JP5945159B2 - 荷電粒子ビームの軸合わせ方法および荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

荷電粒子ビームの軸合わせ方法および荷電粒子ビーム装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビームの軸合わせ方法および荷電粒子ビーム装置に関する。
近年、生物、材料、半導体などの微細構造を観察、測定する走査型電子顕微鏡や半導体素子回路パターンの測長用走査型電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置が知られている。
図13は、従来の走査型電子顕微鏡の一例を示す図である。走査型電子顕微鏡1000では、電子銃102で発生させた荷電粒子ビームBを、対物レンズ絞り103を通過させた後、対物レンズ106で試料Sの表面にフォーカスさせる。走査コイル107によって、この荷電粒子ビームBを試料S上で走査すると、試料Sの表面から二次電子や反射電子が放出される。この二次電子や反射電子を電子検出器108で受け、その強度をビーム走査に同期させて画像表示装置109に表示する。
走査型電子顕微鏡1000の対物レンズ絞り103、開き角補正レンズ105、および対物レンズ106に対する荷電粒子ビームBの軸合わせは、X軸方向に荷電粒子ビームを偏向させるビーム軸合わせコイル(以下、Xアライメントコイルという)104aと、Y軸方向に荷電粒子ビームを偏向させるビーム軸合わせコイル(以下、Yアライメントコイルという)104bとに流れる電流を制御することによって行われる。アライメントコイル104a,104bを組み合わせることで、荷電粒子ビームBを二次元的に偏向させることができる。なお、ここでは、対物レンズ106の光軸に沿う方向をZ軸方向とする。
荷電粒子ビームBの軸合わせは、具体的には、まず、ウォブラ用信号発生器110で加速電圧用高圧電源111に信号を送ることによって、荷電粒子ビームBの加速電圧を周期的に微小量変化させ、試料S表面での荷電粒子ビームBのフォーカス(焦点)を微小に変化させる。もし光軸がずれていると、荷電粒子ビームBが対物レンズ106を斜めに通過するため、ウォブラ実行中には、図14(A)に示すように、フォーカスの変化に伴って像Iが所定の方向に移動する。一方、光軸が合った状態では、荷電粒子ビームBが対物レンズ106を垂直に通過するため、ウォブラ実行中には、図14(B)に示すように、フォーカスの変化に伴って像Iはほとんど移動しない。したがって、ウォブラ実行中の像Iの移動量を観察しながら、像Iの移動量がなるべく小さくなるようにXY調整ノブ112を手動で調整することによって、アライメントコイル104a,104bの電流値を光軸が合った状態に調整することができる。XY調整ノブ112は、Xアライメントコイル104aの電流値を調整するためのX調整ノブと、Yアライメントコイル104bの電流値を調整するためのY調整ノブと、を有している。XY調整ノブ112を操作することにより、駆動アンプ113を介して、Xアライメントコイル104aおよびYアライメントコイル104bの電流値を制御することができる。なお、ウォブラは、対物レンズ駆動アンプ115から供給される対物レンズ106の励磁電流を変化させて行うこともできる。
この軸合わせを自動的に行う方法は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1では、軸合わせの最適値を得るために、軸を一定量ずつ可変することにより調整する方法や、対物レンズ励磁を変化させた場合の像変位の方向に応じて軸の調整方向を定める方法が示されている。
特開平7−302564号公報
上述した図13に示す走査型電子顕微鏡1000では、本質的に、荷電粒子ビームの軸ずれ方向と、Xアライメントコイル104aの偏向方向と、Yアライメントコイル104bの偏向方向との合成ベクトルがウォブラでの像移動ベクトルとなっている。そのため、Xアライメントコイル104aおよびYアライメントコイル104bの一方が最適になるように調整しても、ウォブラによる像移動は残る。したがって、最初に調整したXアライメントコイル104aの調整が不適当だとYアライメントコイル104bをどのように調整しても像移動が無くなる点は見つからない。このように、2つのアライメントコイルを調整して、像移動が無くなる1点を探すという調整作業は、装置の操作者にとって直感的に分かりづらく、大きな負担となる。
このような問題に対して、特許文献1では、この軸合わせを自動で行う装置が開示されている。しかしながら、上述した特許文献1の軸合わせの方法では、軸合わせの最適値を求めるために、多数回の繰り返し動作が必要となる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる荷電粒子ビームの軸合わせ方法を提供することにある。
また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
(1)本発明に係る荷電粒子ビームの軸合わせ方法は、
荷電粒子ビームを第1方向に偏向させる第1アライメントコイル、および前記荷電粒子ビームを前記第1方向と交差する第2方向に偏向させる第2アライメントコイルによって前記荷電粒子ビームの軸を調整し、前記荷電粒子ビームを試料に照射して、試料から発生した信号を検出し画像データを取得する荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせ方法であって、
前記試料上における前記荷電粒子ビームの入射方向での焦点位置、前記第1アライメントコイルの励磁電流、および前記第2アライメントコイルの励磁電流の条件を変えて、前記画像データの組を複数取得する画像データ取得工程と、
前記画像データ取得工程において前記焦点位置を変えて取得した前記画像データの組の各々について、前記焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する第1演算工程と、
前記第1演算工程で算出された前記回転中心位置ベクトルから、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する第2演算工程と、
を含み、
前記画像データ取得工程では、前記画像データの組である第1〜第3組を取得し、
前記第1組は、
前記焦点位置が第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第1位置と異なる第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第2組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第3組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、の組であり、
前記画像データ取得工程では、さらに、前記画像データの組である第4組および第5組
を取得し、
前記第2組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第3組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第4組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第5組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組である
このような荷電粒子ビームの軸合わせ方法によれば、3つの画像データの組(第1〜第3組)から荷電粒子ビームの軸合わせのための第1アライメントコイルの励磁電流値および第2アライメントコイルの励磁電流値を求めることができる。このように荷電粒子ビームの軸合わせのための画像データの取得数が少なくて済むため、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる。したがって、装置の操作者の負担を軽減し、荷電粒子ビームの軸合わせに要する時間を短縮できる。
さらに、例えば対物レンズの軸外収差が大きい場合でも、荷電粒子ビームの軸合わせのための第1および第2アライメントコイルの励磁電流値を精度よく算出できる。
)本発明に係る荷電粒子ビームの軸合わせ方法において、
前記第1演算工程では、
