JPH08324982A - ボールねじ式ジャッキ - Google Patents

ボールねじ式ジャッキ

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Publication number
JPH08324982A
JPH08324982A JP7139699A JP13969995A JPH08324982A JP H08324982 A JPH08324982 A JP H08324982A JP 7139699 A JP7139699 A JP 7139699A JP 13969995 A JP13969995 A JP 13969995A JP H08324982 A JPH08324982 A JP H08324982A
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JP
Japan
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rotary shaft
ball screw
housing
thrust load
ball
Prior art date
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JP7139699A
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English (en)
Inventor
Mikio Yamaguchi
幹雄 山口
Yoichi Nagano
陽市 長野
Masaaki Watanabe
公明 渡辺
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型且つ軽量に構成でき、しかも不用意に全
長が変化しない構造を得る。 【構成】 手動ハンドル11により自在継手7を介して
回転軸3を回転させ、ボールねじ部12と螺合したボー
ルナット13を介して出力軸16を変位させる。ハウジ
ング1の内周面と回転軸3の外周面との間に、ローラク
ラッチ27と間筒26と滑り軸受24とを設ける。回転
軸3と共に回転する間座22と上記間筒26の端面との
間に摩擦プレート31を設ける。上記間筒26に加わる
圧縮方向のスラスト荷重は、玉軸受4が支承する。スラ
スト荷重により回転軸3が回転する傾向の場合には、上
記ローラクラッチ27がロックする。手動ハンドル11
により回転軸を回転させ、上記スラスト荷重に抗して上
記出力軸16を変位させる際には、上記ローラクラッチ
27がロックしない。従って、間筒26は回転軸3と共
に回転し抵抗とはならない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るボールねじ式ジャ
ッキは、例えば自動車用のジャッキとして、或は介護用
ベッドや介護用リフタに組み込んで背もたれの角度を調
節したり、或は寝台部分を昇降させる為に利用する。
【0002】
【従来の技術】例えば介護用のベッド等にはボールねじ
式ジャッキを組み込んで、介護者が操作するハンドルに
より被介護者を寝かせたベッドの角度調節等を自在とし
ている。この様なボールねじ式ジャッキには、次の(1)
(2)の機能が要求される。 (1) 作業者がハンドルに加えた回転運動を軸方向運動に
変換する機能。 (2) 作業者がハンドルから手を離した状態で変位しない
様にする機能。 この(1)(2)の様な機能を満たすジャッキとして従来か
ら、例えば特開昭55−16959号公報に記載されて
いる様なパンタグラフ式のジャッキが、広く知られてい
る。この公報に記載されたジャッキは、ねじ杆の外周面
に形成した角ねじとナットとを螺合させ、上記ねじ杆の
回転に伴ってナットを軸方向に移動させるものである。
角ねじによる送りねじ機構を使用したジャッキの場合、
上記(1)(2)の機能は満たすが、ねじ杆とナットとの間の
摩擦力が大きく、必ずしも効率が良くない。
【0003】これに対して、次の〜には、摩擦力の
小さなボールねじ機構により、上記(1)(2)の機能は満た
し、ジャッキとしても使用可能なアクチュエータの構造
が記載されている。 井沢実著、工業調査会発行の「ボールねじとその応
用技術」 この刊行物の第134〜136頁には、ボールねじによ
