JP2007032703A - 電動リニアアクチュエータ - Google Patents

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Takahide Saito
隆英 齋藤
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Abstract

【課題】
出力軸からの逆入力を瞬時に遮断し、応答性と信頼性を向上させた電動リニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】
電動モータ3と、これに減速機5を介して並設されたボールねじ機構4を備え、ねじ軸13と同軸上に出力軸6が連結されてリニアクラッチ7が配設され、このリニアクラッチ7が、ねじ軸13に連設された保持部19と、出力軸6の外周から傾斜して軸方向に対向する一対の係合面27、28と、出力軸6が嵌挿するガイド管21の内周面29と、これらで形成される楔形空間31に収容された複列の係合子25、26とを備え、出力軸6にピン挿入孔32が穿設され、これに係合する伝達ピン20を介して出力軸6と保持部19が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、弾性部材30によって複列の係合子25、26を離反する方向に付勢して楔形空間31に係合させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の駆動部に使用される電動リニアアクチュエータ、特に電動モータの回転を、ボールねじ機構を介して直線運動に変換して用いる電動リニアアクチュエータに関するものである。
自動車等の車両の各種駆動部に使用される電動リニアアクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を軸方向の直線運動に変換する機構として、台形ねじあるいはラックアンドピニオン等の歯車機構が一般的に使用されている。これらの変換機構は、滑り接触部を伴うため動力損失が大きく、電動モータの大型化や消費電力の増大を余儀なくされている。そのため、より効率的なアクチュエータとしてボールねじ機構が採用されるようになってきた。
しかしながら、後輪操舵機構や動力伝達制御用摩擦クラッチ機構にボールねじを適用した場合、台形ねじ等による変換機構では外部から軸方向荷重が負荷されても、電動モータに逆入力トルクが発生しないのに対し、このボールねじでは作動の方向によらず、高効率であるが故に、軸方向荷重に対する保持トルクが電動モータに発生する恐れがあり、電動モータの発熱や消費電力の増大等の新たな問題が生じている。
こうした問題点を解決したものとして、本出願人は、図6に示すような電動リニアアクチュエータを提案している。この電動リニアアクチュエータ51は、ハウジング52に取付けられた電動モータ53と、この電動モータ53のモータ軸53aに固設された平歯車54と、この平歯車54の歯54aに噛合する歯55aが形成されたフランジ55を一体に有するナット56と、このナット56に多数のボール57を介して内挿されたねじ軸58と、このねじ軸58の一端部に連結されたリニアクラッチ59とを備えている。
ナット56は、一対の転がり軸受60、61を介してハウジング52に対して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支承され、内周には螺旋状のねじ溝56aが形成されている。一方、ねじ軸58の外周にはこのねじ溝56aに対応する螺旋状のねじ溝58aが形成され、軸方向移動自在に、かつ回転不可に支承されている。そして、これらのねじ溝56a、58a間に多数のボール57を転動自在に収容してボールねじ機構を構成している。電動モータ53に通電すると、モータ軸53aの回転に伴って平歯車54を介してナット56が回転し、このナット56の回転によりねじ軸58が軸方向(図中左右方向)に移動される。すなわち、このボールねじ機構により、モータ軸53aの回転運動がねじ軸58の軸方向運動に変換される。
