JP3959872B2 - 電動式リニアアクチュエータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る電動式リニアアクチュエータは、例えば介護用ベッド、昇降テーブル、CTスキャナ、トラックのキャビンチルト装置、リフター等、各種機械装置に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】
例えば介護用の電動ベッド等には電動式リニアアクチュエータを組み込んで、電動モータを駆動源として被介護者を寝かせたベッドの角度調節等を自在としている。この様な電動式リニアアクチュエータには、次の(1)(2)の機能が要求される。
(1) 電動モータの回転運動を出力軸部材の軸方向運動(直線運動)に変換する機能。
(2) 電動モータの停止時に、スラスト方向に加わる荷重に拘らず出力軸部材が変位しない様にする機能。
これら(1)(2)の様な機能を満たすべく、従来から次の(A) (I) に記載された様な電動式リニアアクチュエータが知られている。
【0003】
(A) 井沢実著、工業調査会発行の「ボールねじとその応用技術」
この刊行物の第134〜136頁には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びに次の(a) 〜(d) の何れかにより、ボールねじの逆転防止を図る技術が記載されている。
(a) 駆動モータにブレーキ作用を持たせる。
(b) 駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを使用する。
(c) 駆動歯車軸にブレーキ装置を設ける。
(d) 一方向クラッチ又は両方向クラッチを使用する。
【0004】
(B) トムソン−サギノー社が発行しているリニアアクチュエータのカタログ
(C) 特開昭63−47557号公報
(D) 特開昭50−31553号公報
(E) 特開平8−338495号公報
これらの刊行物には、ボールねじその他の送りねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにばねクラッチにより送りねじの逆転防止を図る技術が記載されている。
【0005】
(F) 特開昭61−38892号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにソレノイドへの通電に基づいて断接される電動式のクラッチ及びブレーキにより駆動軸の回転を規制する技術が記載されている。
【0006】
(G) 実開昭62−63453号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにディスク状に形成された抵抗体及び一方向クラッチにより、外部荷重に基づく復帰時の衝撃を緩和する技術が記載されている。
【0007】
(H) 実開昭62−63454号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにこのボールねじに予圧を付与する事で、このボールねじに抵抗を付加し、逆転時の速度を調節する技術が記載されている。
【0008】
(I) 特開平8−322189号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにローラ式の一方向クラッチを用いて、上記(A) (H) に記載した技術が有する不都合を解消する技術が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記(A) (I) に記載した各技術は、それぞれ次に述べる様な解決すべき問題点がある。
【0010】
(A) に記載された従来技術の場合
先ず、(a) の様に、駆動モータにブレーキ作用を持たせる場合には、駆動モータのコスト及び重量が嵩む。又、(b) の様に駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを使用する場合には、ウォームギヤのリード角を小さくしない限り、確実な逆転防止を図れない。一方、リード角を小さくすると、噛合効率が悪くなって、十分な動作速度を確保する為には高速で回転する大型の電動モータを使用する必要が生じる。更に、(c) の様に駆動歯車軸にブレーキ装置を設けたり、或は(d) の様に一方向クラッチ又は両方向クラッチを使用する構造の場合には、単独で十分な逆転防止を図ろうとすると、これらブレーキ装置やクラッチとして大型のものを使用しなければならず、装置全体が大型化する。
【0011】
(B) (E) に記載された従来技術の場合
これらの場合には、ばねクラッチが、ばねと相手面との間に働く摩擦力により送りねじの逆転を防止している為、電動モータにより送りねじ機構を介して出力軸部材を変位させる際に、ばねクラッチが若干の抵抗となって効率を低下させるだけでなく、確実な逆転防止効果を得る為には、ばねクラッチとして相当に大型のものを使用しなければならない。
【0012】
(F) に記載された従来技術の場合
この場合には、高価な部品を使用する為にリニアアクチュエータ自体が高価になるだけでなく、電動モータと連動させて電動式のクラッチ及びブレーキを制御する制御回路が必要になる等、装置全体が高価になる事が避けられない。
