JP2004169731A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】被駆動部材から電動モータへの動力の伝達を遮断することができ、且つ信頼性を確保しコンパクトな構成を有するアクチュエータを提供する。
【解決手段】電動モータ3への電力供給停止後に、電源接続端子T1,T2を接続することで、電動モータ2の回転軸3を制動するので、回転軸3が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で回転軸3をを停止させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電動モータ3への電力供給停止後に、電源接続端子T1,T2を接続することで、電動モータ2の回転軸3を制動するので、回転軸3が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で回転軸3をを停止させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータに関し、たとえば、自動車のパワーウィンドウ、電動パーキングブレーキ装置のワイヤ巻き取り機構、電動ディスクブレーキ装置のキャリパ押し出し機構、エンジンのバルブタイミング可変装置におけるカム位相変換機構、ベルトCVTプーリ駆動機構、4WD装置の2駆・4駆切り替え機構、介護用器具のつり上げ装置等、その他産業用ウィンチ、ホイスト、クレーン、各種位置決め装置などに用いることができる、電動モータを動力源としたアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両のパーキングブレーキの動作を電動モータの動力を用いて行い、運転者の負担を軽減する電動パーキングブレーキ駆動装置等のアクチュエータが知られている。かかるアクチュエータとしては、電動モータでネジ軸を回転させ、それに螺合するナットを移動させることで連結したボーデンワイヤーを引っ張ってパーキングブレーキを動作させ、或いはボーデンワイヤーを戻してパーキングブレーキを解除するものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−220045号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示されたアクチュエータにおいては、非動作時に、ネジ軸を固定するために電磁ブレーキを用いている。すなわち、電磁ブレーキのコイルを励磁することで、アマチュアとプレートでネジ軸に連結したロータを挟み、ネジ軸を固定することで、望まぬブレーキの作動或いは解除が行われないようにしている。しかるに、かかるアクチュエータにおいては、ブレーキが解除されているとき或いはブレーキが作動しているとき、常に電磁ブレーキに通電する必要があり、省エネが図れないという問題がある。
【0004】
これに対し、以下の特許文献2には、逆入力を遮断し、停止位置を保持する保持機構付き電動アクチュエータが提案されている。従って、かかる電動アクチュエータを電動パーキングブレーキ駆動装置に適用すれば、電磁ブレーキを用いることなくブレーキを作動状態に維持できるため、省エネが図れる。
【特許文献2】
特開平7−103260号公報
【0005】
しかるに、このような保持機構付き電動アクチュエータにおいては、電動モータへの通電を止めても、一般的にロータと一体化したモータ軸は質量が比較的大きいため、その慣性力により暫く回転し続ける。ところが、特許文献2に記載の保持機構は、モータ軸を完全に停止させないと機能しない構造の為、慣性による回転があると所望の位置で停止させ、停止状態を保持させることが出来ないという問題がある。
【0006】
より具体的に説明すると、外部荷重に抗する方向(例えばブレーキを動作させる方向)にモータ軸を回転させる際は、外部荷重がモータ軸の慣性力の制動力となり停止が迅速に行われるので特に問題とならないが、外部荷重が作用する方向(例えばブレーキを解除する方向)にモータ軸を回転させる場合、モータ軸は外部荷重により引っ張られる為、回転を続行しやすく、従って保持機能が機能せず所望の位置で停止させることが出来ないばかりでなく、外部荷重により大きく加速されたねじ軸がストッパーまで達し、ストッパーを損傷する虞がある。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、被駆動部材から電動モータへの動力の伝達を遮断することができ、且つ信頼性を確保しコンパクトな構成を有するアクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、
前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、
前記動力伝達機構は、
外輪と、
前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、
前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、
前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、
前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、
前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっており、
前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、外輪と、前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し(すなわち回転力の伝達を禁止し)、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっているので、前記電動モータから前記被駆動部材(例えばパーキングブレーキ装置を駆動するワイヤー等)への動力伝達を許容しつつも、前記被駆動部材から前記電動モータへの動力伝達を阻止できることから、前記電動モータの容量を小さくでき、省電力も図れる。また、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記被駆動部材から力を受けることによって、前記ロック部材は、前記第2の位置に付勢されるようになっているので、その分だけ前記動力伝達機構の構成を簡素化でき、低コスト化を図れる。更に、前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有するので、前記電動モータの回転軸が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で前記回転駆動部を停止させることができる。
