JP4214371B2 - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パーキングブレーキ、電動ディスクブレーキ、エンジンのバルブタイミング可変機構、ベルトCVTのプーリ駆動機構、4WDの2WD・4WD切替機構、自動車用昇降機(福祉車両において車椅子の昇降及び積込に用いるアクチュエータ)等に用いることができる、被駆動部材を駆動する電動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動アクチュエータとしては、駆動側と被駆動側との間で動力の伝達を制御する機構を備えたものがある(例えば、特許文献1)。
このような機構としては、例えば、図6に示す逆入力遮断装置がある(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、逆入力遮断装置70は、駆動側であるクラッチ片71と、従動側である負荷カム72との間で、逆入力を遮断する機構を有している。
【0003】
図6に示すように、逆入力遮断装置70は、クラッチ片71の押圧尖端部71aを介して転動体73をクラッチ溝部74内に押圧移動させ、負荷カム72を従動回転させることにより、駆動側の回転を実現させる機構を有している。従動側が回転すると、クラッチ溝部74によって転動体73をハウジング75内周面に押圧移動させ、負荷カム72自体の回転をロックする。このように、逆入力遮断装置70は、駆動側から従動側への回転伝達が可能とされるとともに、従動側から駆動側への回転伝達については行われない状態、いわゆる、ロックした状態にする位置保持機構が構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−103260号公報(第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す逆入力遮断装置70をアクチュエータに用いた場合、外部荷重が高かったり、駆動部の回転加速度が低い状態で外部荷重がかかっているときに、この外部荷重がかかっている方向に位置保持機構のロックを解除すると、ロックの解除と同時に外部荷重により、再度、ロックした状態に復帰させられてしまう場合があった。このため、位置保持機構がロックを解除した状態とロックした状態とに切り替わるという動作を短時間に繰り返すこととなるため、ロックを解除する際にがたつきが生じる場合があった。従って、このようなアクチュエータにおいて、ロックの解除にかかる作動がスムーズに行えないという点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、被駆動部材の作動を解除する際に位置保持機構におけるがたつきを防止し、スムーズに作動を解除することができる電動アクチュエータを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、被駆動部材を駆動する電動アクチュエータであって、ハウジング本体と、ハウジング本体に取り付けられた電動モータと、電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、回転駆動部より回転力を受けて回転運動するとともに一方向に常に作用する外部荷重によりいずれかの回転方向に付勢された回転被駆動部と、回転被駆動部の回転運動を被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、回転駆動部と回転被駆動部との間に配置され、回転駆動部から回転被駆動部へ動力を伝達するとともに回転被駆動部から回転駆動部への動力を遮断して回転駆動部の停止時に回転駆動部と回転被駆動部とをロックして停止状態を保持する位置保持機構と、回転被駆動部の外周に配され、回転被駆動部と一体回転及び相対回転可能なスリーブと、回転被駆動部又はスリーブの一方に固定され他方に接して配された摩擦手段と、ハウジング本体とスリーブとの間に介在され、スリーブが回転被駆動部とともに付勢方向へ回転するときにロックする一方向クラッチとを備え、回転被駆動部が付勢方向と逆方向に回転されるときは、スリーブ及び摩擦手段が回転被駆動部と一体的に回転し、回転被駆動部が付勢方向に回転されるときは、一方向クラッチのロックにより、スリーブがハウジング本体に固定されることによって摩擦手段と前記スリーブとの間又は摩擦手段と回転被駆動部との間で制動力が発生することを特徴とする電動アクチュエータによって達成される。
【0008】
