JPH1169709A - ボールねじ式リニアアクチュエータ - Google Patents

ボールねじ式リニアアクチュエータ

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JPH1169709A
JPH1169709A JP22508197A JP22508197A JPH1169709A JP H1169709 A JPH1169709 A JP H1169709A JP 22508197 A JP22508197 A JP 22508197A JP 22508197 A JP22508197 A JP 22508197A JP H1169709 A JPH1169709 A JP H1169709A
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shaft
worm shaft
thrust load
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幹雄 山口
Hironobu Shiono
浩信 塩野
Masaaki Watanabe
公明 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量に構成でき、ボールねじ軸4に
大きなスラスト荷重が加わった場合にも、このボールね
じ軸4が不用意に変位しない構造を得る。 【解決手段】 ウォーム軸56を回転させ、ウォーム5
と噛合したウォームホイール34と共に回転するボール
ナット3bを介して上記ボールねじ軸4を変位させる。
固定蓋48に設けたハウジング部49の内周面と上記ウ
ォーム軸56の端部外周面との間に、逆転防止機構62
を設ける。スラスト荷重により上記ウォーム軸56が回
転する傾向の場合には、ローラクラッチ54がロック
し、上記ウォーム軸56が回転する事に対する抵抗を生
じる。上記ウォーム軸56を回転させ、上記スラスト荷
重に抗して上記ボールねじ軸4を変位させる際には、上
記ローラクラッチ54がロックしない。従って、間筒5
3はウォーム軸56と共に回転し抵抗とはならない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るボールねじ式
リニアアクチュエータは、重量物を持ち上げる為のジャ
ッキとして、或は各種機械装置に組み込んで小さな入力
トルクから大きな直線運動方向の出力を得る動力変換装
置として、それぞれ利用できる。
【0002】
【従来の技術】ジャッキ等として使用できるボールねじ
式リニアアクチュエータとして従来から、例えば実開昭
63−53058号公報等に記載されたものが知られて
いる。図7〜8は、この公報に記載された構造とは若干
異なるが、従来から使用されているボールねじ式リニア
アクチュエータの要部を示している。このボールねじ式
リニアアクチュエータ1は、図示しない電動モータによ
り減速機構2を介してボールナット3を回転駆動し、こ
のボールナット3の回転をボールねじ軸4の直線運動に
変換するものである。
【0003】上記減速機構2は、回転方向の変換自在な
図示しない電動モータにより回転駆動される、ウォーム
軸である入力軸に固定したウォーム5と、このウォーム
5と噛合したウォームホイール6とから成る。又、上記
ボールねじ軸4の外周面には、断面円弧形の第一螺旋溝
7を、上記ボールナット3の内周面には、やはり断面円
弧形の第二螺旋溝8を、それぞれ形成している。そし
て、これら第一螺旋溝7と第二螺旋溝8との間に複数の
ボール9、9を転動自在に設けて、上記ボールナット3
の回転を上記ボールねじ軸4の直線運動に変換する為の
ボールねじ機構を構成している。尚、ボールねじ式リニ
アアクチュエータ1の使用時には、上記ボールねじ軸4
の端部は非駆動部に結合する為、このボールねじ軸4が
回転する事はない。
【0004】又、上記ボールナット3の一部外周面に形
成した第一平坦面12には、それぞれが上記ボール9、
9を通過させる為の、1対の送り孔の端部を開口させて
いる。そして、これら両送り孔の端部開口同士を循環チ
ューブ(開口と共に図示省略)により連通させて、上記
第二螺旋溝8の一端部にまで移動したボール9、9をこ
の第二螺旋溝8の他端部に戻し、これら複数のボール
9、9を循環させる為の循環機構を構成している。
【0005】上記ボールナット3とウォームホイール6
とは、互いの相対回転を不能として、軸方向に亙り互い
に同心に結合している。即ち、上記ボールナット3の一
端部(図7〜8の右端部)に内側円筒部10を、上記ウ
ォームホイール6の一端部(図7〜8の左端部)に外側
円筒部11を、それぞれ形成し、この外側円筒部11に
上記内側円筒部10を、がたつきなく内嵌している。
又、上記ボールナット3の外周面で、上記内側円筒部1
0よりも軸方向中央寄り部分には、互いに平行な1対の
第二平坦面13、13を形成している。一方、上記ウォ
ームホイール6の一端面(図7〜8の左端面)には1対
の突壁14、14を形成し、これら両突壁14、14の
内周側面を、互いに平行な1対の第三平坦面15、15
としている。これら第三平坦面15、15同士の間隔
は、上記第二平坦面13、13同士の間隔と同じか僅か
に大きくしている。従って、上記内側、外側両円筒部1
0、11同士を嵌合させた状態でこれら第二、第三平坦
面13、15同士が係合し、上記ボールナット3とウォ
ームホイール6との相対回転を不能にする。上述の様に
組み合わされたボールナット3とウォームホイール6と
は、ケーシング16の内側に、1対の転がり軸受17、
17により、回転自在に支承している。
【0006】上述の様に構成されるボールねじ式リニア
アクチュエータ1の使用時には、電動モータを回転させ
る事により、前記ウォーム5を介して上記ウォームホイ
ール6及びボールナット3を所望方向に回転させる。こ
の結果、このボールナット3と複数のボール9、9を介
して螺合したボールねじ軸4が軸方向に変位する。
【0007】上述の様に構成し作用するボールねじ式リ
ニアアクチュエータ1の場合、ウォーム5とウォームホ
イール6とから成る減速機構2として、動力の伝達方向
に可逆性を有するものを使用する場合が多い。この理由
は、上記ウォーム5のリード角を大きくし、このウォー
ム5の回転速度が比較的低速の場合にも、必要とする動
作速度(ボールねじ軸4が軸方向に変位する速度)を確
保する為である。一方、上記減速機構2として、動力の
伝達方向に可逆性を有するものを使用した場合には、上
記ウォーム5を固設した入力軸に力を加えない場合にも
上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1がスラスト荷
重に基づいて伸縮しない様にする為のブレーキ機構を付
設する必要がある。
【0008】この様なブレーキ機構をボールねじ式リニ
アアクチュエータ1に組み込む為、従来一般的には、上
記入力軸を回転駆動する為の電動モータとして、ブレー
キ付のものを使用していた。ところが、ブレーキ付の電
動モータは、一般的な電動モータに比べて高価(2.5
倍程度)で、しかも設置スペースが嵩む(容積比で1.
