JP3807043B2 - ボールねじ式リニアアクチュエータ - Google Patents

ボールねじ式リニアアクチュエータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るボールねじ式リニアアクチュエータは、重量物を持ち上げる為のジャッキとして、或は各種機械装置に組み込んで小さな入力トルクから大きな直線運動方向の出力を得る動力変換装置として、それぞれ利用できる。
【0002】
【従来の技術】
ジャッキ等として使用できるボールねじ式リニアアクチュエータとして従来から、例えば実開昭63−53058号公報等に記載されたものが知られている。図6〜7は、この公報に記載された構造とは若干異なるが、従来から使用されているボールねじ式リニアアクチュエータの要部を示している。このボールねじ式リニアアクチュエータ1は、図示しない電動モータにより減速機構2を介してボールナット3を回転駆動し、このボールナット3の回転をボールねじ軸4の直線運動に変換するものである。
【0003】
上記減速機構2は、回転方向の変換自在な図示しない電動モータにより回転駆動される、ウォーム軸である入力軸に固定したウォーム5と、このウォーム5と噛合したウォームホイール6とから成る。又、上記ボールねじ軸4の外周面には、断面円弧形の第一螺旋溝7を、上記ボールナット3の内周面には、やはり断面円弧形の第二螺旋溝8を、それぞれ形成している。そして、これら第一螺旋溝7と第二螺旋溝8との間に複数のボール9、9を転動自在に設けて、上記ボールナット3の回転を上記ボールねじ軸4の直線運動に変換する為のボールねじ機構を構成している。尚、ボールねじ式リニアアクチュエータ1の使用時には、上記ボールねじ軸4の端部は非駆動部に結合する為、このボールねじ軸4が回転する事はない。
【0004】
又、上記ボールナット3の一部外周面に形成した第一平坦面12には、それぞれが上記ボール9、9を通過させる為の、1対の送り孔の端部を開口させている。そして、これら両送り孔の端部開口同士を循環チューブ(開口と共に図示省略)により連通させて、上記第二螺旋溝8の一端部にまで移動したボール9、9をこの第二螺旋溝8の他端部に戻し、これら複数のボール9、9を循環させる為の循環機構を構成している。
【0005】
上記ボールナット3とウォームホイール6とは、互いの相対回転を不能として、軸方向に亙り互いに同心に結合している。即ち、上記ボールナット3の一端部(図6〜7の右端部)に内側円筒部10を、上記ウォームホイール6の一端部(図6〜7の左端部)に外側円筒部11を、それぞれ形成し、この外側円筒部11に上記内側円筒部10を、がたつきなく内嵌している。又、上記ボールナット3の外周面で、この内側円筒部10よりも軸方向中央寄り部分には、互いに平行な1対の第二平坦面13、13を形成している。一方、上記ウォームホイール6の一端面(図6〜7の左端面)には1対の突壁14、14を形成し、これら両突壁14、14の内周側面を、互いに平行な1対の第三平坦面15、15としている。これら第三平坦面15、15同士の間隔は、上記第二平坦面13、13同士の間隔と同じか僅かに大きくしている。従って、上記内側、外側両円筒部10、11同士を嵌合させた状態でこれら第二、第三平坦面13、15同士が係合し、上記ボールナット3とウォームホイール6との相対回転を不能にする。上述の様に組み合わされたボールナット3とウォームホイール6とは、ケーシング16の内側に、1対の転がり軸受17、17により、回転自在に支承している。
【0006】
上述の様に構成されるボールねじ式リニアアクチュエータ1の使用時には、電動モータを回転させる事により、前記ウォーム5を介して上記ウォームホイール6及びボールナット3を所望方向に回転させる。この結果、このボールナット3と複数のボール9、9を介して螺合したボールねじ軸4が軸方向に変位する。
【0007】
上述の様に構成し作用するボールねじ式リニアアクチュエータ1の場合、ウォーム5とウォームホイール6とから成る減速機構2として、動力の伝達方向に可逆性を有するものを使用する場合が多い。この理由は、上記ウォーム5のリード角を大きくし、このウォーム5の回転速度が比較的低速の場合にも、必要とする動作速度(ボールねじ軸4が軸方向に変位する速度)を確保する為である。一方、上記減速機構2として、動力の伝達方向に可逆性を有するものを使用した場合には、上記ウォーム5を固設した入力軸に力を加えない場合にも上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1がスラスト荷重に基づいて伸縮しない様にする為のブレーキ機構を付設する必要がある。
【0008】
この様なブレーキ機構をボールねじ式リニアアクチュエータ1に組み込む為、従来一般的には、上記入力軸を回転駆動する為の電動モータとして、ブレーキ付のものを使用していた。ところが、ブレーキ付の電動モータは、一般的な電動モータに比べて高価(2.5倍程度)で、しかも設置スペースが嵩む(容積比で1.5倍程度)為、より小型で安価な構造の実現が望まれている。
【0009】
この様な目的を達成する為の構造として、特開平8−322189号公報には、図8に示す様な構造を有するボールねじ式リニアアクチュエータ1aが記載されている。このボールねじ式リニアアクチュエータ1aを伸縮させる際には、電動モータにより回転軸18を、減速機構2を介して回転させ、この回転軸18のボールねじ部19と螺合したボールナット3aを介して出力軸20を変位させる。図8に示したボールねじ式リニアアクチュエータ1aは、この出力軸20に圧縮方向(図8の左方向)のスラスト荷重が加わる状態で使用するものである。
【0010】