前記第1組から、第1回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第2組から、第2回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第3組から、第3回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第4組から、第4回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第5組から、第5回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第2回転中心位置ベクトルの大きさと前記第3回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第3回転中心位置ベクトルの大きさと前記第4回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第4回転中心位置ベクトルの大きさと前記第5回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第5回転中心位置ベクトルの大きさと前記第2回転中心位置ベクトルの大きさの和に基づいて、前記第1〜第5回転中心位置ベクトルを選択し、
前記第2演算工程では、選択された前記第1〜第5回転中心位置ベクトルに基づいて、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出してもよい。
)本発明に係る荷電粒子ビームの軸合わせ方法において、
前記画像データ取得工程、前記第1演算工程、および前記第2演算工程を行った後に、前記第1電流値および前記第2電流値の少なくとも一方の値を変えて、前記画像データ取得工程、前記第1演算工程、および前記第2演算工程を行ってもよい。
このような荷電粒子ビームの軸合わせ方法によれば、荷電粒子ビームの軸合わせのための第1アライメントコイルの励磁電流値および第2アライメントコイルの励磁電流値を、より精度よく求めることができる。
)本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、
荷電粒子ビームを第1方向に偏向させる第1アライメントコイル、および前記荷電粒子ビームを前記第1方向と交差する第2方向に偏向させる第2アライメントコイルによって前記荷電粒子ビームの軸を調整し、前記荷電粒子ビームを試料に照射して、試料から発生した信号を検出し画像データを取得する荷電粒子ビーム装置であって、
前記試料上における前記荷電粒子ビームの入射方向での焦点位置、前記第1アライメントコイルの励磁電流、および前記第2アライメントコイルの励磁電流の条件を変えて、前記画像データの組を複数取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により前記焦点位置を変えて取得された前記画像データの組の各々について、前記焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する第1演算手段と、
前記第1演算手段が算出した前記回転中心位置ベクトルから、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する第2演算手段と、
を含み、
前記画像データ取得手段は、前記画像データの組である第1〜第3組を取得し、
前記第1組は、
前記焦点位置が第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第1位置と異なる第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第2組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイ
ルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第3組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、の組であり、
前記画像データ取得手段は、さらに、前記画像データの組である第4組および第5組を取得し、
前記第2組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第3組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第4組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
前記第5組は、
前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組である。
このような荷電粒子ビーム装置によれば、3つの画像データの組(第1〜第3組)から荷電粒子ビームの軸合わせのための第1アライメントコイルの励磁電流値および第2アライメントコイルの励磁電流値を求めることができる。このように荷電粒子ビームの軸合わせのための画像データの取得数が少なくて済むため、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる。したがって、装置の操作者の負担を軽減し、荷電粒子ビームの軸合わせに要する時間を短縮できる。
さらに、例えば対物レンズの軸外収差が大きい場合でも、荷電粒子ビームの軸合わせのための第1および第2アライメントコイルの励磁電流値を精度よく算出できる。
)本発明に係る荷電粒子ビーム装置において、
前記第1演算手段は、
前記第1組から、第1回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第2組から、第2回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第3組から、第3回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第4組から、第4回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第5組から、第5回転中心位置ベクトルを算出し、
前記第2回転中心位置ベクトルの大きさと前記第3回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第3回転中心位置ベクトルの大きさと前記第4回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第4回転中心位置ベクトルの大きさと前記第5回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第5回転中心位置ベクトルの大きさと前記第2回転中心位置ベクトルの大きさの和に基づいて、前記第1〜第5回転中心位置ベクトルを選択し、
前記第2演算手段は、選択された前記第1〜第5回転中心位置ベクトルに基づいて、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出してもよい。
第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置の構成を説明するための図。 第1実施形態に係る荷電粒子ビームの軸合わせ工程のフローチャート。 フレーム1〜10の撮影条件を示す表。 回転中心位置ベクトルを説明するための図。 回転中心位置ベクトルの算出方法について説明するための図。 回転中心位置ベクトルU0〜U4を示す図。 ベクトルA,B,Cの関係を示す図。 ベクトルA,C,Lの距離とXアライメントコイルの励磁電流値との関係を示す図。 ベクトルA,B,Kの距離とアライメントコイルの励磁電流値との関係を示す図。 第2実施形態に係る荷電粒子ビームの軸合わせ工程のフローチャート。 第3実施形態に係る荷電粒子ビームの軸合わせ工程のフローチャート。 アライメントコイルの励磁電流の初期値の探索点1〜9を説明するための図。 従来の走査型電子顕微鏡の一例を示す図。 従来の荷電粒子ビームの軸合わせ方法について説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 荷電粒子ビーム装置の構成
まず、第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の構成を説明するための図である。ここでは、荷電粒子ビーム装置100が走査型電子顕微鏡(SEM)である場合について説明する。
荷電粒子ビーム装置100は、図1に示すように、荷電粒子ビーム源4と、加速電圧用高圧電源5と、対物レンズ絞り8と、Xアライメントコイル10aと、Yアライメントコイル10bと、アライメントコイル駆動アンプ11と、開き角補正レンズ12と、対物レンズ14と、対物レンズ駆動アンプ15と、走査コイル16と、試料ステージ20と、電子検出器22と、観察画像表示装置24と、軸合わせ用撮影条件設定装置30と、メモリー32(フレームメモリー32a)と、画像変位ベクトル演算器34と、像回転中心演算器35と、最適値演算器36と、を含んでいる。
荷電粒子ビーム源4は、例えば、公知の電子銃であり、陰極から放出された電子を陽極で加速し荷電粒子ビーム(電子ビーム)Bを放出する。
加速電圧用高圧電源5は、荷電粒子ビーム源4に対して、陰極から放出された電子を加速するための加速電圧を供給する。
対物レンズ絞り8は、対物レンズ14に入射する荷電粒子ビームBのうち、光軸近傍の荷電粒子ビームBだけを通して、それ以外を遮蔽する。