5倍程度)為、より小型で安価な構造の実現が望まれて
いる。
【0009】この様な目的を達成する為の構造として、
特開平8−322189号公報には、図9に示す様な構
造を有するボールねじ式リニアアクチュエータ1aが記
載されている。このボールねじ式リニアアクチュエータ
1aを伸縮させる際には、電動モータにより回転軸18
を、減速機構2を介して回転させ、この回転軸18のボ
ールねじ部19と螺合したボールナット3aを介して出
力軸20を変位させる。図9に示したボールねじ式リニ
アアクチュエータ1aは、上記出力軸20に圧縮方向
(図9の左方向)のスラスト荷重が加わる状態で使用す
るものである。
【0010】上記電動モータへの非通電時にも上記ボー
ルねじ式リニアアクチュエータ1aが上記スラスト荷重
に基づいて収縮する事を防止する為のブレーキ機構を構
成する為、ケーシング16aの内周面と上記回転軸18
の外周面との間に、ローラクラッチ21と間筒22と滑
り軸受23とを設けている。又、上記回転軸18と共に
回転する間座24と上記間筒22の端面との間に、摩擦
プレート25を設けている。上記間筒22に加わる圧縮
方向のスラスト荷重は、深溝型玉軸受等の転がり軸受が
支承する。このスラスト荷重により、上記ボールねじ部
19とボールナット3aとの螺合部の働きにより、上記
回転軸18が回転する傾向の場合には、上記ローラクラ
ッチ21がロックする。この状態では、上記間筒22の
端面と上記間座24との間に挟持した上記摩擦プレート
25に作用する摩擦力に基づき、上記回転軸18の回転
を阻止し、上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1a
が上記スラスト荷重により収縮するのを阻止する。これ
に対して、上記ボールねじ式リニアアクチュエータ1a
を伸長させるべく、上記電動モータにより上記回転軸1
8を回転させ、上記スラスト荷重に抗して上記出力軸2
0を変位させる際には、上記ローラクラッチ21がロッ
クしない。従って、上記電動モータにより上記回転軸1
8を回転させる際に上記間筒22は、回転軸18と共に
回転し、この回転軸18を回転させる事に対する抵抗と
はならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来構造
の場合、ボールねじ部19とボールナット3aとの螺合
部の働きにより回転軸18に加わるトルクが、そのまま
摩擦プレート25と相手面との間に加わる。上記トルク
は、ボールねじ式リニアアクチュエータ1aに加わるス
ラスト荷重に比例して大きくなる。従って、図9に示し
た従来構造の場合には、大きなスラスト荷重が加わる部
分に使用する事は難しい。即ち、図9に示した従来構造
で、大きなスラスト荷重に拘らずボールねじ式リニアア
クチュエータ1aが収縮するのを確実に防止する為に
は、上記摩擦プレート25と相手面との摩擦係数を大き
くするか、これら摩擦プレート25と相手面との有効摩
擦面の半径を大きくする必要がある。摩擦係数を大きく
する事は、使用可能な材質の面から難しく、有効摩擦面
の半径を大きくする事は、ボールねじ式リニアアクチュ
エータの大型化に結び付く為、好ましくない。本発明の
ボールねじ式リニアアクチュエータは、上述の様な事情
に鑑み、使用可能な材質で得られる摩擦係数によって
も、特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対し
ても十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現すべく、
発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のボールねじ式リ
ニアアクチュエータは、従来から知られている一般的な
ボールねじ式リニアアクチュエータと同様に、ケーシン
グと、外周面に断面円弧形の第一螺旋溝を有し、上記ケ
ーシングの内側に軸方向に亙る変位自在に支持されたボ
ールねじ軸と、内周面に断面円弧形の第二螺旋溝を有
し、上記ケーシングの内側に回転自在に支持されたボー
ルナットと、上記第一螺旋溝と上記第二螺旋溝との間に
転動自在に設けられた複数のボールと、上記ボールナッ
トと同心に設けられてこのボールナットと共に回転する
ウォームホイールと、上記ボールねじ軸に対して捩りの
位置に配置されて上記ハウジングの内側に回転自在に支
持されたウォーム軸と、このウォーム軸に固設されて上
記ウォームホイールと噛合するウォームとを備え、上記
ボールねじ軸にスラスト荷重が加わる状態で使用する。
【0013】特に、本発明のボールねじ式リニアアクチ
ュエータに於いては、上記ケーシングと上記ウォーム軸
との間に、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸
に加わるトルクに抗してこのウォーム軸を回転させる際
に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗になら
ず、上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸が回転
する際に、このウォーム軸が回転する事に対する抵抗に
なる、逆転防止機構を設けている。
【0014】上記逆転防止機構としては、例えば次の
又はの様な構造を採用する。 鍔部と、間筒と、一方向クラッチと、摩擦プレート
と、スラスト荷重を支承する軸受とを備える。このうち
の鍔部は、上記ウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外
周面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つ上記ウ
