JPH08337567A - スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法 - Google Patents
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法Info
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- JPH08337567A JPH08337567A JP17141495A JP17141495A JPH08337567A JP H08337567 A JPH08337567 A JP H08337567A JP 17141495 A JP17141495 A JP 17141495A JP 17141495 A JP17141495 A JP 17141495A JP H08337567 A JPH08337567 A JP H08337567A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】マレイン酸、フマル酸またはそれらの誘導体
に、水の存在下においてスルホン化剤を反応するスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
において、スルホン化反応を0.5〜100kgf/cm2の
加圧下、80〜200℃で行い、得られたスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重
量部当たり無機酸塩または有機酸塩0.01〜20重量
部を添加し、加熱により無機酸塩または有機酸塩を溶解
したのち、冷却して析出物を除去することを特徴とする
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製
造方法。 【効果】本発明方法によれば、短時間で高い反応率が得
られ、かつ加水分解生成物であるアルコールの生成が極
めて少なく、亜硫酸ガスなどの発生を抑えることができ
る。また、無機酸塩または有機酸塩を添加して精製する
ことにより、処理時間を短縮し、高純度のスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩を得ることができ
る。
に、水の存在下においてスルホン化剤を反応するスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
において、スルホン化反応を0.5〜100kgf/cm2の
加圧下、80〜200℃で行い、得られたスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重
量部当たり無機酸塩または有機酸塩0.01〜20重量
部を添加し、加熱により無機酸塩または有機酸塩を溶解
したのち、冷却して析出物を除去することを特徴とする
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製
造方法。 【効果】本発明方法によれば、短時間で高い反応率が得
られ、かつ加水分解生成物であるアルコールの生成が極
めて少なく、亜硫酸ガスなどの発生を抑えることができ
る。また、無機酸塩または有機酸塩を添加して精製する
ことにより、処理時間を短縮し、高純度のスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩を得ることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルホコハク酸エステ
ル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、マレイン酸、フマル酸またはそ
れらの誘導体にスルホン化剤を反応し、短時間に高反応
率でスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩
を得、さらに反応生成物を効率よく精製することができ
るスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の
製造方法に関する。
ル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、マレイン酸、フマル酸またはそ
れらの誘導体にスルホン化剤を反応し、短時間に高反応
率でスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩
を得、さらに反応生成物を効率よく精製することができ
るスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイン酸エステルまたはフマル酸エス
テルに、亜硫酸塩を付加するスルホン化反応は公知の反
応である。このスルホン化反応を用いて得られるスルホ
コハク酸エステル塩は界面活性剤として、浸透剤、洗浄
剤成分などをはじめとして広く使用されている。スルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
については、米国特許第2628091号公報、特公昭
49−46291号公報、特開昭58−203960号
公報、小田良平、寺村一広共著「界面活性剤・合成編
1」171〜178頁(槇書店、昭和42年)、チェコ
スロバキア特許第194620号公報などに開示されて
いるように、反応条件としては、マレイン酸エステルま
たはフマル酸エステルに、スルホン化剤である亜硫酸塩
および水、または必要に応じて有機溶剤、界面活性剤な
どを加え、60〜100℃の温度で、5〜10時間不活
性ガスを吹き込みながら一般に常圧で反応される。ま
た、特開昭54−25286号公報には、マレイン酸エ
ステルまたはフマル酸エステルの加水分解防止のため
に、特定のpH条件下で、反応温度80℃以下で反応する
方法が開示されている。しかしながら、上記の従来の製
造方法では、第一にスルホン化の反応率が低く、そして
反応率が低いことより原料エステルおよびスルホン化剤
が残存したり、原料エステルの加水分解反応が起こり、
アルコールが生成するなどの純度が低下する問題、第二
に反応時間が長いことによるコストアップの問題、第三
に未反応のスルホン化剤の亜硫酸塩から亜硫酸ガスなど
の有毒物質が発生するという問題がある。第一の純度低
下の問題を改善する手段として、反応時間を長くする方
法、スルホン化剤である亜硫酸塩類を原料エステルに対
して過剰に用いる方法、などが行われている。しかし、
反応時間を長くする方法は、反応率をやや改善するが十
分ではなく、また逆に分解反応によるアルコールの生成
が多くなる問題があり、更に反応時間の延長は経済的に
も好ましくない。また、亜硫酸塩類を原料エステルに対
して過剰に用いる方法は、反応率が改善されるが十分で
なく、得られるスルホコハク酸エステル塩中に過剰の亜
硫酸塩に起因する無機物が存在すること、更に分解反応
によるアルコールの生成は防ぐことができないなどの問
題がある。第二の反応時間を短くする手段としても、ス
ルホン化剤である亜硫酸塩類を原料エステルに対して過
剰に用いる方法などがとられるが、前述のように反応率
の改善が十分でなく、無機物が存在し、アルコールの生
成は防ぐことができないなどの問題がある。第三の有毒
物質の取り扱いの手段として、アルカリトラップ、スク
ラバーなどの回収装置を設置する方法があるが、コスト
アップの要因になること、また製造設備が煩雑になるこ
となどの問題がある。上記のごとく、これまで知られて
いるいずれの方法も、スルホコハク酸エステル塩または
スルホコハク酸塩の製造に関する問題を解決するには至
っていない。また、スルホコハク酸エステル塩またはス
ルホコハク酸塩の製造に関して、特に高い純度を必要と
する分野に対しては、生成反応後、別工程で精製を行う
必要があり、種々の工業的手段で精製が行われている。
例えば、吸着膜および吸着剤による処理、凝集剤を添加
する方法、反応生成液または溶剤などで希釈した溶液
を、遠心分離、静置、デカンテーションおよびろ過操作
を行い、場合によりろ過助剤を用いる方法などが行われ
ている。しかし、これらの精製方法では、無機成分が非
常に微小であるために精製効果が低いことおよび精製工
程に時間がかかるために経済的に問題がある。以上のよ
うに、スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸
塩の製造においては、分解生成物および未反応物が少な
く、かつ有毒な亜硫酸ガスの発生が少ない、経済的な製
造方法が求められており、純度の高いスルホコハク酸エ
ステル塩またはスルホコハク酸塩を製造する際には、効
率的な無機物の除去方法が求められている。
テルに、亜硫酸塩を付加するスルホン化反応は公知の反
応である。このスルホン化反応を用いて得られるスルホ
コハク酸エステル塩は界面活性剤として、浸透剤、洗浄
剤成分などをはじめとして広く使用されている。スルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
については、米国特許第2628091号公報、特公昭
49−46291号公報、特開昭58−203960号
公報、小田良平、寺村一広共著「界面活性剤・合成編
1」171〜178頁(槇書店、昭和42年)、チェコ
スロバキア特許第194620号公報などに開示されて
いるように、反応条件としては、マレイン酸エステルま
たはフマル酸エステルに、スルホン化剤である亜硫酸塩
および水、または必要に応じて有機溶剤、界面活性剤な
どを加え、60〜100℃の温度で、5〜10時間不活
性ガスを吹き込みながら一般に常圧で反応される。ま
た、特開昭54−25286号公報には、マレイン酸エ
ステルまたはフマル酸エステルの加水分解防止のため
に、特定のpH条件下で、反応温度80℃以下で反応する
方法が開示されている。しかしながら、上記の従来の製
造方法では、第一にスルホン化の反応率が低く、そして
反応率が低いことより原料エステルおよびスルホン化剤
が残存したり、原料エステルの加水分解反応が起こり、
アルコールが生成するなどの純度が低下する問題、第二
に反応時間が長いことによるコストアップの問題、第三
に未反応のスルホン化剤の亜硫酸塩から亜硫酸ガスなど
の有毒物質が発生するという問題がある。第一の純度低
下の問題を改善する手段として、反応時間を長くする方
法、スルホン化剤である亜硫酸塩類を原料エステルに対
して過剰に用いる方法、などが行われている。しかし、
反応時間を長くする方法は、反応率をやや改善するが十
分ではなく、また逆に分解反応によるアルコールの生成
が多くなる問題があり、更に反応時間の延長は経済的に
も好ましくない。また、亜硫酸塩類を原料エステルに対
して過剰に用いる方法は、反応率が改善されるが十分で
なく、得られるスルホコハク酸エステル塩中に過剰の亜
硫酸塩に起因する無機物が存在すること、更に分解反応
によるアルコールの生成は防ぐことができないなどの問
題がある。第二の反応時間を短くする手段としても、ス
ルホン化剤である亜硫酸塩類を原料エステルに対して過
剰に用いる方法などがとられるが、前述のように反応率
の改善が十分でなく、無機物が存在し、アルコールの生
成は防ぐことができないなどの問題がある。第三の有毒
物質の取り扱いの手段として、アルカリトラップ、スク
ラバーなどの回収装置を設置する方法があるが、コスト
アップの要因になること、また製造設備が煩雑になるこ
となどの問題がある。上記のごとく、これまで知られて
いるいずれの方法も、スルホコハク酸エステル塩または
スルホコハク酸塩の製造に関する問題を解決するには至
っていない。また、スルホコハク酸エステル塩またはス
ルホコハク酸塩の製造に関して、特に高い純度を必要と
する分野に対しては、生成反応後、別工程で精製を行う
必要があり、種々の工業的手段で精製が行われている。
例えば、吸着膜および吸着剤による処理、凝集剤を添加
する方法、反応生成液または溶剤などで希釈した溶液
を、遠心分離、静置、デカンテーションおよびろ過操作
を行い、場合によりろ過助剤を用いる方法などが行われ
ている。しかし、これらの精製方法では、無機成分が非
常に微小であるために精製効果が低いことおよび精製工
程に時間がかかるために経済的に問題がある。以上のよ
うに、スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸
塩の製造においては、分解生成物および未反応物が少な
く、かつ有毒な亜硫酸ガスの発生が少ない、経済的な製
造方法が求められており、純度の高いスルホコハク酸エ
ステル塩またはスルホコハク酸塩を製造する際には、効
率的な無機物の除去方法が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、分解生成物
の少ないスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク
酸塩の製造方法、および効率的な精製方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
の少ないスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク
酸塩の製造方法、および効率的な精製方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、不飽和二
塩基酸化合物へのスルホン化剤の付加反応によるスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
について検討を行なった結果、特定の加圧条件下および
温度条件下で反応を行うことにより分解生成物が減少す
ること、および、精製時に無機酸塩または有機酸塩を添
加することにより不純物の無機分を効果的に除去し得る
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)マレイン酸若し
くはシトラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しく
は無水物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくは
それらのエステル若しくは塩に、水の存在下においてス
ルホン化剤を反応するスルホコハク酸エステル塩または
スルホコハク酸塩の製造方法において、スルホン化反応
を0.5〜100kgf/cm2の加圧条件下、80〜200
℃で行うことを特徴とするスルホコハク酸エステル塩ま
たはスルホコハク酸塩の製造方法、(2)加圧条件が、
1.0〜50kgf/cm2である第(1)項記載のスルホコハ
ク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、
(3)マレイン酸若しくはシトラコン酸若しくはそれら
のエステル、塩若しくは無水物、またはフマル酸若しく
はメサコン酸若しくはそれらのエステル若しくは塩に、
水の存在下においてスルホン化剤を反応して得られたス
ルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶
液100重量部当たり、無機酸塩または有機酸塩0.0
1〜20重量部を添加し、加熱により無機酸塩または有
機酸塩を溶解したのち、冷却して析出物を除去すること
を特徴とするスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、及び、(4)マレイン酸若しくは
シトラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しくは無
水物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくはそれ
らのエステル若しくは塩に、水の存在下においてスルホ
ン化剤を反応するスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の製造方法において、スルホン化反応を
0.5〜100kgf/cm2の加圧条件下、80〜200℃
で行い、得られたスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の水溶液100重量部当たり無機酸塩また
は有機酸塩0.01〜20重量部を添加し、加熱により
無機酸塩または有機酸塩を溶解したのち、冷却して析出
物を除去することを特徴とするスルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、(5)
スルホン化反応の反応温度が85〜150℃である第
(1)項、第(2)項または第(4)項記載のスルホコハク酸
エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、(6)
スルホン化反応を不活性ガス雰囲気下で行う第(1)項、
第(2)項、第(4)項または第(5)項記載のスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、
(7)スルホン化反応を、さらに有機溶剤を添加して行
う第(1)項、第(2)項、第(4)項、第(5)項または第
(6)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、(8)スルホン化剤が、亜硫酸水
素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウムまたはメタ重亜硫酸カリウムである第(1)項、第
(2)項、第(3)項、第(4)項、第(5)項、第(6)項また
は第(7)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の製造方法、(9)無機酸塩の構造が、硫
酸、チオ硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭酸のアルカリ金
属塩およびアルカリ土類金属塩であり、また有機酸塩の
構造が炭素数3から10の多価カルボン酸のアルカリ金
属塩およびアルカリ土類金属塩である第(3)項または第
(4)項記載のスルホコハク酸エステルまたはスルホコハ
ク酸塩の製造方法、(10)無機酸塩が、硫酸アルミニ
ウムカリウムである第(3)項、第(4)項または第(9)項
記載のスルホコハク酸エステル塩およびスルホコハク酸
塩の製造方法、および、(11)有機酸塩が、スルホコ
ハク酸ナトリウムである第(3)項、第(4)項または第
(9)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、を挙げることができる。
塩基酸化合物へのスルホン化剤の付加反応によるスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法
について検討を行なった結果、特定の加圧条件下および
温度条件下で反応を行うことにより分解生成物が減少す
ること、および、精製時に無機酸塩または有機酸塩を添
加することにより不純物の無機分を効果的に除去し得る
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)マレイン酸若し
くはシトラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しく
は無水物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくは
それらのエステル若しくは塩に、水の存在下においてス
ルホン化剤を反応するスルホコハク酸エステル塩または
スルホコハク酸塩の製造方法において、スルホン化反応
を0.5〜100kgf/cm2の加圧条件下、80〜200
℃で行うことを特徴とするスルホコハク酸エステル塩ま
たはスルホコハク酸塩の製造方法、(2)加圧条件が、
1.0〜50kgf/cm2である第(1)項記載のスルホコハ
ク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、
(3)マレイン酸若しくはシトラコン酸若しくはそれら
のエステル、塩若しくは無水物、またはフマル酸若しく
はメサコン酸若しくはそれらのエステル若しくは塩に、
水の存在下においてスルホン化剤を反応して得られたス
ルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶
液100重量部当たり、無機酸塩または有機酸塩0.0
1〜20重量部を添加し、加熱により無機酸塩または有
機酸塩を溶解したのち、冷却して析出物を除去すること
を特徴とするスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、及び、(4)マレイン酸若しくは
シトラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しくは無
水物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくはそれ
らのエステル若しくは塩に、水の存在下においてスルホ
ン化剤を反応するスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の製造方法において、スルホン化反応を
0.5〜100kgf/cm2の加圧条件下、80〜200℃
で行い、得られたスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の水溶液100重量部当たり無機酸塩また
は有機酸塩0.01〜20重量部を添加し、加熱により
無機酸塩または有機酸塩を溶解したのち、冷却して析出
物を除去することを特徴とするスルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、(5)
スルホン化反応の反応温度が85〜150℃である第
(1)項、第(2)項または第(4)項記載のスルホコハク酸
エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、(6)
スルホン化反応を不活性ガス雰囲気下で行う第(1)項、
第(2)項、第(4)項または第(5)項記載のスルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法、
(7)スルホン化反応を、さらに有機溶剤を添加して行
う第(1)項、第(2)項、第(4)項、第(5)項または第
(6)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、(8)スルホン化剤が、亜硫酸水
素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウムまたはメタ重亜硫酸カリウムである第(1)項、第
(2)項、第(3)項、第(4)項、第(5)項、第(6)項また
は第(7)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスル
ホコハク酸塩の製造方法、(9)無機酸塩の構造が、硫
酸、チオ硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭酸のアルカリ金
属塩およびアルカリ土類金属塩であり、また有機酸塩の
構造が炭素数3から10の多価カルボン酸のアルカリ金
属塩およびアルカリ土類金属塩である第(3)項または第
(4)項記載のスルホコハク酸エステルまたはスルホコハ
ク酸塩の製造方法、(10)無機酸塩が、硫酸アルミニ
ウムカリウムである第(3)項、第(4)項または第(9)項
記載のスルホコハク酸エステル塩およびスルホコハク酸
塩の製造方法、および、(11)有機酸塩が、スルホコ
ハク酸ナトリウムである第(3)項、第(4)項または第
(9)項記載のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコ
ハク酸塩の製造方法、を挙げることができる。
【0005】本発明においては、マレイン酸若しくはシ
トラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しくは無水
物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくはそれら
のエステル若しくは塩に水の存在下にスルホン化剤を反
応する。本発明に用いるマレイン酸、シトラコン酸、そ
れらのエステルおよび塩は、下記一般式[1]で表され
る化合物である。
トラコン酸若しくはそれらのエステル、塩若しくは無水
物、またはフマル酸若しくはメサコン酸若しくはそれら
のエステル若しくは塩に水の存在下にスルホン化剤を反
応する。本発明に用いるマレイン酸、シトラコン酸、そ
れらのエステルおよび塩は、下記一般式[1]で表され
る化合物である。
【化1】 (ただし、式中、R1およびR2は、水素原子、炭素数1
〜22の炭化水素基、一価に相当する金属原子または無
置換若しくは有機基置換アンモニウム基であり、それら
はたがいに同一でも異なっていてもよく、R3は水素原
子またはメチル基である。) 本発明に用いるマレイン酸およびシトラコン酸の無水物
は、下記一般式[2]で表される化合物である。
〜22の炭化水素基、一価に相当する金属原子または無
置換若しくは有機基置換アンモニウム基であり、それら
はたがいに同一でも異なっていてもよく、R3は水素原
子またはメチル基である。) 本発明に用いるマレイン酸およびシトラコン酸の無水物
は、下記一般式[2]で表される化合物である。
【化2】 (ただし、式中、R3は水素原子またはメチル基であ
る。) 本発明に用いるフマル酸、メサコン酸、それらのエステ
ルおよび塩は、下記一般式[3]で表される化合物であ
る。
る。) 本発明に用いるフマル酸、メサコン酸、それらのエステ
ルおよび塩は、下記一般式[3]で表される化合物であ
る。
【化3】 (ただし、式中、R1およびR2は、水素原子、炭素数1
〜22の炭化水素基、一価に相当する金属原子または無
置換若しくは有機基置換アンモニウム基であり、それら
はたがいに同一でも異なっていてもよく、R3は水素原
子またはメチル基である。)
〜22の炭化水素基、一価に相当する金属原子または無
置換若しくは有機基置換アンモニウム基であり、それら
はたがいに同一でも異なっていてもよく、R3は水素原
子またはメチル基である。)
【0006】本発明においては、上記のマレイン酸、シ
トラコン酸、フマル酸、メサコン酸、およびそれらの誘
導体のほか、イタコン酸などの不飽和二塩基酸およびそ
れらの誘導体を使用することができる。これらの酸およ
びその誘導体は、1種を単独で使用することができ、あ
るいは、2種以上を混合して使用することができる。こ
れらの中で、マレイン酸およびフマル酸のモノエステル
およびジエステルを特に好適に使用することができる。
本発明に用いる一般式[1]または[3]により表され
るエステルは、公知のエステル化反応により製造するこ
とができる。例えば、無水マレイン酸およびアルコール
を有機溶剤の存在下または非存在下に、60〜200℃
で、必要によってはパラトルエンスルホン酸などの酸触
媒を用いて、生成する水を除去しながら反応することに
よりマレイン酸エステルを得ることができる。また、フ
マル酸エステルを得るには、フマル酸とアルコールの脱
水縮合により製造し、あるいは、マレイン酸エステルを
合成した後、異性化触媒、例えば、トリエチルアミンな
どの存在下に異性化することにより製造することができ
る。得られたエステル化反応の生成物は、未精製のまま
スルホン化することができ、あるいは、蒸留、水洗など
により精製を行った後スルホン化することができる。本
発明において、一般式[1]および[3]における炭素
数1〜22の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜
22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭
素数6〜22のアリール基、炭素数7〜22のアリール
アルキル基、(AO)nで示されるオキシアルキレン基ま
たはポリオキシアルキレン基(Aは炭素数2から4のア
ルキレン基を示し、nは1から30の整数を示す。)な
どを挙げることができる。アルキル基およびアルケニル
基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、
また、アリール基およびアリールアルキル基は、芳香環
上に適当な置換基、例えば、アルキル基やアルケニル基
などが1個以上導入されていてもよい。炭素数1〜22
のアルキル基などとしては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、
ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などを、炭素数2〜22
のアルケニル基などとしては、例えば、ビニル基、アリ
ル基、メタリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテ
ニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テト
ラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、リノレイル
基、ベヘニル基などを、炭素数6〜22のアリール基と
しては、例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチル
フェニル基などの各種アルキルまたはアルケニルフェニ
ル基、各種アルキルまたはアルケニルナフチル基など
を、炭素数7〜22のアリールアルキル基としては、例
えば、ベンジル基、フェネチル基、各種アルキルまたは
アルケニルベンジル基、各種アルキルまたはアルケニル
フェネチル基などを、(AO)nで示されるオキシアルキ
レン基またはポリオキシアルキレン基としては、例え
ば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブ
チレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレ
ン基、ポリオキシブチレン基などを挙げることができ
る。
トラコン酸、フマル酸、メサコン酸、およびそれらの誘
導体のほか、イタコン酸などの不飽和二塩基酸およびそ
れらの誘導体を使用することができる。これらの酸およ
びその誘導体は、1種を単独で使用することができ、あ
るいは、2種以上を混合して使用することができる。こ
れらの中で、マレイン酸およびフマル酸のモノエステル
およびジエステルを特に好適に使用することができる。
本発明に用いる一般式[1]または[3]により表され
るエステルは、公知のエステル化反応により製造するこ
とができる。例えば、無水マレイン酸およびアルコール
を有機溶剤の存在下または非存在下に、60〜200℃
で、必要によってはパラトルエンスルホン酸などの酸触
媒を用いて、生成する水を除去しながら反応することに
よりマレイン酸エステルを得ることができる。また、フ
マル酸エステルを得るには、フマル酸とアルコールの脱
水縮合により製造し、あるいは、マレイン酸エステルを
合成した後、異性化触媒、例えば、トリエチルアミンな
どの存在下に異性化することにより製造することができ
る。得られたエステル化反応の生成物は、未精製のまま
スルホン化することができ、あるいは、蒸留、水洗など
により精製を行った後スルホン化することができる。本
発明において、一般式[1]および[3]における炭素
数1〜22の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜
22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭
素数6〜22のアリール基、炭素数7〜22のアリール
アルキル基、(AO)nで示されるオキシアルキレン基ま
たはポリオキシアルキレン基(Aは炭素数2から4のア
ルキレン基を示し、nは1から30の整数を示す。)な
どを挙げることができる。アルキル基およびアルケニル
基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、
また、アリール基およびアリールアルキル基は、芳香環
上に適当な置換基、例えば、アルキル基やアルケニル基
などが1個以上導入されていてもよい。炭素数1〜22
のアルキル基などとしては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、
ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などを、炭素数2〜22
のアルケニル基などとしては、例えば、ビニル基、アリ
ル基、メタリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテ
ニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テト
ラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、リノレイル
基、ベヘニル基などを、炭素数6〜22のアリール基と
しては、例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチル
フェニル基などの各種アルキルまたはアルケニルフェニ
ル基、各種アルキルまたはアルケニルナフチル基など
を、炭素数7〜22のアリールアルキル基としては、例
えば、ベンジル基、フェネチル基、各種アルキルまたは
アルケニルベンジル基、各種アルキルまたはアルケニル
フェネチル基などを、(AO)nで示されるオキシアルキ
レン基またはポリオキシアルキレン基としては、例え
ば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブ
チレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレ
ン基、ポリオキシブチレン基などを挙げることができ
る。
【0007】本発明において、一般式[1]および
[3]における金属原子としては、例えば、リチウム、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜
鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、錫、カドミウム、バ
リウムなどを挙げることができる。一般式[1]および
[3]の金属原子に関して、一価に相当する金属原子と
は、金属原子をその価数で除した仮想的な金属原子をい
い、例えば、金属原子が、カルシウム、マグネシウムな
どの二価の金属である場合は、Ca1/2、Mg1/2などと
仮想的に表され、実際は二価の金属原子1個がR1およ
びR2に相当する。金属原子が、ナトリウム、カリウム
などの一価の金属である場合は、1個の金属原子が一価
に相当する金属原子である。本発明において、一般式
[1]および[3]において、無置換若しくは有機基置
換アンモニウム基はNH4基、有機基が1個置換したア
ンモニウム基、有機基が2個置換アンモニウム基または
有機基が3個置換したアンモニウム基である。有機基置
換アンモニウム基の有機基としては、炭素数1〜30の
脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数2〜30
のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。また有機基
が2個以上置換している場合は、複数の有機基はたがい
に同一であってもよく、異なっていてもよく、さらにた
がいに結合して環構造を形成していてもよい。このよう
な有機基置換アンモニウム基を形成する有機アミンとし
ては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルア
ミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチル
アミン、ジオクタデシルアミン、メチルドデシルアミ
ン、ブチルオクチルアミン、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミンなどの
脂肪族アミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミ
ンなどの脂肪族ポリアミン類、アニリン、メチルアニリ
ン、エチルアニリン、ドデシルアニリン、メチルベンジ
ルアミンなどの芳香族アミン類、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アミノアルコール類、ピリジン、モルホリン、ピロリジ
ン、ピペリジンなどの複素環式アミン類などを挙げるこ
とができる。
[3]における金属原子としては、例えば、リチウム、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜
鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、錫、カドミウム、バ
リウムなどを挙げることができる。一般式[1]および
[3]の金属原子に関して、一価に相当する金属原子と
は、金属原子をその価数で除した仮想的な金属原子をい
い、例えば、金属原子が、カルシウム、マグネシウムな
どの二価の金属である場合は、Ca1/2、Mg1/2などと
仮想的に表され、実際は二価の金属原子1個がR1およ
びR2に相当する。金属原子が、ナトリウム、カリウム
などの一価の金属である場合は、1個の金属原子が一価
に相当する金属原子である。本発明において、一般式
[1]および[3]において、無置換若しくは有機基置
換アンモニウム基はNH4基、有機基が1個置換したア
ンモニウム基、有機基が2個置換アンモニウム基または
有機基が3個置換したアンモニウム基である。有機基置
換アンモニウム基の有機基としては、炭素数1〜30の
脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数2〜30
のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。また有機基
が2個以上置換している場合は、複数の有機基はたがい
に同一であってもよく、異なっていてもよく、さらにた
がいに結合して環構造を形成していてもよい。このよう
な有機基置換アンモニウム基を形成する有機アミンとし
ては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルア
ミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチル
アミン、ジオクタデシルアミン、メチルドデシルアミ
ン、ブチルオクチルアミン、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミンなどの
脂肪族アミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミ
ンなどの脂肪族ポリアミン類、アニリン、メチルアニリ
ン、エチルアニリン、ドデシルアニリン、メチルベンジ
ルアミンなどの芳香族アミン類、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アミノアルコール類、ピリジン、モルホリン、ピロリジ
ン、ピペリジンなどの複素環式アミン類などを挙げるこ
とができる。
【0008】本発明において、スルホン化反応に用いる
スルホン化剤は、一般式[1]、[2]または[3]で
表される化合物の二重結合に付加してスルホン化を行い
得るものであれば、特に制限なく使用することができ
る。このようなスルホン化剤としては、例えば、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カル
シウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸水素アンモニ
ウムなどの亜硫酸水素塩類、メタ重亜硫酸ナトリウム、
メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カルシウム、メタ
重亜硫酸アンモニウムなどのメタ重亜硫酸塩類、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫
酸アンモニウムなどの亜硫酸塩類、その他亜硫酸ガス、
硫酸、クロロスルホン酸などを使用することができる。
これらのスルホン化剤は、1種を単独で使用することが
でき、2種以上を混合して使用することができる。これ
らのスルホン化剤の中で、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫
酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびメタ重
亜硫酸カリウムを特に好適に使用することができる。本
発明においては、一般式[1]、[2]または[3]で
表される化合物とスルホン化剤を水の存在下に、0.5
〜100kgf/cm2の加圧条件下、好ましくは1.0〜5
0kgf/cm2の加圧条件下で反応してスルホン化を行う。
ここに示す圧力はゲージ圧力であり、解放系における大
気圧は0kgf/cm2として表示されるものである。加圧条
件が0.5kgf/cm2未満であると、反応速度が遅くなっ
て反応時間が長くなり、エステルを原料とするときは加
水分解によってアルコールが生成するおそれがある。加
圧条件が100kgf/cm2を超えると、圧力条件の維持、