Xアライメントコイル(第1アライメントコイル)10aおよびYアライメントコイル(第2アライメントコイル)10bは、荷電粒子ビームBの軸調整を行うことができる。Xアライメントコイル10aは、X方向に対向する1組のコイルを有し、荷電粒子ビームBをX方向(第1方向)に偏向させることができる。Yアライメントコイル10bは、X方向と交差(直交)するY方向(第2方向)に対向する1組のコイルを有し、荷電粒子ビームBをY方向に偏向させることができる。すなわち、Xアライメントコイル10aおよびYアライメントコイル10bによって、荷電粒子ビームBの二次元的な偏向が可能となる。すなわち、Xアライメントコイル10aは、荷電粒子ビームBをX方向に偏向させ(X軸に沿って偏向させ)、Yアライメントコイル10bは、荷電粒子ビームBをY方向に偏向させる(Y軸に沿って偏向させる)。なお、Z方向は、例えば、対物レンズ14の光軸に沿う方向である。アライメントコイル10a,10bの励磁電流は、アライメントコイル駆動アンプ11から供給される。アライメントコイル10a,10bに流れる励磁電流量を制御することによって、荷電粒子ビーム鏡筒2内における荷電粒子ビームBの偏向を二次元的に制御することができる。
なお、荷電粒子ビームBに対するXアライメントコイル10aの偏向方向とYアライメントコイル10bの偏向方向とは、荷電粒子ビームBを二次元的に偏向できれば、直交していなくてもよい。
開き角補正レンズ12は、荷電粒子ビームBの開き角を補正することができる。
対物レンズ14は、荷電粒子ビームBを試料Sの表面で集束させる。対物レンズ14は、対物レンズ駆動アンプ15と接続され、対物レンズ14の励磁電流は、対物レンズ駆動アンプ15から供給される。
走査コイル16は、荷電粒子ビームBの試料S上での走査を行うための電磁コイルである。
試料ステージ20は、試料Sを支持し、試料Sの水平移動、上下移動、回転、傾斜などの動作を行うことができる。
荷電粒子ビーム源4、対物レンズ絞り8、Xアライメントコイル10a、Yアライメントコイル10b、開き角補正レンズ12、対物レンズ14、および走査コイル16は、荷電粒子ビーム鏡筒2に収容されている。
電子検出器22は、集束された荷電粒子ビームBの走査に基づいて、試料Sの表面から放出される二次電子や反射電子を検出する。電子検出器22によって検出された二次電子や反射電子の強度信号は、荷電粒子ビームBの走査信号と同期された画像データとして、フレームメモリー32aに記憶される。なお、荷電粒子ビームBの走査時においては、当該走査信号に基づく励磁電流が走査コイル16に供給される。
メモリー32は、画像データを記憶するためのフレームメモリー32aを有している。メモリー32は、さらに、画像データの撮影条件を記憶してもよい。
観察画像表示装置24は、フレームメモリー32aに記憶された画像データに基づいて、画像(SEM像)を表示する。
軸合わせ用撮影条件設定装置30は、対物レンズ14及び走査コイル16を通過した後の荷電粒子ビームBの焦点、およびアライメントコイル10a,10bの励磁電流の条件を変えて、画像データを取得することができる。軸合わせ用撮影条件設定装置30は、荷電粒子ビーム源4における加速電圧およびアライメントコイル10a,10bの励磁電流を制御して撮影条件を変えながら複数の画像(フレーム)を撮影し、メモリー32に画像データおよび撮影条件を記憶させることができる。軸合わせ用撮影条件設定装置30は、加速電圧用高圧電源5に接続されており、加速電圧用高圧電源5を介して加速電圧を制御する。これにより、対物レンズ14及び走査コイル16を通過した後の荷電粒子ビームBの焦点位置を制御することができる。この結果、試料S上における荷電粒子ビームBの試料Sへの入射方向での焦点位置が制御される。また、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、アライメントコイル駆動アンプ11に接続されており、アライメントコイル駆動アンプ11を介して、アライメントコイル10a,10bの励磁電流を制御する。
画像変位ベクトル演算器34、像回転中心演算器35、および最適値演算器36は、フレームメモリー32aに保存された画像データから、荷電粒子ビームBの軸を合わせるためのXアライメントコイル10aの励磁電流値およびYアライメントコイル10bの励磁電流値を算出する。この算出された励磁電流値は、最適値演算器36からアライメントコイル駆動アンプ11に出力される。
画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35(第1演算手段の一例)は、軸合わせ用撮影条件設定装置30により焦点位置を変えて取得された画像データの組の各々について、焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する。
最適値演算器36(第2演算手段の一例)は、像回転中心演算器35が算出した回転中心位置ベクトルから、荷電粒子ビームBの軸を合わせるためのXアライメントコイル10aの励磁電流値およびYアライメントコイル10bの励磁電流値を算出する。
1.2. 荷電粒子ビーム装置の動作
次に、第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の軸合わせ工程を示すフローチャートである。ここで、荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせとは、荷電粒子ビームBの軸(ビーム軸)を対物レンズ14の光軸に一致させる操作をいう。
まず、軸合わせ用撮影条件設定装置30によって第1〜第10画像データを取得する(S10)。軸合わせ用撮影条件設定装置30は、加速電圧、Xアライメントコイル10aの励磁電流、およびYアライメントコイル10bの励磁電流の条件を変えたフレーム1〜10を撮影して、第1〜第10画像データを取得する。軸合わせ用撮影条件設定装置30によって撮影されたフレーム1〜10は、第1〜第10画像データとして、フレームメモリー32aに記憶される。また、フレーム1〜10(第1〜第10画像データ)の撮影条件は、メモリー32に記憶される。
図3は、フレームの撮影条件を示す表である。各フレームの撮影条件は、図3に示すように、(加速電圧,Xアライメントコイルの励磁電流値,Yアライメントコイルの励磁電流値)として、フレーム1が(HV+V1,X=ORG_X,Y=ORG_Y)、フレーム2が(HV+V2,X=ORG_X,Y=ORG_Y)、フレーム3が(HV+V1,X=ORG_X+AL_2,Y=ORG_Y)、フレーム4が(HV+V2,X=ORG_X+AL_2,Y=ORG_Y)、フレーム5が(HV+V1,X=ORG_X,Y=ORG_Y+AL_2)、フレーム6が(HV+V2,X=ORG_X,Y=ORG_Y+AL_2)、フレーム7が(HV+V1,X=ORG_X−AL_2,Y=ORG_Y)、フレーム8が(HV+V2,X=ORG_X−AL_2,Y=ORG_Y)、フレーム9が(HV+V1,X=ORG_X,Y=ORG_Y−AL_2)、フレーム10が(HV+V2,X=ORG_X,Y=ORG_Y−AL_2)である。
ここで、HVは、軸合わせ開始時の加速電圧であり、V1,V2は、加速電圧の微小変更量である。すなわち、フレーム1〜10において、対物レンズ14及び走査コイル16を通過した後の荷電粒子ビームBの焦点の位置は、加速電圧がHV+V1のときの焦点位置(第1位置)、又は加速電圧がHV+V2のときの焦点位置(第2位置)の2つの位置のいずれかにある。ORG_X(第1電流値)は、軸合わせ開始時のXアライメントコイル10aの励磁電流値(初期値)であり、ORG_Y(第2電流値)は、軸合わせ開始時のYアライメントコイル10bの励磁電流値(初期値)である。AL_2は、アライメントコイル10a,10bの電流値の変更量(変化電流量)である。本実施形態では、例えば、加速電圧HV=10kVで、変更量V1=−50V、変更量V2=+50Vとする。さらに、例えば、初期値ORG_X=10mA、初期値ORG_Y=20mAで、AL_2=+10mAとする。これらの値は後述する工程で回転中心位置ベクトルが正常に求められれば特に限定されない。