ねじ軸58の一端部には伝達ピン62を介してリニアクラッチ59が連結されている。このリニアクラッチ59は、ハウジング52bに嵌合され、円筒状の内周面63aを有する外輪63と、ねじ軸58の一端部に形成された円筒状の保持部64と、この保持部64にスライド自在に内挿された出力軸65とを備えている。この出力軸65の外周には径方向内方に傾斜する一対の係合面65a、65a形成され、この一対の係合面65a、65aと、外輪63の内周面63aとの間に環状の楔形空間67が形成され、この楔形空間67に複数の係合子(ボール)66が収容されている。なお、保持部64にはポケット64aが穿設され、このポケット64a内に弾性部材68を介して複数の係合子66が円周等配に、かつ軸方向の中立位置に保持されている。
また、出力軸65は、ねじ軸58の一端部に形成された保持部64に内挿され、保持部64と出力軸65の径方向に貫通して挿入された伝達ピン62によって両者が連結されている。なお、出力軸65には、この伝達ピン62の外径よりも所定の寸法だけ大径になるようピン挿入孔69が形成され、ねじ軸58に対してこの出力軸65は軸方向に所定量相対移動することができる。
ここで、ねじ軸58の保持部64に固定された伝達ピン62は、出力軸65のピン挿入孔69に所定の軸方向すきまを介して挿入されているため、ねじ軸58が、例えば、図中右方向に移動すると、伝達ピン62がピン挿入孔69に接触してねじ軸58と一体に出力軸65を同方向に移動させる。この時、保持部64のポケット64a内に収容された係合子66は、弾性部材68によって楔形空間67における中立位置を保持した状態で出力軸65と共に移動し、係合面65aに係合することはないので、出力軸65の軸方向の移動を阻害することはない。
一方、出力軸65に外部から、例えば、図中右方向からの荷重が負荷された場合、出力軸65はねじ軸58に対して図中左方向に移動しようとするが、出力軸65の係合面65aに係合子66が接触して楔形空間67に係合する。これにより、出力軸65の軸方向の移動は阻止され、ボールねじ機構を介して電動モータ53に逆入力トルクが発生するのを防止する。したがって、電動モータ53への衝撃を緩和すると共に、電動モータ53の発熱や消費電力の増大等が生じるのを防止することができる。
特開2005−83474号公報
しかしながら、こうした従来の電動リニアアクチュエータ51において、中立位置の状態では、係合子66と環状の楔形空間67との間にはガタがあり、出力軸65の軸方向の動きに対して瞬時に係合子66が楔形空間67に係合することができない。したがって、出力軸65の軸方向の移動と共にねじ軸58が同方向に移動し、このねじ軸58の軸方向の移動に伴ってナット56が回転する恐れがある。この場合、電動モータ53への衝撃を確実に緩和することができないばかりでなく、係合子66と環状の楔形空間67との間のガタにより、係合面65aに微動摩耗を発生させると共に、電動リニアアクチュエータ51の振動・騒音を誘発する恐れがあった。
本発明は、こうした従来の課題を解消し、出力軸からの逆入力を瞬時に遮断し、応答性と信頼性を向上させた電動リニアアクチュエータを提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、ハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータのモータ軸に平行に配設され、前記ハウジングに対して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支持されたナット、およびこのナットに多数のボールを介して内挿され、回転不可に、かつ軸方向移動自在に支持されたねじ軸を有し、前記電動モータの回転運動を軸方向運動に変換するボールねじ機構と、このボールねじ機構のナットと前記モータ軸との間に配設された減速機とを備え、前記ねじ軸と同軸上に出力軸が連結され、この出力軸の連結部近傍にリニアクラッチが配設されている電動リニアアクチュエータにおいて、前記リニアクラッチが、前記ねじ軸に連設された中空状の保持部と、この保持部に前記出力軸の端部が内挿され、この端部外周に形成され、径方向内方に傾斜して軸方向に対向する一対の係合面と、前記ハウジングに突設され、前記出力軸がスライド自在に嵌挿するガイド管の内周面と、この内周面と前記一対の係合面との間に形成される環状の楔形空間と、この楔形空間に収容された複列の係合子とを備え、前記出力軸の端部外周に穿設されたピン挿入孔と、前記保持部に突設された伝達ピンとが係合し、この伝達ピンを介して前記出力軸と保持部が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、前記保持部の円周等配位置にポケットが形成され、このポケット内に前記複列の係合子と、これら複列の係合子間に介装された弾性部材が保持され、この弾性部材によって前記複列の係合子を互いに離反する方向に付勢し、当該複列の係合子を前記楔形空間に係合させた。
