JP3852425B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

リニアアクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP3852425B2
JP3852425B2 JP2003134128A JP2003134128A JP3852425B2 JP 3852425 B2 JP3852425 B2 JP 3852425B2 JP 2003134128 A JP2003134128 A JP 2003134128A JP 2003134128 A JP2003134128 A JP 2003134128A JP 3852425 B2 JP3852425 B2 JP 3852425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating shaft
axial direction
housing
spacer
linear actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003134128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003301919A (ja
Inventor
幹雄 山口
昭次 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2003134128A priority Critical patent/JP3852425B2/ja
Publication of JP2003301919A publication Critical patent/JP2003301919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3852425B2 publication Critical patent/JP3852425B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るリニアアクチュエータは、例えば介護用ベッド、昇降テーブル、リフター、車載ジャッキ等、各種機械装置に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】
例えば介護用ベッドにはリニアアクチュエータを組み込み、手動ハンドル或は電動モータを駆動源として、被介護者を寝かせたベッドの角度調節等を自在としている。この様なリニアアクチュエータには、次の(1)(2)の機能が要求される。
(1) 手動ハンドル或は電動モータの回転運動を、出力軸の軸方向運動(直線運動)に変換する機能。
(2) 手動ハンドル或は電動モータの停止時に、スラスト方向に加わる荷重に拘らず、出力軸が変位しない様にする機能。
この(1)(2)の様な機能を得るべく、従来から次の▲1▼〜▲7▼に記載された様なリニアアクチュエータが知られている。
【0003】
▲1▼ 井沢実著、工業調査会発行の「ボールねじとその応用技術」
この刊行物の第134〜136頁には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びに次の(a) 〜(d) の何れかにより、ボールねじの逆転防止を図る技術が記載されている。
(a) 駆動モータにブレーキ作用を持たせる。
(b) 駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを使用する。
(c) 駆動歯車軸にブレーキ装置を設ける。
(d) 一方向クラッチ又は両方向クラッチを使用する。
【0004】
▲2▼ トムソン−サギノー社が発行しているリニアアクチュエータのカタログ
▲3▼ 特開昭63−47557号公報
▲4▼ 特開昭50−31553号公報
これらの刊行物には、ボールねじその他の送りねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにばねクラッチにより送りねじの逆転防止を図る技術が記載されている。
【0005】
▲5▼ 特開昭61−38892号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにソレノイドへの通電に基づいて断接される電動式のクラッチ及びブレーキにより駆動軸の回転を規制する技術が記載されている。
【0006】
▲6▼ 実開昭62−63453号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにディスク状に形成された抵抗体及び一方向クラッチにより、外部荷重に基づく復帰時の衝撃を緩和する技術が記載されている。
【0007】
▲7▼ 実開昭62−63454号公報
この刊行物には、ボールねじにより回転運動を直線運動に変換するアクチュエータに関する技術、並びにこのボールねじに予圧を付与する事により、このボールねじに抵抗を付加し、逆転時の速度を調節する技術が記載されている。
0008
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼〜▲7▼に記載した各技術は、それぞれ次に述べる様な解決すべき問題点がある。
▲1▼に記載された従来技術の場合