上記の電動アクチュエータは、ハウジング本体とスリーブとの間に一方向クラッチを備え、スリーブが回転被駆動部の外周に配されている。スリーブは、一方向クラッチが非ロック状態のときは回転被駆動部と一体に回転し、一方向クラッチがロック状態のときはハウジング本体側に固定され、回転被駆動部と相対回転する。ここで、回転被駆動部を付勢方向に回転する際に、一方向クラッチはロック状態となる。すると、スリーブはハウジング本体側に固定されるので、摩擦手段がスリーブに対して摺接しつつ回転被駆動部と一体に回転するか、または、摩擦手段が回転被駆動部に対して摺接しつつスリーブと一体に回転する。このため、回転被駆動部が摩擦手段を介してスリーブから制動力を受け、回転被駆動部の回転加速度が低下する。
つまり、上記の電動アクチュエータの構成によれば、回転被駆動部の付勢方向に回転駆動部を回転させて停止状態を解除したときに回転被駆動部の回転加速度を回転駆動部の回転加速度に比して小さくすることができる。言い換えれば、位置保持機構のロックを解除する際に、位置保持機構を再度ロックの状態にする方向に付勢された回転被駆動部の回転加速度を、位置保持機構をロック解除の状態に回転する回転駆動部の回転加速度に比して小さくすることができる。
従って、位置保持機構のロックが解除された直後に、再び、ロック状態となることによって、位置保持機構においてがたつきが生じることを防止することができる。
例えば、上記の電動アクチュエータを自動車の電動パーキングブレーキ駆動装置に適用すれば、位置保持機構において外部荷重により付勢されている方向に回転駆動部を回転させてロックを解除する際にがたつきが発生することがない。このため、電動パーキングブレーキ駆動装置の作動をスムーズに解除させることができる。
変換機構としては、例えば、ボールねじを用いることができる。
上記電動アクチュエータによれば、摩擦手段には負荷に比例した押し付け力がはたらくようにすることが好ましい。こうすれば、逆作動トルクの制動装置として好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる第1の実施形態である電動アクチュエータの一例としての電動パーキングブレーキ駆動装置の断面図を示している。図2(a)は、図1の電動パーキングブレーキ駆動装置のV−V断面図である。図2(b)は、図1の電動パーキングブレーキ駆動装置のW−W断面図である。図3(a)、(b)及び(c)は、図1の電動パーキングブレーキ駆動装置における位置保持機構の動作を示す要部拡大断面図を示している。ここで、図3(a)は電動パーキングブレーキ駆動装置によるパーキングブレーキ装置の駆動時の状態を示している。図3(b)は電動パーキングブレーキ駆動装置によるパーキングブレーキ装置のロックした状態を示している。図3(c)は電動パーキングブレーキ駆動装置における、パーキングブレーキ装置のロックを解除した状態を示している。
【0010】
図1に示すように、電動パーキングブレーキ駆動装置10は、円筒状のモータハウジング10aとハウジング本体10bとを備えている。モータハウジングa内には電動モータ11が備えられている。電動モータ11は、回転駆動部として機能する回転軸11aと、ステータ11bと、ロータ11cを有している。回転軸11aは、軸受21aを介してモータハウジング10aに回転自在に支持されている。
【0011】
回転軸11aは中空で、且つ、一方の軸方向端部(図1において右側の端部)が大径となるように構成されている。回転軸11aにおける大径に形成された箇所は、その外周面が軸受21bによってモータハウジング10aの内周面に支持されている。回転軸11aは、大径側の軸方向端面から軸方向に突出した複数の爪部11dを有している。
なお、軸受21bの外輪を、モータハウジング10aの内周面とハウジング本体10bの内周面の双方に嵌合させることでハウジング本体10bと電動モータ11の芯合わせを行っている。こうすれば、例えば、組み付け時や検査時において、モータハウジング10aからハウジング本体10bを分離しても2つの軸受21a、21bによって回転軸11aが支持されるので取り扱いに便利である。
【0012】
ハウジング本体10bは、大径の円筒部と小径の円筒部とを軸方向に連結したような形状を有する。大径の円筒部の内周面には、外輪19が圧入等によって回転不能に取り付けられている。外輪19の径方向内側には、爪部11d同士の間にロック部材であるころ20と、キー17とが配されている。外輪19の一方の軸方向端部(図1において右側)には径方向内側に突出するようにフランジ19aが形成されている。ころ20は、フランジ19aによって軸方向に移動することが防止されている。
【0013】
ハウジング本体10bの内周面には、軸受22を介して回転被駆動部12が回転自在に支持されている。ころ20は回転被駆動部12の外周面を転動可能に配されている。回転被駆動部12の内周面にはナット18が止めねじ等によって回転被駆動部12と相対回転不能に取り付けられている。
【0014】
ナット18を貫通するようにネジ軸14が設けられている。ネジ14は一方の端部(図1において左側端部)が回転軸11aの内側に挿入されるように配されている。
