JP2008196570A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇温時に予圧不足になり、異常振動や騒音が発生するのを防止することができる転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】内輪33と回転軸15との対向面に設けられたテーパ溝33bと、テーパ溝33bに転動可能に一部が導入された押圧部材35とを有する予圧保持手段40を備える。予圧保持手段40は、内輪33と回転軸15との周方向への相対移動に伴って押圧部材35をテーパ溝33bに沿って転動させることによって、内輪33を軸方向一方側に押圧して軸受ハウジング25の熱膨張に伴う予圧の低下をリアルタイムに抑制する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、円錐ころ軸受、アンギュラ玉軸受などの予圧をかけて使用する転がり軸受装置に関する。
円錐ころ軸受やアンギュラ玉軸受は、軸方向の予圧をかけた状態で使用される。例えば、トランスミッションユニット等の自動車用のギア式駆動伝達ユニットには、その要所(例えばトランスミッションユニットでは終減速装置部分)に円錐ころ軸受が採用されている。図6(a)に示すように、前記の円錐ころ軸受111は、内輪133に回転軸115を圧入するとともに、トランスミッションケースの軸受用ハウジング125に外輪132を嵌合し、その後に軸方向一方側(矢印a)へ向けて予圧を付与している。このように予圧を与えると、外輪132は円錐ころ134の傾斜した転動面上での分力を受けて軸方向及び径方向に変位し、その左端面132cと外周面132bとがハウジング125の内端面125cと内周面125aとに押しつけられて予圧が支持される。
一方、近年は軽量化の一環として、トランスミッションケースをAl合金などの軽金属で構成することが行なわれている。Alは構造材料中でも線膨張係数が最も高く(室温で約23.5×10−6/℃:以下、線膨張係数の単位はppm/℃と略記する))、回転軸や円錐ころ軸受を構成する鋼(Fe系材料)の線膨張係数(室温で約12ppm/℃)とは相当の差がある。
回転軸とハウジングとが同じ材料である場合、温度による寸法変化も同じであるので、円錐ころ軸受にかかる予圧に大きな変化はない。しかし、ハウジングを軽金属で構成すると、温度上昇によってハウジングが回転軸よりも大きく寸法変化し、予圧が抜けてしまうおそれがある。
具体的には、図6(b)に示すように、トランスミッションが昇温すると、ハウジング125及び回転軸115が膨張するが、その膨張による寸法変化の差によって、外輪132の内周軌道面132aが円錐ころ134の転動面から矢印b方向に離反する。つまり、円錐ころ軸受装置111における外輪132と円錐ころ134とのアキシャル隙間及びラジアル隙間が温度により大きく変化し、予圧不足となる。このような予圧不足は、ギヤのガタツキを招き、騒音発生の原因となる。
かかる問題を解消し得るものとして、図7に示すように、スラストワッシャ141によって外輪132に予圧を付えるようにした円錐ころ軸受装置140が開示されている。この円錐ころ軸受装置140の基本的構造は図6と同じであり、同一部分には同一の参照符号を付している。具体的には、図7(a)に示すように、ハウジング125と外輪132の端部との間にスラストワッシャ141が介装されている。そして、このスラストワッシャ141は、低温時は扁平形状を成し(図7(a)参照)、一定温度まで昇温した時に低温時の幅より大きいテーパ形状に弾発的に変形する(図7(b)参照)形状記憶合金から形成されている。
この構成では、一定温度に昇温すると、前述したスラストワッシャ141の作用によって、外輪132を軸方向内方(矢印e)に付勢し、外輪132と円錐ころ134とのアキシャル隙間及びラジアル隙間の変化を抑えて予圧不足を解消することが可能である。
実開平5−6250号公報