【0013】
(G) に記載された従来技術の場合
この場合には、ディスク状に形成された抵抗体及び一方向クラッチの設置スペースが嵩み、装置全体が大型化する。しかも、復帰時の衝撃緩和を目的としている為、確実な逆転防止効果を得る事はできない。
【0014】
(H) に記載された従来技術の場合
この場合には、逆転時の速度を調節する事はできても、十分な逆転防止を図る事は不可能である。
【0015】
(I) に記載された従来技術の場合
この場合には、上記(A) (H) に記載した技術の有する不都合を解消する事ができるが、上記(A) (C)(E) (H) に記載された技術と同様に、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換する構造である為、コスト及び重量が嵩む。この様に電動式リニアアクチュエータのコスト及び重量が嵩むのは、この電動式リニアアクチュエータを組み込んだ電動ベッド等を広く一般に普及させる事に対する妨げとなり、好ましくない。
本発明の電動式リニアアクチュエータは、この様な不都合を何れも解消すべく、十分な効率を確保し、しかも出力軸部材が不用意に変位するのを確実に防止すると共に、コスト低減と軽量化とを図るべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の電動式リニアアクチュエータは、ハウジングと、このハウジングの内側に第一の転がり軸受を介して回転のみ自在に支持された合成樹脂製のナット部材と、このナット部材に設けられた多条の雌ねじ部と、上記ハウジングに固定された正転逆転自在な電動モータと、上記ナット部材の内側に、軸方向に亙る変位のみ自在に挿通された出力軸部材と、この出力軸部材の途中に設けられ、上記多条の雌ねじ部と直接螺合する多条の雄ねじ部と、上記電動モータの駆動軸と上記ナット部材との間に設けられて、この駆動軸のトルクを増大して上記ナット部材に伝達する減速機と、上記出力軸部材の周囲で上記ナット部材から軸方向にずれた位置に、この出力軸部材に対する回転を自在として支持された間筒と、この間筒と上記ハウジングとの間に設けられ、この間筒に加わるスラスト荷重を支承しつつこの間筒の回転を許容する第二の転がり軸受と、少なくとも上記間筒の一部と上記ナット部材の一部との間で軸方向に亙り挟持されたスラストプレートと、上記間筒の外周面と上記ハウジングの内周面との間に設けられて、上記スラスト荷重に基づいて上記間筒が回転しようとする際にロックする一方向クラッチとを備える。
【0018】
【作用】
上述の様に構成する本発明の電動式リニアアクチュエータは、出力軸部材に対してスラスト荷重が加わる状態で使用される。この様に組み付けられた状態で本発明の電動式リニアアクチュエータは、次の様に作用する事により、電動モータの駆動軸の回転方向に基づいて出力軸部材を軸方向に亙って変位させる。
【0019】
先ず、上記電動モータの駆動軸を正転させ、上記出力軸部材を上記スラスト荷重に抗して変位させる際の作用に就いて説明する。この場合には、減速機を介してナット部材が所定方向に回転し、一方向クラッチはロックする事なく、間筒はハウジングに対して回転自在である。従ってこの状態では、間筒とスラストプレートとはナット部材と共に回転し、これら各部材の存在がこのナット部材の回転に対して抵抗となる事はない。この結果、上記駆動軸の正転に伴って上記ナット部材が、所定方向に円滑に回転する。そして、このナット部材に対して、多条のねじ部同士の螺合により、出力軸部材を上記スラスト荷重に抗して変位させる。この際、逆転防止機構の存在が出力軸部材を変位させる事に対して抵抗とはならない。
【0020】
次に、上記駆動軸を停止させた状態では、上記スラスト荷重に基づいて出力軸部材から加わる力により、上記ナット部材が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上記間筒が、このナット部材と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記一方向クラッチがロックし、上記間筒が上記ハウジングに対して回転しなくなる。この状態で 記ナット部材を回転させる為には、上記スラストプレートの側面と相手面とを滑らせる必要がある。従って、これらスラストプレートの側面と相手面との間の摩擦係数を、設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記回転軸又はナット部材が回転する事を確実に防止できる。
【0021】
次に、上記駆動軸を逆転させ、減速機を介して上記ナット部材を上記所定方向と反対方向に回転(逆転)させた状態では、このナット部材に、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記減速機を介して加えられるトルクが、上記反対方向に加わる。従って上記ナット部材は、上記スラストプレートの側面と相手面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記ナット部材の回転に対する抵抗となるので、この駆動軸の回転が急激に行なわれる事が防止される。
