JPH08333516A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH08333516A JPH08333516A JP13964195A JP13964195A JPH08333516A JP H08333516 A JPH08333516 A JP H08333516A JP 13964195 A JP13964195 A JP 13964195A JP 13964195 A JP13964195 A JP 13964195A JP H08333516 A JPH08333516 A JP H08333516A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- graft copolymer
- carbonate
- segment
- thermoplastic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エンジニアリングプラスチックス等の熱可塑
性樹脂における耐衝撃性などの機械的物性や塗装性等を
損なうことなく、耐熱性を向上させることができる熱可
塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(I)
と、特定の多層構造を示すグラフト共重合体(II)とよ
りなる。このグラフト共重合体(II)は、ポリカーボネ
ート系樹脂セグメントとビニル系重合体セグメントとか
らなり、一方のセグメントにより形成される連続相中に
他方のセグメントにより形成される分散相が微細に分散
している。ポリカーボネート系樹脂セグメントのガラス
転移温度が高いため、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を高
めることができる。
性樹脂における耐衝撃性などの機械的物性や塗装性等を
損なうことなく、耐熱性を向上させることができる熱可
塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(I)
と、特定の多層構造を示すグラフト共重合体(II)とよ
りなる。このグラフト共重合体(II)は、ポリカーボネ
ート系樹脂セグメントとビニル系重合体セグメントとか
らなり、一方のセグメントにより形成される連続相中に
他方のセグメントにより形成される分散相が微細に分散
している。ポリカーボネート系樹脂セグメントのガラス
転移温度が高いため、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を高
めることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可塑性樹脂、特に
エンジニアリングプラスチックスの耐衝撃性、耐熱性お
よび塗装性が改良され、電気および電子部品、機械部
品、自動車部品などの広い分野で使用される熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
エンジニアリングプラスチックスの耐衝撃性、耐熱性お
よび塗装性が改良され、電気および電子部品、機械部
品、自動車部品などの広い分野で使用される熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンエ−テル系
樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のエンジニ
アリングプラスチックスは、耐熱性、機械的物性等に優
れるため様々な分野の成形材料として広く使用されてい
る。しかしながら、これらのエンジニアリングプラスチ
ックスは耐衝撃性あるいは塗装性に問題があり、その改
良が求められている。
脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンエ−テル系
樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のエンジニ
アリングプラスチックスは、耐熱性、機械的物性等に優
れるため様々な分野の成形材料として広く使用されてい
る。しかしながら、これらのエンジニアリングプラスチ
ックスは耐衝撃性あるいは塗装性に問題があり、その改
良が求められている。
【0003】例えば、ポリエステル系樹脂の耐衝撃性を
改良する方法として、特開昭51−144452号公
報、特開昭52−32045号公報、特開昭53−11
7049号公報などには、α−オレフィンとα,β−不
飽和酸グリシジルエステルからなる共重合体をブレンド
する方法が開示されている。また、特開平2−1730
49号公報には、ポリプロピレンにポリオレフィンとビ
ニル系重合体とからなるグラフト共重合体をブレンドす
ることにより、塗装性を向上させる方法が開示されてい
る。
改良する方法として、特開昭51−144452号公
報、特開昭52−32045号公報、特開昭53−11
7049号公報などには、α−オレフィンとα,β−不
飽和酸グリシジルエステルからなる共重合体をブレンド
する方法が開示されている。また、特開平2−1730
49号公報には、ポリプロピレンにポリオレフィンとビ
ニル系重合体とからなるグラフト共重合体をブレンドす
ることにより、塗装性を向上させる方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリエステ
ル系樹脂等のエンジニアリングプラスチックスにα−オ
レフィンとα,β−不飽和酸グリシジルエステルからな
る共重合体をブレンドすると耐衝撃性は向上するもの
の、耐熱性が極端に低下するという問題がある。また、
ポリプロピレンにポリオレフィンとビニル系重合体とか
らなるグラフト共重合体をブレンドすると塗装性は向上
するものの、耐熱性が低下するという問題があり、その
改良が望まれている。
ル系樹脂等のエンジニアリングプラスチックスにα−オ
レフィンとα,β−不飽和酸グリシジルエステルからな
る共重合体をブレンドすると耐衝撃性は向上するもの
の、耐熱性が極端に低下するという問題がある。また、
ポリプロピレンにポリオレフィンとビニル系重合体とか
らなるグラフト共重合体をブレンドすると塗装性は向上
するものの、耐熱性が低下するという問題があり、その
改良が望まれている。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、エンジニアリングプラスチックス等の熱可
塑性樹脂における耐衝撃性などの機械的物性や塗装性等
を損なうことなく、耐熱性を向上させることができる熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
する問題に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、エンジニアリングプラスチックス等の熱可
塑性樹脂における耐衝撃性などの機械的物性や塗装性等
を損なうことなく、耐熱性を向上させることができる熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の発明では、
熱可塑性樹脂(I)と、ポリカーボネート系樹脂セグメ
ントとビニル系樹脂セグメントからなり、一方のセグメ
ントにより形成される連続相中に他方のセグメントによ
り形成される分散相が微細に分散している多相構造を示
すグラフト共重合体(II)とよりなるものである。
に、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の発明では、
熱可塑性樹脂(I)と、ポリカーボネート系樹脂セグメ
ントとビニル系樹脂セグメントからなり、一方のセグメ
ントにより形成される連続相中に他方のセグメントによ
り形成される分散相が微細に分散している多相構造を示
すグラフト共重合体(II)とよりなるものである。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記熱可塑性樹脂(I)の含有量が
50〜99.9重量%で、グラフト共重合体(II)の含
有量が0.1〜50重量%である。
載の発明において、前記熱可塑性樹脂(I)の含有量が
50〜99.9重量%で、グラフト共重合体(II)の含
有量が0.1〜50重量%である。
【0008】以下に、この発明について詳細に説明す
る。熱可塑性樹脂(I)としては、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフ
ェニレンエ−テル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド
系樹脂等のエンジニアリングプラスチックス、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹
脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)等のス
チレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(MMA)を
初めとするアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニ
ル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂が挙げら
れる。
る。熱可塑性樹脂(I)としては、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフ
ェニレンエ−テル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド
系樹脂等のエンジニアリングプラスチックス、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹
脂)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)等のス
チレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(MMA)を
初めとするアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニ
ル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂が挙げら
れる。
【0009】これらのうち、耐衝撃性を向上させる観点
からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
アセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂
が好ましく、耐熱性を向上させる観点からは、AS、A
BS、HIPS等のスチレン系樹脂、MMAを初めとす
るアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂
が好ましい。また、塗装性を向上させる観点からは、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のエンジ
ニアリングプラスチックスやポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン
系樹脂が好ましく、特にポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂、ポリプロピレンが好ましい。
からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
アセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂
が好ましく、耐熱性を向上させる観点からは、AS、A
BS、HIPS等のスチレン系樹脂、MMAを初めとす
るアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂
が好ましい。また、塗装性を向上させる観点からは、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のエンジ
ニアリングプラスチックスやポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン
系樹脂が好ましく、特にポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂、ポリプロピレンが好ましい。
【0010】次に、グラフト共重合体(II)は、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメント
から構成される。ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメント
は、ガラス転移温度が従来のポリオレフィン系グラフト
共重合体のポリオレフィンセグメントのガラス転移温度
(30℃以下)より高いため(例えば150℃)、熱可
塑性樹脂組成物の耐熱性を向上させることができるとと
もに、耐衝撃性などの機械的物性を向上させることがで
きる。
−ボネ−ト系樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメント
から構成される。ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメント
は、ガラス転移温度が従来のポリオレフィン系グラフト
共重合体のポリオレフィンセグメントのガラス転移温度
(30℃以下)より高いため(例えば150℃)、熱可
塑性樹脂組成物の耐熱性を向上させることができるとと
もに、耐衝撃性などの機械的物性を向上させることがで
きる。
【0011】このポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメント
は、従来のポリカ−ボネ−ト系樹脂と同様の製法、即ち
界面重合法、ピリジン法、クロロホルメ−ト法等の溶液
重合法で製造されるものと、エステル交換法の溶融法で
製造されるものがある。このセグメントは、粘度平均分
子量が2000〜100000、好ましくは5000〜
50000、特に好ましくは6000〜30000であ
る。
は、従来のポリカ−ボネ−ト系樹脂と同様の製法、即ち
界面重合法、ピリジン法、クロロホルメ−ト法等の溶液
重合法で製造されるものと、エステル交換法の溶融法で
製造されるものがある。このセグメントは、粘度平均分
子量が2000〜100000、好ましくは5000〜
50000、特に好ましくは6000〜30000であ
る。
【0012】溶液法で製造される場合、反応後のポリカ
−ボネ−ト系樹脂溶液からポリカ−ボネ−ト系樹脂を固
形化して回収する方法としては、ポリカ−ボネ−ト系樹
脂溶液に貧溶媒を添加して沈殿化する方法、ポリカ−ボ
ネ−ト系樹脂溶液から溶媒を留去して濃縮し、粉状体と
する方法、ポリカ−ボネ−ト系樹脂溶液に貧溶媒を添加
し、加熱下の温水中に該混合物を添加し温水中に懸濁さ
せて溶媒および貧溶媒を留去して固形化し、水スラリ−
液を生成させつつ固形化過程の液を湿式粉砕機に循環し
粉砕する方法等の種々の方法がある。この発明において
は、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の水懸濁液として、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂の水スラリ−液をそのまま用いるの
が、合理的で好ましい。
−ボネ−ト系樹脂溶液からポリカ−ボネ−ト系樹脂を固
形化して回収する方法としては、ポリカ−ボネ−ト系樹
脂溶液に貧溶媒を添加して沈殿化する方法、ポリカ−ボ
ネ−ト系樹脂溶液から溶媒を留去して濃縮し、粉状体と
する方法、ポリカ−ボネ−ト系樹脂溶液に貧溶媒を添加
し、加熱下の温水中に該混合物を添加し温水中に懸濁さ
せて溶媒および貧溶媒を留去して固形化し、水スラリ−
液を生成させつつ固形化過程の液を湿式粉砕機に循環し
粉砕する方法等の種々の方法がある。この発明において
は、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の水懸濁液として、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂の水スラリ−液をそのまま用いるの
が、合理的で好ましい。
【0013】ポリカ−ボネ−ト系樹脂は、ビスフェノー
ルAなどの二価フェノ−ル系化合物を原料として製造さ
れる。この二価フェノ−ル系化合物として好ましいもの
は、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブ
ロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ジフェニルメタンが例示される。
ルAなどの二価フェノ−ル系化合物を原料として製造さ
れる。この二価フェノ−ル系化合物として好ましいもの
は、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブ
ロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ジフェニルメタンが例示される。
【0014】ポリカ−ボネ−ト系樹脂としては、反応性
の不飽和末端基を有するものを使用してもよい。この場
合、グラフト共重合体(III) を製造する場合のグラフト
効率を高めることができる。この不飽和末端基を有する
ポリカ−ボネ−ト系樹脂は、分子量調整剤もしくは末端
停止剤として二重結合を有する一官能化合物を、または
これと従来の末端停止剤を併用するほかは従来のポリカ
−ボネ−ト系樹脂と同様の製法、即ち界面重合法、ピリ
ジン法、クロロホルメ−ト法等の溶液法で製造される。
の不飽和末端基を有するものを使用してもよい。この場
合、グラフト共重合体(III) を製造する場合のグラフト
効率を高めることができる。この不飽和末端基を有する
ポリカ−ボネ−ト系樹脂は、分子量調整剤もしくは末端
停止剤として二重結合を有する一官能化合物を、または
これと従来の末端停止剤を併用するほかは従来のポリカ
−ボネ−ト系樹脂と同様の製法、即ち界面重合法、ピリ
ジン法、クロロホルメ−ト法等の溶液法で製造される。
【0015】不飽和末端基を導入するための二重結合を
有する一官能基化合物としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、ビニル酢酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
5−ヘキセン酸、9−デセン酸、9−ウンデセン酸など
の不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、メタクリ
ル酸クロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアルコ
−ルクロロホルメ−ト、イソプロペニルフェノ−ルクロ
ロホルメ−トまたはヒドロキシスチレンクロロホルメ−
トなどの酸クロライドまたはクロロホルメ−ト;イソプ
ロペニルフェノ−ル、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシ
フェニルマレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステ
ルまたはヒドロキシ安息香酸メチルアリルエステルなど
の不飽和酸を有するフェノ−ル類等が挙げられる。これ
らの化合物は従来の末端停止剤と併用してもよいもので
あり、上記した二価フェノ−ル系化合物1モルに対し
て、通常、1〜25モル%、好ましくは1.5〜10モ
ル%の範囲で使用される。
有する一官能基化合物としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、ビニル酢酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
5−ヘキセン酸、9−デセン酸、9−ウンデセン酸など
の不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、メタクリ
ル酸クロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアルコ
−ルクロロホルメ−ト、イソプロペニルフェノ−ルクロ
ロホルメ−トまたはヒドロキシスチレンクロロホルメ−
トなどの酸クロライドまたはクロロホルメ−ト;イソプ
ロペニルフェノ−ル、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシ
フェニルマレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステ
ルまたはヒドロキシ安息香酸メチルアリルエステルなど
の不飽和酸を有するフェノ−ル類等が挙げられる。これ
らの化合物は従来の末端停止剤と併用してもよいもので
あり、上記した二価フェノ−ル系化合物1モルに対し
て、通常、1〜25モル%、好ましくは1.5〜10モ
ル%の範囲で使用される。
【0016】ポリカ−ボネ−ト系樹脂は、上記の成分を
必須として製造するものであるが、分岐化剤の二価フェ
ノ−ル系化合物に対して0.01〜3モル%、特に0.
1〜1モル%の範囲で併用して分岐化ポリカ−ボネ−ト
系樹脂を用いることもできる。この場合、熱可塑性樹脂
組成物の機械的強度や耐熱性などの物性を向上させるこ
とができる。このような分岐化剤としては、フロログリ
シン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(ヒドロキ
シフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェノ−ル、α,α′,α″−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、および3,3−ビス(4−ヒドロキシアリ−ル)オ
キシインド−ル(=イサチンビスフェノ−ル)、5−ク
ロルイサチン、5,7−ブロムイサチン、5−ブロムイ
サチンなどが例示される。
必須として製造するものであるが、分岐化剤の二価フェ
ノ−ル系化合物に対して0.01〜3モル%、特に0.