先ず、(a) の様に、駆動モータにブレーキ作用を持たせる場合には、駆動モータのコスト及び重量が嵩む。又、(b) の様に駆動歯車に逆転不能なウォームギヤを使用する場合には、ウォームギヤのリード角を小さくしない限り、確実な逆転防止を図れない。一方、リード角を小さくすると、噛合効率が悪くなって、十分な動作速度を確保する為には高速で回転する大型の電動モータを使用する必要が生じる。又、手動ハンドルによりアクチュエータを駆動する場合には、この手動ハンドルを多数回回転させなければならず、操作が面倒である。更に、(c) の様に駆動歯車軸にブレーキ装置を設けたり、或は(d) の様に一方向クラッチ又は両方向クラッチを使用する構造の場合には、単独で十分な逆転防止を図ろうとすると、これらブレーキ装置やクラッチとして大型のものを使用しなければならず、装置全体が大型化する。
▲2▼▲3▼▲4▼に記載された従来技術の場合
これらの場合には、手動ハンドル或は電動モータにより送りねじ機構を介して出力軸を変位させる際に、ばねクラッチが若干の抵抗となって効率を低下させるだけでなく、確実な逆転防止効果を得る為には、ばねクラッチとして相当に大型のものを使用しなければならない。
▲5▼に記載された従来技術の場合
この場合には、高価な部品を使用する為にリニアアクチュエータ自体が高価になるだけでなく、手動ハンドル或は電動モータと連動させて電動式のクラッチ及びブレーキを制御する制御回路が必要になる等、装置全体が高価になる事が避けられない。
▲6▼に記載された従来技術の場合
この場合には、ディスク状に形成された抵抗体及び一方向クラッチの設置スペースが嵩み、装置全体が大型化する。しかも、復帰時の衝撃緩和を目的としている為、確実な逆転防止効果を得る事はできない。
▲7▼に記載された従来技術の場合
この場合には、逆転時の速度を調節する事はできても、十分な逆転防止を図る事は不可能である。
本発明は、この様な不都合を解消すべく発明したものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明のリニアアクチュエータは、ハウジングと、回転軸と、ボールナットと、出力軸と、間筒と、転がり軸受と、摩擦プレートと、一方向クラッチとを備える。
このうち、上記回転軸は、上記ハウジングの内側に、回転のみ自在に支持している。
又、上記ボールナットは、上記回転軸のボールねじ部に複数のボールを介して螺合している。
又、上記出力軸は、上記ボールナットにその基端部を結合固定している。
又、上記間筒は、上記回転軸の周囲に、この回転軸に対する回転を自在として支持されている。
又、上記転がり軸受は、上記ハウジングと上記回転軸との間に加わるスラスト荷重の作用方向に関して、これら間筒とハウジングとの間に設けられ、このスラスト荷重を支承しつつこの間筒の回転を許容する。
又、上記摩擦プレートは、上記間筒の一部と上記回転軸に固定した間座との間で軸方向に亙り挟持されている。
更に、上記一方向クラッチは、上記間筒の外周面と上記ハウジングの内周面との間に設けて、上記スラスト荷重に基づいて上記間筒が回転しようとする際にロックする。
0010
【作用】
上述の様に構成される本発明のリニアアクチュエータは、回転軸に対してスラスト荷重が加わる状態で使用される。この様に組み付けられた状態で本発明のリニアアクチュエータは、次の様に作用する事により、回転軸に付与された回転力の方向に基づいて、出力軸を軸方向に変位させる。
0011
先ず、上記回転軸を所定方向に回転させ、上記ボールナットを上記スラスト荷重に抗して変位させる際の作用に就いて説明する。この場合には、回転軸が所定方向に回転する事により、一方向クラッチはロックする事なく、間筒はハウジングに対して回転自在である。従ってこの状態では、間筒と摩擦プレートと間座とは回転軸と共に回転し、これら各部材の存在がこの回転軸の回転に対して抵抗にならない。この結果、上記駆動軸の正転に伴って上記回転軸が、所定方向に円滑に回転する。そして、この回転軸のボールねじ部に螺合したボールナットが、上記スラスト荷重に抗して軸方向に変位する。この際、逆転防止機構の存在が出力軸を変位させる事に対して抵抗とはならない。
0012
次に、上記回転軸を停止させた状態では、上記スラスト荷重に基づいてボールナットから複数のボールを介してボールねじ部に加わる力により、上記回転軸が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上記間筒が、この回転軸と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記一方向クラッチがロックし、上記間筒がハウジングに対して回転しなくなる。この状態では、上記回転軸を回転させる為には、上記摩擦プレートの側面と相手面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレートの側面と相手面との間の摩擦係数を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記回転軸が回転する事を防止できる。
0013
更に、上記回転軸を上記所定方向とは反対方向に回転させた状態では、上記回転軸に、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記入力部から入力されるトルクが、上記反対方向に加わる。従って上記回転軸は、上記摩擦プレートの側面と相手面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記回転軸の回転に対する抵抗となるので、この回転軸が急激に回転する事が防止される。
0014