ォーム軸と共に回転自在に設けられて、このウォーム軸
に加わるスラスト荷重を受ける。又、上記間筒は、上記
ウォーム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自
在として支持する。又、上記一方向クラッチは、上記間
筒の外周面と上記ケーシングに固定した部分の内周面と
の間に設ける。又、上記摩擦プレートは、上記間筒の軸
方向一端面と上記鍔部との間に設ける。更に、上記軸受
は、上記間筒の軸方向他端面と上記ケーシングに固定し
た部分との間に設けて、上記ウォーム軸から間筒に加わ
るスラスト荷重を支承する。 鍔部と、間筒と、一方向クラッチと、スラスト荷重
を受ける軸受と、摩擦プレートとを備える。このうちの
鍔部は、上記ウォーム軸の一部にこのウォーム軸の外周
面よりも直径方向外方に突出する状態で、且つ上記ウォ
ーム軸と共に回転自在に設けて、このウォーム軸に加わ
るスラスト荷重を受ける。又、上記間筒は、上記ウォー
ム軸の周囲に、このウォーム軸に対する回転を自在とし
て支持する。又、上記一方向クラッチは、上記間筒の内
周面と上記ウォーム軸の外周面との間に設ける。又、上
記スラスト軸受は、上記間筒の軸方向一端面と上記鍔部
との間に設ける。更に、上記摩擦プレートは、上記間筒
の軸方向他端面と上記ケーシングに固定した部分との間
に設ける。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明のボールねじ式リニ
アアクチュエータは、ボールねじ軸に対してスラスト荷
重が加わる状態で使用する。本発明のボールねじ式リニ
アアクチュエータは、直接スラスト荷重を受けるボール
ねじ軸に加わるトルクよりも小さなトルクを受けるウォ
ーム軸に逆転防止機構を組み付けている為、使用可能な
材質で得られる摩擦係数によっても、上記逆転防止機構
を特に大型化する事なく、大きなスラスト荷重に対して
も十分なブレーキ性能を発揮する構造を実現できる。
【0016】例えば、前述のの逆転防止機構を組み込
んだボールねじ式リニアアクチュエータは、次の様に作
用する事により、ウォーム軸に付与された回転力の方向
に基づいて、上記ボールねじ軸を軸方向に変位させる。
先ず、上記ウォーム軸を所定方向に回転させ、上記ボー
ルねじ軸を上記スラスト荷重に抗して変位させる際の作
用に就いて説明する。この場合には、上記ウォーム軸が
所定方向に回転する事により、一方向クラッチはロック
する事なく、間筒はケーシングに固定した部分に対して
回転自在である。従ってこの状態では、間筒と摩擦プレ
ートと鍔部とはウォーム軸と共に回転し、これら各部材
の存在がこのウォーム軸の回転に対して抵抗にならな
い。従って、このウォーム軸が所定方向に円滑に回転
し、ウォームとウォームホイールとの噛合に基づいてボ
ールナットが、所定方向に回転する。この結果、複数個
のボールを介して上記ボールナットと螺合したボールね
じ軸が、上記スラスト荷重に抗して軸方向に変位する。
この際、ブレーキ機構の存在が、上記ボールねじ軸を変
位させる事に対して抵抗とはならない。
【0017】次に、上記ウォーム軸を停止させた状態で
は、上記スラスト荷重に基づいてボールねじ軸から複数
のボールを介してボールナットに加わり、更にウォーム
ホイールとの噛合に基づいて上記ウォームに加わる力に
より、上記ウォーム軸が上記所定方向とは反対方向に回
転する傾向となる。同時に上記間筒が、このウォーム軸
と同方向に回転する傾向となる。この結果、上記一方向
クラッチがロックし、上記間筒がケーシングに固定した
部分に対して回転しなくなる。この状態で、上記ウォー
ム軸を回転させる為には、上記摩擦プレートの側面と相
手面とを滑らせる必要がある。従って、これら摩擦プレ
ートの側面と相手面との間の摩擦係数を設計的に定めら
れる所望値に規制する事により、上記スラスト荷重に基
づいて上記ウォーム軸が回転する事を防止できる。尚、
上記スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸に加わるト
ルクは、上記ボールねじ軸に加わるトルクに比べれば相
当に小さい。従って、前述の様に、使用可能な材質で得
られる摩擦係数によっても、上記逆転防止機構を特に大
型化する事なく、大きなスラスト荷重に対しても十分な
ブレーキ性能を発揮する構造を実現できる。
【0018】更に、上記ウォーム軸を前記所定方向とは
反対方向に回転させた状態では、上記ウォーム軸に、上
記スラスト荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記
ウォーム軸に入力されるトルクが、上記反対方向に加わ
る。従って上記ウォーム軸は、上記摩擦プレートの側面
と相手面との間に作用する摩擦力に抗して回転する。こ
の際、この摩擦力が上記ウォーム軸の回転に対する抵抗
となるので、このウォーム軸が急激に回転する事が防止
される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。ボールナット3bの両端部はケ
ーシング16bの内側に、1対の転がり軸受17、17
により、回転自在に支持している。即ち、上記ボールナ
ット3bの両端部に小径の段部26、26を形成し、こ
れら両段部26、26と上記ケーシング16bの内周面
との間に上記転がり軸受17、17を設けている。これ
ら両転がり軸受17、17のうち、一方(図1の右方)
の転がり軸受17を構成する外輪27の外端面(図1の
右端面)は、上記ケーシング16bの一部内側面に突き
当て、他方(図1の左方)の転がり軸受17を構成する
外輪27の外端面(図1の左端面)は、上記ケーシング
