JPH08324113A - 可逆性感熱記録媒体の記録方法および記録の消去方法 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体の記録方法および記録の消去方法

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JPH08324113A
JPH08324113A JP13375595A JP13375595A JPH08324113A JP H08324113 A JPH08324113 A JP H08324113A JP 13375595 A JP13375595 A JP 13375595A JP 13375595 A JP13375595 A JP 13375595A JP H08324113 A JPH08324113 A JP H08324113A
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JP
Japan
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temperature
recording medium
heating
erasing
reversible thermosensitive
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Pending
Application number
JP13375595A
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English (en)
Inventor
Kyoji Tsutsui
恭治 筒井
Fumio Kawamura
史生 河村
Masaru Shimada
勝 島田
Keiji Taniguchi
圭司 谷口
Hiromi Furuya
浩美 古屋
Takehito Yamaguchi
岳人 山口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可逆性感熱記録媒体の消色状態が短時間で得
られるような記録・消去方法の提供。 【構成】 1.消色状態にある記録層を飽和発色濃度を
呈する温度に一時的に加熱する記録方法、 2.以下のようにする各消色方法、 発色温度への平均昇温速度30℃/秒以下とする、 消色温度への加熱を支持体裏面側から行う、 熱源非接触で加熱する、 低温から高温へ非連続的又は連続的にかつ段階的に
行う、 消色温度範囲内で加熱温度を変動させる、 消色温度からの平均降温速度を20℃/秒以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子供与性呈色性化合物
と電子受容性化合物間の発色反応を利用した可逆的感熱
記録媒体の記録の消去方法に関するものであり、より詳
しくは、発色記録状態と消色状態が良好に繰返し形成で
きる記録の消去方法及び繰返し劣化後の可逆的感熱記録
媒体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤と
も言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広
く知られ、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、
自動券売機、科学計測機のプリンター、CRT医療計測
用プリンター等に広く応用されている。しかし、従来の
製品は、いずれもその発色が不可逆的なもので、発色と
消色を交互に繰返し行わせることができない。一方、特
許公報によれば、発色と消色を可逆的に行わせるものも
提案されており、例えば、顕色剤として没食子酸とフ
ロログルシノールを組合せたものを用いる特開昭60−
193691号公報、顕色剤にフェノールフタレイン
やチモールフタレイン等の化合物を用いる特開昭61−
237684号公報、発色剤と顕色剤とカルボン酸エ
ステルの均質相溶体を記録層に含有する特開昭62−1
38556号、特開昭62−138568号及び特開昭
62−140881号公報、顕色剤に没食子酸と高級
脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2−188294号
公報、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸又は
酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2−18
8293号公報等が開示されている。しかしながら、以
下に示した従来の可逆的感熱記録媒体には種々の問題が
残されており、未だ充分満足し得るものではない。
【0003】本出願人は先に顕色剤として長鎖脂肪族基
を持つ有機リン酸やカルボキシル化合物、フェノール化
合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用い、これを
発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せることによ
って、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせること
ができ、しかもその発色状態と消色状態を常温において
保持することが可能で、且つ消色温度が発色温度よりも
低く、その上、画像の形成及び消去を温度変化により何
度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成物、及び
これを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を提案した
(特願平3−355078)。この可逆的感熱記録媒体
は多数回の繰返し使用においても発色濃度低下等の問題
を起こさず、従来技術からは考えられないほど多数回の
使用が可能である。しかし、該記録媒体の記録消去には
若干の問題があり、特に消色温度等の消色条件が適正で
ないと、消色時間を長くしても充分な記録消去ができな
い場合が多いことが分かった。この場合の消色不良は新
しい印字の判読が困難になる程のものでなく、無色に近
い軽度の消色不良であるが、より鮮明度の高い良好な画
像を得るため、記録方法および消去方法を改善する必要
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は可逆的感熱記
録媒体の発色記録状態にある前記可逆性感熱記録媒体の
記録を消去しようとするとき、画像品質上全く問題にな
らないレベルまで十分に消色した状態が短時間に得られ
るような記録方法および消去方法を提供することをその
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく発色状態の形成条件と消色条件を詳細に検討
した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明によれば以下に上げる(1)〜(17)の記録方法お
よび記録の消去方法が提供される。 (1)電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を含
む記録層を備え、該記録層が、加熱温度および/または
加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と
消色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録
媒体に対し発色記録を形成する方法において、その消色
状態にある記録層を飽和発色濃度を呈する温度に一時的
に加熱することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録
方法。 (2)電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を含
む記録層を備え、該記録層が、加熱温度および/または
加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と
消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体に対し発色
記録を形成する方法において、その消色状態にある記録
層が飽和発色濃度を呈する熱エネルギーを印加すること
を特徴とする可逆的感熱記録媒体の記録方法。 (3)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性
化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度およ
び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色
した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体
に形成された発色記録を消去する方法において、消色温
度への平均昇温速度を30℃/秒以下にすることを特徴
とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。
【0006】(4)消色温度への加熱を、一定温度の熱
源と可逆性感熱記録媒体との距離を連続的に小さくして
いくことによって、平均昇温速度を30℃/秒以下にす
ることを特徴とする上記(3)記載の可逆性感熱記録媒
体の記録の消去方法。 (5)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性
化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度およ
び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色