本工程では、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、アライメントコイル10a,10bの励磁電流が初期値ORG_X,ORG_Yの状態で加速電圧を変化させて撮影されたフレーム1とフレーム2から、第1画像データと、第2画像データと、からなる画像データの組(第1組)を取得する。また、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、Xアライメントコイル10aの励磁電流を初期値ORG_Xから変化電流量AL_2だけ増加させた状態で加速電圧を変化させて撮影されたフレーム3とフレーム4から、第3画像データと、第4画像データと、からなる画像データの組(第2組)を取得する。また、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、Yアライメントコイル10bの励磁電流を初期値ORG_Yから変化電流量AL_2だけ増加させた状態で加速電圧を変化させて撮影されたフレーム5とフレーム6から、第5画像データと、第6画像データと、からなる画像データの組(第3組)を取得する。また、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、Xアライメントコイル10aの励磁電流を初期値ORG_Xから変化電流量AL_2だけ減少させた状態で加速電圧を変化させて撮影されたフレーム7とフレーム8から、第7画像データと、第8画像データと、からなる画像データの組(第4組)を取得する。また、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、Yアライメントコイル10bの励磁電流を初期値ORG_Yから変化電流量AL_2だけ減少させた状態で加速電圧を変化させて撮影されたフレーム9とフレーム10から、第9画像データと、第10画像データと、からなる画像データの組(第5組)を取得する。
すなわち、第1組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第1画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第2画像データと、の組である。
第2組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ増加させた電流値であり、第2アライメントコイルの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第3画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ増加させた電流値であり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第4画像データと、の組である。
第3組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ増加させた電流値である条件で取得された第5画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ増加させた電流値である条件で取得された第6画像データと、の組である。
第4組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ減少させた電流値であり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第7画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ減少させた電流値であり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された第8画像データと、の組である。
第5組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ減少させた電流値である条件で取得された第9画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ減少させた電流値である条件で取得された第10画像データと、の組である。
次に、画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35が、荷電粒子ビームBの焦点位置を変えて取得した画像データの組(第1〜第5組)の各々について、荷電粒子ビームBの焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する(S11)。
画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35は、第1組(フレーム1(第1画像データ)とフレーム2(第2画像データ))の回転中心位置ベクトルを第1回転中心位置ベクトルU0、第2組(フレーム3(第3画像データ)とフレーム4(第4画像データ))の回転中心位置ベクトルを第2回転中心位置ベクトルU1、第3組(フレーム5(第5画像データ)とフレーム6(第6画像データ))の回転中心位置ベクトルを第3回転中心位置ベクトルU2、第4組(フレーム7(第7画像データ)とフレーム8(第8画像データ))の回転中心位置ベクトルを第4回転中心位置ベクトルU3、第5組(フレーム9(第9画像データ)とフレーム10(第10画像データ))の回転中心位置ベクトルを第5回転中心位置ベクトルU4、として算出する。
ここで、回転中心位置ベクトルとは、荷電粒子ビームBの入射方向での焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶベクトルである。図4は、回転中心位置ベクトルについて説明するための図である。図4は、取得された画像フレームを示す。例えば、加速電圧を微小変化(荷電粒子ビームの焦点位置を変化)させたときに、像はある点αを中心にして回転するような動きを示し、荷電粒子ビームBの軸があっている場合はその回転の中心αが視野の中心βと一致することとなる。この像の回転は、対物レンズ14の光軸の中心と、その周辺とでは、対物レンズ14の像面湾曲のためにフォーカス位置(焦点位置)が異なることによりおこる現象である。特に、この現象は、観察倍率が低い場合に顕著になる。このように磁場レンズでは、フォーカス位置によって像が回転する。回転中心位置ベクトル(図示の例では、回転中心位置ベクトルU0)において、像の回転中心の位置とは、この現象によって起こる像の回転の中心αの位置である。像の回転中心の位置は、アライメントコイル10a,10bの励磁電流値を変えることで、移動する。また、回転中心位置ベクトルにおいて、像の視野中心の位置とは、各フレーム(画像)の中心βの位置をいい、像の回転中心αの位置が、像の視野中心βの位置になるようにアライメントコイル10a,10bの励磁電流値を算出することで荷電粒子ビームの軸合わせを行うことができる。なお、画像データの組を構成する2つのフレーム(画像データ)間において、像の回転中心αの位置は、不動であり、像の視野中心βの位置は、不動である。すなわち、画像データの組を構成する2つのフレーム(画像データ)において、像の回転中心αの位置は、互いに同じであり、像の視野中心βの位置は、互いに同じである。
第1〜第5回転中心位置ベクトルU0〜U4の算出方法について説明する。ここでは、フレーム1(第1画像データ)とフレーム2(第2画像データ)から第1回転中心位置ベクトルU0を算出する場合について説明する。図5は、回転中心位置ベクトルの算出方法について説明するための図である。図5では、フレーム1とフレーム2とを、重ねた画像フレームを模式的に示す。
まず、画像変位ベクトル演算器34は、フレーム1(第1画像データ)から、図5に示すように、R×S個のブロックを切り出してブロックAb_1(k,i)とする。同様に、フレーム2(第2画像データ)から、R×S個のブロックを切り出してブロックAb_2(k,i)とする。ただし、1≦k≦R、1≦i≦Sである。図5の例では、1つのフレームから、3×3個(R=3,S=3)のブロックを切り出している。
次に、画像変位ベクトル演算器34は、ブロックAb_1とブロックAb_2について同じ(k.i)の値で示されるブロック、つまり、フレーム1およびフレーム2において、対応する同じ位置のブロックについて画像変位ベクトルVを求める。ここで、画像変位ベクトルVとは、2つのフレーム間での像の位置ずれ量および像のずれの方向を示すベクトルである。画像変位ベクトルVのX成分は、VECTOR_X1(k,i)、画像変位ベクトルVのY成分は、VECTOR_Y1(k,i)とする。例えば、Ab_1(1,1)、Ab_2(1,1)についての画像変位ベクトルVのX成分は、VECTOR_X1(1,1)、Y成分は、VECTOR_Y1(1,1)となる。
画像変位ベクトルVの算出方法は、例えば、2つのブロック(画像)の相互相関演算によるブロックマッチングで行う。相互相関演算は、2つの画像の二次元フーリエ変換の複素共役の積の逆フーリエ変換で実行する。二次元の相互相関演算結果の最大値の座標が像の画像変位ベクトルとなる。
次に、像回転中心演算器35が、図5に示すように、VECTOR_Y1(k,i)のy方向のブロックについての平均を求めそれをY_VECTOR_MEAN(x)とする。図5の例では、VECTOR_Y1(1,1)と、VECTOR_Y1(1,2)と、VECTOR_Y1(1,3)とを平均して、Y_VECTOR_MEAN(x)(図5のM1)を求め、VECTOR_Y1(2,1)と、VECTOR_Y1(2,2)と、VECTOR_Y1(2,3)とを平均して、Y_VECTOR_MEAN(x)(図5のM2)を求め、VECTOR_Y1(3,1)と、VECTOR_Y1(3,2)と、VECTOR_Y1(3,3)とを平均して、Y_VECTOR_MEAN(x)(図5のM3)を求める。