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。このリニアアクチュエータは、例えば手動ハンドルを操作する事により背もたれの角度を調節する介護用ベッドの角度調節装置の様に、使用時に圧縮方向のスラスト荷重が加わる部分に組み付けられる。ハウジング1は、例えばアルミニウム合金をダイキャスト成形する事により造られる。このハウジング1の基端部(図1〜2の左端部)の直径方向反対位置に設けられた1対のねじ孔2、2には、それぞれ図示しないボルトの端部を螺合させて、上記ハウジング1を上記介護用ベッドのフレーム等に、揺動自在に支持する。
0015
この様なハウジング1の内側には回転軸3の基端部(図1〜2の左端部)を、深溝型の玉軸受4により、回転のみ自在に支持している。この玉軸受4は、上記回転軸3に加わるラジアル荷重の他、上記圧縮方向のスラスト荷重も支承する。この為、上記玉軸受4を構成する外輪5の軸方向片端面(図1〜2の左端面)は、上記ハウジング1の内周面に止着した止め輪6に突き当てている。
0016
又、上記回転軸3の基端で上記玉軸受4から突出した部分には、自在継手7を構成する一方(図1の右方)のヨーク8を、スプリングピン9により結合固定している。そして、上記自在継手7を構成する他方(図1の左方)のヨーク10に、入力部である手動ハンドル11の端部を結合している。この手動ハンドル11は、リニアアクチュエータを伸縮させる際に、作業者が手で回転させる。
0017
一方、上記回転軸3の基端部を除く部分には、断面が円弧形の螺旋溝を形成する事により、ボールねじ部12としている。そしてこのボールねじ部12の周囲にボールナット13を、複数のボール14、14を介して螺合させている。そしてこのボールナット13の先端部(図1〜2の右端部)に形成した結合筒部15に、円筒状の出力軸16の基端部(図1〜2の左端部)を螺合固定している。又、上記ボールナット13及び出力軸16の周囲は、テーパ円筒状のカバー17により覆っている。尚、上記出力軸16及びボールナット13は、この出力軸16の先端部(図1の右端部)を介護用ベッドの背もたれ部分等の所定部分に結合する事により、回転防止が図られる。従って、リニアアクチュエータの組み付け状態では、上記ボールナット13は上記回転軸3の周囲に、この回転軸3の軸方向(図1〜2の左右方向)に亙る変位のみを自在に支持される。尚、上記カバー17は、合成樹脂、或は金属により造られており、その基端部(図1〜2の左端部)内周面に形成された突条18を前記ハウジング1の外周面に形成した凹溝19に係止し、更にバンド20で締め付ける事により、上記ハウジング1に結合固定している。
0018
又、前記回転軸3の一部で上記ボールねじ部12の基端部分(図1〜2の左端部分)には、このボールねじ部12側が大径となった段部21を形成している。そして、この段部21に、円輪形の間座22の内周縁部に形成した円筒部23の軸方向片面(図1〜2の右側面)を突き当てている。従って、上記回転軸3に図1〜2の左方向に加わる圧縮スラスト荷重は、上記間座22に伝達される。又、この間座22の内周縁は上記回転軸3の外周面に、締まり嵌めにより嵌合しているか、或は非円形周面同士で嵌合している。従って上記間座22は、上記回転軸3と共に回転する。
【0019】
又、上記回転軸3の一部で、前記ヨーク8の設置部分と上記間座22との間部分には、滑り軸受24を外嵌している。前記玉軸受4を構成する内輪25は、この滑り軸受24の端部に外嵌している。又、この滑り軸受24の残り部分の周囲には、円筒状の間筒26を、回転自在に支持している。そして、この間筒26の外周面と前記ハウジング1の内周面との間に、一方向クラッチの一種であるローラクラッチ27を設けている。即ち、内周面をカム面とした外輪28を上記ハウジング1に内嵌固定し、この外輪28がハウジング1に対して回転しない様にしている。そして、この外輪28の内周面と上記間筒26の外周面との間に、複数本のローラ29、29を設けている。周知の様にこれら各ローラ29、29は、回転しない保持器との間に設けられたばねにより、円周方向一方向に弾性的に押圧している。従って、上記間筒26が所定方向に回転する場合には、上記各ローラ29、29が上記カム面に食い込む事なく、この間筒26の回転を許容する。これに対して、上記間筒26が上記所定方向とは反対方向に回転すると、上記各ローラ29、29が上記カム面に食い込み、上記間筒26がハウジング1の内側で回転しなくなる。又、特許請求の範囲に記載した転がり軸受である、上記玉軸受4を構成する上記内輪25の軸方向端面は、上記間筒26の軸方向端面に突き当てている。要するに、上記玉軸受4は、上記ハウジング1と上記回転軸3との間に加わるスラスト荷重の作用方向に関して、このハウジング1と上記間筒26との間に設けている。
0020
更に、上記間筒26の軸方向一端部(図1〜2の右端部)外周面には、外向フランジ状の鍔部30を形成し、この鍔部30の片面(図1〜2の右側面)を、上記間筒26の軸方向一端面としている。そして、この鍔部30の片面と上記間座22との間に、摩擦プレート31を挟持している。この摩擦プレート31は、少なくとも軸方向両側面を摩擦係数の大きな材料により造られて、相手面である前記間座22の片面(図1〜2の左面)及び上記間筒26の軸方向一端面である上記鍔部30の片面と摩擦係合する。但し、摩擦係合状態を一定にする為、間座22と間筒26とが相対回転した状態では、何れか一方の摩擦係合面が摺動(相対変位)し、他方の摩擦係合面が相対変位しない様にする。従って、一方の対向面(例えば、間座22の片面と摩擦プレート31の片面)は接着しても良い。この場合、接着する側の面の摩擦係数は特に問わない事は勿論である。