【0022】
上述した様に本発明の電動式リニアアクチュエータの場合は、ボールねじでなく、多条のねじ部同士の螺合により、電動モータの回転運動を出力軸部材の直線運動に変換する。しかも、鋼等の金属等により造る、出力軸部材の雄ねじ部と螺合する、ナット部材を、合成樹脂製としている為、ねじ部での動摩擦係数を小さくできる。従って、本発明の場合は、電動モータの正転時及び逆転時の効率を十分に確保する事ができる。更に、本発明の場合には、送りねじ機構をボールねじにより構成していない為、複数のボールを設けずに済む分、コスト低減と軽量化とを図れる。更に、ナット部材が上記スラスト荷重に基づいて回転するのを防止する為に、一方向クラッチを用いている為、上記ナット部材を上記所定方向と同方向に回転させる際の効率を低下させる事なく、しかも、上記スラスト荷重に基づいて、出力軸部材が不用意に変位するのを確実に防止できる。
【0023】
【本発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の電動式リニアアクチュエータは、その使用時に圧縮方向のスラスト荷重が加わる部分に組み付けられる。ハウジング1は、例えばアルミニウム合金をダイキャスト成形する事により造られる。このハウジング1の内側には、鋼等の金属製の回転軸2の基端部(図1〜2の左端部)を、それぞれが深溝型である1対の玉軸受3a、3bにより、回転のみ自在に支持している。これら1対の玉軸受3a、3bのうち、図1〜2の左側の玉軸受3aはラジアル荷重のみを支承する。これに対して、同図右側の玉軸受3bは、ラジアル荷重の他、上記圧縮方向のスラスト荷重も支承する。この為、上記右側の玉軸受3bを構成する外輪4の軸方向片端面(図1〜2の左端面)は、上記ハウジング1の内周面に止着した止め輪5に突き当てている。
【0024】
又、上記ハウジング1の外側面(図1〜2の奥面、図3の左面)に形成した取付フランジ6には、正転逆転自在な電動モータ7を固定している。そして、この電動モータ7の駆動軸8を、上記ハウジング1内に挿入している。この駆動軸8と上記回転軸2との間には減速機9を設けて、この駆動軸8のトルクを増大して上記回転軸2に伝達自在としている。図示の例の場合には、この減速機9として、ウォーム減速機を使用している。この為に上記回転軸2の一端部(図1〜2の左端部)にはウォームホイール10を外嵌固定している。図示の参考例では、これら回転軸2の外周面の一部とウォームホイール10の内周面の一部とに、それぞれキー溝11、12を形成し、これらキー溝11、12にキー13を係合させる事により、上記回転軸2に対するウォームホイール10の回転防止を図っている。
【0025】
又、上記ハウジング1内にウォーム14を、1対の玉軸受15a、15bにより、上記回転軸2に対して捩れの位置での回転のみ自在に支持し、このウォーム14と上記ウォームホイール10とを噛合させている。又、深溝型である一方の玉軸受15aを構成する外輪16の端面に板ばね17の外周縁部を突き当てて、上記ウォーム14と上記1対の玉軸受15a、15bとに予圧を付与している。従って、この噛合部にはがたつきがない。又、上記板ばね17の中央部には、上記ハウジング1の壁部に形成したねじ孔に螺合したスタッド18の端面を突き当てて、上記予圧を調節自在としている。19はロックナットである。上記ウォーム14の基端面(図3の左端面)には直径方向に亙る切り欠き20を、上記駆動軸8の先端面には直径方向に亙る突片21を、それぞれ形成している。そして、これら切り欠き20と突片21とを係合させる事により、上記駆動軸8の回転をウォーム14に伝達自在としている。
【0026】
一方、前記回転軸2の基端部を除く部分の外周面には、2条、又は3条等の多条の雄ねじ部22を形成している。例えば、この雄ねじ部22を2条(3条)とした場合には、雄ねじ部22のリードがこの雄ねじ部22のピッチの2倍(3倍)の長さとなる。そしてこの様に多条とした雄ねじ部22の周囲に、内周面のほぼ全長に亙り多条の雌ねじ部24を形成した、合成樹脂製のナット部材23を螺合させている。そして、このナット部材23の先半部(図1〜2の右半部)に形成した結合筒部25に、出力軸部材である、円筒状の出力軸26の基端部を螺合固定している。更に、図示の参考例の場合には、この出力軸26の基端縁部を、上記ナット部材23の外周面中間部に全周に亙り形成した凹部27に向けかしめ付ける事により、上記出力軸26の上記ナット部材23に対する緩み止めを図っている。又、上記ナット部材23及び出力軸26の周囲は、テーパ円筒状のカバー28により覆っている。この際、上記ナット部材23の基半部(図1〜2の左半部)外周面とカバー28の内周面との間には微小隙間を存在させ、上記ナット部材23が上記カバー28に対して変位する際に大きな抵抗が加わるのを防止している。尚、上記出力軸26及びナット部材23は、この出力軸26の先端部を所定部分に結合する事で、回転防止が図られる。従って、電動式リニアアクチュエータの組み付け時の状態では、上記ナット部材23は上記回転軸2の周囲に、この回転軸2の軸方向に亙る変位のみを自在に支持される。
【0027】