り回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関す
る技術、並びに次の(a) 〜(c) の何れかにより、ボール
ねじの逆転防止を図る技術が記載されている。 (a) 駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを使用する。 (b) 駆動歯車軸にブレーキ装置を設ける。 (c) 一方向クラッチ又は両方向クラッチを使用する。
【0004】 トムソン−サギノー社が発行している
リニアアクチュエータのカタログ 特開昭63−47557号公報 特開昭50−31553号公報 これらの刊行物には、ボールねじその他の送りねじによ
り回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関す
る技術、並びにばねクラッチにより送りねじの逆転防止
を図る技術が記載されている。
【0005】 特開昭61−38892号公報 この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動
に変換するアクチュエータに関する技術、並びにソレノ
イドへの通電に基づいて断接される電動式のクラッチ及
びブレーキにより駆動軸の回転を規制する技術が記載さ
れている。
【0006】 実開昭62−63453号公報 この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動
に変換するアクチュエータに関する技術、並びにディス
ク状に形成された抵抗体及び一方向クラッチにより、外
部荷重に基づく復帰時の衝撃を緩和する技術が記載され
ている。
【0007】 実開昭62−63454号公報 この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動
に変換するアクチュエータに関する技術、並びにこのボ
ールねじに予圧を付与する事で、このボールねじに抵抗
を付加し、逆転時の速度を調節する技術が記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記〜に記載した
各技術は、それぞれ次に述べる様な解決すべき問題点が
ある。
【0009】に記載された従来技術の場合 先ず、(a) の様に駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを
使用する場合には、ウォームギヤのリード角を小さくし
ない限り、確実な逆転防止を図れない。一方、リード角
を小さくすると、噛合効率が悪くなって、十分な動作速
度を確保する為には高速で回転する大型の電動モータを
使用する必要が生じる。更に、(b) の様に駆動歯車軸に
ブレーキ装置を設けたり、或は(c) の様に一方向クラッ
チ又は両方向クラッチを使用する構造の場合には、単独
で十分な逆転防止を図ろうとすると、これらブレーキ装
置やクラッチとして大型のものを使用しなければなら
ず、装置全体が大型化する。
【0010】に記載された従来技術の場合 これらの場合には、送りねじ機構を介して出力軸を変位
させる際に、ばねクラッチが若干の抵抗となって効率を
低下させる。しかも、確実な逆転防止効果を得る為に
は、ばねクラッチとして相当に大型のものを使用しなけ
ればならない。
【0011】に記載された従来技術の場合 この場合には、高価な部品を使用する為にアクチュエー
タ自体が高価になる。しかも電動式のクラッチ及びブレ
ーキ、並びにこれらを制御する制御回路が必要になる
為、車載ジャッキ等、電源を使用しないジャッキとして
使用する事はできない。
【0012】に記載された従来技術の場合 この場合には、ディスク状に形成された抵抗体及び一方
向クラッチの設置スペースが嵩み、装置全体が大型化す
る。しかも、復帰時の衝撃緩和を目的としている為、確
実な逆転防止効果を得る事はできない。
【0013】に記載された従来技術の場合 この場合には、逆転時の速度を調節する事はできても、
十分な逆転防止を図る事は不可能である。本発明のボー
ルねじ式ジャッキは、この様な不都合を何れも解消すべ
く発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のボールねじ式ジ