制御に大規模な設備が必要であり、スルホン化収率は圧
力の上昇に見合っては向上しないので、経済性に欠ける
おそれがある。本発明において、反応を加圧条件下で行
う方法には特に制限はなく、従来公知の方法を使用する
ことができる。例えば、不活性ガスを反応装置内に導入
して加圧する方法、または、低温若しくは常温で原料を
仕込み、反応装置を密閉後、反応温度を使用する水また
は有機溶剤の沸点以上とすることにより加圧する方法な
どがあげられる。本発明において、加圧条件として示さ
れる圧力は、反応温度条件下における反応容器のゲージ
圧である。
スルホン化剤は、一般式[1]、[2]または[3]で
表される化合物の二重結合に付加してスルホン化を行い
得るものであれば、特に制限なく使用することができ
る。このようなスルホン化剤としては、例えば、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カル
シウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸水素アンモニ
ウムなどの亜硫酸水素塩類、メタ重亜硫酸ナトリウム、
メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カルシウム、メタ
重亜硫酸アンモニウムなどのメタ重亜硫酸塩類、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫
酸アンモニウムなどの亜硫酸塩類、その他亜硫酸ガス、
硫酸、クロロスルホン酸などを使用することができる。
これらのスルホン化剤は、1種を単独で使用することが
でき、2種以上を混合して使用することができる。これ
らのスルホン化剤の中で、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫
酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびメタ重
亜硫酸カリウムを特に好適に使用することができる。本
発明においては、一般式[1]、[2]または[3]で
表される化合物とスルホン化剤を水の存在下に、0.5
〜100kgf/cm2の加圧条件下、好ましくは1.0〜5
0kgf/cm2の加圧条件下で反応してスルホン化を行う。
ここに示す圧力はゲージ圧力であり、解放系における大
気圧は0kgf/cm2として表示されるものである。加圧条
件が0.5kgf/cm2未満であると、反応速度が遅くなっ
て反応時間が長くなり、エステルを原料とするときは加
水分解によってアルコールが生成するおそれがある。加
圧条件が100kgf/cm2を超えると、圧力条件の維持、
制御に大規模な設備が必要であり、スルホン化収率は圧
力の上昇に見合っては向上しないので、経済性に欠ける
おそれがある。本発明において、反応を加圧条件下で行
う方法には特に制限はなく、従来公知の方法を使用する
ことができる。例えば、不活性ガスを反応装置内に導入
して加圧する方法、または、低温若しくは常温で原料を
仕込み、反応装置を密閉後、反応温度を使用する水また
は有機溶剤の沸点以上とすることにより加圧する方法な
どがあげられる。本発明において、加圧条件として示さ
れる圧力は、反応温度条件下における反応容器のゲージ
圧である。
【0009】本発明においては、一般式[1]、[2]
または[3]で表される化合物とスルホン化剤を、水の
存在下で80〜200℃、好ましくは85〜150℃で
反応してスルホン化を行う。反応温度が80℃未満であ
ると、反応速度が遅く反応時間が長くなり、また反応が
完結しないおそれがある。反応温度が200℃を超える
と、エステルを原料とするときは加水分解反応によるア
ルコールの生成が増加し、また、副反応が起こって生成
物の純度が低下するおそれがある。本発明に使用する反
応装置には特に制限はなく、耐圧型または密閉型の従来
公知の反応装置を使用することができる。このような反
応装置としては、例えば、撹拌機、温度計、圧力計、温
度制御装置などが装備された耐圧型化学反応装置などを
挙げることができる。本発明においては、スルホン化反
応に際して、反応容器内の原料および空間を十分に不活
性ガスで置換し、溶存酸素を除去した後反応することが
好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、二酸化
炭素などの不活性ガス、ヘリウム、アルゴン、キセノン
などの周期律表第0族の元素のガス、液化天然ガス、プ
ロパン、ブタンなどの液化炭化水素ガスなどを挙げるこ
とができる。これらの不活性ガスの中で、窒素を特に好
適に使用することができる。本発明においては、一般式
[1]、[2]または[3]で表される化合物とスルホ
ン化剤の水の存在下の反応に際して、さらに有機溶剤を
添加して反応を行うことができる。使用する有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン類、エチレングリコールジメチルエーテルな
どのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル類などを挙げることができる。有機溶剤の添加によっ
て、作業性が改善される。本発明の態様を例示すると、
例えば、一般式[1]、[2]または[3]で表される
化合物、スルホン化剤、水、必要に応じて有機溶剤を、
耐圧式のオートクレーブ反応器に仕込んだ後、撹拌して
溶解し、不活性ガス、例えば、窒素を用いて十分に置換
を行なう。次に、反応器を密閉し、不活性ガスを反応容
器内に導入して圧力を0.5kgf/cm2以上の加圧状態に
した後、撹拌しながら80〜200℃の所定の温度に昇
温して反応を行い、スルホコハク酸エステル塩またはス
ルホコハク酸塩の水溶液を得る。あるいは、低温または
常温で反応容器に原料を仕込み、反応容器を密閉後、8
0〜200℃の所定の温度に昇温し、水または有機溶剤
の沸点以上にすることにより、0.5kgf/cm2以上の加
圧条件にして反応を行い、スルホコハク酸エステル塩ま
たはスルホコハク酸塩の水溶液を得る。
または[3]で表される化合物とスルホン化剤を、水の
存在下で80〜200℃、好ましくは85〜150℃で
反応してスルホン化を行う。反応温度が80℃未満であ
ると、反応速度が遅く反応時間が長くなり、また反応が
完結しないおそれがある。反応温度が200℃を超える
と、エステルを原料とするときは加水分解反応によるア
ルコールの生成が増加し、また、副反応が起こって生成
物の純度が低下するおそれがある。本発明に使用する反
応装置には特に制限はなく、耐圧型または密閉型の従来
公知の反応装置を使用することができる。このような反
応装置としては、例えば、撹拌機、温度計、圧力計、温
度制御装置などが装備された耐圧型化学反応装置などを
挙げることができる。本発明においては、スルホン化反
応に際して、反応容器内の原料および空間を十分に不活
性ガスで置換し、溶存酸素を除去した後反応することが
好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、二酸化
炭素などの不活性ガス、ヘリウム、アルゴン、キセノン
などの周期律表第0族の元素のガス、液化天然ガス、プ
ロパン、ブタンなどの液化炭化水素ガスなどを挙げるこ
とができる。これらの不活性ガスの中で、窒素を特に好
適に使用することができる。本発明においては、一般式
[1]、[2]または[3]で表される化合物とスルホ
ン化剤の水の存在下の反応に際して、さらに有機溶剤を
添加して反応を行うことができる。使用する有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン類、エチレングリコールジメチルエーテルな
どのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル類などを挙げることができる。有機溶剤の添加によっ
て、作業性が改善される。本発明の態様を例示すると、
例えば、一般式[1]、[2]または[3]で表される
化合物、スルホン化剤、水、必要に応じて有機溶剤を、
耐圧式のオートクレーブ反応器に仕込んだ後、撹拌して
溶解し、不活性ガス、例えば、窒素を用いて十分に置換
を行なう。次に、反応器を密閉し、不活性ガスを反応容
器内に導入して圧力を0.5kgf/cm2以上の加圧状態に
した後、撹拌しながら80〜200℃の所定の温度に昇
温して反応を行い、スルホコハク酸エステル塩またはス
ルホコハク酸塩の水溶液を得る。あるいは、低温または
常温で反応容器に原料を仕込み、反応容器を密閉後、8
0〜200℃の所定の温度に昇温し、水または有機溶剤
の沸点以上にすることにより、0.5kgf/cm2以上の加
圧条件にして反応を行い、スルホコハク酸エステル塩ま
たはスルホコハク酸塩の水溶液を得る。
【0010】本発明においては、スルホコハク酸エステ
ル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液に無機酸塩または
有機酸塩を加え加温して溶解する。無機酸塩または有機
酸塩は、あらかじめ熱水に溶解して添加することが好ま
しい。無機酸塩または有機酸塩の水への溶解温度は、5
0〜100℃であることが好ましく、60〜90℃であ
ることがより好ましい。また、スルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の水溶液は、無機酸塩または
有機酸塩の添加に先だってあらかじめ加温しておくこと
が好ましい。無機酸塩または有機酸塩を添加したスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液は
加温により均一な溶液とした後、冷却して析出物を分離
する。添加した無機酸塩または有機酸塩の存在により、
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩中に
不純物として存在する微小な無機物の結晶の成長が促進
され、粒径が大きくなるために分離除去が容易になると
考えられる。本発明においては、スルホコハク酸エステ
ル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重量部当た
り、無機酸塩または有機酸塩0.01〜20重量部、好
ましくは0.05〜7重量部を添加する。無機酸塩また
は有機酸塩の添加量が、スルホコハク酸エステル塩また
はスルホコハク酸塩の水溶液100重量部当たり0.0
1重量部未満であると、不純物の無機物の除去が十分で
なく、さらに精製に要する時間が長くなるおそれがあ
る。無機酸塩または有機酸塩の添加量が、スルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重
量部当たり20重量部を超えると、無機酸塩または有機
酸塩の添加量の増加分の、無機物の除去効率および精製
時間の短縮への寄与が小さくなるおそれがある。
ル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液に無機酸塩または
有機酸塩を加え加温して溶解する。無機酸塩または有機
酸塩は、あらかじめ熱水に溶解して添加することが好ま
しい。無機酸塩または有機酸塩の水への溶解温度は、5
0〜100℃であることが好ましく、60〜90℃であ
ることがより好ましい。また、スルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の水溶液は、無機酸塩または
有機酸塩の添加に先だってあらかじめ加温しておくこと
が好ましい。無機酸塩または有機酸塩を添加したスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液は
加温により均一な溶液とした後、冷却して析出物を分離
する。添加した無機酸塩または有機酸塩の存在により、
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩中に
不純物として存在する微小な無機物の結晶の成長が促進
され、粒径が大きくなるために分離除去が容易になると
考えられる。本発明においては、スルホコハク酸エステ
ル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重量部当た
り、無機酸塩または有機酸塩0.01〜20重量部、好
ましくは0.05〜7重量部を添加する。無機酸塩また
は有機酸塩の添加量が、スルホコハク酸エステル塩また
はスルホコハク酸塩の水溶液100重量部当たり0.0
1重量部未満であると、不純物の無機物の除去が十分で
なく、さらに精製に要する時間が長くなるおそれがあ
る。無機酸塩または有機酸塩の添加量が、スルホコハク
酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液100重
量部当たり20重量部を超えると、無機酸塩または有機
酸塩の添加量の増加分の、無機物の除去効率および精製
時間の短縮への寄与が小さくなるおそれがある。
【0011】本発明において、スルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の精製の際に添加する無機酸
塩としては、硫酸、チオ硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭
酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、
具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムカリウム
12水、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウムなど
の硫酸塩類、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウムなどの硝酸塩類、塩化カリウ