上記電動モータへの非通電時にも上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1aが上記スラスト荷重に基づいて収縮する事を防止する為のブレーキ機構を構成する為、ケーシング16aの内周面と上記回転軸18の外周面との間に、ローラクラッチ21と間筒22と滑り軸受23とを設けている。又、上記回転軸18と共に回転する間座24とこの間筒22の端面との間に、摩擦プレート25を設けている。この間筒22に加わる圧縮方向のスラスト荷重は、深溝型玉軸受等の転がり軸受が支承する。このスラスト荷重により、上記ボールねじ部19とボールナット3aとの螺合部の働きにより、上記回転軸18が回転する傾向の場合には、上記ローラクラッチ21がロックする。この状態では、上記間筒22の端面と上記間座24との間に挟持した上記摩擦プレート25に作用する摩擦力に基づき、上記回転軸18の回転を阻止し、上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1aが上記スラスト荷重により収縮するのを阻止する。これに対して、上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1aを伸長させるべく、上記電動モータにより上記回転軸18を回転させ、上記スラスト荷重に抗して上記出力軸20を変位させる際には、上記ローラクラッチ21がロックしない。従って、上記電動モータにより上記回転軸18を回転させる際に上記間筒22は、この回転軸18と共に回転し、この回転軸18を回転させる事に対する抵抗とはならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示した従来構造の場合、ボールねじ部19とボールナット3aとの螺合部の働きにより回転軸18に加わるトルクが、そのまま摩擦プレート25と相手面との間に加わる。上記トルクは、ボールねじ式リニアアクチュエータ1aに加わるスラスト荷重に比例して大きくなる。従って、図8に示した従来構造の場合には、大きなスラスト荷重が加わる部分に使用する事は難しい。即ち、図8に示した従来構造で、大きなスラスト荷重に拘らずボールねじ式リニアアクチュエータ1aが収縮するのを確実に防止する為には、上記摩擦プレート25と相手面との摩擦係数を大きくするか、これら摩擦プレート25と相手面との有効摩擦面の半径を大きくする必要がある。
摩擦係数を大きくする事は、使用可能な材質の面から難しく、有効摩擦面の半径を大きくする事は、ボールねじ式リニアアクチュエータの大型化に結び付く為、好ましくない。 本発明のボールねじ式リニアアクチュエータは、上述の様な事情に鑑み、使用可能な材質で得られる摩擦係数によっても、特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現すべく、発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のボールねじ式リニアアクチュエータは、何れも、従来から知られている一般的なボールねじ式リニアアクチュエータと同様に、ケーシングと、外周面に断面円弧形の第一螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に軸方向に亙る変位自在に支持されたボールねじ軸と、内周面に断面円弧形の第二螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に回転自在に支持されたボールナットと、上記第一螺旋溝と上記第二螺旋溝との間に転動自在に設けられた複数のボールと、上記ボールナットと同心に設けられてこのボールナットと共に回転するウォームホイールと、上記ボールねじ軸に対して捩りの位置に配置されて上記ハウジングの内側に回転自在に支持されたウォーム軸と、このウォーム軸に固設されて上記ウォームホイールと噛合するウォームとを備え、上記ボールねじ軸に一方向のスラスト荷重が加わる状態で使用する。
【0013】
特に、本発明のボールねじ式リニアアクチュエータに於いては、上記ケーシングと上記ウォーム軸との間に、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸に加わるトルクに抗してこのウォーム軸を回転させる際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗にならず、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸が回転する際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗になる、逆転防止機構を設けている。
【0014】
請求項1に記載した発明の場合には、この逆転防止機構は、鍔部と、間筒と、一方向クラッチと、摩擦プレートと、上記スラスト荷重を支承する軸受とを備える。このうちの鍔部は、上記ウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外周面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つこのウォーム軸と共に回転自在に設けられて、このウォーム軸に加わる上記スラスト荷重を受ける。又、上記間筒は、このウォーム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自在として支持する。又、上記一方向クラッチは、上記間筒の外周面と上記ケーシングに固定した部分の内周面との間に設ける。又、上記摩擦プレートは、上記間筒の軸方向一端面と上記鍔部との間に設ける。更に、上記軸受は、上記間筒の軸方向他端面と上記ケーシングに固定した部分との間に設けて、上記ウォーム軸から間筒に加わる上記スラスト荷重を支承する。
