JP4928987B2 - 荷電粒子線調整方法及び荷電粒子線装置 - Google Patents
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Description
(操作経験)が必要である。そのため、初心者のオペレータが調整に時間を要したり、調整精度にばらつきが発生したりすることがあった。また、荷電粒子線装置の光学条件に対してアライナー設定条件を記憶する手段を設け、操作時にこのアライナー設定条件を読み出して設定するという方法においては、光学条件により変化するアライナー設定条件をその光学条件毎に記憶しておく必要があり、光学条件を替えて試料像を得る場合、その都度アライナー設定条件の登録および読み出しを行う必要があった。また、仮に同じ光学条件で使用する場合であっても、装置の状態変化などによって、登録したアライナー設定条件を使用すると、調整制度が低下するという問題があった。以上のことから、オペレータはビーム中心軸が対物絞り孔の中心からずれていることに気が付かず、正常な明るさの試料像が得られていないという心配があった。
前記アライメント偏向器を少なくとも2つの偏向条件に変更したときの前記画像の明るさを評価し、当該少なくとも2つの偏向条件の内、明るい側の画像を用いて、前記アライナー偏向器の調整条件を演算する装置が備えられている荷電粒子線装置を提供する。
前記処理ステップ(1)で実施されるアライナーの感度計測と、前記処理ステップ(2)で実施される一次荷電粒子線の中心と前記対物絞りの中心とのずれ検出について説明する。
30からの命令で処理される。また図4は、本実施例でのビーム中心軸調整の表示像の様子を模式的に示したものである。
ビーム中心軸調整用の偏向器43により、対物レンズ絞り6上で一次電子ビーム3の走査を開始する。
表示装置31に表示された試料像から、STEP1より得られる絞り孔の像(調整用像)を表示する。
ビーム中心軸調整用アライナー41の現在の設定条件(1)(BX0,BY0)で、画像取得手段32を用いて調整用像を取得する。これを内部メモリ35に画像(1)として記憶する。このときの表示像の状態は、図4(a)の状態である。
ビーム中心軸調整用アライナー41を条件(2)(BX0+S,BY0)に設定して、
STEP3と同じように調整用像を取得し、画像(2)として記憶する。このときの表示像の状態は、図4(b)の状態である。
ビーム中心軸調整用アライナー41を条件(3)(BX0,BY0+S)に設定して、
STEP3と同じように調整用像を取得し、画像(3)として記憶する。このときの表示像の状態は、図4(c)の状態である。
画像(1),(2),(3)より、ビーム中心軸調整用像上での円形像の中心座標位置W1 ,W2 ,W3 を、画像処理で計測する。ここで、円形像の中心位置の計測は例えば画像処理手段33に登録されている既知の画像処理技術で行うことができる。また、円形像の重心位置を求めることに置き換えてもよい。この円形像の中心座標位置を内部メモリ
35に記憶する。
STEP6で求めた円形像の中心座標位置より、前記計算式(1)〜(4)に示した計算手順により、アライナーの補正量(BX1,BY1)を決定する。
STEP7で決定したアライナーの補正量(BX1,BY1)を、アライナー制御回路42を通してビーム中心軸調整用アライナー41に設定する。このときの表示像の状態は、図4(d)の状態である。
+S、Y方向に−S変化させるようにアライナーを制御すればよい。以上の処理ステップAにより、円形像が調整用像内の端に寄りすぎて円全体が表示されなくなるという心配がなくなり、ビーム中心軸調整における調整精度を向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
70により加速電圧が印加され、陰極51から放出された一次電子線54が加速されて後段のレンズ系に進行する。一次電子線54は、レンズ制御電源71,72で制御された収束レンズ55,56で収束され、絞り板58で一次電子線の不要な領域が除去された後に、対物レンズ付近で絞り板61を通り対物レンズ制御電源73で制御された対物レンズ
57により試料60に微小スポットとして収束される。対物レンズ57は、対物レンズ制御電源73から供給される電流によって、一次電子線54の収束条件を変化させるように構成されている。
図10の処理フローについて、以下に詳細に説明する。
