JP2015086886A - 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 - Google Patents

電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 Download PDF

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Makoto Yasui
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Abstract

【課題】パーキングブレーキ機能を有する電動式直動アクチュエータにおいて、ピン案内隙間やプランジャ案内隙間へのグリースの流入によるリニアソレノイドの機能低下を抑制する。
【解決手段】電動モータ30と、電動モータ30のロータ軸33aの回転を減速するギヤ減速機構40に組み込まれ、通電によってそのギヤ減速機構40をロック状態に保持する電動ロック機構70とを有し、前記電動ロック機構70が、ギヤ減速機構40の一つのギヤ43の係止凹部71に進退可能なロックピン72をリニアソレノイド73に対する通電により前進動させるようにした電動式直動アクチュエータにおいて、リニアソレノイド73におけるケーシング74に通気孔を設け、プランジャ79の進退によりケーシング74内の容積が変化しても、ケーシング74の内部の圧力が変化しないようにする。
【選択図】図4

Description

この発明は、ブレーキパッド等の被駆動部材を直線駆動する電動式直動アクチュエータおよびその電動式直動アクチュエータを用いた電動式ブレーキ装置に関する。
電動モータを駆動源とする電動式直動アクチュエータとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記特許文献1に記載された電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータによって回転駆動される回転軸と軸方向に移動自在に支持された外輪部材との間に遊星ローラを組込み、上記回転軸の回転により、その回転軸との接触摩擦によって遊星ローラを自転させつつ公転させ、その遊星ローラの外径面に形成された螺旋溝または円周溝と外輪部材の内径面に設けられた螺旋突条との噛み合いによって外輪部材を軸方向に移動させるようにしている。
ところで、特許文献1に記載の電動式直動アクチュエータを採用した電動式ブレーキ装置においては、運転手のブレーキペダルの操作に応じて制動力を制御するサービスブレーキ機能しか有していないため、駐車時には、電動モータに対する通電状態を継続して制動力を維持する必要が生じ、電力消費量が大きいという不都合がある。
そのような不都合を解消するため、本件出願人は、特許文献2において、電動モータに対する通電を遮断する状態においても制動力を維持できるようにした電動式直動アクチュエータを提案している。
上記特許文献2に記載された電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータのロータ軸の回転を減速して回転軸に伝達するギヤ減速機構を設け、そのギヤ減速機構を形成する複数のギヤのうちの一つのギヤの側面に複数の係止部を周方向に間隔をおいて設け、その係止部に対して進退自在に設けられたロックピンをリニアソレノイドの作動により前進させ、係止部に対するロックピンの係合によりギヤをロックして、電動モータに対する通電を遮断する状態においても制動力を維持できるようにしている。
このため、上記のような電動式直動アクチュエータを電動式ブレーキ装置に採用することにより、駐車時に、ブレーキパッドがディスクロータを規定の押圧力で押圧する状態でそのブレーキパッドをロックすることができ、コンパクトな電動式直動アクチュエータを得ることができる。
特開2010−90959号公報 特開2012−87889号公報
上記特許文献2に記載された電動式直動アクチュエータにおいて、ロックピンはリニアソレノイドの作動によりギヤの側面に対して進退動されるものであるため、ロックピンの周辺部にグリースを密封し、そのグリースによってロックピンの摺動部を潤滑することが行われる。
ここで、リニアソレノイドにおいては、コイルに対する通電の開始(オン)によりプランジャを前進させてロックピンをギヤの側面に向けて押圧移動させ、通電解除(オフ)によりリターンスプリングの弾性力でプランジャおよびロックピンを後退させるようにしており、ロックピン押圧用のプランジャが前進するとき、ケーシング内部の容積が増大して圧力が低下するため、ロックピンをスライド自在に支持するピン案内隙間にグリースが吸い込まれ易くなる。