請求項2に記載した発明の場合には、上記逆転防止機構は、鍔部と、間筒と、一方向クラッチと、上記スラスト荷重を受ける軸受と、摩擦プレートとを備える。このうちの鍔部は、上記ウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外周面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つこのウォーム軸と共に回転自在に設けて、このウォーム軸に加わる上記スラスト荷重を受ける。又、上記間筒は、このウォーム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自在として支持する。又、上記一方向クラッチは、上記間筒の内周面とこのウォーム軸の外周面との間に設ける。又、上記スラスト軸受は、この間筒の軸方向一端面と上記鍔部との間に設ける。更に、上記摩擦プレートは、この間筒の軸方向他端面と上記ケーシングに固定した部分との間に設ける。
【0015】
【作用】
上述の様に構成する本発明のボールねじ式リニアアクチュエータは、ボールねじ軸に対して一方向のスラスト荷重が加わる状態で使用する。本発明のボールねじ式リニアアクチュエータは、直接このスラスト荷重を受けるボールねじ軸に加わるトルクよりも小さなトルクを受けるウォーム軸に逆転防止機構を組み付けている為、使用可能な材質で得られる摩擦係数によっても、この逆転防止機構を特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現できる。
【0016】
例えば、請求項1に記載したボールねじ式リニアアクチュエータは、次の様に作用する事により、ウォーム軸に付与された回転力の方向に基づいて、上記ボールねじ軸を軸方向に変位させる。先ず、上記ウォーム軸を所定方向に回転させ、このボールねじ軸を上記スラスト荷重に抗して変位させる際の作用に就いて説明する。この場合には、上記ウォーム軸が所定方向に回転する事により、一方向クラッチはロックする事なく、間筒はケーシングに固定した部分に対して回転自在である。従ってこの状態では、間筒と摩擦プレートと鍔部とはウォーム軸と共に回転し、これら各部材の存在がこのウォーム軸の回転に対して抵抗にならない。従って、このウォーム軸が所定方向に円滑に回転し、ウォームとウォームホイールとの噛合に基づいてボールナットが、所定方向に回転する。この結果、複数個のボールを介して上記ボールナットと螺合したボールねじ軸が、上記スラスト荷重に抗して軸方向に変位する。この際、ブレーキ機構の存在が、このボールねじ軸を変位させる事に対して抵抗とはならない。
【0017】
次に、上記ウォーム軸を停止させた状態では、上記スラスト荷重に基づいて上記ボールねじ軸から複数のボールを介してボールナットに加わり、更にウォームホイールとの噛合に基づいて上記ウォームに加わる力により、上記ウォーム軸が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。同時に上記間筒が、このウォーム軸と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記一方向クラッチがロックし、上記間筒がケーシングに固定した部分に対して回転しなくなる。この状態で、上記ウォーム軸を回転させる為には、上記摩擦プレートの側面と相手面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレートの側面と相手面との間の摩擦係数を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸が回転する事を防止できる。尚、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸に加わるトルクは、上記ボールねじ軸に加わるトルクに比べれば相当に小さい。従って、前述の様に、使用可能な材質で得られる摩擦係数によっても、上記逆転防止機構を特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現できる。
【0018】
更に、上記ウォーム軸を前記所定方向とは反対方向に回転させる状態では、上記ウォーム軸に、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記ウォーム軸に入力されるトルクが、上記反対方向に加わる。従ってこのウォーム軸は、上記摩擦プレートの側面と相手面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記ウォーム軸の回転に対する抵抗となるので、このウォーム軸が急激に回転する事が防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。ボールナット3bの両端部はケーシング16bの内側に、1対の転がり軸受17、17により、回転自在に支持している。即ち、上記ボールナット3bの両端部に小径の段部26、26を形成し、これら両段部26、26と上記ケーシング16bの内周面との間に上記転がり軸受17、17を設けている。これら両転がり軸受17、17のうち、一方(図1の右方)の転がり軸受17を構成する外輪27の外端面(図1の右端面)は、上記ケーシング16bの一部内側面に突き当て、他方(図1の左方)の転がり軸受17を構成する外輪27の外端面(図1の左端面)は、上記ケーシング16b内に設けた円輪板28の片側面(図1の右側面)外周寄り部分に突き当てている。
【0020】
更に、上記円輪板28の他側面(図1の左側面)内周寄り部分には、覆いチューブ29の基端縁(図1の右端縁)を突き当てている。この覆いチューブ29は、その基端部外周面に形成した雄ねじ30を上記ケーシング16bに形成したねじ孔31に螺合し、更にロックナット32を緊締する事により、このケーシング16bに固定している。この様にケーシング16bに固定した状態で上記覆いチューブ29の基端縁は、上記円輪板28を上記他方の転がり軸受17を構成する外輪27の外端面に向け押圧し、上記1対の転がり軸受17、17に所望の予圧を付与する。尚、図示の例ではこれら両転がり軸受17、17として、大きなラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な、テーパころ軸受を使用している。