ャッキは、ハウジングと、このハウジングの内側に回転
のみ自在に支持された回転軸と、この回転軸に回転力を
入力する為の入力部と、上記回転軸の一部に設けられた
ボールねじ部と、このボールねじ部の周囲に複数のボー
ルを介して螺合し、上記回転軸の軸方向に亙る変位のみ
を自在に支持されたボールナットとを備える。
【0015】特に、本発明のボールねじ式ジャッキに於
いては、上記回転軸の一部にこの回転軸と共に回転自在
に支持されて、この回転軸に加わるスラスト荷重を受け
る間座と、上記回転軸の周囲にこの回転軸に対する回転
を自在として支持された間筒と、この間筒の外周面と上
記ハウジングの内周面との間に設けられた一方向クラッ
チと、上記間筒の軸方向一端面と上記間座との間に設け
られた摩擦プレートと、上記間筒の軸方向他端面と上記
ハウジングとの間に設けられて、上記回転軸から間筒に
加わるスラスト荷重を支承する軸受とを備える。
【0016】
【作用】上述の様に構成される本発明のボールねじ式ジ
ャッキは、回転軸に対してスラスト荷重が加わる状態で
使用される。この様に組み付けられた状態で本発明のボ
ールねじ式ジャッキは、次の様に作用する事により、入
力部から回転軸に付与された回転力の方向に基づいて、
ボールナットを軸方向に変位させる。
【0017】先ず、上記入力部により回転軸を所定方向
に回転させ、上記ボールナットを上記スラスト荷重に抗
して変位させる際の作用に就いて説明する。この場合に
は、回転軸が所定方向に回転する事により、一方向クラ
ッチはロックする事なく、間筒はハウジングに対して回
転自在である。従ってこの状態では、間筒と摩擦プレー
トと間座とは回転軸と共に回転し、これら各部材の存在
がこの回転軸の回転に対して抵抗にならない。この結
果、上記駆動軸の正転に伴って上記回転軸が、所定方向
に円滑に回転する。そして、この回転軸のボールねじ部
に螺合したボールナットが、上記スラスト荷重に抗して
軸方向に変位する。この際、逆転防止機構の存在が出力
軸を変位させる事に対して抵抗とはならない。
【0018】次に、上記回転軸を停止させた状態では、
上記スラスト荷重に基づいてボールナットから複数のボ
ールを介してボールねじ部に加わる力により、上記回転
軸が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。
同時に上記間筒が、この回転軸と同方向に回転する傾向
となる。この結果、上記一方向クラッチがロックし、上
記間筒がハウジングに対して回転しなくなる。この状態
では、上記回転軸を回転させる為には、上記摩擦プレー
トの側面と相手面とを滑らせる必要がある。従って、こ
れら摩擦プレートの側面と相手面との間の摩擦係数を設
計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラ
スト荷重に基づいて上記回転軸が回転する事を防止でき
る。
【0019】更に、上記回転軸を上記所定方向とは反対
方向に回転させた状態では、上記回転軸に、上記スラス
ト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記入力部か
ら入力されるトルクが、上記反対方向に加わる。従って
上記回転軸は、上記摩擦プレートの側面と相手面との間
に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦
力が上記回転軸の回転に対する抵抗となるので、この回
転軸が急激に回転する事が防止される。
【0020】
【実施例】図1〜2は本発明の第一実施例を示してい
る。本実施例のボールねじ式ジャッキは、例えば手動ハ
ンドルを操作する事により背もたれの角度を調節する介
護ベッドの角度調節装置の様に、使用時に圧縮方向のス
ラスト荷重が加わる部分に組み付けられる。ハウジング
1は、例えばアルミニウム合金をダイキャスト成形する
事により造られる。このハウジング1の基端部(図1〜
2の左端部)の直径方向反対位置に設けられた1対のね
じ孔2、2には、それぞれ図示しないボルトの端部を螺
合させて、上記ハウジング1を上記介護ベッドのフレー
ム等に、揺動自在に支持する。
【0021】この様なハウジング1の内側には回転軸3
の基端部(図1の左端部)を、深溝型の玉軸受4によ
り、回転のみ自在に支持している。この玉軸受4は、上