一方、プランジャおよびロックピンが後退すると、ケーシング内部の容積が縮小して圧力が高くなるため、上記ピン案内隙間にグリースが入り込んだ場合、その流入グリースに押出し力が作用することになる。
上記ピン案内隙間にグリースが入り込み、リニアソレノイドのオン、オフが繰り返し行われると、リニアソレノイドのオンによってプランジャが前進動するときの速度は、リターンスプリングの弾性力によってプランジャが後退動するときの速度より速いため、ピン案内隙間に対するグリースの流入量が流出量より多くなり、リニアソレノイドを形成するプランジャとコイルを支持するボビンとの間に形成されたプランジャ案内隙間にまで入る可能性がある。
ここで、ピン案内隙間やプランジャ案内隙間にグリースが流入すると、その粘性抵抗および圧力抵抗により、リニアソレノイドの作動性が阻害されることになる。特に、低温時にはグリースの粘度が高くなるため、ロックピンを円滑に進退動させることができなくなり、強いてはパーキングブレーキが機能しなくなる可能性がある。
また、リニアソレノイドのケーシングが密封されていると、温度上昇によって内部の圧力が上昇するため、リニアソレノイドがオフの状態でも、プランジャが前進してロックピンが突出する可能性がある。その場合、電動モータが駆動状態にあるサービスブレーキの作動時に、ギヤの側面に設けられた係止部にロックピンが意に反して係合し、電動ブレーキをコントロールすることができなくなる可能性が生じる。
そのような不都合は、弾性力の強いリターンスプリングを採用することによって解消することができるが、その場合、コイル径の大きなリターンスプリングを必要とするため、リニアソレノイドが大型化し、コストも高くなるという問題が生じる。
この発明の課題は、ピン案内隙間やプランジャ案内隙間へのグリースの流入によるリニアソレノイドの機能低下を抑制すること、および、リニアソレノイドの小型化を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータと、その電動モータによって回転駆動される駆動軸と、その駆動軸の回転運動を軸方向に移動自在に支持されたスライド部材の軸方向への直線運動に変換する回転・直動変換機構と、前記電動モータから前記駆動軸に回転トルクを伝達する動力伝達経路に組み込まれ、通電によってその動力伝達経路を動力伝達が不能なロック状態に保持する電動ロック機構とを有し、前記電動ロック機構が、動力伝達用回転部材の係止部に対して進退可能なロックピンをリニアソレノイドに対する通電により前進動させて前記係止部に係合させる構成とした電動式直動アクチュエータにおいて、前記リニアソレノイドにおけるケーシングに内部と外部を連通する通気孔を設けた構成を採用したのである。
また、この発明に係る電動式ブレーキ装置においては、電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでディスクロータを押圧して、そのディスクロータに制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、前記電動式直動アクチュエータがこの発明に係る上記電動式直動アクチュエータからなる構成を採用したのである。
上記の構成からなる電動式ブレーキ装置において、電動式直動アクチュエータの電動モータを駆動すると、駆動軸が回転し、その駆動軸の回転は回転・直動変換機構によりスライド部材の軸方向への直線運動に変換されてスライド部材に伝達される。このため、スライド部材が直動し、そのスライド部材に連結されたブレーキパッドがディスクロータに押し付けられ、ディスクロータが制動される。
駐車に際しては、上記のように、ブレーキパッドをディスクロータに押し付け、そのディスクロータに駐車に必要な制動力が負荷される状態において、リニアソレノイドのコイルに通電し、前進動するプランジャによりロックピンを押圧して前進させ、そのロックピンを動力伝達用回転部材の側面に形成された係止部に係合させて、動力伝達経路を動力伝達が不能なロック状態とする。その動力伝達経路のロック状態において、電動モータおよび電動ロック機構に対する通電を遮断して、電気エネルギの無駄な消費を抑制する。
この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、リニアソレノイドにおけるケーシングに内部と外部を連通する通気孔を設けているため、ケーシング内部に組み込まれたプランジャがロックピンを押圧する方向に前進動して内部容積が増大しても、ケーシング内部が負圧とされるようなことはない。