同様に、像回転中心演算器35が、VECTOR_X1(k,i)のx方向のブロックについての平均を求めそれをX_VECTOR_MEAN(y)とする。
次に、像回転中心演算器35が、図5に示すように、Y_VECTOR_MEANの各点(M1,M2,M3)を最小二乗近似する二次関数を求める。この二次関数の画像中心に近い根を回転中心のX成分検出値CENTER_Xとする。同様に、X_VECTOR_MEANの各点を最小二乗近似する二次関数を求める。この二次関数の画像中心に近い根を回転中心のY成分検出値CENTER_Yとする。これにより、回転中心位置ベクトルU0=(CENTER_X,CENTER_Y)を算出することができる。
なお、ここでは、各ブロックにおける画像変位ベクトルVのy成分およびx成分の平均値を二次関数で近似してその根を回転中心位置ベクトルのx成分およびy成分としたが、一次関数で近似して回転中心位置ベクトルのx成分およびy成分を算出してもよい。
以上の動作により、回転中心位置ベクトルU0を求めることができる。同様の動作により、画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35は、第2組(フレーム3、フレーム4)から第2回転中心位置ベクトルU1を算出し、第3組(フレーム5、フレーム6)から第3回転中心位置ベクトルU2を算出し、第4組(フレーム7、フレーム8)から第4回転中心位置ベクトルU3を算出し、第5組(フレーム9、フレーム10)から第5回転中心位置ベクトルU4を算出する。
なお、回転中心位置ベクトルの算出方法は、これに限定されず、例えば、図5において、各ブロックの画像変位ベクトルVの法線に基づいて、回転中心を求めてもよい。例えば、角ブロックの画像変位ベクトルVの法線が最も多く交わる点を回転中心としてもよい。これにより、回転中心位置ベクトルU0〜U4を算出することができる。
図6は、回転中心位置ベクトルU0〜U4を示す図である。ここで、図6に示すように、象限1〜象限4までの4つの象限について、Xアライメントコイル10aの励磁電流およびYアライメントコイル10bの励磁電流の両方ともプラス方向(増加させる方向)に変化させる方向を象限1とし、Xアライメントコイル10aの励磁電流をマイナス方向(減少させる方向)に変化させ、Yアライメントコイル10bの励磁電流をプラス方向に変化させる方向を象限2とし、Xアライメントコイル10aの励磁電流およびYアライメントコイル10bの励磁電流の両方ともマイナス方向に変化させる方向を象限3とし、Xアライメントコイル10aの励磁電流をプラス方向に変化させ、Yアライメントコイル10bの励磁電流をマイナス方向に変化させる方向を象限4とする。
像回転中心演算器35は、U1〜U4で示される4つの点(位置)と、視野中心βの位置とを結ぶ4つのベクトルのうち、隣り合う2つの回転中心位置ベクトルの大きさの和が一番小さいベクトルの組に対応する象限を対物レンズ14の軸中心方向とする。つまり、|U1|+|U2|、|U2|+|U3|、|U3|+|U4|、|U4|+|U1|のうち、一番小さなものを軸中心方向とする。なお、回転中心位置ベクトルの組み合わせと象限の関係は、U1,U2が象限1、U2,U3が象限2、U3,U4が象限3、U4,U1が象限4である。図6の例では、|U4|+|U1|が一番小さいので、象限4が軸中心方向として検出される。上述のように、回転中心位置ベクトルU4は、フレーム9、フレーム10から算出されたものであり、回転中心位置ベクトルU1は、フレーム3、フレーム4から算出されたものである。フレーム9とフレーム10は、Yアライメントコイル10bの励磁電流をマイナス方向に変化させて撮影されたものであり、フレーム3とフレーム4は、Xアライメントコイル10aの励磁電流をプラス方向に変化させて撮影されたものである。したがって、回転中心位置ベクトルU4と、回転中心位置ベクトルU1の組み合わせは、図6に示す象限4に対応する。
次に、最適値演算器36(第2演算手段の一例)が、回転中心位置ベクトルU0〜U4から、荷電粒子ビームBの軸合わせのためのXアライメントコイル10aの励磁電流値およびYアライメントコイル10bの励磁電流値を算出する(S12,S13)。
最適値演算器36は、回転中心位置ベクトルU0〜U4と、アライメントコイル10a,10bの励磁電流値の変化電流値AL_2とに基づいて、最適なアライメントコイル10a,10bの励磁電流値を以下のようにして算出する。
アライメントコイル10a,10bの励磁電流値が初期値(ORG_X、ORG_Y)の状態での回転中心位置ベクトルをA(a,b)=U0とする。選ばれた象限での回転中心位置ベクトルをB(c,d)、C(e,f)とする。象限1が選ばれた場合は、B=U2、C=U1とする。象限2が選ばれた場合は、B=U2、C=U3とする。象限3が選ばれた場合は、B=U4、C=U3とする。象限4が選ばれた場合は、B=U4、C=U1とする。このベクトルA、B、Cから、視野中心でのアライメントコイル10a,10bの励磁電流値を、一次関数で推定する。
図7は、ベクトルA,B,Cの関係を示す図である。横軸xは、回転中心位置ベクトル座標系におけるx成分を示し、縦軸yは、回転中心位置ベクトル座標系におけるy成分を示す。ここでは、(x、y)=(0,0)のときに、アライメントコイル10a,10bの励磁電流値が最適になるものとする。
最適値演算器36は、図7に示す、Xアライメントコイル10aの励磁電流の最適推定点での回転中心位置ベクトルL(s,t)、およびYアライメントコイル10bの励磁電流の最適推定点での回転中心位置ベクトルK(g,h)を算出する(S12)。
ここで、Xアライメントコイル10aの励磁電流の最適推定点とは、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が最適値X3(X方向の荷電粒子ビームの軸が合ったときのXアライメントコイルの励磁電流値)となる回転中心位置ベクトル座標上の点である。また、Yアライメントコイル10bの励磁電流の最適推定点とは、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が最適値Y3(Y方向の荷電粒子ビームの軸が合ったときのYアライメントコイルの励磁電流値)となる回転中心位置ベクトル座標上の点である。
図7に示すように、直線ACが、直線ABと平行で原点を通る直線L1と交わる点がL(s,t)である。同様に、直線ABが、直線ACと平行で原点を通る直線L2と交わる点がK(g,h)である。L点では、Xアライメントコイル10aの励磁電流が最適値になる。また、K点では、Yアライメントコイル10bの励磁電流が最適値になる。
回転中心位置ベクトルK(g,h)、回転中心位置ベクトルL(s,t)は、下記式1〜式4から算出する。
Figure 0005945159
最適値演算器36は、ベクトルA、およびベクトルCでのXアライメントコイル10aの励磁電流値からベクトルKでのXアライメントコイル10aの励磁電流値(最適値X3)を算出する。
図8は、ベクトルA,C,Lの距離とXアライメントコイルの励磁電流値との関係を示す図である。図8に示すように、ベクトルAでの励磁電流値ORG_X、ベクトルCでの励磁電流値ORG_X+AL_2からXアライメントコイル10aの励磁電流の最適値X3を算出する。最適値演算器36は、例えば、メモリー32に記憶されたベクトルA,Cでの励磁電流値ORG_X,ORG_X+AL_2を用いて算出を行う。Xアライメントコイル10aの励磁電流の最適値X3を求める式は、下記式5、6のとおりである。なお、式5は、図8に示すベクトルAの座標A点が、ベクトルCの座標C点とベクトルLの座標L点との間にある場合の式であり、式6は、ベクトルAの座標A点が、ベクトルCの座標C点とベクトルLの座標L点との間にない場合の式である。
Figure 0005945159
ただし、XAは、ベクトルAでの励磁電流値ORG_Xである。また、象限1が選ばれた場合、XC=ORG_X+AL_2である。象限2が選ばれた場合、XC=ORG_X−AL_2である。象限3が選ばれた場合、XC=ORG_X−AL_2である。象限4が選ばれた場合、XC=ORG_X+AL_2である。
図9は、ベクトルA,B,Kの距離とYアライメントコイル10bの励磁電流値との関係を示す図である。最適値演算器36は、図10に示すように、ベクトルAでの励磁電流値ORG_Y、ベクトルBでの励磁電流値ORG_Y+AL_2からYアライメントコイル10bの励磁電流の最適値Y3を算出する。Yアライメントコイル10bの励磁電流の最適値Y3を求める式は、下記式7、8のとおりである。なお、式7は、ベクトルAの座標A点が、ベクトルBの座標B点とベクトルKの座標K点との間にある場合の式であり、式8は、ベクトルAの座標A点が、ベクトルBの座標B点とベクトルKの座標K点との間にない場合の式である。