【0021】
上述の様に構成される本発明のリニアアクチュエータは、前述の様に、前記ハウジング1の基端部に形成したねじ孔2、2に螺合したボルトにより、このハウジング1を揺動自在に支持する。又、前記出力軸16の先端部に形成した変位側取付部32を変位軸に、それぞれ枢支する。この変位軸は上記ボルトに近づく方向に変位する傾向となっているので、この本発明のリニアアクチュエータは、上記出力軸16に圧縮方向のスラスト荷重が加わる状態で使用される。この様に組み付けられた状態で本発明のリニアアクチュエータは、次の様に作用する事により、前記手動ハンドル11の回転方向に基づいて上記出力軸16を軸方向に亙り変位させる。
0022
先ず、上記手動ハンドル11を所定方向に回転させ、上記出力軸16を上記スラスト荷重に抗し変位させる事により、リニアアクチュエータを伸長させる際の作用に就いて説明する。この場合には自在継手7を介して回転軸3が所定方向に回転し、ローラクラッチ27はロックする事なく、間筒26はハウジング1に対して回転自在である。従ってこの状態では、間筒26と摩擦プレート31と間座22とは回転軸3と共に回転し、これら各部材26、31、22の存在がこの回転軸3の回転に対し抵抗とはならない。又、ローラクラッチ27はラジアルニードル軸受の如く作用して、上記間筒26の回転を許容する。従って、一方向クラッチであるローラクラッチ27の存在も、回転軸3の回転に対し抵抗とはならない。
0023
この結果、上記手動ハンドル11の回転に伴って上記回転軸3が、所定方向に円滑に回転する。そして、この回転軸3のボールねじ部12に螺合したボールナット13が、このボールねじ部12の先端方向(図1〜2の右方向)に変位し、上記出力軸16を上記スラスト荷重に抗して変位させる。この際、上述の様に、逆転防止機構を構成する上記間筒26と摩擦プレート31と間座22とローラクラッチ27との存在が、出力軸16を変位させる事に対して抵抗とはならない。従って、上記手動ハンドル11の駆動力は、上記出力軸16を変位させる事に有効に使われる。この結果、作業者が手動ハンドル11に加える力を徒に大きくしなくても、十分にリニアアクチュエータを伸長させる事ができる。
0024
次に、上記手動ハンドル11を停止させた状態では、上記スラスト荷重に基づいて出力軸16からボールナット13、複数のボール14、14を介してボールねじ部12に加わる力により、上記回転軸3が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上記間筒26が、この回転軸3と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記ローラクラッチ27がロックし、上記間筒26がハウジング1に対して回転しなくなる。この状態では、上記回転軸3を回転させる為には、例えば上記摩擦プレート31の側面と相手面である前記鍔部30の片面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレート31の側面と鍔部30の片面との間の摩擦係数を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記回転軸3が回転する事を防止できる。
0025
更に、上記手動ハンドル11を、上記所定方向とは反対方向に回転させた状態で上記回転軸3には、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記手動ハンドル11から自在継手7を介して伝達されるトルクが、上記反対方向に加わる。従って上記手動ハンドル11は、上記摩擦プレート31の側面と鍔部30の片面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記手動ハンドル11の回転に対する抵抗となるので、この手動ハンドル11の回転が急激に行なわれる事が防止される。従って、上記摩擦プレート31の側面と鍔部30の片面との間の摩擦係数を適正値にすれば、リニアアクチュエータの伸長だけでなく収縮を円滑に行なわせる事ができる。
0026
上記摩擦プレート31の側面と鍔部30の片面との間の摩擦係数の設定方法は次の通りである。尚、以下の説明で使用する符号の意味は、それぞれ次の通りである。又、この説明に使用する図3では、間筒26を厚肉円筒状に形成しているが、この間筒26の作用自体は、図1〜2に示したものと同様である。
F : 出力軸16に圧縮方向に加わるスラスト荷重
μ : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一端面(図1〜2に於ける鍔部30の片面)との間の摩擦係数
D : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一端面(図1〜2に於ける鍔部30の片面)との接触部の平均直径
L : ボールねじのリード
T : リニアアクチュエータを伸長させる為に、回転軸3に加えるべき作動トルク
T´: 圧縮方向のスラスト荷重に基づいて回転軸3に加わるトルク
b : 摩擦プレート31の側面と間筒26の軸方向一端面(図1〜2に於ける鍔部30の片面)との間の摩擦に基づくブレーキトルク
η : 手動ハンドル11の正転時に於けるボールねじの伝達効率
η´: 手動ハンドル11の逆転時に於けるボールねじの伝達効率
【0027】
T=(F・L)/(2・π・η) −−− (1)
であり、
T´=(F・L・η´)/(2・π) −−− (2)
であり、
b =(μ・F・D)/2 −−− (3)