このため、ロックピンをスライド自在に支持するピン案内隙間やプランジャとコイルを支持するボビン間のプランジャ案内隙間にグリースが吸入されるようなことはなく、グリースによってロックピンやプランジャの移動が阻害されるという不都合の発生はない。
また、ケーシングが密封されていると、温度上昇によって内部の圧力が上昇し、プランジャが前進してロックピンが突出する可能性があるが、ケーシングに対する通気孔の形成により、温度上昇によって内部圧力が上昇することがない。このため、ロックピンおよびプランジャを後退動させるリターンスプリングとして、内部圧力の変化を考慮する必要がなく、プランジャとロックピンを復帰動させることができる程度の弾性力の弱いものを採用することができる。その結果、磁力を発生させるコイルも小型のものを採用することができ、リニアソレノイドの小型化を図ることができる。
ここで、電動モータのモータケース内に電動ロック機構を内蔵し、電動モータと電動ロック機構とをユニット化すると、電動モータの組み付けと同時に電動ロック機構の組み付けが行われることになり、電動式直動アクチュエータの組み立ての容易化を図ることができる。
また、電動ロック機構をモータケース内に収容することにより、電動モータに防水対策を施すことにより電動ロック機構も防水処理されることになって電動ロック機構に専用の防水対策を施す必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
また、リニアソレノイドにおけるケーシングのヘッド側端部にヘッドキャップを取り付け、そのヘッドキャップにロックピンをスライド自在に支持するピン孔と、そのピン孔の背部にスプリング収容空間とを設け、そのスプリング収容空間内に上記ロックピンを後退動する方向に付勢するリターンスプリングを組み込むことによって動力伝達用回転部材からロックピンに負荷される回転モーメントをヘッドキャップのピン孔で支持することができるため、ロックピンの変形を防止することができる。
この場合、ヘッドキャップにスプリング収容空間と外部とを連通する通気孔を形成することにより、ロックピンの前進時にスプリング収容空間が負圧になるのを防止することができ、ピン孔を通してスプリング収容空間内にグリースが流入するのを防止することができる。
この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、リニアソレノイドにおけるケーシングに内部と外部を連通する通気孔を設けたことにより、プランジャの進退動によってケーシングの容積が変化しても、ケーシングの内外で圧力差が生じることはなく、ピン案内隙間やプランジャ案内隙間へのグリースの流入を防止し、グリースによるリニアソレノイドの機能低下を抑制することができる。
また、ケーシングの内外で圧力差が生じないため、ロックピンおよびプランジャを後退動させるリターンスプリングとして、ケーシング内部の圧力変化を考慮することのない弾性力の弱いものを採用することができることになり、磁力を発生させるコイルも小型のものを採用することができ、リニアソレノイドの小型化を図ることができる。
この発明に係る電動式直動アクチュエータを採用した電動式ブレーキ装置の実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図1のIII−IIIに沿った断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 ロックピンのロック解除状態を示す断面図 図4に示すギヤ減速機構の縦断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2に示すように、電動式ブレーキ装置は、図示省略した車輪と一体に回転するディスクロータ10の外周囲にキャリパ11を設け、そのキャリパ11の一端部にディスクロータ10のアウタ側面の外周部と軸方向で対向する爪部12を設け、その爪部12でアウタ側ブレーキパッド13を支持している。
また、ディスクロータ10のインナ側面の外周部にインナ側ブレーキパッド14を対向配置し、そのインナ側ブレーキパッド14をキャリパ11の他側部に設けられた電動式直動アクチュエータ20によりディスクロータ10に向けて移動させるようにしている。
ここで、ディスクロータ10の外周部にはマウント15が設けられている。マウント15はナックルに支持されて固定の配置とされ、その両側部に設けられた対向一対のピン支持片16のそれぞれにディスクロータ10に対して直交方向に延びるスライドピン17が設けられ、そのスライドピン17のそれぞれによってキャリパ11がスライド自在に支持されている。
