JPH08326029A - 防波堤 - Google Patents

防波堤

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JPH08326029A
JPH08326029A JP15234395A JP15234395A JPH08326029A JP H08326029 A JPH08326029 A JP H08326029A JP 15234395 A JP15234395 A JP 15234395A JP 15234395 A JP15234395 A JP 15234395A JP H08326029 A JPH08326029 A JP H08326029A
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JP
Japan
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sea
seawater
breakwater
intake tank
water
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Pending
Application number
JP15234395A
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English (en)
Inventor
Yusaku Tanaka
裕作 田中
Takeshi Chikamoto
武 近本
Tetsuji Muramoto
哲二 村本
Toshiaki Nakamura
俊昭 中村
Masao Kondo
正男 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内海と外海との間での海水交換を促進するこ
とを可能にし、ろ過方式によらずに内海の水質浄化を図
る。 【構成】 堤体を構成する各ケーソン11内に、中詰材
14を途中まで充填して取水槽16を形成し、満潮時
に、流入口17から前記取水槽16内に外海4の海水を
取水し、干潮時に、流出口18に接続した放水管20内
の開閉バルブ19を開いて、潮位差を利用して取水槽1
5内の水を内海5へ勢いよく放出し、内海5に大きな海
水流動を起す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防波堤に係り、より詳
しくは取水および放水機能を有する防波堤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、漁港やマリーナ等の港湾あるい
は親水海浜(レクリエーション海浜)は、できるだけ静
粛海面が得られるように、船の出入りに必要な水路を残
してそのほとんどを防波堤や突堤で囲むようにしてい
る。このため、防波堤を挟んだ外海と内海との間には、
表面的にはほとんど海水の流通がなく、内海の汚れがい
つまでも残って環境汚染が進むようになる。
【0003】そこで、例えば防波堤を透過構造として、
この中に砂利やろ材などを保持し、潮の干満を利用して
これら砂利層やろ材などに海水を流通させて、ろ過方式
で汚濁物質を捕捉する試みがなされている(例えば、特
開平6−173232号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ろ
過方式で汚濁物質を捕捉する対策によれば、汚濁物質に
よる砂利層やろ材などの目詰りが避けられないため、そ
れらの洗浄や交換をかなりの頻度で行わなければなら
ず、維持管理が面倒な上、管理費用が嵩むという問題が
あった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、外海と内海との間での
海水交換を促進することを可能にし、もってろ過方式に
よらずに内海の水質を浄化できる、経済的な防波堤を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、堤体内に取水槽を設け、外海に面する前
記堤体の壁部の、最高潮位よりわずか低位となる部位に
前記取水槽への海水の流入を許容する流入口を設け、内
海に面する前記堤体の壁部の、最低潮位付近またはそれ
より低位となる部位に前記取水槽内の海水を流出させる
流出口を設け、かつ前記流出口からの海水の流出を開放
遮断する開閉弁を設ける構成としたことを特徴とする。
【0007】本発明において、上記堤体は複数のケーソ
ンから形成しても良いもので、この場合は、各ケーソン
内における中詰材の非充填域を取水槽として提供する。
またこの場合、上記流出口は、各ケーソンに対応して設
けるのが望ましい。
【0008】本発明は、上記流出口に放水管を接続する
と共に、前記放水管に開閉弁を設ける構成とすることが
できる。本発明はまた、上記流出口に、堤体に沿って配
置され該堤体の基端側に位置する端部を開放した主放水
管から分岐した分岐管を接続し、前記主放水管の開放端
部に開閉弁を設ける構成とすることができる。
【0009】
【作用】上記のように構成した防波堤においては、満潮
時には流入口を通して堤体内の取水槽に外海側の海水が
流入し、開閉弁を閉じておくことでこの海水が取水槽内
に貯留される。一方、干潮時に開閉弁を開くと、取水槽
と内海との潮位差により取水槽内の海水が流出口から内