対物レンズ57の現在の条件、あるいは、現在の条件に基づいて決められる(例えば、現在のフォーカス条件からフォーカスを少しずらした条件)を条件1として対物レンズ7に設定する。次に、アライナー101の現在の条件、あるいは、予め決められた条件をアライナー101の条件1として設定する。この対物レンズ条件1とアライナー条件1で画像1を取得する。
アライナー101の偏向条件を図11のように、条件1に対して光軸に垂直な平面内で180度偏向した条件を条件2として、これをアライナー101に設定する。そして、対物レンズ57の条件を1として、画像2を取得する。
アライナー101の偏向条件を条件1もしくは条件2に対して光軸に垂直な平面内で
90度偏向した条件を条件3として、これをアライナー101に設定する。そして、対物レンズ57の条件を1として、画像3を取得する。
アライナー101の偏向条件を条件3に対して光軸に垂直な平面内で180度偏向した条件を条件4として、これをアライナー101に設定する。そして、対物レンズ57の条件を1として、画像4を取得する。
制御CPU90の画像解析を用いて、画像1と画像2の平均明るさを算出し、比較する。より明るい方向のアライナー条件を条件5と、画像を画像5として登録する。
制御CPU90の画像解析を用いて、画像3と画像4の平均明るさを算出し、比較する。より明るい方向のアライナー条件を条件6と、画像を画像6として登録する。
アライナー101の偏向条件を条件5として、これをアライナー101に設定する。そして、対物レンズ57の条件を2として、画像7を取得する。
アライナー101の偏向条件を条件6として、これをアライナー101に設定する。そして、対物レンズ57の条件を2として、画像8を取得する。
画像1と同条件で再度画像を取得し、これを画像59として登録する。
画像5と画像7の視差(画像のずれ)を画像処理により検出し、これを視差1として登録する。画像間の視差は、例えば、画像5と画像7の画像を互いに画素単位でずらしながら画像相関を求め、画像相関値が最大になる画像のずらし量から検出することが可能である。その他、視差の検出が可能な画像処理ならば、本実施例に適用が可能である。
画像6と画像8の視差を画像処理により検出して、これを視差2として登録する。
画像1と画像9の視差を画像処理により検出して、これを視差3として登録する。画像1と画像9とは同一条件で取得したものであるから、これらの画像間にずれ(視差3)があれば、このずれは試料やビームのドリフトによって作られたものである。
視差3からドリフト成分を検出して、視差1,2に対してドリフト成分を補正(除去)する。例えば、画像1と画像9の取り込み間隔がt秒であれば、単位時間(秒)当たりのドリフト(d)は、d=(視差5)/tで表される。一方、画像1と2、画像3と4の取り込み間隔がT12,T34とすれば、視差1と視差2には、それぞれ、d×T12、およびd×T34のドリフト成分が含まれていることになるため、視差1,視差2からドリフト成分を差し引くことで、軸ずれに起因した正確な視差を算出することができる。
ドリフト補正された視差1と視差2からアライナー51の最適値を計算して、アライナーに設定する。2つの視差からアライナーの最適条件の導出は特許文献1に説明された条件による。
一方、非点補正器102についても、本実施例では図10のような処理フローでより精度の高い自動軸調整が可能である。得られた視差ずれから非点補正の最適条件の導出までの原理は特許文献2の説明による。
図13の処理フローについて以下に詳細に説明する。
アライナー101を用いて絞り61上で一次電子ビーム53の走査を行い、絞り孔の像を得る。この絞り孔の像を用いてビーム中心軸調整を行い、一次電子ビーム53が絞り
61中心を通過するように調整を行う。得られた絞り孔像から、一次電子ビーム53が絞り61の中心を通過する最適アライナー条件の導出までの原理は、実施例2の説明と同等の原理に基づく。
実施例2の自動軸調整を実施し、対物レンズに対する光軸の調整を実施する。
絞り56は通常対物レンズ57と同軸で取り付けられているため、上記の絞り56に対するビーム中心軸調整を行っただけでも大まかな光軸調整となる。そこで、おおまかに光軸調整を行いたい場合には実施例4のステップ1に記載した絞り56に対するビーム中心軸調整のみを実施し、精密に調整を行いたい場合には実施例4のようにビーム中心軸調整と光軸自動調整の両方を実施するという、必要な調整精度に応じて処理を変更することが可能である。