ム、塩化カルシウムなどの塩酸塩類、炭酸ナトリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムな
どのリン酸塩類などを挙げることができる。この上記化
合物の内、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸カリウム、硝酸ナトリウムなどを好ましく
挙げることができ、更に硫酸アルミニウムカリウムを特
に好ましく挙げることができる。更に、スルホコハク酸
エステル塩またはスルホコハク酸塩を製造する際に添加
する有機酸塩としては、炭素数3から10の多価カルボ
ン酸塩である。具体的には、スルホコハク酸、マレイン
酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのアルカリ金属
塩およびアルカリ土類金属塩である。例えば、マレイン
酸ナトリウム、マレイン酸カリウム、マレイン酸カルシ
ウムなどのマレイン酸塩類、コハク酸ナトリウム、コハ
ク酸カリウム、コハク酸カルシウムなどのコハク酸塩
類、スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸カリウ
ムなどのスルホコハク酸塩類、フマル酸ナトリウム、フ
マル酸カリウム、フマル酸カルシウムなどのフマル酸塩
類、イタコン酸ナトリウム、イタコン酸カリウム、イタ
コン酸カルシウムなどのイタコン酸塩類、メサコン酸ナ
トリウム、メサコン酸カリウム、メサコン酸カルシウム
などのメサコン酸塩類、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸
カリウム、リンゴ酸カルシウムなどのリンゴ酸塩類、マ
ロン酸ナトリウム、マロン酸カリウム、マロン酸カルシ
ウムなどのマロン酸塩類、酒石酸ナトリウム、酒石酸カ
ルシウムなどの酒石酸塩類、グルコン酸ナトリウムなど
のグルコン酸塩類、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリ
ウム、シュウ酸カルシウムなどのシュウ酸塩類、アジピ
ン酸ナトリウム、アジピン酸カリウム、アジピン酸カル
シウムなどのアジピン酸塩類、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸カリウム、クエン酸カルシウムなどのクエン酸塩
類、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸
カルシウムなどのフタル酸塩類などが挙げられる。この
上記化合物の内、スルホコハク酸ナトリウム、マレイン
酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウ
ム、マロン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸
カルシウムを好ましく挙げることができる。更に好まし
くは、スルホコハク酸ナトリウムを特に挙げることがで
きる。本発明においては、一般式[1]、[2]または
[3]で表される化合物とスルホン化剤を水の存在下で
反応することによって得られるスルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の水溶液に無機酸塩または有
機酸塩を添加し、加熱溶解したのち再び冷却して無機酸
塩または有機酸塩を析出せしめることにより、スルホコ
ハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液中の
不純物である無機物を除去する。この精製方法は、一般
式[1]、[2]または[3]で表される化合物とスル
ホン化剤を加圧条件下でスルホン化反応することによっ
て得られるスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハ
ク酸塩の水溶液に対し、特に好適に使用することができ
る。
塩またはスルホコハク酸塩の精製の際に添加する無機酸
塩としては、硫酸、チオ硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭
酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、
具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムカリウム
12水、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウムなど
の硫酸塩類、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウムなどの硝酸塩類、塩化カリウ
ム、塩化カルシウムなどの塩酸塩類、炭酸ナトリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムな
どのリン酸塩類などを挙げることができる。この上記化
合物の内、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸カリウム、硝酸ナトリウムなどを好ましく
挙げることができ、更に硫酸アルミニウムカリウムを特
に好ましく挙げることができる。更に、スルホコハク酸
エステル塩またはスルホコハク酸塩を製造する際に添加
する有機酸塩としては、炭素数3から10の多価カルボ
ン酸塩である。具体的には、スルホコハク酸、マレイン
酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのアルカリ金属
塩およびアルカリ土類金属塩である。例えば、マレイン
酸ナトリウム、マレイン酸カリウム、マレイン酸カルシ
ウムなどのマレイン酸塩類、コハク酸ナトリウム、コハ
ク酸カリウム、コハク酸カルシウムなどのコハク酸塩
類、スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸カリウ
ムなどのスルホコハク酸塩類、フマル酸ナトリウム、フ
マル酸カリウム、フマル酸カルシウムなどのフマル酸塩
類、イタコン酸ナトリウム、イタコン酸カリウム、イタ
コン酸カルシウムなどのイタコン酸塩類、メサコン酸ナ
トリウム、メサコン酸カリウム、メサコン酸カルシウム
などのメサコン酸塩類、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸
カリウム、リンゴ酸カルシウムなどのリンゴ酸塩類、マ
ロン酸ナトリウム、マロン酸カリウム、マロン酸カルシ
ウムなどのマロン酸塩類、酒石酸ナトリウム、酒石酸カ
ルシウムなどの酒石酸塩類、グルコン酸ナトリウムなど
のグルコン酸塩類、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリ
ウム、シュウ酸カルシウムなどのシュウ酸塩類、アジピ
ン酸ナトリウム、アジピン酸カリウム、アジピン酸カル
シウムなどのアジピン酸塩類、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸カリウム、クエン酸カルシウムなどのクエン酸塩
類、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸
カルシウムなどのフタル酸塩類などが挙げられる。この
上記化合物の内、スルホコハク酸ナトリウム、マレイン
酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウ
ム、マロン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸
カルシウムを好ましく挙げることができる。更に好まし
くは、スルホコハク酸ナトリウムを特に挙げることがで
きる。本発明においては、一般式[1]、[2]または
[3]で表される化合物とスルホン化剤を水の存在下で
反応することによって得られるスルホコハク酸エステル
塩またはスルホコハク酸塩の水溶液に無機酸塩または有
機酸塩を添加し、加熱溶解したのち再び冷却して無機酸
塩または有機酸塩を析出せしめることにより、スルホコ
ハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液中の
不純物である無機物を除去する。この精製方法は、一般
式[1]、[2]または[3]で表される化合物とスル
ホン化剤を加圧条件下でスルホン化反応することによっ
て得られるスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハ
ク酸塩の水溶液に対し、特に好適に使用することができ
る。
【0012】本発明において、冷却により析出した無機
酸塩または有機酸塩および不純物の分離方法には特に制
限はなく、従来公知の分離方法を使用することができ
る。例えば、吸着膜および吸着剤による処理、凝集剤を
添加する方法、反応生成液または溶剤などで希釈した溶
液を、遠心分離、静置、デカンテーションまたはろ過操
作を行うなどの分離方法がある。さらに、遠心分離とし
ては遠心沈降型、遠心脱水型などの遠心分離機を用い、
ろ過としては重力ろ過、加圧ろ過、減圧ろ過などの方法
があり、例えば、ブフナーろ過器、ケークろ過器、清澄
ろ過器などのろ過器を用いることができる。本発明にお
いては、必要に応じて公知のろ過助剤、凝集剤などを併
用することができる。使用するろ過助剤には特に制限は
なく、従来工業的に使われている一般的なものを使用す
ることができる。このようなろ過助剤としては、例え
ば、ケイソウ土、シリカ、ガラス繊維、炭素、活性炭な
どを挙げることができる。ろ過助剤の使用量は、一般的
には、スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸
塩の水溶液100重量部当たり0.01〜20重量部で
ある。本発明において、必要に応じて使用できる凝集剤
としては、工業的に使われている一般的なものを使用す
ることができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドなどを挙げる
ことができる。本発明においては、精製工程において、
更に有機溶剤を添加することができる。有機溶剤の添加
により、ろ過効率の改善および作業性の改善を図ること
ができる。添加する溶剤としては、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールな
どのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、エチレングリコールジメチ
ルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類などを挙げることができる。
酸塩または有機酸塩および不純物の分離方法には特に制
限はなく、従来公知の分離方法を使用することができ
る。例えば、吸着膜および吸着剤による処理、凝集剤を
添加する方法、反応生成液または溶剤などで希釈した溶
液を、遠心分離、静置、デカンテーションまたはろ過操
作を行うなどの分離方法がある。さらに、遠心分離とし
ては遠心沈降型、遠心脱水型などの遠心分離機を用い、
ろ過としては重力ろ過、加圧ろ過、減圧ろ過などの方法
があり、例えば、ブフナーろ過器、ケークろ過器、清澄
ろ過器などのろ過器を用いることができる。本発明にお
いては、必要に応じて公知のろ過助剤、凝集剤などを併
用することができる。使用するろ過助剤には特に制限は
なく、従来工業的に使われている一般的なものを使用す
ることができる。このようなろ過助剤としては、例え
ば、ケイソウ土、シリカ、ガラス繊維、炭素、活性炭な
どを挙げることができる。ろ過助剤の使用量は、一般的
には、スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸
塩の水溶液100重量部当たり0.01〜20重量部で
ある。本発明において、必要に応じて使用できる凝集剤
としては、工業的に使われている一般的なものを使用す
ることができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドなどを挙げる
ことができる。本発明においては、精製工程において、
更に有機溶剤を添加することができる。有機溶剤の添加
により、ろ過効率の改善および作業性の改善を図ること
ができる。添加する溶剤としては、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールな
どのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、エチレングリコールジメチ
ルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類などを挙げることができる。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例において、アルコール量および反応率は、下記の方法
により求めた。 (1)アルコール量 ガスクロマトグラフィーにより各アルコールを定量し
た。 (2)反応率 JIS K 3362合成洗剤試験法にしたがって求めた
アニオン活性剤分(重量%)を110℃×2時間加熱後
の加熱残渣(重量%)より、次式により算出した。 反応率(%)=(アニオン活性剤分/加熱残渣)×100 実施例1 ジ−2−エチルヘキシルマレエート333g(0.97
9モル)、メタ重亜硫酸ナトリウム93g(0.489
モル)、イオン交換水52.5g、メタノール45ml、
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルのナトリウム塩
の50重量%水溶液42.6g(ジ−2−エチルヘキシ
ルマレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を、温度計、撹拌機、圧力計およびヒータ