【0010】
尚、「摩擦力が低くなる第1の位置」及び「摩擦力が高くなる第2の位置」とは、前記ロック部材が変位したときに、前記第1の位置よりも前記第2の位置の方が、前記ロック部材と前記外輪及び前記回転被駆動部との間の摩擦力が高くなるという相対的な関係を意味したものであり、例えば後述する実施の形態では、第1の位置は、一方向に傾斜したカム面上における回転軸心寄りの位置であり、第2の位置は、かかるカム面上における回転軸心から離れた位置である。
【0011】
更に、前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に連結されて移動する部位(回転軸そのものでも良いし、回転軸と一体的に回転する回転駆動部でも良い)に対する摩擦力を高めることで、前記回転軸を制動すると好ましい。
【0012】
又、前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に対し磁気力に基づいた抵抗を与えることで、前記回転軸を制動すると好ましい。「磁気力に基づいた抵抗」とは、前記電動モータの回転軸に直接磁気力の抵抗を与えること、磁気力に基づき吸着する磁性粉等により、前記電動モータの回転軸に抵抗を与えることなどを含む。
【0013】
ここで、「電動モータの回転軸に直接磁気力の抵抗を与える」ことの一例として、前記回転駆動部を停止させるべく電源スイッチのオフ操作に応じて、電動モータの電源接続端子間を短絡させる手法が考えられる。かかる手法によれば、慣性力で回転して発電機として働く駆動モータに、磁気力に基づく制動力を発生させて迅速に停止させることができる。但し、以下の特許文献3に記載されたように、電源接続端子間を短絡させた後、電動モータの磁力のみでその状態を保持しようとしても、確実なロック状態を得ることは難しい。すなわち、短絡後に電動モータ自体が外部荷重に抗する制動力を常に発生させるが、一般的な機械式の保持機構にくらべてロックの確実性に劣り、電動モータのブラシ等の部品への負担も増す。従って、電動モータ自体でブレーキをかけようとし、大きな外部荷重を保持しようとするとそれだけ電動モータが大きくなる。
【特許文献3】
特開平10−112992号公報
【0014】
そこで、例えばブレーキからの引っ張り力のような外部荷重の逆入力トルクは、電動モータ停止後には前記ロック部材のロック機能により遮断し、電動モータの慣性による回転を制動させる為のみ電源接続端子間を予め設定された短時間、短絡状態にして磁気的制動を発揮させるようにすると好ましい。短絡した時のモータの制動トルクは、外部荷重による逆作動トルクより小さく設計され、外部荷重の逆入力トルクは、機械式の保持機構の容量より小さく設計されると好ましい。
【0015】
更に、前記制動手段は、前記被駆動部材の位置に応じて前記回転軸を制動すると好ましい。
【0016】
更に、前記動力伝達機構は、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させるときに前記ロック部材を駆動する駆動体(例えば後述する爪部3b)と、前記駆動体が前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって駆動しようとするときは、前記駆動体の駆動を制限する制限部材(例えば後述するキー7)とを有すると、回転伝達を行うべきときに前記駆動体が前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって駆動することを前記制限部材が阻止し、それにより前記回転駆動部からの回転力が前記回転被駆動部に確実に伝達されるようになるので好ましい(図3(a)参照)。
【0017】
又、前記動力伝達機構は、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときには、前記ロック部材を駆動する駆動体(例えば後述する爪部3b)と、前記回転被駆動部から半径方向に突出して設けられ、前記駆動体に当接することによって前記回転駆動部から前記回転被駆動部に回転力を伝達する凸部(例えば後述するキー7)とを有するので、前記凸部を介して前記回転駆動部からの回転力が前記回転被駆動部に確実に伝達されるようになるので好ましい(図3(b)参照)。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。図2は、図1の構成をII−II線で切断して矢印方向に見た図である。図3は、クラッチ機構の動作を説明するための図である。図4は、本実施の形態における電動モータの駆動回路図である。
【0019】
図1において、ボルト1Cにより、円筒状のモータハウジング1Aと円筒状のクラッチハウジング1Bとが連結されており、モータハウジング1Aと、クラッチハウジング1Bとで、ハウジングとなる固定ケース1を構成している。
【0020】
モータハウジング1Aの内周面には、円筒状のステータ2bが固定されており、ステータ2bは、ロータ2cを内包している。軸受9A、9Bによりモータハウジング1Aに対して回転自在に支持された回転軸3の外周面に、ロータ2cが取り付けられ、一体的に回転するようになっている。ロータ2cに隣接して、回転軸3の外周にはコミュテータ2fが配置され、この外周面にブラシ2eが摺動自在に接触している。電動モータ2は、ステータ2b、ロータ2c、ブラシ2e、コミュテータ2f、回転軸3を有する。尚、軸受9Aの外輪は、バネ16によりモータハウジング1Aに対して軸線方向に押圧されており、従って組み付け後において軸受9A、9Bに予圧を与えるようになっている。
【0021】
回転軸3は中空であり、図1の右端側において、モータハウジング1Aに対して軸受9Bにより回転自在に支持された大径部3aと、大径部3aより軸線方向に突出した複数の(本例では6つの)爪部3bとを形成している。尚、軸受9Bの外輪は、モータハウジング1Aの内周面とクラッチハウジング1Bの内周面の双方に嵌合しており、それによりクラッチハウジング1Bと電動モータ2の芯合わせを行っている。このように、軸受9Bの外輪を、モータハウジング1Aの内周面とクラッチハウジング1Bの内周面とに嵌合させることで、例えば組付時や検査時などにおいて、モータハウジング1Aからクラッチハウジング1Bを分離しても、2つの軸受9A、9Bによって回転軸3が支持されるので取り扱いに便利である。
【0022】