【0021】
上記ボールナット3bの内側にはボールねじ軸4を挿通し、このボールねじ軸4の一部を、上記覆いチューブ29内に挿入している。そして、このボールねじ軸4の外周面に形成した断面円弧形の第一螺旋溝7と、上記ボールナット3bの内周面に形成した断面円弧形の第二螺旋溝8との間に複数のボール9、9を転動自在に設けて、上記ボールナット3bの回転に基づいて上記ボールねじ軸4を軸方向に変位自在としている。又、このボールナット3bの外周面の一部には第一平坦面12を形成し、この第一平坦面12に、それぞれが上記ボール9、9を通過させる為の、図示しない1対の送り孔の端部を開口させている。そして、これら両送り孔の端部開口同士を、循環チューブ33により連通させている。これら1対の送り孔と循環チューブ33とが、上記第二螺旋溝8の一端部にまで移動したボール9、9をこの第二螺旋溝8の他端部に戻してこれら複数のボール9、9を循環させる、循環機構を構成する。
【0022】
又、上記ボールナット3bの周囲にはウォームホイール34を、このボールナット3bと共に回転自在に設けている。このウォームホイール34は、このボールナット3bにがたつきなく外嵌自在な円筒部35と、この円筒部35の中間部外周面に一体に設けられたギヤ部36とから成る。これらボールナット3bとウォームホイール34とを同期して回転自在とする為に、このボールナット3bの一端部(図1、3の左端部)外周面には、外向フランジ状の鍔部37を形成すると共に、この鍔部37の直径方向反対側2個所位置に、1対の切り欠き38、38を形成している。又、上記ボールナット3bの外周面の直径方向反対側2個所位置で、これら1対の切り欠き38、38と整合する位置には、それぞれ凹溝39、39を、上記ボールナット3bの全長に亙って形成している。又、これら各凹溝39、39と上記各切り欠き38、38の幅とは、互いに一致させている。従って、上記各凹溝39、39の一端部(図1、3の左端部)は、上記各切り欠き38、38の奥端部と一致している。
【0023】
一方、上記ウォームホイール34の軸方向一端面(図1、3の左端面)の直径方向反対側2個所位置には、1対の突起40、40を、それぞれ上記軸方向一端面から軸方向に突出する状態で形成している。又、これら各突起40、40の内径側側面は、上記ウォームホイール34の内周面よりも直径方向内方に、少し突出している。上記各突起40、40の幅W40は、上記各凹溝39、39及び各切り欠き38、38の幅W38よりも僅かに小さく(W40<W38)して、上記各突起40、40が、上記各凹溝39、39及び各切り欠き38、38にがたつきなく係合する様にしている。
【0024】
ボールねじ式リニアアクチュエータ1bを構成すべく、上記ウォームホイール34を構成する円筒部35を上記ボールナット3bに外嵌した状態で、上記1対の突起40、40と上記1対の切り欠き38、38とが係合する。そして、上記ウォームホイール34と上記ボールナット3bとが同期して回転自在となる。これらウォームホイール34とボールナット3bとを組み合わせるのに本例の場合には、先ず、上記各突起40、40の内径側端部を上記各凹溝39、39の他端(図1、3の右端)開口部から係合させる。そして、これら各凹溝39、39に沿って上記各突起40、40を摺動させつつ、上記ウォームホイール34を上記ボールナット3bに外嵌すれば、これら各突起40、40と上記各切り欠き38、38とを容易に係合させる事ができる。
【0025】
尚、上記ウォームホイール34はボールナット3bに、所定の締め代で圧入嵌合させ、ギヤ部36と次述するウォーム5との噛合に基づいて上記ウォームホイール34に加わるスラスト荷重に拘らず、このウォームホイール34が上記ボールナット3bに対して軸方向にずれる事を防止している。但し、上記ボールナット3bの中間部外周面で上記ギヤ部36の直径方向内側に存在する部分には小径部41を形成し、上記ギヤ部36が、圧入嵌合に基づいて変形する事を防止している。
【0026】
上述の様にしてボールナット3bに外嵌固定したウォームホイール34のギヤ部36には、ウォーム5を噛合させて、減速機構2を構成している。このウォーム5をその中間部に設けた、ボールねじ式リニアアクチュエータ1bの入力軸であるウォーム軸56は、上記ウォームホイール34の中心軸に対して捩れの位置関係で配置し、アンギュラ型玉軸受、深溝型玉軸受等、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な1対の転がり軸受42a、42bにより、前記ケーシング16bの内側に、回転自在に支持している。そして、これら両転がり軸受42a、42bを構成する内輪43a、43bの互いに対向する端面のうち、一方(図2の左方)転がり軸受42aを構成する内輪43aの片端面(図2の右端面)は、上記ウォーム軸56の中間部外周面に形成した大径部44の端面に突き当てている。又、上記一方の転がり軸受42aを構成する外輪45aの反対側端面(図2の左端面)は、上記ケーシング16bの片側(図2の左側)開口部に螺着したねじ蓋46の一部に突き当てている。更に、上記ねじ蓋46の内周面と上記ウォーム軸56の端部外周面との間にはシールリング47aを設けて、上記ケーシング16b内への異物進入防止とこのケーシング16b内の潤滑油の漏洩防止とを図っている。
【0027】