又、上記カバー28の開口端部(図1〜2の右端部)内周面と出力軸26の外周面との間には、欠円筒状で円周方向に亙り弾性変形自在な、円筒状のブッシュ44を配置している。即ち、電動式リニアアクチュエータの組み立て時で、上記出力軸26を上記カバー28内に挿通させる以前に、上記ブッシュ44を弾性変形させつつ上記カバー28の開口端部内に挿入し、上記ブッシュ44の外周面一部に形成した突部と上記カバー28の開口端部内周面一部に形成した溝部とを係合させている。そして、上記出力軸26を上記カバー28及びブッシュ44の内側に挿通して、このブッシュ44を上記カバー28の開口端部内周面と出力軸26の外周面との間に配置する事により、上記ブッシュ44が上記カバー28の開口端部内側の所定位置から抜け出す事を防止している。
【0028】
又、上記カバー28の基端部と先端部とにはそれぞれリミットスイッチ29a、29bを設け、上記ナット部材23の位置に応じて、何れかのリミットスイッチ29a、29bがON、OFFする様にしている。即ち、基端部に設けたリミットスイッチ29aは、上記ナット部材23が雄ねじ部22の基端部に移動し、電動式リニアアクチュエータが縮み切った状態でON、OFFする。これに対して先端部に設けたリミットスイッチ29bは、上記ナット部材23が雄ねじ部22の先端部に移動し、電動式リニアアクチュエータが伸び切った状態でON、OFFする。前記電動モータ7への通電は、これら各リミットスイッチ29a、29bの検出信号に基づいて制御される。即ち、電動式リニアアクチュエータが縮み切った状態から更に縮ませる方向に通電したり、或は伸び切った状態から更に伸ばす方向に通電する事を防止する。尚、上記カバー28は合成樹脂、或は金属により造っており、その基端部に形成した小径筒部30に前記ハウジング1の先端部に形成した大径筒部31を、圧入による締り嵌めにより外嵌固定している。
【0029】
又、前記回転軸2の一部で上記雄ねじ部22の基端部分には、この雄ねじ部22側が大径となった段部32を形成している。そして、この段部32に、厚肉で円輪形の間座33の片面(図1〜2の右側面)内周寄り部分を突き当てている。従って、上記回転軸2に図1〜2の左方向に加わる圧縮スラスト荷重は、上記間座33に伝達される。又、この間座33の内周縁は上記回転軸2の外周面に、締まりばめにより嵌合しているか、或は非円形周面同士で嵌合している。従って上記間座33は、上記回転軸2と共に回転する。
【0030】
又、上記回転軸2の一部で、前記ウォームホイール10の設置部分と上記雄ねじ部22の基端部との間部分には、厚肉円筒状の間筒34を、滑り軸受35を介して回転自在に支持している。そして、この間筒34の外周面と前記ハウジング1の内周面との間に、一方向クラッチである、ローラクラッチ36を設けている。即ち、内周面をカム面とした外輪37を上記ハウジング1に内嵌固定し、この外輪37がハウジング1に対し回転しない様にしている。そして、この外輪37の内周面と上記間筒34の外周面との間に、複数本のローラ38、38を設けている。周知の様にこれら各ローラ38、38は、図示を省略した、上記外輪37に対し回転しない保持器との間に設けられたばねにより、円周方向一方向に弾性的に押圧されている。従って、上記間筒34が所定方向に回転する場合には、上記各ローラ38、38が上記カム面に食い込む事なく、この間筒34の回転が許容される。これに対して、上記間筒34が逆方向に回転すると、上記各ローラ38、38が上記カム面に食い込み、上記間筒34がハウジング1の内側で回転しなくなる。
【0031】
更に、上記間筒34の軸方向一端面(図1〜2の右端面)と上記間座33との間には、スラストプレート39を挟持している。このスラストプレート39は、少なくとも両側面を摩擦係数が或る程度大きな材料により造っており、相手面である前記間座33の片面及び上記間筒34の端面と摩擦係合する。但し、摩擦係合状態を一定にする為、間座33と間筒34とが相対回転した状態では、何れか一方の摩擦係合面が摺動(相対変位)し、他方の摩擦係合面が相対変位する事のない様にしている。従って、間座33の片面とスラストプレート39の片面、或はスラストプレート39の他面と間筒34の端面とは接着しても良い。
【0032】
尚、図示の参考例の場合には、前記回転軸2の基端部に螺着したナット40と前記玉軸受3aの内輪との間に平座金41を設け、前記ウォームホイール10が上記回転軸2から抜け出る事を防止している。但し、この平座金41に代えて、皿ばねを設け、この皿ばねにより上記ウォームホイール10を、回転軸2の中央部に向け弾性的に押圧しても良い。この場合には、前記減速機9の構成各部材同士の隙間を調整したり、摩耗に基づく隙間を補正する事で、減速機9の作動音を低減する事ができる。
【0033】
上述の様に構成する本発明に関する参考例の電動式リニアアクチュエータは、例えば前記ハウジング1の基端部(図1〜2の左端部)に形成した固定側取付部42を固定部材に、前記出力軸26の先端部(図1〜2の右端部)を、この先端部に設けた取付孔43を介して変位部材に、それぞれ支持する。この変位部材は上記固定部材に近づく方向に変位する傾向となっているので、本参考例の電動式リニアアクチュエータは、上記出力軸26に圧縮方向のスラスト荷重が加わる状態で使用される。
【0034】