1〜1モル%の範囲で併用して分岐化ポリカ−ボネ−ト
系樹脂を用いることもできる。この場合、熱可塑性樹脂
組成物の機械的強度や耐熱性などの物性を向上させるこ
とができる。このような分岐化剤としては、フロログリ
シン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(ヒドロキ
シフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェノ−ル、α,α′,α″−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、および3,3−ビス(4−ヒドロキシアリ−ル)オ
キシインド−ル(=イサチンビスフェノ−ル)、5−ク
ロルイサチン、5,7−ブロムイサチン、5−ブロムイ
サチンなどが例示される。
【0017】このときのポリカ−ボネ−ト系樹脂の粒径
は、0.1〜5mm程度の粉状またはペレット状であるこ
とが好ましい。粒径が過度に大きいと、グラフト共重合
体(II)を合成する際の懸濁液中での分散が困難である
ばかりでなく、ビニル単量体等の含浸時間が長くなる欠
点がある。また多孔質であることが含浸する上でより好
ましい。
は、0.1〜5mm程度の粉状またはペレット状であるこ
とが好ましい。粒径が過度に大きいと、グラフト共重合
体(II)を合成する際の懸濁液中での分散が困難である
ばかりでなく、ビニル単量体等の含浸時間が長くなる欠
点がある。また多孔質であることが含浸する上でより好
ましい。
【0018】この発明において使用されるグラフト共重
合体(II)を構成するビニル系樹脂セグメントは、具体
的には、スチレン、核置換スチレン、α−置換スチレン
などの芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリル
などのシアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アク
リル酸エステル単量体、フェニルマレイミド、シクロヘ
キシルマレイミドなどのマレイミド単量体からなる群か
ら選択される1種以上の単量体の重合により形成される
ビニル系樹脂セグメントである。
合体(II)を構成するビニル系樹脂セグメントは、具体
的には、スチレン、核置換スチレン、α−置換スチレン
などの芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリル
などのシアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アク
リル酸エステル単量体、フェニルマレイミド、シクロヘ
キシルマレイミドなどのマレイミド単量体からなる群か
ら選択される1種以上の単量体の重合により形成される
ビニル系樹脂セグメントである。
【0019】グラフト共重合体(II)は、ポリカ−ボネ
−ト系樹脂セグメントにより形成される連続相中に、ビ
ニル系樹脂セグメントが球状に微細に分散しているも
の、またはビニル系樹脂セグメントにより形成される連
続相中に、ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメントが球状に
微細に分散しているものである。分散している樹脂の粒
子径は、0.01〜10μmである。分散樹脂粒子径が
0.01μm未満の場合あるいは10μmを超える場
合、成形品の耐熱性が低下したり、耐衝撃性の改良効果
が不足したりするため好ましくない。
−ト系樹脂セグメントにより形成される連続相中に、ビ
ニル系樹脂セグメントが球状に微細に分散しているも
の、またはビニル系樹脂セグメントにより形成される連
続相中に、ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメントが球状に
微細に分散しているものである。分散している樹脂の粒
子径は、0.01〜10μmである。分散樹脂粒子径が
0.01μm未満の場合あるいは10μmを超える場
合、成形品の耐熱性が低下したり、耐衝撃性の改良効果
が不足したりするため好ましくない。
【0020】グラフト共重合体(II)中のビニル系樹脂
の数平均重合度は、10〜5000、好ましくは100
〜2000である。数平均重合度が10未満であると、
成形品の耐衝撃性を向上させることは可能であるが、耐
熱性が低下するため好ましくない。また、数平均重合度
が5000を超えると、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度
が高く、成形性が低下したり、成形品の表面外観が悪化
するために好ましくない。
の数平均重合度は、10〜5000、好ましくは100
〜2000である。数平均重合度が10未満であると、
成形品の耐衝撃性を向上させることは可能であるが、耐
熱性が低下するため好ましくない。また、数平均重合度
が5000を超えると、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度
が高く、成形性が低下したり、成形品の表面外観が悪化
するために好ましくない。
【0021】このグラフト共重合体(II)は、ポリカ−
ボネ−ト系樹脂セグメントが好ましくは5〜95重量
%、さらに好ましくは30〜90重量%、最も好ましく
は50〜85重量%からなるものである。従って、ビニ
ル系樹脂セグメントは好ましくは95〜5重量%、さら
に好ましくは70〜10重量%、最も好ましくは50〜
15重量%である。ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメント
が5重量%未満、あるいは95重量%を超えると、耐衝
撃性改良効果が不十分であり好ましくない。
ボネ−ト系樹脂セグメントが好ましくは5〜95重量
%、さらに好ましくは30〜90重量%、最も好ましく
は50〜85重量%からなるものである。従って、ビニ
ル系樹脂セグメントは好ましくは95〜5重量%、さら
に好ましくは70〜10重量%、最も好ましくは50〜
15重量%である。ポリカ−ボネ−ト系樹脂セグメント
が5重量%未満、あるいは95重量%を超えると、耐衝
撃性改良効果が不十分であり好ましくない。
【0022】次に、熱可塑性樹脂(I)とグラフト共重
合体(II)の割合は、熱可塑性樹脂(I)が、好ましく
は50〜99.9重量%、さらに好ましくは60〜9
9.9重量%、特に好ましくは80〜99重量%であ
る。すなわち、グラフト共重合体(II)は好ましくは5
0〜0.1重量%、さらに好ましくは40〜0.1重量
%、特に好ましくは20〜1重量%である。熱可塑性樹
脂(I)が99.9重量%を越える場合、すなわちグラ
フト共重合体(II)が0.1重量%未満の場合、成形品
の耐衝撃性や塗装性の改良効果が不十分で、また熱可塑
性樹脂(I)が50重量%未満、すなわちグラフト共重
合体(II)が50重量%を越えると成形品の耐熱性が低
下してしまい好ましくない。
合体(II)の割合は、熱可塑性樹脂(I)が、好ましく
は50〜99.9重量%、さらに好ましくは60〜9
9.9重量%、特に好ましくは80〜99重量%であ
る。すなわち、グラフト共重合体(II)は好ましくは5
0〜0.1重量%、さらに好ましくは40〜0.1重量
%、特に好ましくは20〜1重量%である。熱可塑性樹
脂(I)が99.9重量%を越える場合、すなわちグラ
フト共重合体(II)が0.1重量%未満の場合、成形品
の耐衝撃性や塗装性の改良効果が不十分で、また熱可塑
性樹脂(I)が50重量%未満、すなわちグラフト共重
合体(II)が50重量%を越えると成形品の耐熱性が低
下してしまい好ましくない。
【0023】グラフト共重合体(II)を製造する際のグ
ラフト化法は、一般によく知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射法、マクロモノマー法等いずれの方法に
よってもよいが、最も好ましいのは、下記に示す方法に
よるものである。その理由は、グラフト効率が高く、熱
による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより
効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
ラフト化法は、一般によく知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射法、マクロモノマー法等いずれの方法に
よってもよいが、最も好ましいのは、下記に示す方法に
よるものである。その理由は、グラフト効率が高く、熱
による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより
効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
【0024】以下に、熱可塑性樹脂組成物の製造方法を
具体的に説明する。すなわち、ポリカ−ボネ−ト系樹脂
粒子100重量部を水に懸濁せしめ、別にビニル単量体
の1種または2種以上の混合物5〜99重量部に、ラジ
カル重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合物
をビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量
部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜
90℃であるラジカル重合開始剤をビニル単量体とラジ
カル重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して
0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加える。
具体的に説明する。すなわち、ポリカ−ボネ−ト系樹脂
粒子100重量部を水に懸濁せしめ、別にビニル単量体
の1種または2種以上の混合物5〜99重量部に、ラジ
カル重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合物
をビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量
部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜
90℃であるラジカル重合開始剤をビニル単量体とラジ
カル重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して
0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加える。
【0025】そして、ラジカル重合開始剤の分解が実質
的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル
重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をポリカ
−ボネ−ト系樹脂粒子中に含浸せしめる。次いで、この
水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカ
ル重合性有機過酸化物とをポリカ−ボネ−ト系樹脂粒子
中で共重合せしめて、グラフト化前駆体を得る。このグ
ラフト化前駆体を直接熱可塑性樹脂(I)と共に溶融混
合してもよい。
的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル
重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をポリカ
−ボネ−ト系樹脂粒子中に含浸せしめる。次いで、この
水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカ
ル重合性有機過酸化物とをポリカ−ボネ−ト系樹脂粒子
中で共重合せしめて、グラフト化前駆体を得る。このグ
ラフト化前駆体を直接熱可塑性樹脂(I)と共に溶融混
合してもよい。
