JP7122492B1 - スルホン酸塩組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

所定の不飽和カルボン酸のジエステル〔以下、(A)成分という〕に、(B)(B1)有機溶剤〔以下、(B1)成分という〕及び(B2)水〔以下、(B2)成分という〕から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤を反応させて、(S)ジエステル構造を有する所定のスルホン酸塩〔以下、(S)成分という〕を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、前記不溶成分の除去に供される混合物において、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量が0.05以上0.65以下であり、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量が0.03以上0.26以下である。

Description

本発明は、スルホン酸塩組成物の製造方法に関する。
背景技術
スルホコハク酸エステル塩等のスルホン酸塩は陰イオン界面活性剤として使用されるものがあり、種々の分野において、単独で、又は他の成分と組み合わせて、洗浄基剤、乳化剤、湿潤剤、分散剤などとして利用されている。
米国特許出願公開第2007/0214999号明細書には、スルホン化ジカルボン酸のモノ及び/又はジアルキルエステルの塩を含む化合物であって、前記ジカルボン酸が4~8個の炭素原子を含み、前記アルキル基が2-プロピルヘプタノールから誘導されたものである化合物、並びにこの化合物と所定の有機溶媒とを含有する組成物が開示されている。
特開2002-224552号公報には、所定の脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩(A1)、スルホコハク酸エステル塩(A2)、エーテルカルボン酸塩(A3)及びリン酸エステル塩(A4)からなる群から選ばれるアニオン性界面活性剤(A)の二種以上を併用してなる乳化分散剤が開示されている。
特表平9-500884号公報には、溶媒または補助溶媒としての水中、特定の式で表されるスルホコハク酸ジエステルを含有する液体組成物であって、補助溶媒が、10℃で液体であるアルキレンオキサイド単位を含有するポリマーであることを特徴とする液体組成物が開示されている。
特開平8-337567号公報には、スルホコハク酸エステル塩の水溶液に、無機酸塩または有機酸塩を添加し、この水溶液を加熱した後冷却して析出物を除去するスルホコハク酸エステル塩の製造方法が開示されている。
特開2018-162446号公報には、炭素数4~22の不飽和ジカルボン酸(c1)と炭素数1~22の脂肪酸モノアルコール(c2)とのエステル化物(C)をスルホン化剤(D)でスルホン化物(E)に変換する工程を有する、界面活性剤組成物の製造方法が開示されている。
発明の概要
スルホン酸塩のうち、所定の炭素数のアルキル基及び/又はアルケニル基を有するジエステル型のスルホン酸塩は、水溶液で用いる場合のきめ細かい泡の形成、素早い泡切れといった望ましい泡挙動や、固体脂汚れに対する高い洗浄力などを有することから、利用価値の高い界面活性剤であると考えられる。
スルホン酸塩は、一般に、水系の反応媒体を用いて製造され、水を含む反応生成物として入手される。流通コストなどを考慮すると、反応生成物から水やその他の成分を低減して主成分であるスルホン酸塩組成物の濃度をある程度高めて二次製品の調製に供することが望ましい。これらの理由により、スルホン酸塩組成物中のスルホン酸塩の純度は高い方が好ましく、スルホン酸塩以外の成分(例えば、無機塩など)の含有量が少ないスルホン酸塩組成物を提供する技術が求められている。
本発明は、所定の炭素数のアルキル基及び/又はアルケニル基を有するジエステル型のスルホン酸塩を含有し、無機塩等の無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物を提供する。
本発明は、(A)下記一般式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕に、(B)(B1)有機溶剤〔以下、(B1)成分という〕及び(B2)水〔以下、(B2)成分という〕から選択される1種以上の溶媒〔以下、(B)成分という〕の存在下で、(C)スルホン化剤〔以下、(C)成分という〕を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩〔以下、(S)成分という〕を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下であり、
(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下である、
スルホン酸塩組成物の製造方法に関する。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法によれば、所定の炭素数のアルキル基及び/又はアルケニル基を有するジエステル型のスルホン酸塩を含有し、無機塩等の無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物が得られる。
本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法は、所定の炭素数のアルキル基及び/又はアルケニル基を有するジエステル型のスルホン酸塩を高濃度で含み、保存安定性に優れたスルホン酸塩組成物の製造に適している。
発明を実施するための形態
発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、スルホン酸塩中の無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物の製造方法を発明するに至った。本発明の製造方法によれば、スルホン酸塩中の無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物が得られる。また、発明者らは、鋭意検討を行った結果、スルホン酸塩組成物の保存安定性が、スルホン酸塩組成物中の無機塩等の無機金属化合物含有量の増加に影響を受けることを見出した。なお、スルホン酸塩を高濃度で含み、無機塩等の無機金属化合物の含有量が少ない組成物は、例えば、洗浄剤組成物に配合使用した時に低温安定性に優れる等、処方の自由度が広がる副次的な効果も得られる。
一般にスルホン酸塩は、前記一般式(1)で表される化合物をスルホン化する反応を経て製造される。この反応では、スルホン酸塩を含んだ混合物が得られ、この混合物から無機塩等の不溶成分を除去することが行われる。
本発明では、スルホン酸塩を含んだ混合物から不溶成分を除去する際に、不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)有機溶剤と(B2)水の含有量が所定範囲にあることで、混合物からの無機塩等の無機金属化合物の析出が促進されているものと推察される。そして、無機塩等の無機金属化合物を多く析出させた混合物を不溶成分の除去に供することで、不溶成分が除去された後の混合物における無機塩等の無機金属化合物の含有量が少なくなると推察される。
本発明は、(A)一般式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕に、(B)(B1)有機溶剤〔以下、(B1)成分という〕及び(B2)水〔以下、(B2)成分という〕から選択される1種以上の溶媒〔以下、(B)成分という〕の存在下で、(C)スルホン化剤〔以下、(C)成分という〕を所定の条件で反応させて、(S)前記一般式(2)で表されるスルホン酸塩〔以下、(S)成分という〕を含有する混合物を得ること、その混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法に関する。不溶成分は、例えば、混合物中の固体である。この固体は、混合物に溶解せずに存在している固体や、混合物を得る工程の後に行われる操作により混合物から析出した固体であってよい。
まず、(A)成分のスルホン化反応で用いられる原材料である(A)成分と、(A)成分のスルホン化反応で使用される(B)成分及び(C)成分について説明する。
(A)成分は、下記一般式(1)で表される化合物である。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
R及びR’は、独立して、炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。R及びR’は、洗浄性能の観点から、独立して、炭素数10の分岐鎖アルキル基及び炭素数10の分岐鎖アルケニル基から選ばれる基が好ましく、炭素数10の分岐鎖アルキル基がより好ましい。炭素数10のアルキル基としては、n-デシル基、iso-デシル基、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基が挙げられる。炭素数10のアルケニル基としては、n-デセニル基、iso-デセニル基が挙げられる。R及びR’は、洗浄性能の観点から、独立して、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基が更に好ましい。
n及びmは、それぞれ0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下、0であってよい。また、nとmの合計は0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下、0であってよい。
本発明では、(A)成分を1種又は2種以上用いることができる。本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法では、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法で得られるスルホン酸塩組成物〔以下、本発明のスルホン酸塩組成物という〕の洗浄性能の観点から、(A)成分として、R及びR’の一方又は両方が2-プロピルヘプチル基である化合物を用いることが好ましい。
(A)成分は、本発明のスルホン酸塩組成物の浸透性、洗浄性、配合安定性の観点から、炭素数4以上22以下の不飽和ジカルボン酸のエステルが好ましく、例えばマレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、メサコン酸ジエステル、2-ペンテンニ酸ジエステル、メチレンコハク酸ジエステル、アリルマロン酸ジエステル、イソプロピリデンコハク酸ジエステル、2,4-ヘキサジエンニ酸ジエステル、アセチレンジカルボン酸ジエステルが好ましく、マレイン酸及びフマル酸のジエステルがより好ましい。