尚、図示の参考例では、上記固定側取付部42の端面を平坦面としている。従って、この平坦面を上記固定部材の平坦面に突き当てた状態で、この固定側取付部42を上記固定部材に結合固定すれば、上記出力軸26に、例えば図1に矢印で示す方向、即ち、出力軸26の軸方向に対して角度θをなす方向に、力F0 が作用する事により、この出力軸26に曲げ方向の力F0sinθが作用した場合でも、この曲げ方向の力F0sinθを受ける事ができる。この際、この曲げ方向の力F0sinθが、前記回転軸2に設けた雄ねじ部22に作用する傾向となるが、上記出力軸26の中間部が前記ブッシュ44に当接すると共に、上記出力軸26の基端部に結合したナット部材23の一部が前記カバー28の一部に当接する為、上記曲げ方向の力F0sinθは上記雄ねじ部22に作用しない。従って、上記出力軸26に対して曲げ方向の力が作用した場合でも、小径である回転軸2にこの力が作用する事を防止すると共に、上記雄ねじ部22及び上記ナット部材23に設けた雌ねじ部24が破損する事を防止できる。
【0035】
上述の様に組み付けられた状態で本発明に関する参考例の電動式リニアアクチュエータは、次の様に作用する事により、電動モータ7の駆動軸8の回転方向に基づいて上記出力軸26を軸方向に亙って変位させる。
【0036】
先ず、上記電動モータ7の駆動軸8を正転させ、上記出力軸26を上記スラスト荷重に抗し変位させる事で、電動式アクチュエータを伸長させる際の作用に就いて説明する。この場合には、減速機9を介して回転軸2が所定方向に回転し、ローラクラッチ36はロックする事なく、間筒34はハウジング1に対して回転自在である。従ってこの状態では、間筒34とスラストプレート39と間座33とは回転軸2と共に回転し、これら各部材34、39、33の存在がこの回転軸2の回転に対して抵抗となる事はない。又、ローラクラッチ36はころ軸受の如く作用して、上記間筒34の回転を許容する。従って、一方向クラッチであるローラクラッチ36の存在が、回転軸2の回転に対して抵抗となる事もない。
【0037】
この結果、上記駆動軸8の正転に伴って上記回転軸2が、所定方向に円滑に回転する。そして、この回転軸2に設けた多条の雄ねじ部22に螺合した、ナット部材23が軸方向(図1〜2の右方)に変位し、上記出力軸26を上記スラスト荷重に抗して変位させる。この際、上述した様に、逆転防止機構を構成する上記間筒34とスラストプレート39と間座33とローラクラッチ36との存在が出力軸26を変位させる事に対して抵抗とはならない。従って、上記電動モータ7の駆動力は上記出力軸26を変位させる事に有効に使われる。この結果、電動モータ7として特に大型のものを使用したり、或は減速機9の減速比(トルクの増大比)を大きくしなくても、十分に電動式リニアアクチュエータを伸長させる事ができる。又、次述する様に、減速機9は必ずしも逆転不能な構造である必要はない。従って、本参考例の様にウォーム減速機を使用する場合でも、ウォームギヤのリード角を大きくする事で噛合効率を向上させ、小型の電動モータ7で十分な動作速度を確保する事ができる。
【0038】
次に、上記駆動軸8を停止させた状態では、上記スラスト荷重に基づいて出力軸26からナット部材23を介して雄ねじ部22に加わる力により、上記回転軸2が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上記間筒34が、この回転軸2と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記ローラクラッチ36がロックし、上記間筒34がハウジング1に対して回転しなくなる。この状態で上記回転軸2を回転させる為には、上記スラストプレート39の側面と相手面である上記間筒34の端面(或は上記間座33の片面)とを滑らせる必要がある。従って、これらスラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記回転軸2が回転する事を確実に防止できる。
【0039】
次に、上記駆動軸8を逆転させた状態では、上記回転軸2には、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記駆動軸8から減速機9を介して伝達されるトルクが、上記反対方向に加わる。従って上記駆動軸8は、上記スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記駆動軸8の回転に対する抵抗となるので、この駆動軸8の回転が急激に行なわれる事が防止される。従って、上記スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数、並びに電動モータ7の駆動トルクを適正値にすれば、小型の電動モータ7で電動式リニアアクチュエータの伸長だけでなく収縮を円滑に行なわせる事ができる。
【0040】
次に、上記スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数の設定方法に就いて説明する。尚、以下の説明で使用する符号の意味は、それぞれ次の通りである。又、減速機9が逆転防止に寄与する程度は無視する事と(減速機9に逆転防止機能は全くないと仮定)した。