16b内に設けた円輪板28の片側面(図1の右側面)
外周寄り部分に突き当てている。
【0020】更に、上記円輪板28の他側面(図1の左
側面)内周寄り部分には、覆いチューブ29の基端縁
(図1の右端縁)を突き当てている。この覆いチューブ
29は、その基端部外周面に形成した雄ねじ30を上記
ケーシング16bに形成したねじ孔31に螺合し、更に
ロックナット32を緊締する事により、上記ケーシング
16bに固定している。この様にケーシング16bに固
定した状態で上記覆いチューブ29の基端縁は、上記円
輪板28を上記他方の転がり軸受17を構成する外輪2
7の外端面に向け押圧し、上記1対の転がり軸受17、
17に所望の予圧を付与する。尚、図示の例ではこの転
がり軸受17、17として、大きなラジアル荷重及びス
ラスト荷重を支承自在な、テーパころ軸受を使用してい
る。
【0021】上記ボールナット3bの内側にはボールね
じ軸4を挿通し、このボールねじ軸4の一部を、上記覆
いチューブ29内に挿入している。そして、このボール
ねじ軸4の外周面に形成した断面円弧形の第一螺旋溝7
と、上記ボールナット3bの内周面に形成した断面円弧
形の第二螺旋溝8との間に複数のボール9、9を転動自
在に設けて、上記ボールナット3bの回転に基づいて上
記ボールねじ軸4を軸方向に変位自在としている。又、
上記ボールナット3bの外周面の一部には第一平坦面1
2を形成し、この第一の平坦面12に、それぞれが上記
ボール9、9を通過させる為の、図示しない1対の送り
孔の端部を開口させている。そして、これら両送り孔の
端部開口同士を、循環チューブ33により連通させてい
る。これら1対の送り孔と循環チューブ33とが、上記
第二螺旋溝8の一端部にまで移動したボール9、9をこ
の第二螺旋溝8の他端部に戻してこれら複数のボール
9、9を循環させる、循環機構を構成する。
【0022】又、上記ボールナット3bの周囲にはウォ
ームホイール34を、このボールナット3bと共に回転
自在に設けている。このウォームホイール34は、上記
ボールナット3bにがたつきなく外嵌自在な円筒部35
と、この円筒部35の中間部外周面に一体に設けられた
ギヤ部36とから成る。これらボールナット3bとウォ
ームホイール34とを同期して回転自在とする為に、上
記ボールナット3bの一端部(図1、3の左端部)外周
面には、外向フランジ状の鍔部37を形成すると共に、
この鍔部37の直径方向反対側2個所位置に、1対の切
り欠き38、38を形成している。又、上記ボールナッ
ト3bの外周面の直径方向反対側2個所位置で、これら
1対の切り欠き38、38と整合する位置には、それぞ
れ凹溝39、39を、上記ボールナット3bの全長に亙
って形成している。又、これら各凹溝39、39と上記
各切り欠き38、38の幅とは、互いに一致させてい
る。従って、上記各凹溝39、39の一端部(図1、3
の左端部)は、上記各切り欠き38、38の奥端部と一
致している。
【0023】一方、上記ウォームホイール34の軸方向
一端面(図1、3の左端面)の直径方向反対側2個所位
置には、1対の突起40、40を、それぞれ上記軸方向
一端面から軸方向に突出する状態で形成している。又、
これら各突起40、40の内径側側面は、上記ウォーム
ホイール34の内周面よりも直径方向内方に、少し突出
している。これら各突起40、40の幅W40は、上記各
凹溝39、39及び各切り欠き38、38の幅W38より
も僅かに小さく(W40<W38)して、これら各突起4
0、40が、上記各凹溝39、39及び各切り欠き3
8、38にがたつきなく係合する様にしている。
【0024】ボールねじ式リニアアクチュエータ1bを
構成すべく、上記ウォームホイール34を構成する円筒
部35を上記ボールナット3bに外嵌した状態で、上記
1対の突起40、40と上記1対の切り欠き38、38
とが係合する。そして、上記ウォームホイール34と上
記ボールナット3bとが同期して回転自在となる。これ
らウォームホイール34とボールナット3bとを組み合
わせるのに本例の場合には、先ず、上記各突起40、4
0の内径側端部を上記各凹溝39、39の他端(図1、
3の右端)開口部から係合させる。そして、これら各凹
溝39、39に沿って上記各突起40、40を摺動させ
つつ、上記ウォームホイール34を上記ボールナット3
bに外嵌すれば、上記各突起40、40と上記各切り欠
き38、38とを容易に係合させる事ができる。
【0025】尚、上記ウォームホイール34はボールナ
ット3bに、所定の締め代で圧入嵌合させ、ギヤ部36
と次述するウォーム5との噛合に基づいて上記ウォーム
ホイール34に加わるスラスト荷重に拘らず、このウォ
ームホイール34が上記ボールナット3bに対して軸方
向にずれる事を防止している。但し、上記ボールナット
3bの中間部外周面で上記ギヤ部36の直径方向内側に
存在する部分には小径部41を形成し、上記ギヤ部36
が、圧入嵌合に基づいて変形する事を防止している。
【0026】上述の様にしてボールナット3bに外嵌固
定したウォームホイール34のギヤ部36には、ウォー
ム5を噛合させて、減速機構2を構成している。このウ
ォーム5をその中間部に設けた、ボールねじ式リニアア
クチュエータ1bの入力軸であるウォーム軸56は、上
記ウォームホイール34の中心軸に対して捩れの位置関
係で配置し、アンギュラ型玉軸受、深溝型玉軸受等、ラ
ジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な1対の転がり
軸受42a、42bにより、前記ケーシング16bの内
側に、回転自在に支持している。そして、これら両転が
り軸受42a、42bを構成する内輪43a、43bの
互いに対向する端面のうち、一方(図2の左方)転がり