【0026】またグラフト化前駆体を150〜350℃
の溶融下、混練することにより、本発明におけるグラフ
ト共重合体(II)を得ることもできる。このとき、グラ
フト化前駆体に、別にポリカーボネート系樹脂またはビ
ニル系樹脂を混合し、溶融下に混練してもグラフト共重
合体(II)を得ることができる。最も好ましいのは、グ
ラフト化前駆体を混練し得られたグラフト共重合体(I
I)である。
の溶融下、混練することにより、本発明におけるグラフ
ト共重合体(II)を得ることもできる。このとき、グラ
フト化前駆体に、別にポリカーボネート系樹脂またはビ
ニル系樹脂を混合し、溶融下に混練してもグラフト共重
合体(II)を得ることができる。最も好ましいのは、グ
ラフト化前駆体を混練し得られたグラフト共重合体(I
I)である。
【0027】上記ラジカル重合性有機過酸化物として
は、下記一般式(1)または(2)で表される化合物が
好ましい。
は、下記一般式(1)または(2)で表される化合物が
好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基、R3
およびR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。m は1または2である。)で表される化合
物、または、一般式(2)
2のアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基、R3
およびR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。m は1または2である。)で表される化合
物、または、一般式(2)
【0030】
【化2】
【0031】(式中、R6 は水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基、R7 は水素原子またはメチル基、R8
およびR9 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。n は0、1または2である。) 一般式(1)で表されるラジカル重合性有機過酸化物と
して、具体的には、t−ブチルペルオキシアクリロイロ
キシエチルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、1,1,3,
3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキシエ
チルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシアクリロイロキシ
エチルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、クミ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、
p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシ
エチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカ−ボネ−ボネ−ト、t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、t
−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−
ト、クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ
−ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、p−イ
ソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−
ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、クミ
ルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミ
ルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等が挙
げられる。
4のアルキル基、R7 は水素原子またはメチル基、R8
およびR9 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。n は0、1または2である。) 一般式(1)で表されるラジカル重合性有機過酸化物と
して、具体的には、t−ブチルペルオキシアクリロイロ
キシエチルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、1,1,3,
3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキシエ
チルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシアクリロイロキシ
エチルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、クミ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、
p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシ
エチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカ−ボネ−ボネ−ト、t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、t
−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−
ト、クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ
−ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、p−イ
ソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−
ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、クミ
ルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミ
ルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等が挙
げられる。
【0032】さらに、一般式(2)で表される化合物と
しては、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t
−アミルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−ヘキシル
ペルオキシアリルカ−ボネ−ト、1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、p−メ
ンタンペルオキシアリルカ−ボネ−ト、クミルペルオキ
シアリルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタリル
カ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシメタリルカ−ボネ
−ト、t−ヘキシルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリ
ルカ−ボネ−ト、p−メンタンペルオキシメタリルカ−
ボネ−ト、クミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、t
−ブチルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t
−アミルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t
−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、
t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−アミルペルキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボ
ネ−ト、t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシアリロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペル
オキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ヘ
キシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト等が挙げられる。
しては、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t
−アミルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−ヘキシル
ペルオキシアリルカ−ボネ−ト、1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、p−メ
ンタンペルオキシアリルカ−ボネ−ト、クミルペルオキ
シアリルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタリル
カ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシメタリルカ−ボネ
−ト、t−ヘキシルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリ
ルカ−ボネ−ト、p−メンタンペルオキシメタリルカ−
ボネ−ト、クミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、t
−ブチルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t
−アミルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t
−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、
t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−アミルペルキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボ
ネ−ト、t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシアリロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペル
オキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ヘ
キシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト等が挙げられる。
【0033】これらのうちでも特に好ましくは、t−ブ
チルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t
−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ−トである。これ
らの重合開始剤は、重合開始剤としての性能が高く、合
成も容易であるためである。
チルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t
−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ−トである。これ