F : 出力軸26に圧縮方向に加わるスラスト荷重
μ : スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数
D : スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との接触部の平均直径
L : ねじ部のリード
T : 電動式リニアアクチュエータを伸長させる為に、回転軸2に加えるべき作動トルク
T´: 圧縮方向のスラスト荷重に基づいて回転軸2に加わるトルク
b : スラストプレート39の側面と間筒34の端面との間の摩擦に基づくブレーキトルク
η : 駆動軸8の正転時に於けるねじ部の伝達効率
η´: 駆動軸8の逆転時に於けるねじ部の伝達効率
【0041】
T=(F・L)/(2・π・η) −−− (1)
であり、
T´=(F・L・η´)/(2・π) −−− (2)
であり、
b =(μ・F・D)/2 −−− (3)
である。
電動モータ7への通電停止時にも電動式リニアアクチュエータの全長がスラスト荷重により縮まらない為には、
b >T´ −−− (4)
である必要がある。又、電動モータ7として、駆動トルクができるだけ小さいものを使用可能にする為には、電動式リニアアクチュエータの全長を収縮させる際に駆動軸8に要求する駆動トルクを、伸長させる際に駆動軸8に要求する駆動トルク以下にする事が好ましい。又、電動式リニアアクチュエータの収縮時に駆動軸8に要求される駆動トルクは、(Tb −T´)に比例する。従って、
T≧(Tb −T´) −−− (5)
である事が好ましい。(4)(5)式をまとめると、
T+T´≧Tb >T´ −−− (6)
となる。更にこの(6)式に前記(1)〜(3)式を代入すると、
(L/π・D)・{η´+(1/η)}≧μ>(L・η´)/(π・D) −−− (7)
【0042】
ここで、本発明に関する参考例の電動式リニアアクチュエータの場合には、各ねじ部22、24を多条としている。この為、一般的な1条式のねじ部の場合にはリード角が3〜4度となるのに対して、各ねじ部22、24を、例えば、呼びがM12でピッチが2mmの2条ねじとした場合には、リード角が6.6度となる。又、各ねじ部22、24のリードLは、ピッチの2倍である4mmとなる。更に、本発明に関する参考例の場合には、ナット部材23を合成樹脂製とし、相手部材である回転軸2を鋼等の金属製としている。従って、ナット部材23の雌ねじ部24にグリースを薄く塗布する事により、ねじ部の動摩擦係数μ0 として、凡そ0.07付近(0.05〜0.09の範囲で変動する)のものが得られる。これに対して、ナット部材23を、鋳鉄又は青銅等の一般的に用いられる材料から造った場合には、ねじ部の動摩擦係数μ0 として、凡そ0.15付近(0.10〜0.20の範囲で変動する)のものが得られる。従って、本発明に関する参考例の場合には、ねじ部の動摩擦係数μ0 を小さく設定できる事が分かる。
【0043】
次に、図4〜5には、ねじ部を圧力角が15度である30度台形ねじとした場合の、このねじ部のリード角及び動摩擦係数μ0 と、正効率η及び逆効率η´との関係を示している。これらの図から分かる様に、上述した様な2条ねじで、ねじ部の動摩擦係数μ0 を凡そ0.07とした場合には、上記正効率ηが凡そ62%で、上記逆効率η´が凡そ39%と、それぞれの効率で高いものが得られる。そして、上述の様にして求めた、ねじ部のリードL及び正効率η及び逆効率η´を、D≒20mmとして、上記(7)式に代入すると、スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数μを、
0.127≧μ>0.025 −−− (8)
の範囲に規制すれば、小型の電動モータを使用して伸縮可能で、しかも電動モータへの非通電時に収縮する事のない電動式リニアアクチュエータを構成できる事が分かる。
【0044】
尚、上記摩擦係数μの上限は、電動モータ7の出力に余裕がある場合は、0.127よりも若干大きな値に設定しても良い。又、尚、図4〜5から明らかなように、リード角が3〜4度である、一般的な1条ねじの場合には、正効率を十分に確保できないだけでなく、よほど上記摩擦係数μを小さくしないと(μ≦0.05にしないと)電動モータ7の逆転に基づいて回転軸2を回転させる事ができない。
【0045】
一方、前記(A) (C)(E) (H) に記載された従来技術の様に、本発明に関する参考例の場合のねじ部22、24に代えて、送りねじ機構をボールねじにより構成した場合で、例えば一般的に電動ベッドに組み込まれる電動式リニアアクチュエータの場合では、スラストプレート39の側面と間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数μ´は、
0.16≧μ´>0.07 −−− (9)
の範囲に規制する必要がある。この様に本参考例の場合には、送りねじ機構にボールねじを用いた場合よりも、上記摩擦係数μを小さく設定する事ができる。この様に摩擦係数μを小さくする為には、上記スラストプレート39の側面にグリースを塗布する等の手段を採れる。
【0046】