記回転軸3に加わるラジアル荷重の他、上記圧縮方向の
スラスト荷重も支承する。この為、上記玉軸受4を構成
する外輪5の軸方向片端面(図1〜2の左端面)は、上
記ハウジング1の内周面に止着した止め輪6に突き当て
ている。従って、本実施例の場合にはこの玉軸受4が、
スラスト荷重を支承する軸受(転がり軸受)に相当す
る。
【0022】又、上記回転軸3の基端(図1〜2の右
端)で、上記玉軸受4から突出した部分には、自在継手
7を構成する一方(図1の右方)のヨーク8を、スプリ
ングピン9により結合固定している。そして、上記自在
継手7を構成する他方(図1の左方)のヨーク10に、
手動ハンドル11の端部を結合している。この手動ハン
ドル11は、ボールねじ式ジャッキを伸縮させる際に、
作業者が手で回転させる。
【0023】一方、上記回転軸3の基端部を除く部分に
は、断面が円弧形の螺旋溝を形成する事により、ボール
ねじ部12としている。そしてこのボールねじ部12の
周囲にボールナット13を、複数のボール14、14を
介して螺合させている。そしてこのボールナット13の
先端部(図1〜2の右端部)に形成した結合筒部15
に、円筒状の出力軸16の基端部を螺合固定している。
又、上記ボールナット13及び出力軸16の周囲はテー
パ円筒状のカバー17により覆っている。尚、上記出力
軸16及びボールナット13は、この出力軸16の先端
部を介護ベッドの背もたれ部分等の所定部分に結合する
事で、回転防止が図られる。従って、ボールねじ式ジャ
ッキの組み付け状態では、上記ボールナット13は上記
回転軸3の周囲に、この回転軸3の軸方向に亙る変位の
みを自在に支持される。尚、上記カバー17は合成樹
脂、或は金属により造られており、その基端部内周面に
形成された突条18を前記ハウジング1の外周面に形成
した凹溝19に係止し、更にバンド20により締め付け
る事で、上記ハウジング1に結合固定している。
【0024】又、前記回転軸3の一部で上記ボールねじ
部12の基端部分には、このボールねじ部12側が大径
となった段部21を形成している。そして、この段部2
1に、円輪形の間座22の内周縁部に形成した円筒部2
3の軸方向片面(図1〜2の右側面)を突き当ててい
る。従って、上記回転軸3に図1〜2の左方向に加わる
圧縮スラスト荷重は、上記間座22に伝達される。又、
この間座22の内周縁は上記回転軸3の外周面に、締ま
りばめにより嵌合しているか、或は非円形周面同士で嵌
合している。従って上記間座22は、上記回転軸3と共
に回転する。
【0025】又、上記回転軸3の一部で、前記ヨーク8
の設置部分と上記間座22との間部分には、滑り軸受2
4を外嵌している。前記玉軸受4を構成する内輪25
は、この滑り軸受24の端部に外嵌している。又、この
滑り軸受24の残り部分の周囲には、円筒状の間筒26
を、回転自在に支持している。そして、この間筒26の
外周面と前記ハウジング1の内周面との間に、一方向ク
ラッチの一種であるローラクラッチ27を設けている。
即ち、内周面をカム面とした外輪28を上記ハウジング
1に内嵌固定し、この外輪28がハウジング1に対して
回転しない様にしている。そして、この外輪28の内周
面と上記間筒26の外周面との間に、複数本のローラ2
9、29を設けている。周知の様にこれら各ローラ2
9、29は、回転しない保持器との間に設けられたばね
により、円周方向一方向に弾性的に押圧されている。従
って、上記間筒26が所定方向に回転する場合には上記
各ローラ29、29が上記カム面に食い込む事なく、こ
の間筒26の回転が許容される。これに対して、上記間
筒26が上記所定方向とは反対方向に回転すると、上記
各ローラ29、29が上記カム面に食い込み、上記間筒
26がハウジング1の内側で回転しなくなる。
【0026】更に、上記間筒26の軸方向一端部(図1
〜2の右端部)外周面には、外向フランジ状の鍔部30
を形成し、この鍔部30の片面(図1〜2の右側面)
を、上記間筒26の軸方向一端面としている。そして、
この鍔部30の片面と上記間座22との間に、摩擦プレ
ート31を挟持している。この摩擦プレート31は、少
なくとも両側面を摩擦係数の大きな材料により造られ
て、相手面である前記間座22の片面及び上記間筒26
の端面である上記鍔部30の片面と摩擦係合する。但
