耐
熱性を維持しつつXの濃度を増加させるには、XをCoと
置換してゆくことが必要であり、この場合、飽和磁束密
度(Bs)の低下が心配であるが、前記組成の軟磁性膜に
おいては、550℃という極めて高い耐熱性を要求しても
XとCoとの置換量に対して飽和磁束密度の低下は少な
い。このため、飽和磁束密度を5000G以上にするために
は組成比wを18原子%まで許容することができる。従っ
て前記のように組成比wの範囲を限定した。
前記非晶質軟磁性膜4を製造するには、高周波2極ス
パッタ法、直流スパッタ法、3極スパッタ法、イオンビ
ームスパッタ法など、各種のスパッタ法、あるいはその
他の薄膜形成法を適用することが可能であり、スパッタ
法を実施する場合に使用するターゲットはCo-Ta-Hf-X系
の合金ターゲット、あるいは、Co板上にTa,Hf,Xのペレ
ットを配した複合ターゲット、または、CoとTaとHfとX
の各元素のうち、1種以上を含有する合金ターゲットを
複数、CoとTaとHfとXが揃うように用いることができ
る。
前記構造の磁気ヘッドAを製造するには、例えば、溝
付きのMn−Znフェライト製の一対のコアブロックの上面
に前述の手段で非晶質軟磁性膜4を形成し、この後にSi
O2などのギャップスペーサ層を介在させて両コアブロッ
クをガラスボンディングにより接合し、コアブロックを
機械加工することにより製造することができる。
前記構造の磁気ヘッドAは、高温でガラスボンディン
グを行っても疑似ギャップ部分が拡大しないので、中〜
高融点のボンディング材6を使用することができ、この
場合にガラスボンディング材の信頼性が向上するので磁
気ヘッドの信頼性が向上する。また、非晶質軟磁性膜4
には、Pd,Ir,Pt,Auの各元素のうち、1種以上が添加さ
れて化学的安定性が向上しているので、変色や腐食に対
する耐性が向上している。更に、Co-Ta-Hf系の非晶質軟
磁性膜4の磁気特性を低下させない程度にX元素を含有
させるならば、磁気特性に優れた上に疑似ギャップの改
善ができるために、優れた記録再生特性の磁気ヘッドを
提供することができる。
「製造例1」 Co-Ta-Hf合金ターゲット上にPtのペレットを配置した
複合ターゲットとCo-Ta-Hf合金ターゲット上にAuのペレ
ットを配置した複合ターゲットをそれぞれ用いて、各基
材上に高周波2極スパッタ法によりCo73.2Ta9.9Hf4.7Pt
12.2なる組成の非晶質軟磁性膜あるいはCo81.6Ta11.0Hf
5.7Au1.7なる組成の非晶質軟磁性膜を製造した。これら
の非晶質軟磁性膜について、回転磁界中において480℃
で1時間加熱する熱処理を行った後の各軟磁性膜の実効
透磁率の周波数特性カーブを求め、第3図に示した。
第3図から明らかなようにPtの添加量を10原子%以上
の大きな値とした場合と、Auの添加量を1.7原子%と少
なくした場合のいずれの場合でも優れた軟磁気特性を発
揮することが明らかとなった。
一方、先に行ったスパッタ法と同等のスパッタ法を実
施してCo84.4-ATa10.2Hf5.4XAなる組成を有し、元素X
としてAuとPdとPtとIrを選択し、の値を種々の値に変
更して複数の軟磁性膜を作成し、各軟磁性膜の飽和磁束
密度を測定した。また、前記組成の軟磁性膜において、
CoをTaとHfに置換してゆく場合の飽和磁束密度の変化を
測定した。以上の結果を併せて第4図に示す。
第4図から明らかなように、元素XとCoとの置換に対
しては、飽和磁束密度の低下割合は緩やかであるが、Hf
とTaの置換に関しては飽和磁束密度の低下量は大きい。
従って元素Xは15原子%を超える量まで添加しても飽和
磁束密度の低下が少ないことが明らかである。なお、飽
和磁束密度をフェライトの5000Gと同等以上にしようと
するならば、各元素の添加による飽和磁束密度の低下分
を考慮しても18原子%までは添加可能である。
更に、Co75.2Ta10.5Hf5.9Pt8.4なる組成の軟磁性膜を
Mn-Znフェライト製の溝付きの一対のコアブロック上に
形成し、SiO2製ギャップスペーサ層を介して一対のコア