ーを備えた1リットルの耐圧反応器[耐圧硝子工業(株)
製、ガラス製オートクレーブTEM−V]に仕込んだ。
撹拌を行って原料を溶解し、十分に窒素置換を行った
後、窒素ガスを用いて系内を2.0kgf/cm2に加圧し
た。撹拌を行いながら30分で130℃に昇温し、その
まま2時間保持した。反応中の系内の圧力は、5.2kgf
/cm2であった。反応終了後、30分で50℃まで冷却
し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジ−2−エチル
ヘキシルエステルのナトリウム塩の水溶液を得た。アニ
オン活性剤分から求めた反応率は、99.4%であっ
た。ガスクロマトグラフィーにより求めた、加水分解に
より生じた2−エチルヘキシルアルコールの量は0.1
1重量%であった。 実施例2 ジオレイルマレエート128.1g(0.208モル)、
メタ重亜硫酸ナトリウム20.9g(0.11モル)、イ
オン交換水14.3g、スルホコハク酸ジオレイルのナ
トリウム塩の50重量%水溶液14.9g(ジオレイル
マレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の1
0重量%)を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込
み、窒素ガスを用いて系内を2.3kgf/cm2に加圧し、
130℃に昇温し4時間反応を続けた。反応中の系内の
圧力は、5.6kgf/cm2であった。反応終了後50℃ま
で冷却し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジオレイ
ルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から
求めた反応率は、97.5%であった。ガスクロマトグ
ラフィーにより求めた、加水分解で生じたオレイルアル
コールの量は0.20重量%であった。 実施例3 ジブチルマレエート228g(1.0モル)、亜硫酸水
素ナトリウム104g(1.0モル)、イオン交換水3
00g、スルホコハク酸ジブチルのナトリウム塩の50
重量%水溶液33.2g(ジブチルマレエートおよび亜
硫酸水素ナトリウムの合計量の10重量%)を実施例1
と同様にして耐圧反応器に仕込み、窒素ガスを用いて系
内を2.9kgf/cm2に加圧し、150℃に昇温し1.5時
間反応を続けた。反応中の系内の圧力は、6.8kgf/cm
2であった。反応終了合計50℃まで冷却し、系内を常
圧に戻し、スルホコハク酸ジブチルのナトリウム塩水溶
液を得た。アニオン活性剤分から求めた反応率は、9
8.9%であった。ガスクロマトグラフィーにより求め
た、加水分解で生じたブタノールの量は0.24重量%
であった。 実施例4 ジブチルフマレート228g(1.0モル)、メタ重亜
硫酸ナトリウム97g(0.51モル)、イオン交換水
250g、メタノール50ml、スルホコハク酸ジブチル
のナトリウム塩の50重量%水溶液32.5g(ジブチ
ルフマレートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込
み、窒素ガスを用いて系内を8.7kgf/cm2に加圧し、
90℃に昇温し5時間反応を続け、1時間ごとに系内よ
りサンプリングして反応率の推移を調べた。反応中の系
内の圧力は、8.9kgf/cm2であった。反応終了後50
℃まで冷却し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジブ
チルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分か
ら求めた反応率は、98.0%であった。ガスクロマト
グラフィーにより求めた、加水分解で生じたブタノール
の量は0.18重量%であった。 実施例5 モノラウリルマレエート284g(1.0モル)、亜硫
酸水素ナトリウム104g(1.0モル)、イオン交換
水390g、スルホコハク酸モノラウリルのナトリウム
塩の50重量%水溶液19.4g(モノラウリルマレエ
ートおよび亜硫酸水素ナトリウムの合計量の5重量%)
を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込み、窒素ガス
を用いて系内を11.5kgf/cm2に加圧し、100℃に
昇温し4時間反応を続けた。反応中の系内の圧力は、1
4.3kgf/cm2であった。反応終了後50℃まで冷却
し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸モノラウリルの
ナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から求め
た反応率は、98.2%であった。ガスクロマトグラフ
ィーにより求めた、加水分解で生じたラウリルアルコー
ルの量は0.17重量%であった。 比較例1 実施例1と同じ反応を、加圧することなく反応容器を解
放系とし、大気圧下で行った。ジ−2−エチルヘキシル
マレエート333g(0.979モル)、メタ重亜硫酸
ナトリウム93g(0.489モル)、イオン交換水5
2.5g、メタノール45ml、スルホコハク酸ジ−2−
エチルヘキシルのナトリウム塩の50重量%水溶液4
2.6g(ジ−2−エチルヘキシルマレエートおよびメ
タ重亜硫酸ナトリウムの合計量の10重量%)を、温度
計、撹拌機および還流冷却管を備えた1リットルの4つ
口フラスコに仕込んだ。撹拌を行って原料を溶解し、十
分に窒素置換を行った。窒素ガスをフラスコ内に送りな
がら、大気圧すなわち0kgf/cm2で、撹拌を行いながら
20分で90℃に昇温し、そのまま6時間保持し、1時
間ごとにフラスコ内よりサンプリングして反応率の推移
を調べた。反応終了後、30分で50℃まで冷却し、ス
ルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルのナトリ
ウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から求めた反応
率は、90.5%であった。ガスクロマトグラフィーに
より求めた、加水分解で生じた2−エチルヘキシルアル
コールの量は5.2重量%であった。本比較例は、原料
などの仕込みは実施例1と全く同じで、加圧することな
く解放系で反応したものであるが、実施例1と比較する
と反応率が低く、原料のジ−2−エチルヘキシルマレエ
ートの加水分解により発生した2−エチルヘキシルアル
コールの量が多い。 比較例2 ジブチルマレエートとメタ重亜硫酸ナトリウムの反応
を、加圧することなく反応容器を解放系とし、大気圧下
で行った。ジブチルマレエート228g(1.0モ
ル)、メタ重亜硫酸ナトリウム99.8g(0.525モ
ル)、イオン交換水300g、スルホコハク酸ジブチル
のナトリウム塩の50重量%水溶液32.8g(ジブチ
ルマレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を比較例1と同様にしてフラスコに仕込
み、窒素置換を行った後、90℃に昇温し12時間反応
を続けた。反応終了後50℃まで冷却し、スルホコハク
酸ジブチルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性
剤分から求めた反応率は、89.8%であった。ガスク
ロマトグラフィーにより求めた、加水分解で生じたブタ
ノールの量は4.2重量%であった。本比較例は、加圧
することなく解放系で反応したものであるが、反応率が
低く、原料のジブチルマレエートの加水分解により発生
したブタノールの量が多い。実施例1〜5および比較例
1〜2の結果をまとめて第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例において、アルコール量および反応率は、下記の方法
により求めた。 (1)アルコール量 ガスクロマトグラフィーにより各アルコールを定量し
た。 (2)反応率 JIS K 3362合成洗剤試験法にしたがって求めた
アニオン活性剤分(重量%)を110℃×2時間加熱後
の加熱残渣(重量%)より、次式により算出した。 反応率(%)=(アニオン活性剤分/加熱残渣)×100 実施例1 ジ−2−エチルヘキシルマレエート333g(0.97
9モル)、メタ重亜硫酸ナトリウム93g(0.489
モル)、イオン交換水52.5g、メタノール45ml、
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルのナトリウム塩
の50重量%水溶液42.6g(ジ−2−エチルヘキシ
ルマレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を、温度計、撹拌機、圧力計およびヒータ
ーを備えた1リットルの耐圧反応器[耐圧硝子工業(株)
製、ガラス製オートクレーブTEM−V]に仕込んだ。
撹拌を行って原料を溶解し、十分に窒素置換を行った
後、窒素ガスを用いて系内を2.0kgf/cm2に加圧し
た。撹拌を行いながら30分で130℃に昇温し、その
まま2時間保持した。反応中の系内の圧力は、5.2kgf
/cm2であった。反応終了後、30分で50℃まで冷却
し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジ−2−エチル
ヘキシルエステルのナトリウム塩の水溶液を得た。アニ
オン活性剤分から求めた反応率は、99.4%であっ
た。ガスクロマトグラフィーにより求めた、加水分解に
より生じた2−エチルヘキシルアルコールの量は0.1
1重量%であった。 実施例2 ジオレイルマレエート128.1g(0.208モル)、
メタ重亜硫酸ナトリウム20.9g(0.11モル)、イ
オン交換水14.3g、スルホコハク酸ジオレイルのナ
トリウム塩の50重量%水溶液14.9g(ジオレイル
マレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の1
0重量%)を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込
み、窒素ガスを用いて系内を2.3kgf/cm2に加圧し、
130℃に昇温し4時間反応を続けた。反応中の系内の
圧力は、5.6kgf/cm2であった。反応終了後50℃ま
で冷却し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジオレイ
ルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から
求めた反応率は、97.5%であった。ガスクロマトグ
ラフィーにより求めた、加水分解で生じたオレイルアル
コールの量は0.20重量%であった。 実施例3 ジブチルマレエート228g(1.0モル)、亜硫酸水
素ナトリウム104g(1.0モル)、イオン交換水3
00g、スルホコハク酸ジブチルのナトリウム塩の50
重量%水溶液33.2g(ジブチルマレエートおよび亜
硫酸水素ナトリウムの合計量の10重量%)を実施例1
と同様にして耐圧反応器に仕込み、窒素ガスを用いて系
内を2.9kgf/cm2に加圧し、150℃に昇温し1.5時
間反応を続けた。反応中の系内の圧力は、6.8kgf/cm
2であった。反応終了合計50℃まで冷却し、系内を常
圧に戻し、スルホコハク酸ジブチルのナトリウム塩水溶
液を得た。アニオン活性剤分から求めた反応率は、9
8.9%であった。ガスクロマトグラフィーにより求め
た、加水分解で生じたブタノールの量は0.24重量%
であった。 実施例4 ジブチルフマレート228g(1.0モル)、メタ重亜
硫酸ナトリウム97g(0.51モル)、イオン交換水
250g、メタノール50ml、スルホコハク酸ジブチル
のナトリウム塩の50重量%水溶液32.5g(ジブチ
ルフマレートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込
み、窒素ガスを用いて系内を8.7kgf/cm2に加圧し、
90℃に昇温し5時間反応を続け、1時間ごとに系内よ
りサンプリングして反応率の推移を調べた。反応中の系
内の圧力は、8.9kgf/cm2であった。反応終了後50
℃まで冷却し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸ジブ
チルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分か
ら求めた反応率は、98.0%であった。ガスクロマト
グラフィーにより求めた、加水分解で生じたブタノール
の量は0.18重量%であった。 実施例5 モノラウリルマレエート284g(1.0モル)、亜硫
酸水素ナトリウム104g(1.0モル)、イオン交換
水390g、スルホコハク酸モノラウリルのナトリウム
塩の50重量%水溶液19.4g(モノラウリルマレエ
ートおよび亜硫酸水素ナトリウムの合計量の5重量%)
を実施例1と同様にして耐圧反応器に仕込み、窒素ガス
を用いて系内を11.5kgf/cm2に加圧し、100℃に
昇温し4時間反応を続けた。反応中の系内の圧力は、1
4.3kgf/cm2であった。反応終了後50℃まで冷却
し、系内を常圧に戻し、スルホコハク酸モノラウリルの
ナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から求め
た反応率は、98.2%であった。ガスクロマトグラフ
ィーにより求めた、加水分解で生じたラウリルアルコー
ルの量は0.17重量%であった。 比較例1 実施例1と同じ反応を、加圧することなく反応容器を解
放系とし、大気圧下で行った。ジ−2−エチルヘキシル
マレエート333g(0.979モル)、メタ重亜硫酸
ナトリウム93g(0.489モル)、イオン交換水5
2.5g、メタノール45ml、スルホコハク酸ジ−2−