し、摩擦係合状態を一定にする為、間座22と間筒26
とが相対回転した状態では、何れか一方の摩擦係合面が
摺動(相対変位)し、他方の摩擦係合面が相対変位しな
い様にしている。従って、一方の対向面(例えば、間座
22の片面と摩擦プレート31の片面)は接着しても良
い。
【0027】上述の様に構成される本発明のボールねじ
式ジャッキは、前述の様に、前記ハウジング1の基端部
に形成したねじ孔2、2に螺合したボルトにより、この
ハウジング1を揺動自在に支持する。又、前記出力軸1
6の先端部(図1の右端部)に形成した変位側取付部3
2を変位軸に、それぞれ枢支する。この変位軸は上記ボ
ルトに近づく方向に変位する傾向となっているので、本
実施例のボールねじ式ジャッキは、上記出力軸16に圧
縮方向のスラスト荷重が加わる状態で使用される。この
様に組み付けられた状態で本発明のボールねじ式ジャッ
キは、次の様に作用する事により、前記手動ハンドル1
1の回転方向に基づいて上記出力軸16を軸方向に亙っ
て変位させる。
【0028】先ず、上記手動ハンドル11を所定方向に
回転させ、上記出力軸16を上記スラスト荷重に抗し変
位させる事で、ボールねじ式ジャッキを伸長させる際の
作用に就いて説明する。この場合には自在継手7を介し
て回転軸3が所定方向に回転し、ローラクラッチ27は
ロックする事なく、間筒26はハウジング1に対して回
転自在である。従ってこの状態では、間筒26と摩擦プ
レート31と間座22とは回転軸3と共に回転し、これ
ら各部材26、31、22の存在がこの回転軸3の回転
に対して抵抗とならない。又、ローラクラッチ27はニ
ードル軸受の如く作用して、上記間筒26の回転を許容
する。従って、一方向クラッチであるローラクラッチ2
7の存在も、回転軸3の回転に対して抵抗とならない。
【0029】この結果、上記手動ハンドル11の回転に
伴って上記回転軸3が、所定方向に円滑に回転する。そ
して、この回転軸3のボールねじ部12に螺合したボー
ルナット13が軸方向(図1〜2の右方)に変位し、上
記出力軸16を上記スラスト荷重に抗して変位させる。
この際、上述の様に、逆転防止機構を構成する上記間筒
26と摩擦プレート31と間座22とローラクラッチ2
7との存在が出力軸16を変位させる事に対して抵抗と
はならない。従って、上記手動ハンドル11の駆動力は
上記出力軸16を変位させる事に有効に使われる。この
結果、作業者が手動ハンドル11に加える力を徒に大き
くしなくても、十分にボールねじ式ジャッキを伸長させ
る事ができる。
【0030】次に、上記手動ハンドル11を停止させた
状態では、上記スラスト荷重に基づいて出力軸16から
ボールナット13、複数のボール14、14を介してボ
ールねじ部12に加わる力により、上記回転軸3が上記
所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上
記間筒26が、この回転軸3と同方向に回転する傾向と
なる。この結果、上記ローラクラッチ27がロックし、
上記間筒26がハウジング1に対して回転しなくなる。
この状態では、上記回転軸3を回転させる為には、上記
摩擦プレート31の側面と相手面である前記鍔部30の
片面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレ
ート31の側面と鍔部30の側面との間の摩擦係数を設
計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラ
スト荷重に基づいて上記回転軸3が回転する事を防止で
きる。
【0031】更に、上記手動ハンドル11を、上記所定
方向とは反対方向に回転させた状態で上記回転軸3に
は、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加え
て、上記手動ハンドル11から自在継手7を介して伝達
されるトルクが、上記反対方向に加わる。従って上記手
動ハンドル11は、上記摩擦プレート31の側面と間筒
26の端面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。
この際、この摩擦力が上記手動ハンドル11の回転に対
する抵抗となるので、この手動ハンドル11の回転が急