このように、ハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータのモータ軸に平行に配設され、ハウジングに対して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支持されたナット、およびこのナットに多数のボールを介して内挿され、回転不可に、かつ軸方向移動自在に支持されたねじ軸を有し、電動モータの回転運動を軸方向運動に変換するボールねじ機構と、このボールねじ機構のナットとモータ軸との間に配設された減速機とを備え、ねじ軸と同軸上に出力軸が連結され、この出力軸の連結部近傍にリニアクラッチが配設されている電動リニアアクチュエータにおいて、リニアクラッチが、ねじ軸に連設された中空状の保持部と、この保持部に出力軸の端部が内挿され、この端部外周に形成され、径方向内方に傾斜して軸方向に対向する一対の係合面と、ハウジングに突設され、出力軸がスライド自在に嵌挿するガイド管の内周面と、この内周面と一対の係合面との間に形成される環状の楔形空間と、この楔形空間に収容された複列の係合子とを備え、出力軸の端部外周に穿設されたピン挿入孔と、保持部に突設された伝達ピンとが係合し、この伝達ピンを介して出力軸と保持部が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、保持部の円周等配位置にポケットが形成され、このポケット内に複列の係合子と、これら複列の係合子間に介装された弾性部材が保持され、この弾性部材によって複列の係合子を互いに離反する方向に付勢し、複列の係合子を楔形空間に係合させたので、このリニアクラッチによって出力軸からの逆入力を瞬時に遮断して電動モータへの衝撃を緩和すると共に、電動モータの発熱や消費電力の増大等が生じるのを防止し、応答性と信頼性を向上させた電動リニアアクチュエータを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ポケットと複列の係合子との軸方向すきまが、前記伝達ピンとピン挿入孔との軸方向すきまよりも小さく設定されていれば、ねじ軸が軸方向に移動した場合、ポケットの壁面に移動方向後側の係合子が当接し、この係合子が出力軸の係合面から離反してクラッチが解除されると共に、ねじ軸の移動に伴い伝達ピンがピン挿入孔に接触し、この伝達ピンを介してねじ軸と入力軸が共に一体に移動することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記出力軸に大径部が形成され、この大径部によって前記ガイド管に対して前記出力軸がスライド自在に支持されると共に、この大径部に環状溝が形成され、この環状溝に弾性リングが装着されていれば、ガイド管に対して出力軸がスムーズにスライドできると共に、リニアクラッチの内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等がリニアクラッチの内部に侵入するのを防止することができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記ナットが一対の転がり軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支承されると共に、前記一対の転がり軸受のうち少なくとも一方の転がり軸受がアンギュラ玉軸受で構成されていれば、負荷容量が大きく、また、角振れを小さく抑制することができるため、ナットの振動を抑制して電動リニアアクチュエータの振動や騒音の発生を抑えることができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記減速機が、前記モータ軸の端部に設けられたピニオンと、前記ナットに外嵌された出力ギアと、この出力ギアと前記ピニオンにそれぞれ平歯同士で噛合するアイドルギアとで構成されていれば、出力ギアの外径を大きくすることなくスペースを有効利用して大きな減速比が得られると共に、出力軸に負荷される軸力がナットに負荷されてもこの減速機で緩衝し、直接電動モータに逆入力されるのを確実に防止することができる。