一方、上記ウォーム軸56の先端部(図2の右端部)は、上記ケーシング16bの他側(図2の右側)開口部に固定した固定蓋48の内側に挿入し、上記転がり軸受42bによりこの固定蓋48の内側に回転自在に支持している。この固定蓋48は、有底円筒状のハウジング部49と、このハウジング部49の中間部外周面に固設した、外向フランジ状の取付部50とを備える。上記固定蓋48は、上記取付部50を挿通したボルト51、51により、上記ケーシング16bに対し固定している。又、上記ウォーム軸56の中間部先端寄り部分で、上記ハウジング部49の開口部内側部分には、外向フランジ状の鍔部52を形成している。そして、この鍔部52の外周面と上記ハウジング49の開口部内周面との間にシールリング47bを設けて、上記ケーシング16b内に存在する潤滑油が上記ハウジング部49内に入り込む事を防止している。
【0028】
そして、上記シールリング47bにより上記ケーシング16b内と仕切られた、上記ハウジング部49内に、逆転防止機構62を設けている。この逆転防止機構62は、上記鍔部52と、円筒状の間筒53と、一方向クラッチであるローラクラッチ54と、円輪状の摩擦プレート55と、スラスト荷重を支承する軸受である前記転がり軸受42bとを備える。上記間筒53の内径は、上記ウォーム軸56の先端部の外径よりも少し大きくしている。この様な間筒53は、上記ローラクラッチ54により上記ウォーム軸56の先端部周囲に、このウォーム軸56に対する相対回転自在に支持している。
【0029】
又、上記ローラクラッチ54は、外輪57と図示しない保持器と複数本のローラ58とを備え、この外輪57の内周面に形成したカム面と、この保持器に設けたばね片との作用に基づき、上記間筒53が所定方向に回転する事のみを許容する。尚、この様なローラクラッチの構造及び作用は、従来から周知であるので、詳しい説明は省略する。上記間筒53は、この様なローラクラッチ54により上記ウォーム軸56の先端部周囲に、このウォーム軸56と同心に支持している。即ち、上記ローラクラッチ54は、上記間筒53の外周面と上記ハウジング部49の内周面との間に設けている。この様なローラクラッチ54の装着方向は、次の様に規制している。即ち、前記ボールねじ軸4を、このボールねじ軸4に加わるスラスト荷重に抗して軸方向に変位させるべく、上記ウォーム軸56を回転させ、上記間筒53がこのウォーム軸56と連れ回りした場合には、上記ローラクラッチ54がロックせず、上記間筒53が軽い力で回転する様にしている。これに対し、上記スラスト荷重に基づいて上記ボールねじ軸4が軸方向に変位する傾向になり、このボールねじ軸4と前記ボールナット3bとの係合、並びに前記ウォーム5とウォームホイール34との係合に基づいて上記ウォーム軸56が回転する傾向になった場合には、上記ローラクラッチ54がロックし、上記間筒53の回転を阻止する様にしている。
【0030】
又、前記摩擦プレート55は、上記間筒53の軸方向一端面(図2の左端面)と前記鍔部52との間に設けている。更に、前記転がり軸受42bは、上記間筒53の軸方向他端面(図2の右端面)と上記ハウジング部49の奥端部との間に設けて、上記ウォーム軸56から上記間筒53に加わるスラスト荷重を支承する。この為に、上記転がり軸受42bを構成する内輪43bを上記ウォーム軸56の先端部に、滑り軸受59を介して外嵌すると共に、この内輪43bの端面に上記間筒53の軸方向他端面を突き当てている。又、上記転がり軸受42bを構成する外輪45bの軸方向端面(図2の右端面)を、上記ハウジング部49の奥端面に突き当てている。更に、図示の例では、前記転がり軸受42aを構成する内輪43aと前記大径部44の外周面に止着した止め輪60との間に圧縮ばね61を設けて、上記ウォーム軸56に、上記摩擦プレート55を前記鍔部52と上記間筒53との間で挟持する方向の弾力を付与している。
【0031】
上述の様に構成する本例のボールねじ式リニアアクチュエータ1bの使用時、前記ボールねじ軸4を、このボールねじ軸4に加わるスラスト荷重に抗して軸方向に変位させるには、図示しない電動モータに通電し、或はやはり図示しないハンドルを手で回転させて、上記ウォーム軸56を所定方向に回転させる。そして、このウォーム軸56の中間部に設けたウォーム5を介して、前記ウォームホイール34を所望方向に回転させる。この際、上記ローラクラッチ54はロックせず、上記間筒53は上記ハウジング部49の内側で軽い力で回転する。従って、逆転防止機構62の存在に基づき、上記ウォーム軸56を回転させる為に要する力が大きくなる事はない。
【0032】
上記ウォーム軸56の回転に基づく、上記ウォームホイール34の回転は、前記1対ずつの突起40、40と切り欠き38、38との係合部によりボールナット3bに伝わり、このボールナット3bが上記所望方向に回転する。この結果、このボールナット3bと複数のボール9、9を介して螺合したボールねじ軸4が軸方向に変位する。本例のボールねじ式リニアアクチュエータ1bの場合には、上記1対ずつの突起40、40と切り欠き38、38との係合部が、上記ウォームホイール34及びボールナット3bの端部に存在する為、これら両部材34、3bを組み合わせた部分の長さ並びに直径を小さくできる。そして、小型且つ軽量なボールねじ式リニアアクチュエータ1bを実現できる。
【0033】
次に、上記ウォーム軸56を停止させた状態では、このウォーム軸56が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。即ち、この状態では、上記ボールねじ軸4に加わるスラスト荷重に基づいて、このボールねじ軸4から前記複数のボール9、9を介して前記ボールナット3bに加わり、更に上記ウォームホイール34との噛合に基づいて前記ウォーム5に加わる力により、上記ウォーム軸56が上記所定方向とは反対方向に回転する傾向となる。これと同時に、前記摩擦プレート55を介して前記鍔部52に対向した前記間筒53が、上記ウォーム軸56と同方向に回転する傾向となる。この結果、前記ローラクラッチ54がロックし、上記間筒53が前記ハウジング部49の内側で回転しなくなる。
【0034】