Figure 0005945159
ただし、YAは、ベクトルAでの励磁電流値ORG_Yである。また、象限1が選ばれた場合、YB=ORG_Y+AL_2である。象限2が選ばれた場合、YB=ORG_Y+AL_2である。象限3が選ばれた場合、YB=ORG_Y−AL_2である。象限4が選ばれた場合、YB=ORG_Y−AL_2である。
以上の工程により、Xアライメントコイル10aの励磁電流の最適値X3およびYアライメントコイル10bの励磁電流の最適値Y3を算出することができる。
次に、最適値演算器36は、算出したアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3に基づいて制御信号を生成し、この制御信号をアライメントコイル駆動アンプ11に出力して、Xアライメントコイル10aの励磁電流が最適値X3となり、Yアライメントコイル10bの励磁電流が最適値Y3となるように制御する。
以上の工程により、荷電粒子ビームBの軸合わせを行うことができる。
本実施形態によれば、上述のように、5つの画像データの組(第1〜第5組)から、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を求めることができる。すなわち、10枚の画像(フレーム1〜10)から、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を求めることができる。このように荷電粒子ビームの軸合わせのための画像データの取得数が少なくて済むため、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる。したがって、装置の操作者の負担を軽減し、荷電粒子ビームの軸合わせに要する時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値(ORG_X,ORG_Y)と、該初期値を一定量(AL_2)変化させた値において、荷電粒子ビームBの焦点位置を変えて(加速電圧または対物レンズの励磁電流を微小変化させて)取得した2つのフレーム(画像)の回転中心位置ベクトルと、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値(ORG_X,ORG_Y)と、該初期値を一定量(AL_2)変化させた電流値から、像の回転中心が視野中心となるアライメントコイル10a,10bの電流値(最適値X3,Y3)を求めた。これにより、対物レンズ14の軸外収差が大きい場合でも最適な電流値(X3,Y3)が算出できる。したがって、例えば荷電粒子ビームの軸合わせの実行可能範囲が広がり装置の操作性を向上させることができる。
本実施形態に係る荷電粒子ビーム装置は、画像データの組(第1〜第5組)を取得する軸合わせ用撮影条件設定装置30と、画像データの組に基づいて、回転中心位置ベクトルU0〜U4を算出する画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35と、回転中心位置ベクトルU0〜U4から荷電粒子ビームの軸合わせのためのアライメントコイル10a,10bの励磁電流値X3,Y3を算出する最適値演算器36と、を有する。これにより、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる。さらに、例えば、荷電粒子ビームBの軸合わせを自動化することができる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせ方法について説明する。なお、第2実施形態に係る荷電粒子ビーム装置は、上述した図1に示す荷電粒子ビーム装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。
第1実施形態では、回転中心位置ベクトルU0〜U4に基づいて、象限1〜4のうちの1つを選択し、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値(X3,Y3)を算出した。
これに対し、第2実施形態では、象限1〜4の選択を行わずに、回転中心位置ベクトルとアライメントコイル10a,10bの励磁電流の変化量からアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する。
本実施形態では、軸合わせ用撮影条件設定装置30が、以下に示す3つの画像データの組を取得し、画像変位ベクトル演算器34、像回転中心演算器35、および最適値演算器36が、3つの画像データの組から、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する。
この3つの画像データの組のうちの1組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された画像データと、の組である。
また、3つの画像データの組のうちの2組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ変化させた電流値であり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xから変化電流値AL_2だけ変化させた電流値であり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yである条件で取得された画像データと、の組である。なお、励磁電流を初期値から変化電流値だけ変化させたとは、励磁電流を初期値から変化電流値だけ増加または減少させることをいう。
また、3つの画像データの組のうちの3組は、荷電粒子ビームBの焦点位置が第1位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ変化させた電流値である条件で取得された画像データと、荷電粒子ビームBの焦点位置が第2位置にあり、Xアライメントコイル10aの励磁電流値が初期値ORG_Xであり、Yアライメントコイル10bの励磁電流値が初期値ORG_Yから変化電流値AL_2だけ変化させた電流値である条件で取得された画像データと、の組である。
すなわち、画像変位ベクトル演算器34、像回転中心演算器35、および最適値演算器36は、例えば、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU1、および回転中心位置ベクトルU4から、最適値X3,Y3を算出することができる。また、例えば、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU1、および回転中心位置ベクトルU2から、最適値X3,Y3を算出することができる。また、例えば、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU2、および回転中心位置ベクトルU3から、最適値X3,Y3を算出することができる。また、例えば、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU3、および回転中心位置ベクトルU4から、最適値X3,Y3を算出することができる。
図10は、第2実施形態に係る荷電粒子ビームの軸合わせ工程のフローチャートである。ここでは、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU1、および回転中心位置ベクトルU2から、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する場合について説明する。なお、上述した第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の動作の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、軸合わせ用撮影条件設定装置30によって、第1〜第6画像データ(図3参照)を取得する(S20)。すなわち、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、3つの画像データの組(第1組〜第3組)を取得する。
次に、画像変位ベクトル演算器34および像回転中心演算器35が、荷電粒子ビームBの焦点位置を変えて取得した画像データの組(第1〜第3組)の各々について、荷電粒子ビームBの焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する(S21)。これにより、回転中心位置ベクトルU0、回転中心位置ベクトルU1、および回転中心位置ベクトルU2を算出することができる。
次に、最適値演算器36が、回転中心位置ベクトルU0,U1,U2から、Xアライメントコイル10aの励磁電流の最適推定点での回転中心位置ベクトルL(s,t)、およびYアライメントコイル10bの励磁電流の最適推定点での回転中心位置ベクトルK(g,h)を算出する(S22)。本工程は、上述した第1実施形態において象限1が選ばれた場合と同じであり、上記した式1〜4から算出することができる。