エチルヘキシルのナトリウム塩の50重量%水溶液4
2.6g(ジ−2−エチルヘキシルマレエートおよびメ
タ重亜硫酸ナトリウムの合計量の10重量%)を、温度
計、撹拌機および還流冷却管を備えた1リットルの4つ
口フラスコに仕込んだ。撹拌を行って原料を溶解し、十
分に窒素置換を行った。窒素ガスをフラスコ内に送りな
がら、大気圧すなわち0kgf/cm2で、撹拌を行いながら
20分で90℃に昇温し、そのまま6時間保持し、1時
間ごとにフラスコ内よりサンプリングして反応率の推移
を調べた。反応終了後、30分で50℃まで冷却し、ス
ルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルのナトリ
ウム塩水溶液を得た。アニオン活性剤分から求めた反応
率は、90.5%であった。ガスクロマトグラフィーに
より求めた、加水分解で生じた2−エチルヘキシルアル
コールの量は5.2重量%であった。本比較例は、原料
などの仕込みは実施例1と全く同じで、加圧することな
く解放系で反応したものであるが、実施例1と比較する
と反応率が低く、原料のジ−2−エチルヘキシルマレエ
ートの加水分解により発生した2−エチルヘキシルアル
コールの量が多い。 比較例2 ジブチルマレエートとメタ重亜硫酸ナトリウムの反応
を、加圧することなく反応容器を解放系とし、大気圧下
で行った。ジブチルマレエート228g(1.0モ
ル)、メタ重亜硫酸ナトリウム99.8g(0.525モ
ル)、イオン交換水300g、スルホコハク酸ジブチル
のナトリウム塩の50重量%水溶液32.8g(ジブチ
ルマレエートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの合計量の
10重量%)を比較例1と同様にしてフラスコに仕込
み、窒素置換を行った後、90℃に昇温し12時間反応
を続けた。反応終了後50℃まで冷却し、スルホコハク
酸ジブチルのナトリウム塩水溶液を得た。アニオン活性
剤分から求めた反応率は、89.8%であった。ガスク
ロマトグラフィーにより求めた、加水分解で生じたブタ
ノールの量は4.2重量%であった。本比較例は、加圧
することなく解放系で反応したものであるが、反応率が
低く、原料のジブチルマレエートの加水分解により発生
したブタノールの量が多い。実施例1〜5および比較例
1〜2の結果をまとめて第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例4と比較例1は、いずれもスルホン
化反応を90℃で行った例である。実施例4および比較
例1の反応時間と反応率の関係を第2表に示す。
化反応を90℃で行った例である。実施例4および比較
例1の反応時間と反応率の関係を第2表に示す。
【0016】
【表2】
【0017】第2表の結果から、同一温度で反応した場
合、加圧下のスルホン化反応である本発明方法の方が、
常圧下のスルホン化反応よりもを反応速度が速いことが
分かる。なお、以下の実施例および比較例において、粒
子径測定と無機分の定量は、下記の方法により行った。 (1)粒子系測定 日機装(株)製、LEEDS & NORTHRUP IN
STRUMENT、マイクロトラック粒度分布計 MO
DEL 7995−30(SPA)にて測定する。 (2)無機分 ろ過後のスルホコハク酸エステルナトリウム塩の水−メ
タノール溶液中に含まれる無機分を、硫酸量(SO3)
として求める。試料10g(=W)、N/10ヨウ素溶
液20ml、塩酸1mlを三角フラスコに採り、密栓して穏
やかに振り混ぜ、暗所に5〜10分放置する。次に水7
0mlを加え、N/10チオ硫酸ナトリウム標準液で滴定
し(F=ファクター、A=ブランク滴定量、B=本試験
滴定量)、褐色から黄色になってから澱粉溶液を加え青
紫色が消えたところを終点とする。 無機分(%)=(A−B)×F×0.40/W 実施例6 実施例1で得られた反応生成物200gを、撹拌機、温
度計および還流冷却管を備えた500mlの4つ口フラス
コに仕込み、80℃に昇温した。硫酸アルミニウムカリ
ウム5g(対反応生成物2.5重量%)を水10gに、
75℃であらかじめ溶解した水溶液を4つ口フラスコに
加えた。次いでメタノール120mlを加え、フラスコ内
の溶液を10分間還流させた。撹拌を止め、静置して3
0℃まで冷却した。このとき液中に析出した粒子の粒径
は25μmであった。再び均一に撹拌した後、混合液5
0gを取り、ろ過助剤としてシリカ645[中央シリカ
(株)製]0.5g(対反応生成物1重量%)を加え、2
5℃でろ紙[アドバンテック(株)製、グレード5C]を
用い、ろ過面積7cm2、加圧条件0.6kg/cm2で、加圧
ろ過機を用いてろ過を行った。ろ過処理に要した時間は
50秒であり、ろ過後の無機分は0.020重量%であ
った。 実施例7 実施例1で得られた反応生成物200g、硫酸アルミニ
ウムカリウム2.5g(対反応生成物1.25重量%)と
スルホコハク酸ナトリウム2.5g(対反応生成物1.2
5重量%)と水10gよりなる水溶液、メタノール80
mlを用いて、実施例6と同じ操作を繰り返した。液中に
析出した粒子の粒径は32μmであった。混合液50g
を取り、ろ過助剤としてシリカ645[中央シリカ(株)
製]0.5g(対反応生成物1重量%)を加えろ過を行
ったところ、ろ過処理に要した時間は75秒であり、ろ
過後の無機分は0.019重量%であった。 実施例8 実施例1で得られた反応生成物200g、硫酸ナトリウ
ム3g(対反応生成物1.5重量%)と水6gよりなる
水溶液、メタノール120mlを用いて、実施例6と同じ
操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は24μ
mであった。混合液50gを取り、ろ過助剤としてラジ
オライト600[昭和化学工業(株)製、ケイソウ土]
0.15g(対反応生成物0.3重量%)を加えろ過を行
ったところ、ろ過処理に要した時間は55秒であり、ろ
過後の無機分は0.018重量%であった。 実施例9 比較例1で得られた反応生成物200g、硫酸アルミニ
ウムカリウム10g(対反応生成物5.0重量%)と水
20gよりなる水溶液、メタノール50mlを用いて、実
施例6と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の
粒径は19μmであった。混合液50gを取り、ろ過助
剤としてシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g
(対反応生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、
ろ過処理に要した時間は81秒であり、ろ過後の無機分
は0.015重量%であった。 実施例10 実施例1で得られた反応生成物200g、スルホコハク
酸ナトリウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水1
0gよりなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施
例6と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒
径は32μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤
としてシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対
反応生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過
処理に要した時間は87秒であり、ろ過後の無機分は
0.013重量%であった。 実施例11 実施例1で得られた反応生成物200g、マロン酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は2
2μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理に
要した時間は45秒であり、ろ過後の無機分は0.01
1重量%であった。 実施例12 実施例1で得られた反応生成物200g、リンゴ酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は2
5μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理に
要した時間は40秒であり、ろ過後の無機分は0.02
0重量%であった。 実施例13 実施例1で得られた反応生成物200g、マレイン酸ナ
トリウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10g
よりなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6
と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は
28μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤とし
てシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応
生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理
に要した時間は83秒であり、ろ過後の無機分は0.0
17重量%であった。 実施例14 実施例1で得られた反応生成物200g、コハク酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は3
4μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えてろ過を行ったところ、ろ過処理
に要した時間は145秒であり、ろ過後の無機分は0.
018重量%であった。 比較例3 実施例1で得られた反応生成物200gを、撹拌機、温
度計および還流冷却管を備えた500mlの4つ口フラス
コに仕込んだ。80℃に昇温し、メタノール120mlを
加えた後、フラスコ内の溶液を10分間還流させた。撹
拌を止め、静置して30℃まで冷却した。このとき液中
に析出した粒子の粒径は5μmであった。再び均一に撹
拌した後、混合液50gを取り、ろ過助剤としてシリカ
645[中央シリカ(株)製]1.0g(対反応生成物2
重量%)を加え、25℃でろ紙[アドバンテック(株)
製、グレード5C]を用い、ろ過面積7cm2、加圧条件
0.6kg/cm2で、加圧ろ過機を用いてろ過を行った。ろ
過処理に要した時間は970秒であり、ろ過後の無機分
は0.08重量%であった。 比較例4 実施例1で得られた反応生成物200g、メタノール1
20mlを用いて比較例3と同様な操作を繰り返した。液
中に析出した粒子の粒径は8μmであった。混合液50
gを取り、ろ過助剤を加えることなくろ過を行ったとこ
ろ、ろ過処理に要した時間は1370秒であり、ろ過後
の無機分は0.08重量%であった。 比較例5 比較例1で得られた反応生成物200g、メタノール1
20mlを用いて比較例3と同じ操作を繰り返した。液中
に析出した粒子の粒径は6μmであった。混合液50g
を取り、ろ過助剤としシリカ645[中央シリカ(株)
製]1.0g(対反応生成物2重量%)を加えてろ過を
行ったところ、ろ過処理に要した時間は1480秒であ
り、ろ過後の無機分は0.07重量%であった。実施例
6〜14および比較例3〜5の結果をまとめて第3表に
示す。
合、加圧下のスルホン化反応である本発明方法の方が、
常圧下のスルホン化反応よりもを反応速度が速いことが
分かる。なお、以下の実施例および比較例において、粒
子径測定と無機分の定量は、下記の方法により行った。 (1)粒子系測定 日機装(株)製、LEEDS & NORTHRUP IN
STRUMENT、マイクロトラック粒度分布計 MO
DEL 7995−30(SPA)にて測定する。 (2)無機分 ろ過後のスルホコハク酸エステルナトリウム塩の水−メ
タノール溶液中に含まれる無機分を、硫酸量(SO3)
として求める。試料10g(=W)、N/10ヨウ素溶
液20ml、塩酸1mlを三角フラスコに採り、密栓して穏
やかに振り混ぜ、暗所に5〜10分放置する。次に水7
0mlを加え、N/10チオ硫酸ナトリウム標準液で滴定
し(F=ファクター、A=ブランク滴定量、B=本試験
滴定量)、褐色から黄色になってから澱粉溶液を加え青
紫色が消えたところを終点とする。 無機分(%)=(A−B)×F×0.40/W 実施例6 実施例1で得られた反応生成物200gを、撹拌機、温
度計および還流冷却管を備えた500mlの4つ口フラス
コに仕込み、80℃に昇温した。硫酸アルミニウムカリ
ウム5g(対反応生成物2.5重量%)を水10gに、
75℃であらかじめ溶解した水溶液を4つ口フラスコに
加えた。次いでメタノール120mlを加え、フラスコ内
の溶液を10分間還流させた。撹拌を止め、静置して3
0℃まで冷却した。このとき液中に析出した粒子の粒径
は25μmであった。再び均一に撹拌した後、混合液5
0gを取り、ろ過助剤としてシリカ645[中央シリカ
(株)製]0.5g(対反応生成物1重量%)を加え、2
5℃でろ紙[アドバンテック(株)製、グレード5C]を
用い、ろ過面積7cm2、加圧条件0.6kg/cm2で、加圧
ろ過機を用いてろ過を行った。ろ過処理に要した時間は
50秒であり、ろ過後の無機分は0.020重量%であ
った。 実施例7 実施例1で得られた反応生成物200g、硫酸アルミニ
ウムカリウム2.5g(対反応生成物1.25重量%)と
スルホコハク酸ナトリウム2.5g(対反応生成物1.2
5重量%)と水10gよりなる水溶液、メタノール80
mlを用いて、実施例6と同じ操作を繰り返した。液中に
析出した粒子の粒径は32μmであった。混合液50g