した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体
に形成された発色記録を消去する方法において、消色温
度への加熱を支持体裏面側から行うことを特徴とする可
逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。 (6)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性
化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度およ
び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色
した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体
に形成された発色記録を消去する方法において、記録媒
体に対し熱源を接触させず、非接触で消色温度へ加熱す
ることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方
法。 (7)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性
化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度およ
び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色
した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体
に形成された発色記録を消去する方法において、消色温
度への加熱を低温から高温へ非連続かつ段階的に行うこ
とを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。
【0007】(8)消色温度への加熱を、異なる温度の
複数の熱源に低温側から順次可逆性感熱記録媒体を接触
または接近させ、低温から高温へ非連続かつ段階的に行
うことを特徴とする上記(7)記載の可逆性感熱記録媒
体の記録の消去方法。 (9)消色温度への加熱を、同一温度の熱源と可逆性感
熱記録媒体の距離を非連続かつ段階的に小さくすること
により、低温から高温へ非連続かつ段階的に行うことを
特徴とする上記(7)記載の可逆性感熱記録媒体の記録
の消去方法。 (10)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容
性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度お
よび/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒
体に形成された発色記録を消去する方法において、消色
温度への加熱を低温から高温へ連続的かつ段階的に行う
ことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方
法。 (11)消色温度への加熱を、異なる温度の複数の熱源
に低温側から順次可逆性感熱記録媒体を接触または接近
させ、低温から高温へ連続的かつ段階的に行うことを特
徴とする上記(10)記載の可逆性感熱記録媒体の記録
の消去方法。
【0008】(12)消色温度への加熱を、同一温度の
熱源と可逆性感熱記録媒体の距離を連続的かつ段階的に
小さくすることにより、低温から高温へ連続的かつ段階
的に行うことを特徴とする上記(10)記載の可逆性感
熱記録媒体の記録の消去方法。 (13)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容
性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度お
よび/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒
体に形成された発色記録を消去する方法において、消色
温度範囲内で加熱温度を変動させることを特徴とする可
逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。 (14)消色温度への加熱を、異なる温度の複数の熱源
に連続的に可逆性感熱記録媒体を接触または接近させて
行い、消色温度範囲内で加熱温度を変動させることを特
徴とする上記(13)記載の可逆性感熱記録媒体の記録
の消去方法。
【0009】(15)消色温度への加熱を、同一温度の
熱源と可逆性感熱記録媒体の距離を連続的に変化させて
行うことにより、消色温度範囲内で加熱温度を変動させ
ることを特徴とする上記(13)記載の可逆性感熱記録
媒体の記録の消去方法。 (16)支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容
性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度お
よび/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒
体に形成された発色記録を消去する方法において、消色
温度からの平均降温速度を20℃/秒以下にすることを
特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。 (17)可逆性感熱記録媒体を一定温度の熱源に接近ま
たは接触して消色温度に加熱した後、熱源と可逆性感熱
記録媒体との距離を連続的に大きくすることにより、消
色温度からの平均降温速度を20℃/秒以下にすること
を特徴とする上記(16)の可逆性感熱記録媒体の記録
の消去方法。 まず本発明に使用される可逆的感熱記録媒体の記録層に
含まれる可逆的熱発色性組成物の発色・消色現象につい
て説明する。
【0010】図1は前記した可逆的熱発色性組成物の発
色濃度と温度との関係を示す。この図の横軸は温度を示
し、縦軸は濃度を示している。図中Aは室温で消色状態
にある組成物を示し、Bは加熱・溶融して発色した状態
の組成物を示す。また、Cは室温で発色状態にある組成
物を示す。組成物Aを室温から昇温していくと、混合・
溶融(共融)し始める温度T1で濃度が上がり、発色状
態の組成物Bに変化する。この組成物Bを急冷すると、
発色状態を維持したまま室温に戻って組成物Cに変化す
る(図中の実線の経路)。発色状態の組成物Cを再び室
温から昇温させると温度T2で濃度が低下し、ついには
消色状態となり組成物Dに変化する。組成物Dを冷却し
降温すると、そのまま消色状態の組成物Aに戻る(図中
の鎖線の経路)。図1に示された温度T1は組成物の発
色開始温度であり、T2は組成物の消色開始温度であ
る。またT2からT1までの温度が組成物の消色温度領域
となる。図1からも分るように、本発明で使用される組
成物が示す発色・消色現象の特徴は溶融して発色する温
度より低い温度領域に消色温度範囲があり、組成物を室
温で発色した状態からこの範囲に加熱すると消色するこ
とである。又、発色と消色の現象を繰り返して生起させ
得ることである。なお、図1は本発明で使用される組成
物の代表的な発色と消色の仕方を示したものであり、発
色開始温度及び消色開始温度は用いる材料の組合せで異
なる。また、溶融して発色している状態の組成物Bの濃
度と、その状態から冷却して得た発色状態の組成物Cの
濃度は必ずしも一致するものではなく、異なる場合もあ
る。
【0011】図1に示された発色状態Cは、顕色剤分子
と発色剤分子とが相互作用した状態のまま規則的な凝集
構造をとっており、このような構造を形成するために発
色状態は室温で安定に保たれる。この発色状態を昇温し
ていくと、図1に示された温度T2で規則的な凝集構造
の崩壊が起こる。そして、温度T2は顕色剤分子が単独
で凝集して結晶化することのできる温度であり、発色剤
分子と顕色剤分子間の結合力と顕色剤分子間の凝集力を
比較すると後者の方が強いため、顕色剤分子は発色剤分
子から離れて単独の結晶を形成し、これによって消色状
態が形成される。このような発色状態からの昇温で消色
が起こる温度の領域は、前記の凝集構造が崩壊する温度
から顕色剤と発色剤の両者が溶融して発色するまでの温
度領域であるが、この領域は発色剤や顕色剤の種類によ
って異なり、かなり広い場合もあるが狭い場合もある。
【0012】以上のように発色状態からの消色は基本的
に顕色剤が単独で結晶化することによって起こるもので
あるが、その結晶化のしやすさは発色状態の分子集合構
造と関係している。良好な消色状態が速やかに形成され
るためには、均一で密度の高い結晶生成が必要である。
発色状態の分子集合構造は発色時の加熱冷却の条件、例
えば加熱温度や冷却の速度などによって変化する。詳細
な検討の結果、このうちとくに加熱温度の違いが消色性
に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。例えば図
2は代表的な顕色剤であるオクタデシルホスホン酸とロ
イコ染料を組み合わせた可逆性感熱記録媒体の記録時の
加熱温度と発色濃度の関係および一定条件で加熱し消色
させたときの濃度の関係について示している。図の実線
は発色濃度であり、破線は消色後の濃度である。この記
録媒体では発色は約80℃以上で起こり、発色濃度は約
90℃で飽和することを示している。80℃から150
℃までの様々な温度で発色させた記録媒体を消色温度範
囲である70℃で消色したときの消色濃度は、発色の立
上り温度である80℃から90℃で発色させた記録媒体
では高く十分な消色が起きていないのに対し、飽和発色
濃度となる90℃以上で発色させたものは十分に低い消
色濃度が得られ、良好な消色状態が形成できることがわ
かる。他の組合せの可逆性感熱記録媒体でも同様な結果
が得られ、飽和発色濃度を呈する温度で加熱することに