次に、最適値演算器36が、回転中心位置ベクトルK,Lからアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する(S23)。
次に、最適値演算器36は、算出したアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3に基づいて制御信号を生成し、この制御信号をアライメントコイル駆動アンプ11に出力して、Xアライメントコイル10aの励磁電流が最適値X3となり、Yアライメントコイル10bの励磁電流が最適値Y3となるように制御する。
以上の工程により、荷電粒子ビームBの軸合わせを行うことができる。
本実施形態では、上述のように、6枚の画像(フレーム1〜6)からアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を求めることができる。このように荷電粒子ビームの軸合わせのための画像データの取得数が少なくて済むため、容易に荷電粒子ビームの軸合わせができる。したがって、荷電粒子ビームの軸合わせに要する時間の短縮、装置の操作者の負担を軽減することができる。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせ方法について説明する。なお、第3実施形態に係る荷電粒子ビーム装置は、上述した図1に示す荷電粒子ビーム装置100の構成と同様であり、その説明を省略する。図11は、第3実施形態に係る荷電粒子ビームの軸合わせ工程のフローチャートである。なお、上述した第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100の動作の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
第3実施形態では、図11に示すように、工程S10、工程S11、工程S12、工程S13を行った後に、Xアライメントコイル10aの励磁電流の初期値、およびYアライメントコイルの励磁電流の初期値の少なくとも一方を変えて(S31)、再度、工程S10、工程S11、工程S12、工程S13を行う。そして、所定の回数処理を行った後(工程S30でYes)、最適値演算器36は、算出されたアライメントコイル10a,10bの最適値X3,Y3のなかから、回転中心位置ベクトルU0の一番小さいときの最適値X3,Y3を選択する(S32)。そして、最適値演算器36は、この選択された最適値X3,Y3に基づいて制御信号を生成し、この制御信号をアライメントコイル駆動アンプ11に出力する。
本実施形態では、具体的には、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値を、例えば、探索点1〜探索点9まで変えながら、工程S10〜S13を繰り返し行う。図12は、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値の探索点1〜9を説明するための図である。
本実施形態では、まず、軸合わせ用撮影条件設定装置30が、Xアライメントコイル10aの励磁電流の初期値と、Yアライメントコイル10bの励磁電流の初期値を探索点1の状態に設定する。具体的には、Xアライメントコイル10aの励磁電流の初期値をORG_X−AL_2とし、Yアライメントコイル10bの励磁電流の初期値をORG_Y+AL_2とする。そして、工程S10〜S13を行い、探索点1におけるアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する。なお、探索点1〜9の情報は、例えば、予め、メモリー32に記憶されていてもよい。
次に、軸合わせ用撮影条件設定装置30が、Xアライメントコイル10aの励磁電流の初期値と、Yアライメントコイル10bの励磁電流の初期値を探索点2の状態に設定する。具体的には、Xアライメントコイル10aの励磁電流の初期値をORG_Xとし、Yアライメントコイル10bの励磁電流の初期値をORG_Y+AL_2とする。そして、工程S10〜S13を行い、探索点2におけるアライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する。これを、探索点9まで繰り返し行い、探索点1〜探索点9のそれぞれについて、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を算出する。
次に、探索点9まで行った後(工程S30でYes)、最適値演算器36は、探索点1〜9におけるアライメントコイル10a,10bの最適値X3,Y3のなかから、回転中心位置ベクトルU0の大きさが最も小さい探索点における最適値X3,Y3を選択する(S32)。そして、最適値演算器36は、この選択された最適値X3,Y3に基づいて制御信号を生成し、この制御信号をアライメントコイル駆動アンプ11に出力する。
以上の工程により、荷電粒子ビームBの軸合わせを行うことができる。
本実施形態によれば、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の最適値X3,Y3を、より精度よく算出することができる。例えば、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値が、最適値X3,Y3から大きくずれていた場合、最適値X3,Y3を精度よく算出できない場合がある。本実施形態によれば、アライメントコイル10a,10bの励磁電流の初期値を変えて、繰り返し最適値X3,Y3を算出するため、最適値X3,Y3を精度よく算出することができる。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせ方法について説明する。
第1実施形態に係る荷電粒子ビーム装置100では、軸合わせ用撮影条件設定装置30が、加速電圧の初期値HVを変更量V1,V2だけ変更することにより、荷電粒子ビームBの焦点位置を変えて、フレーム1〜10を撮影し、第1〜第10画像データ(第1〜5組)を取得した。これに対して、本実施形態では、軸合わせ用撮影条件設定装置30が、対物レンズ14の励磁電流を変更することにより、荷電粒子ビームBの焦点位置を変えて、フレーム1〜10を撮影し、第1〜第10画像データ(第1〜第5組)を取得することができる。この場合、軸合わせ用撮影条件設定装置30は、図示はしないが、対物レンズ駆動アンプ15と接続され、対物レンズ駆動アンプ15を介して、対物レンズ14の励磁電流を制御することにより、荷電粒子ビームBの焦点位置を制御してもよい。
なお、上述した各実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、図1に示す、軸合わせ用撮影条件設定装置30、画像変位ベクトル演算器34、像回転中心演算器35、最適値演算器36の機能を、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現してもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…荷電粒子ビーム鏡筒、4…荷電粒子ビーム源、5…加速電圧用高圧電源、8…対物レンズ絞り、10a…Xアライメントコイル、10b…Yアライメントコイル、11…アライメントコイル駆動アンプ、12…開き角補正レンズ、14…対物レンズ、15…対物レンズ駆動アンプ、16…走査コイル、20…試料ステージ、22…電子検出器、24…観察画像表示装置、30…軸合わせ用撮影条件設定装置、32…メモリー、32a…フレームメモリー、34…画像変位ベクトル演算器、35…像回転中心演算器、36…最適値演算器、100…荷電粒子ビーム装置、102…電子銃、103…対物レンズ絞り、106…対物レンズ、107…走査コイル、108…電子検出器、109…画像表示装置、110…加速電圧ウォブラ用信号発生器、111…加速電圧用高圧電源、112…XY調整ノブ、113…駆動アンプ、115…対物レンズ駆動アンプ、1000…走査型電子顕微鏡

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを第1方向に偏向させる第1アライメントコイル、および前記荷電粒子ビームを前記第1方向と交差する第2方向に偏向させる第2アライメントコイルによって前記荷電粒子ビームの軸を調整し、前記荷電粒子ビームを試料に照射して、試料から発生した信号を検出し画像データを取得する荷電粒子ビーム装置における荷電粒子ビームの軸合わせ方法であって、
    前記試料上における前記荷電粒子ビームの入射方向での焦点位置、前記第1アライメントコイルの励磁電流、および前記第2アライメントコイルの励磁電流の条件を変えて、前記画像データの組を複数取得する画像データ取得工程と、