らの重合開始剤は、重合開始剤としての性能が高く、合
成も容易であるためである。
【0034】この発明においては、前記熱可塑性樹脂
(I)とグラフト共重合体(II)を含む樹脂成分100
重量部に対し、150重量部未満の無機充填剤を配合す
ることができる。この場合、熱可塑性樹脂組成物を成形
した成形品の機械的強度と耐熱性を向上させることがで
きる。充填剤の配合量が150重量部を越えると、成形
品の衝撃強度が低下するので好ましくない。
(I)とグラフト共重合体(II)を含む樹脂成分100
重量部に対し、150重量部未満の無機充填剤を配合す
ることができる。この場合、熱可塑性樹脂組成物を成形
した成形品の機械的強度と耐熱性を向上させることがで
きる。充填剤の配合量が150重量部を越えると、成形
品の衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0035】この無機充填剤としては、具体的には硫酸
カルシウム、珪酸カルシウム、クレ−、珪藻土、タル
ク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラ
ファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、
窒化アルミニウム、カ−ボンブラックなどの粉粒状充填
材、雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライト、
アルミフレ−クなどの金属箔、黒鉛などの平板状もしく
は鱗板状充填材、シラスバル−ン、金属バル−ン、ガラ
スバル−ン、軽石などの中空状充填材、ガラス繊維、炭
素繊維、グラファイト繊維、ウィスカ−、金属繊維、シ
リコ−ンカ−バイト繊維、アスベスト、ウオストナイト
などの鉱物繊維等が挙げられる。無機充填剤の形状とし
ては、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状、中空状ま
たは繊維状等が挙げられる。
カルシウム、珪酸カルシウム、クレ−、珪藻土、タル
ク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラ
ファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、
窒化アルミニウム、カ−ボンブラックなどの粉粒状充填
材、雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライト、
アルミフレ−クなどの金属箔、黒鉛などの平板状もしく
は鱗板状充填材、シラスバル−ン、金属バル−ン、ガラ
スバル−ン、軽石などの中空状充填材、ガラス繊維、炭
素繊維、グラファイト繊維、ウィスカ−、金属繊維、シ
リコ−ンカ−バイト繊維、アスベスト、ウオストナイト
などの鉱物繊維等が挙げられる。無機充填剤の形状とし
ては、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状、中空状ま
たは繊維状等が挙げられる。
【0036】また、無機充填剤は、ステアリン酸、オレ
イン酸、パルチミン酸またはそれらの金属塩、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性
物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネ−ト等を使用
して表面処理されたものが好ましい。
イン酸、パルチミン酸またはそれらの金属塩、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性
物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネ−ト等を使用
して表面処理されたものが好ましい。
【0037】この発明では、さらに水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤、ハロゲン系、
リン系等の有機難燃剤、木粉等の有機充填剤、酸化防止
剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発
泡剤、架橋剤、着色剤等の添加剤およびエラストマ−な
どを添加しても差し支えない。
ム、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤、ハロゲン系、
リン系等の有機難燃剤、木粉等の有機充填剤、酸化防止
剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発
泡剤、架橋剤、着色剤等の添加剤およびエラストマ−な
どを添加しても差し支えない。
【0038】熱可塑性樹脂組成物は、前記樹脂を温度1
20〜350℃、好ましくは150〜330℃で溶融・
混合することによって製造される。この温度が120℃
未満の場合、溶融が不完全であったり、また溶融粘度が
高く、混合が不充分となり、成形物に相分離や層状剥離
が現れるため好ましくない。逆に、350℃を超える
と、混合される樹脂の分解もしくはゲル化が起こり好ま
しくない。
20〜350℃、好ましくは150〜330℃で溶融・
混合することによって製造される。この温度が120℃
未満の場合、溶融が不完全であったり、また溶融粘度が
高く、混合が不充分となり、成形物に相分離や層状剥離
が現れるため好ましくない。逆に、350℃を超える
と、混合される樹脂の分解もしくはゲル化が起こり好ま
しくない。
【0039】溶融・混合する方法としては、バンバリ−
ミキサ−、加圧ニ−ダ−、混練押出機、二軸押出機、ロ
−ル等の通常用いられる混練機が採用される。
ミキサ−、加圧ニ−ダ−、混練押出機、二軸押出機、ロ
−ル等の通常用いられる混練機が採用される。
【0040】
【実施例】以下に、参考例、実施例および比較例によ
り、この発明をさらに具体的に説明する。 (参考例1、グラフト共重合体(IIA)の製造)水酸化
ナトリウム3.4kgを水4.2リットルに溶解し、20
℃に保ちながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(=BPA)6.6kg、ハイドロサルファ
イト8gを溶解した。これに、メチレンクロライド28
リットルを加えて攪拌しつつ、p−tert−ブチルフ
ェノ−ル260gを加え、次いでホスゲン3.3kgを6
0分で吹き込んだ。
り、この発明をさらに具体的に説明する。 (参考例1、グラフト共重合体(IIA)の製造)水酸化
ナトリウム3.4kgを水4.2リットルに溶解し、20
℃に保ちながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(=BPA)6.6kg、ハイドロサルファ
イト8gを溶解した。これに、メチレンクロライド28
リットルを加えて攪拌しつつ、p−tert−ブチルフ
ェノ−ル260gを加え、次いでホスゲン3.3kgを6
0分で吹き込んだ。
【0041】ホスゲン吹き込み終了後、激しく攪拌して
反応液を乳化させ、乳化後、8gのトリエチルアミンを
加え、約1時間攪拌を続け重合させた。重合液を、水相
と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した後、洗液
のpHが中性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロ
パノ−ルを35リットル加えて、重合物を沈殿させた。
沈殿物を濾過し、その後、真空乾燥することにより、白
色粉末状のポリカ−ボネ−ト系樹脂を得た。このポリカ
−ボネ−ト系樹脂の粘度を測定した結果、粘度平均分子
量(Mv)は16,000であった。この樹脂を以下P
C1と称する。
反応液を乳化させ、乳化後、8gのトリエチルアミンを
加え、約1時間攪拌を続け重合させた。重合液を、水相
と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した後、洗液
のpHが中性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロ
パノ−ルを35リットル加えて、重合物を沈殿させた。
沈殿物を濾過し、その後、真空乾燥することにより、白
色粉末状のポリカ−ボネ−ト系樹脂を得た。このポリカ
−ボネ−ト系樹脂の粘度を測定した結果、粘度平均分子
量(Mv)は16,000であった。この樹脂を以下P
C1と称する。
【0042】ポリカ−ボネ−ト系樹脂PC1の粉末70
0g(平均粒子径1mm)を内容積5リットルのステンレ
ス製オ−トクレ−ブに入れ、純水2500ml、懸濁剤と
してポリビニルアルコ−ルを2.5g加えた。別に、ラ
ジカル開始剤としてのベンゾイルパ−オキサイド「ナイ
パ−B」(商品名、日本油脂(株)製)1.5g、ラジ
カル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト6gをビニル単量
体としてのスチレン300gに溶解させ、この溶液を前
記オ−トクレ−ブ中に投入・攪拌した。
0g(平均粒子径1mm)を内容積5リットルのステンレ
ス製オ−トクレ−ブに入れ、純水2500ml、懸濁剤と
してポリビニルアルコ−ルを2.5g加えた。別に、ラ
ジカル開始剤としてのベンゾイルパ−オキサイド「ナイ
パ−B」(商品名、日本油脂(株)製)1.5g、ラジ
カル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト6gをビニル単量
体としてのスチレン300gに溶解させ、この溶液を前
記オ−トクレ−ブ中に投入・攪拌した。
【0043】次いで、オ−トクレ−ブを60〜65℃に
保ち、2時間攪拌することにより、ラジカル重合開始剤
およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体
をポリカ−ボネ−ト系樹脂粉に含浸させた。次いで、温
度を80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重
合を完結させ、水洗及び乾燥してグラフト化前駆体(II
a)を得た。このグラフト化前駆体(IIa)中のスチレ
ン樹脂を酢酸エチルで抽出し、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフ(GPC)により数平均重合度を測定した
ところ、900であった。
保ち、2時間攪拌することにより、ラジカル重合開始剤
およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体
をポリカ−ボネ−ト系樹脂粉に含浸させた。次いで、温
度を80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重
合を完結させ、水洗及び乾燥してグラフト化前駆体(II
a)を得た。このグラフト化前駆体(IIa)中のスチレ
ン樹脂を酢酸エチルで抽出し、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフ(GPC)により数平均重合度を測定した
ところ、900であった。
【0044】次いで、このグラフト化前駆体(IIa)を
ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所
製)で250℃にて押し出し、グラフト化反応させるこ
とによりグラフト共重合体(IIA)を得た。
ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所
製)で250℃にて押し出し、グラフト化反応させるこ
とによりグラフト共重合体(IIA)を得た。
【0045】このグラフト共重合体(IIA)を走査型電
子顕微鏡「JEOL JSM T300」(日本電子
(株)製)により観察したところ、粒子径0.3〜0.
4μmの真球状樹脂が均一に分散した多相構造であっ
た。
子顕微鏡「JEOL JSM T300」(日本電子
(株)製)により観察したところ、粒子径0.3〜0.