よって、消色性のよい発色状態の形成が可能になる。
【0013】発色記録の形成には通常サーマルヘッドが
用いられるが、この場合の印字条件も発色状態を変化さ
せ、消色性に影響を及ぼす。図3は印字エネルギーに対
する発色濃度と消色濃度の関係を示している。十分な熱
エネルギーが印加され、その記録媒体ではこれ以上濃度
が上がらない領域(飽和発色濃度領域)に達した記録媒
体では、消色後の濃度は十分に低下し、記録しなかった
地肌部分の濃度と同レベルまで消色するのに対し、飽和
発色濃度よりやや低い発色濃度の領域では、消色後の濃
度がやや高く消し残りができることがわかる。このよう
な不十分な熱エネルギーで印字した部分を飽和発色濃度
領域で印字した部分と同じレベルまで消色させるために
は、消色時間をかなり長くしなければならない。したが
って、サーマルヘッドで飽和発色濃度を呈するだけの十
分な熱エネルギーを印加して記録することによって、消
色性のよい発色状態が形成できる。良好な消色状態を得
るためには、消色時の加熱条件も重要である。前述のよ
うに消色は、発色状態における分子集合状態が熱運動に
よって崩壊し、より安定な顕色剤単独の結晶を生成する
ことによってロイコ染料をはじきだすことによって起こ
るものである。ここでは十分な結晶の成長が必要であ
り、それには消色温度への昇温の条件が重要である。様
々な昇温条件を検討した結果、同一の温度で消色する場
合でも昇温の速度によって、得られる消色濃度は大きく
変化し、昇温速度はある程度以上遅い方が良好な消色状
態が形成できることが明らかになった。具体的には、消
色温度への平均昇温速度を30℃/秒以下にすることに
よって十分な消色状態が得られる。これ以上の昇温速度
では地肌濃度レベルまで消色させるのは困難である。
【0014】このような消色時の昇温速度を達成するた
めの具体的な方法には次のような方法がある。消色では
全面を均一に加熱するため、一般にヒートローラーや面
状ヒーターあるいは加熱した金属板やブロックが用いら
れるが、これらの熱源に発色記録した可逆性感熱記録媒
体を一気に接触させるのではなく、その間の距離を連続
的に狭めていくことにより、上記の条件に合致した昇温
速度が得られる。このとき所定の消色温度まで到達すれ
ば、熱源に対して記録媒体が最終的に接触してもよい
し、しなくてもよい。具体的には例えば図4(a)のよ
うに一定温度の平面状の熱源に徐々に接近するように記
録媒体を搬送させる方法や、図4(b)のように直線状
に搬送される記録媒体に対し、傾斜を持つ熱源を設置す
る方法がある。この場合熱源は記録媒体の片側だけにあ
ってもよいし、両側にあってもよい。また、消色時の昇
温速度を遅くするために記録媒体の支持体裏面側から加
熱する方法も効果的である。裏面側からの加熱ではまず
支持体の温度が上昇し、さらに支持体上に設置された記
録層に熱が伝わることになるため、記録層の温度上昇速
度は記録層側から加熱するより遅くなり、良好な消色状
態が得られる条件が達成しやすい。この場合も記録媒体
を熱源に対して接触させてもよいし、させなくてもよ
い。ただし、消色時の昇温を遅くするためには、熱源に
接触させるより非接触で加熱する方が効果的である。非
接触では記録媒体と熱源との間に空気層があるため直接
熱が伝わらず、良好な消色条件が得られやすい。非接触
で加熱する場合、記録層側からでも支持体側からでも、
あるいは両側からでもよいが、支持体裏面から加熱すれ
ば昇温はもっとも遅くなる。
【0015】発色状態から顕色剤を均一に高密度で結晶
化させ良好な消色状態を得るためには、消色時の昇温を
消色温度まで一度に上げるのではなく、複数回にわたり
処理温度を上げながら加熱処理することも好ましい。こ
のような非連続かつ段階的な消色処理における記録層の
温度変化の様子を図5に示す。記録層はいったん消色温
度範囲の中の低温域の温度に加熱されたのち、消色温度
範囲より低い温度まで冷却し、再び加熱され一回目より
高い消色温度に上がり、その後室温まで冷却される。こ
のような処理により、例えば二回目の加熱温度で始めか
ら二回分の合計時間処理した場合より、低い消色濃度が
得られる。実際にこのような加熱処理を行うためには、
例えば図6(a)のように異なる温度に加熱した熱源を
間隔を開けて設置し、記録媒体を低温側から搬送する
か、図6(b)のように、同一温度の熱源との距離を近
づけたり離したりするように搬送するか、図6(c)の
ようにヒートブロックの形状によって距離が非連続かつ
段階的に小さくなるようにすればよい。このような段階
的な昇温は低温から高温への連続的に行うことによって
も同様に効果的な消色が可能になる。図7に連続的かつ
段階的な消色処理による記録層の温度変化の様子を示
す。記録層はまず消色温度範囲内の低温域の温度に加熱
された後、続いてはじめより高い消色温度範囲内の温度
に加熱される。このような段階的な処理によると始めか
ら二段目の温度に加熱したときより、良好な消色状態が
得られる。段階的な加熱を行う具体的な方法としては、
例えば図8(a)のように加熱温度の異なる熱源を隣接
して設置し、記録媒体を低温側から搬送するか、図8
(b)のように同一温度の熱源との距離を段階的に近づ
けるように搬送するか、図8(c)のようにヒートブロ
ックの形状によって距離が段階的に小さくなるようにす
ればよい。
【0016】良好な消色状態を得るためには、顕色剤が
十分に結晶化する必要がある。そのための加熱条件とし
て消色温度範囲内で加熱温度を変動させる方法がある。
図9はこのような消色処理による記録層の温度変化の様
子を示したものである。消色温度範囲内で温度を変動さ
せると、一定温度で同じ時間処理したときより消色濃度
を低下させることができる。加熱温度を変動させる具体
的な方法としては、例えば図10(a)のように消色温
度内の異なる温度に加熱したヒートローラーの間を搬送
する方法や、(b)のようにヒートブロックの形状によ
って記録媒体との距離を連続的に変化させる方法があ
る。さらに発色状態から顕色剤が単独で結晶化した消色
状態を形成するとき、加熱状態からの降温速度によって
も形成される状態が変化し、その結晶消色の程度に差が
現れる。降温速度は遅いことが好ましく、平均の降温速
度が20℃/秒以下であると良好な消色状態が得られ
る。これ以上の降温速度では同一の温度で同じ時間処理
しても消色濃度がやや高くなり、消し残りが認められ
る。このような条件の降温速度を得るには、例えば図1
1(a)、(b)に示すように、所定温度の熱源に接近
または接触して消色温度に加熱した後、徐々に熱源との
距離を大きくするように記録媒体を搬送するか、熱源の
形状を工夫すればよい。
【0017】本発明で使用する可逆的熱発色性組成物に
用いられる顕色剤は、基本的には分子内に発色剤を発色
させることができる顕色能を示す構造と、分子間の凝集
力をコントロールする長鎖構造部分を併せ持つ化合物で
あり、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合
物、脂肪族カルボン酸化合物、あるいはフェノール化合
物、又は炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプト
酢酸の金属塩、あるいは炭素数16以上の脂肪族基を持
つ酸性リン酸エステル等である。脂肪族基は直鎖状又は
分枝状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハロゲ
ン、アルコキシ基、エステル基等の置換基を持っていて
もよい。以下、顕色剤について具体的に例示する。 (a)有機リン酸化合物、 下記一般式(1)で表わされる化合物が用いられる。 R1−PO(OH)2 (1) (但し、R1は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例と
しては、例えば以下のものが挙げられる。
【0018】ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホ
ン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン
酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テト
ラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタ
コシルホスホン酸等。有機リン酸化合物として下記一般
式(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホン
酸も好ましく使用される。
【0019】
【化1】
【0020】(ただし、R2は炭素数11〜29の脂肪
族基である) 一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホス
ホン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−
ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオ
クタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒド
ロキシテトラコシルホスホン酸等が挙げられる。有機リ
ン酸化合物としては、下記一般式(3)で表わされる酸
性有機リン酸エステルも使用される。
【0021】
【化2】
【0022】(式中、R3は炭素数16以上の脂肪族基
を、R4は水素原子又は炭素数1以上の脂肪族基を表わ
している) 一般式(3)で表わされる酸性有機リン酸エステルを具
体的に示すと、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタ
デシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジド
コシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、
モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフ
ェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシ
ルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メ
チルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェ
ート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキ
サデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェ
ート等が挙げられる。 (b)脂肪族カルボン酸化合物、 下記一般式(4)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸が
好ましく用いられる。
【0023】 R5−CH(OH)−COOH (4) (但し、R5は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(4)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカ
ン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシ
オクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−
ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、
α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサ
コサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。脂肪族カ
ルボン酸化合物としては、ハロゲン元素で置換された炭
素数12以上の脂肪族基を備えた脂肪族カルボン酸化合
物で、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン
元素を持つものも好ましく用いられる。このような化合
物の具体例としては、例えば以下のものを挙げることが
できる。
【0024】2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモヘ
プタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモ
エイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、2−ブロモテト
ラコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモエ
イコ酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フロル
ドデカン酸、2−フロルテトラデカン酸、2−フロルヘ
キサデカン酸、2−フロルオクタデカン酸、2−フロル
エイコサン酸、2−フロルドコサン酸、2−ヨードヘキ
サデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘ
キサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフロル
オクタデカン酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては炭
素鎖中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を持
つ脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β
位またはγ位の炭素がオキソ基となっているものも用い
られる。このような化合物の具体例としては、例えば以
下のものを挙げることができる。
【0025】2−オキソドデカン酸、2−オキソテトラ
デカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、2−オキソオク
タデカン酸、2−オキソエイコサン酸、2−オキソテト
ラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3−オキソテトラ
デカン酸、3−オキソヘキサデカン酸、3−オキソオク
タデカン酸、3−オキソエイコサン酸、3−オキソテト
ラコサン酸、4−オキソヘキサデカン酸、4−オキソヘ
プタデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソ
ドコサン酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、下記
一般式(5)で表わされる二塩基酸も用いられる。
【0026】
【化3】
【0027】(但し、R6は炭素数12以上の脂肪族基
を表わし、Xは酸素原子又はイオウ原子を表わし、nは
1又は2を表わすが、Xnが−SO2−基であっても良
い) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テ
トラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデ
シルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ
酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テ
トラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、
オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ド
デシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、
ヘキサデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリン
ゴ酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリン
ゴ酸、テトラコシルジチオリンゴ酸、ドデシルスルホン
ブタン二酸、テトラデシルスルホンブタン二酸、ヘキサ
デシルスルホンブタン二酸、オクタデシルスルホンブタ
ン二酸、エイコシルスルホンブタン二酸、ドコシルスル
ホンブタン二酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、
下記一般式(6)で表わされる二塩基酸も用いられる。
【0028】
【化4】
【0029】(ただし、R7,R8,R9は水素原子又は
脂肪族基を表わし、このうち少なくとも一つは炭素数1
2以上の脂肪族基である) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二酸、
トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペン
タデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコ
シルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキ
サデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二
酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル
−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキ
サデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン
二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オ
クチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。脂肪族カルボン酸
化合物としては、下記一般式(7)で表わされる二塩基
酸も用いられる。
【0030】
【化5】
【0031】(ただし、R10,R11は水素原子又は脂肪
族基を表わし、このうち少なくとも一つは炭素数12以
上の脂肪族基である) 一般式(7)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、テ
トラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデ
シルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン
酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテ
トラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオク
タデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシル
マロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコ
シルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラ
コシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチル
エイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチル
テトラコシルマロン酸等。脂肪族カルボン酸化合物とし
ては、下記一般式(8)で表わされる二塩基酸も用いら
れる。
【0032】
【化6】
【0033】(ただし、R12は炭素数12以上の脂肪族
基を表わし、nは0または1を表わし、mは1,2また
は3を表わし、nが0の場合、mは2または3であり、
nが1の場合はmは1又は2を表わす) 一般式(8)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。2−ドデシル−ペンタ
ン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オクタ
デシル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二
酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキ
サン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オク
タデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二
酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。脂肪族カルボン酸
化合物としては、長鎖脂肪酸によりアシル化されたクエ
ン酸などの三塩基酸も用いられる。その具体例として
は、例えば以下のものが挙げられる。
【0034】
【化7】
【0035】フェノール化合物としては、下記一般式
(9)で表わされる化合物が用いられる。
【0036】
【化8】
【0037】(ただし、Yは−S−,−O−,−CON
H−,−NHCO−,−NHCONH−,−NHSO2
−,−CH=CH−CONH−又は−COO−を表わ
し、R13は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、nは
1,2または3の整数である)。一般式(9)で表わさ
れるフェノール化合物の具体例としては、例えば以下の
ものが挙げられる。p−(ドデシルチオ)フェノール、
p−(テトラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデ
シルチオ)フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェ
ノール、p−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ド
コシルチオ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フ
ェノール、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−
(テトラデシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシ
ルオキシ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フ
ェノール、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−
(ドコシルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオ
キシ)フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノー
ル、p−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘ
キサデシルカルバモイルフェノール、p−オクタデシル
カルバモイルフェノール、p−エイコシルカルバモイル
フェノール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p
−テトラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキ
サデシルエステル、没食子酸オクタデシルエステル、没
食子酸エイコシルエステル、没食子酸ドコシルエステ
ル、没食子酸テトラコシルエステル等。
【0038】
【化9】
【0039】例えば、4’−ヒドロキシトリデカンアニ
リド、4’−ヒドロキシヘプタデカンアニリド、4’−
ヒドロキシノナデカンアニリド、3’−ヒドロキシノナ
デカンアニリド、4’−ヒドロキシドコサンアニリドな
ど、
【0040】
【化10】
【0041】例えば、4−(N−ドデシルスルホニルア
ミノ)フェノール、4−(N−オクタデシルスルホニル
アミノ)フェノールなど、
【0042】
【化11】
【0043】例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N’−ドデシルウレア、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N’−オクタデシルウレア、N−(4−ヒドロキ
シフェニル)−N’−ドコシルウレアなど、
【0044】
【化12】
【0045】例えば、N−ドデシル−p−ヒドロキシシ
ンナムアミド、N−テトラデシル−p−ヒドロキシシン
ナムアミド、N−オクタデシル−p−ヒドロキシシンナ
ムアミド、N−ドコシル−p−ヒドロキシシンナムアミ
ド、N−オクタコシル−p−ヒドロキシシンナムアミ
ド。
【0046】(d)メルカプト酢酸の金属塩、 一般式(10)で表わされるアルキル又はアルケニルメ
ルカプト酢酸の金属塩が用いられる。 (R14−S−CH2−COO)2M (10) (ただし、R14は炭素数10〜18の脂肪族基を表わ
し、Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表わす) 一般式(10)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具
体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0047】デシルメルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメ
ルカプト酢酸スズ塩、テトラデシルメルカプト酢酸スズ
塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸スズ塩、オクタデシル
メルカプト酢酸スズ塩、デシルメルカプト酢酸マグネシ
ウム塩、ドデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、テト
ラデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシル
メルカプト酢酸マグネシウム塩、オクタデシルメルカプ
ト酢酸マグネシウム塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、
ドデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプ
ト酢酸亜鉛塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オ
クタデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢
酸銅塩、ドデシルメルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメ
ルカプト酢酸銅塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、
オクタデシルメルカプト酢酸銅塩等が挙げられる。
【0048】本発明で使用される可逆的熱発色性組成物
は、基本的に前記顕色剤に対して発色剤を組合わせるこ
とによって構成されるものである。本発明で用いる発色
剤は電子供与性を示すものであり、それ自体無色あるい
は淡色の染料前駆体であり、特に限定されず、従来公知
のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系化合物、
フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコ
オーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物など
が用いられる。その発色剤の具体例を以下に示す。本発
明に用いる好ましい発色剤として下記一般式(11)又
(12)の化合物がある。
【0049】
【化13】
【0050】但し、R15は水素又は炭素数1〜4のアル
キル基、R16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキ
シル基又は置換されていてもよいフェニル基を示す。フ
ェニル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基
等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基又はハロゲン等が示される。R17は水素、炭素数1
〜2のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲンを表わ
す。R18は水素、メチル基、ハロゲン又は置換されてい
てもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基
は、アルキル基、置換されていてもよいアリール基やア
ラルキル基等であり、ここでの置換基はアルキル基、ハ
ロゲン、アルコキシ基等である。このような発色剤の具
体例としては、例えば次の化合物が挙げられる。
【0051】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブ
チル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N
−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−(m−トリクロルメチルアニリノ)−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−
トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−
メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルア
ニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル
−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−
メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プ
ロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−クロ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノ
フルオラン、2−(o−フロルアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−(m−トリフロルメチルアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−ア
セチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベン
ジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エ
チル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジ
ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチル
ベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニ
リノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エチルアミノ−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エ
チル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジ
メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)
フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−
p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ
プロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニ
リノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニ
リノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−
p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピ
ル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−p−クロルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p
−クロルアニリノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6
−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−クロル−6−ジプロピルアミ
ノフルオラン、3−クロル−6−シクロヘキシルアミノ
フルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフ
ルオラン、2−クロル−6−(N−エチル−N−イソア
ミルアミノ)フルオラン、2−クロル−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロル
アニリノ)−3−クロル−6−シクロヘキシルアミノフ
ルオラン、2−(m−トリフロルメチルアニリノ)−3
−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,
3−ジクロルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−
イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−
ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N
−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)
フルオラン、その他。
【0052】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジル
アミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p
−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシ
カルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフロルメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−エトキシエチルアミノ−3−クロル−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロル−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリ
フロルメチルアニリノ)−4−クロル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロ
リジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ピ
ロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フ
ルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロルメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4’−
ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−N−n−プロピル−p−トリフロルメ
チルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−p−クロルフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−
トリフロルメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、2−(ジ−N−p−クロルフェニル−メチルアミ
ノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロ
ピル−m−トリフロルメチルアニリノ)−6−モルフォ
リノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−
N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6
−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−〔3,6−ビス
(ジエチルアミノ)〕−6−(o−クロルアニリノ)キ
サンチル安息香酸ラクタム、2−〔3,6−ビス(ジエ
チルアミノ)〕−9−(o−クロルアニリノ)キサンチ
ル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアニ
リノ)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアニリ
ノ)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバ
イオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルア
ニリノ)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアニリノ)−6−クロルフタリド、3,
3−ビス(p−ジブチルアニリノ)フタリド、3−(2
−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2
−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアニリノ)
−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアニリノ)−
3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアニリノ)−3−
(2−メトキシ−5−トリル)フタリド、3−(2−メ
トキシ−4−ジメチルアニリノ)−3−(2−ヒドロキ