(B)成分は、溶媒である。(B)成分は、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上を含む溶媒である。
(B1)成分は、有機溶剤である。(B1)成分としては、一価アルコール及び多価アルコールから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明のスルホン酸塩組成物の用途、例えば、家庭用製品の製造原料としての用途を想定すると、(B1)成分は、臭気が少ないものが好ましく、また、食品添加物や化粧品原料などとして認められている化合物が好ましい。
一価アルコールは、炭素数1以上12以下であってよい。一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、2-ノナノール、5-ノナノール、1-デカノール、1-ドデカノール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピルヘプタノール、4-メチル2-プロピルヘキサノール、5-メチル2-プロピルヘキサノールなどが挙げられる。一価アルコールは、外観の均一性と汎用原料として使用する観点から、エタノール、1-ブタノール、及び1-プロパノールから選ばれる化合物が好ましく、エタノールがより好ましい。
多価アルコールは、炭素数2以上12以下であってよい。多価アルコールは、2価以上6価以下であってよい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられる。多価アルコールは、外観の均一性と汎用原料として使用する観点から、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる化合物が好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
(B1)成分は、外観の均一性と汎用原料として使用する観点から、エタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる化合物が好ましく、エタノール及びプロピレングリコールから選ばれる化合物がより好ましい。
(B2)成分は、水である。(B2)成分は、不純物を含まず適度に精製されている水が好ましく使用される。井戸水、工業用水の使用も可能である。本発明のスルホン酸塩組成物の外観の観点では、不純物や硬度成分の少ない水を用いることが好ましい。(B2)成分は、例えば、水道水、精製水、イオン交換水が挙げられ、イオン交換水が好ましい。
(C)成分は、スルホン化剤である。(C)成分は、一般式(1)で表される化合物の二重結合に付加してスルホン化を行い得るものであれば、特に制限なく使用することができる。(C)成分は、例えば、亜硫酸塩(MSO(M:カチオン))、亜硫酸水素塩(MHSO(M:カチオン))及び二亜硫酸塩(M(M:カチオン))から選ばれる1種以上の化合物である。(C)成分は、好ましくは、亜硫酸水素塩及び二亜硫酸塩から選ばれる無機硫酸塩であり、より好ましくは二亜硫酸塩から選ばれる無機硫酸塩である。(C)成分のカチオン(M)は、ナトリウム、カリウムや、アンモニウムイオン等の1価のカチオン、マグネシウム、カルシウム等の2価のカチオンであってよい。
(C)成分は、取扱いの容易さ、高品質でかつ高含有量のスルホン酸塩組成物を得る観点から、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸水素塩、二亜硫酸カリウム、二亜硫酸ナトリウムなどの二亜硫酸塩が好ましい。同様の観点から、塩としては、好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩、より好ましくはナトリウム塩である。同様の観点から(C)成分は、好ましくは二亜硫酸ナトリウム又は二亜硫酸カリウムであり、より好ましくは二亜硫酸ナトリウムである。
スルホン化反応により得られた(A)成分のスルホン酸塩を含む混合物には、未反応の(C)成分や(C)成分の加水分解物等の無機金属化合物が含まれる。混合物中の不溶成分の除去では、不溶成分の除去に供される混合物から析出した析出物を分離除去してもよい。また、不溶成分の除去に供される混合物から不溶成分を析出させて、析出した析出物を分離除去してもよい。この析出物には、未反応の(C)成分や(C)成分の加水分解物等の(D)無機金属化合物が含まれることとなる。
除去対象の不溶成分は(D)無機金属化合物であってよい。
(D)成分の無機金属化合物〔以下、(D)成分という〕としては、塩、水酸化物、酸化物などが挙げられる。(D)成分は、ハロゲンを含まない無機金属化合物であってよい。
(D)成分としては、前記無機硫酸塩、前記無機硫酸塩の加水分解物、前記無機硫酸塩の中和物、前記無機硫酸塩の加水分解物の中和物、前記無機硫酸塩の酸化物、前記無機硫酸塩の加水分解物の酸化物、及び前記無機硫酸塩の中和物の酸化物などが挙げられる。
具体的には、(D)成分としては、下記(D1)~(D4)から選ばれる1種以上が挙げられる。
(D1)MHSO、MSO、及びM(式中、Mは金属カチオンを表す)から選ばれる少なくとも1種の化合物
(D2)前記(D1)の化合物の加水分解物
(D3)前記(D1)の化合物の中和物、及び前記(D2)の加水分解物の中和物から選ばれる少なくとも1種の中和物
(D4)前記(D1)の化合物の酸化物、前記(D2)の加水分解物の酸化物、及び前記(D3)の中和物の酸化物から選ばれる少なくとも1種の酸化物
(D1)において、式中のMは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどが挙げられる。
(D1)のうち、MHSOとしては、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
(D1)のうち、MSOとしては、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
(D1)のうち、Mとしては、二亜硫酸カリウム、二亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
(D2)の前記加水分解物としては、(D)成分のスルホン化剤がMのときは、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
(D3)の前記中和物としては、前記(D1)の化合物及びその加水分解物から選ばれる化合物を、中和剤で中和した化合物が挙げられる。
(D4)の前記酸化物としては、前記(D1)の化合物、前記(D2)の加水分解物及び前記(D3)の中和物から選ばれる化合物を、酸化剤で酸化した化合物が挙げられる。
次に、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法について説明する。本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法は、(A)成分に、(B)成分の存在下で、(C)成分を所定の条件で反応させてスルホン酸塩を含有する混合物を得ること、その混合物中の不溶成分を除去すること、を行う。
(A)成分に(C)成分を反応させるスルホン化反応では、(A)成分に(C)成分を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩〔以下、(S)成分という〕が得られる。
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’ (2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
一般式(2)中、Mはカチオンであり、具体的には、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンが挙げられる。
一般式(2)中、R及びR’は、前記(A)成分の一般式(1)のR及びR’の態様及び好適態様と同様である。
p及びqは、それぞれ0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下、0であってよい。
pとqの合計は0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下、0であってよい。
(C)成分の使用量は、高品質な(S)成分を得る観点及び高い転換率で(S)成分を得る観点から、(A)成分1モルに対する(C)成分の使用量が、1.00モル以上1.20以下が好ましい。(A)成分1モルに対する(C)成分の使用量は、更に1.00モル超、更に1.05モル以上、更に1.10モル以上、更に1.13モル以上、そして、更に1.17モル以下から選択できる。
スルホン化反応では、可溶化剤(又は、反応促進剤)等として別途調製された(S)成分を使用することができる。別途調製された(S)成分として、後に詳細に説明する不溶成分の除去後や不溶成分の除去後に溶媒量を調整して得られた(S)成分を用いてもよい。可溶化剤として添加する(S)成分の使用量は、溶解性の乏しい(A)成分を溶媒に溶解する観点から、(A)成分の使用量に対して、1質量%以上が好ましく、生産性の観点から10質量%以下が好ましい。
本明細書に記載の態様及び好適態様は、特に断らない限り、別途調製された(S)成分を使用する場合と使用しない場合とで共通である。
スルホン化反応の際の(B1)成分の使用量は、得られるスルホン酸塩組成物中の(D)無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、(A)成分100質量部に対し、好ましくは7質量部以上、より好ましくは7.5質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、そして、好ましくは380質量部以下、より好ましくは300質量部以下、更に好ましくは216質量部以下、より更に好ましくは199質量部以下、より更に好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは85質量部以下、より更に好ましくは75質量部以下、より更に好ましくは60質量部以下、より更に好ましくは55質量部以下、より更に好ましくは51質量部以下である。スルホン化反応の際の(B1)成分の使用量は、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