上述した様に本発明に関する参考例の電動式リニアアクチュエータの場合は、ボールねじでなく、多条のねじ部同士の螺合により、電動モータ7の回転運動を出力軸26の直線運動に変換する事としている。しかも、鋼等の金属製である、回転軸2の雄ねじ部22と螺合する、ナット部材23を、合成樹脂製としている為、ねじ部での動摩擦係数μ0 を小さくできる。従って、本発明に関する参考例の場合は、電動モータ7の正転時及び逆転時での効率を十分に確保する事ができる。更に、本発明に関する参考例の場合には、送りねじ機構をボールねじにより構成していない為、複数のボールを設けずに済む分、コスト低減と軽量化とを図れる。更に、回転軸2がスラスト荷重に基づいて回転するのを防止する為に、ローラクラッチ36を用いている為、上記回転軸2を上記所定方向と同方向に回転させる際の効率を低下させる事なく、しかも、上記スラスト荷重に基づいて出力軸26が不用意に変位するのを確実に防止できる。
【0047】
尚、上述のスラストプレート39の側面と間筒34の端面(又は間座33の片面)との間の摩擦係数μの設定方法は、ねじ部22、24を2条とした場合に就いて説明したが、本発明に関する参考例はねじ部22、24を2条に限定したものではなく、3条等、他の多条のねじ部を採用する事ができる。例えば、ねじ部22、24を呼びがM12でピッチが2mmの3条ねじとした場合には、ねじ部のリード角が9.85度となる。又、この際、ねじ部22,24のリードLは、ピッチの3倍である6mmとなる。従って、上述の図4〜5から分かるように、この場合のねじ部22、24の正効率ηは凡そ70%となり、逆効率η´は凡そ59%となる。この結果、上記スラストプレート39の側面と上記間筒34の端面(或は間座33の片面)との間の摩擦係数μは、前述の(7)式から、
0.193≧μ>0.056 −−− (10)
の範囲に規制すれば良い事が分かる。この様にして求めた(10)式の摩擦係数μと、上記(9)式の摩擦係数μ´との関係を比較すると、ねじ部を3条とした場合には、送りねじ機構をボールねじにより構成した場合よりも上記摩擦係数μを広い範囲で設定する事ができる事が分かる。この様に摩擦係数μを広い範囲で設定できれば、スラストプレート39の加工を容易にできる。
【0048】
次に、図6は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合は、上述した参考例の第1例の場合と異なり、引っ張り方向のスラスト荷重が加わる部分に使用する。この為に本参考例の場合には、ハウジング1の先端部(図6の右端部)内周面に形成した内向フランジ状の係止部45と間筒34の先端面(図6の右端面)との間にスラストプレート39と間座33とを、間筒34の側から順に設けている。又、回転軸2は、1対の深溝型の玉軸受46a、46bによりハウジング1の内側に、回転自在に支持している。これら両玉軸受46a、46bは、ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も支承する。特に、間筒34に対向する玉軸受46bは大型のものを使用して、十分に大きなスラスト荷重を支承できる様にしている。又、上記間筒34の外周面には滑り軸受47を設けて、ハウジング1の内側での間筒34の回転が、がたつきなく、しかも円滑に行なわれる様にしている。
【0049】
上述の様に構成する本参考例の電動式リニアアクチュエータの使用時に、上記回転軸2に対して引っ張り方向に加わるスラスト荷重は、この回転軸2の基端部に係止した平座金41、玉軸受46aの内輪48、ウォームホイール10、玉軸受46bを介して、上記間筒34に加えられる。本参考例の場合には、スラスト荷重が圧縮方向から引っ張り方向に変わった事に伴い、ローラクラッチ36がロックする方向を変え(回転軸2が引っ張り方向のスラスト荷重により回転する傾向となった場合にロックする様にし)ている。又、本参考例の場合は、出力軸部材を、断面を矩形状、或は円弧状とした1対のアーム49、49同士を組み合わせる事により構成している。即ち、各アーム49、49の一部に設けた係止孔50、50に、ナット部材23aの外周面にそれぞれ設けた1対の係止突部59、59を係止する事により、上記各アーム50、50とナット部材23aとを結合している。それ以外の基本的な構成及び作用は、前述した参考例の第1例とほぼ同様である。
【0050】
尚、図示は省略するが、出力軸部材の端部を、上記ナット部材23aの先端面(図6の右端面)に固定した構造とする事もできる。又、上述した各参考例の場合には、間筒34の軸方向片側にのみスラストプレート39を配置した場合に就いて説明したが、間筒34の軸方向片側だけでなく他側にも他のスラストプレートを設ける事ができる。この場合には、回転軸2に設けた段部32とこの回転軸2の基端部に固定したナット等の固定の部材との間で、上記間筒34の軸方向両側に位置する部分に、1対のスラストプレートを設ける。
【0051】