軸受42aを構成する内輪43aの片端面(図2の右端
面)は、上記ウォーム軸56の中間部外周面に形成した
大径部44の端面に突き当てている。又、上記一方の転
がり軸受42aを構成する外輪45aの反対側端面(図
2の左端面)は、上記ケーシング16bの片側(図2の
左側)開口部に螺着したねじ蓋46の一部に突き当てて
いる。更に、上記ねじ蓋46の内周面と上記ウォーム軸
56の端部外周面との間にはシールリング47aを設け
て、上記ケーシング16b内への異物進入防止とこのケ
ーシング16b内の潤滑油の漏洩防止とを図っている。
【0027】一方、上記ウォーム軸56の先端部(図2
の右端部)は、上記ケーシング16bの他側(図2の右
側)開口部に固定した固定蓋48の内側に挿入し、上記
転がり軸受42bによりこの固定蓋48の内側に回転自
在に支持している。この固定蓋48は、有底円筒状のハ
ウジング部49と、このハウジング部49の中間部外周
面に固設した、外向フランジ状の取付部50とを備え
る。上記固定蓋48は、上記取付部50を挿通したボル
ト51、51により、上記ケーシング16bに対し固定
している。又、上記ウォーム軸56の中間部先端寄り部
分で、上記ハウジング部49の開口部内側部分には、外
向フランジ状の鍔部52を形成している。そして、この
鍔部52の外周面と上記ハウジング49の開口部内周面
との間にシールリング47bを設けて、上記ケーシング
16b内に存在する潤滑油が上記ハウジング部49内に
入り込む事を防止している。
【0028】そして、上記シールリング47bにより上
記ケーシング16b内と仕切られた、上記ハウジング部
49内に、逆転防止機構62を設けている。この逆転防
止機構62は、上記鍔部52と、円筒状の間筒53と、
一方向クラッチであるローラクラッチ54と、円輪状の
摩擦プレート55と、スラスト荷重を支承する軸受であ
る前記転がり軸受42bとを備える。上記間筒53の内
径は、上記ウォーム軸56の先端部の外径よりも少し大
きくしている。この様な間筒53は、上記ローラクラッ
チ54により上記ウォーム軸56の先端部周囲に、この
ウォーム軸56に対する相対回転自在に支持している。
【0029】又、上記ローラクラッチ54は、外輪57
と図示しない保持器と複数本のローラ58とを備え、上
記外輪57の内周面に形成したカム面と、上記保持器に
設けたばね片との作用に基づき、上記間筒53が所定方
向に回転する事のみを許容する。尚、この様なローラク
ラッチの構造及び作用は、従来から周知であるので、詳
しい説明は省略する。上記間筒53は、この様なローラ
クラッチ54により上記ウォーム軸56の先端部周囲
に、このウォーム軸56と同心に支持している。即ち、
上記ローラクラッチ54は、上記間筒53の外周面と上
記ハウジング部49の内周面との間に設けている。この
様なローラクラッチ54の装着方向は、次の様に規制し
ている。即ち、前記ボールねじ軸4を、このボールねじ
軸4に加わるスラスト荷重に抗して軸方向に変位させる
べく、上記ウォーム軸56を回転させ、上記間筒53が
このウォーム軸56と連れ回りした場合には、上記ロー
ラクラッチ54がロックせず、上記間筒53が軽い力で
回転する様にしている。これに対し、上記スラスト荷重
に基づいて上記ボールねじ軸4が軸方向に変位する傾向
になり、このボールねじ軸4と前記ボールナット3bと
の係合、並びに前記ウォーム5とウォームホイール34
との係合に基づいて上記ウォーム軸56が回転する傾向
になった場合には、上記ローラクラッチ54がロック
し、上記間筒53の回転を阻止する様にしている。
【0030】又、前記摩擦プレート55は、上記間筒5
3の軸方向一端面(図2の左端面)と前記鍔部52との
間に設けている。更に、前記転がり軸受42bは、上記
間筒53の軸方向他端面(図2の右端面)と上記ハウジ
ング部49の奥端部との間に設けて、上記ウォーム軸5
6から上記間筒53に加わるスラスト荷重を支承する。
この為に、上記転がり軸受42bを構成する内輪43b
を上記ウォーム軸56の先端部に、滑り軸受59を介し
て外嵌すると共に、上記内輪43bの端面に上記間筒5
3の軸方向他端面を突き当てている。又、上記転がり軸
受42bを構成する外輪45bの軸方向端面(図2の右
端面)を、上記ハウジング部49の奥端面に突き当てて
いる。更に、図示の例では、前記転がり軸受42aを構
成する内輪43aと前記大径部44の外周面に止着した
止め輪60との間に圧縮ばね61を設けて、上記ウォー
ム軸56に、上記摩擦プレート55を前記鍔部52と上
記間筒53との間で挟持する方向の弾力を付与してい
る。
【0031】上述の様に構成する本発明のボールねじ式
リニアアクチュエータ1bの使用時、前記ボールねじ軸
4を、このボールねじ軸4に加わるスラスト荷重に抗し
て軸方向に変位させるには、図示しない電動モータに通
電し、或はやはり図示しないハンドルを手で回転させ
て、上記ウォーム軸56を所定方向に回転させる。そし
て、このウォーム軸56の中間部に設けたウォーム5を
介して、前記ウォームホイール34を所望方向に回転さ
せる。この際、上記ローラクラッチ54はロックせず、
上記間筒53は上記ハウジング部49の内側で軽い力で
回転する。従って、逆転防止機構62の存在に基づき、
上記ウォーム軸56を回転させる為に要する力が大きく
なる事はない。
【0032】上記ウォーム軸56の回転に基づく、上記
ウォームホイール34の回転は、前記1対ずつの突起4
0、40と切り欠き38、38との係合部によりボール
ナット3bに伝わり、このボールナット3bが上記所望
方向に回転する。この結果、このボールナット3bと複
数のボール9、9を介して螺合したボールねじ軸4が軸