スルホン化反応の際の(B2)成分の使用量は、得られるスルホン酸塩組成物中の(D)無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、(A)成分100質量部に対し、好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上であり、そして、好ましくは180質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、より更に好ましくは41質量部以下、より更に好ましくは39質量部以下、より更に好ましくは25質量部以下、より更に好ましくは18質量部以下、より更に好ましくは15質量部以下である。スルホン化反応の際の(B2)成分の使用量は、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
スルホン化反応の際、(B)成分における(B1)成分の使用量と(B2)成分の使用量の質量比(B1)/(B2)は、得られるスルホン酸塩組成物中の(D)無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは0.9以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは2.0以上、より更に好ましくは5.0以上、そして、例えば、1000以下、100以下、50以下、30以下、20以下、10以下であってよい。この質量比(B1)/(B2)は、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
スルホン化反応の反応時間は、高品質な(S)成分を得る観点及び高い転換率(例えば、90%以上)を得る観点から、10時間以下が好ましい。
スルホン化反応の反応温度は、(S)成分の加水分解を抑制する観点から、好ましくは125℃未満、より好ましくは120℃以下であり、そして、反応速度を早くして反応時間を短くする観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上、更に好ましくは110℃以上である。
スルホン化反応の際、(B)溶媒の沸点に応じて、常圧(大気圧)でも加圧下で行ってもよい。例えば、(B)成分がプロピレングリコールである場合、その沸点は188.2℃であるので、常圧でも反応させることができる。
また、スルホン化反応は、空気雰囲気下や窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
スルホン化反応後、(B1)成分及び/又は(B2)成分により、スルホン化反応で得られた混合物の濃度調整をすることが好ましい。例えば、スルホン化反応で得られた混合物に、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上の溶媒を添加した後、この混合物中の不溶成分を除去することが好ましい。
濃度調整後の混合物中の(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)を、得られるスルホン酸塩組成物中の(D)無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは0.9以上、より更に好ましくは1.0以上、そして、例えば、1000以下、100以下、50以下、30以下、20以下、10以下に調整してもよい。この質量比(B1)/(B2)は、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
スルホン化反応で得られた混合物に(B1)成分を混合する場合、スルホン化反応で得られた混合物に(B1)成分を混合した後の組成物中の(B1)成分の含有量が、物性面で取扱い易さや後の工程における操作性の観点から、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、そして、好ましくは380質量部以下、より好ましくは300質量部以下、更に好ましくは200質量部以下、より更に好ましくは60質量部以下となるように(B1)成分を混合することができる。スルホン化反応で得られた混合物中の(B1)成分の含有量が前記範囲であれば、(B1)成分を混合せずに、後の工程を行ってもよい。
スルホン化反応で得られた混合物に(B2)成分を混合する場合、スルホン化反応で得られた混合物に(B2)成分を混合した後の組成物中の(B2)成分の含有量が、物性面で取扱い易さや後の工程における操作性の観点から、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、そして、好ましくは180質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下となるように(B2)成分を混合することができる。スルホン化反応で得られた混合物中の(B2)成分の含有量が前記範囲であれば、(B2)成分を混合せずに、後の工程を行ってもよい。
スルホン化反応で得られた混合物に(B1)成分を混合する場合、物性面で取扱い易さや後の工程における操作性の観点から、スルホン化反応で得られた混合物に、(B1)成分を、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、例えば、1質量部以上、1.5質量部以上、10質量部以上、20質量部以上、そして、350質量部以下、320質量部以下、300質量部以下、250質量部以下、200質量部以下、150質量部以下、100質量部以下、75質量部以上、50質量部以下混合することができる。
スルホン化反応で得られた混合物に(B2)成分を混合する場合、物性面で取扱い易さや後の工程における操作性の観点から、スルホン化反応で得られた混合物に、(B2)成分を、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、例えば、1質量部以上、5質量部以上、15質量部以上、20質量部以上、そして、150質量部以下、100質量部以下、50質量部以下、40質量部以下、35質量部以下、30質量部以下混合することができる。
スルホン化反応で得られた混合物中の不溶成分の除去は、混合物中の(D)成分等の不溶成分の除去を行う。不溶成分の除去では、例えば、混合物から析出した不溶成分が濾過や遠心分離等により分離除去される。不溶成分の除去を行う前に、不溶成分の除去に供される混合物中の未反応の(C)成分及び/又はその加水分解物を中和及び/又は酸化してもよい。中和反応と酸化反応を行う場合、中和反応の後に酸化反応を行ってもよく、酸化反応の後に中和反応を行ってもよい。
中和反応及び酸化反応の反応温度は、(S)成分の加水分解を抑制する観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下であり、そして、操作性の観点から、好ましくは20℃以上である。
なお、中和反応及び酸化反応の反応温度とは、中和反応及び酸化反応時におけるスルホン化反応で得られた混合物の温度を示す。中和反応及び酸化反応は発熱を伴うため必要に応じて冷却を行い、前記の温度範囲で操作することで(S)成分の加水分解を抑制することができる。
中和反応で用いる中和剤は、特に限定されるものではないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を用いることができ、これは、粉末又は水溶液で用いることができる。取扱いの容易さ及び高品質のスルホン酸塩を得る観点から、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム、又は水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。中和剤の水溶液の濃度は、1質量%以上48質量%以下が好ましい。中和剤が炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液の場合、2質量%以上22質量%以下の炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム濃度の水溶液が更に好ましい。また、中和剤が水酸化ナトリウム水溶液の場合、2質量%以上35質量%以下の水酸化ナトリウム濃度の水溶液が更に好ましい。
酸化反応で用いる酸化剤は、特に限定されるものではないが、取扱いの容易さ、酸化処理の効率、及び高品質のスルホン酸塩を得る観点から、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の過酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜塩素酸塩、過マンガン酸カリウム、過酸化水素などが好ましく、過酸化水素がより好ましい。酸化剤として、過酸化水素を水に溶解した過酸化水素水を用いることができる。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分の含有量は、スルホン酸塩組成物中の無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは7.5質量部以上、より更に好ましくは8質量部以上、より更に好ましくは10質量部以上、より更に好ましくは15質量部以上であり、そして、好ましくは380質量部以下、より好ましくは300質量部以下、更に好ましくは216質量部以下、より更に好ましくは200質量部以下、より更に好ましくは199質量部以下、より更に好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは85質量部以下、より更に好ましくは75質量部以下、より更に好ましくは65質量部以下、より更に好ましくは60質量部以下、より更に好ましくは55質量部以下である。
不溶成分の除去に供される混合物中、(B1)成分の含有量は、同様の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分の含有量は、いずれの場合も、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