又、上述した各参考例は、回転軸2をハウジング1の内側に回転のみを自在に支持すると共に、ナット部材23(23a)をこの回転軸2に対して軸方向に亙る変位のみを自在に支持し、出力軸部材の軸方向に亙る変位を自在とした構造に就いて説明した。但し、本発明を実施する場合には、図7に、本発明の実施の形態の1例として示す様に、出力軸部材である、出力軸51をハウジング1aに対して軸方向に亙る変位のみを自在に支持すると共に、ナット部材52を上記ハウジング1aの内側に回転のみを自在に支持し、電動モータ7(図3参照)の出力を減速機9を介して上記ナット部材52に伝達する構造で実施する。この場合には、このナット部材52に対して軸方向に亙り変位自在な出力軸51の先端部(図7の右端部)に相手部材を結合する事により、上記電動モータ7の回転に基づいて上記相手部材を変位させる事ができる。この場合、上記ナット部材52を合成樹脂製とすると共に、上記出力軸51を鋼等の金属製とし、上記ナット部材52に設けた多条の雌ねじ部24と、上記出力軸51に設けた多条の雄ねじ部22とを螺合させる。
【0052】
図示の例では、上記ナット部材52を、第一の転がり軸受である玉軸受53により、上記ハウジング1aの内側に回転のみ自在に支持している。又、この電動式リニアアクチュエータの使用時には、上記出力軸51に対して、図7の左方向に圧縮方向のスラスト荷重が加えられる。又、上記減速機9を構成する為のウォームホイール10は、上記ナット部材52の外周面に締り嵌めにより外嵌固定し、更に必要に応じてキー等により、このナット部材52に対する回転を不能としている。そして、このナット部材52の基端部(図7の左端部)周囲に間筒54の先端部(図7の右端部)を、滑り軸受55を介して、回転自在に支持している。又、上記間筒54とハウジング1aとの間で軸方向に亙り離隔した部分にはローラクラッチ36と、第二の転がり軸受である、玉軸受56とを、それぞれ設け、更に、上記間筒54の先端部に形成した鍔部57の片面と、上記ナット部材52の中間部外周面に形成した段部58との間に、間座33とスラストプレート39とを、それぞれ設けている。この構成により、上記電動モータ7の駆動軸8(図3参照)の停止時に、上記スラスト荷重に基づき上記ナット部材52が逆回転するのを防止する逆転防止機構を構成している。
【0053】
【発明の効果】
本発明の電動式リニアアクチュエータは、以上に述べた通り構成され作用するので、十分な効率を確保し、しかも出力軸部材が不用意に変位するのを確実に防止すると共に、コスト低減と軽量化とを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の第1例を示す断面図。
【図2】 図1のA部拡大図。
【図3】 図2のB−B断面図。
【図4】 30度台形ねじに於ける、ねじ部のリード角及び動摩擦係数と正効率との関係を示す図。
【図5】 30度台形ねじに於ける、ねじ部のリード角及び動摩擦係数と逆効率との関係を示す図。
【図6】 本発明に関する参考例の第2例を示す要部断面図。
【図7】 本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a ハウジング
2 回転軸
3a、3b 玉軸受
4 外輪
5 止め輪
6 取付フランジ
7 電動モータ
8 駆動軸
9 減速機
10 ウォームホイール
11 キー溝
12 キー溝
13 キー
14 ウォーム
15a、15b 玉軸受
16 外輪
17 板ばね
18 スタッド
19 ロックナット
20 切り欠き
21 突片
22 雄ねじ部
23、23a ナット部材
24 雌ねじ部
25 結合筒部
26 出力軸
27 凹部
28 カバー
29a、29b リミットスイッチ
30 小径筒部
31 大径筒部
32 段部
33 間座
34 間筒
35 滑り軸受
36 ローラクラッチ
37 外輪
38 ローラ
39 スラストプレート
40 ナット
41 平座金
42 固定側取付部
43 取付孔
44 ブッシュ
45 係止部
46a、46b 玉軸受
47 滑り軸受
48 内輪
49 アーム
50 係止孔
51 出力軸
52 ナット部材
53 玉軸受
54 間筒
55 滑り軸受
56 玉軸受
57 鍔部
58 段部
59 係止突部

Claims (1)

  1. ハウジングと、このハウジングの内側に第一の転がり軸受を介して回転のみ自在に支持された合成樹脂製のナット部材と、このナット部材に設けられた多条の雌ねじ部と、上記ハウジングに固定された正転逆転自在な電動モータと、上記ナット部材の内側に、軸方向に亙る変位のみ自在に挿通された出力軸部材と、この出力軸部材の途中に設けられ、上記多条の雌ねじ部と直接螺合する多条の雄ねじ部と、上記電動モータの駆動軸と上記ナット部材との間に設けられて、この駆動軸のトルクを増大して上記ナット部材に伝達する減速機と、上記出力軸部材の周囲で上記ナット部材から軸方向にずれた位置に、この出力軸部材に対する回転を自在として支持された間筒と、この間筒と上記ハウジングとの間に設けられ、この間筒に加わるスラスト荷重を支承しつつこの間筒の回転を許容する第二の転がり軸受と、少なくとも上記間筒の一部と上記ナット部材の一部との間で軸方向に亙り挟持されたスラストプレートと、上記間筒の外周面と上記ハウジングの内周面との間に設けられて、上記スラスト荷重に基づいて上記間筒が回転しようとする際にロックする一方向クラッチとを備える電動式リニアアクチュエータ。
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