クラッチハウジング1Bは、大円筒部1aと小円筒部1bとを連結したごとき形状を有する。大円筒部1aの内周面には、固定部である外輪5が取り付けられている。外輪5の半径方向内方には、隣接する爪部3b間に挟持されるようにして、ロック部材である(本例では3つの)ころ6が配置され、更に、ころ6がない爪部3b間に挟持されるようにして、(本例では1つの)キー7が配置されている。外輪5は、図1で右端に半径方向内方に突出するフランジ部5gを有し、このフランジ部5gで、ころ6の軸線方向移動を防止している。
【0023】
ころ6は、クラッチハウジング1Bの大円筒部1aに対して、軸受8を介して回転自在に支持された円筒状の回転被駆動体4の外周面を転動可能となっている。回転被駆動体4の外周面の形状に関しては、図3を参照して後述する。回転被駆動体4の内周面にはナット10が嵌合され、ネジ孔4gに螺合された無頭ボルト4hにより相対回転不能に取り付けられている。ナット10内をネジ軸11が貫通している。ネジ軸11は、更に回転軸3の内部まで延在するようになっており、それにより軸線方向にコンパクトな構成を提供している。
【0024】
ネジ軸11の図1で左半部外周面には、ネジ溝11a(一部のみ図示)が形成されており、一方、ナット10の内周面には、ネジ溝11aに対向してネジ溝10a(一部のみ図示)が形成され、ネジ溝10a、11aによって形成される螺旋状の空間(転送路)には、多数のボール12が転動自在に配置されている。尚、ナット10と、ネジ軸11と、ボール12とでボールスクリュー機構を構成する。
【0025】
ネジ軸11の図1で右半部は丸軸部11bとなっており、その先端に、円筒状の移動ケース13が配置されている。ネジ軸11の軸線方向位置に関わらず丸軸部11bを覆っている移動ケース13は、大筒13aと、大筒13aの図1で右端側に同軸に配置された短い小筒13bと、大筒13aと小筒13bを連結するフランジ部13cとを有する。小筒13bの内周面には、キー溝13dが設けられ、ここに配置されたキー14を介して、ネジ軸11の図1で右端に、小筒13bは回転不能に取り付けられ、更に止め輪15を介して、ネジ軸11からの抜け出しが阻止されるようになっている。フランジ部13cの端面には、不図示のワイヤーの一端が連結されており、ワイヤーの他端は不図示のパーキングブレーキ装置(ブレーキ装置)に連結されている。被駆動部材を構成するこのワイヤーが、図1で左方に移動することで、ブレーキ装置を動作して不図示の車輪に制動力を付与し、図1で右方に移動することで、ブレーキ装置の制動を解除するようになっている。尚、ワイヤーは、不図示のバネ等により常に図1で右方向に付勢されているものとする。
【0026】
移動ケース13は、図1で左端近傍に、ピン17を植設している。移動ケース13から半径方向内方に突出したピン17の先端17aは、クラッチハウジング1Bに形成された直線溝1gに対し相対移動可能に係合している。従って、移動ケース13は、クラッチハウジング1Bに対して相対回転不能だが、軸線方向相対移動可能となっている。クラッチハウジング1Bの小円筒部1bの中央内周には、ネジ軸11の丸軸部11bをブッシュ11dを介して支持する隔壁1cが形成されており、それに隣接して(図1で右側に)パッキン18が配置され、丸軸部11bの外周面と小円筒部1bの内周面との間を密封し、異物の侵入を阻止するように機能する。
【0027】
動力伝達機構20は、回転駆動部である回転軸3と、回転被駆動部である回転被駆動体4と、固定部である外輪5、変換機構であるボールスクリュー機構(12,10、11)とから構成される。
【0028】
動力伝達機構20の詳細な構成を説明する。図2において、回転被駆動体4は、その外周面に、本例では3つのカム面4dを等間隔に形成しており、更に一対のカム面4dの間に1つのキー溝4cを形成している。カム面4dは、図2で時計回りに行くに従って、回転中心(軸)から遠ざかる一方向に傾いた斜面形状を有している。
【0029】
キー7と、その両側の爪部3bとの間隔をaとし、図2で点線に示すごとく、ころ6が外輪5と回転被駆動体4との間に食い込んだ状態(第2の位置)における図2で左側の爪部3bとの間隔をb、同右側の爪部3bとの間隔をcとすると、b>a>cなる関係が成立するようになっている。
【0030】
本実施の形態の動作について、更に図3、4を加え、これら図面に基づいて説明する。運転者がパーキングブレーキを動作させるため所定の操作を行うと、図4において、スイッチS1,S4が閉成(オン)されバッテリBから電動モータ2に電力が供給され、回転軸3が回転被駆動体4に対して相対的に回転する。このとき、図3(a)において、爪部3bが矢印B方向に回転したとすると、ころ6に隣接した爪部3bの端面が、ころ6に当接しようとするが、爪部3bと、ころ6と、キー7との隙間の関係は、上述した通り(b>a>c)であるので、ころ6を第2の位置(図2の点線で示す位置)に移動させる前に、キー7に隣接する爪部3bの端面が、キー7を押圧し、それにより回転軸3と回転被駆動体4とは一体的に回転するようになっている。回転被駆動体4と共にナット10が回転すると、移動ケース13を介してクラッチハウジング1Bに対して回転不能に支持されたネジ軸11は、ネジ溝10a、11aによって形成される螺旋状の空間(転送路)を転動するボール12によって低摩擦状態で軸線方向に押し出され、すなわち回転変位が軸線方向変位に変換される。ネジ軸11の軸線方向移動と共に、移動ケース13が移動する(図1にあっては、移動ケース13がハウジング1へ近づく方向に移動する)ので、かかる動力がワイヤー(不図示)を介して、不図示のブレーキ装置に伝達され、不図示の車輪に制動力を付与するようになっている。
【0031】
ここで、ブレーキが正常に動作したときに電動モータ2に与える負荷と、その際の電流値(停止電流値)とを予め求めておき、電動モータ2における電流値が、停止電流値になったと判断すれば、不図示の制御回路が、スイッチS1、S4を開成(オフ)することで、電力の供給を遮断する。尚、このときはブレーキ装置の負荷が作用しているので、電動モータ2の回転軸3は直ちに停止するため、制動の必要はないといえるが、必要に応じて、後述のごとく短時間だけスイッチS2,S4を閉成しても良い。
【0032】
一方、電動モータ2が静止した後に、ワイヤーには不図示のバネによる常時付勢力(あるいはブレーキ反力でも良い)が作用しているから、それにより付勢された移動ケース13及びネジ軸11の軸線方向変位が、ナット10を介して回転被駆動体4の回転変位に変換され、よって回転被駆動体4が回転軸3に対して相対的に回転しようとする。かかる場合、図3(c)において、カム面4dが矢印C方向に回転しようとするから、ころ6は、静止している外輪5から力を受けて、カム面4dの上部すなわち回転軸に遠い側(第2の位置)に向かって押圧(付勢)される。それにより、ころ6は、外輪5とカム面4dとの間で突っ張って摩擦力を付与する。これをロック状態という。かかるロック状態では、回転被駆動体4の回転が阻止されるため、たとえワイヤーの付勢力が比較的大きなものであっても、不図示のブレーキ装置の制動力を維持できる。