なお、不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分及び(B2)成分の含有量は、当該混合物での測定値、(A)成分のスルホン化反応の仕込み量と不溶成分の除去後の混合物中の各成分の含有量の測定値に基づいて算出された計算値を採用してもよい(以下、同様である)。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B2)成分の含有量は、スルホン酸塩組成物中の無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、より更に好ましくは25質量部以上であり、そして、好ましくは180質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、より更に好ましくは45質量部以下、より更に好ましくは40質量部以下、より更に好ましくは37質量部以下、より更に好ましくは35質量部以下、より更に好ましくは30質量部以下である。
不溶成分の除去に供される混合物中、(B2)成分の含有量は、同様の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは26質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは22質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B2)成分の含有量は、いずれの場合も、スルホン化反応で、別途調整された(S)成分を使用する場合も使用しない場合のどちらの場合も、この範囲が好ましい。
不溶成分の除去に供される混合物において、(S)成分、(B1)成分、及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)は、無機金属化合物除去の観点から、0.05以上、好ましくは0.09以上、より好ましくは0.10以上であり、そして、高純度及び/又はより高濃度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、0.65以下、好ましくは0.59以下、より好ましくは0.55以下、更に好ましくは0.50以下、より更に好ましくは0.40以下、より更に好ましくは0.35以下である。
不溶成分の除去に供される混合物において、(S)成分、(B1)成分、及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)は、無機金属化合物の除去の観点から、0.03以上、好ましくは0.10以上であり、そして、高純度及び/又はより高濃度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、0.26以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.23以下、更に好ましくは0.20以下、より更に好ましくは0.18以下である。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)は、スルホン酸塩組成物中の無機金属化合物の含有量が少なく、高純度のスルホン酸塩組成物を得る観点から、好ましくは0.3以上であり、例えば、0.6以上、0.80以上、0.82以上、0.85以上、0.9以上から選択することができ、そして、1000以下、100以下、50以下、30以下、20以下、10以下、5以下、2.5以下、2以下から選択することができる。無機塩等の無機金属化合物を混合物中に多く析出させる観点からは、(B2)成分の量が少なくても良いので、混合物中の(S)成分の量及び(B1)成分に対する(S)成分の溶解度をふまえて、この質量比(B1)/(B2)の上限値は任意に選択できる。
不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分と(B2)成分の含有量を上記のようにすると、(S)成分を混合物中に溶解させた状態で、混合物中に溶解する無機金属化合物の量を減少させることができる。この混合物を不溶成分の除去に供することで、(S)成分を高い濃度で含み、無機金属化合物の含有量が少ない混合物を得ることができる。
スルホン化反応で、別途調製した(S)成分を使用しない場合も使用する場合も、不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)の含有量、(B2)の含有量、及び(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)の好ましい態様は、前述の通りである。
(B1)成分や(B2)成分の含有量が上記の質量部(または含有量)となるようにスルホン化反応で使用する(B1)成分と(B2)成分の量を定めてもよい。また、不溶成分の除去に供される前の混合物に、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上の溶媒を添加し、(B1)成分や(B2)成分の含有量が調整された混合物を不溶成分の除去に供することもできる。不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分及び(B2)成分の含有量の調整は、スルホン化反応中又はスルホン化反応後であって不溶成分を除去する前に行うことができる。
不溶成分の除去に供される混合物の20℃における粘度は、物性面で取扱い易さや後の工程における操作性の観点から、好ましくは600mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下、更に好ましくは470mPa・s以下、より更に好ましくは450mPa・s以下、そして、例えば、0.1mPa・s以上、1mPa・s以上、10mPa・s以上であってよい。この混合物の粘度は、20℃においてB型回転粘度計を用いて測定することができる。
不溶成分を除去する際は、例えば、不溶成分の除去に供される混合物を50℃以下にして、混合物から析出した(D)成分を、公知の分離方法により分離除去してもよい。また、不溶成分の除去に供される混合物から不溶成分を析出させて、混合物から析出した(D)成分等を公知の分離方法により分離除去してもよい。
なお、純度の高いスルホン酸塩を得る観点から、不溶成分を除去する際に、共沸蒸留を行わないことが好ましい。
前記の分離方法としては、吸着膜や吸着剤による処理、凝集剤の添加、遠心分離、静置、デカンテーション、濾過などが挙げられる。濾過は、重力濾過、加圧濾過、減圧濾過などであってよい。また、不溶成分を除去する際、必要に応じて濾過助剤、凝集剤を併用してもよい。濾過助剤としては、特に制限は無く、工業的に使用されているケイソウ土、シリカ、ガラス繊維、活性炭などを用いることができる。
濾過助剤を用いる場合、無機金属化合物を除去する観点及び濾過助剤に含まれる液量の観点から、濾過助剤の添加量は、不溶成分の除去に供される混合物100質量部あたり、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
また、不溶成分除去操作時に捕捉される(D)成分の粒子径は、不溶成分の除去率および後の工程における操作性の観点から、例えば、10μm以下、5μm以下、そして、0.1μm以上、1μm以上であってよい。当該粒子径は、使用する濾過助剤および濾材の捕捉粒子径として保証された値である。すなわち、当該粒子径は、濾過手段の目開きで捕捉される粒子としての粒径である。
スルホン酸塩組成物の外観安定性及びスルホン酸塩組成物を他の成分と配合したときの濁りや沈殿物の生成の抑制、低温時の安定性の観点から、不溶成分の除去後の混合物中、硫酸ナトリウムの含有量が、好ましくは1.2質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下となるように不溶成分を除去することが好ましい。
本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法では、そのまま製品として利用できるスルホン酸塩組成物を得ることができる。このスルホン酸塩組成物を、二次製品の利用に供してもよい。本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法は、スルホン酸塩の製造後、すなわち、不溶成分の除去後、二次製品の利用に供するまでの間に、(B1)成分を添加しないものであってよい。
なお、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法では、不溶成分の除去後に、スルホン酸塩組成物中の(S)成分等が所望の濃度となるように、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上を含む溶媒を添加して、スルホン酸塩組成物の溶媒量の調整を行ってもよい。
本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法により、(S)成分を含むスルホン酸塩組成物が得られる。
本発明のスルホン酸塩組成物中、(B1)成分の含有量は、無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物を得る観点及び無機金属化合物の析出による濁りや沈殿を抑制する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは58質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である。(B1)の含有量がこの範囲であって、(B2)の含有量が下記の範囲であることが好ましい。
本発明のスルホン酸塩組成物中、(B2)成分の含有量は、無機金属化合物の含有量が少ないスルホン酸塩組成物を得る観点及び無機金属化合物の析出による濁りや沈殿を抑制する観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
本発明のスルホン酸塩組成物中の(B1)成分及び(B2)成分の含有量は、不溶成分を除去した後の含有量であっても、不溶成分を除去した後に溶媒量の調整を行った後の含有量であってもよい。
本発明のスルホン酸塩組成物は、外観の均一性及び生産効率の観点から、(S)成分を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは68質量%以下含有することができる。
また、本発明のスルホン酸塩組成物は、外観の均一性及び操作性の観点から、(S)成分を、好ましくは19質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下好ましくは70質量%以下、より好ましくは68質量%以下含有することができる。
本発明のスルホン酸塩組成物は、生産効率、外観の均一性及び操作性の観点から、(B)成分を、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは45質量%以下含有することができる。
