JPH08333605A - 大きな比表面積を有する多孔質金属板材 - Google Patents

大きな比表面積を有する多孔質金属板材

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JPH08333605A
JPH08333605A JP7311744A JP31174495A JPH08333605A JP H08333605 A JPH08333605 A JP H08333605A JP 7311744 A JP7311744 A JP 7311744A JP 31174495 A JP31174495 A JP 31174495A JP H08333605 A JPH08333605 A JP H08333605A
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JP
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surface area
specific surface
porous metal
skeleton
porosity
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JP7311744A
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Koji Hoshino
孝二 星野
Yoshiyuki Mayuzumi
良享 黛
Toru Kono
通 河野
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな比表面積を有する多孔質金属板材を提
供する。 【解決手段】 多孔質金属板材が、10〜55%の気孔
率を有する有孔金属焼結体のスケルトンで構成され、か
つ全体比表面積:300〜3000cm2 /cm3 、全体気
孔率:80〜97%を有すると共に、片面または両面
に、スケルトンによって形成される気孔の孔径が内部孔
径に比して相対的に小径の細孔表面層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大きな比表面積
を有する多孔質金属板材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に各種機械装置の構造部材で
ある、例えばアルカリ2次電池の電極の活物質保持材、
水電解電極、石油暖房機器の灯油噴霧化部材、磁気シー
ルドパッキン、爆薬を使用するエアクッションの気体膨
脹緩衝材、吸音材、並びに浄化器の水電解フィルター、
空気清浄機の静電フィルター、エンジン排ガスのオイル
ミストフィルター、および高温排気集塵フィルターなど
の各種フィルターなどとして多孔質金属板材が用いられ
ており、この多孔質金属板材が、例えば特開平5−67
63号公報に記載され、かつ図3に概略説明図で示され
るように、無孔金属体のスケルトン(骨格)で構成され
ると共に、5〜75cm2 /cm3 の比表面積および92〜
96%の気孔率をもつことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の各種機械
装置の高性能化および高出力化はめざましく、これに伴
ない、これらの構造部材を構成する多孔質金属板材にも
より一段の多孔質化、すなわち比表面積の著しい増大が
望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来多孔質金属板材に比
してより大きな比表面積を有する多孔質金属板材を開発
すべく研究を行なった結果、基本的に、重量%で(以
下、配合組成に関する%は重量%を示す)、炭素数5〜
8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.5〜10%、界
面活性剤:0.05〜5%、水溶性樹脂結合剤:0.5
〜20%、平均粒径:0.5〜200μmの金属粉:3
0〜80%、必要に応じて、多価アルコール、油脂、エ
ーテル、およびエステルのうちの1種または2種以上か
らなる可塑剤:0.1〜15%、水:残り、からなる配
合組成を有する混合物を調製し、この混合物から、例え
ば公知のドクターブレード法やスリップキャスト法、さ
らに塗布法などの方法にて、所定厚さ、望ましくは0.
5〜5mmの厚さの板状成形体を形成し、この板状成形体
の片面または両面に遠赤外線を照射し、かつ前記板状成
形体を5℃以上の温度に保持すると、上記非水溶性炭化
水素系有機溶剤が、水よりも大きい蒸気圧を有するので
気化し、ガスとなって前記板状成形体から蒸発すること
から、前記板状成形体内には微細な気泡が多数発生し、
その孔径は時間とともに徐々に大きくなるが、上記の遠
赤外線が照射された板状成形体の片面または両面の表面
部分は速かに乾燥して気泡の拡大成長が停止するように
なり、この結果遠赤外線が照射された片面または両面の
表面部分に形成された気孔の孔径が内部気孔の孔径に比
して相対的に小孔の多孔質板状成形体が形成され、この
多孔質板状成形体は、上記水溶性樹脂結合剤によってハ
ンドリング可能な強度をもち、また上記可塑剤によって
可塑性も具備するものであり、さらにこの多孔質板状成
形体を通常の条件で焼結すると、図1に概略説明図で示
される通り10〜55%の気孔率を有する有孔金属焼結
体のスケルトン(骨格)で構成され、かつ図2に概略斜
視図および要部拡大図面で示される通り片面または両面
にスケルトンによって形成された気孔の孔径が内部孔径
に比して相対的に小径の細孔表面層を有する多孔質金属
板材となり、この多孔質金属板材は、スケルトン自体が
10〜55%の気孔率を有する有孔金属焼結体からなる
ので、300〜3000cm2 /cm3 のきわめて大きい全
体比表面積並びに80〜97%の著しく高い全体気孔率
をもつようになり、かつ上記細孔表面層によって強度も
具備するという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、10〜55%の気孔率を有する
有孔金属焼結体のスケルトンで構成され、かつ全体比表
面積:300〜3000cm2 /cm3 、全体気孔率:80
〜97%を有すると共に、片面または両面に、スケルト