激に行なわれる事が防止される。従って、上記摩擦プレ
ート31の側面と間筒26の端面との間の摩擦係数を適
正値にすれば、ボールねじ式ジャッキの伸長だけでなく
収縮を円滑に行なわせる事ができる。
【0032】次に、上記摩擦プレート31の側面と鍔部
30の片面との間の摩擦係数の設定方法に就いて、図3
により説明する。尚、以下の説明で使用する符号の意味
は、それぞれ次の通りである。又、図3では、間筒26
を厚肉円筒状に形成しているが、この間筒26の作用自
体は、図1〜2に示したものと同様である。 F : 出力軸16に圧縮方向に加わるスラスト荷重 μ : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一
端面(鍔部30の片面)との間の摩擦係数 D : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一
端面(鍔部30の片面)との接触部の平均直径 L : ボールねじのリード T : ボールねじ式ジャッキを伸長させる為に、回転
軸3に加えるべき作動トルク T´: 圧縮方向のスラスト荷重に基づいて回転軸3に
加わるトルク Tb : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一
端面(鍔部30の片面)との間の摩擦に基づくブレーキ
トルク η : 手動ハンドル11の正転時に於けるボールねじ
の伝達効率 η´: 手動ハンドル11の逆転時に於けるボールねじ
の伝達効率
【0033】 T=(F・L)/(2・π・η) −−− (1) であり、 T´=(F・L・η´)/(2・π) −−− (2) であり、 Tb =(μ・F・D)/2 −−− (3) である。手動ハンドル11から手を離した状態でも、ボ
ールねじ式ジャッキの全長がスラスト荷重により縮まら
ない為には、 Tb >T´ −−− (4) である必要がある。又、作業者が手動ハンドル11に加
えるトルクを小さく抑える為には、ボールねじ式ジャッ
キの全長を収縮させる際に手動ハンドル11に加えるべ
きトルクを、伸長させる際に手動ハンドル11に加える
べきトルク以下にする事が好ましい。又、ボールねじ式
ジャッキの収縮時に手動ハンドル11に加えるべきトル
クは、(Tb −T´)に比例する。従って、 T≧(Tb −T´) −−− (5) である事が好ましい。(4)(5)式をまとめると、 T+T´≧Tb >T´ −−− (6) となる。更にこの(6)式に前記(1)〜(3)式を代
入すると、 (L/π・D)・{η´+(1/η)}≧μ>(L・η´)/(π・D) −−− (7) 例えば、介護用ベッドに組み込まれるボールねじ式ジャ
ッキの場合には、L≒5mm、D≒20mm、η≒η´≒
0.9程度のものが造られる。この条件を上記(7)式
に代入すると、 0.16≧μ>0.07 −−− (8) とする事により、手動ハンドル11に加えるべきトルク
を小さくして、しかもこの手動ハンドル11から手を離
した状態での収縮する事のないボールねじ式ジャッキを
構成できる事が分る。
【0034】次に、図4は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合も、上述した第一実施例の場合と
同様に、圧縮方向のスラスト荷重が加わる部分に使用さ
れる。本実施例の場合には、上記スラスト荷重を支承す
る軸受として、スラストニードル軸受33を使用してい
る。そして、一方向クラッチであるローラクラッチ27
の外輪28を延長し、この延長部分の内面を円筒面と
し、この部分に、ラジアルニードル軸受34、34を組
み込んでいる。上記スラストニードル軸受33は、間筒
26の端部外周面に形成した鍔部30の他面(図4の左
側面)と、ハウジング1の内面に形成した段部35との
間に設けている。その他の構成及び作用は、第一〜第二
実施例とほぼ同様である。
【0035】次に、図5〜6は本発明の第三実施例を示
している。本実施例の場合には、ハウジング1の側面に
設けた手動ハンドル11aにより、回転軸3を回転駆動
自在としている。この為に本実施例の場合には、上記ハ
ウジング1の基端部に駆動軸36を、上記回転軸3と直
交する方向に、回転自在に支持している。上記手動ハン
ドル11aの基端部は、この駆動軸36の外端部で、上