を取り、ろ過助剤としてシリカ645[中央シリカ(株)
製]0.5g(対反応生成物1重量%)を加えろ過を行
ったところ、ろ過処理に要した時間は75秒であり、ろ
過後の無機分は0.019重量%であった。 実施例8 実施例1で得られた反応生成物200g、硫酸ナトリウ
ム3g(対反応生成物1.5重量%)と水6gよりなる
水溶液、メタノール120mlを用いて、実施例6と同じ
操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は24μ
mであった。混合液50gを取り、ろ過助剤としてラジ
オライト600[昭和化学工業(株)製、ケイソウ土]
0.15g(対反応生成物0.3重量%)を加えろ過を行
ったところ、ろ過処理に要した時間は55秒であり、ろ
過後の無機分は0.018重量%であった。 実施例9 比較例1で得られた反応生成物200g、硫酸アルミニ
ウムカリウム10g(対反応生成物5.0重量%)と水
20gよりなる水溶液、メタノール50mlを用いて、実
施例6と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の
粒径は19μmであった。混合液50gを取り、ろ過助
剤としてシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g
(対反応生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、
ろ過処理に要した時間は81秒であり、ろ過後の無機分
は0.015重量%であった。 実施例10 実施例1で得られた反応生成物200g、スルホコハク
酸ナトリウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水1
0gよりなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施
例6と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒
径は32μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤
としてシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対
反応生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過
処理に要した時間は87秒であり、ろ過後の無機分は
0.013重量%であった。 実施例11 実施例1で得られた反応生成物200g、マロン酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は2
2μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理に
要した時間は45秒であり、ろ過後の無機分は0.01
1重量%であった。 実施例12 実施例1で得られた反応生成物200g、リンゴ酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は2
5μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理に
要した時間は40秒であり、ろ過後の無機分は0.02
0重量%であった。 実施例13 実施例1で得られた反応生成物200g、マレイン酸ナ
トリウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10g
よりなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6
と同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は
28μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤とし
てシリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応
生成物1重量%)を加えろ過を行ったところ、ろ過処理
に要した時間は83秒であり、ろ過後の無機分は0.0
17重量%であった。 実施例14 実施例1で得られた反応生成物200g、コハク酸ナト
リウム5g(対反応生成物2.5重量%)と水10gよ
りなる水溶液、メタノール120mlを用いて実施例6と
同じ操作を繰り返した。液中に析出した粒子の粒径は3
4μmであった。混合液50gを取り、ろ過助剤として
シリカ645[中央シリカ(株)製]0.5g(対反応生
成物1重量%)を加えてろ過を行ったところ、ろ過処理
に要した時間は145秒であり、ろ過後の無機分は0.
018重量%であった。 比較例3 実施例1で得られた反応生成物200gを、撹拌機、温
度計および還流冷却管を備えた500mlの4つ口フラス
コに仕込んだ。80℃に昇温し、メタノール120mlを
加えた後、フラスコ内の溶液を10分間還流させた。撹
拌を止め、静置して30℃まで冷却した。このとき液中
に析出した粒子の粒径は5μmであった。再び均一に撹
拌した後、混合液50gを取り、ろ過助剤としてシリカ
645[中央シリカ(株)製]1.0g(対反応生成物2
重量%)を加え、25℃でろ紙[アドバンテック(株)
製、グレード5C]を用い、ろ過面積7cm2、加圧条件
0.6kg/cm2で、加圧ろ過機を用いてろ過を行った。ろ
過処理に要した時間は970秒であり、ろ過後の無機分
は0.08重量%であった。 比較例4 実施例1で得られた反応生成物200g、メタノール1
20mlを用いて比較例3と同様な操作を繰り返した。液
中に析出した粒子の粒径は8μmであった。混合液50
gを取り、ろ過助剤を加えることなくろ過を行ったとこ
ろ、ろ過処理に要した時間は1370秒であり、ろ過後
の無機分は0.08重量%であった。 比較例5 比較例1で得られた反応生成物200g、メタノール1
20mlを用いて比較例3と同じ操作を繰り返した。液中
に析出した粒子の粒径は6μmであった。混合液50g
を取り、ろ過助剤としシリカ645[中央シリカ(株)
製]1.0g(対反応生成物2重量%)を加えてろ過を
行ったところ、ろ過処理に要した時間は1480秒であ
り、ろ過後の無機分は0.07重量%であった。実施例
6〜14および比較例3〜5の結果をまとめて第3表に
示す。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】[注]1)シリカ645:中央シリカ(株)
製、ろ過助剤。 2)ラジオライト600:昭和化学工業(株)製、ケイソ
ウ土ろ過助剤。 第3表の結果より、本発明の方法により精製時間の短縮
および無機分の減少によって示される純度の向上を達成
することができたことが分かる。
製、ろ過助剤。 2)ラジオライト600:昭和化学工業(株)製、ケイソ
ウ土ろ過助剤。 第3表の結果より、本発明の方法により精製時間の短縮
および無機分の減少によって示される純度の向上を達成
することができたことが分かる。
【0021】
【発明の効果】本発明のスルホコハク酸エステル塩また
はスルホコハク酸塩の製造方法は、特定の加圧条件下お
よび温度条件下での反応により、短時間で高い反応率が
得られ、かつ加水分解生成物であるアルコールの生成量
を減少し、亜硫酸ガスなどの有毒物質の発生を抑えるこ
とができる。また、無機酸塩または有機酸塩を添加して
精製処理を行うことにより、処理時間を短縮し、高純度
のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩を
得ることができる。
はスルホコハク酸塩の製造方法は、特定の加圧条件下お
よび温度条件下での反応により、短時間で高い反応率が
得られ、かつ加水分解生成物であるアルコールの生成量
を減少し、亜硫酸ガスなどの有毒物質の発生を抑えるこ
とができる。また、無機酸塩または有機酸塩を添加して
精製処理を行うことにより、処理時間を短縮し、高純度
のスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 祥 兵庫県西宮市池開町9−2−402 (72)発明者 中村 信次 兵庫県西宮市上田中町14−30 (72)発明者 山田 宗宏 兵庫県尼崎市大庄西町4−12−1
Claims (4)
- 【請求項1】マレイン酸若しくはシトラコン酸若しくは
それらのエステル、塩若しくは無水物、またはフマル酸
若しくはメサコン酸若しくはそれらのエステル若しくは
塩に、水の存在下においてスルホン化剤を反応するスル
ホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方
法において、スルホン化反応を0.5〜100kgf/cm2
の加圧条件下、80〜200℃で行うことを特徴とする
スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製
造方法。 - 【請求項2】加圧条件が、1.0〜50kgf/cm2である
請求項1記載のスルホコハク酸エステル塩またはスルホ
コハク酸塩の製造方法。 - 【請求項3】マレイン酸若しくはシトラコン酸若しくは
それらのエステル、塩若しくは無水物、またはフマル酸
若しくはメサコン酸若しくはそれらのエステル若しくは
塩に、水の存在下においてスルホン化剤を反応して得ら
れたスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩
の水溶液100重量部当たり、無機酸塩または有機酸塩
0.01〜20重量部を添加し、加熱により無機酸塩ま
たは有機酸塩を溶解したのち、冷却して析出物を除去す
ることを特徴とするスルホコハク酸エステル塩またはス
ルホコハク酸塩の製造方法。 - 【請求項4】マレイン酸若しくはシトラコン酸若しくは
それらのエステル、塩若しくは無水物、またはフマル酸
若しくはメサコン酸若しくはそれらのエステル若しくは
塩に、水の存在下においてスルホン化剤を反応するスル
ホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方
法において、スルホン化反応を0.5〜100kgf/cm2
の加圧条件下、80〜200℃で行い、得られたスルホ
コハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の水溶液1
00重量部当たり無機酸塩または有機酸塩0.01〜2
0重量部を添加し、加熱により無機酸塩または有機酸塩
を溶解したのち、冷却して析出物を除去することを特徴
とするスルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸
塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17141495A JPH08337567A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17141495A JPH08337567A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08337567A true JPH08337567A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15922702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17141495A Pending JPH08337567A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | スルホコハク酸エステル塩またはスルホコハク酸塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08337567A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102260199A (zh) * | 2011-05-18 | 2011-11-30 | 清新县汉科化工科技有限公司 | 一种复合型磺化剂及其应用 |
JP2018162446A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-18 | 三洋化成工業株式会社 | 界面活性剤組成物の製造方法 |
WO2022138603A1 (ja) | 2020-12-21 | 2022-06-30 | 花王株式会社 | スルホン酸塩組成物の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-14 JP JP17141495A patent/JPH08337567A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102260199A (zh) * | 2011-05-18 | 2011-11-30 | 清新县汉科化工科技有限公司 | 一种复合型磺化剂及其应用 |
JP2018162446A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-18 | 三洋化成工業株式会社 | 界面活性剤組成物の製造方法 |
WO2022138603A1 (ja) | 2020-12-21 | 2022-06-30 | 花王株式会社 | スルホン酸塩組成物の製造方法 |
JP7122492B1 (ja) * | 2020-12-21 | 2022-08-19 | 花王株式会社 | スルホン酸塩組成物の製造方法 |
CN116568670A (zh) * | 2020-12-21 | 2023-08-08 | 花王株式会社 | 磺酸盐组合物的制造方法 |
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