図1に示すように、電動式直動アクチュエータ20は、キャリパ11の他端部に一体化された円筒状のハウジング21を有している。ハウジング21内にはスライド部材としての外輪部材22が組込まれている。外輪部材22はハウジング21の内径面に沿って軸方向に移動自在に支持され、その外輪部材22のアウタ側端部の開口はキャップ23の取り付けによって閉塞されている。また、外輪部材22はアウタ側端部に設けた係止溝をインナ側ブレーキパッド14の突起と嵌合することでハウジング21に対し回り止めされている。
また、ハウジング21内には、外輪部材22のインナ側端部より内側に軸支持部材24が組込まれている。軸支持部材24は円盤状をなし、その中央部にはボス部24aが設けられている。軸支持部材24は、ハウジング21のインナ側端部の内周に設けられた環状突出部25によってハウジング21のインナ側端部から抜け出るのが防止されている。
軸支持部材24のボス部24a内には一対の転がり軸受26が軸方向に間隔をおいて組込まれ、その転がり軸受26によって外輪部材22の軸心上に配置された駆動軸27が回転自在に支持されている。
駆動軸27のインナ側端部は、ハウジング21のインナ側端部に取付けられたギヤケーシング28内に臨んでいる。ギヤケーシング28は、ベースプレート28aと、そのベースプレート28aの表面を覆うカバー28bとからなる。このギヤケーシング28はカバー28bの表面からハウジング21のインナ側端部にねじ込まれるボルト29の締め付けによってハウジング21に固定される。
図4に示すように、ギヤケーシング28のベースプレート28aには電動モータ30が支持されている。電動モータ30は、モータケース31内に組み込まれたステータ32と、そのステータ32の内側に組み込まれたロータ33を有し、上記ロータ33のロータ軸33aの回転はギヤケーシング28内に組込まれた動力伝達経路としてのギヤ減速機構40によって図1に示される駆動軸27に伝達される。
図1に示すように、駆動軸27と外輪部材22の相互間には駆動軸27の回転運動を外輪部材22の軸方向への直線運動に変換する回転・直動変換機構50が設けられている。
回転・直動変換機構50は、外輪部材22と駆動軸27との間に組み込まれた遊星ローラ51の外周に外輪部材22の内周に設けられた螺旋突条52に噛合する螺旋溝53を同一ピッチで、リード角を相違させて形成し、上記駆動軸27の回転により、その駆動軸27との接触により遊星ローラ51を自転させつつ公転させて外輪部材22を軸方向に移動させるようにしている。なお、螺旋溝53に代えて、複数の円周溝を螺旋突条52と同一のピッチで軸方向に等間隔に形成してもよい。
ここで、遊星ローラ51は、駆動軸27を中心にして回転自在に支持されたキャリヤ54によって回転自在に支持されている。キャリヤ54は軸方向で対向する一対のディスク54a、54bを有し、一方のディスク54aの片面外周部には他方のディスク54bに向けて複数の間隔調整部材54cが周方向に間隔をおいて設けられ、その間隔調整部材54cの端面にねじ込まれるねじ55の締付けによって一対のディスク54a、54bが互いに連結されている。
一対のディスク54a、54bのそれぞれは、駆動軸27との間に組込まれたすべり軸受56によって回転自在に支持されており、アウタ側ディスク54aを回転自在に支持するすべり軸受56は駆動軸27の軸端部に嵌合したワッシャ57および駆動軸27の軸端部に取付けた止め輪58によって抜止めされている。
また、一対のディスク54a、54bのそれぞれには、軸方向で対向する一対の長孔からなる軸挿入孔59が周方向に間隔をおいて設けられ、その対向一対の軸挿入孔59により両端部がスライド自在に支持された複数のローラ軸60のそれぞれによって遊星ローラ51が回転自在に支持されている。
複数のローラ軸60の軸端部には、それぞれの軸端部を巻き込むようにして弾性リング61が掛け渡され、その弾性リング61により複数のローラ軸60のそれぞれが半径方向内方に向けて付勢されて遊星ローラ51のそれぞれが駆動軸27の外径面に圧接されている。
キャリヤ54におけるインナ側ディスク54bと遊星ローラ51の軸方向の対向部間には、遊星ローラ51側から順に、スラスト軸受62、加圧板63および受圧板64が組み込まれ、加圧板63と受圧板64は球面座65を介して接触している。また、受圧板64とローラ軸60の嵌合面間には隙間が設けられ、その隙間の範囲内においてローラ軸60と加圧板63は調心自在とされている。
また、キャリヤ54におけるインナ側ディスク54bと駆動軸27を回転自在に支持する前述の軸支持部材24間にはバックアッププレート66とスラスト軸受67とが組み込まれ、そのスラスト軸受67の軌道輪68が軸支持部材24により支持されて軸方向に移動不能とされ、外輪部材22から遊星ローラ51を介してキャリヤ54に負荷される軸方向の反力を上記スラスト軸受67で支持するようなっている。