記ハウジング1の外側面から突出した部分に結合固定し
ている。そして、この駆動軸36の内端部に固定した駆
動側傘歯車37と、上記回転軸3の端部に固定した従動
側傘歯車38とを、互いに噛合させている。手動ハンド
ル11aの設置位置を変えた以外の構成及び作用は、前
述した第一実施例と同様である。
【0036】次に、図7〜9は本発明の第四実施例を示
している。本実施例は、本発明の構造を、車載用のパン
タグラフ式ジャッキに適用したものである。基台39の
上面には左右1対の下側アーム40a、40bの下端部
を枢支し、これら各下側アーム40a、40bの上端部
に、上側アーム41a、41bの下端部を枢支してい
る。そして、これら両上側アーム41a、41bの上端
部を、荷重受片42に枢支している。本発明のボールね
じ式ジャッキは、この様なパンタグラフ式ジャッキに、
一方(図7の右側)の下側、上側両アーム40a、41
a同士の枢支部と、他方(図7の左側)の下側、上側両
アーム40b、41b同士の枢支部との間に掛け渡した
状態で設けている。従って本実施例の場合には、上記パ
ンタグラフ式ジャッキの使用時に回転軸3aには、引っ
張り方向の荷重が加わる。
【0037】この為に本実施例の場合には、図8に示す
様に、上記一方の下側、上側両アーム40a、41a同
士の枢支部にハウジング1を、これら両アーム40a、
41aに対する揺動自在に支持している。そして、この
ハウジング1の先端部(図8の左端部)内周面に形成し
た内向フランジ状の鍔部43と間筒26の先端面(図8
の左端面)との間に、スラスト玉軸受44を設けてい
る。そして、上記間筒26の基端面(図8の右端面)に
形成した鍔部30の片面(図8の右側面)と回転軸3に
外嵌固定した間座22との間に、摩擦プレート31を挟
持している。回転軸3に対して引っ張り方向に加わるス
ラスト荷重は、この回転軸3aの基端部に螺着したブラ
ケット45を介して、上記間座22に加えられる。
【0038】一方、上記他方の下側、上側両アーム40
b、41b同士の枢支部には、図9に示す様にボールナ
ット13を、これら両アーム41b、41bに対する揺
動自在に支持している。そして、このボールナット13
に、回転軸3aのボールねじ部12を、ボール14、1
4を介して螺合させている。本実施例の場合には、上記
回転軸3aを分割構造とし、上記ハウジング1の内側に
存在する本体部分46と上記ボールねじ部12とを、ス
リーブ47を介して連結固定している。
【0039】本実施例の場合には、上記ブラケット45
に形成した係止孔48に手動ハンドルの先端部を係合さ
せて上記回転軸3aを回転させる事により、上記荷重受
片42を昇降させる事ができる。即ち、回転軸3aの回
転に伴って上記ボールナット13を軸方向に変位させ、
このボールナット13とハウジング1との距離を小さく
すれば、上記荷重受片42が上昇する。これに対して、
上記ボールナット13とハウジング1との距離を大きく
すれば、上記荷重受片42が下降する。この荷重受片4
2の上面に加わる荷重は、回転軸3aに、引っ張り方向
のスラスト荷重として加わる。本実施例の場合には、こ
の様に回転軸3aに加わるスラスト荷重が圧縮方向から
引っ張り方向に変わった事に伴い、ローラクラッチ27
がロックする方向を変えている(回転軸3が引っ張り方
向のスラスト荷重により回転する傾向となった場合にロ
ックする様にした)。それ以外の構成及び作用は、前述
した第一実施例とほぼ同様である。
【0040】次に、図10は本発明の第五実施例を示し
ている。本実施例は、圧縮、引っ張り、両方向のスラス
ト荷重が加わる可能性がある部分に使用される。この為
に本実施例の場合には、間座22a、22bと間筒26
a、26bとローラクラッチ27a、27bと摩擦プレ
ート31a、31bとを、それぞれ2組ずつ設けてい
る。両ローラクラッチ27a、27bをロックさせる為
の回転方向は互いに逆である。即ち、一方のローラクラ
ッチ27a(27b)がロックする状態では他方のロー
ラクラッチ27b(27a)は回転自在となる。玉軸受
4は、ラジアル荷重の他、両方向のスラスト荷重を支承
する。
【0041】この様に構成される本実施例の場合、圧縮
方向のスラスト荷重が加わる場合には、一方(例えば図
10の右方)の間座22aと間筒26aとローラクラッ