ブロックを接合し、550℃でガラスボンディングにより
溶着し、次いで機械加工を行って第1図に示す構造の磁
気ヘッドを形成した。
この磁気ヘッドの再生出力の周波数特性を第5図に示
すとともに、第6図に従来公知のCo-Ta-Hf系の軟磁性膜
を用いた磁気ヘッドの周波数特性を示す。第5図と第6
図に示す曲線において、カーブのうねりの振幅は疑似ギ
ャップによるノイズを示す。
第5図と第6図に示す結果から、従来の磁気ヘッドに
おいては、疑似ギャップノイズが5〜8dBであるのに対
して、請求項1に記載した発明の磁気ヘッドにおいては
1.5dB以内と極めて小さくなっていることが明らかにな
った。
「実施例2」 ここで以下に、請求項3に記載した発明について説明
する。
第7図と第8図は、請求項3に記載した発明の一実施
例を示すもので、この例の磁気ヘッドBは、Mn-Znフェ
ライトなどの酸化物磁性体からなる磁気コア半体11,12
をギャップ部13を介して付き合わせて構成されている。
これらの磁気コア半体11,12のギャップ部13側には非晶
質副軟磁性膜10と非晶質主軟磁性膜14が順次形成され、
磁気コア半体11,12は、各非晶質主軟磁性膜14の間にSiO
2などからなるギャップスペーサ層を介在させてギャッ
プ部13を形成するとともに、この状態でギャップ部13を
挟むように磁気コア半体11,12に形成された溝15にガラ
スなどのボンディング材16を充填して接合されている。
前記非晶質副軟磁性膜10と非晶質主軟磁性膜14を形成
するには、ターゲットを2種類以上装着可能なスパッタ
装置(同一真空槽内に複数のターゲットを有するもの、
あるいは、ロードロック方式でスパッタ室を2室以上有
する装置など)により真空状態を破ることなく非晶質副
軟磁性膜10と非晶質主軟磁性膜14を連続的に成膜して形
成することが好ましい。なお、スパッタ方式は、請求項
1に記載した発明の例で説明した場合と同様に公知の種
々の方式のものを適用することができる。
更に、非晶質副軟磁性膜10に添加するX元素の量が多
いほど疑似ギャップの拡大抑制効果は大きいが、X元素
の濃度が高くなり過ぎると飽和磁束密度の低下等の磁気
特性劣化が無視できなくなるために、磁気ヘッドの電磁
変換特性に影響を及ぼさない程度にX元素を含有し、し
かも、磁気ヘッドの電磁変換特性に影響を及ぼさない程
度の厚さの非晶質副軟磁性膜10を形成することが必要で
ある。従って非晶質副軟磁性膜10の組成は請求項1に記
載した発明の例で説明した場合と同等にすることが好ま
しく、非晶質副軟磁性膜10の厚さは、100〜10000Åの範
囲とすることが好ましい。従ってこの範囲を超えないよ
うに非晶質副軟磁性膜を多層化しても差し支えない。
また、X元素を種々変更した非晶質副軟磁性膜を100
〜1000Åの厚さまで多層積層し、その上に非晶質主軟磁
性膜を形成しても差し支えない。前記非晶質主軟磁性膜
10の厚さが1000Åを超えると非晶質主軟磁性膜14の磁気
特性に影響を及ぼすので好ましくなく、100Åより小さ
い場合は酸素元素の拡散抑制効果が不十分になるので好
ましくない。
以上のような構造の磁気ヘッドBにおいても請求項1
に記載した磁気ヘッドAと同等の効果を得ることができ
る。また、前記磁気ヘッドBにおいては、非晶質主軟磁
性膜14の磁気特性を損なうことなく疑似ギャップの拡大
を阻止できるので、優れた電磁変換特性を維持した磁気
ヘッドを得ることができる。
「製造例2」 請求項1の発明の実施例で行った磁気ヘッドの製造方
法と同様にMn−Znフェライト製のコアブロックを用いる
方法を実施するとともに、コアブロック上に、Co68.8Ta
9.9Hf5.1Pt12.2Pd4.0なる組成の厚さ200Åの非晶質副軟
磁性膜を高周波2極スパッタ法により成膜し、同一真空
槽内でターゲットを換えて厚さ4μmのCo-Ta-Hf系の非
晶質主軟磁性膜を成膜し、ギャップ部の形成と機械的加
工を行った後に550℃でガラスボンディングを行って磁
気ヘッドを製造した。
この磁気ヘッドの再生出力の周波数特性を第9図に示