シ−4−クロル−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6−ク
ロル−8−メトキシ−ベンゾインドリノースピロピラ
ン、6−ブロモ−2−メトキシ−ベンゾインドリノース
ピロピラン等。
【0053】本発明で使用する記録媒体の記録層に形成
される前記の可逆的熱発色性組成物は、基本的にはアル
キル鎖構造部分を持つ前記顕色剤と発色剤とを組合せた
組成物であり、個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が
存在する。この可逆的熱発色性組成物に用いる顕色剤と
発色剤の組合せは、両者を溶融温度以上に加熱して得ら
れる発色状態組成物を、溶融温度より低温へ加熱したと
きに起る消色のし易さ(消色性)と、発色状態の色調等
の特性で適当に選択される。このうち消色性はその組合
せで得られる発色状態組成物の示差熱分析(DTA)、
又は示差走査熱量分析(DSC)における昇温過程に現
れる発熱ピークの有無で判断できる。この発熱ピークは
前記組成物を特徴づける消色現象と対応するものであ
り、消色性の良好な組合せを選択する基準となる。本発
明で使用される可逆的熱発色性組成物は、発色剤と顕色
剤の割合を使用する化合物の物性によって適切な比率に
する必要がある。その範囲はおおむねモル比で発色剤1
に対し顕色剤が1から20の範囲であり、好ましくは2
から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくて
も多くても発色状態の濃度が低くなり、実用上の問題と
なる。また、上記の好ましい範囲にあっても発色剤と顕
色剤の割合で消色特性は変化し、比較的顕色剤が多い場
合には消色開始温度が低くなり、比較的少ない場合には
消色が温度に対してシャープになる。従って、この割合
は用途や目的に応じて適当に選択しなければならない。
【0054】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体
は、前記の組成物を含む記録層を支持体上に設けたもの
であり、該記録媒体の基本的構成は最下層に支持体を備
え、その上に記録層及び保護層を順次積層したものであ
るが、支持体と記録層の間には記録層の組成物が支持体
へ浸透するのを防ぐアンダーコート層を、記録層と保護
層の間には接着性向上等を目的とする中間層を存在させ
るのが好ましい。ここで用いられる支持体は紙、合成
紙、プラスチックフィルム或いはこれらの複合体、ガラ
ス板等であり、記録層を保持できるものであればよい。
記録層は前記の可逆的熱発色性組成物が存在すればどの
ような態様のものでも良いが、通常はバインダー樹脂内
に顕色剤と発色剤とを充分良く分散して記録層とするの
が良く、この方法で長寿命の可逆的感熱記録媒体を得る
ことができる。顕色剤及び発色剤は、そのまま或いはマ
イクロカプセル中に内包して用いることができる。顕色
剤、発色剤のマイクロカプセル化はコアセルベーション
法、界面重合法、インサイチュ重合法など公知の方法で
行うことができる。なお、顕色剤や発色剤は単独でも2
種以上混合して使用してもよい。
【0055】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体で
は必要に応じて、塗布特性或いは記録特性の向上を目的
に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤、
例えば分散剤、界面活性剤、高分子カチオン系導電剤、
填料、発色画像安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤
等を記録層に加えることもできる。記録層の形成は発色
剤と顕色剤とをバインダー樹脂と共に水又は有機溶剤に
均一に分散もしくは溶解して、これを支持体上に塗布・
乾燥する公知の方法で行えばよい。記録層のバインダー
樹脂の主要な役割は、発色・消色の繰り返しで可逆的熱
発色性組成物が凝集するのを防止し、該組成物が均一に
分散した状態を保持することである。そして、発色時の
熱印加で該組成物が凝集することが多いから、バインダ
ー樹脂には耐熱性の高いものを使うのが望ましい。
【0056】このようなバインダー樹脂として、例えば
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチ
レン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香
族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル
類、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルアルコール、塩素化塩化ビニル樹脂、前記バインダ
ー樹脂の混合物等が用いられる。保護層は熱印加時の熱
と圧力による表面の変形や変色を防ぐから、多数回使用
時には保護層設置が好ましい。保護層にはポリビニルア
ルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポ
リエチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂等のほか、紫外線硬化樹脂や電子
線硬化樹脂等の種々の硬化性樹脂が使用される。これら
は単独又は2種以上混合して使用されるが、保護層形成
用樹脂に硬化剤を加えて設層し、該層を設層後に硬化さ
せてもよい。
【0057】アンダーコート層は断熱性向上、支持体と
記録層間の接着性向上、記録層内組成物の支持体への浸
透防止等の目的で設置される。該層の主な役割の一つは
印加熱エネルギーを無駄なく記録の形成や消去に利用す
るための断熱性向上であり、断熱用アンダーコート層設
置で発色や消色をシャープに行うことができる。該層は
支持体上に有機又は無機材質の微小中空体粒子を塗工し
て設けられるが、該層を設ける代りに断熱性支持体を使
っても断熱性向上が可能である。中間層は記録層と保護
層間の接着性向上や、記録層の発色性組成物が保護層へ
移行するのを防止する等の多様な目的で設けられるが、
特に保護層に耐熱性や耐摩擦性の高い硬化性樹脂を使用
することが多いため、接着性向上用中間層の設層は利点
が多く、該層の設置で記録媒体の耐久性が向上する場合
が多い。アンダーコート層及び中間層の形成用バインダ
ー樹脂には、前記の記録層形成用バインダー樹脂のほ
か、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢
酸セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ゼラチン、カゼイン、でん粉等が使用される。
【0058】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお実施例中の部及び%は重量基準である。 実施例1 厚さ100μmのポリエステルフィルム上に下記組成よ
りなる記録層塗布液を0.8mmのワイヤーバーを用い
て塗布し、直ちに150℃で乾燥し発色状態の記録層を
形成した。次に70℃の恒温槽中で10分間加熱処理
し、初期消色状態とした。 記録層塗布液 オクタデシルホスホン酸 17部 3−ジブチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製: VYHH) 33部 3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 225部 1,3−ジシクロヘキシル−2−(2,5−ジクロロフェニル) グアニジン 0.5部 この記録層上に下記の保護層塗布液を0.1mmのワイ
ヤーバーを用いて塗布し、70℃で3分間乾燥後、80
W/cmの紫外線ランプを照射して硬化させ保護層を形
成した。
【0059】 保護層塗布液 ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶 液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157) 150部 炭酸カルシウム(白石カルシウム社製:カルライトSA) 2部 ポリエチレンワックス 1部 メチルエチルケトン 50部 2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン 8部 このようにして作製した可逆的感熱記録媒体を80℃か
ら150℃の範囲の温度に加熱したホットプレート上に
10秒間のせたのち、裏面を氷水に接触させて急冷し、
発色させた。各温度で発色させた記録媒体を消色温度で
ある70℃のオーブン中で1分間消色させた。各発色温
度に対する発色濃度と消色処理後の濃度を図2に示す。
この記録媒体の飽和発色温度は92℃以上であり、これ
以上の温度で発色させた記録媒体の発色濃度は2.10
〜2.15である。これらは消色処理後いずれも0.1
6まで濃度が低下した。しかし、発色濃度が立ち上がる
80〜90℃の温度で発色させた記録媒体は消色処理後
も十分には濃度が低下していない。例えば85℃と90
℃で発色させたものは発色濃度が1.37と1.96の
ように低いにもかかわらず、消色処理後もそれぞれ0.
96、0.50までしか低下しなかった。以上のよう飽
和発色濃度を呈する温度で発色させることにより、良好
な消色が可能になることがわかる。
【0060】実施例2 実施例1で記録層塗布液に用いたオクタデシルホスホン
酸の代りにドコシルホスホン酸を用い、初期消色状態と
するための熱処理温度を85℃とした以外は実施例1と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。実施例1と
同様にして飽和発色温度を調べると100℃以上であっ
た。この飽和発色温度以上で発色させた記録媒体は、8
5℃で1分間消色処理するといずれも1.95から0.