本発明に係る電動リニアアクチュエータは、ハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータのモータ軸に平行に配設され、前記ハウジングに対して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支持されたナット、およびこのナットに多数のボールを介して内挿され、回転不可に、かつ軸方向移動自在に支持されたねじ軸を有し、前記電動モータの回転運動を軸方向運動に変換するボールねじ機構と、このボールねじ機構のナットと前記モータ軸との間に配設された減速機とを備え、前記ねじ軸と同軸上に出力軸が連結され、この出力軸の連結部近傍にリニアクラッチが配設されている電動リニアアクチュエータにおいて、前記リニアクラッチが、前記ねじ軸に連設された中空状の保持部と、この保持部に前記出力軸の端部が内挿され、この端部外周に形成され、径方向内方に傾斜して軸方向に対向する一対の係合面と、前記ハウジングに突設され、前記出力軸がスライド自在に嵌挿するガイド管の内周面と、この内周面と前記一対の係合面との間に形成される環状の楔形空間と、この楔形空間に収容された複列の係合子とを備え、前記出力軸の端部外周に穿設されたピン挿入孔と、前記保持部に突設された伝達ピンとが係合し、この伝達ピンを介して前記出力軸と保持部が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、前記保持部の円周等配位置にポケットが形成され、このポケット内に前記複列の係合子と、これら複列の係合子間に介装された弾性部材が保持され、この弾性部材によって前記複列の係合子を互いに離反する方向に付勢し、当該複列の係合子を前記楔形空間に係合させたので、このリニアクラッチによって出力軸からの逆入力を瞬時に遮断して電動モータへの衝撃を緩和すると共に、電動モータの発熱や消費電力の増大等が生じるのを防止し、応答性と信頼性を向上させた電動リニアアクチュエータを提供することができる。
ハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータのモータ軸に平行に配設され、一対の転がり軸受を介して前記ハウジングに回転自在に、かつ軸方向移動不可に支持されたナット、およびこのナットに多数のボールを介して内挿され、回転不可に、かつ軸方向移動自在に支持されたねじ軸を有し、前記電動モータの回転運動を軸方向運動に変換するボールねじ機構と、このボールねじ機構のナットと前記モータ軸との間に配設された減速機とを備え、前記ねじ軸と同軸上に出力軸が連結され、この出力軸の連結部近傍にリニアクラッチが配設されている電動リニアアクチュエータにおいて、前記リニアクラッチが、前記ねじ軸に連設された中空状の保持部と、この保持部に前記出力軸の端部が内挿され、この端部外周に形成され、径方向内方に傾斜して軸方向に対向する一対の係合面と、前記ハウジングに突設され、前記出力軸がスライド自在に嵌挿するガイド管の内周面と、この内周面と前記一対の係合面との間に形成される環状の楔形空間と、この楔形空間に収容された複列の係合子とを備え、前記出力軸の端部外周に穿設されたピン挿入孔と、前記保持部に突設された伝達ピンとが係合し、この伝達ピンを介して前記出力軸と保持部が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、前記保持部の円周等配位置にポケットが形成され、このポケット内に前記複列の係合子と、これら複列の係合子間に介装された弾性部材が保持され、この弾性部材によって前記複列の係合子を互いに離反する方向に付勢し、当該複列の係合子を前記楔形空間に係合させた。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電動リニアアクチュエータの一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2のIII−III線に沿った横断面図である。
この電動リニアアクチュエータ1は、ハウジング2に取付けられた電動モータ3と、この電動モータ3のモータ軸3aに平行に配設されたボールねじ機構4と、このボールねじ機構4と電動モータ3間に介装された減速機5と、ボールねじ機構4に延設された出力軸6と、この出力軸6とボールねじ機構4との連結部に配設されたリニアクラッチ7とを備えている。
