JP5155224B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents
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Description
(1)形態例1
(1−1)全体構成
図1に、形態例に係る荷電粒子線装置の概略構成図を示す。陰極1と第一陽極2の間には、コンピュータ40で制御する高電圧制御電源20により電圧が印加され、所定のエミッション電流で一次電子線4が陰極1から引き出される。ここで、コンピュータ40は、算術論理ユニット、制御回路、記憶装置、入出力装置で構成され、後述する光軸調整動作は記憶装置43から読み出されるプログラムの一機能として実行される。
図2に、光軸調整を行うための実行画面例を示す。この画面は表示装置41に表示され、オペレータはこの画面を使って実行条件を設定し、光軸調整を開始する。なお、この画面の表示と操作入力の受付は、コンピュータ40で実行されるプログラムを通じて実現される。
ここでは、自動光軸調整が選択された場合に実行される光軸調整用アライナー19の補正量の算出方法について説明する。光軸調整用アライナー19は、通常、二次元(X、Y)方向に一次電子線を調整できる。アライナーの初期状態(X0、Y0)に対するアライナー偏向量を(X1、Y1)とした時、光軸のずれWi は複素数を用いて表すと次式(1)の関係となる。
図3に、自動光軸調整の処理フロー例を示す。後述するS1001からS1011までの処理は、コンピュータ40の処理命令に基づいて順番に実行される。
光軸調整用アライナー19の現在の設定条件、又は予め決められた条件をアライナー条件1(Bxo, Byo)として光軸調整用アライナー19に設定し、変更対象に選択された電極(ブースティング電極15又はリターディング電極18)の現在値(合焦状態を与える電圧値)に予め決められた値だけフォーカスをずらしたアライナー条件1を設定する。このアライナー条件1と電極条件1において、画像取得部46を使って画像1を取得する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、変更対象の電極に予め決められた値だけフォーカスをずらしたアライナー条件2を設定し、アライナー条件1と電極条件2において画像2を取得する。
光軸調整用アライナー19に条件2(Bxo +S,Byo)を設定し、その上で、S1001と同様に変更対象の電極を電極条件1に設定し、アライナー条件2と電極条件1において画像3を取得する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、S1002と同様に、変更対象の電極を電極条件2に設定し、アライナー条件2と電極条件2において画像4を取得する。
光軸調整用アライナー19に条件3(Bxo,Byo+S)を設定し、その上で、S1001と同様に変更対象の電極を電極条件1に設定し、アライナー条件3と電極条件1において画像5を取得する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、S1002と同様に変更対象の電極を電極条件2に設定し、アライナー条件3と電極条件2において画像6を取得する。
画像1と画像2の視差(試料像のずれ)を画像処理部47により検出し、これを視差1として記憶装置43に記憶する。画像間の視差は、例えば、画像1と画像2の画像を互いに画素単位でずらしながら画像相関を求め、画像相関値が最大になる画像のずらし量から検出することが可能である。その他、視差の検出が可能な画像処理ならば、本形態例に適用することができる。
画像3と画像4の視差を画像処理部47により検出して、これを視差2として記憶する。
画像5と画像6の視差を画像処理部47により検出して、これを視差3として記憶する。
S1007からS1009で求めた視差1、視差2、視差3と前述した式(1)〜(4)とを使い、光軸調整用アライナー19の補正量(Bx1, By1)を計算部45で算出する。
S1010で決定した光軸調整用アライナー19の補正量(Bx1, By1)を、アライナー制御電源23を通じて光軸調整用アライナー19に設定する。
ここでは、荷電粒子線装置の自動運転機能において、ブースティング電極15又はリターディング電極18に印加する電圧を変化させて光軸調整を実行する場合に適用する条件の設定方法について説明する。
図7に、自動運転を実行した場合の処理フローを示す。後述するS2001からS2009までの処理は、オペレータが条件設定画面500を通じて各種の条件を設定した後に、コンピュータ40の処理命令に基づいて自動的に開始される。
まず、予め記憶装置43に登録されているパターン情報を読み出し、倍率等の光学条件から光軸調整に必要なパラメータであるアライナー変化量(S)や電極の変化量を決定する。
パターン情報からステージ座標を取り出し、パターン位置へ移動する。条件設定画面500において調整専用パターンフラグ503が選択されている場合は、調整用パターン17が一次電子線の直下に位置付けられるようにステージを移動する。この移動の際に数値入力ウィンドウ505に入力された倍率に従って、偏向制御電源24から走査コイル9に供給される電流値が設定される。
前記条件設定画面の焦点調整フラグ501のオン/オフを判定し、オンの場合は焦点調整を実行する。
数値入力ウィンドウ506に入力されているフレーム数分の画像を積算して試料像を形成する。
光軸調整フラグ507がオンの場合、調整方法として手動調整フラグ508が選択されているか自動調整フラグ509が選択されているかを判定する。
手動調整フラグ508がオンの場合、光軸調整タイミングで設定したタイミングに、前述した実行画面400が起動される。像表示画面405には、オペレータが選択した電極の印加電圧が周期的に変化している試料像が連続的に表示され、その像の動きを最小とするように、スケールもしくはつまみを使って光軸調整用アライナー19を調整する。
一方、自動調整フラグ509がオンであった場合、オペレータが選択した電極が判定される。すなわち、ブースティング電極フラグ510が選択されているか、リターディング電極フラグ511が選択されているかが判定される。