すとともに、第10図に前記非晶質主軟磁性膜と同等の組
成のCo-Ta-Hf系の非晶質主軟磁性膜を用いた磁気ヘッド
の再生出力の周波数特性を示す。
第9図と第10図に示す結果から、従来の磁気ヘッドの
疑似ギャップノイズは5〜8dBであったのに比較して請
求項3に記載した発明の一例の磁気ヘッドのノイズは1d
B以内であり、大幅にノイズを低減できたことが明らか
となった。なお、(ピーク周波数での)磁気記録特性に
おいては両磁気ヘッドとも同等であった。
「実施例3」 次に請求項4に記載した発明について説明する。
第11図は、請求項4に記載した発明の一実施例を示す
もので、この例の磁気ヘッドCは、第7図と第8図に示
した磁気ヘッドBと同様な磁気コア半体11,12とギャッ
プ部13を具備してなり、磁気コア半体11,12のギャップ
部13側には非晶質主軟磁性膜20と非晶質副軟磁性膜24が
形成されている。また、磁気コア半体11,12との接合状
態も先に説明した磁気ヘッドBと同等にガラスボンディ
ングされた状態となっている。
この例で用いる非晶質副軟磁性膜24は100Å〜700Åの
厚さに形成することが好ましく、CoxTayHfzXwなる組成
において各組成比は、4≦≦15,1≦≦14,18≦≦3
5の範囲とする。これに対し、請求項1の発明において
は、550℃以上の耐熱性を有し、Bs≧5000Gを満たす目的
で非晶質軟磁性膜り各組成比を4≦≦15,1≦≦14,1
≦18の範囲としている。この例において、組成比w
を18≦≦35の範囲に限定した理由は、非晶質主軟磁性
膜20と非晶質副軟磁性膜24の積層構造とした場合、非晶
質副軟磁性膜24の厚さを前記範囲に限定するならば、Bs
が5000G以下でも磁気ヘッドとして支障がないことを後
述する製造例の実験から明らかにしたためである。そし
て、組成比wが35を超える値では、軟磁気特性が低下し
て非晶質副軟磁性膜24が疑似ギャップとして作用するお
それがあるので好ましくない。また、非晶質副軟磁性膜
24の厚さを100Åより小さくすると磁気コア半体12から
の酸素の拡散を抑制できないので好ましくなく、700Å
より厚く形成すると、非晶質副軟磁性膜24が疑似ギャッ
プとして作用するおそれが生じるので好ましくない。
以上のような構造の磁気ヘッドCにおいては請求項2
に記載した磁気ヘッドBと同等以上の効果を得ることが
できる。また、前記磁気ヘッドCにおいては、非晶質主
軟磁性膜20の磁気特性を損なうことなく疑似ギャップの
拡大を阻止できるので、優れた電磁変換特性を維持した
磁気ヘッドを得ることができる。その上この例の構造の
磁気ヘッドCにおいては、疑似ギャップノイズを0.8dB
以下に低減することができる。
「製造例3」 Co−Ta−Hf合金ターゲット上にPtのペレットを配置し
た複合ターゲットを用い、高周波2極スパッタ装置を用
いて下記に示す如き組成の厚さ5〜6μmの膜を形成
し、得られた膜の透磁率(μ)と飽和磁束密度(Bs)を
測定した。
その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなようにPtを18原子%よりも多く含
有する膜は、Ptを18原子%よりも少なく含有する膜に比
較して5MHzにおける透磁率は劣るものの、MIGヘッドな
どの複合型磁気ヘッドに用いられる基本材料であるフェ
ライトの透磁率μが300〜600であることに比較して同一
のレベルであるので疑似ギャップとして作用するおそれ
はないことが判明した。
第12図は、Co84.4-wTa10.2Hf5.4Ptwなる組成であっ
て、PtをCoと置換して添加した膜のPt濃度(原子%)と
飽和磁束密度(Bs)の関係を示すものである。
第12図から明らかなように、Ptの添加によるBsの低下
割合はゆるやかであり、30原子%もの多量のPt添加でも
1700Gを示すことが判明した。
一方、請求項1の発明の製造例で行った磁気ヘッドの
製造方法と同様にMn−Znフェライト製のコアブロックを
用いる方法を実施するとともに、コアブロック上に、Co