この様に上記間筒53が回転しなくなった状態で、上記ウォーム軸56を回転させる為には、上記摩擦プレート55の側面と、相手面である上記鍔部52の側面又は上記間筒53の端面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレート55の側面と、上記鍔部52の側面又は上記間筒53の端面との間の摩擦係数を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸56が回転する事を防止できる。しかも、本例のボールねじ式リニアアクチュエータ1bの場合には、逆転防止機構62をウォーム軸56部分に組み付けている。一方、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸56に加わるトルクは、(ウォーム式の減速機構2の逆効率が低い分)上記ボールねじ軸4に加わるトルクに比べれば相当に小さい。従って、使用可能な材質で得られる摩擦係数によっても、上記逆転防止機構62を特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現できる。
【0035】
更に、上記ボールねじ軸4を、このボールねじ軸4に加わるスラスト荷重の作用方向に変位させるべく、上記ウォーム軸56を前記所定方向とは反対方向に回転させると、このウォーム軸56に、上記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、このウォーム軸56に入力されるトルクが、上記反対方向に加わる。従ってこのウォーム軸56は、上記摩擦プレート55の側面と、上記鍔部52の側面又は上記間筒53の端面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩擦力が上記ウォーム軸56の回転に対する抵抗となるので、このウォーム軸56が急激に回転する事が防止される。
【0036】
次に、上記摩擦プレート55の側面と相手面との間の摩擦係数並びに前記圧縮ばね61の弾力の設定方法に就いて、図4により説明する。尚、以下の説明は、上記相手面が上記間筒53の端面である場合に就いて説明する。この場合に、上記摩擦プレート55の他面と上記鍔部52の側面とは、接着等により滑らない様にして、上記摩擦プレート55の側面と相手面との摩擦状態を安定させる。又、以下の説明で使用する符号の意味は、それぞれ次の通りである。
F : ボールねじ軸4に加わるスラスト荷重
f : 上記Fに基づいてウォーム軸56に加わるスラスト荷重
P : 前記圧縮ばね61によりウォーム軸56に加わるスラスト荷重
W : ウォーム軸56に加わる全スラスト荷重(=f+P)
R : ウォームホイール34のピッチ円の半径
μ : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との間の摩擦係数
r : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との接触部の平均直径
L : ボールねじのリード
T : スラスト荷重Fに対してウォーム軸56に加わえるべき、正方向の作動トルク
T´: スラスト荷重Fに基づいてウォーム軸56に加わる、逆方向の作動トルク
B : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との間の摩擦に基づいてウォーム軸56に加わるブレーキトルク
η : ボールねじの伝達効率(正逆方向とも同じとする)
ηA : ウォーム5とウォームホイール34との噛合部の正方向の伝達効率
ηB : ウォーム5とウォームホイール34との噛合部の逆方向の伝達効率
G : ウォーム軸56とウォームホイール34との間のギア比
【0037】
2・π・f・R=L・F・η
であり、
W=f+P=(L・F・η)/(2・π・R)+P
であり、
B =μ・W・r=μ・{(L・F・η)/(2・π・R)+P}・r
であり、
2・π・T・G・η・ηA =L・F
であり、
T=L・F/(2・π・G・η・ηA
であり、
2・π・T´・G=L・F・η・ηB
であり、
T´=L・F・η・ηB /(2・π・G)
である。
【0038】
又、逆転防止の為、即ち、上記スラスト荷重Fに基づいて前記ウォーム軸56が回転するのを防止する為には、TB >T´である必要がある。又、正転時、即ち、電動モータ等により上記ウォーム軸56に加えたトルクに基づいて前記ボールねじ軸4を軸方向に変位させる際に、このウォーム軸56に加えるべきトルクTは、上記ブレーキトルクTB と逆方向の作動トルクT´との差(TB −T´)以上である事が好ましい。この理由は、上記ウォーム軸56を回転させる為に要するトルクが必要以上に大きくなる事を防止する為である。即ち、前記ボールねじ軸4を上記スラスト荷重Fの作用方向に変位させる際には、上記ウォーム軸56に、上記ブレーキトルクTB と逆方向の作動トルクT´との差(TB −T´)以上のトルクを加える必要がある。このトルクが、上記正転時に上記ウォーム軸56に加えるべきトルクTよりも大きくなると、大きくなった分、逆転時にこのウォーム軸56を回転させる為に必要とするトルクが大きくなり、電動モータ等を徒に大型化する為である。特に、上記スラスト荷重Fが大きい場合には、この無駄が大きくなる。
【0039】
以上の事をまとめれば、上記スラスト荷重Fに基づいて上記ボールねじ軸4が変位する事を確実に防止し、且つ、このボールねじ軸4を変位させる為に上記ウォーム軸56に加えるべきトルクが徒に大きくなる事を防止する為には、
T≧(TB −T´)>0
なる条件を満たす必要がある。
この式に、T、TB 、T´を表した前記各式を代入し、辺々を整理すると、
[(L・F)・{1/(η・ηA )+η・ηB }/(2・π・G)]/[{(L・F・η)/(2・π・R)+P}・r]≧μ>{(L・F・η・ηB )/(2・π・G)}/[{(L・F・η)/(2・π・R)+P}・r]