【0033】
更に、運転者が車両を発進させるため、パーキングブレーキを解除すべく所定の操作を行うと、図4において、スイッチS2,S3が閉成されバッテリBから電動モータ2に逆極性の電力が供給され、回転軸3が回転被駆動体4に対して逆方向に相対的に回転する。ここで、図3(b)において、爪部3bが矢印A方向に回転すると、キー7に隣接した爪部3bの端面が、キー7に当接し、回転被駆動体4を同方向に回転させる。このとき、ころ6に隣接する爪部3bの端面が、ころ6をカム面4dの下部すなわち回転軸に近い側(第1の位置)に向かって押圧するため、ころ6の食い込みが生じることなく、回転軸3と回転被駆動体4とは一体的に回転することとなる。
【0034】
ここで、ブレーキが正常に解除したときにおけるワイヤー巻き上げ量を予め求めてあるので、不図示のセンサを用いて、かかる巻き上げ量に相当する量だけ回転軸3が回転したと判断すれば、不図示の制御回路が、スイッチS3を開成することで、電力の供給を遮断する。但し、電動モータ2は、電力の供給が停止された後においても回転軸3の慣性により回転を続けようとする。そこで、スイッチS3の開成と並行して、所定の短時間だけスイッチS4を閉成し、電源接続端子T1,T2を短絡する。すなわち電力供給停止後に電動モータ2が回転を続けようとすると、磁石の磁力を打ち消す方向にコイルに電圧が生じる。ところがスイッチS2、S4が閉成され、電源接続端子T1,T2が短絡されているから、生じた電圧(電流)がこのスイッチS2,S4で形成される閉ループ内で急激に消費される。このことで鉄心に磁力が生じ磁石の磁力とつりあう方向に鉄心を固定しようとする力(回転軸3の制動)が生じ、この方向で電動モータ2が停止する(すなわち被駆動部材であるワイヤーの位置に応じて回転軸3を制動する)。このとき、停止時に単に電源供給を停止させるものに比して短時間で停止できるようになる。
【0035】
この短絡に必要な時間は、ブレーキ装置の負荷や電動モータ2自身の慣性により回転を続けようとするトルクを相殺するに相当する時間より若干長めに設定されると好ましい。
【0036】
この後、スイッチS2,S4を開成しても、電動モータ2が一旦静止すれば、ワイヤーからの付勢力で、ころ6が直ちにロック状態に維持され、回転被駆動体4の回転すなわちワイヤーの移動が有効に阻止される(図3(c)参照)。
【0037】
図5は、第2の実施の形態にかかるアクチュエータの断面図である。図5に示す実施の形態においては、上述した実施の形態に対し、回転軸3の大径部3aの外周面に対向して、モータハウジング1Aの内周面に機械的な制動手段である制動装置30を設けた点が異なっている。より具体的な動作を説明すると、ブレーキ解除時に、不図示のセンサが、規定の巻き上げ量に相当する量だけ回転軸3が回転したと判断すれば、不図示の駆動回路が、制動装置30を駆動して機械的にライニング31を大径部3aの外周面に押圧し、ライニング31と大径部3aとの摩擦力を高めることで、迅速に回転軸3を停止させることができる。
【0038】
一旦、電動モータ2の回転軸3が停止した後は、上述した動力伝達機構20の特性により、回転被駆動体4の回転力が回転軸3に伝達されることが阻止されるため、制動装置30の駆動は不要となる。このとき、上述した電源接続端子T1,T2(図4)は短絡しても良いし、しなくても良い。その他の構成は、図1〜4に示す実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。又、制動装置30も、良く知られたライニングブレーキ等を用いることができるため、詳細は記載しない。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、制動装置は、上述に限らずパウダーブレーキなどを利用しても良い。
【0040】
【発明の効果】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、外輪と、前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し(すなわち回転力の伝達を禁止し)、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっているので、前記電動モータから前記被駆動部材(例えばパーキングブレーキ装置)への動力伝達を許容しつつも、前記被駆動部材から前記電動モータへの動力伝達を阻止できることから、前記電動モータの容量を小さくでき、省電力も図れる。また、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記被駆動部材から力を受けることによって、前記ロック部材は、前記第2の位置に付勢されるようになっているので、その分だけ前記動力伝達機構の構成を簡素化でき、低コスト化を図れる。更に、前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有するので、前記電動モータの回転軸が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で前記回転駆動部を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。
【図2】図1の構成をII−II線で切断して矢印方向に見た図である。
【図3】クラッチ装置の動作を示す図である。
【図4】本実施の形態における電動モータの駆動回路図である。
【図5】第2の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。
【符号の説明】
1A モータ側ハウジング
1B クラッチハウジング
2 電動モータ
3 回転軸
4 回転被駆動部材
5 外輪
6 ころ
10 ナット
11 ネジ軸
13 移動ケース