図1に示すように、ハウジング21のアウタ側開口部は、外輪部材22のアウタ側端部との間に組み込んだベローズ69によって閉塞されている。
図2および図4に示すように、ギヤ減速機構40は、電動モータ30のロータ軸33aに取付けられた入力ギヤ41の回転を一次減速ギヤ列Gおよび二次減速ギヤ列Gにより順次減速して駆動軸27の軸端部に取付けられた出力ギヤ42に伝達し、駆動軸27を回転させるようにしており、そのギヤ減速機構40を駐車時において動力伝達が不能なロック状態に保持する電動ロック機構70がモータケース31に内蔵されて、電動モータ30と電動ロック機構70とがユニット化されている。
ここで、モータケース31は、図4に示すように、ケーシング本体31aと、そのケーシング本体31aの開口部を閉塞する着脱可能な蓋体31bとからなり、上記蓋体31bがケーシング本体31a内に対する電動ロック機構70の組み込み後において、そのケーシング本体31aに取付けられる。
図4、図6および図7に示すように、電動ロック機構70は、一次減速ギヤ列Gにおける出力側の動力伝達用回転部材としての中間ギヤ43の側面に複数の係止部としての円弧状の係止凹部71を同一円上に等間隔に設け、その複数の係止凹部71のピッチ円上の一点に対して進退可能に設けられたロックピン72をリニアソレノイド73により進退させ、係止凹部71に対するロックピン72の係合によって中間ギヤ43をロックするようにしている。
ここで、中間ギヤ43に形成された係止凹部71の周方向で対向する端面の一方は、ロックピン72を後退動する方向に案内するテーパ面71aとされている。なお、係止凹部71を中間ギヤ43の側面に設けたが、中間ギヤ43の歯を係止部として用いてもよい。
図5に示すように、リニアソレノイド73は、端板75によってテール側の開口が閉塞され、ヘッドキャップ76の嵌合によってヘッド側の開口が閉塞された円筒状のケーシング74を有し、そのケーシング74の内側にコイル77を組込み、そのコイル77を支持する円筒状のボビン78の内側にプランジャ79をスライド自在に組み込んでいる。
また、ケーシング74内にヘッドキャップ76と軸方向で対向する磁気吸引コア80を組込み、その磁気吸引コア80とヘッドキャップ76のそれぞれにピン孔81、82を同軸上に形成し、そのピン孔81、82内にプランジャ79と別部品からなるロックピン72を挿入して、ロックピン72を軸方向の二箇所でスライド自在に支持案内しており、上記ロックピン72をギヤケース28内に封入されたグリースによって摺動部を潤滑している。
さらに、ヘッドキャップ76と磁気吸引コア80の対向面間にスプリング収容空間83を形成し、そのスプリング収容空間83内に組み込まれたリターンスプリング84によりロックピン72の外周に取付けた止め輪85を押圧して、ロックピン72およびプランジャ79をロック解除位置に向けて付勢している。
コイル77を支持するボビン78は、樹脂あるいは銅によって形成されている。また、プランジャ79および磁気吸引コア80のそれぞれはコイル77との間で磁気回路を形成するため、強磁性体で形成されている。
一方、ロックピン72およびヘッドキャップ76のそれぞれは、磁気の漏洩を防止するため、非磁性体で形成されている。
プランジャ79には端板75と対向するテール面に弾性部材86が設けられている。弾性部材86はリターンスプリング84の弾性力によってプランジャ79が端板75に向けて後退動した際、その端板75に当接して弾性変形する。その弾性変形によって当接時の衝撃力が緩衝されるようになっている。
ケーシング74における端板75には、内部と外部を連通する通気孔87が形成されている。また、ヘッドキャップ76にはスプリング収容空間83とギヤケース28の内部を連通する通気孔88が設けられている。
上記の構成からなるリニアソレノイド73は、ケーシング本体31aに形成された円筒状のソレノイド収容孔89内に嵌合され、そのソレノイド収容孔89とリニアソレノイド73の相互間に設けられた回り止め手段90によりリニアソレノイド73が回り止めされている。
回り止め手段90は、ソレノイド収容孔89の内周に軸方向の係合溝91を設け、リニアソレノイド73のヘッド側端部外周に回り止め突起92を設け、その回り止め突起92を上記係合溝91に係合してリニアソレノイド73を回り止めしている。
実施の形態で示す電動式ブレーキ装置は上記の構成からなり、図4は、ロックピン72が係止凹部71に係合して中間ギヤ43をロックするロック状態を示している。自動車の走行状態では、図5に示すように、ロックピン72が係止凹部71から抜け出してロック解除状態にある。
