JPH08329870A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents
走査電子顕微鏡Info
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- JPH08329870A JPH08329870A JP7134849A JP13484995A JPH08329870A JP H08329870 A JPH08329870 A JP H08329870A JP 7134849 A JP7134849 A JP 7134849A JP 13484995 A JP13484995 A JP 13484995A JP H08329870 A JPH08329870 A JP H08329870A
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Abstract
レンズの中心軸に合わせる軸調整が容易に行えるように
する。 【構成】 試料5上のビーム電流を可変するための絞り
2a、電子ビーム1を試料上で2次元走査するための偏
向手段3、電子ビームを試料上に集束させて焦点を合わ
せるための対物レンズ4、試料から発生した信号を検出
する検出手段6、前記検出手段からの検出信号をもとに
検出像を形成するための画像形成手段8、絞り2aの位
置を調整して電子ビームの軸を調整する手段、偏向手段
及び対物レンズを制御する制御手段9を備える。制御手
段9は、電子ビームの軸調整時に、対物レンズ4の励磁
電流を周期的に変化させるとともに励磁電流の変化に同
期して偏向手段3を制御して検出像の回転を止める制御
を行う。
Description
し、特に走査電子顕微鏡において対物レンズを通る電子
ビームの軸を対物レンズの中心軸に調整する装置の改良
に関する。
るいは試料の成分分析においては、その観察や分析の形
態に応じて試料上に照射される電子ビームのビーム電
流、すなわちビーム径を変える必要がある。例えば、高
倍率、高分解能像の形成にあたってはビームを細く絞る
必要があり、逆にX線分析などにあたってはビーム径を
太くしてビーム電流を大きくする必要がある。このビー
ム径の変更は、径の異なる複数の絞り孔を備えた可動式
多孔絞り装置では使用する絞りを選択することにより、
あるいは単一の絞りを備える絞り装置では装置に取り付
ける絞りを交換することによって行われるが、非点収差
等を避けるために、絞り孔を通りぬけた電子ビームを対
物レンズの中心軸に合わせる調整作業が必要である。
的に変化(ワブラ)させて焦点位置を合焦位置の上下に
振り、その状態で検出像の中心位置が静止するように絞
りの位置を微調整することによって行われる。電子ビー
ムが対物レンズの中心を通っていれば、対物レンズの励
磁電流を微小変化させても、それによって検出像の中心
が移動することはない。一方、電子ビームが対物レンズ
の中心から外れた位置を通過していると、対物レンズの
励磁電流を周期的に変化させたとき検出像の中心位置も
画面上で上下方向や左右方向に周期的に移動する。この
現象を利用して、検出像を観察しながら手動にて絞りの
位置を微調整するわけである。
ズの中心から外れた状態で対物レンズの励磁電流を周期
的に変化させると、検出像は回転しながらその中心位置
が変化するという極めて複雑な動きをする。そのため、
上記従来の調整方法においては、対物レンズの励磁電流
の変化に基づく検出像の回転運動と電子ビームが対物レ
ンズの中心から外れていることに起因する像の中心位置
の移動を分離して観察しながら可動絞りの位置を手動調
整しなければならず、調整には熟練を要していた。
に変化させたときの検出像の振る舞いから絞りの位置調
整等によって行う電子ビームの軸調整を、特別な熟練を
要さずに簡単に行うことができるようにすることを目的
とする。
の軸調整時に、対物レンズの励磁電流を周期的に変化さ
せるとともに、それに同期して偏向コイルによる試料走
査方向を補正し、検出像の回転を止めることによって前
記目的を達成する。すなわち、本発明は、試料上のビー
ム電流を可変するための絞り装置と、電子ビームを試料
上で2次元走査するための偏向手段と、電子ビームを試
料上に集束させて焦点を合わせるための対物レンズと、
試料から発生した信号を検出する検出手段と、前記検出
手段からの検出信号をもとに検出像を形成するための画
像形成手段と、前記対物レンズを通る電子ビームの軸を
調整するための軸調整手段と、前記偏向手段及び対物レ