海へ放出され、内海に大きな海水流動が起こって、内海
と外海との間での海水交換が進む。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0011】図2は、本発明の実施対象である港湾を示
したものである。同図において、1は本発明に係る防波
堤で、岸壁2の片側からその前方海域を囲むように大き
く延ばされている。岸壁2の他側からは、沖合に向けて
突堤3が直線的に延ばされており、この突堤3と前記防
波堤1とで協働して、ほゞ外海4から閉ざした閉鎖海域
(内海)5が形成されている。防波堤1と突堤3との間
は、船の出入りに必要な水路6として提供されており、
この水路6を介して外海4と内海5との間で海水が流通
するようになっている。
【0012】防波堤1を構成する堤体は、こゝでは海底
に敷設した捨石マウンド10上に連続に据付けられた複
数のケーソン11からなっている。各ケーソン11は、
図1に示されるように、有底箱形の本体12と、この本
体12の上端開口を覆う蓋体13と本体12内の、決め
られた高さに充填された中詰材(例えば、砂や砂利な
ど)14とからなっている。中詰材14は、その上部に
打設したスラブ15により密封されており、このスラブ
15と前記蓋体13との間は取水槽16として構成され
ている。なお、取水槽16の底面すなわちスラブ15の
上面は、最低潮位LWL よりわずか下方位となるようにそ
の高さレベルが設定されている。
【0013】外海4に面する各ケーソン(堤体)11の
外側壁には前記取水槽16の上部に通じる流入口17が
設けられている。この流入口17は、最高潮位HWL より
わずか低位となる部位に設けられ、したがって満潮時に
は、外海4の海水がこの流入口17から取水槽16へと
流入するようになる。一方、内海5に面する各ケーソン
11の内側壁には、取水槽16の底部から内海へ通じる
流出口18が設けられている。この流出口18は、最低
潮位LWL より低位となっており、したがって干潮時に
は、取水槽16内の海水がこの流出口18から内海5へ
流出するようになる。なお取水槽16は、一例として幅
約4m,長さ約5m,流入口17より下側部分の高さ約
3mの大きさに設定されている。
【0014】しかして、上記流出口18には、開閉弁1
9を設けた放水管20が接続されている。放水管20
は、流出口18から水平方向へ延ばされた水平部20a
とこの水平部20aから海底側へ延ばされた垂直部20
bとを備え、その水平部20aに前記開閉弁19を設け
ている。また、その垂直部20bの下端開口は内海5へ
水平に向けられている。一方、開閉弁19は、一例とし
て電磁弁からなり、取水槽16内に設置した水位センサ
(図示略)からの信号に基づいて制御信号を出力するコ
ントローラ(図示略)の指令で開閉動作するようになっ
ている。
【0015】以下、上記実施例(第1実施例)の作用に
ついて、図3も参照して説明する。
【0016】干潮から満潮に移行するに際しては、図3
(a) に示すように開閉弁19を閉じておく。これにより
満潮になると、外海4の清浄な海水が流入口17を通じ
て各ケーソン11内の取水槽16へ流入し、取水槽16
に大量の海水が貯留される。その後、引き潮に転じて干
潮に達したら、図3(b) に示すように開閉弁19を開
く。すると、取水槽16と内海5との潮位差により、取
水槽16内の海水が、各ケーソン11に対応する流出口
18から放水管20を経て内海5へ勢いよく放出され
(図2)、内海5に大きな海水流動が起こる。この結
果、内海5の海水は水路6を通じて外海4へ勢いよく流
出し、内海5の海水は清浄な外海4の海水と部分的に交
換される。そして、取水槽16内の海水がほゞ全量放出
された段階で、図3(c) に示すように開閉弁19を閉
じ、そのまゝ満ち潮を待つ。これによって次の満潮時に
は取水槽16内に再び外海4の海水が取水され、以降、
潮の干満に応じて前記した開閉弁19の操作を繰返すこ
とで、内海5の水質浄化が進む。
【0017】このように、潮の干満を利用して、開閉弁
19の操作だけで内海5に大きな潮流を起すので、必要
な動力は、開閉弁19を開閉するためのわずかの電力の
みとなり、極めて経済的に内海5を浄化できる。しか
も、砂利やろ材を用いるろ過方式と異なって目詰りを起
すことがないので、維持管理は簡単となり、この面から
も経済的に有利となる。また本第1実施例では特に、堤
体としてケーソン11を用いているので、取水槽16の
形成が極めて簡単となり、設置費用も安価で済む。
【0018】なお、上記第1実施例における放水管20
に、図4に示すように長尺の延長管21をさらに接続し
ても良く、この場合は、放水点を内海5の任意の箇所に
延ばすことができるので、内海5の奥側にも十分大きな
海水流動を起すことができ、内海5の水質浄化はより一
層進む。また、同じく図4に示すようにケーソン11
に、前記流入口17および流出口18を塞ぐフィルタ2
2a,22bを付設しても良く(ただし、流出口18側
のフィルタ22bは省略しても良い)、この場合は、外
海4から流入する浮遊ゴミなどがフィルタ22a,22
bにより排除されるので、それらの内海5への流入を未
然に防止できるばかりか、浮遊ゴミなどに起因する開閉
弁19の作動不良を未然に防止できる。
【0019】図5は、本発明の第2実施例を示したもの