また、本発明のスルホン酸塩組成物は、外観の均一性及び操作性の観点から、(B)成分を、好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下含有することができる。
本発明のスルホン酸塩組成物中の(D)成分の含有量は、(S)成分の純度の観点から、(S)成分の含有量100質量部に対して、好ましくは1.6質量部未満、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下であり、そして、生産性の観点から、例えば、0.10質量部以上、更には0.15質量部以上であってよい。
本発明のスルホン酸塩組成物は、(S)成分及び(B)成分以外の成分を含有することができる。例えば、マレイン酸又はフマル酸のジエステルあるいはモノエステル、2-プロピルヘプタノール、4-メチル2-プロピルヘキサノール、5-メチル2-プロピルヘキサノール、スルホコハク酸モノエステル塩、マレイン酸又はフマル酸の塩などの他にpH緩衝剤、防腐剤などの添加剤や調整剤を含有することができる。
本発明のスルホン酸塩組成物は、例えば、洗剤、可溶化剤、処理剤、改質剤、湿潤剤、浸透剤、農薬、塗料、化粧料及び乳化剤等の製品の原料として使用できる。
本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法の一態様として、(A)一般式(1)で表される化合物に、(B)(B1)有機溶剤及び(B2)水から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下、好ましくは0.59以下であり、
(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下、好ましくは0.20以下であり、且つ、好ましくは(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)が0.80以上である、スルホン酸塩組成物の製造方法が挙げられる。このスルホン酸塩組成物の製造方法において、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含有する混合物から不溶成分を析出させること、及び混合物から析出した成分を除去すること、を行ってもよい。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
混合物から不溶成分を析出させる際に、混合物中の成分の酸化反応、混合物中の成分の中和反応、及び混合物の冷却から選択される方法を1つまたは2以上を組み合わせて行ってもよい。
また、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法では、高品質な(S)成分を得る観点から、(A)成分に(C)成分を反応させて(S)成分を含有する混合物を得た後、混合物を加熱(例えば、80℃以上に昇温)することなく不溶成分の除去すること、を行ってもよい。更には、純度の高いスルホン酸塩を得る観点から、(A)成分に(C)成分を反応させて(S)成分を含有する混合物を得た後、共沸蒸留を行わずに、不溶成分の除去を行うことが好ましい。
<本発明の態様>
以下に、本発明の態様を例示する。以下の態様においても、一般式(1)で表される化合物が(A)成分、有機溶剤が(B1)成分、水が(B2)成分、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上の溶媒が(B)成分、スルホン化剤が(C)成分、一般式(2)で表されるスルホン酸塩が(S)成分である。
<1>(A)下記一般式(1)で表される化合物に、(B)(B1)有機溶剤及び(B2)水から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下であり、
(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下である、
スルホン酸塩組成物の製造方法。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
<2>(A)成分が、前記一般式(1)中のR及びR’が、独立して、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基である化合物である、前記<1>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<3>前記混合物に、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上の溶媒を添加した後、当該混合物中の不溶成分を除去する、前記<1>又は<2>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<4>前記スルホン酸塩組成物中、(B1)成分の含有量は、5質量%以上65質量%以下、(B2)成分の含有量は、3質量%以上25質量%以下である、前記<1>~<3>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<5>(B1)成分は、一価アルコール及び多価アルコールから選ばれる少なくとも1種である、前記<1>~<4>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<6>(C)成分は、MHSO、MSO及びM(式中、Mはカチオンを表す)から選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記<1>~<5>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<7>(A)成分1モルに対して(C)成分を1.00モル以上1.20モル以下の割合で用いる、前記<1>~<6>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<8>反応温度100℃以上125℃未満、常圧又は加圧下で、(A)成分に(C)成分を反応させる、前記<1>~<7>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<9>不溶成分の除去を行う前に、前記混合物中の未反応の(C)成分を中和及び/又は酸化する、前記<1>~<8>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<10>(A)成分と(C)成分との反応により得られるスルホン酸塩(以下、別途調製された(S)成分という)を別途調製し、当該スルホン酸塩の共存下で(A)成分に(C)成分を反応させる、前記<1>~<9>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<11>一般式(1)のR及びR’は、独立して、炭素数10の分岐鎖アルキル基及び炭素数10の分岐鎖アルケニル基から選ばれる基であり、更には炭素数10の分岐鎖アルキル基である、前記<1>~<10>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<12>一般式(1)のR及びR’は、独立して、n-デシル基、iso-デシル基、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基である、前記<1>~<10>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<13>一般式(1)のR及びR’は、独立して、n-デセニル基及びiso-デセニル基から選ばれる基である、前記<1>~<10>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<14>(A)成分を1種又は2種以上用いる、前記<1>~<13>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<15>(A)成分は、R及びR’の一方又は両方が2-プロピルヘプチル基である化合物である、前記<1>~<14>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<16>一般式(1)のn及びmは、それぞれ0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下又は0である、前記<1>~<15>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<17>一般式(1)のnとmの合計は0以上であり、そして、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下又は0である、前記<1>~<16>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<18>一価アルコールは、炭素数1以上12以下である、更には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、2-ノナノール、5-ノナノール、1-デカノール、1-ドデカノール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピルヘプタノール、4-メチル2-プロピルヘキサノール、5-メチル2-プロピルヘキサノールから選ばれる1種以上の化合物である、更には、エタノール、1-ブタノール及び1-プロパノールから選ばれる1種以上の化合物ある、更には、エタノールである、前記<5>~<17>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<19>多価アルコールは、炭素数2以上12以下であり、2価以上6価以下である、前記<5>~<17>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<20>多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトールから選ばれる1種以上の化合物である、更には、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上の化合物である、更には、プロピレングリコールである、前記<5>~<17>及び<19>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<21>(B1)成分は、エタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