減速機5は、電動モータ3のモータ軸3aに設けられたピニオン8と、このピニオン8の平歯8aに噛合する平歯9aが形成されたアイドルギア9と、このアイドルギア9の平歯9aに噛合する平歯10aが形成され、後述するナット15に外嵌された出力ギア10とからなる。アイドルギア9は、ハウジング2に対して、一対の転がり軸受11、11を介して回転自在に支承されたアイドル軸12に固設されている。こうした減速機5により、出力ギア10の外径を大きくすることなくスペースを有効利用して大きな減速比が得られると共に、出力軸6に負荷される軸力がナット15に負荷されてもこの減速機5で緩衝し、直接電動モータ3に逆入力されるのを確実に防止することができる。
ボールねじ機構4は、ねじ軸13と、このねじ軸13にボール14を介して外挿されたナット15とを備えている。ねじ軸13は、外周に螺旋状のねじ溝13aが形成され、軸方向移動自在に、かつ回転不可に支承されている。一方、ナット15は、内周にねじ軸13のねじ溝13aに対応する螺旋状のねじ溝15aが形成され、ハウジング2に対して、一対の転がり軸受16、17を介して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支承されている。そして、ねじ溝13a、15a間に多数のボール14が転動自在に収容されている。18は、ナット15のねじ溝15aを連結して循環部材を構成する駒部材で、この駒部材18によって多数のボール14が無限循環することができる。
電動モータ3に通電することにより、モータ軸3aの回転に伴ってピニオン8が回転し、アイドルギア9を介して出力ギア10が回転し、モータ軸3aの回転がナット15に減速して伝達される。そして、このナット15の回転によりねじ軸13が軸方向(図中左右方向)に移動される。すなわち、ボールねじ機構4により、モータ軸3aの回転運動がねじ軸13の軸方向運動に変換される。
一対の転がり軸受16、17のうち一方の転がり軸受16は、複列のアンギュラ玉軸受からなり、他方の転がり軸受17は深溝玉軸受からなる。複列のアンギュラ玉軸受からなる転がり軸受16は、所定の接触角を有し、深溝玉軸受に比べ負荷容量が大きく、また、角振れを小さく抑制することができるため、ナット15の振動を抑制して電動リニアアクチュエータ1の振動や騒音の発生を抑えることができる。また、深溝玉軸受からなる転がり軸受17は、運転中に温度上昇によってナット15が軸方向に膨張しても、この内部すきまによって許容することができるため、転がり軸受16、17がすきま過小になって焼付くのを防止することができる。なお、ここでは、一方の転がり軸受16に複列のアンギュラ玉軸受を使用した構成を例示したが、これに限らず、一対の単列のアンギュラ玉軸受を組み合せて使用しても良いし、あるいは、一対の転がり軸受16、17に一対の単列アンギュラ玉軸受を使用しても良い。
ここで、ねじ軸13の一端部には中空状の保持部19が連設されている。そして、この保持部19に出力軸6の一端部がスライド自在に内挿され、伝達ピン20を介して連結されている。この出力軸6は、他端部が図示しない被駆動部材に連結されると共に、ハウジング2bに結合された円筒状のガイド管21に嵌挿されている。また、出力軸6は、その中央部に大径部22が形成され、この大径部22によってスライド自在に支持されている。さらに、大径部22には環状溝23が形成され、この環状溝23にOリング等からなる弾性リング24が装着されている。これによって、ガイド管21に対して出力軸6がスムーズにスライドできると共に、リニアクラッチ7の内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等がリニアクラッチ7の内部に侵入するのを防止することができる。
リニアクラッチ7は、ねじ軸13と出力軸6との連結部に配設されている。図2および図3に拡大して示すように、保持部19と、出力軸6の端部外周に形成された一対の係合面27、28と、ガイド管21の内周面29と、複列の係合子(ボール)25、26とを備える、所謂機械式のリニアクラッチを構成し、出力軸6からの軸力がねじ軸13に伝達されるのを遮断する、
保持部19は円周等配位置にポケット19aが穿設され、このポケット19a内に互いに軸方向に対向する複列の係合子25、26が収容されている。また、出力軸6の外周には、この外周面から径方向内方に傾斜して軸方向に対向する第1および第2の係合面27、28が形成され、ガイド管21の内周面29との間に環状の楔形空間31が形成されている。