63.4Ta10.4Hf5.2Pt21.0なる組成の厚さ500Åの非晶質副
軟磁性膜を高周波2極スパッタ法により成膜し、同一真
空槽内でターゲットを換えてその上に厚さ4μmのCo-T
a-Hf系の非晶質主軟磁性膜を成膜し、ギャップ部の形成
と機械加工を行った後に550℃でガラスボンディングを
行って磁気ヘッドを製造した。
この磁気ヘッドの再生出力の周波数特性を第13図に示
すとともに、第14図に前記非晶質主軟磁性膜と同等の組
成のCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性膜のみを形成して製造し
た比較例の磁気ヘッドの再生出力の周波数特性を示す。
第13図と第14図に示す結果から、比較例の磁気ヘッド
の疑似ギャップノイズ(カーブのうねりの振幅)は5〜
8dBであったのに比較してこの例の磁気ヘッドのノイズ
は0.5dB程度であり、大幅にノイズを低減できたことが
明らかとなった。
「発明の効果」 以上説明したように請求項1と請求項2に記載した発
明によれば、非晶質軟磁性膜にPd,Ir,Pt,Auのうち、1
種以上を添加してなるために、これらの元素の添加効果
により、ガラスボンディング時に高温に加熱して磁気コ
ア半体をボンディングした場合であっても、磁気コア半
体側から軟磁性膜側への酸素の拡散が抑制されるので、
疑似ギャップの拡大が阻止され、記録再生特性に優れた
磁気ヘッドを得ることができる。また、ガラスボンディ
ング時の熱による悪影響を取り除かれるので、従来より
高い温度でガラスボンディングすることができるように
なる。従って磁気特性を損なうことなく中〜高融点のガ
ラスボンディング材を使用することができるようにな
り、ガラスボンディング材の信頼性が向上する効果があ
る。更に、非晶質軟磁性膜に含有させた元素の添加効果
により非晶質軟磁性膜の化学的安定性が向上し、変色や
腐食が起こり難くなるために磁気ヘッドの耐環境性が向
上する。
一方、請求項3に記載した発明によれば、非晶質主軟
磁性膜と磁気コア半体との間に、請求項1または請求項
2に記載した軟磁性膜と同等の組成の非晶質副軟磁性膜
を形成したので、ガラスボンディングによる加熱時に、
磁気コア半体側から軟磁性膜側への酸素の拡散を抑制し
て疑似ギャップの拡大を阻止することができ、記録再生
特性の優れた磁気ヘッドを得ることができる。また、ガ
ラスボンディング時の熱による悪影響を取り除かれるの
で、従来より高い温度でガラスボンディングすることが
できるようになる。従って磁気特性を損なうことなく中
〜高融点のガラスボンディング材を使用することができ
るようになり、ガラスボンディング材の信頼性が向上す
る効果がある。更に、非晶質主軟磁性膜の磁気特性を低
下させることなく疑似ギャップの拡大が阻止されるので
優れた電磁変換特性を維持した磁気ヘッドを得ることが
できる。
また、請求項4に記載した発明によれば、請求項3の
発明で得られる効果に加え、電磁変換特性を損なうこと
なく疑似ギャップノイズを更に大幅に低減することがで
き、0.8dB以下の疑似ギャップノイズを実現できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は、請求項1、2に記載した発明の一実
施例を示すもので、第1図は磁気ヘッドの要部拡大図、
第2図は磁気ヘッドの斜視図、第3図は請求項1に記載
した発明に用いる非晶質軟磁性膜の透磁率を示す線図、
第4図は請求項1、2に記載した発明に用いる非晶質軟
磁性膜の飽和磁束密度を示す線図、第5図は請求項1、
2に記載した発明の一実施例の再生出力を示す線図、第
6図は従来の磁気ヘッドの再生出力を示す線図、第7図
と第8図は、請求項3に記載した発明の一実施例を示す
もので、第7図は磁気ヘッドの要部拡大図、第8図は磁
気ヘッドの斜視図、第9図は請求項3に記載した発明の
一実施例の再生出力を示す線図、第10図は従来の磁気ヘ
ッドの再生出力を示す線図、第11図は請求項4に記載し
た発明の一実施例の磁気ヘッドを示す平面図、第12図は