    前記画像データ取得工程において前記焦点位置を変えて取得した前記画像データの組の各々について、前記焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する第1演算工程と、
    前記第1演算工程で算出された前記回転中心位置ベクトルから、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する第2演算工程と、
    を含み、
    前記画像データ取得工程では、前記画像データの組である第1〜第3組を取得し、
    前記第1組は、
    前記焦点位置が第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第1位置と異なる第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第2組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記
    第1電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第3組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、の組であり、
    前記画像データ取得工程では、さらに、前記画像データの組である第4組および第5組を取得し、
    前記第2組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第3組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第4組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第5組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組である、荷電粒子ビームの軸合わせ方法。
  2. 請求項において、
    前記第1演算工程では、
    前記第1組から、第1回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第2組から、第2回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第3組から、第3回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第4組から、第4回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第5組から、第5回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第2回転中心位置ベクトルの大きさと前記第3回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第3回転中心位置ベクトルの大きさと前記第4回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第4回転中心位置ベクトルの大きさと前記第5回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第5回転中心位置ベクトルの大きさと前記第2回転中心位置ベクトルの大きさの和に基づいて、前記第1〜第5回転中心位置ベクトルを選択し、
    前記第2演算工程では、選択された前記第1〜第5回転中心位置ベクトルに基づいて、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する、荷電粒子ビームの軸合わせ方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記画像データ取得工程、前記第1演算工程、および前記第2演算工程を行った後に、前記第1電流値および前記第2電流値の少なくとも一方の値を変えて、前記画像データ取得工程、前記第1演算工程、および前記第2演算工程を行う、荷電粒子ビームの軸合わせ方法。
  4. 荷電粒子ビームを第1方向に偏向させる第1アライメントコイル、および前記荷電粒子ビームを前記第1方向と交差する第2方向に偏向させる第2アライメントコイルによって前記荷電粒子ビームの軸を調整し、前記荷電粒子ビームを試料に照射して、試料から発生した信号を検出し画像データを取得する荷電粒子ビーム装置であって、
    前記試料上における前記荷電粒子ビームの入射方向での焦点位置、前記第1アライメントコイルの励磁電流、および前記第2アライメントコイルの励磁電流の条件を変えて、前記画像データの組を複数取得する画像データ取得手段と、
    前記画像データ取得手段により前記焦点位置を変えて取得された前記画像データの組の各々について、前記焦点位置の変化による像の回転に基づく像の回転中心の位置と、像の視野中心の位置と、を結ぶ回転中心位置ベクトルを算出する第1演算手段と、
    前記第1演算手段が算出した前記回転中心位置ベクトルから、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する第2演算手段と、
    を含み、
    前記画像データ取得手段は、前記画像データの組である第1〜第3組を取得し、
    前記第1組は、
    前記焦点位置が第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第1位置と異なる第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第2組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第3組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記
    第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ変化させた電流値である前記画像データと、の組であり、
    前記画像データ取得手段は、さらに、前記画像データの組である第4組および第5組を取得し、
    前記第2組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第3組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ増加させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第4組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値である条件で取得された前記画像データと、の組であり、
    前記第5組は、
    前記焦点位置が前記第1位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、
    前記焦点位置が前記第2位置にあり、前記第1アライメントコイルの励磁電流値が前記第1電流値であり、前記第2アライメントコイルの励磁電流値が前記第2電流値から前記第1変化電流値だけ減少させた電流値である条件で取得された前記画像データと、の組である、荷電粒子ビーム装置。
  5. 請求項において、
    前記第1演算手段は、
    前記第1組から、第1回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第2組から、第2回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第3組から、第3回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第4組から、第4回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第5組から、第5回転中心位置ベクトルを算出し、
    前記第2回転中心位置ベクトルの大きさと前記第3回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第3回転中心位置ベクトルの大きさと前記第4回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第4回転中心位置ベクトルの大きさと前記第5回転中心位置ベクトルの大きさの和、前記第5回転中心位置ベクトルの大きさと前記第2回転中心位置ベクトルの大きさの和
    に基づいて、前記第1〜第5回転中心位置ベクトルを選択し、
    前記第2演算手段は、選択された前記第1〜第5回転中心位置ベクトルに基づいて、前記荷電粒子ビームの軸合わせのための前記第1アライメントコイルの励磁電流値および前記第2アライメントコイルの励磁電流値を算出する、荷電粒子ビーム装置。
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