複列の係合子25、26は、コイルばね等からなる弾性部材30を介して保持部19のポケット19a内に保持され、付勢された状態で介装された弾性部材30によって複列の係合子25、26が互いに離反する方向に押圧され、楔形空間31に係合した状態で保持されている。
出力軸6の端部外周には、伝達ピン20の外径よりも所定量δaだけ大径に設定されたピン挿入孔32が穿設され、ねじ軸13に対してこの出力軸6は軸方向に所定量δaだけ相対移動することができる。また、保持部19のポケット19aと係合子25、26との軸方向すきまδbは、伝達ピン20とピン挿入孔32とのすきまδa以下に設定されている。
次に、図4および図5を用いてリニアクラッチ7の作用を詳細に説明する。
図4において、中立位置の状態で、出力軸6に外部から軸方向の荷重が負荷された場合、出力軸6はねじ軸13に対して軸方向に移動しようとするが、弾性部材30によって係合子25、26が離反する方向に押圧されて出力軸6の係合面27、28にすでに接触しているため、楔形空間31に瞬時に係合して出力軸6の軸方向の移動は阻止され、ボールねじ機構4を介して電動モータ3に逆入力トルクが発生することはない。すなわち、出力軸6の軸方向の移動と共にねじ軸13が同方向に移動し、このねじ軸13の軸方向の移動によってナット15が回転するようなことはない。したがって、電動モータ3への衝撃を緩和すると共に、電動モータ3の発熱や消費電力の増大等が生じるのを防止することができる。
一方、図5に示すように、中立位置の状態(図中二点鎖線で示す)からねじ軸13が、例えば、矢印方向(図中右方向)に移動すると、ポケット19aの壁面に一方(移動方向後側)の係合子25が当接し、この係合子25がねじ軸13の移動に伴い出力軸6の係合面27から離反する。この時、他方の係合子26は、弾性部材30のばね力によって図中右方向に押圧されて係合面28に接触するが、さらに、ねじ軸13が移動して伝達ピン20がピン挿入孔32に接触すると、この伝達ピン20を介してねじ軸13と入力軸6が共に一体に移動するため、ねじ軸13および出力軸6の軸方向の移動を阻害することはない。
このように、本実施形態では、ボールねじ機構4を構成するねじ軸13と出力軸6との連結部に前述した構成からなる機械式のリニアクラッチ7を配設することにより、出力軸6からの逆入力を瞬時に遮断し、応答性と信頼性を向上させた電動リニアアクチュエータを提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る電動リニアアクチュエータは、自動車等の車両の後輪操舵機構や動力伝達制御用の摩擦クラッチ機構等のアクチュエータとして適用できる。
本発明に係る電動リニアアクチュエータの一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2のIII−III線に沿った横断面図である。 本発明に係るリニアクラッチの作用を示す説明図で、出力軸から軸力が生じた状態を表している。 同上、入力軸から軸力が生じた状態を表している。 従来の電動リニアアクチュエータを示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・電動リニアアクチュエータ
2、2a、2b・・・・・・・・ハウジング
3・・・・・・・・・・・・・・電動モータ
3a・・・・・・・・・・・・・モータ軸
4・・・・・・・・・・・・・・ボールねじ機構
5・・・・・・・・・・・・・・減速機
6・・・・・・・・・・・・・・出力軸
7・・・・・・・・・・・・・・リニアクラッチ
8・・・・・・・・・・・・・・ピニオン
8a、9a、10a・・・・・・平歯
9・・・・・・・・・・・・・・アイドルギア
10・・・・・・・・・・・・・出力ギア
11、16、17・・・・・・・転がり軸受
12・・・・・・・・・・・・・アイドル軸
13・・・・・・・・・・・・・ねじ軸
13a、15a・・・・・・・・ねじ溝
14・・・・・・・・・・・・・ボール
15・・・・・・・・・・・・・ナット
18・・・・・・・・・・・・・駒部材
19・・・・・・・・・・・・・保持部
19a・・・・・・・・・・・・ポケット
20・・・・・・・・・・・・・伝達ピン
21・・・・・・・・・・・・・ガイド管
22・・・・・・・・・・・・・大径部
23・・・・・・・・・・・・・環状溝
24・・・・・・・・・・・・・弾性リング
25、26・・・・・・・・・・係合子