ンズを制御する制御手段とを備える走査電子顕微鏡にお
いて、前記制御手段は、前記軸調整手段による電子ビー
ムの軸調整時に、前記対物レンズの励磁電流を周期的に
変化させるとともに該励磁電流の変化に同期して前記偏
向手段を制御して検出像の回転を止める制御を行うこと
を特徴とする。
機械的に調整するもの、あるいは電子ビームの近傍に配
置された電磁コイルとすることができる。対物レンズ
は、ヒステリシス補正用の空芯コイルを備え、自動焦点
合わせを行えるものであってもよい。また、画像処理手
段をさらに備え、軸調整手段による電子ビームの軸調整
時に、画像処理手段によって検出像の動く方向を認識
し、制御手段はこの認識した検出像の動きを止めるよう
に軸調整手段を制御するようになすことができる。
像が回転しないため、検出像を止める調整を容易に行う
ことができる。また、検出像の動きは回転がなく並進運
動のみとなるため、画像処理によって検出像の運動方向
を認識することが容易になり、軸調整を自動的に行うこ
とが可能となる。
る。図1は、本発明の実施例の模式図である。図中、1
は電子ビーム、2は試料上のビーム電流を可変するため
の可動式多孔絞り装置、3は電子ビームを試料上で2次
元走査するための偏向コイルでX方向とY方向のコイル
を備えている。4は試料上に電子ビームの焦点を結ばせ
るための対物レンズで、その励磁電流を変化させること
により焦点位置を変えることができる。5は試料、6は
試料から発生する2次電子等の信号を検出する検出器、
7は検出信号を増幅する増幅回路、8は検出信号に基づ
いて画像を表示する表示装置、9はマイクロコンピュー
タ等を用いた制御回路で、偏向コイル3や対物レンズ4
の制御を行う。可動式多孔絞り装置4は径の異なる複数
個の絞り孔2aを備え、電子ビーム1中に配置する絞り
孔を選択することによりビーム径すなわちビーム電流を
変えることができ、またネジ等により電子ビーム1に対
して垂直な面内で絞り孔2aをX−Y方向に移動してそ
の位置を微調整する機能を有する。
絞り孔2aを通過した後、偏向コイル3の磁場により偏
向され、対物レンズ4によって試料5上に焦点を結び、
試料上を2次元走査する。試料5に電子ビームが照射さ
れると、試料から2次電子や反射電子等が発生する。こ
の2次電子や反射電子は、試料の凹凸により発生量が異
なるため、検出器6で検出した信号を増幅回路7で増幅
して表示装置8に入力することにより、表示装置8には
試料の表面形状に関する情報を担持した検出像が表示さ
れる。
aを通過した電子ビーム1が、対物レンズ4の中心軸を
通っていないと、非点収差が大きくなり良好な画像が得
られない。そのため通常、可動式多孔絞り装置2には電
子ビーム1を対物レンズ4の中心軸に合わせるための微
調整機構が備えられている。そして、前述のように、制
御回路9により対物レンズ4の励磁電流を周期的に変化
(ワブラ)させ、操作者は表示装置8上に表示された検
出像の上下左右の動きを止めるように可動式多孔絞り装
置2の微調整機構によって絞り孔2aの位置を微調整す
る。
対物レンズ4の磁場の作用により回転し、その回転量は
対物レンズ4の磁場の強さすなわち対物レンズの励磁電
流により変化するため、表示装置8に表示される画像も
電子ビームの回転に伴ない回転する。これにより、上記
の調整時の画像の動きは上下左右の動きと回転が重なっ
た複雑な動きとなり、上下左右の動きのみを止める調整
が困難となっていた。
化に同期して偏向コイル3による電子ビームの走査方向
を補正し、対物レンズ4による像の回転を画像表示装置
8上で打ち消すことで、画像の動きを並進運動のみとし
て上記の調整を容易にする。対物レンズ4の磁場内での
像回転角Φは、次式(1)のように対物レンズ内の磁束
密度B(z)に比例する。式中、m及びeは電子の質量及
び電荷、Eは加速電圧、B(z)は光軸上の磁束密度であ
り、B(z)についての積分はレンズ磁界の有効範囲にわ
たって行う。
対物レンズ4の励磁電流と一定の関係を有するので、こ
の関係を計算又は実験により予め求めて制御回路9内の
記憶手段あるいは外部の記憶手段に記憶させておく。制
御回路9は、対物レンズ4の励磁電流を周期的に変化さ
せるとともに、それに連動して変化させるべき偏向コイ
ル3による走査方向を前記関係から求め、それに基づい
て偏向コイルを駆動する。すなわち、X0(t)及びY
0(t)を標準的に用いる偏向電流信号(鋸波形)とする
とき、X方向の偏向コイル及びY方向の偏向コイルに次