ネジ軸14の外周面において、ナット18と径方向に対向する箇所には図示しないネジ溝が形成されている。また、ナット18の内周面には、ネジ軸14のネジ溝に対応するように図示しないネジ溝が形成されている。それぞれのネジ溝によって区画される螺旋状の空間には多数のボールが転動自在に配置されている。図示しないが、ボールをナット18の一端から他端へと戻すことで螺旋状の空間を循環させるための通路が設けられている。ナット18と、ネジ軸14と、ボールとでボールスクリュー機構を構成する。
【0015】
ネジ軸14の他方の端部(図1において右側端部)には円筒状の移動ケース15が配置されている。移動ケース15の端部に形成されたキー溝に配されたキー15aを介して、ネジ軸14が移動ケース15に回転不能に取り付けられている。また、移動ケース15には止め輪29が設けられ、この止め輪29によってネジ軸14が移動ケース15から抜け出すことが防止されている。
【0016】
移動ケース15の軸方向端面(図1において右側端面)には、図示しないワイヤの一端が連結され、移動ケース15がこのワイヤを介して被駆動部材であるパーキングブレーキ装置に連結されている。ワイヤが図1の左側に移動することで、パーキングブレーキ装置を作動して図示しない車輪に制動力を付与し、図1の右側に移動することで、パーキングブレーキ装置の制動を解除するように構成されている。
ここで、移動ケース15は、内周面に形成された軸方向に延びる直線状の溝を有している。この直線状の溝に係合するようにピン15bが設けられ、このピン15bによって、移動ケース15がハウジング本体10bに対して軸方向に移動することが可能に取り付けられている。つまり、移動ケース15は、ハウジング本体10bに対して相対回転不能であるが、軸方向に移動可能に構成されている。
【0017】
移動ケース15に取り付けられたワイヤは、図示しないバネ等によって常に図1の右側に付勢される。つまり、パーキングブレーキ装置を作動させた状態において、移動ケース15及びネジ軸14が常に軸方向右側に引っ張られている。
本発明にかかる電動パーキングブレーキ駆動装置において、動力を伝達する機構としては、回転駆動部である回転軸11aと、回転被駆動部12と、外輪19と変換機構であるボールスクリュー機構から構成されている。以下、この機構について説明する。
【0018】
図2(a)及び図3(a)〜(c)に示すように、回転被駆動部12の外周面にはキー溝12bと3つのカム溝12cが互いに等間隔に形成されている。カム面12aは、図2において時計回りの方向に軸心から遠ざかる(つまり、外輪19の内周面に近づく)ように一方に傾いた斜面を有している。図3(a)〜(c)に示すように、カム面は、ころ20が外輪19と回転被駆動部12との間に食い込ませることなく転動可能な傾斜部12dと、ころ20を両者に食い込ませる傾斜部12eとを有している。ころ20を外輪19と回転被駆動部12との間に食い込ませた状態で、キー17と、その両側の爪部11dとの間隔をaとし、ころ20が外輪19と回転被駆動部12との間に食い込んだ状態における図2(a)中の左側の爪部11dとの間隔をb、同右側の爪部11dとの間隔をcとすると、b>a>cなる関係が成立するようになっている。
【0019】
ハウジング本体10bの内周面には一方向クラッチとしての機能を備えたローラクラッチ26が取り付けられている。また、回転被駆動部12の外周面に円環状に形成されたスリーブ25がわずかな隙間を有して嵌合されている。スリーブ25はローラクラッチ26を介してハウジング本体10bの内周面に回転可能に支持されている。
スリーブ25は、例えば、軸受鋼等で焼入れされたものであり、その外径面はローラクラッチ26の転動面で、その軸方向側面の一方が摩擦材との摺動面となるものである。
【0020】
図2(b)に示すように、ローラクラッチ26は、スリーブ25が本図の反時計回りに回転するとき、転動体であるローラが食い込みを生じることでロック状態となる。
【0021】
回転被駆動部12の外周面においてスリーブ25と軸方向に隣接するように摩擦材(摩擦手段)27aが配されている。摩擦材27aは回転被駆動部12と一体に回転するよう構成されている。さらに、回転被駆動部12の外周面にはネジ28が設けられている。ネジ28は、摩擦材27bを介してスリーブ25の軸方向端部を押圧し、スリーブ25と摩擦材27aとを当接させている。ねじ28は、回転被駆動部12がローラクラッチ26の食い込み方向に回転した際に摩擦力によって緩まない方向のねじであって、この場合左ねじである。
【0022】
ローラクラッチ26は、回転被駆動部12が図3(a)の矢印A方向に回転するときには、ロック状態となり、スリーブ25と回転被駆動部12とが相対回転するように構成されている。一方、矢印A方向とは反対に方向する回転するときには非ロック状態となり、スリーブ25と回転被駆動部12とが一体に回転することを許容するように構成されている。