4μmの真球状樹脂が均一に分散した多相構造であっ
た。
【0046】なおこのとき、スチレン樹脂のグラフト効
率は72.2重量%であった。 (参考例2、グラフト共重合体(IIB)の製造)参考例
1において、ビニル単量体としてのスチレン単量体30
0gをスチレン単量体210g、アクリロニトリル単量
体90gとの混合単量体に、またベンゾイルペルオキシ
ド1.5gをジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイル
ペルオキシド「パ−ロイル355」(商品名、日本油脂
(株)製)3gに変更し、分子量調整剤としてα−メチ
ルスチレンダイマ−「ノフマ−MSD」(商品名、日本
油脂(株)製)0.3gを使用した以外は、参考例1を
繰り返してグラフト化前駆体(IIb)およびグラフト共
重合体(IIB)を得た。
率は72.2重量%であった。 (参考例2、グラフト共重合体(IIB)の製造)参考例
1において、ビニル単量体としてのスチレン単量体30
0gをスチレン単量体210g、アクリロニトリル単量
体90gとの混合単量体に、またベンゾイルペルオキシ
ド1.5gをジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイル
ペルオキシド「パ−ロイル355」(商品名、日本油脂
(株)製)3gに変更し、分子量調整剤としてα−メチ
ルスチレンダイマ−「ノフマ−MSD」(商品名、日本
油脂(株)製)0.3gを使用した以外は、参考例1を
繰り返してグラフト化前駆体(IIb)およびグラフト共
重合体(IIB)を得た。
【0047】このとき、スチレン−アクリロニトリル樹
脂の数平均重合度は1200、またこのグラフト共重合
体(IIB)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3
〜0.4μmであった。なお、スチレン−アクリロニト
リル樹脂のグラフト効率は69.8重量%であった。 (比較参考例1、グラフト共重合体(IIC)の製造)参
考例1において、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の粉末の代わ
りに、エポキシ基含有オレフィン系重合体「レクスパ−
ルRA−3150」(商品名、日本石油化学(株)製)
を用い、参考例1と同様の方法でグラフト共重合体(II
C)を得た。このとき、スチレン樹脂の数平均重合度は
900、またこのグラフト共重合体(IIC)中に分散し
ている樹脂の平均粒子径は0.3〜0.4μmであっ
た。なお、スチレン樹脂のグラフト効率は77.1%で
あった。 (比較参考例2、グラフト共重合体(IID)の製造)参
考例2において、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の粉末の代わ
りに、エポキシ基含有オレフィン系重合体「レクスパ−
ルRA−3150」(商品名、日本石油化学(株)製)
を用い、参考例2と同様の方法でグラフト共重合体(II
D)を得た。このとき、スチレン−アクリロニトリル樹
脂の数平均重合度は1100、またこのグラフト共重合
体(IID)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3
〜0.4μmであった。なお、スチレン−アクリロニト
リル樹脂のグラフト効率は76.3%であった。 (比較参考例3、ブレンド体(IIE)の製造)参考例1
で得たポリカーボネート系樹脂PC1の粉末と、数平均
分子量900のスチレン樹脂をドライブレンドしたの
ち、ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作
所製)で250℃にて押し出しブレンド体(IIE)を得
た。このとき、分散している樹脂の粒子径は20μmで
あった。またスチレン樹脂のグラフト効率は0.1%以
下であった。 (比較参考例4、ブレンド体(IIF)の製造)参考例1
で得たポリカーボネート系樹脂PC1の粉末と、数平均
分子量1200のスチレン−アクリロニトリル樹脂をド
ライブレンドしたのち、ラボプラストミル一軸押出機
((株)東洋精機製作所製)で250℃にて押し出しブ
レンド体(IIF)を得た。このとき、分散している樹脂
の粒子径は12μmであった。またスチレン−アクリロ
ニトリル樹脂のグラフト効率は0.1%以下であった。 (実施例1〜10)ポリブチレンテレフタレ−ト(I
A)「ジュラネックス 2002」(商品名、ポリプラ
スチックス(株)製」(PBTとして表中に表示)、参
考例1または2で得たグラフト共重合体(IIA)または
(IIB)、エチレン−プロピレン共重合体「EP02
P」(商品名、日本合成ゴム(株)」およびガラス繊維
を表1の配合にてドライブレンドした後、シリンダ−温
度250℃に設定されたスクリュウ径30mmの同軸方向
二軸押出機に供給し、押出後造粒した。造粒した樹脂は
110℃で3時間乾燥させた後、射出成形によって試験
片を作成した。試験片の大きさは、次のとおりである。
脂の数平均重合度は1200、またこのグラフト共重合
体(IIB)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3
〜0.4μmであった。なお、スチレン−アクリロニト
リル樹脂のグラフト効率は69.8重量%であった。 (比較参考例1、グラフト共重合体(IIC)の製造)参
考例1において、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の粉末の代わ
りに、エポキシ基含有オレフィン系重合体「レクスパ−
ルRA−3150」(商品名、日本石油化学(株)製)
を用い、参考例1と同様の方法でグラフト共重合体(II
C)を得た。このとき、スチレン樹脂の数平均重合度は
900、またこのグラフト共重合体(IIC)中に分散し
ている樹脂の平均粒子径は0.3〜0.4μmであっ
た。なお、スチレン樹脂のグラフト効率は77.1%で
あった。 (比較参考例2、グラフト共重合体(IID)の製造)参
考例2において、ポリカ−ボネ−ト系樹脂の粉末の代わ
りに、エポキシ基含有オレフィン系重合体「レクスパ−
ルRA−3150」(商品名、日本石油化学(株)製)
を用い、参考例2と同様の方法でグラフト共重合体(II
D)を得た。このとき、スチレン−アクリロニトリル樹
脂の数平均重合度は1100、またこのグラフト共重合
体(IID)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3
〜0.4μmであった。なお、スチレン−アクリロニト
リル樹脂のグラフト効率は76.3%であった。 (比較参考例3、ブレンド体(IIE)の製造)参考例1
で得たポリカーボネート系樹脂PC1の粉末と、数平均
分子量900のスチレン樹脂をドライブレンドしたの
ち、ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作
所製)で250℃にて押し出しブレンド体(IIE)を得
た。このとき、分散している樹脂の粒子径は20μmで
あった。またスチレン樹脂のグラフト効率は0.1%以
下であった。 (比較参考例4、ブレンド体(IIF)の製造)参考例1
で得たポリカーボネート系樹脂PC1の粉末と、数平均
分子量1200のスチレン−アクリロニトリル樹脂をド
ライブレンドしたのち、ラボプラストミル一軸押出機
((株)東洋精機製作所製)で250℃にて押し出しブ
レンド体(IIF)を得た。このとき、分散している樹脂
の粒子径は12μmであった。またスチレン−アクリロ
ニトリル樹脂のグラフト効率は0.1%以下であった。 (実施例1〜10)ポリブチレンテレフタレ−ト(I
A)「ジュラネックス 2002」(商品名、ポリプラ
スチックス(株)製」(PBTとして表中に表示)、参
考例1または2で得たグラフト共重合体(IIA)または
(IIB)、エチレン−プロピレン共重合体「EP02
P」(商品名、日本合成ゴム(株)」およびガラス繊維
を表1の配合にてドライブレンドした後、シリンダ−温
度250℃に設定されたスクリュウ径30mmの同軸方向
二軸押出機に供給し、押出後造粒した。造粒した樹脂は
110℃で3時間乾燥させた後、射出成形によって試験
片を作成した。試験片の大きさは、次のとおりである。
【0048】 アイゾット衝撃試験片 13mm×65mm×6mm (ノッチ付き) 荷重たわみ温度試験片 13mm×130mm ×6mm 曲げ試験片 10mm×130mm ×4mm 塗装性 45mm×90mm×4mm また、試験法を次に示す。 (1)アイゾット衝撃値(ノッチ付き):JIS K7110 (2)荷重たわみ温度 :JIS K7207 (3)曲げ試験 :JIS K6758 (4)塗装性試験 試験片にプライマレス塗料「プライマックNo.20
1」(商品名、日本油脂(株)製)を塗装した後(80
℃、40分焼付)、縦横各11本の1mm間隔の直交する
切れ目をナイフで試験片に到達するまで入れて、格子状
に一辺の長さ1mmの正方形をなす分割片を100個作
る。その格子へセロハン粘着テープ(商品名、ニチバン
(株)製)を貼り付け、瞬時に剥がしたとき剥がれずに
残った分割片の数で表した。 (5)成形品の外観 成形品の外観については目視により層状剥離の有無を判
定し、次のようにランク付けした。
1」(商品名、日本油脂(株)製)を塗装した後(80
℃、40分焼付)、縦横各11本の1mm間隔の直交する
切れ目をナイフで試験片に到達するまで入れて、格子状
に一辺の長さ1mmの正方形をなす分割片を100個作
る。その格子へセロハン粘着テープ(商品名、ニチバン
(株)製)を貼り付け、瞬時に剥がしたとき剥がれずに
残った分割片の数で表した。 (5)成形品の外観 成形品の外観については目視により層状剥離の有無を判
定し、次のようにランク付けした。
【0049】層状剥離の状態 ◎:層状剥離全くなし、
○:僅かに層状剥離あり、×:全体に層状剥離あり これらの結果を表1および表2に示す。なお、表1およ
び表2中、a)は樹脂(I)と樹脂(II)100重量部
に対する重量部を表す。
○:僅かに層状剥離あり、×:全体に層状剥離あり これらの結果を表1および表2に示す。なお、表1およ
び表2中、a)は樹脂(I)と樹脂(II)100重量部