の化合物であり、更には、エタノール及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の化合物である、前記<1>~<20>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<22>(B2)成分は、水道水、精製水、イオン交換水の何れかである、前記<1>~<21>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<23>(C)成分は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び二亜硫酸塩から選択される1種以上の化合物である、更には、亜硫酸塩は、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸ナトリウムから選択される1種以上の亜硫酸塩、亜硫酸水素塩は、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素カリウム及び亜硫酸水素ナトリウムから選択される1種以上の亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩は、二亜硫酸カリウム及び二亜硫酸ナトリウムから選択される1種以上の二亜硫酸塩である、前記<1>~<22>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<24>(C)成分は、二亜硫酸ナトリウム又は二亜硫酸カリウムである、更には、二亜硫酸ナトリウムである、前記<1>~<23>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<25>一般式(2)のR及びR’は、独立して、炭素数10の分岐鎖アルキル基及び炭素数10の分岐鎖アルケニル基から選ばれる基である、更には、炭素数10の分岐鎖アルキル基である、前記<1>~<24>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<26>一般式(2)のR及びR’は、独立して、n-デシル基、iso-デシル基、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基である、前記<1>~<24>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<27>一般式(2)のR及びR’は、独立して、n-デセニル基及びiso-デセニル基から選ばれる基である、前記<1>~<24>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<28>一般式(2)のR及びR’は、独立して、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基である、前記<1>~<24>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<29>一般式(2)のp及びqは、それぞれ0以上であり、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下又は0である、前記<1>~<28>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<30>一般式(2)のpとqの合計は0以上であり、18以下、16以下、12以下、8以下、4以下、2以下、1以下又は0である、前記<1>~<29>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<31>(A)成分1モルに対する(C)成分の使用量は、1.00モル超、1.05モル以上、1.10モル以上、1.13モル以上の何れかから選択され、そして、1.17モル以下である、前記<1>~<30>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<32> スルホン化反応の際に、(B1)成分を、(A)成分100質量部に対し、好ましくは7質量部以上、より好ましくは7.5質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、そして、好ましくは380質量部以下、より好ましくは300質量部以下、更に好ましくは216質量部以下、より更に好ましくは199質量部以下、より更に好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは85質量部以下、より更に好ましくは75質量部以下、より更に好ましくは60質量部以下、より更に好ましくは55質量部以下、より更に好ましくは51質量部以下で用いる、前記<1>~<31>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<33>スルホン化反応の際に、(B2)成分を、(A)成分100質量部に対し、好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上、そして、好ましくは180質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、より更に好ましくは41質量部以下、より更に好ましくは39質量部以下、より更に好ましくは25質量部以下、より更に好ましくは18質量部以下、より更に好ましくは15質量部以下で用いる、前記<1>~<32>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<34>スルホン化反応の際に、(B1)成分の使用量と(B2)成分の使用量の質量比(B1)/(B2)が、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.7以上、より更好ましくは0.9以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは2.0以上、より更に好ましくは5.0以上である、前記<1>~<33>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<35>スルホン化反応後、(B1)成分及び/又は(B2)成分を用いて、スルホン化反応で得られた混合物の濃度調整をする、前記<1>~<34>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<36>濃度調整後の混合物中の(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)が、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは0.9以上、より更に好ましくは1.0以上である、前記<35>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<37>不溶成分の除去に供される混合物中の(B1)成分の含有量が、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは7.5質量部以上、より更に好ましくは8質量部以上、より更に好ましくは10質量部以上、より更に好ましくは15質量部以上であり、そして、好ましくは380質量部以下、より好ましくは300質量部以下、更に好ましくは216質量部以下、より更に好ましくは200質量部以下、より更に好ましくは199質量部以下、より更に好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは85質量部以下、より更に好ましくは75質量部以下、より更に好ましくは65質量部以下、より更に好ましくは60質量部以下、より更に好ましくは55質量部以下である、前記<1>~<36>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<38>不溶成分の除去に供される混合物中、(B1)成分の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である、前記<1>~<37>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<39>不溶成分の除去に供される混合物中の(B2)成分の含有量が、スルホン化反応前の(A)成分100質量部を基準として、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、より更に好ましくは25質量部以上であり、そして、好ましくは180質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、より更に好ましくは45質量部以下、より更に好ましくは40質量部以下、より更に好ましくは37質量部以下、より更に好ましくは35質量部以下、より更に好ましくは30質量部以下である、前記<1>~<38>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<40>不溶成分の除去に供される混合物中、(B2)成分の含有量が、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは26質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは22質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である、前記<1>~<39>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<41>不溶成分の除去に供される混合物において、(S)成分、(B1)成分、及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が、0.05以上、好ましくは0.09以上、より好ましくは0.10以上であり、そして、0.65以下、好ましくは0.59以下、より好ましくは0.55以下、更に好ましくは0.50以下、より更に好ましくは0.40以下、より更に好ましくは0.35以下である、前記<1>~<40>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<42>不溶成分の除去に供される混合物において、(S)成分、(B1)成分、及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が、0.03以上、好ましくは0.10以上であり、そして