である。本第2実施例の特徴とするところは、堤体を構
成する一連のケーソン11の内側壁の底部に沿って大口
径の主放水管23を配設すると共に、この主放水管23
と各ケーソン11に対応して設けられた流出口18とを
小口径の分岐管24にて接続し、主放水管23の、堤体
の基端側に位置する端部を開放して、この開放端部に1
つの開閉弁25を設けた点にある。
【0020】本第2実施例においては、上記第1実施例
と同じ要領で潮の干満に応じて開閉弁25を開閉操作す
ることにより、各ケーソン11内の取水槽16に取水さ
れた海水が、各流出口18から分岐管24および主放水
管23を経て、内海5の奥側へ集中的に放出される。し
たがって汚れ易い内海5の奥側に大きな海水流動が起
り、内海5の水質浄化がより一層進むようになる。しか
も、第1実施例のように各ケーソン11に対応して開閉
弁を設ける必要がないので、構造が簡単になるばかりか
メンテナンスも簡単となり、費用負担が少なくて済む。
【0021】なお本発明は、上記各取水槽16を、各ケ
ーソン11内を通した配管(図示略)により相互に連通
して、堤体の基端側に設けた1つまたは複数の流出口か
ら放水させるようにしても良いものである。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る防波堤によれば、潮の干満を利用して外界の海水を
取水しかつこれを内海に放水して内海の水質浄化を図る
ことができるので、ろ過方式と異って目詰りの心配がな
く、維持管理が簡単になって経済的に極めて有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である防波堤の構造を示す
断面図である。
【図2】本防波堤を含む港湾の全体的な景観を模式的に
示す平面図である。
【図3】本防波堤の使用態様を示す模式図である。
【図4】第1実施例の変形実施例としての防波堤の構造
を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例である防波堤の構造を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 防波堤 2 岸壁 4 外海 5 内海 10 捨石マウンド 11 ケーソン 14 中詰材 16 取水槽 17 流入口 18 流出口 19 開閉弁 20 放水管 23 主放水管 24 分岐管 25 開閉弁
フロントページの続き (72)発明者 中村 俊昭 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 東洋建設株式会社内 (72)発明者 近藤 正男 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 東洋建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 堤体内に取水槽を設け、外海に面する前
    記堤体の壁部の、最高潮位よりわずか低位となる部位に
    前記取水槽への海水の流入を許容する流入口を設け、内
    海に面する前記堤体の壁部の、最低潮位付近またはそれ
    より低位となる部位に前記取水槽内の海水を流出させる
    流出口を設け、かつ前記流出口からの海水の流出を開放
    遮断する開閉弁を設けたことを特徴とする防波堤。
  2. 【請求項2】 堤体が複数のケーソンからなり、各ケー
    ソン内における中詰材の非充填域が取水槽として提供さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の防波堤。
  3. 【請求項3】 流出口を、各ケーソンに対応して設けた
    ことを特徴とする請求項2に記載の防波堤。
  4. 【請求項4】 流出口に放水管を接続し、該放水管に開
    閉弁を設けたことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の防波堤。
  5. 【請求項5】 流出口に、堤体に沿って配置され該堤体
    の基端側に位置する端部を開放した主放水管から分岐し
    た分岐管を接続し、前記主放水管の開放端部に開閉弁を
    設けたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の
    防波堤。
JP15234395A 1995-05-26 1995-05-26 防波堤 Pending JPH08326029A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017137737A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 五洋建設株式会社 ケーソン中詰材の投入管理方法及び投入管理装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017137737A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 五洋建設株式会社 ケーソン中詰材の投入管理方法及び投入管理装置

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