Pt濃度の変化によるCo-Ta-Hf-Pt膜の飽和磁束密度の変
化を示す線図、第13図は請求項4に記載した発明の一実
施例の再生出力を示す線図、第14図は比較例の再生出力
を示す線図である。 A…磁気ヘッド、1,2…磁気コア半体、3…ギャップ
部、4…非晶質軟磁性膜、6…ボンディング材、B…磁
気ヘッド、10…非晶質副軟磁性膜、11,12…磁気コア半
体、13…ギャップ部、14…非晶質主軟磁性膜、16…ボン
ディング材、C……磁気ヘッド、20……非晶質主軟磁性
膜、24……非晶質副軟磁性膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 委久 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−20429(JP,A) 特開 平1−205504(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ギャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性
    膜を形成した一対の磁気コア半体を前記非晶質軟磁性膜
    とギャップ部を介してガラスボンディングにより接合し
    てなる磁気ヘッドにおいて、 前記非晶質軟磁性膜に、Ir,Pt,Auの中から選択される少
    なくとも1種の元素を添加してなり、前記非晶質軟磁性
    膜の組成を一般式 CoXTaYHfZXW(Xは添加元素を示す)で示した場合に、
    組成比Y,Z,Wを原子%で 4≦≦15 1≦≦14 1≦≦18 (ただし、X+Y+Z+W=100)の範囲としたことを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】ギャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質軟磁性
    膜を形成した一対の磁気コア半体を前記非晶質軟磁性膜
    とギャップ部を介してガラスボンディングにより接合し
    てなる磁気ヘッドにおいて、 前記非晶質軟磁性膜に、Pdを添加してなり、前記非晶質
    軟磁性膜の組成を一般式 CoXTaYHfZPdWで示した場合に、組成比Y,Z,Wを原子%で 4≦≦15 1≦≦14 5≦≦18 (ただし、X+Y+Z+W=100)の範囲としたことを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】ギャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質主軟磁
    性膜を形成した一対の磁気コア半体を前記非晶質主軟磁
    性膜とギャップ部を介してガラスボンディングにより接
    合してなる磁気ヘッドにおいて、 前記磁気コア半体と非晶質主軟磁性膜との間に、Pd,Ir,
    Pt,Auの中から選択される少なくとも1種の元素を添加
    してなるCo-Ta-Hf系の非晶質副軟磁性膜を設けてなるこ
    とを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】ギャップ部側にCo-Ta-Hf系の非晶質主軟磁
    性膜を形成した一対の磁気コア半体を前記非晶質主軟磁
    性膜とギャップ部を介してガラスボンディングにより接
    合してなる磁気ヘッドにおいて、 前記磁気コア半体と非晶質主軟磁性膜との間に、Pd,Ir,
    Pt,Auの中から選択される少なくとも1種の元素を添加
    してなるCo-Ta-Hf系の非晶質副軟磁性膜を設けてなり、 前記非晶質副軟磁性膜の組成を一般式 CoXTaYHfZXW(Xは添加元素を示す)で示した場合に、
    組成比Y,Z,Wを原子%で 4≦≦15 1≦≦14 18≦≦35 (ただし、X+Y+Z+W=100)の範囲としたことを特徴とす
    る磁気ヘッド。
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