である。
手動ハンドル11から手を離した状態でも、リニアアクチュエータの全長がスラスト荷重により縮まらない為には、
b >T´ −−− (4)
である必要がある。又、作業者が手動ハンドル11に加えるトルクを小さく抑えるにしても、リニアアクチュエータの全長を収縮させる際に手動ハンドル11に加えるべきトルクを、伸長させる際に手動ハンドル11に加えるべきトルク以下にする事が好ましい。又、リニアアクチュエータの収縮時に手動ハンドル11に加えるべきトルクは、(Tb −T´)に比例する。従って、
T≧(Tb −T´) −−− (5)
である事が好ましい。(4)(5)式をまとめると、
T+T´≧Tb >T´ −−− (6)
となる。更にこの(6)式に前記(1)〜(3)式を代入すると、
(L/π・D)・{η´+(1/η)}≧μ>(L・η´)/(π・D)
例えば、介護用ベッドに組み込まれるリニアアクチュエータの場合には、L≒5mm、D≒20mm、η≒η´≒0.9程度のものが造られる。この条件を上記(7)式に代入すると、
0.16≧μ>0.07 −−− (8)
とする事により、手動ハンドル11に加えるべきトルクを小さくして、しかもこの手動ハンドル11から手を離した状態で収縮する事のないリニアアクチュエータを構成できる事が分かる。
0028
尚、図1〜3の例は、リニアアクチュエータに圧縮方向の荷重が加わる場合を示しているが、構成各部材の軸方向に亙る配列順序を図1〜3とは逆にする事により、引っ張り方向に亙るスラスト荷重が加わる部分にも使用できる。更には、軸方向に亙る配列順序を互いに逆方向にした構成各部材を2組設ける事により、両方向のスラスト荷重が加わる部分にも使用できる。又、伸縮作業を電動式に行なわせる事もできる
0029
【発明の効果】
本発明のリニアアクチュエータは以上に述べた通り構成され作用するので、小型且つ軽量で、しかも回転軸を回転させる為に要する力が小さくて済むリニアアクチュエータを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】摩擦係数の設定方法を説明する為の部分断面図。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ねじ孔
3 回転軸
玉軸受
5 外輪
6 止め輪
7 自在継手
8 ヨーク
9 スプリングピン
10 ヨーク
11 手動ハンドル
12 ボールねじ部
13 ボールナット
14 ボール
15 結合筒部
16 出力軸
17 カバー
18 突条
19 凹溝
20 バンド
21 段部
22 間座
23 円筒部
24、24a 滑り軸受
25 内輪
26 間筒
27 ローラクラッチ
28 外輪
29 ローラ
30、30a 鍔部
31 摩擦プレート
32 変位側取付部

Claims (2)

  1. ハウジングと、このハウジングの内側に回転のみ自在に支持された回転軸と、この回転軸のボールねじ部に複数のボールを介して螺合したボールナットと、このボールナットにその基端部を結合固定した出力軸と、上記回転軸の周囲にこの回転軸に対する回転を自在として支持された間筒と、上記ハウジングと上記回転軸との間に加わるスラスト荷重の作用方向に関して、これら間筒とハウジングとの間に設けられ、このスラスト荷重を支承しつつこの間筒の回転を許容する転がり軸受と、この間筒の一部と上記回転軸に固定した間座との間で軸方向に亙り挟持された摩擦プレートと、上記間筒の外周面と上記ハウジングの内周面との間に設けられて、上記スラスト荷重に基づいて上記間筒が回転しようとする際にロックする一方向クラッチとを備える事を特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 間座と間筒とが相対回転する状態で、摩擦プレートの軸方向両側面のうちの一方の側面と、この間座の軸方向片側面と上記間筒の軸方向一端面とのうちの一方の面である相手面とを摺動させ、上記摩擦プレートの軸方向両側面のうちの他方の側面と、上記間座の軸方向片側面と上記間筒の軸方向一端面とのうちの他方の面とを摺動させず、上記一方の側面と相手面との間の摩擦係数をμとし、これら一方の側面と相手面との接触部の平均直径をDとし、ボールねじのリードをLとし、回転軸の正転時に於けるボールねじの伝達効率をηとし、同じく逆転時に於ける伝達効率をη´とした場合に、
    (L/π・D)・{η´+(1/η)}≧μ>(L・η´)/(π・D)
    を満たす事を特徴とする、請求項1に記載したリニアアクチュエータ。
JP2003134128A 2003-05-13 2003-05-13 リニアアクチュエータ Expired - Lifetime JP3852425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003134128A JP3852425B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニアアクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003134128A JP3852425B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニアアクチュエータ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12321296A Division JP3744057B2 (ja) 1996-05-17 1996-05-17 リニアアクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003301919A JP2003301919A (ja) 2003-10-24