30 制動装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータに関し、たとえば、自動車のパワーウィンドウ、電動パーキングブレーキ装置のワイヤ巻き取り機構、電動ディスクブレーキ装置のキャリパ押し出し機構、エンジンのバルブタイミング可変装置におけるカム位相変換機構、ベルトCVTプーリ駆動機構、4WD装置の2駆・4駆切り替え機構、介護用器具のつり上げ装置等、その他産業用ウィンチ、ホイスト、クレーン、各種位置決め装置などに用いることができる、電動モータを動力源としたアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両のパーキングブレーキの動作を電動モータの動力を用いて行い、運転者の負担を軽減する電動パーキングブレーキ駆動装置等のアクチュエータが知られている。かかるアクチュエータとしては、電動モータでネジ軸を回転させ、それに螺合するナットを移動させることで連結したボーデンワイヤーを引っ張ってパーキングブレーキを動作させ、或いはボーデンワイヤーを戻してパーキングブレーキを解除するものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−220045号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示されたアクチュエータにおいては、非動作時に、ネジ軸を固定するために電磁ブレーキを用いている。すなわち、電磁ブレーキのコイルを励磁することで、アマチュアとプレートでネジ軸に連結したロータを挟み、ネジ軸を固定することで、望まぬブレーキの作動或いは解除が行われないようにしている。しかるに、かかるアクチュエータにおいては、ブレーキが解除されているとき或いはブレーキが作動しているとき、常に電磁ブレーキに通電する必要があり、省エネが図れないという問題がある。
【0004】
これに対し、以下の特許文献2には、逆入力を遮断し、停止位置を保持する保持機構付き電動アクチュエータが提案されている。従って、かかる電動アクチュエータを電動パーキングブレーキ駆動装置に適用すれば、電磁ブレーキを用いることなくブレーキを作動状態に維持できるため、省エネが図れる。
【特許文献2】
特開平7−103260号公報
【0005】
しかるに、このような保持機構付き電動アクチュエータにおいては、電動モータへの通電を止めても、一般的にロータと一体化したモータ軸は質量が比較的大きいため、その慣性力により暫く回転し続ける。ところが、特許文献2に記載の保持機構は、モータ軸を完全に停止させないと機能しない構造の為、慣性による回転があると所望の位置で停止させ、停止状態を保持させることが出来ないという問題がある。
【0006】
より具体的に説明すると、外部荷重に抗する方向(例えばブレーキを動作させる方向)にモータ軸を回転させる際は、外部荷重がモータ軸の慣性力の制動力となり停止が迅速に行われるので特に問題とならないが、外部荷重が作用する方向(例えばブレーキを解除する方向)にモータ軸を回転させる場合、モータ軸は外部荷重により引っ張られる為、回転を続行しやすく、従って保持機能が機能せず所望の位置で停止させることが出来ないばかりでなく、外部荷重により大きく加速されたねじ軸がストッパーまで達し、ストッパーを損傷する虞がある。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、被駆動部材から電動モータへの動力の伝達を遮断することができ、且つ信頼性を確保しコンパクトな構成を有するアクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、
前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、
前記動力伝達機構は、
外輪と、
前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、
前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、
前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、
前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、
前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっており、
前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、外輪と、前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し(すなわち回転力の伝達を禁止し)、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっているので、前記電動モータから前記被駆動部材(例えばパーキングブレーキ装置を駆動するワイヤー等)への動力伝達を許容しつつも、前記被駆動部材から前記電動モータへの動力伝達を阻止できることから、前記電動モータの容量を小さくでき、省電力も図れる。また、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記被駆動部材から力を受けることによって、前記ロック部材は、前記第2の位置に付勢されるようになっているので、その分だけ前記動力伝達機構の構成を簡素化でき、低コスト化を図れる。更に、前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有するので、前記電動モータの回転軸が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で前記回転駆動部を停止させることができる。
【0010】
尚、「摩擦力が低くなる第1の位置」及び「摩擦力が高くなる第2の位置」とは、前記ロック部材が変位したときに、前記第1の位置よりも前記第2の位置の方が、前記ロック部材と前記外輪及び前記回転被駆動部との間の摩擦力が高くなるという相対的な関係を意味したものであり、例えば後述する実施の形態では、第1の位置は、一方向に傾斜したカム面上における回転軸心寄りの位置であり、第2の位置は、かかるカム面上における回転軸心から離れた位置である。
【0011】
更に、前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に連結されて移動する部位(回転軸そのものでも良いし、回転軸と一体的に回転する回転駆動部でも良い)に対する摩擦力を高めることで、前記回転軸を制動すると好ましい。
【0012】
又、前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に対し磁気力に基づいた抵抗を与えることで、前記回転軸を制動すると好ましい。「磁気力に基づいた抵抗」とは、前記電動モータの回転軸に直接磁気力の抵抗を与えること、磁気力に基づき吸着する磁性粉等により、前記電動モータの回転軸に抵抗を与えることなどを含む。
【0013】