、0.26以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.23以下、更に好ましくは0.20以下、より更に好ましくは0.18以下である、前記<1>~<41>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<43>不溶成分の除去に供される混合物中、(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)は、好ましくは0.3以上であり、例えば、0.6以上、0.80以上、0.82以上、0.85以上、0.9以上であり、そして、1000以下、100以下、50以下、30以下、20以下、10以下、5以下、2.5以下、2以下である、前記<1>~<42>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<44>吸着膜や吸着剤、凝集剤の添加、遠心分離、静置、デカンテーション及び濾過から選択される1以上の分離方法により、前記混合物から前記不溶成分を除去する、前記<1>~<43>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<45>前記濾過は、重力濾過、加圧濾過又は減圧濾過である、前記<44>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<46>濾過助剤、更には、ケイソウ土、シリカ、ガラス繊維から選択される1以上の濾過助剤、及び凝集剤から選択される1種以上を用いて、前記混合物から前記不溶成分を除去する、前記<44>又は<45>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<47>前記濾過助剤の添加量は、不溶成分の除去に供される混合物100質量部あたり好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは1質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である、前記<46>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<48>不溶成分の除去後の混合物中、硫酸ナトリウムの含有量が、好ましくは1.2質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下である、前記<1>~<47>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<49>得られたスルホン酸塩組成物中、(B1)成分の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは58質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である、前記<1>~<48>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<50>得られたスルホン酸塩組成物中、(B2)成分の含有量が、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である、前記<1>~<49>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<51>得られたスルホン酸塩組成物は、(S)成分を、好ましくは19質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは68質量%以下含有する、前記<1>~<50>に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<52>得られたスルホン酸塩組成物は、(B)成分を、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは45質量%以下含有する、前記<1>~<51>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<53>(A)下記一般式(1)で表される化合物に、(B)(B1)有機溶剤及び(B2)水から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下、好ましくは0.59以下であり、
(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下、好ましくは0.20以下であり、且つ、好ましくは(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)が0.80以上である、前記<1>~<52>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
<54>(A)一般式(1)で表される化合物に、(B)(B1)有機溶剤及び(B2)水から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含有する混合物を得ること、この混合物から不溶成分を析出させること、及び混合物から析出した成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下、好ましくは0.59以下であり、
(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下、好ましくは0.20以下であり、且つ、好ましくは(B1)成分の含有量と(B2)成分の含有量の質量比(B1)/(B2)が0.80以上である、前記<1>~<53>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
(式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
(式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
<55>前記不溶成分は、未反応の(C)成分及び(C)成分の加水分解物から選ばれる(D)無機金属化合物を含む、前記<1>~<54>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<56>前記不溶成分を除去する際に、共沸蒸留を行わない、前記<1>~<55>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<57>前記不溶成分を除去して得られたスルホン酸塩組成物に、(B1)有機溶剤を添加しない、前記<1>~<56>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<58>前記不溶成分の除去に供される混合物の20℃における粘度が、好ましくは600mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下、更に好ましくは470mPa・s以下、より更に好ましくは450mPa・s以下である、前記<1>~<57>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<59>前記不溶成分の除去に供される混合物の粘度が、例えば、0.1mPa・s以上、1mPa・s以上、10mPa・s以上である、前記<1>~<58>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<60>前記不溶成分の除去操作時に捕捉される(D)成分の粒子径は、10μm以下、5μm以下である、前記<1>~<59>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<61>前記不溶成分の除去操作時に捕捉される(D)成分の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上である、前記<1>~<60>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
<62>前記不溶成分の除去後のスルホン酸塩組成物中の(D)成分の含有量は、(S)成分の含有量100質量部に対して1.6質量部未満、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下である、前記<1>~<61>の何れかに記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
実施例
<製造例>
米国特許出願公開第2007/0214999号明細書のExample 2に準じてマレイン酸ジエステル(ジ-(2-プロピルヘプチル)マレイン酸エステル(DDM))を得た。また、無水マレイン酸をフマル酸に変えて、同じ操作にてフマル酸ジエステル(ジ-(2-プロピルヘプチル)フマル酸エステル(DDF))を得た。
<工程1>
次に、表1~3の組成となるように、1Lのガラス製反応容器に先のマレイン酸ジエステル(又はフマル酸ジエステル)と二亜硫酸ナトリウム及びイオン交換水、プロピレングリコール(PG)を仕込み、公知の方法により表1~3に示す条件で反応させた。実施例3~11、13~20及び比較例1~2では、予め各実施例、比較例で製造するものと同じジアルキルスルホン酸塩(DASS)を反応促進剤として使用した。なお、以下の説明において、DASSは、反応促進剤としてのジアルキルスルホン酸塩としてだけでなく、実施例で製造したジアルキルスルホン酸塩も含み得る。
[使用した試薬]
・二亜硫酸ナトリウム:富士フイルム和光純薬株式会社製、特級試薬
・プロピレングリコール:富士フイルム和光純薬株式会社製、特級試薬
<工程2>
次に、工程1で得られたスルホン酸塩を含有する混合物を50℃以下まで冷却し、必要に応じて、該混合物に、表1~3に示す量のプロピレングリコール及び/又はイオン交換水を添加した。
<工程3>
次に、混合物を55℃以下に保ちながら、未反応の(C)成分及び/又は(C)成分の加水分解物を30%過酸化水素水で酸化処理した。また、混合物に35%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを5に調整した。中和工程を先に行う場合は、未反応の(C)成分及び/又は(C)成分の加水分解物を20%炭酸ナトリウムで処理した後、30%過酸化水素水で酸化処理した。
<工程4>
次に、混合物に、濾過助剤としてラヂオライト#900(昭和化学工業株式会社製)を加えた後、ジャケット付きの加圧濾過器(内容量2.9リットル、濾過面積0.0095m)に50℃温水を循環させて温度を保ちながら、窒素0.4MPaにて混合物を加圧濾過した。捕捉粒子径は1μm(濾過助剤カタログ記載値)であった。