【0023】
図1から図3を用いて電動パーキングブレーキ駆動装置の動作について説明する。
電動パーキングブレーキ駆動装置を作動させると、電動モータ11に電力が供給され、回転軸11aが回転被駆動部12に対して相対回転する。このとき、図3(c)に示すように、爪部11dが矢印C方向に回転し、爪部11dの端部がキー17を押圧することで回転軸11aと回転被駆動部12が一体的に回転する。なお、このとき、回転被駆動部12がC方向に回転するので、ころ20は傾斜部12dに自ら寄せられるので外輪19と回転被駆動部12との間に食い込むことがない。
回転被駆動部12の回転に伴いナット18が回転すると、ネジ軸14が既に述べたボールスクリュー機構によって軸方向電動モータ11側(図1左側)に移動する。このとき、ネジ軸14に支持された移動ケース15も軸方向に移動し、ワイヤを介して被駆動部材であるパーキングブレーキ装置に動力を伝達し、図示しない車輪に制動力を付与する。
【0024】
本実施形態において、ボールスクリュー機構は、回転軸11a及び回転被駆動部12を図3(c)の矢印C方向に回転させることでネジ軸14が図1左側に移動するように構成されている。このとき、図1のような状態となり、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置は作動状態となる。
また、ボールスクリュー機構は、回転軸11a及び回転被駆動部12を図3(c)矢印C方向とは反対側に回転させることでネジ軸14が図1の右側に移動するように構成されている。このとき、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置は作動が解除された状態となる。
【0025】
パーキングブレーキ装置が作動している状態において、電動モータ12が静止した後、ワイヤにかかるバネなどによる付勢力によって、移動ケース15及びネジ軸14には軸方向に対して図1の右側に向かって外部荷重がかかる。この外部荷重はナット18を介して回転被駆動部12を図3(b)の矢印B方向に回転させる力に変換される。
図3(b)に示すように、回転被駆動部12が矢印B方向に回転し、ころ20が相対的に傾斜部12eに移動し、外輪19と回転被駆動部12との間に食い込まれ、回転被駆動部12の回転が阻止される。このときの状態を位置保持機構のロックという。
【0026】
また、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置を解除する際には、電動モータ11に電力が供給され、回転軸11aが回転する。すると、図3(a)に示すように、爪部11dが矢印A方向に回転し、爪部11dの1つがキー17を押圧することで、回転被駆動部12を矢印A方向に回転せしめる。すると、ころ20は爪部11dの端面から押圧されるので、傾斜部12dに移動し、食い込むことなく、回転軸11aと回転被駆動部12と一体的に回転する。
【0027】
パーキングブレーキ装置を作動させている状態においては、既に述べたように、回転被駆動部12を図3(a)の矢印A方向と同じ方向に回転させようとする外部荷重が生じている。
ここで、仮に、回転被駆動部12に制動力を付与しないで位置保持機構のロックを解除する場合を考える。回転軸11aの回転に伴い爪部11dを矢印A方向に回転させた際に、爪部11dがころ20を傾斜部12dに押し出し、別の爪部11dがキー17を押圧することで、回転軸11aと回転被駆動部12とが回転し始める。しかし、その直後、回転被駆動部12が外部荷重からの力によって回転軸11aより大きい回転加速度で回転を始めると、一旦は爪部11dに押し出されたころ20が相対的に傾斜部12eに移動することとなる。すると、ころ20が再び外輪19と回転被駆動部12との間に食い込むことがある。つまり、これが、位置保持機構のがたつきの要因となる。
【0028】
そこで、本実施形態にかかる電動パーキングブレーキ駆動装置10は、図3(a)に示すように、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置を解除する際に、回転被駆動部12の、外部荷重による回転に対して制動力を作用させる機構を有している。以下、制動力を作用させる機構を説明する。
図1及び図2(b)に示すように、ハウジング本体10bに設けられたローラクラッチ26は、回転被駆動部12が図3(a)の矢印Aの方向に回転しようとする際に、スリーブ25が回転被駆動部12と一体に回転しないようにロック状態となる。このとき、スリーブ25はハウジング本体10bに実質的に固定された状態になる。一方、摩擦材27aは、スリーブ25に当接するように設けられており、回転被駆動部12と一体に回転する。すると、スリーブ25と摩擦材27aとの間で摩擦力が生じ、制動力が付与されることによって回転被駆動部12は図3(a)の矢印A方向の回転加速度が低下する。