となり、特に、前記圧縮ばね61を設けず、従ってP=0の場合には、
R・{1/(η・ηA )+η・ηB }/(r・η・G)≧μ>(R・ηB )/(r・G)
となる。
【0040】
本発明を実施する場合に一般的なボールねじ式リニアアクチュエータ1bの大きさとして、例えば、L=10mm、R=40mm、G=15、r=10mm、η=0.8、ηA =0.655、ηB =0.49程度の値が考えられる。この場合に、上記P=0とすると、
0.767≧μ>0.131
となる。
前記摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との摩擦面の摩擦係数μは、初期には十分にこの値の範囲に収まる。但し、この摩擦係数は長期間に亙る使用に伴って次第に低下し、0.1程度にまでなる可能性がある。そこで、長期間に亙る使用によっても逆転防止を確実に図る為には、前記圧縮ばね61を設けたり、或は前記各転がり軸受42a、42bに予圧を付与して、上記摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との摩擦面の当接圧を高める。例えば、上記圧縮ばね61或は予圧に基づき、この摩擦面に8kgf のスラスト荷重Pを加えれば、スラスト荷重Fが1000kgf の場合で
0.61≧μ>0.104
となり、100kgf の場合で
0.218≧μ>0.037
となる。この値は、長期間に亙る使用を十分に可能にする値である。即ち、上記摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との摩擦面の摩擦係数μは、0.1〜0.22程度であるから、スラスト荷重Fが1トン程度までならば、スラスト荷重Pが8kgf 程度の弾力を有する圧縮ばね61を組み込む事により、十分に実用的なボールねじ式リニアアクチュエータ1bを実現できる。尚、上記スラスト荷重Fが1トン以上の場合には、上記スラスト荷重Pを大きくする事により、対応する事ができる。スラスト荷重Pを大きくする変更は、上記圧縮ばね61のばね圧を大きくする事により行なえる。
【0041】
次に、図5は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例に組み込む逆転防止機構62cでは、一方向クラッチであるローラクラッチ54は、間筒53の内周面とウォーム軸56の端部外周面との間に設けている。この間筒53は、ケーシング16bに固定した固定蓋48の内側に、この固定蓋48に対する回転自在に、緩く内嵌している。又、スラスト玉軸受64を、上記間筒53の軸方向一端面(図5の左端面)と上記ウォーム軸56の中間部外周面に設けた鍔部52との間に設けている。更に、摩擦プレート55は、上記間筒53の軸方向他端面(図5の右端面)と上記固定蓋48の奥端面との間に設けている。尚、図示の例では、この奥端面と上記摩擦プレート55との間に、間座63aを設けている。この間座63aは、上記固定蓋48に内嵌固定して、この固定蓋48に対し回転する事はない。又、上記ローラクラッチ54を構成する外輪57は、上記間筒53に圧入して、この間筒53に対する相対回転を不能にしている。
【0042】
上述の様に構成する本例の構造の場合には、ボールねじ軸4をスラスト荷重に抗して変位させるべく、上記ウォーム軸56を回転駆動する場合には、上記ローラクラッチ54はロックしない。この結果、このローラクラッチ54の内側でこのウォーム軸56が軽い力で回転する。これに対して、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸56が回転する傾向になった場合には、上記ローラクラッチ54がロックすると共に、このウォーム軸56が上記間筒53に向け押し付けられる。この結果、上記間筒53がこのウォーム軸56と共に回転し、この間筒53の端面と上記摩擦プレート55の側面との間に作用する摩擦力が、上記ウォーム軸56を回転させる事に対する抵抗になる。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型且つ軽量で、しかも大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発揮するボールねじ式リニアアクチュエータの実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例の全体構成を示す断面図。
【図2】 図1の拡大A−A断面図。
【図3】 第1例の構造に組み込むボールナットとウォームホイールとを、一部を省略して示す分解斜視図。
【図4】 摩擦係数の設定方法を説明する為の、図2の上部に相当する図。
【図5】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【図6】 従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図7】 従来構造の第1例に組み込むボールナットとウォームホイールとを、一部を省略して示す分解斜視図。
【図8】 従来構造の第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b ボールねじ式リニアアクチュエータ
2 減速機構
3、3a、3b ボールナット
4 ボールねじ軸
5 ウォーム
6 ウォームホイール
7 第一螺旋溝
8 第二螺旋溝
9 ボール
10 内側円筒部
11 外側円筒部
12 第一平坦面
13 第二平坦面
14 突壁
15 第三平坦面
16、16a、16b ケーシング
17 転がり軸受
18 回転軸
19 ボールねじ部
20 出力軸
21 ローラクラッチ
22 間筒
23 滑り軸受
24 間座
25 摩擦プレート
26 段部
27 外輪
28 円輪板