方向に変位する。本例のボールねじ式リニアアクチュエ
ータ1bの場合には、上記1対ずつの突起40、40と
切り欠き38、38との係合部が、上記ウォームホイー
ル34及びボールナット3bの端部に存在する為、これ
ら両部材34、3bを組み合わせた部分の長さ並びに直
径を小さくできる。そして、小型且つ軽量なボールねじ
式リニアアクチュエータ1bを実現できる。
【0033】次に、上記ウォーム軸56を停止させた状
態では、このウォーム軸56が上記所定方向とは反対方
向に回転する傾向となる。即ち、この状態では、上記ボ
ールねじ軸4に加わるスラスト荷重に基づいて、このボ
ールねじ軸4から前記複数のボール9、9を介して前記
ボールナット3bに加わり、更に上記ウォームホイール
34との噛合に基づいて前記ウォーム5に加わる力によ
り、上記ウォーム軸56が上記所定方向とは反対方向に
回転する傾向となる。これと同時に、前記摩擦プレート
55を介して前記鍔部52に対向した前記間筒53が、
上記ウォーム軸56と同方向に回転する傾向となる。こ
の結果、前記ローラクラッチ54がロックし、上記間筒
53が前記ハウジング部49の内側で回転しなくなる。
【0034】この様に上記間筒53が回転しなくなった
状態で、上記ウォーム軸56を回転させる為には、上記
摩擦プレート55の側面と、相手面である上記鍔部52
の側面又は上記間筒53の端面とを滑らせる必要があ
る。従って、これら摩擦プレート55の側面と、上記鍔
部52の側面又は上記間筒53の端面との間の摩擦係数
を設計的に定められる所望値に規制する事により、上記
スラスト荷重に基づいて上記ウォーム軸56が回転する
事を防止できる。しかも、本発明のボールねじ式リニア
アクチュエータ1bの場合には、逆転防止機構62をウ
ォーム軸56部分に組み付けている。一方、上記スラス
ト荷重に基づいて上記ウォーム軸56に加わるトルク
は、(ウォーム式の減速機構2の逆効率が低い分)上記
ボールねじ軸4に加わるトルクに比べれば相当に小さ
い。従って、使用可能な材質で得られる摩擦係数によっ
ても、上記逆転防止機構62を特に大型化する事なく、
大きなスラスト荷重に対しても十分なブレーキ性能を発
揮する構造を実現できる。
【0035】更に、上記ボールねじ軸4を、このボール
ねじ軸4に加わるスラスト荷重の作用方向に変位させる
べく、上記ウォーム軸56を前記所定方向とは反対方向
に回転させると、上記ウォーム軸56に、上記スラスト
荷重に基づいて加わるトルクに加えて、上記ウォーム軸
56に入力されるトルクが、上記反対方向に加わる。従
って上記ウォーム軸56は、上記摩擦プレート55の側
面と、上記鍔部52の側面又は上記間筒53の端面との
間に作用する摩擦力に抗して回転する。この際、この摩
擦力が上記ウォーム軸56の回転に対する抵抗となるの
で、このウォーム軸56が急激に回転する事が防止され
る。
【0036】次に、上記摩擦プレート55の側面と相手
面との間の摩擦係数並びに前記圧縮ばね61の弾力の設
定方法に就いて、図4により説明する。尚、以下の説明
は、上記相手面が上記間筒53の端面である場合に就い
て説明する。この場合に、上記摩擦プレート55の他面
と上記鍔部52の側面とは、接着等により滑らない様に
して、上記摩擦プレート55の側面と相手面との摩擦状
態を安定させる。又、以下の説明で使用する符号の意味
は、それぞれ次の通りである。 F : ボールねじ軸4に加わるスラスト荷重 f : 上記Fに基づいてウォーム軸56に加わるスラ
スト荷重 P : 前記圧縮ばね61によりウォーム軸56に加わ
るスラスト荷重 W : ウォーム軸56に加わる全スラスト荷重(=f
+P) R : ウォームホイール34のピッチ円の半径 μ : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との
間の摩擦係数 r : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との
接触部の平均直径 L : ボールねじのリード T : スラスト荷重Fに対してウォーム軸56に加わ
えるべき、正方向の作動トルク T´: スラスト荷重Fに基づいてウォーム軸56に加
わる、逆方向の作動トルク TB : 摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との
間の摩擦に基づいてウォーム軸56に加わるブレーキト
ルク η : ボールねじの伝達効率(正逆方向とも同じとす
る) ηA : ウォーム5とウォームホイール34との噛合部
の正方向の伝達効率 ηB : ウォーム5とウォームホイール34との噛合部
の逆方向の伝達効率 G : ウォーム軸56とウォームホイール34との間
のギア比
【0037】2・π・f・R=L・F・η であり、 W=f+P=(L・F・η)/(2・π・R)+P であり、 TB =μ・W・r=μ・{(L・F・η)/(2・π・
R)+P}・r であり、 2・π・T・G・η・ηA =L・F であり、 T=L・F/(2・π・G・η・ηA ) であり、 2・π・T´・G=L・F・η・ηB であり、 T´=L・F・η・ηB /(2・π・G) である。
【0038】又、逆転防止の為、即ち、上記スラスト荷
重Fに基づいて前記ウォーム軸56が回転するのを防止
する為には、TB >T´である必要がある。又、正転
時、即ち、電動モータ等により上記ウォーム軸56に加
えたトルクに基づいて前記ボールねじ軸4を軸方向に変
位させる際に、上記ウォーム軸56に加えるべきトルク
Tは、上記ブレーキトルクTB と逆方向の作動トルクT
´との差(TB −T´)以上である事が好ましい。この
理由は、上記ウォーム軸56を回転させる為に要するト