(1)測定方法
実施例1~20及び比較例1、2で得られたスルホン酸塩組成物について各成分の含有量を、以下の方法により求めた。各成分の含有量は、工程4濾過直後に測定した。なお、工程4の濾過前の各成分の含有量(質量%)の内、(S)DASS、(B1)PG、硫酸ナトリウム及び(B2)水の含有量は工程1の仕込み量等に基づいて算出した。具体的には、(S)DASSの含有量は、(A)成分の仕込み量と表の転換率に基づいて算出した(S)成分に、必要に応じて工程1で添加されたDASSの添加量を加えて算出した。PGは、工程1の仕込み量と工程2の添加量に基づいて算出した。硫酸ナトリウムは、工程1における二亜硫酸ナトリウムの仕込み量と表の転換率に基づいて残留した二亜硫酸ナトリウムを算出し、残留した二亜硫酸ナトリウムを硫酸ナトリウムに換算した含有量である。(B2)水は、(S)DASS、(B1)PG、硫酸ナトリウムの残部として算出した。結果を表1~3に示す。
(1-1)スルホン酸塩(DASS) 質量%
合成洗剤試験法 JIS K 3362に従って求めた。
(1-2)ジ-(2-プロピルヘプチル)フマル酸エステル 質量%
ガスクロマトグラフィーによりジ-(2-プロピルヘプチル)フマル酸エステルを定量した。
(1-3)プロピレングリコール 質量%
ガスクロマトグラフィーによりプロピレングリコールを定量した。
(1-4)水 質量%
化学製品の水分試験法 JIS K 0068に従って求めた。
(1-5)硫酸ナトリウム 質量%
京都電子工業株式会社製の「電位差自動滴定装置」により硫酸ナトリウムを定量した。
また、工程4で、濾過に供される混合物の20℃における粘度を、B型回転粘度計(ブルックフィールド粘度計、東機産業社製)にてNo.2のローターを用いて測定した。
(2)評価方法
(2-1)スルホン酸塩組成物中の無機金属化合物含有量の評価
調製した各スルホン酸塩組成物中の硫酸ナトリウム量を上記の方法にて求めた。結果を表1~3に示す。工程4直後における各スルホン酸塩組成物中の硫酸ナトリウムの含有量が1.2質量%以下、更に0.8質量%未満であると、無機塩金属化合物の含有量がより低減されたスルホン酸塩組成物といえる。
(2-2)無機塩低減率
工程4における、濾過前の硫酸ナトリウムの含有量(質量%)と濾過後の硫酸ナトリウムの含有量に基づいて、下記の式より無機塩低減率を算出した。結果を表1~3に示す。なお、下記の式において、「濾過前」は、工程4の濾過前の硫酸ナトリウムの含有量(質量%)を示し、「濾過後」は、工程4の濾過後の硫酸ナトリウムの含有量(質量%)を示す。
無機塩低減率(%)=〔(濾過前-濾過後)/濾過前〕×100
(2-3)(S)成分に対する無機塩の割合
工程4後のスルホン酸塩組成物について、前記スルホン酸塩組成物に含まれる(S)成分100質量部に対する、当該スルホン酸塩組成物に含まれる硫酸ナトリウムの質量部に基づいて、各スルホン酸塩組成物の評価を行った。
この(S)成分100質量部に対する、硫酸ナトリウムの質量部が小さいほど、純度の高いスルホン酸塩組成物といえる。
(2-4)外観評価
工程4後のスルホン酸塩組成物30gを、密閉できるガラス容器(50mL)に入れて、20℃で、24時間保存後の外観を目視により観察した。
Figure 0007122492000001
表1中、※1、※2:(B1)成分及び(B2)成分の質量部(添加量又は含有量)は、スルホン化反応前の原材料である(A)成分の100質量部に対する(B1)成分又は(B2)成分の質量部を示す。次の表2、表3中の※1、※2も同様である。
Figure 0007122492000002
Figure 0007122492000003
表1~3より、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法によれば、スルホン酸塩組成物中の不溶成分(例えば、硫酸ナトリウム等の無機金属化合物)を効率良く除去できる。
また、本発明のスルホン酸塩組成物の製造方法によれば、高濃度で(S)一般式(2)で表されるスルホン酸塩を含み、スルホン酸塩組成物中の(S)成分の含有量に対する不溶成分(例えば、硫酸ナトリウム等の無機金属化合物)の含有量を効果的に低減することができる。

Claims (15)

  1. (A)下記一般式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕に、(B)(B1)有機溶剤〔以下、(B1)成分という〕及び(B2)水〔以下、(B2)成分という〕から選択される1種以上の溶媒の存在下で、(C)スルホン化剤〔以下、(C)成分という〕を反応させて、(S)下記一般式(2)で表されるスルホン酸塩〔以下、(S)成分という〕を含有する混合物を得ること、及び前記混合物中の不溶成分を除去すること、を行う、スルホン酸塩組成物の製造方法であって、
    前記不溶成分の除去に供される混合物は、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有し、(S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B1)成分の含有量の質量比(B1)/(S+B1+B2)が0.05以上0.65以下であり、
    (S)成分、(B1)成分及び(B2)成分の合計含有量に対する(B2)成分の含有量の質量比(B2)/(S+B1+B2)が0.03以上0.26以下である、
    スルホン酸塩組成物の製造方法。
    ROOC-(CH-CH=CH-(CH-COOR’ (1)
    (式中、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。n及びmはそれぞれ0以上18以下の数であり、nとmの合計は0以上18以下である。)
    ROOC-(CH-CH(SOM)-CH-(CH-COOR’(2)
    (式中、Mはカチオン、R、R’は、独立して炭素数10のアルキル基及び炭素数10のアルケニル基から選ばれる基である。p及びqはそれぞれ0以上18以下の数であり、pとqの合計は0以上18以下である。)
  2. (A)成分が、前記一般式(1)中のR及びR’が、独立して、2-プロピルヘプチル基、4-メチル2-プロピルヘキシル基及び5-メチル2-プロピルヘキシル基から選ばれる基である化合物である、請求項1に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  3. 前記混合物に、(B1)成分及び(B2)成分から選択される1種以上の溶媒を添加した後、当該混合物中の不溶成分を除去する、請求項1又は2に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  4. 前記スルホン酸塩組成物中、(B1)成分の含有量は、5質量%以上65質量%以下、(B2)成分の含有量は、3質量%以上25質量%以下である、請求項1~3の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  5. (B1)成分は、一価アルコール及び多価アルコールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  6. (C)成分は、MHSO、MSO及びM(式中、Mはカチオンを表す)から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1~5の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  7. 前記不溶成分は、未反応の(C)成分及び(C)成分の加水分解物から選ばれる(D)無機金属化合物を含む、請求項1~6の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  8. (A)成分1モルに対して(C)成分を1.00モル以上1.20モル以下の割合で用いる、請求項1~7の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  9. 反応温度100℃以上125℃未満、常圧又は加圧下で、(A)成分に(C)成分を反応させる、請求項1~8の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  10. 不溶成分の除去を行う前に、前記混合物中の未反応の(C)成分を中和及び/又は酸化する、請求項1~9の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  11. (A)成分と(C)成分との反応により得られるスルホン酸塩を別途調製し、当該スルホン酸塩の共存下で(A)成分に(C)成分を反応させる、請求項1~10の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  12. (B1)成分は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、2-ノナノール、5-ノナノール、1-デカノール、1-ドデカノール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2-プロピルヘプタノール、4-メチル2-プロピルヘキサノール、5-メチル2-プロピルヘキサノールから選ばれる1種以上の化合物である、請求項1~11の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  13. (B1)成分は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトールから選ばれる1種以上の化合物である、請求項1~11の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  14. (B1)成分は、エタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の化合物である、請求項1~11の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
  15. 不溶成分の除去後のスルホン酸塩組成物中の(D)成分の含有量は、(S)成分の含有量100質量部に対して1.6質量部未満である、請求項1~14の何れか1項に記載のスルホン酸塩組成物の製造方法。
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