しかしながら、前述した従来技術では、一定温度まで昇温しない限りスラストワッシャ141がテーパ形状に変形しないため、当該一定温度に達するまでは外輪132に対し軸方向内方(矢印e)に十分な予圧を付与できなかった。このため、一定温度に昇温するまでの間は、ギヤのガタツキや騒音の発生を抑制することができないという問題点があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、熱膨張に伴って予圧不足が生じるのを、リアルタイムに抑制することができ、装置のガタツキや騒音が発生するのをより効果的に防止することができる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明に係る転がり軸受装置は、転動体と、この転動体が転動するとともに当該転動体からの径方向荷重と軸方向一方側へ向く荷重とを受ける軌道面を内周に有する外輪と、前記転動体が転動する軌道面を外周に有し、予圧が付与された状態で前記転動体を介して外輪に組み込まれた内輪と、前記外輪の外周面が嵌合するとともに第1の線膨張係数を有するハウジングと、前記内輪の内周面が軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で嵌合しているとともに、前記内輪の軸方向他方側の端面に対向する対向面を有し、且つ前記第1の線膨張係数よりも小さい第2の線膨張係数を有する回転軸と、前記内輪の軸方向他方側の端面及び前記回転軸の対向面の少なくとも一方に設けられた周方向に延びるテーパ溝と、このテーパ溝に転動可能に導入された押圧部材とを有し、前記内輪と回転軸との周方向への相対移動に伴って前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることにより、前記内輪を軸方向一方側に押圧して前記ハウジングの熱膨張に伴う前記予圧の低下を抑制する予圧保持手段と、を備えることを特徴とするものである。
このように構成された転がり軸受装置によれば、ハウジングが熱膨張して予圧が低下しようとすると、前記内輪と回転軸とが周方向へ相対移動して、前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることができ、これにより、前記内輪を軸方向一方側に押圧して前記予圧の低下をリアルタイムに抑制することができる。
また、本発明に係る転がり軸受装置は、転動体と、この転動体が転動するとともに当該転動体からの径方向荷重と軸方向一方側へ向く荷重とを受ける軌道面を内周に有する外輪と、前記転動体が転動する軌道面を外周に有し、予圧が付与された状態で前記転動体を介して外輪に組み込まれた内輪と、前記外輪の外周面が軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で嵌合されているとともに、前記外輪の軸方向一方側の端面に対向する対向面を有し、且つ第1の線膨張係数を有するハウジングと、前記内輪の内周面が嵌合され、且つ前記第1の線膨張係数よりも小さい第2の線膨張係数を有する回転軸と、前記外輪の軸方向一方側の端面及び前記ハウジングの対向面の少なくとも一方に設けられた周方向に延びるテーパ溝と、このテーパ溝に転動可能に導入された押圧部材とを有し、前記外輪とハウジングとの周方向への相対移動に伴って前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることにより、前記外輪を軸方向他方側に押圧して前記ハウジングの熱膨張に伴う前記予圧の低下を抑制する予圧保持手段と、を備えることを特徴としている。
このように構成された転がり軸受装置によれば、ハウジングが熱膨張して予圧が低下しようとすると、前記外輪とハウジングとを周方向へ相対移動させて、前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることができ、これにより、前記外輪を軸方向他方側に押圧して前記予圧の低下をリアルタイムに抑制することができる。
本発明の転がり軸受装置によれば、熱膨張に伴って予圧不足が生じるのを、リアルタイムに抑制することができるので、予圧不足に起因して装置のガタツキや騒音が発生するのをより効果的に防止することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の転がり軸受装置の実施の形態を説明する。