15にしめすフローに沿って軸調整作業を行う。
61に対するビーム中心軸調整を行う。この場合、自動軸調整は行わない。一方“オート微調”ボタンを押した場合、制御CPU90は、実施例4のように絞り61に対するビーム中心軸調整と自動軸調整を行う。調整終了後オペレータ図14を閉じて光軸調整を終了する。
2 第一陽極
3 一次電子ビーム
4 第二陰極
5 第一収束レンズ
6 対物レンズ絞り
7 第二収束レンズ
8 上段偏向コイル
10 下段偏向コイル
12 対物レンズ
13 試料
14 試料微動装置
15 反射電子
16 二次電子
17 直交電磁界(EXB)装置
18,20 検出器
19,21 増幅器
22 高電圧制御回路
23 第一収束レンズ制御回路
24 第二収束レンズ制御回路
26 偏向制御回路
27 対物レンズ制御回路
28 信号制御回路
29 試料微動制御回路
30 コンピュータ
31 表示装置(画面)
32 画像取得手段
33 画像処理手段
34 計算手段
35 記憶手段(内部メモリ)
36 入力手段
41 ビーム中心軸調整用アライナー
42 アライナー制御回路
43 ビーム中心軸調整用偏向器
44 リレースイッチ
Claims (5)
- 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出される一次荷電粒子線を収束する収束レンズと、
前記一次荷電粒子線を試料上にフォーカスするための対物レンズと、前記一次荷電粒子線の照射によって得られる二次信号を検出する検出器と、前記収束レンズと前記対物レンズの間に配置される走査偏向器とを備えた荷電粒子線装置において、
前記一次荷電粒子線の試料への照射量を制限するために前記走査偏向器と前記収束レンズの間に配置される対物絞りと、
前記一次荷電粒子線の中心を前記対物絞り上で偏向させるアライナーと、
当該アライナーによる前記一次荷電粒子線の光軸補正量を求めるコンピュータとを備え、
当該コンピュータが、
前記アライナーを動作させずに得られる前記対物絞りの第1の画像と、
前記一次荷電粒子線を前記アライナーにより前記対物絞り上のX方向に一定量偏向して得られる第2の画像と、
前記一次荷電粒子線を前記アライナーにより前記対物絞り上のY方向に一定量偏向して得られる第3の画像とを用い、
前記対物絞りの画像の中心が前記アライナーのX方向とY方向の相対感度によらず動かない条件を求めることにより、
前記一次荷電粒子線の光軸補正を行い、
前記条件とは、
前記第1の画像、前記第2の画像および前記第3の画像それぞれにおける前記対物絞りの中心位置(W 1 ,W 2 ,W 3 )を検出し、
上記中心位置の情報を、アライナーの条件変化に対する中心位置を導く方程式に当てはめることにより、アライナーの感度を算出し、前記調整用画像を表示している画面中心と、調整用画像の中心とのずれが最小になる条件より求まる、アライナーの制御条件であることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記第2の画像および前記第3の画像を得るために、アライナー条件を第2および第3の状態に変化させる場合、そのときの変化量Sは、前記収束レンズで収束される一次荷電粒子線の収束点位置に応じて決定することを特徴とした荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記第1の画像、前記第2の画像および前記第3の画像を求めるに際し、前記アライナーによる偏向に加えて、前記走査偏向器により前記一次荷電粒子線の試料上での走査幅を小さくする偏向制御を行うことを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記第1の画像、前記第2の画像および前記第3の画像を求めるに際し、通常の試料画像観察時とは、明るさおよびコントラストを変更する制御を行うことを特徴とする荷電粒
子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記アライナーによる前記対物絞り上での走査幅を前記収束レンズによる前記一次荷電粒子線のクロスオーバ位置に応じて設定することを特徴とする荷電粒子線装置。
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