27、28・・・・・・・・・・係合面
29・・・・・・・・・・・・・内周面
30・・・・・・・・・・・・・弾性部材
31・・・・・・・・・・・・・楔形空間
32・・・・・・・・・・・・・ピン挿入孔
51・・・・・・・・・・・・・電動リニアアクチュエータ
52、52a、52b・・・・・ハウジング
53・・・・・・・・・・・・・電動モータ
53a・・・・・・・・・・・・モータ軸
54・・・・・・・・・・・・・平歯車
54a、55a・・・・・・・・歯
55・・・・・・・・・・・・・フランジ
56・・・・・・・・・・・・・ナット
56a、58a・・・・・・・・ねじ溝
57・・・・・・・・・・・・・ボール
58・・・・・・・・・・・・・ねじ軸
59・・・・・・・・・・・・・リニアクラッチ
60、61・・・・・・・・・・転がり軸受
62・・・・・・・・・・・・・伝達ピン
63・・・・・・・・・・・・・外輪
63a・・・・・・・・・・・・内周面
64・・・・・・・・・・・・・保持部
64a・・・・・・・・・・・・ポケット
65・・・・・・・・・・・・・出力軸
65a・・・・・・・・・・・・係合面
66・・・・・・・・・・・・・係合子
67・・・・・・・・・・・・・楔形空間
68・・・・・・・・・・・・・弾性部材
69・・・・・・・・・・・・・ピン挿入孔
δa・・・・・・・・・・・・・伝達ピンとピン挿入孔との軸方向すきま
δb・・・・・・・・・・・・・係合子とポケットとの軸方向すきま

Claims (5)

  1. ハウジングに取り付けられた電動モータと、
    この電動モータのモータ軸に平行に配設され、前記ハウジングに対して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支持されたナット、およびこのナットに多数のボールを介して内挿され、回転不可に、かつ軸方向移動自在に支持されたねじ軸を有し、前記電動モータの回転運動を軸方向運動に変換するボールねじ機構と、
    このボールねじ機構のナットと前記モータ軸との間に配設された減速機とを備え、
    前記ねじ軸と同軸上に出力軸が連結され、この出力軸の連結部近傍にリニアクラッチが配設されている電動リニアアクチュエータにおいて、
    前記リニアクラッチが、前記ねじ軸に連設された中空状の保持部と、この保持部に前記出力軸の端部が内挿され、この端部外周に形成され、径方向内方に傾斜して軸方向に対向する一対の係合面と、前記ハウジングに突設され、前記出力軸がスライド自在に嵌挿するガイド管の内周面と、この内周面と前記一対の係合面との間に形成される環状の楔形空間と、この楔形空間に収容された複列の係合子とを備え、
    前記出力軸の端部外周に穿設されたピン挿入孔と、前記保持部に突設された伝達ピンとが係合し、この伝達ピンを介して前記出力軸と保持部が所定の軸方向すきまを介して連結されると共に、
    前記保持部の円周等配位置にポケットが形成され、このポケット内に前記複列の係合子と、これら複列の係合子間に介装された弾性部材が保持され、この弾性部材によって前記複列の係合子を互いに離反する方向に付勢し、当該複列の係合子を前記楔形空間に係合させたことを特徴とする電動リニアアクチュエータ。
  2. 前記ポケットと複列の係合子との軸方向すきまが、前記伝達ピンとピン挿入孔との軸方向すきまよりも小さく設定されている請求項1に記載の電動リニアアクチュエータ。
  3. 前記出力軸に大径部が形成され、この大径部によって前記ガイド管に対して前記出力軸がスライド自在に支持されると共に、この大径部に環状溝が形成され、この環状溝に弾性リングが装着されている請求項1または2に記載の電動リニアアクチュエータ。
  4. 前記ナットが一対の転がり軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支承されると共に、前記一対の転がり軸受のうち少なくとも一方の転がり軸受がアンギュラ玉軸受で構成されている請求項1乃至3いずれかに記載の電動リニアアクチュエータ。
  5. 前記減速機が、前記モータ軸の端部に設けられたピニオンと、前記ナットに外嵌された出力ギアと、この出力ギアと前記ピニオンにそれぞれ平歯同士で噛合するアイドルギアとで構成されている請求項1乃至4いずれかに記載の電動リニアアクチュエータ。
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