リターディング電極フラグ511が選択されていた場合、リターディング電極18の印加電圧を変化させて試料像のずれを検出した後、アライナーへの補正量を算出し、光軸調整用アライナー19に設定する。
ブースティング電極フラグ510が選択されていた場合、ブ―スティング電極15の印加電圧を変化させて試料像のずれを検出した後、アライナーへの補正量を算出し、光軸調整用アライナー19に設定する。
前述した形態例の場合には、自動光軸調整の処理フローにおいて、試料像のずれを検出するために、フォーカスを合焦状態からずらす2つの電極条件に変化させ、その条件で取得した画像を比較した。しかしながら、フォーカスの合焦状態を与える電極条件とフォーカスをずらす電極条件で取得される画像を比較しても光軸調整が可能である。図8に、フォーカスをずらす前の電極条件とフォーカスをずらす電極条件を使用した自動光軸調整の処理フローを示す。なお、後述するS3001からS3011までの処理は、コンピュータ40の処理命令に基づいて順番に実行される。
光軸調整用アライナー19の現在の設定条件、又は予め決められた条件をアライナー条件1(Bxo, Byo)として光軸調整用アライナー19に設定し、画像取得部46を使って画像1を取得する。この時、変更対象の電極(ブースティング電極15又はリターディング電極18)の現在値(合焦状態を与える電圧値)をアライメント条件1として記憶する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、変更対象の電極の現在値(合焦状態を与える電圧値)に予め決められた値だけフォーカスをずらすアライメント条件2を設定する。このアライナー条件1と電極条件2において画像2を取得する。
光軸調整用アライナー19にアライナー条件2(Bxo +S,Byo)を設定して、S3001で記憶した電極条件1に戻し、アライナー条件2と電極条件1において画像3を取得する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、S3002と同様に、変更対象の電極を電極条件2に設定し、アライナー条件2と電極条件2において画像4を取得する。
光軸調整用アライナー19に条件3(Bxo,Byo+S)を設定して、S3001で記憶した電極条件1に戻し、アライナー条件3と電極条件1において画像5を取得する。
光軸調整用アライナー19の条件をそのままにして、S3002と同様に、変更対象の電極を電極条件2に設定し、アライナー条件3と電極条件2において画像6を取得する。
画像1と画像2の視差(試料像のずれ)を画像処理部47により検出し、これを視差1として記憶装置43に記憶する。
画像3と画像4の視差を画像処理部47により検出して、これを視差2として記憶する。
画像5と画像6の視差を画像処理部47により検出して、これを視差3として記憶する。
S3007からS3009で求めた視差1、視差2、視差3と前述した式(1)〜(4)とを使い、光軸調整用アライナー19の補正量(Bx1, By1)を計算部45で算出する。
S3010で決定したアライナー補正量(Bx1, By1)を、アライナー制御電源23を通じて光軸調整用アライナー19に設定する。
2:第一陽極
3:第二陽極
4:一次電子線
5:第一収束レンズ
6:第二収束レンズ
7:対物レンズ
8:絞り板
9:走査コイル
10:試料
11:二次信号分離用直交電磁界(EXB)発生器
12:二次信号
13:二次信号用検出器
14:信号増幅器
15:ブースティング電極
16:ステージ
17:光軸調整用パターン
18:リターディング電極
19:光軸調整用アライナー
20:高圧制御電源
21:第一収束レンズ制御電源
22:第二収束レンズ制御電源
23:アライナー制御電源
24:偏向制御電源
25:ブースティング電極制御電源
26:対物レンズ制御電源
27:ステージ制御電源
28:リターディング電極制御電源
40:コンピュータ
41:表示装置
42:入力装置(マウス・キーボード)
43:記憶装置
44:記憶装置(内部メモリー)
45:計算部
46:画像取得部
47:画像処理部
48:入力装置(調整用つまみ)
Claims (4)
- 試料に荷電粒子線を照射し、該試料から発生する二次信号から画像を生成する荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子線を前記試料へ集束させる電磁界重畳レンズと、
前記荷電粒子線を前記試料に対して減速させるリターディング電極と、
前記試料から発生する前記二次信号を検出器へ引上げるブースティング電極と、
前記荷電粒子線の光軸調整を、前記リターディング電極に印加する電圧の可変制御による調整と前記ブースティング電極に印加する電圧の可変制御による調整のいずれかを選択的に実行するコンピュータと
を有する荷電粒子線装置。 - 前記コンピュータに対し、前記リターディング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整と前記ブースティング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整のいずれかを選択的に指示する入力装置を有する請求項1に記載の荷電粒子線装置。
- 前記コンピュータは、前記リターディング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整、又は前記ブースティング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整が選択された場合、前記画像に表示された前記試料の像の移動量に応じ、該試料の表示倍率及び制御対象とする電極に印加する電圧の可変制御量の調整を実行する請求項1に記載の荷電粒子線装置。
- 前記コンピュータは、前記リターディング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整、又は前記ブースティング電極に印加する電圧の可変制御による光軸の調整が選択された場合、前記画像に表示された前記試料の像の移動量を記憶装置へ記憶させ、該記憶装置に記憶された前記像の移動量が予め設定された基準移動量に達した場合に、前記光軸調整の必要性を示すメッセージを表示装置へ表示させる請求項1に記載の荷電粒子線装置。
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