チ27aと摩擦プレート31aとが前述した第一実施例
と同様に作用する。これに対して引っ張り方向にスラス
ト荷重が加わる場合には、他方(例えば図10の左方)
の間座22bと間筒26bとローラクラッチ27bと摩
擦プレート31bとが上述した第四実施例と同様に作用
する。尚、本実施例の場合、回転軸3を回転させる場合
に、必ず何れかのローラクラッチ27a(27b)がロ
ックする。但し、スラスト荷重を受けない間筒26a
(26b)に対応するローラクラッチ27a(27b)
がロックしても、当該間筒26a(26b)は回転軸3
に対して軽い力で回転する。従って、回転軸3を回転さ
せる際に要する駆動トルクは、殆ど大きくはならない。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上に述べた通り構成され作用
するので、小型且つ軽量で、しかも回転軸を回転させる
為に要する力が小さくて済むボールねじ式ジャッキを安
価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】摩擦係数の設定方法を説明する為の部分断面
図。
【図4】本発明の第二実施例を示す要部断面図。
【図5】同第三実施例を示す断面図。
【図6】図5のB部拡大図。
【図7】本発明の第四実施例を示す正面図。
【図8】図7の拡大C−C断面図。
【図9】同D−D断面図。
【図10】本発明の第五実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ねじ孔 3、3a 回転軸 4 玉軸受 5 外輪 6 止め輪 7 自在継手 8 ヨーク 9 スプリングピン 10 ヨーク 11、11a 手動ハンドル 12 ボールねじ部 13 ボールナット 14 ボール 15 結合筒部 16 出力軸 17 カバー 18 突条 19 凹溝 20 バンド 21 段部 22、22a、22b 間座 23 円筒部 24 滑り軸受 25 内輪 26、26a、26b 間筒 27、27a、27b ローラクラッチ 28 外輪 29 ローラ 30 鍔部 31、31a、31b 摩擦プレート 32 変位側取付部 33 スラストニードル軸受 34 ラジアルニードル軸受 35 段部 36 駆動軸 37 駆動側傘歯車 38 従動側傘歯車 39 基台 40a、40b 下側アーム 41a、41b 上側アーム 42 荷重受片 43 鍔部 44 スラスト玉軸受 45 ブラケット 46 本体部分 47 スリーブ 48 係止孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、このハウジングの内側に
    回転のみ自在に支持された回転軸と、この回転軸に回転
    力を入力する為の入力部と、上記回転軸の一部に設けら
    れたボールねじ部と、このボールねじ部の周囲に複数の
    ボールを介して螺合し、上記回転軸の軸方向に亙る変位
    のみを自在に支持されたボールナットとを備えたボール
    ねじ式ジャッキに於いて、上記回転軸の一部にこの回転
    軸と共に回転自在に支持されて、この回転軸に加わるス
    ラスト荷重を受ける間座と、上記回転軸の周囲にこの回
    転軸に対する回転を自在として支持された間筒と、この
    間筒の外周面と上記ハウジングの内周面との間に設けら
    れた一方向クラッチと、上記間筒の軸方向一端面と上記
    間座との間に設けられた摩擦プレートと、上記間筒の軸
    方向他端面と上記ハウジングとの間に設けられて、上記
    回転軸から間筒に加わるスラスト荷重を支承する軸受と
    を備えた事を特徴とするボールねじ式ジャッキ。
JP7139699A 1995-06-06 1995-06-06 ボールねじ式ジャッキ Pending JPH08324982A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013122158A1 (ja) * 2012-02-17 2013-08-22 Ntn株式会社 電動リニアアクチュエータ
CN106194882A (zh) * 2016-07-08 2016-12-07 彭东林 一种数字液压缸

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