に対する重量部を表す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】(実施例11〜40)実施例1〜10のP
BTの代わりに、ポリアミド(IB)「UBEナイロン
1013B」(商品名、東レ(株)製)(PAとして表
中に表示)、ポリアセタ−ル(IC)「ジュラコン M
90」(商品名、ポリプラスチックス(株)製)、ポリ
フェニレンサルファイド(ID)「フォ−トロン KP
S」(商品名、ポリプラスチックス(株)製)(PPS
として表中に表示)、ポリフェニレンエ−テル(IF)
「ノリル 534J−801」(商品名、日本ジ−イ−
プラスチック(株)製)(PPEとして表中に表示)、
ABS系樹脂(IG)「スタイラックABS 283」
(商品名、旭化成工業(株)製)(ABSとして表中に
表示)、またはポリプロピレン(IE)「日石ポリプロ
J650G」(商品名、日本石油化学(株)製)(P
Pとして表中に表示)を用いた例を表3〜8に示す。な
お、表3〜8中、a)は樹脂(I)と樹脂(II)100
重量部に対する重量部を表す。
BTの代わりに、ポリアミド(IB)「UBEナイロン
1013B」(商品名、東レ(株)製)(PAとして表
中に表示)、ポリアセタ−ル(IC)「ジュラコン M
90」(商品名、ポリプラスチックス(株)製)、ポリ
フェニレンサルファイド(ID)「フォ−トロン KP
S」(商品名、ポリプラスチックス(株)製)(PPS
として表中に表示)、ポリフェニレンエ−テル(IF)
「ノリル 534J−801」(商品名、日本ジ−イ−
プラスチック(株)製)(PPEとして表中に表示)、
ABS系樹脂(IG)「スタイラックABS 283」
(商品名、旭化成工業(株)製)(ABSとして表中に
表示)、またはポリプロピレン(IE)「日石ポリプロ
J650G」(商品名、日本石油化学(株)製)(P
Pとして表中に表示)を用いた例を表3〜8に示す。な
お、表3〜8中、a)は樹脂(I)と樹脂(II)100
重量部に対する重量部を表す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】(実施例41〜48)グラフト共重合体
(IIA)の配合量の多い場合(実施例41,46,4
8)、グラフト共重合体(IIB)の配合量の多い場合
(実施例42,43,44,45,47)について、実
施例1から10と同様にして試験を行った。その結果を
表9および表10に示す。
(IIA)の配合量の多い場合(実施例41,46,4
8)、グラフト共重合体(IIB)の配合量の多い場合
(実施例42,43,44,45,47)について、実
施例1から10と同様にして試験を行った。その結果を
表9および表10に示す。
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】(比較例1〜8)実施例1から10のグラ
フト共重合体(IIA)または(IIB)の代わりに、参考
例4で得たグラフト共重合体(IID)、参考例6で得た
ブレンド体(IIF)、またはエポキシ基含有オレフィン
系重合体「レクスパ−ルRA−3150」(商品名、日
本石油化学(株)製)を用いた例を表11および表12
に示す。
フト共重合体(IIA)または(IIB)の代わりに、参考
例4で得たグラフト共重合体(IID)、参考例6で得た
ブレンド体(IIF)、またはエポキシ基含有オレフィン
系重合体「レクスパ−ルRA−3150」(商品名、日
本石油化学(株)製)を用いた例を表11および表12
に示す。
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】(比較例9〜28)実施例11〜40のグ
ラフト共重合体(IIA)または(IIB)の代わりに、比
較参考例1または2で得たグラフト共重合体(IIC)ま
たは(IID)、比較参考例3または4で得たブレンド体
(IIE)または(IIF)、またはエポキシ基含有オレフ
ィン系重合体「レクスパ−ルRA−3150」(商品
名、日本石油化学(株)製)を用いた例を表13〜17
に示す。
ラフト共重合体(IIA)または(IIB)の代わりに、比
較参考例1または2で得たグラフト共重合体(IIC)ま
たは(IID)、比較参考例3または4で得たブレンド体
(IIE)または(IIF)、またはエポキシ基含有オレフ
ィン系重合体「レクスパ−ルRA−3150」(商品
名、日本石油化学(株)製)を用いた例を表13〜17
に示す。
【0066】
【表13】
【0067】
【表14】
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】
【表17】
【0071】表1および表2の結果より、ポリブチレン
テレフタレートとポリカーボネート系樹脂セグメントと
ビニル系樹脂セグメントからなるグラフト共重合体との
樹脂組成物(実施例1〜4、6〜9)は、機械的物性
(曲げ強度)を維持しつつ、耐衝撃性、耐熱性、塗装性
が向上していることがわかる。また、エラストマーおよ
びガラス繊維を配合すると(実施例5および10)、耐
衝撃性および耐熱性が一段と向上していることがわか
る。
テレフタレートとポリカーボネート系樹脂セグメントと
ビニル系樹脂セグメントからなるグラフト共重合体との
樹脂組成物(実施例1〜4、6〜9)は、機械的物性
(曲げ強度)を維持しつつ、耐衝撃性、耐熱性、塗装性
が向上していることがわかる。また、エラストマーおよ
びガラス繊維を配合すると(実施例5および10)、耐
衝撃性および耐熱性が一段と向上していることがわか
る。
【0072】表3〜表10の結果より、ポリアミド、ポ
リアセタ−ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンエ−テル、ABS系樹脂、またはポリプロピレン
と、ポリカーボネート系樹脂セグメントとビニル系樹脂
セグメントからなるグラフト共重合体との樹脂組成物に
おいても同様であることがわかる(実施例11〜4
8)。
リアセタ−ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンエ−テル、ABS系樹脂、またはポリプロピレン
と、ポリカーボネート系樹脂セグメントとビニル系樹脂
セグメントからなるグラフト共重合体との樹脂組成物に
おいても同様であることがわかる(実施例11〜4
8)。
【0073】他方、表11より、ポリブチレンテレフタ
レートと、エポキシ基含有オレフィン系重合体またはエ
ポキシ基含有オレフィン系重合体セグメントとビニル系
樹脂セグメントとからなるグラフト共重合体との樹脂組
成物(比較例2または3)は、耐衝撃性は向上するもの
の、塗装性はさほど向上せず、耐熱性や機械的物性の低
下が激しい。また、ポリブチレンテレフタレートと、ポ
リカーボネート系樹脂とビニル系樹脂からなるブレンド
体との樹脂組成物(比較例4)は、塗装性が向上するも
のの、耐衝撃性はさほど向上せず、耐熱性および機械的
強度が低下していることがわかる。
レートと、エポキシ基含有オレフィン系重合体またはエ
ポキシ基含有オレフィン系重合体セグメントとビニル系
樹脂セグメントとからなるグラフト共重合体との樹脂組
成物(比較例2または3)は、耐衝撃性は向上するもの
の、塗装性はさほど向上せず、耐熱性や機械的物性の低
下が激しい。また、ポリブチレンテレフタレートと、ポ
リカーボネート系樹脂とビニル系樹脂からなるブレンド
体との樹脂組成物(比較例4)は、塗装性が向上するも
のの、耐衝撃性はさほど向上せず、耐熱性および機械的
強度が低下していることがわかる。
【0074】表12〜表17の結果より、ポリアミド、
ポリアセタ−ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフ
ェニレンエ−テル、ABS系樹脂、またはポリプロピレ
ンと、この発明の範囲外のグラフト共重合体やブレンド
体との樹脂組成物においても同様であることがわかる
(比較例5〜28)。
ポリアセタ−ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフ
ェニレンエ−テル、ABS系樹脂、またはポリプロピレ
ンと、この発明の範囲外のグラフト共重合体やブレンド
体との樹脂組成物においても同様であることがわかる
(比較例5〜28)。
【0075】以上のことから、ポリカーボネート系樹脂
セグメントとビニル系樹脂セグメントからなるグラフト
共重合体は、エンジニアリングプラスチックス等の熱可
塑性樹脂の耐衝撃性、塗装性の改良に大きな効果があ
る。そして、その樹脂組成物より得られる成形品は、耐
衝撃性などの機械的物性や塗装性に優れているととも
に、比較例のものと比べて優れた耐熱性を発揮すること
ができる。
セグメントとビニル系樹脂セグメントからなるグラフト
共重合体は、エンジニアリングプラスチックス等の熱可
塑性樹脂の耐衝撃性、塗装性の改良に大きな効果があ
る。そして、その樹脂組成物より得られる成形品は、耐
衝撃性などの機械的物性や塗装性に優れているととも
に、比較例のものと比べて優れた耐熱性を発揮すること
ができる。
【0076】なお、前記実施態様より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1)熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタール系樹脂またはポリフェニレン
サルファイド系樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹
脂組成物。この構成によれば、熱可塑性樹脂組成物より
得られる成形品の耐衝撃性を向上させることができる。 (2)熱可塑性樹脂は、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂または塩化ビニル系樹脂である請求項1に記載の熱可
塑性樹脂組成物。この構成により、熱可塑性樹脂組成物
の耐熱性を向上させることができる。 (3)熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂またはポリプロピレンである請求項1に
記載の熱可塑性樹脂組成物。この構成により、樹脂成形