29 覆いチューブ
30 雄ねじ
31 ねじ孔
32 ロックナット
33 循環チューブ
34 ウォームホイール
35 円筒部
36 ギヤ部
37 鍔部
38 切り欠き
39 凹溝
40 突起
41 小径部
42a、42b 転がり軸受
43a、43b 内輪
44 大径部
45a、45b 外輪
46 ねじ蓋
47a、47b シールリング
48 固定蓋
49 ハウジング部
50 取付部
51 ボルト
52 鍔部
53 間筒
54 ローラクラッチ
55 摩擦プレート
56 ウォーム軸
57 外輪
58 ローラ
59 滑り軸受
60 止め輪
61 圧縮ばね
62、62c 逆転防止機構
63、63a 間座
64 スラスト玉軸受

Claims (2)

  1. ケーシングと、外周面に断面円弧形の第一螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に軸方向に亙る変位自在に支持されたボールねじ軸と、内周面に断面円弧形の第二螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に回転自在に支持されたボールナットと、上記第一螺旋溝と上記第二螺旋溝との間に転動自在に設けられた複数のボールと、上記ボールナットと同心に設けられてこのボールナットと共に回転するウォームホイールと、上記ボールねじ軸に対して捩りの位置に配置されて上記ハウジングの内側に回転自在に支持されたウォーム軸と、このウォーム軸に固設されて上記ウォームホイールと噛合するウォームとを備え、上記ボールねじ軸に一方向のスラスト荷重が加わる状態で使用するボールねじ式リニアアクチュエータに於いて、上記ケーシングと上記ウォーム軸との間に、上記ウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外周面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つこのウォーム軸と共に回転自在に設けられて、このウォーム軸に加わる上記スラスト荷重を受ける鍔部と、このウォーム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自在として支持された間筒と、この間筒の外周面と上記ケーシングに固定した部分の内周面との間に設けられた一方向クラッチと、上記間筒の軸方向一端面と上記鍔部との間に設けられた摩擦プレートと、この間筒の軸方向他端面と上記ケーシングに固定した部分との間に設けられて、上記ウォーム軸から間筒に加わる上記スラスト荷重を支承する軸受とを備え、このスラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸に加わるトルクに抗してこのウォーム軸を回転させる際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗にならず、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸が回転する際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗になる、逆転防止機構を設けた事を特徴とするボールねじ式リニアアクチュエータ。
  2. ケーシングと、外周面に断面円弧形の第一螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に軸方向に亙る変位自在に支持されたボールねじ軸と、内周面に断面円弧形の第二螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に回転自在に支持されたボールナットと、上記第一螺旋溝と上記第二螺旋溝との間に転動自在に設けられた複数のボールと、上記ボールナットと同心に設けられてこのボールナットと共に回転するウォームホイールと、上記ボールねじ軸に対して捩りの位置に配置されて上記ハウジングの内側に回転自在に支持されたウォーム軸と、このウォーム軸に固設されて上記ウォームホイールと噛合するウォームとを備え、上記ボールねじ軸に一方向のスラスト荷重が加わる状態で使用するボールねじ式リニアアクチュエータに於いて、上記ケーシングと上記ウォーム軸との間に、このウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外周面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つこのウォーム軸と共に回転自在に設けられて、このウォーム軸に加わる上記スラスト荷重を受ける鍔部と、このウォーム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自在として支持された間筒と、この間筒の内周面とこのウォーム軸の外周面との間に設けられた一方向クラッチと、この間筒の軸方向一端面と上記鍔部との間に設けられて上記スラスト荷重を受ける軸受と、この間筒の軸方向他端面と上記ケーシングに固定した部分との間に設けられた摩擦プレートとを備え、上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸に加わるトルクに抗してこのウォーム軸を回転させる際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗にならず、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸が回転する際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗になる、逆転防止機構を設けた事を特徴とするボールねじ式リニアアクチュエータ。
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