ここで、「電動モータの回転軸に直接磁気力の抵抗を与える」ことの一例として、前記回転駆動部を停止させるべく電源スイッチのオフ操作に応じて、電動モータの電源接続端子間を短絡させる手法が考えられる。かかる手法によれば、慣性力で回転して発電機として働く駆動モータに、磁気力に基づく制動力を発生させて迅速に停止させることができる。但し、以下の特許文献3に記載されたように、電源接続端子間を短絡させた後、電動モータの磁力のみでその状態を保持しようとしても、確実なロック状態を得ることは難しい。すなわち、短絡後に電動モータ自体が外部荷重に抗する制動力を常に発生させるが、一般的な機械式の保持機構にくらべてロックの確実性に劣り、電動モータのブラシ等の部品への負担も増す。従って、電動モータ自体でブレーキをかけようとし、大きな外部荷重を保持しようとするとそれだけ電動モータが大きくなる。
【特許文献3】
特開平10−112992号公報
【0014】
そこで、例えばブレーキからの引っ張り力のような外部荷重の逆入力トルクは、電動モータ停止後には前記ロック部材のロック機能により遮断し、電動モータの慣性による回転を制動させる為のみ電源接続端子間を予め設定された短時間、短絡状態にして磁気的制動を発揮させるようにすると好ましい。短絡した時のモータの制動トルクは、外部荷重による逆作動トルクより小さく設計され、外部荷重の逆入力トルクは、機械式の保持機構の容量より小さく設計されると好ましい。
【0015】
更に、前記制動手段は、前記被駆動部材の位置に応じて前記回転軸を制動すると好ましい。
【0016】
更に、前記動力伝達機構は、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させるときに前記ロック部材を駆動する駆動体(例えば後述する爪部3b)と、前記駆動体が前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって駆動しようとするときは、前記駆動体の駆動を制限する制限部材(例えば後述するキー7)とを有すると、回転伝達を行うべきときに前記駆動体が前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって駆動することを前記制限部材が阻止し、それにより前記回転駆動部からの回転力が前記回転被駆動部に確実に伝達されるようになるので好ましい(図3(a)参照)。
【0017】
又、前記動力伝達機構は、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときには、前記ロック部材を駆動する駆動体(例えば後述する爪部3b)と、前記回転被駆動部から半径方向に突出して設けられ、前記駆動体に当接することによって前記回転駆動部から前記回転被駆動部に回転力を伝達する凸部(例えば後述するキー7)とを有するので、前記凸部を介して前記回転駆動部からの回転力が前記回転被駆動部に確実に伝達されるようになるので好ましい(図3(b)参照)。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。図2は、図1の構成をII−II線で切断して矢印方向に見た図である。図3は、クラッチ機構の動作を説明するための図である。図4は、本実施の形態における電動モータの駆動回路図である。
【0019】
図1において、ボルト1Cにより、円筒状のモータハウジング1Aと円筒状のクラッチハウジング1Bとが連結されており、モータハウジング1Aと、クラッチハウジング1Bとで、ハウジングとなる固定ケース1を構成している。
【0020】
モータハウジング1Aの内周面には、円筒状のステータ2bが固定されており、ステータ2bは、ロータ2cを内包している。軸受9A、9Bによりモータハウジング1Aに対して回転自在に支持された回転軸3の外周面に、ロータ2cが取り付けられ、一体的に回転するようになっている。ロータ2cに隣接して、回転軸3の外周にはコミュテータ2fが配置され、この外周面にブラシ2eが摺動自在に接触している。電動モータ2は、ステータ2b、ロータ2c、ブラシ2e、コミュテータ2f、回転軸3を有する。尚、軸受9Aの外輪は、バネ16によりモータハウジング1Aに対して軸線方向に押圧されており、従って組み付け後において軸受9A、9Bに予圧を与えるようになっている。
【0021】
回転軸3は中空であり、図1の右端側において、モータハウジング1Aに対して軸受9Bにより回転自在に支持された大径部3aと、大径部3aより軸線方向に突出した複数の(本例では6つの)爪部3bとを形成している。尚、軸受9Bの外輪は、モータハウジング1Aの内周面とクラッチハウジング1Bの内周面の双方に嵌合しており、それによりクラッチハウジング1Bと電動モータ2の芯合わせを行っている。このように、軸受9Bの外輪を、モータハウジング1Aの内周面とクラッチハウジング1Bの内周面とに嵌合させることで、例えば組付時や検査時などにおいて、モータハウジング1Aからクラッチハウジング1Bを分離しても、2つの軸受9A、9Bによって回転軸3が支持されるので取り扱いに便利である。
【0022】
クラッチハウジング1Bは、大円筒部1aと小円筒部1bとを連結したごとき形状を有する。大円筒部1aの内周面には、固定部である外輪5が取り付けられている。外輪5の半径方向内方には、隣接する爪部3b間に挟持されるようにして、ロック部材である(本例では3つの)ころ6が配置され、更に、ころ6がない爪部3b間に挟持されるようにして、(本例では1つの)キー7が配置されている。外輪5は、図1で右端に半径方向内方に突出するフランジ部5gを有し、このフランジ部5gで、ころ6の軸線方向移動を防止している。
【0023】
ころ6は、クラッチハウジング1Bの大円筒部1aに対して、軸受8を介して回転自在に支持された円筒状の回転被駆動体4の外周面を転動可能となっている。回転被駆動体4の外周面の形状に関しては、図3を参照して後述する。回転被駆動体4の内周面にはナット10が嵌合され、ネジ孔4gに螺合された無頭ボルト4hにより相対回転不能に取り付けられている。ナット10内をネジ軸11が貫通している。ネジ軸11は、更に回転軸3の内部まで延在するようになっており、それにより軸線方向にコンパクトな構成を提供している。
【0024】
ネジ軸11の図1で左半部外周面には、ネジ溝11a(一部のみ図示)が形成されており、一方、ナット10の内周面には、ネジ溝11aに対向してネジ溝10a(一部のみ図示)が形成され、ネジ溝10a、11aによって形成される螺旋状の空間(転送路)には、多数のボール12が転動自在に配置されている。尚、ナット10と、ネジ軸11と、ボール12とでボールスクリュー機構を構成する。
【0025】