いま、ロックピン72のロック解除状態において、図4に示す電動モータ30を駆動すると、その電動モータ30のロータ軸33aの回転がギヤ減速機構40により減速されて図1に示す駆動軸27に伝達される。
駆動軸27の外径面には、複数の遊星ローラ51のそれぞれ外径面が弾性接触しているため、上記駆動軸27の回転により遊星ローラ51が駆動軸27との接触摩擦により、自転しつつ公転する。
このとき、遊星ローラ51の外径面に形成された螺旋溝53は外輪部材22の内径面に設けられた螺旋突条52に噛合しているため、その螺旋溝53と螺旋突条52の係合によって、外輪部材22が軸方向に移動し、その外輪部材22に連結一体化されたインナ側ブレーキパッド14がディスクロータ10に当接し、そのディスクロータ10を軸方向に押圧し始める。その押圧力の反力により爪部12に取付けられたアウタ側ブレーキパッド13がディスクロータ10に接近する方向に向けてキャリパ11が移動し、アウタ側ブレーキパッド13がディスクロータ10に当接して、そのアウタ側ブレーキパッド13がインナ側ブレーキパッド14とでディスクロータ10の外周部を軸方向両側から強く挟持し、ディスクロータ10に制動力が負荷される。
駐車に際しては、上記のように、アウタ側ブレーキパッド13とインナ側ブレーキパッド14とがディスクロータ10を挟持する制動力の付与状態において、図5に示すリニアソレノイド73のコイル77に通電する。その通電により、コイル77とプランジャ79および磁気吸引コア80の相互間で磁気回路が形成され、磁気吸引コア80からプランジャ79に付与される磁気吸引力によりプランジャ79が磁気吸引コア80に向けて移動して、その磁気吸引コア80に吸着される。
このとき、プランジャ79はロックピン72を押圧するため、ロックピン72は中間ギヤ43の側面に向けて前進する。ロックピン72の前進時、そのロックピン72に対して複数の係止凹部71の一つが対向する状態にあると、図6に示すように、係止凹部71にロックピン72が係合し、その係合によって中間ギヤ43がロックされる。この時、電動モータ30のロータ軸33aもロックされ、電動モータ30及びリニアソレノイドに対する通電を遮断し、電気エネルギの無駄な消費を抑制することができる。
ここで、ロックピン72の前進時、そのロックピン72と係止凹部71との間に位相のずれがあると、係止凹部71にロックピン72を係合させることができない。この場合、ロックピン72を前進させた状態で電動モータ30の駆動により、中間ギヤ43を制動方向(図6の矢印で示す方向)に回転させ、係止凹部71をロックピン72と対向する位置まで中間ギヤ43を回転させて、係止凹部71にロックピン72を係合させる。
上記のような係止凹部71とロックピン72の係合による中間ギヤ43のロック状態、つまり、電動モータ30のロータ軸33aのロック状態では、ディスクロータ10からの反力によりギヤ減速機構40のそれぞれのギヤに制動解除方向への回転力が負荷されるため、ロックピン72に傾動させるようなモーメント荷重が負荷される。
このとき、ロックピン72は、磁気吸引コア80に形成されたピン孔81とヘッドキャップ76に形成されたピン孔82のそれぞれによって軸方向の二箇所がスライド自在に支持されているため、ギヤ43からロックピン72に負荷されるモーメント荷重は磁気吸引コア80のピン孔81とヘッドキャップ76のピン孔82のそれぞれで分散して受けられることになり、ピン孔81、82の内径面を損傷させるようなことはない。
電動モータ30におけるロータ軸33aのロック解除に際しては、電動モータ30を駆動して、中間ギヤ43を図7に示す制動方向に回転させ、ロックピン72に対する係止凹部71の一側面の係合を解除し、リターンスプリング84の押圧作用又は係止凹部71の他側のテーパ面71aがロックピン72の先端部を押圧する作用によってロックピン72を係止凹部71から抜け出すロック解除位置まで後退動させる。
このとき、プランジャ79は端板75に当接する。その当接により弾性部材86が弾性変形し、その弾性部材86の弾性変形により端板75に対する当接時の衝撃力を吸収される。
ここで、磁気吸引コア80からプランジャ79に付与される磁気吸引力によりプランジャ79が磁気吸引コア80に向けて移動してロックピン72を押圧移動させる場合、ケーシング74の内部容積が増大する。
このとき、ケーシング74が密閉されたものであると負圧となり、ピン孔82とロックピン72の摺動面間に形成されたピン案内隙間内にグリースが流入することになる。そして、プランジャ79の前進と後退とが繰り返し行われると、ピン案内隙間に対するグリースの流入量が多くなってスプリング収容空間83およびプランジャ79とボビン78との間に形成されたプランジャ案内隙間にも流入し、リニアソレノイド73の作動性が阻害される可能性がある。