図1は、トランスミッションに本発明の実施形態に係る転がり軸受装置10を構成した場合を示す概略断面図である。この転がり軸受装置は、トランスミッションのケース12と、ケース12の内部に組み込まれたギヤボックス13と、ギヤボックス13を貫通するように互いに平行に設けられた入力軸14及び出力軸(回転軸)15とを備えている。入力軸14及び出力軸15は、ギヤボックス13内の変速ギヤ16により連動して回転するようになっている。
変速ギヤ16は、例えば、マニュアルタイプとされており、入力軸14に互いに歯数の異なる複数枚の入力ギヤ18を設けるとともに、出力軸15に互いに歯数の異なる出力ギヤ19を設け、得るべき変速比又は前進及び後退の区別に応じて、入力軸14上のギヤ18と出力軸15上のギヤ19との噛み合いの組み合わせを切り替えることによって変速可能となっている。これら入力ギヤ18及び出力ギヤ19にはスパーギヤやヘリカルギヤが用いられる。また、変速ギヤ16は、遊星ギヤ機構等を用いたオートマチックタイプであってもよい。
入力軸14の両端は、ケース12内の内側に固定された円筒ころ軸受21及び玉軸受22によりそれぞれ回転可能に支持されている。出力軸15の両端は、軸方向一方側(図1における左側)の第1円錐ころ軸受11及び軸方向他方側(図1における右側)の第2円錐ころ軸受23によりそれぞれ支持されている。第1円錐ころ軸受11は、ケース12と一体の第1ハウジング25に嵌合され、第2円錐ころ軸受23は、ケース12と一体の第2ハウジング26に嵌合されている。
図2は、本発明の転がり軸受装置10の要部の拡大断面図である。第1円錐ころ軸受11は、外輪32と、内輪33と、外輪32及び内輪33の間に配置された複数の円錐ころ(転動体)34とを備えている。外輪32の外周面32bは、第1ハウジング25の内周面25aに嵌合され、外輪32の内周面には、円錐ころ34が斜接して転動する内周軌道面32aが形成されている。内輪33の外周面には、円錐ころ34が斜接して転動する外周軌道面33aが形成され、内輪33の内周面は出力軸15に軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で嵌合されている。
また、内輪33の内周面に出力軸15を嵌合することによって、外輪32に対して軸方向一方側(矢印f)へ向けて予圧を与えるようになっている。このように予圧を与えると、外輪32は円錐ころ34の傾斜した転動面上での分力を受けて軸方向及び径方向に変位し、その左端面32cと外周面32bとが第1ハウジング25の内端面25cと内周面25aとにそれぞれ押しつけられて予圧が支持される。また、内輪33の大鍔側端面33cと出力軸15の段差面15aとは軸方向に対向した状態で配置されている。この実施形態においては、前記大鍔側端面33cと段差面15aとは接触している。
内輪33と円錐ころ34との接触角および円錐ころ34と外輪32との接触角は、軸方向他方側(図2における右側)から軸方向一方側(図2における左側)に向けて拡径するように設定されている。なお、ここで接触角は、JISB0104―991に規定された呼び接触角に準じる。
第1円錐ころ軸受11が嵌合された第1ハウジング25は、第1の線膨張係数を有している。これに対して、出力軸15は、第1の線膨張係数よりも小さい第2の線膨張係数を有している。
例えば、第1円錐ころ軸受11は、外輪32、内輪33及び転動体34が、いずれも鋼(例えば、軸受鋼、はだ焼鋼、浸炭鋼)にて形成され、第1ハウジング25は、軽金属(Al又はMgのいずれかを主成分(10質量%以上の含有率)とする金属)にて形成され、出力軸15は、鋼(例えば、機械構造用炭素鋼)にて形成されている。好ましくは、第1ハウジング25は、加工性及び耐食性の観点からAlまたはAl合金が使用され、Al合金としては、例えばダイキャスト用Al合金が使用される。本実施形態では、ケース12(図1参照)もAl合金製であり、第1ハウジング25はケース12の内面に一体化されている。
第1ハウジング25の主成分であるAlの線膨張係数(第1の線膨張係数)は約23〜24ppm/℃、出力軸15及び第1円錐ころ軸受11の主成分であるFeの線膨張係数(第2の線膨張係数)は、約12〜13ppm/℃である。また、一般に、自動車のトランスミッションにおける軸受使用環境温度は−40℃以上110℃以下の範囲(寒冷地及び高速連続運転等を除いた通常到達温度は、10℃以上80℃以下)である。