ネジ軸11の図1で右半部は丸軸部11bとなっており、その先端に、円筒状の移動ケース13が配置されている。ネジ軸11の軸線方向位置に関わらず丸軸部11bを覆っている移動ケース13は、大筒13aと、大筒13aの図1で右端側に同軸に配置された短い小筒13bと、大筒13aと小筒13bを連結するフランジ部13cとを有する。小筒13bの内周面には、キー溝13dが設けられ、ここに配置されたキー14を介して、ネジ軸11の図1で右端に、小筒13bは回転不能に取り付けられ、更に止め輪15を介して、ネジ軸11からの抜け出しが阻止されるようになっている。フランジ部13cの端面には、不図示のワイヤーの一端が連結されており、ワイヤーの他端は不図示のパーキングブレーキ装置(ブレーキ装置)に連結されている。被駆動部材を構成するこのワイヤーが、図1で左方に移動することで、ブレーキ装置を動作して不図示の車輪に制動力を付与し、図1で右方に移動することで、ブレーキ装置の制動を解除するようになっている。尚、ワイヤーは、不図示のバネ等により常に図1で右方向に付勢されているものとする。
【0026】
移動ケース13は、図1で左端近傍に、ピン17を植設している。移動ケース13から半径方向内方に突出したピン17の先端17aは、クラッチハウジング1Bに形成された直線溝1gに対し相対移動可能に係合している。従って、移動ケース13は、クラッチハウジング1Bに対して相対回転不能だが、軸線方向相対移動可能となっている。クラッチハウジング1Bの小円筒部1bの中央内周には、ネジ軸11の丸軸部11bをブッシュ11dを介して支持する隔壁1cが形成されており、それに隣接して(図1で右側に)パッキン18が配置され、丸軸部11bの外周面と小円筒部1bの内周面との間を密封し、異物の侵入を阻止するように機能する。
【0027】
動力伝達機構20は、回転駆動部である回転軸3と、回転被駆動部である回転被駆動体4と、固定部である外輪5、変換機構であるボールスクリュー機構(12,10、11)とから構成される。
【0028】
動力伝達機構20の詳細な構成を説明する。図2において、回転被駆動体4は、その外周面に、本例では3つのカム面4dを等間隔に形成しており、更に一対のカム面4dの間に1つのキー溝4cを形成している。カム面4dは、図2で時計回りに行くに従って、回転中心(軸)から遠ざかる一方向に傾いた斜面形状を有している。
【0029】
キー7と、その両側の爪部3bとの間隔をaとし、図2で点線に示すごとく、ころ6が外輪5と回転被駆動体4との間に食い込んだ状態(第2の位置)における図2で左側の爪部3bとの間隔をb、同右側の爪部3bとの間隔をcとすると、b>a>cなる関係が成立するようになっている。
【0030】
本実施の形態の動作について、更に図3、4を加え、これら図面に基づいて説明する。運転者がパーキングブレーキを動作させるため所定の操作を行うと、図4において、スイッチS1,S4が閉成(オン)されバッテリBから電動モータ2に電力が供給され、回転軸3が回転被駆動体4に対して相対的に回転する。このとき、図3(a)において、爪部3bが矢印B方向に回転したとすると、ころ6に隣接した爪部3bの端面が、ころ6に当接しようとするが、爪部3bと、ころ6と、キー7との隙間の関係は、上述した通り(b>a>c)であるので、ころ6を第2の位置(図2の点線で示す位置)に移動させる前に、キー7に隣接する爪部3bの端面が、キー7を押圧し、それにより回転軸3と回転被駆動体4とは一体的に回転するようになっている。回転被駆動体4と共にナット10が回転すると、移動ケース13を介してクラッチハウジング1Bに対して回転不能に支持されたネジ軸11は、ネジ溝10a、11aによって形成される螺旋状の空間(転送路)を転動するボール12によって低摩擦状態で軸線方向に押し出され、すなわち回転変位が軸線方向変位に変換される。ネジ軸11の軸線方向移動と共に、移動ケース13が移動する(図1にあっては、移動ケース13がハウジング1へ近づく方向に移動する)ので、かかる動力がワイヤー(不図示)を介して、不図示のブレーキ装置に伝達され、不図示の車輪に制動力を付与するようになっている。
【0031】
ここで、ブレーキが正常に動作したときに電動モータ2に与える負荷と、その際の電流値(停止電流値)とを予め求めておき、電動モータ2における電流値が、停止電流値になったと判断すれば、不図示の制御回路が、スイッチS1、S4を開成(オフ)することで、電力の供給を遮断する。尚、このときはブレーキ装置の負荷が作用しているので、電動モータ2の回転軸3は直ちに停止するため、制動の必要はないといえるが、必要に応じて、後述のごとく短時間だけスイッチS2,S4を閉成しても良い。
【0032】
一方、電動モータ2が静止した後に、ワイヤーには不図示のバネによる常時付勢力(あるいはブレーキ反力でも良い)が作用しているから、それにより付勢された移動ケース13及びネジ軸11の軸線方向変位が、ナット10を介して回転被駆動体4の回転変位に変換され、よって回転被駆動体4が回転軸3に対して相対的に回転しようとする。かかる場合、図3(c)において、カム面4dが矢印C方向に回転しようとするから、ころ6は、静止している外輪5から力を受けて、カム面4dの上部すなわち回転軸に遠い側(第2の位置)に向かって押圧(付勢)される。それにより、ころ6は、外輪5とカム面4dとの間で突っ張って摩擦力を付与する。これをロック状態という。かかるロック状態では、回転被駆動体4の回転が阻止されるため、たとえワイヤーの付勢力が比較的大きなものであっても、不図示のブレーキ装置の制動力を維持できる。
【0033】
更に、運転者が車両を発進させるため、パーキングブレーキを解除すべく所定の操作を行うと、図4において、スイッチS2,S3が閉成されバッテリBから電動モータ2に逆極性の電力が供給され、回転軸3が回転被駆動体4に対して逆方向に相対的に回転する。ここで、図3(b)において、爪部3bが矢印A方向に回転すると、キー7に隣接した爪部3bの端面が、キー7に当接し、回転被駆動体4を同方向に回転させる。このとき、ころ6に隣接する爪部3bの端面が、ころ6をカム面4dの下部すなわち回転軸に近い側(第1の位置)に向かって押圧するため、ころ6の食い込みが生じることなく、回転軸3と回転被駆動体4とは一体的に回転することとなる。
【0034】
ここで、ブレーキが正常に解除したときにおけるワイヤー巻き上げ量を予め求めてあるので、不図示のセンサを用いて、かかる巻き上げ量に相当する量だけ回転軸3が回転したと判断すれば、不図示の制御回路が、スイッチS3を開成することで、電力の供給を遮断する。但し、電動モータ2は、電力の供給が停止された後においても回転軸3の慣性により回転を続けようとする。そこで、スイッチS3の開成と並行して、所定の短時間だけスイッチS4を閉成し、電源接続端子T1,T2を短絡する。すなわち電力供給停止後に電動モータ2が回転を続けようとすると、磁石の磁力を打ち消す方向にコイルに電圧が生じる。ところがスイッチS2、S4が閉成され、電源接続端子T1,T2が短絡されているから、生じた電圧(電流)がこのスイッチS2,S4で形成される閉ループ内で急激に消費される。このことで鉄心に磁力が生じ磁石の磁力とつりあう方向に鉄心を固定しようとする力(回転軸3の制動)が生じ、この方向で電動モータ2が停止する(すなわち被駆動部材であるワイヤーの位置に応じて回転軸3を制動する)。このとき、停止時に単に電源供給を停止させるものに比して短時間で停止できるようになる。