ルクが必要以上に大きくなる事を防止する為である。即
ち、前記ボールねじ軸4を上記スラスト荷重Fの作用方
向に変位させる際には、上記ウォーム軸56に、上記ブ
レーキトルクTB と逆方向の作動トルクT´との差(T
B −T´)以上のトルクを加える必要がある。このトル
クが、上記正転時に上記ウォーム軸56に加えるべきト
ルクTよりも大きくなると、大きくなった分、逆転時に
ウォーム軸56を回転させる為に必要とするトルクが大
きくなり、電動モータ等を徒に大型化する為である。特
に、上記スラスト荷重Fが大きい場合には、この無駄が
大きくなる。
【0039】以上の事をまとめれば、上記スラスト荷重
Fに基づいて上記ボールねじ軸4が変位する事を確実に
防止し、且つ、このボールねじ軸4を変位させる為に上
記ウォーム軸56に加えるべきトルクが徒に大きくなる
事を防止する為には、 T≧(TB −T´)>0 なる条件を満たす必要がある。この式に、T、TB 、T
´を表した前記各式を代入し、辺々を整理すると、 [(L・F)・{1/(η・ηA )+η・ηB }/(2
・π・G)]/[{(L・F・η)/(2・π・R)+
P}・r]≧μ>{(L・F・η・ηB )/(2・π・
G)}/[{(L・F・η)/(2・π・R)+P}・
r] となり、特に、前記圧縮ばね61を設けず、従ってP=
0の場合には、 R・{1/(η・ηA )+η・ηB }/(r・η・G)
≧μ>(R・ηB )/(r・G) となる。
【0040】本発明を実施する場合に一般的なボールね
じ式リニアアクチュエータ1bの大きさとして、例え
ば、L=10mm、R=40mm、G=15、r=10mm、
η=0.8、ηA =0.655、ηB =0.49程度の
値が考えられる。この場合に、上記P=0とすると、 0.767≧μ>0.131 となる。前記摩擦プレート55の側面と間筒53の端面
との摩擦面の摩擦係数μは、初期には十分にこの値の範
囲に収まる。但し、この摩擦係数は長期間に亙る使用に
伴って次第に低下し、0.1程度にまでなる可能性があ
る。そこで、長期間に亙る使用によっても逆転防止を確
実に図る為には、前記圧縮ばね61を設けたり、或は前
記各転がり軸受42a、42bに予圧を付与して、上記
摩擦プレート55の側面と間筒53の端面との摩擦面の
当接圧を高める。例えば、上記圧縮ばね61或は予圧に
基づき、この摩擦面に8kgf のスラスト荷重Pを加えれ
ば、スラスト荷重Fが1000kgf の場合で 0.61≧μ>0.104 となり、100kgf の場合で 0.218≧μ>0.037 となる。この値は、長期間に亙る使用を十分に可能にす
る値である。即ち、上記摩擦プレート55の側面と間筒
53の端面との摩擦面の摩擦係数μは、0.1〜0.2
2程度であるから、スラスト荷重Fが1トン程度までな
らば、スラスト荷重Pが8kgf 程度の弾力を有する圧縮
ばね61を組み込む事により、十分に実用的なボールね
じ式リニアアクチュエータ1bを実現できる。尚、上記
スラスト荷重Fが1トン以上の場合には、上記スラスト
荷重Pを大きくする事により、対応する事ができる。ス
ラスト荷重Pを大きくする変更は、上記圧縮ばね61の
ばね圧を大きくする事により行なえる。
【0041】次に、図5は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例は、ボールねじ軸4に加わるスラ
スト荷重の方向が一定しない状態で使用されるボールね
じ式リニアアクチュエータに、本発明を適用した状態を
示している。この為に本例の場合には、ウォーム軸56
の両端部に1対の逆転防止機構62a、62bを、この
ウォーム軸56の中間部に設けたウォーム5を境に対称
に設けている。即ち、ケーシング16bに螺合固定した
ねじ蓋46aにハウジング部49aを設け、このハウジ
ング部49a内に一方(図5の左方)の逆転防止機構6
2aを設けると共に、固定蓋48のハウジング部49内
に、他方の逆転防止機構62bを設けている。これら各
逆転防止機構62a、62bの構成自体は、前述した第
1例に組み込んだ逆転防止機構62と同様である。但
し、本例の場合には、単一の圧縮ばね61により双方の
逆転防止機構62a、62bに予圧付与を行なうべく、
上記圧縮ばね61を、上記ウォーム軸56側に止着した
止め輪60と、このウォーム軸56の外周面にスプライ
ン係合させた間座63との間に配置している。そして、
一方(図5の左方)の逆転防止機構62aを構成する摩
擦プレート55を、上記間座63の片側面(図5の左側
面)と間筒53の端面との間で挟持している。
【0042】そして、上記スラスト荷重に基づいて上記
ウォーム軸56が何れの方向に回転しようとした場合に
は、何れか一方の逆転防止機構62a(又は62b)を
構成する間筒53がローラクラッチ54によりハウジン
グ部49a(又は49)に対し回転不能にされ、他方の
逆転防止機構62b(又は62a)を構成する間筒63
はハウジング部49(又は49a)に対し回転自在とな
る様に、上記両逆転防止機構62a、62bの設置方向
を規制している。従って、上記ウォーム軸56が何れの
方向に回転しようとする場合でも、何れか一方の逆転防
止機構62a(又は62b)が上記ウォーム軸56の回
転に対する抵抗力を生じさせて、上記スラスト荷重に基
づいて前記ボールねじ軸4が軸方向に変位する事を防止
する。
【0043】次に、図6は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例に組み込む逆転防止機構62cで
は、一方向クラッチであるローラクラッチ54は、間筒
53の内周面とウォーム軸56の端部外周面との間に設
けている。この間筒53は、ケーシング16bに固定し
た固定蓋48の内側に、この固定蓋48に対する回転自