式(2),(3)で表される偏向電流X(t),Y(t)を
供給し、各瞬間における電子ビームの走査方向を像の回
転を打ち消す方向に補正する。
具体例を示す。Xスキャン発生回路21は標準偏向信号
X0(t)を発生し、Yスキャン回路22は標準偏向信号
Y0(t)を発生する。マイクロコンピュータ23は、予
め記憶している演算式に基づいて各瞬間における対物レ
ンズ4の励磁電流からその瞬間の像回転角Φ(t)を求
め、三角関数cosΦ(t)、sinΦ(t)を演算してD
/Aコンバータ24〜27に与え、X0(t),Y0(t)に
前記三角関数を乗算する。D/Aコンバータ24と27
の出力は加算器28で加算されてX方向の偏向コイル3
aに給電され、D/Aコンバータ25と26の出力は加
算器29で加算されてY方向の偏向コイル3bに給電さ
れる。こうして前記(2)及び(3)式に基づく走査方
向の補正が行われるため表示装置8に表示される画像の
回転が無くなり、画像の動きは電子ビームの軸ずれに基
づく上下左右の動きのみとなって、絞り孔位置の微調整
が容易となる。
かじめ対物レンズ4の励磁電流の変化Δfiによる検出
像の回転Φiを測定し、図4に示すように励磁電流とそ
の回転を打ち消すための偏向電流の関係についてのテー
ブルを作成しておき、そのテーブルに基づいて偏向コイ
ル3に補正電流を与えるようにしてもよい。絞り孔の孔
径の変更は、図1に示した可動式多孔絞り装置によらず
に特定の孔径の1個の絞りのみを取り付けた固定式絞り
装置で絞りを孔径の異なるものに交換することによって
行ってもよく、この場合においても絞りを交換した後に
必要となる電子ビームの軸の微調整に本発明は有効であ
る。
を機械的に調整する代わりに、図5に示すように、電子
ビームの近傍に配置された軸調整用電磁コイル11を用
いて行うこともでき、この場合においても本発明は同様
に有効である。軸調整用電磁コイル11は、偏向コイル
と同様に電子ビームを垂直平面方向に偏向させる機能を
有するコイルで、その偏向電流を制御することによっ
て、絞り孔2aを通過した電子ビーム1を電磁的に対物
レンズ4の中心軸に合わせる機能を有する。
像を解析して自動焦点合わせを行うことができる。自動
焦点合わせは、焦点位置を光軸方向に振り、画像の微分
信号が極大となる焦点位置を探すことによって行われる
が、対物レンズは励磁電流の変化に対してヒステリシス
を有するため、精度良く焦点位置を探すことが困難であ
る。そのため、ヒステリシスの少ない空芯コイル12
(図5参照)を用いて、その電流を周期的に変化させる
ことにより焦点位置の移動が行われる。このとき電子ビ
ームが空芯コイル12の中心軸を通っていなければ、焦
点位置を移動させたとき、検出像が移動するため目的の
検出像のコントラストの微分信号がピークとなる焦点位
置を正確に検出することができず、自動焦点合わせを行
うことができない。従って、自動焦点合わせにおいては
空芯コイル12の中心軸に電子ビーム1を軸調整する必
要がある。この場合にも本発明を適用し、空芯コイル1
2の電流制御に同期して偏向コイル3に流す偏向電流を
制御し、電子ビーム1の走査方向を補正して検出像の回
転を止めることで、電子ビームの軸調整を高精度に行う
ことができる。
施例の概念図である。可動式絞り装置2は、X,Y方向
の可動部に各々、X軸用モータ13a、Y軸用モータ1
3bを備え、モータ13a,13bを制御回路9によっ
て駆動して絞り2aのX,Y方向位置を微調整できるよ
うになっている。制御回路9は、対物レンズ4の励磁電
流に同期して偏向コイル3の駆動電流を前述のように制
御することで、検出器6で検出した2次電子信号等によ
る検出像の回転を止める。すると、検出像の動きは絞り
孔2aの位置ずれに起因する上下左右の動きのみになる
ため、画像処理回路10で画像の動く方向を認識し、そ
の動きが無くなるようにX軸用モータ13a及びY軸用
モータ13bを駆動して絞り孔2aのX,Y方向位置を
調整する。
の認識は、例えば画像記憶装置に検出像のコントラスト
分布を1フレーム分記憶し、次に対物レンズの励磁電流
を変化させたときの検出像のコントラスト分布を1フレ
ーム分記憶し、この2つの記憶像をもとにコントラスト
分布の移動方向を認識することで行うことができる。図
7のフローチャートは、画像処理により検出像の並進運
動の方向を検出し、その動きが無くなるように可動式絞
り装置2のX軸用モータ13a及びY軸用モータ13b
を駆動する制御の流れの一例を示したものである。な
お、ここでは簡単のために、画像の左右方向の移動補正