【0035】
この短絡に必要な時間は、ブレーキ装置の負荷や電動モータ2自身の慣性により回転を続けようとするトルクを相殺するに相当する時間より若干長めに設定されると好ましい。
【0036】
この後、スイッチS2,S4を開成しても、電動モータ2が一旦静止すれば、ワイヤーからの付勢力で、ころ6が直ちにロック状態に維持され、回転被駆動体4の回転すなわちワイヤーの移動が有効に阻止される(図3(c)参照)。
【0037】
図5は、第2の実施の形態にかかるアクチュエータの断面図である。図5に示す実施の形態においては、上述した実施の形態に対し、回転軸3の大径部3aの外周面に対向して、モータハウジング1Aの内周面に機械的な制動手段である制動装置30を設けた点が異なっている。より具体的な動作を説明すると、ブレーキ解除時に、不図示のセンサが、規定の巻き上げ量に相当する量だけ回転軸3が回転したと判断すれば、不図示の駆動回路が、制動装置30を駆動して機械的にライニング31を大径部3aの外周面に押圧し、ライニング31と大径部3aとの摩擦力を高めることで、迅速に回転軸3を停止させることができる。
【0038】
一旦、電動モータ2の回転軸3が停止した後は、上述した動力伝達機構20の特性により、回転被駆動体4の回転力が回転軸3に伝達されることが阻止されるため、制動装置30の駆動は不要となる。このとき、上述した電源接続端子T1,T2(図4)は短絡しても良いし、しなくても良い。その他の構成は、図1〜4に示す実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。又、制動装置30も、良く知られたライニングブレーキ等を用いることができるため、詳細は記載しない。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、制動装置は、上述に限らずパウダーブレーキなどを利用しても良い。
【0040】
【発明の効果】
本発明のアクチュエータは、被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、外輪と、前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し(すなわち回転力の伝達を禁止し)、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっているので、前記電動モータから前記被駆動部材(例えばパーキングブレーキ装置)への動力伝達を許容しつつも、前記被駆動部材から前記電動モータへの動力伝達を阻止できることから、前記電動モータの容量を小さくでき、省電力も図れる。また、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記被駆動部材から力を受けることによって、前記ロック部材は、前記第2の位置に付勢されるようになっているので、その分だけ前記動力伝達機構の構成を簡素化でき、低コスト化を図れる。更に、前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有するので、前記電動モータの回転軸が慣性で回転し続けることを抑制し、適切な位置で前記回転駆動部を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。
【図2】図1の構成をII−II線で切断して矢印方向に見た図である。
【図3】クラッチ装置の動作を示す図である。
【図4】本実施の形態における電動モータの駆動回路図である。
【図5】第2の実施の形態であるアクチュエータの断面図である。
【符号の説明】
1A モータ側ハウジング
1B クラッチハウジング
2 電動モータ
3 回転軸
4 回転被駆動部材
5 外輪
6 ころ
10 ナット
11 ネジ軸
13 移動ケース
30 制動装置
Claims (4)
- 被駆動部材を駆動するアクチュエータであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、
前記電動モータの動力を前記被駆動部材に伝達する動力伝達機構とを備え、
前記動力伝達機構は、
外輪と、
前記電動モータに動力伝達可能に連結された回転駆動部と、
前記回転駆動部より回転力を受けて回転変位する回転被駆動部と、
前記回転被駆動部の回転運動を前記被駆動部材に動力伝達可能に連結された移動部材の軸線方向運動に変換する変換機構と、
前記外輪と前記回転被駆動部との間に配置されたロック部材と、によって構成されると共に、
前記回転駆動部に回転力が入力され前記回転被駆動部を回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が低くなる第1の位置に案内されることで、前記回転駆動部から前記回転被駆動部への回転力の伝達を許容し、前記回転被駆動部に回転力が入力され前記回転駆動部を第1の方向に回転させようとするときは、前記ロック部材が前記外輪及び前記回転被駆動部に対して摩擦力が高くなる第2の位置に案内されることで、前記回転被駆動部から前記回転駆動部への回転を固定し、少なくとも前記被駆動部材が駆動された状態では、前記回転被駆動部が前記第1の方向に回転するように、前記被駆動部材から力を受ける構成となっており、
前記電動モータの回転軸を制動する制動手段を有することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に連結されて移動する部位に対する摩擦力を高めることで、前記回転軸を制動することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記制動手段は、前記電動モータの回転軸に対し磁気力に基づいた抵抗を与えることで、前記回転軸を制動することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
- 前記制動手段は、前記被駆動部材の位置に応じて前記回転軸を制動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータ。
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