【0029】
電動パーキングブレーキ駆動装置10における上記の機構によれば、パーキングブレーキ装置の作動を解除する際において、外部荷重をうけた回転被駆動部12の回転加速度を回転駆動部(回転軸11a)の回転加速度に比して小さくすることができる。このため、パーキングブレーキ装置の作動を解除する際に位置保持機構においてがたつきが生じることを防止することができる。
【0030】
次に本発明にかかる第2の実施形態を説明する。本実施形態にかかる電動アクチュエータは、第1の実施形態と同様に、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置を解除する際に、回転被駆動部の、外部荷重による回転に対して制動力を作用させる機構を有する電動パーキングブレーキ装置である。なお、以下において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0031】
図4は、本発明にかかる第2の実施形態である電動アクチュエータの一例としての電動パーキングブレーキ駆動装置の断面図を示している。図5(a)は、図5の電動パーキングブレーキ駆動装置のX−X断面図である。図5(b)は、図5の電動パーキングブレーキ駆動装置のY−Y断面図である。
図4に示すように、ハウジング本体50bの内周にはローラクラッチ66を介してスリーブ65が相対回転可能に支持されている。スリーブ65は、軸方向右側端面(図4の右側端面)が軸受62bを介してハウジング本体50bに支持されている。図5(b)に示すように、ローラクラッチ66は、スリーブ65が本図において反時計回りする際にロックするように構成されている。本実施形態において、ローラクラッチ66は第1の実施形態と同様に一方向クラッチとして機能する。
軸受62bは、スラストニードル軸受やスラスト玉軸受などの転がり軸受とすることが好ましい。
【0032】
スリーブ65の内周面にはブッシュ67が圧入嵌合されている。ブッシュ67は、軸方向左側端部(図5における左側端部)に外周方向に延設された鍔部67aを備えている。鍔部67aはスリーブ65の軸方向左側端面に接触するように設けられている。つまり、スリーブ65と回転被駆動部52とを相対回転させた場合、ブッシュ67の内周面と鍔部67aの側面(図5における軸方向左側に対向する面)とが回転被駆動部52と摺接するように構成されている。本実施形態においては、ブッシュ67が摩擦手段として機能する。
回転被駆動部52の外周面における軸方向端部が軸受62aを介してハウジング本体50bに支持されている。
【0033】
以下、本実施形態における制動力を作用させる機構を説明する。
図5に示すように、被駆動部材であるパーキングブレーキ装置を駆動させた状態において、移動ケース55及びネジ軸54が常に軸方向右側に引っ張られている。このとき、図6(a)及び図6(b)における、回転被駆動部52には、ボールスクリュー機構を構成するナット58を介して反時計回りの回転方向に外部荷重によって付勢する力がかかっている。
【0034】
被駆動部材であるパーキングブレーキ装置を駆動する際に、電動モータ51によって回転駆動部51aを回転させ、図6(a)に示す爪部51dを反時計回りに回転させると、ローラが爪部51dに押されてロック状態を解除された後、キー57が爪部51dに押されて回転被駆動部52が反時計回りに回転する。そして、スリーブ65及びブッシュ67が回転被駆動部とともに回転し始めると、ローラクラッチ66がロックしてスリーブ65を固定する。このため、回転被駆動部52とスリーブ65は相対回転することとなる。このとき、回転被駆動部52は、ブッシュ67の内周面と鍔部67aとに摺接するので、制動力を受けつつ回転する。
【0035】
ボールねじの逆作動回転トルクは負荷に比例する。本実施形態の場合、摩擦部材であるブッシュ67に作用する押し付け力は負荷に等しい。つまり、摩擦係数を一定とすれば、発生する摩擦力も負荷に比例することになって、逆作動トルクの制動装置として好適である。なお、本実施形態は位置保持機構を有しているので、摩擦によって逆作動回転トルクを全て受け止める必要はなく、一部でよい。従って、必要な摩擦係数もそれほど高くなくてよい。そこで、鍔部67aの摺動面は、例えば、ポリアセタール樹脂や四フッ化エチレン樹脂などで被覆することが好ましい。そうすることで、鍔部67aの摺動面は、長期間磨耗が少ない上、ドライでもグリース・油潤滑においても安定して摩擦係数が得られる。
【0036】