品の塗装性を高めることができる。 (4)グラフト共重合体(II)のポリカーボネート系樹
脂セグメントを形成するポリカーボネート系樹脂は、粘
度平均分子量が2000〜100000の水懸濁液であ
る請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。この構成によ
り、樹脂組成物の成形加工性に優れ、成形品の機械的物
性や耐熱性を向上させることができる。 (5)グラフト共重合体(II)のポリカーボネート系樹
脂セグメントを形成するポリカーボネート系樹脂は、末
端不飽和基を有するものである請求項1に記載の熱可塑
性樹脂組成物。この構成によれば、グラフト共重合体
(II)のグラフト効率を高めることができる。 (6)グラフト共重合体(II)のビニル系樹脂セグメン
トを形成するビニル系樹脂の数平均重合度は、10〜5
000である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。こ
の構成により、樹脂組成物の成形性を高め、樹脂成形品
の耐熱性や外観を向上させることができる。
思想について、以下に記載する。 (1)熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタール系樹脂またはポリフェニレン
サルファイド系樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹
脂組成物。この構成によれば、熱可塑性樹脂組成物より
得られる成形品の耐衝撃性を向上させることができる。 (2)熱可塑性樹脂は、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂または塩化ビニル系樹脂である請求項1に記載の熱可
塑性樹脂組成物。この構成により、熱可塑性樹脂組成物
の耐熱性を向上させることができる。 (3)熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂またはポリプロピレンである請求項1に
記載の熱可塑性樹脂組成物。この構成により、樹脂成形
品の塗装性を高めることができる。 (4)グラフト共重合体(II)のポリカーボネート系樹
脂セグメントを形成するポリカーボネート系樹脂は、粘
度平均分子量が2000〜100000の水懸濁液であ
る請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。この構成によ
り、樹脂組成物の成形加工性に優れ、成形品の機械的物
性や耐熱性を向上させることができる。 (5)グラフト共重合体(II)のポリカーボネート系樹
脂セグメントを形成するポリカーボネート系樹脂は、末
端不飽和基を有するものである請求項1に記載の熱可塑
性樹脂組成物。この構成によれば、グラフト共重合体
(II)のグラフト効率を高めることができる。 (6)グラフト共重合体(II)のビニル系樹脂セグメン
トを形成するビニル系樹脂の数平均重合度は、10〜5
000である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。こ
の構成により、樹脂組成物の成形性を高め、樹脂成形品
の耐熱性や外観を向上させることができる。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
熱可塑性樹脂組成物によれば、エンジニアリングプラス
チックス等の熱可塑性樹脂における耐衝撃性などの機械
的物性や塗装性等を維持しつつ、耐熱性や外観を向上さ
せることができる。従って、その樹脂成形品は自動車部
品、電気・電子部品、その他の工業部品などに広く使用
することができる。
熱可塑性樹脂組成物によれば、エンジニアリングプラス
チックス等の熱可塑性樹脂における耐衝撃性などの機械
的物性や塗装性等を維持しつつ、耐熱性や外観を向上さ
せることができる。従って、その樹脂成形品は自動車部
品、電気・電子部品、その他の工業部品などに広く使用
することができる。
【0078】また、請求項2に記載の発明によれば、上
記の優れた効果をより効果的に発揮することができる。
記の優れた効果をより効果的に発揮することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂(I)と、 ポリカーボネート系樹脂セグメントとビニル系樹脂セグ
メントからなり、一方のセグメントにより形成される連
続相中に他方のセグメントにより形成される分散相が微
細に分散している多相構造を示すグラフト共重合体(I
I)とよりなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂(I)の含有量が50
〜99.9重量%で、グラフト共重合体(II)の含有量
が0.1〜50重量%である請求項1に記載の熱可塑性
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13964195A JPH08333516A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13964195A JPH08333516A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08333516A true JPH08333516A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15250015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13964195A Pending JPH08333516A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08333516A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170138417A (ko) | 2015-04-17 | 2017-12-15 | 주식회사 쿠라레 | 메타크릴 수지 조성물 |
-
1995
- 1995-06-06 JP JP13964195A patent/JPH08333516A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170138417A (ko) | 2015-04-17 | 2017-12-15 | 주식회사 쿠라레 | 메타크릴 수지 조성물 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI355401B (en) | Thermoplastic resin composition and plastic articl | |
US5212227A (en) | Thermoplastic resin compositions | |
JPWO2005030819A1 (ja) | エンジニアリングプラスチック用流動性向上剤およびこれを含有する熱可塑性樹脂組成物ならびにその成形品 | |
JPH04293959A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH04198275A (ja) | 成形性良好な熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3058557B2 (ja) | 靭性をもつガラス強化pc/abs組成物 | |
JP3039560B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその用途 | |
JPH08333516A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH06136070A (ja) | 流動性改良剤及び流動性の改良された樹脂組成物 | |
JPH054228A (ja) | 再生樹脂組成物及びその再生方法 | |
JP2847317B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物およびポリカーボネート樹脂用耐衝撃性改良剤 | |
JPH08231793A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH08337724A (ja) | ブロー成形品及びその成形方法 | |
JPH08302154A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH1180287A (ja) | グラフト共重合体、それを含有する熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 | |
JPH08319428A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3306899B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品 | |
JP3309527B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3185232B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0433948A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物およびポリカーボネート樹脂用耐衝撃性改良剤 | |
JPH07330972A (ja) | オレフィン系樹脂組成物 | |
JPH06306253A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH06192490A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品 | |
JPH03126756A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0912649A (ja) | 難燃性改良剤、それを用いた難燃性改良方法及び難燃性樹脂組成物 |