しかし、実施の形態においては、ケーシング74の端板75およびヘッドキャップ76のそれぞれに通気孔87、88が設けられているため、プランジャ79の進退動によってケーシング74の容積が変化しても、ケーシング74の内外で圧力差が生じることはなく、ピン案内隙間やプランジャ案内隙間にグリースが流入することはない。このため、リニアソレノイド73の作動性が阻害されることはない。
また、ケーシング74の内外で圧力差が生じることがないため、ロックピン72およびプランジャ79を後退動させるリターンスプリング84として、ケーシング内部の圧力変化を考慮する必要がなく、ロックピン72とプランジャ79とを後退動させることができる程度の弾性力の弱いものを採用することができることになり、磁力を発生させるコイル77も小型のものを採用することができる。その結果、リニアソレノイド73の小型化を図ることができる。
図4に示すように、電動モータ30のモータケース31内に電動ロック機構70を内蔵し、電動モータ30と電動ロック機構70とをユニット化することにより、電動モータ30の組付けと同時に電動ロック機構70の組み付けが行われることになる。このため、電動式直動アクチュエータ20を極めて容易に組み立てることができる。
また、電動ロック機構70をモータケース31内に収容したことによって、電動モータ30の防水対策を施すことで電動ロック機構70も防水処理されることになる。このため、電動ロック機構70に専用の防水対策を施す必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
10 ディスクロータ
13 ブレーキパッド
14 ブレーキパッド
20 電動式直動アクチュエータ
22 外輪部材(スライド部材)
27 駆動軸
30 電動モータ
31 モータケース
40 ギヤ減速機構(動力伝達経路)
43 中間ギヤ(動力伝達用回転部材)
50 回転・直動変換機構
70 電動ロック機構
71 係止凹部(係止部)
72 ロックピン
73 リニアソレノイド
74 ケーシング
76 ヘッドキャップ
82 ピン孔
83 スプリング収容空間
84 リターンスプリング
87 通気孔
88 通気孔

Claims (5)

  1. 電動モータと、その電動モータによって回転駆動される駆動軸と、その駆動軸の回転運動を軸方向に移動自在に支持されたスライド部材の軸方向への直線運動に変換する回転・直動変換機構と、前記電動モータから前記駆動軸に回転トルクを伝達する動力伝達経路に組み込まれ、通電によってその動力伝達経路を動力伝達が不能なロック状態に保持する電動ロック機構とを有し、前記電動ロック機構が、動力伝達用回転部材の係止部に対して進退可能なロックピンをリニアソレノイドに対する通電により前進動させて前記係止部に係合させる構成とした電動式直動アクチュエータにおいて、
    前記リニアソレノイドにおけるケーシングに内部と外部を連通する通気孔を設けたことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
  2. 前記電動モータのモータケース内に前記電動ロック機構を内蔵して電動モータと電動ロック機構とをユニット化した請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
  3. 前記リニアソレノイドにおけるケーシングのヘッド側端部にヘッドキャップを取り付け、そのヘッドキャップに前記ロックピンをスライド自在に支持するピン孔と、そのピン孔の背部にスプリング収容空間とを設け、そのスプリング収容空間内に前記ロックピンを後退動する方向に付勢するリターンスプリングを組み込んだ請求項1又は2に記載の電動式直動アクチュエータ。
  4. 前記ヘッドキャップに前記収容空間と外部とを連通する通気孔を形成した請求項3に記載の電動式直動アクチュエータ。
  5. 電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでディスクロータを押圧して、そのディスクロータに制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、
    前記電動式直動アクチュエータが請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動式直動アクチュエータからなることを特徴とする電動式ブレーキ装置。
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