図3は、内輪33の大鍔側端面の拡大図である。また、図4は、図3における内輪のA−A線断面図である。図3及び図4に示すように、内輪33における出力軸15との対向面である大鍔側端面(軸方向他方側の端面)33cには、予圧保持手段40が設けられている。予圧保持手段40は、前記大鍔側端面33cに周方向に沿って形成されたテーパ溝33bと、このテーパ溝33bに一部が導入されている鋼球からなる押圧部材35とを備える。これらテーパ溝33b及び押圧部材35は、大鍔側端面33cの周方向に沿って少なくとも3箇所設けられている。
各テーパ溝33bは、その深さが周方向両端縁から中央に向って漸次深くなる凹曲面に形成されている(図4参照)。このテーパ溝33bの最深部の深さは、押圧部材35の半径と等しくなるよう設定されている。また、テーパ溝33bの開口縁は、中央から前記両端縁に向って細くなる円弧状に形成されている(図3参照)。さらに、テーパ溝33bの傾斜面(底面)は、周方向においてその最深部を挟んだ両側が対称形状になるように形成されており、その径方向断面は押圧部材35と合致する半円形に形成されている(図2参照)。
押圧部材35は、内輪33と同素材(例えば、軸受鋼、はだ焼鋼、浸炭鋼)にて形成されている。押圧部材35は、例えば、内輪33が矢印cの方向に回転すると、その反対方向(矢印d)にテーパ溝33bの開口縁にガイドされながらテーパ溝33bの傾斜面上を転動する。なお、押圧部材35の直径はテーパ溝33bの開口縁の最大幅と同寸である。
また、内輪33の大鍔側端面33cの対向面である出力軸15の段差面15aにも、同様に押圧部材35が転動するテーパ溝33bが形成されている。このテーパ溝33bは、内輪側のテーパ溝33b及び押圧部材35とともに予圧保持手段40を構成するものであり、その形状は、押圧部材35を挟んで内輪33側のテーパ溝33bと線対称形状になっている。
前記内輪33側及び出力軸15側の各テーパ溝33bは、内輪33の大鍔側端面33cと出力軸15の段差面15aとが接触した状態で互いに正対している。この状態で、前記押圧部材35は、内輪33側及び出力軸15側の各テーパ溝33bの最深部(周方向中央部)における傾斜面間で挟まれている。
内輪33及び出力軸15に形成されたテーパ溝33bの傾斜面の曲率半径R(図4参照)は、押圧部材35がその傾斜面上を転動して内輪33を軸方向一方側に押圧移動させることによって、第1ハウジング25と出力軸15との熱膨張差に伴う予圧の低下を抑制することができる値に設定されている。
以下に前記実施形態に係る転がり軸受装置10の動作について説明する。
転がり軸受装置10の温度が比較的低温に保たれている場合、第1ハウジング25、外輪32、出力軸15の熱膨張による寸法変化の差はそれほど生じず、予圧も一定に保たれおり、この予圧によって、内輪33と出力軸15との周方向への移動が規制されている。
転がり軸受装置10が稼働して昇温すると、出力軸15よりもケース12及び第1,第2ハウジング25,26の線膨張係数が大きいため、第1ハウジング25が軸方向及び径方向に大きく膨張し、外輪32が円錐ころ34から離反しようとする。つまり、予圧低下が生じようとする。
すると、内輪33と出力軸15との周方向の相対移動が許容されて、第1円錐ころ軸受11の回転抵抗により出力軸15に対して内輪33の回転遅れが生じる。つまり内輪33と出力軸15とが周方向に相対移動する。これにより、押圧部材35がテーパ溝33bの傾斜面を転動し、テーパ溝33bからさらに突出して、内輪33を軸方向一方側(図2において左側)へ押圧移動させる。内輪33は、押圧部材35の押圧力と第1ハウジング25からの反力とが平衡する位置まで軸方向一方側へ移動し、外輪32に対する予圧がほぼ一定に保たれる。すなわち、予圧保持手段40によって、転がり軸受装置10の熱膨張に伴う予圧の低下がリアルタイムに抑制され、予圧不足に起因して転がり軸受装置10のガタツキや騒音が発生するのをより効果的に防止することができる。
また、転がり軸受装置10がさらに昇温すると、前記内輪33と出力軸15とがさらに相対移動し、この相対移動に伴って押圧部材35がさらに周方向へ転動して内輪33が軸方向一方側へさらに押圧移動される。これにより、さらなる熱膨張に伴う転がり軸受装置10の予圧の低下が防止される。