ンによって形成される気孔の孔径が内部孔径に比して相
対的に小径の細孔表面層を有する、大きな比表面積をも
った多孔質金属板材に特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の多孔質金属板材におい
て、これを構成するスケルトン自体の気孔率は、主とし
て混合物中の金属粉の平均粒径によって調製することが
でき、したがってその平均粒径が0.5μm未満では気
孔率が10%未満となってしまい、この結果多孔質金属
板材の全体比表面積を300cm2 /cm3 以上、同気孔率
を80%以上にすることが困難になり、一方その平均粒
径が200μmを越えると、前記スケルトンの気孔率が
55%を越えて大きくなってしまい、この場合は多孔質
金属板材の全体比表面積が3000cm2 /cm3 を越える
ようになるばかりでなく、全体気孔率も97%を越える
ことになり、所望の強度を安定的に確保することができ
ないという理由で、スケルトンの気孔率、並びに多孔質
金属板材の全体比表面積および全体気孔率を上記の通り
に定めた。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の多孔質金属板
材を実施例により具体的に説明する。まず、金属粉とし
て表1,2に示される平均粒径および組成を有する各種
の金属粉、有機溶剤として、ネオペンタン[以下、A−
(1)という]、ヘキサン[同じくA−(2)という、
以下同じ]、イソヘキサン[A−(3)]、ヘプタン
[A−(4)]、イソヘプタン[A−(5)]、ベンゼ
ン[A−(6)]、オクタン[A−(7)]、およびト
ルエン[A−(8)]、界面活性剤として上記の市販の
台所用中性合成洗剤、水溶性樹脂結合剤として、メチル
セルロース[以下、B−(1)という]、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース[同じくB−(2)という、以
下同じ]、ヒドロキシエチルメチルセルロース[B−
(3)]、カルボキシメチルセルロースアンモニウム
[B−(4)]、エチルセルロース[B−(5)]、お
よびポリビニルアルコール[B−(6)]、可塑剤とし
て、ポリエチレングリコール[以下、C−(1)とい
う]、オリーブ油[同じくC−(2)という、以下同
じ]、石油エーテル[C−(3)]、フタル酸ジNブチ
ル[C−(4)]、およびソルビタンモノオレート[C
−(5)]、グリセリン[C−(6)]をそれぞれ用意
し、これらを表1,2に示される配合組成で水に配合
し、通常の条件で混合することにより混合物A〜Pをそ
れぞれ調製した。
【0008】ついで、これらの各種混合物A〜Pをそれ
ぞれ公知のドクターブレード法にてキャリアシート上に
所定厚さに塗布して板状成形し、この板状成形体の片面
に、遠赤外線加熱装置のヒーターの表面温度を150〜
300℃の範囲内の所定温度として、30〜300秒の
範囲内の所定時間照射した後、表3に示される条件で気
泡形成を行ない、空気中、温度:500℃に2時間保持
の条件で脱脂処理し、引続いて同じく表3に示される条
件で焼結することにより表4に示される厚さを有し、か
つ片面に細孔表面層を有する本発明多孔質金属板材1〜
16をそれぞれ製造した。
【0009】また、比較の目的で、市販のポリウレタン
フォーム板材の片面に厚さ:0.5μmの厚さでNiを
蒸着して前記ポリウレタンフォームに導電性を付与し、
この状態で硫酸ニッケル水溶液中に浸漬し、陰極として
0.5A/dm2 の電流密度でNi電気メッキ処理を施
し、前記ポリウレタンフォームの貫通孔表面に平均厚
さ:50μmのNiメッキ層を形成し、ついでこれを水
素気流中、温度:1100℃に0.5時間保持の条件で
加熱して前記ポリウレタンフォームを燃焼させることに
より厚さ:1.6mmの従来多孔質金属板材を製造した。
【0010】つぎに、この結果得られた本発明多孔質金
属板材1〜16および従来多孔質金属板材について、画
像解析装置を併用して全体気孔率を測定し、かつBET
法にて全体比表面積を測定し、さらに前記多孔質金属板
材を構成するスケルトンの気孔率、細孔表面層の厚さ、
細孔表面層および板材中心部におけるスケルトンによっ
て形成された気孔の径を測定した。これらの測定結果を
測定個所:30ヶ所の平均値として表4に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】表4に示される結果から、本発明多孔質
金属板材1〜16は、いずれも図1に示される通りの有
孔金属焼結体のスケルトンで構成され、かつ前記スケル
トンは10〜55%の高い気孔率を有するので、スケル
トンが図3に示される通りの無孔金属体からなる従来多
孔質金属板材に比して著しく大きな比表面積をもつこと
が明らかである。上述のように、この発明の多孔質金属
板材は、きわめて大きい比表面積を有し、かつ細孔表面
層によって強度も確保されることから、これの各種機械
装置の構造部材への適用によってすぐれた性能を発揮
し、各種機械装置の高性能化および高出力化に十分満足
に対応することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明多孔質金属板材を構成するスケルトンの
概略説明図である。
【図2】本発明多孔質金属板材を示す概略斜視図および
要部拡大断面図である。
【図3】従来多孔質金属板材を構成するスケルトンの概
略説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜55%の気孔率を有する有孔金属
    焼結体のスケルトンで構成され、かつ全体比表面積:3
    00〜3000cm2 /cm3 、全体気孔率:80〜97%
    を有すると共に、片面または両面に、スケルトンによっ
    て形成される気孔の孔径が内部孔径に比して相対的に小
    径の細孔表面層を有することを特徴とする大きな比表面
    積を有する多孔質金属板材。
JP7311744A 1995-04-03 1995-11-30 大きな比表面積を有する多孔質金属板材 Pending JPH08333605A (ja)

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