在に、緩く内嵌している。又、スラスト玉軸受64を、
上記間筒53の軸方向一端面(図6の左端面)と上記ウ
ォーム軸56の中間部外周面に設けた鍔部52との間に
設けている。更に、摩擦プレート55は、上記間筒53
の軸方向他端面(図6の右端面)と上記固定蓋48の奥
端面との間に設けている。尚、図示の例では、この奥端
面と上記摩擦プレート55との間に、間座63aを設け
ている。この間座63aは、上記固定蓋48に内嵌固定
して、この固定蓋48に対し回転する事はない。又、上
記ローラクラッチ54を構成する外輪57は、上記間筒
53に圧入して、この間筒53に対する相対回転を不能
にしている。
【0044】上述の様に構成する本例の構造の場合に
は、ボールねじ軸4をスラスト荷重に抗して変位させる
べく、上記ウォーム軸56を回転駆動する場合には、上
記ローラクラッチ54はロックしない。この結果、この
ローラクラッチ54の内側で上記ウォーム軸56が軽い
力で回転する。これに対して、上記スラスト荷重に基づ
いて上記ウォーム軸56が回転する傾向になった場合に
は、上記ローラクラッチ54がロックすると共に、上記
ウォーム軸56が上記間筒53に向け押し付けられる。
この結果、上記間筒53が上記ウォーム軸56と共に回
転し、この間筒53の端面と上記摩擦プレート55の側
面との間に作用する摩擦力が、上記ウォーム軸56を回
転させる事に対する抵抗になる。その他の構成及び作用
は、前述した第1例の場合と同様である。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型且つ軽量で、しかも大きなスラスト荷
重に対しても十分なブレーキ性能を発揮するボールねじ
式リニアアクチュエータの実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例の全体構成を示す
断面図。
【図2】図1の拡大A−A断面図。
【図3】第1例の構造に組み込むボールナットとウォー
ムホイールとを、一部を省略して示す分解斜視図。
【図4】摩擦係数の設定方法を説明する為の、図2の上
部に相当する図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図6】同第3例を示す、図2と同様の図。
【図7】従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図8】従来構造の第1例に組み込むボールナットとウ
ォームホイールとを、一部を省略して示す分解斜視図。
【図9】従来構造の第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b ボールねじ式リニアアクチュエータ 2 減速機構 3、3a、3b ボールナット 4 ボールねじ軸 5 ウォーム 6 ウォームホイール 7 第一螺旋溝 8 第二螺旋溝 9 ボール 10 内側円筒部 11 外側円筒部 12 第一平坦面 13 第二平坦面 14 突壁 15 第三平坦面 16、16a、16b ケーシング 17 転がり軸受 18 回転軸 19 ボールねじ部 20 出力軸 21 ローラクラッチ 22 間筒 23 滑り軸受 24 間座 25 摩擦プレート 26 段部 27 外輪 28 円輪板 29 覆いチューブ 30 雄ねじ 31 ねじ孔 32 ロックナット 33 循環チューブ 34 ウォームホイール 35 円筒部 36 ギヤ部 37 鍔部 38 切り欠き 39 凹溝 40 突起 41 小径部 42a、42b 転がり軸受 43a、43b 内輪 44 大径部 45a、45b 外輪 46、46a ねじ蓋 47a、47b シールリング 48 固定蓋 49、49a ハウジング部 50 取付部 51 ボルト 52 鍔部 53 間筒 54 ローラクラッチ 55 摩擦プレート 56 ウォーム軸 57 外輪 58 ローラ 59 滑り軸受 60 止め輪 61 圧縮ばね 62、62a、62b、62c 逆転防止機構 63、63a 間座 64 スラスト玉軸受

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、外周面に断面円弧形の第
    一螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に軸方向に亙る
    変位自在に支持されたボールねじ軸と、内周面に断面円
    弧形の第二螺旋溝を有し、上記ケーシングの内側に回転
    自在に支持されたボールナットと、上記第一螺旋溝と上
    記第二螺旋溝との間に転動自在に設けられた複数のボー
    ルと、上記ボールナットと同心に設けられてこのボール
    ナットと共に回転するウォームホイールと、上記ボール
    ねじ軸に対して捩りの位置に配置されて上記ハウジング
    の内側に回転自在に支持されたウォーム軸と、このウォ
    ーム軸に固設されて上記ウォームホイールと噛合するウ
    ォームとを備え、上記ボールねじ軸にスラスト荷重が加
    わる状態で使用するボールねじ式リニアアクチュエータ
    に於いて、上記ケーシングと上記ウォーム軸との間に、
    上記スラスト荷重に基づいてこのウォーム軸に加わるト
    ルクに抗してこのウォーム軸を回転させる際に、このウ
    ォーム軸が回転する事に対する抵抗にならず、上記スラ
    スト荷重に基づいてこのウォーム軸が回転する際に、こ
    のウォーム軸が回転する事に対する抵抗になる、逆転防
    止機構を設けた事を特徴とするボールねじ式リニアアク
    チュエータ。
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