また、転がり軸受装置10の変速やクラッチ(図示略)の断接等によって、出力軸15に予圧付与方向とは逆方向(軸方向他方側)への衝撃荷重等が加わった場合でも、予圧保持手段40が内輪33を軸方向一方側に移動させることにより、転がり軸受装置10の予圧が適切に保たれる。
そして、転がり軸受装置10の稼動が停止し、第1ハウジング25の温度が低下して当該第1ハウジング25が収縮すると、外輪32及び円錐ころ34を介して内輪33が軸方向他方側に押圧移動される。これにより押圧部材35が内輪33で押圧されてテーパ溝33bに沿って昇温時と逆方向に転動し、最終的にテーパ溝33bの周方向中央部に復帰する。
図5は、他の実施形態に係る転がり軸受装置10を示す概略断面図である。この転がり軸受装置10の基本的構造は、図2の転がり軸受装置10と同じであり、同一部分に同一の参照符号を付している。この実施形態に係る転がり軸受装置10が、図2の転がり軸受装置10と相違する点は、内輪33の内周面が出力軸15に圧入され、内輪33と出力軸15との相対移動が規制されている点、外輪32の外周面32bが軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で第1ハウジング25に嵌合されている点、及び予圧保持手段40が外輪32と第1ハウジング25との間に設けられている点である。
この実施の形態において、予圧保持手段40の互いに対向する各テーパ溝33bのうちの一方は、外輪32における第1ハウジング25との対向面である左端面32cに設けられており、他方は外輪32の左端面32cの対向面である第1ハウジング25の内端面25cに設けられている。これら各テーパ溝33bは、図2〜図4に示すテーパ溝33bと同じ形状のものである。
また、外輪32の左端面32cと第1ハウジング25の内端面25cとは接触しており、この状態でそれぞれに設けられたテーパ溝33b同士が正対している。そしてこの正対した状態で、前記押圧部材35が、外輪32側及び第1ハウジング25の各テーパ溝33bの最深部(周方向中央部)における傾斜面間で挟まれている。
さらに、テーパ溝33bの傾斜面の曲率半径R(図4参照)は、押圧部材42がその傾斜面を転動して外輪32を軸方向他方側(矢印g)に押圧することによって、第1ハウジング25と出力軸15との熱膨張差に伴う予圧の低下を抑制することができる値に設定されている。
この実施形態においては、転がり軸受装置10が昇温して第1ハウジング25が軸方向及び径方向に大きく膨張し、外輪32が円錐ころ34から離反しようとすると、つまり、予圧低下が生じようとすると、外輪32と第1ハウジング25との周方向の相対移動が許容され、内輪33及び円錐ころ34を介して外輪32に伝達される出力軸15の回転トルクによって外輪32が周方向に回動する。つまり、第1ハウジング25と外輪32とが周方向に相対移動する。これにより、テーパ溝33bの傾斜面を押圧部材35が転動し、この押圧部材35によって外輪32が軸方向他方側(図5において右側)へ押圧される。外輪32は、押圧部材35による押圧力と出力軸15からの反力とが平衡する位置まで軸方向他方側へ移動し、内輪33に対する予圧がほぼ一定に保たれる。すなわち、予圧保持手段40によって、転がり軸受装置10の熱膨張に伴う予圧の低下がリアルタイムに抑制される。
また、転がり軸受装置10がさらに昇温すると、前記外輪32と第1ハウジング25とがさらに相対移動し、それに伴って押圧部材35がさらに転動し、この押圧部材35によって外輪32が軸方向他方側へさらに押圧移動される。これにより、さらなる熱膨張に伴う転がり軸受装置10の予圧の低下が防止される。
そして、転がり軸受装置10の稼動が停止し、第1ハウジング25の温度が低下して当該第1ハウジング25が収縮すると、外輪32及び押圧部材35が軸方向他方側に押圧移動される。これにより押圧部材35がテーパ溝33bに沿って昇温時と逆方向に転動し、最終的にテーパ溝33bの周方向中央部に復帰する。