をX軸用モータ13aで行い、画像の上下方向の移動補
正をY軸用モータ13bで行うとして説明する。
4の励磁電流を周期的に変化させるとともに、この励磁
電流の変化に同期して偏向コイル3に流す偏向電流を制
御することで電子線の走査方向を補正して検出像の回転
を止める。この状態で、画像処理回路10は、所定のタ
イミングで2フレーム分の画像検出を行い(ステップ3
1)、それを画像処理して画像の移動方向を判定する
(ステップ32)。画像が右に動いたことが判定されれ
ば(ステップ33)、X軸用モータ13aを+方向に駆
動する(ステップ34)。その後、ステップ31に戻っ
て再び所定のタイミングで2フレーム分の画像を取り込
み、それを処理して画像の移動方向を判定する(ステッ
プ32)。まだ画像が右方向に移動していれば、再度X
用モータ13aを+方向に駆動し、X軸用モータの駆動
量が大きすぎたりして画像が左に動いたことが判定され
れば(ステップ35)、X軸用モータ13aを−方向に
駆動する。同様に、ステップ32の画像処理によって画
像が上に動いたことが判定されれば(ステップ37)、
Y軸用モータ13bを+方向に駆動し(ステップ3
8)、画像が下に動いたことが判定されれば(ステップ
39)、Y軸用モータ13bを−方向に駆動する(ステ
ップ40)。このように、本実施例によると絞りの位置
調整を自動的に行うことができる。
タ13bの代わりに電磁コイルを用いて電子ビームの軸
調整を行う場合には、図7のステップ34,36,3
8,40における制御をその電磁コイルに対して行うこ
とにより、電子ビームの軸調整を自動化することができ
る。
る煩わしい操作の一つである電子ビームの軸調整が容易
となり、操作性が向上する。
模式図。
す図。
めの偏向電流の関係についてのテーブルの説明図。
シス補正用空芯コイルの配置図。
孔、3…偏向コイル、4…対物レンズ、5…試料、6…
検出器、7…増幅回路、8…表示装置、9…制御回路、
10…画像処理回路、11…軸調整用電磁コイル、12
…自動焦点合わせ用補正コイル、13a…可動絞りのX
軸駆動用モータ、13b…可動絞りのY軸駆動用モー
タ、21…Xスキャン発生回路、22…Yスキャン発生
回路、23…マイクロコンピュータ、24〜27…D/
Aコンバータ、28,29…加算器
Claims (5)
- 【請求項1】 試料上のビーム電流を可変するための絞
り装置と、電子ビームを試料上で2次元走査するための
偏向手段と、電子ビームを試料上に集束させて焦点を合
わせるための対物レンズと、試料から発生した信号を検
出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号をもと
に検出像を形成するための画像形成手段と、前記対物レ
ンズを通る電子ビームの軸を調整するための軸調整手段
と、前記偏向手段及び対物レンズを制御する制御手段と
を備える走査電子顕微鏡において、 前記制御手段は、前記軸調整手段による電子ビームの軸
調整時に、前記対物レンズの励磁電流を周期的に変化さ
せるとともに該励磁電流の変化に同期して前記偏向手段
を制御して検出像の回転を止める制御を行うことを特徴
とする走査電子顕微鏡。 - 【請求項2】 前記軸調整手段は、前記絞り装置の絞り
孔の位置を機械的に調整するものであることを特徴とす
る請求項1記載の走査電子顕微鏡。 - 【請求項3】 前記軸調整手段は、電子ビームの近傍に
配置された電磁コイルであることを特徴とする請求項1
記載の走査電子顕微鏡。 - 【請求項4】 前記対物レンズは、ヒステリシス補正用
の空芯コイルを備えることを特徴とする請求項3記載の
走査電子顕微鏡。 - 【請求項5】 画像処理手段をさらに備え、軸調整手段
による電子ビームの軸調整時に、前記画像処理手段によ
って検出像の動く方向を認識し、前記制御手段は前記認
識した検出像の動きを止めるように前記軸調整手段を制
御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記
載の走査電子顕微鏡。
Priority Applications (1)
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JP13484995A JP3400608B2 (ja) | 1995-06-01 | 1995-06-01 | 走査電子顕微鏡 |
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