本実施形態の電動パーキングブレーキ駆動装置50によれば、パーキングブレーキ装置の作動を解除する際において、外部荷重をうけた回転被駆動部の回転加速度を回転駆動部の回転加速度に比して小さくすることができる。このため、パーキングブレーキ装置の作動を解除する際に位置保持機構においてがたつきが生じることを防止することができる。
【0037】
上記実施形態によれば、本発明における摩擦手段は、回転被駆動部(第1の実施形態参照)又はスリーブ(第2の実施形態参照)の一方に固定され他方に接して配されている構成である。
【0038】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、摩擦手段を回転被駆動部とスリーブのどちらにも固定せずに、単に挟み込んでおくだけでもよい。
さらに、第2の実施形態において、ブッシュに鍔部を一体に形成する構成に限られず、鍔部の替わりに別体のスラストワッシャを用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、被駆動部材の作動を解除する際に位置保持機構におけるがたつきを防止し、スムーズに作動を解除することができる電動アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施形態である電動アクチュエータを適用された電動パーキングブレーキ駆動装置を示す断面図である。
【図2】図1の電動パーキングブレーキ駆動装置の断面図である。
【図3】図1の電動パーキングブレーキ駆動装置の動作を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明にかかる第2の実施形態である電動アクチュエータを適用された電動パーキングブレーキ駆動装置を示す断面図である。
【図5】図4の電動パーキングブレーキ駆動装置の断面図である。
【図6】従来の逆入力遮断装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電動パーキングブレーキ駆動装置(電動アクチュエータ)
10a モータハウジング
10b ハウジング本体
11 電動モータ
11a 回転軸(回転駆動部)
11d 爪部
12 回転被駆動部
12a カム面
13 ボールスクリュー機構(変換機構)
14 ネジ軸(移動部材)
14a ネジ溝
15 可動ケース
18 ナット
18a ネジ溝
19 外輪
20 ころ
24 ボール
25 スリーブ
26 ローラクラッチ(一方向クラッチ)
27a 摩擦材(摩擦手段)
27b 摩擦材

Claims (3)

  1. 被駆動部材を駆動する電動アクチュエータであって、
    ハウジング本体と、
    前記ハウジング本体に取り付けられた電動モータと
    前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、
    前記回転駆動部より回転力を受けて回転運動するとともに一方向に常に作用する外部荷重によりいずれかの回転方向に付勢された回転被駆動部と、
    前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、
    前記回転駆動部と前記回転被駆動部との間に配置され、前記回転駆動部から前記回転被駆動部へ動力を伝達するとともに前記回転被駆動部から前記回転駆動部への動力を遮断して前記回転駆動部の停止時に前記回転駆動部と前記回転被駆動部とをロックして停止状態を保持する位置保持機構と、
    前記回転被駆動部の外周に配され、前記回転被駆動部と一体回転及び相対回転可能なスリーブと、
    前記回転被駆動部又は前記スリーブの一方に固定され他方に接して配された摩擦手段と、
    前記ハウジング本体と前記スリーブとの間に介在され、前記スリーブが回転被駆動部とともに付勢方向へ回転するときにロックする一方向クラッチとを備え、
    前記回転被駆動部が付勢方向と逆方向に回転されるときは、前記スリーブ及び前記摩擦手段が前記回転被駆動部と一体的に回転し、前記回転被駆動部が付勢方向に回転されるときは、前記一方向クラッチのロックにより、前記スリーブが前記ハウジング本体に固定されることによって前記摩擦手段と前記スリーブとの間又は前記摩擦手段と前記回転被駆動部との間で制動力が発生することを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記変換機構はボールねじであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記摩擦手段には負荷に比例した押し付け力がはたらくことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動アクチュエータ。
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