本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えばテーパ溝33bは、図2に示す実施形態においては、内輪33の大鍔側端面33c及び出力軸15の段差面15aの少なくとも一方に設けられていればよく、図5に示す実施形態においては、外輪32の左端面32c及び第1ハウジング25の内端面25cの少なくとも一方に設けられていればよい。また、テーパ溝33bの傾斜面は、前記した凹曲面の他、直線的に傾斜するものであってもよい。さらに、押圧部材35は前記した球のほか、円錐ころや樽形の転動体であってもよく、この場合、転動体の形状に対応させたテーパ溝を形成すればよい。
前記実施形態では、トランスミッションに用いられる転がり軸受装置を示しているが、四輪駆動車の駆動分配軸用のギヤユニット等、他の装置にも適用することができる。転がり軸受としては、円錐ころ軸受に限らずアンギュラ玉軸受、深みぞ玉軸受等の予圧を使用する他の転がり軸受であってもよい。
本発明の実施形態に係る転がり軸受装置を構成したトランスミッションを示す概略断面図である。 図1における転がり軸受装置の要部の拡大断面図である。 図2における内輪の大鍔側端面の拡大図である。 図3におけるA−A線断面図である。 他の実施形態に係る転がり軸受装置を示す概略断面図である。 従来例を示す要部断面図である。 他の従来例を示す要部断面図である。
符号の説明
10 転がり軸受装置
11 第1円錐ころ軸受(転がり軸受)
15 出力軸(回転軸)
15a 段差面(対向面)
25 第1ハウジング(ハウジング)
25c 内端面(対向面)
32 外輪
32a 内周軌道面
32b 外周面
32c 左端面(対向面)
33 内輪
33a 外周軌道面
33b テーパ溝
33c 大鍔側端面(対向面)
34 円錐ころ(転動体)
35 押圧部材
40 予圧保持手段

Claims (2)

  1. 転動体と、
    この転動体が転動するとともに当該転動体からの径方向荷重と軸方向一方側へ向く荷重とを受ける軌道面を内周に有する外輪と、
    前記転動体が転動する軌道面を外周に有し、予圧が付与された状態で前記転動体を介して外輪に組み込まれた内輪と、
    前記外輪の外周面が嵌合するとともに第1の線膨張係数を有するハウジングと、
    前記内輪の内周面が軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で嵌合しているとともに、前記内輪の軸方向他方側の端面に対向する対向面を有し、且つ前記第1の線膨張係数よりも小さい第2の線膨張係数を有する回転軸と、
    前記内輪の軸方向他方側の端面及び前記回転軸の対向面の少なくとも一方に設けられた周方向に延びるテーパ溝と、このテーパ溝に転動可能に導入された押圧部材とを有し、前記内輪と回転軸との周方向への相対移動に伴って前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることにより、前記内輪を軸方向一方側に押圧して前記ハウジングの熱膨張に伴う前記予圧の低下を抑制する予圧保持手段と、を備えることを特徴とする転がり軸受装置。
  2. 転動体と、
    この転動体が転動するとともに当該転動体からの径方向荷重と軸方向一方側へ向く荷重とを受ける軌道面を内周に有する外輪と、
    前記転動体が転動する軌道面を外周に有し、予圧が付与された状態で前記転動体を介して外輪に組み込まれた内輪と、
    前記外輪の外周面が軸方向及び周方向への相対移動が許容された状態で嵌合されているとともに、前記外輪の軸方向一方側の端面に対向する対向面を有し、且つ第1の線膨張係数を有するハウジングと、
    前記内輪の内周面が嵌合され、且つ前記第1の線膨張係数よりも小さい第2の線膨張係数を有する回転軸と、
    前記外輪の軸方向一方側の端面及び前記ハウジングの対向面の少なくとも一方に設けられた周方向に延びるテーパ溝と、このテーパ溝に転動可能に導入された押圧部材とを有し、前記外輪とハウジングとの周方向への相対移動に伴って前記押圧部材をテーパ溝に沿って転動させることにより、前記外輪を軸方向他方側に押圧して前記ハウジングの熱膨張に伴う前記予圧の低下を抑制する予圧保持手段と、を備えることを特徴とする転がり軸受装置。
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