JP3852425B2 true JP3852425B2 (ja) 2006-11-29

Family

ID=29398325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003134128A Expired - Lifetime JP3852425B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニアアクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3852425B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190257397A1 (en) * 2018-02-21 2019-08-22 Wilkins Ip, Llc Coupling assembly and method of coupling
CN110778673B (zh) * 2019-09-12 2023-05-26 浙江捷昌线性驱动科技股份有限公司 一种线性致动器的自锁装置和线性致动器
JP2024021798A (ja) * 2022-08-04 2024-02-16 株式会社鷺宮製作所 伸縮装置およびこれを備える試験装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62270861A (ja) * 1986-05-20 1987-11-25 Jidosha Kiki Co Ltd アクチユエ−タ
JPS62139767A (ja) * 1985-12-16 1987-06-23 Jidosha Kiki Co Ltd アクチユエ−タ
JP3229434B2 (ja) * 1993-05-21 2001-11-19 テイエチケー株式会社 ボールねじ装置
JP2860252B2 (ja) * 1994-06-03 1999-02-24 株式会社椿本チエイン 直線作動機のボールねじ軸回転防止装置
JPH0842657A (ja) * 1994-08-02 1996-02-16 Mitsuba Electric Mfg Co Ltd アクチュエータ
JPH09191611A (ja) * 1996-01-09 1997-07-22 Aichi Electric Co Ltd 電動アクチュエータの手動操作装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003301919A (ja) 2003-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6240797B1 (en) Linear actuator with anti-reverse-rotation mechanism
US5673593A (en) Overrunning nut for linear actuator
US7036644B2 (en) Torque-transmitting mechanism with latching apparatus
JPH08322189A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JP3959872B2 (ja) 電動式リニアアクチュエータ
US8783646B2 (en) Actuator for operating a valve
JP2004169729A (ja) 電動ディスクブレーキ
CN113382914B (zh) 转向系统
JP3744057B2 (ja) リニアアクチュエータ
US6769527B1 (en) Stop clutch assembly
JP3852425B2 (ja) リニアアクチュエータ
JP2000152557A5 (ja)
JP3800719B2 (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JP2004332759A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JPH0942408A (ja) リニアアクチュエータ
JPH06235443A (ja) バックラッシュレス機構
JPH0842657A (ja) アクチュエータ
JPH09222153A (ja) リニアアクチュエータ
JPH08324982A (ja) ボールねじ式ジャッキ
US6874609B2 (en) Rotary-to-linear transfer device
JP3807043B2 (ja) ボールねじ式リニアアクチュエータ
JP2000018361A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JPH09224348A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JP2020023968A5 (ja)
JP4214371B2 (ja) 電動アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060330

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term