12まで濃度が低下し、良好な消色状態が得られた。し
かし、発色の立上り部分の温度である97℃で発色させ
ると、同じ消色処理で1.02から0.49までしか濃
度が低下しなかった。
【0061】実施例3 実施例1で記録層塗布液に用いたオクタデシルホスホン
酸の代りにヘキサデシルホスホン酸を用い、初期消色状
態とするための熱処理温度を60℃とした以外は実施例
1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。このよ
うにして作製した可逆性感熱記録媒体をサーマルヘッド
を用いて発色させた。サーマルヘッドに印加するパルス
の幅を1msecとし、電圧を変化させて印字したとき
の印加エネルギーに対する発色濃度を測定した結果が図
3である。この記録媒体のこの印字条件における飽和発
色エネルギーは40mJ/cm2以上であることがわか
る。各印加エネルギーで発色させた記録媒体を60℃で
1分間消色処理したのち濃度を測定し、図3に示した。
飽和発色エネルギーで発色させた記録媒体は濃度が約
1.8から0.25まで低下しているのに対し、発色の
立上り部分の35mJ/cm2で印字すると、濃度は
1.56から0.30までしか低下しなかった。以上の
ように飽和発色濃度を呈するエネルギーを印加して発色
させることによって、良好な消色状態が得られることが
わかる。
【0062】実施例4 実施例1の記録媒体について実施例3と同様にして飽和
発色エネルギーを求めると50mJ/cm2以上であっ
た。この範囲である55mJ/cm2で印字すると発色
濃度は1.86であり、これを70℃で1分間消色処理
すると0.18まで消色した。しかし、飽和発色エネル
ギーより低い45mJ/cm2で印字すると、発色濃度
は1.65と低いにもかかわらず、0.21までしか消
色しなかった。 実施例5 実施例1の可逆性感熱記録媒体を130℃のホットプレ
ートで加熱し、氷水で急冷し発色させた。発色濃度は
1.80であった。この記録媒体を室温から消色温度で
ある70℃まで平均の昇温速度が約10、20および4
0℃/秒となるように三つの条件で昇温し、70℃です
ぐに放冷した。これらの消色処理によってそれぞれ消色
濃度0.22、0.25、0.96が得られた。以上の
ように昇温速度のおそい方がよく消色し、とくに良好な
消色のためには、30℃/秒以下の速度が好ましいこと
がわかる。
【0063】実施例6 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに記録
層側から約5mm/秒の速度で近づけて接触させ5秒間
加熱した。この消色処理によって濃度は0.26まで低
下した。一方、ホットプレートに対して一気に接触させ
5秒間加熱すると、濃度は0.32までしか低下しなか
った。このように記録媒体と熱源との距離を連続的に減
少させることにより昇温速度を遅くすることによって、
良好な消色が可能になることがわかる。 実施例7 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに支持
体裏面側から一気に接触させ5秒間加熱した。この消色
処理によって濃度は0.25まで低下した。記録層表面
側から接触したときには、0.32までしか低下しない
ことから、支持体裏面側からの加熱が良好な消色状態の
形成に有効であることがわかる。
【0064】実施例8 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を75℃のホットプレートに記録
層表面側を約1mmの距離まで一気に接近させ、5秒間
加熱した。この消色処理によって濃度は0.25まで低
下した。70℃のホットプレートにじかに接触させたと
きは0.32までしか低下しないことから、熱源に対し
て接触させず、非接触で加熱することが良好な消色状態
の形成に有効であることがわかる。 実施例9 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を75℃のホットプレートに支持
体裏面側を約1mmの距離まで一気に接近させ、5秒間
加熱した。この消色処理によって濃度は0.16まで低
下した。70℃のホットプレートにじかに接触させたと
きは0.32までしか低下しないことから、熱源に対し
て記録層側を接触させず、裏面から非接触で加熱するこ
とが良好な消色状態の形成に有効であることがわかる。
【0065】実施例10 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を55℃のホットプレートに支持
体裏面側を3秒間接触させた。いったん室温に戻し濃度
を測定すると1.65であった。次に70℃のホットプ
レートに支持体裏面側を3秒間接触させて加熱したとこ
ろ、濃度は0.21まで低下した。一方、始めから70
℃のホットプレートに支持体裏面を6秒間接触させた場
合には0.24までしか低下しなかった。この結果か
ら、低温から高温への非連続かつ段階的な加熱が、良好
な消色状態の形成に有効であることがわかる。 実施例11 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに支持
体裏面側から約2mmまで接近させて3秒間加熱した。
いったん室温に戻し濃度を測定すると1.58であっ
た。次に支持体裏面側を3秒間接触させて加熱したとこ
ろ、濃度は0.18まで低下した。始めから支持体裏面
側を6秒間接触させた場合には0.24までしか低下し
なかったことから、記録媒体と熱源との距離を非連続か
つ段階的に減少させて、低温から高温へ非連続かつ段階
的に加熱することが良好な消色状態の形成に有効である
ことがわかる。
【0066】実施例12 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を55℃のホットプレートに支持
体裏面側を3秒間接触させ、続いて70℃のホットプレ
ートに同様に3秒間接触させて加熱したところ、濃度は
0.20まで低下した。始めから70℃のホットプレー
トに6秒間接触させた場合には0.24までしか低下し
なかったことから、低温から高温への連続的かつ段階的
な加熱が良好な消色状態の形成に有効であることがわか
る。 実施例13 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに支持
体裏面側を約2mmまで接近させ3秒間加熱し、続いて
3秒間接触させて加熱したところ、濃度は0.18まで
低下した。始めから支持体裏面側を6秒間接触させた場
合には0.24までしか低下しなかったことから、記録
媒体と熱源との距離を連続的かつ段階的に減少させて、
低温から高温へ連続的かつ段階的に加熱することが良好
な消色状態の形成に有効であることがわかる。
【0067】実施例14 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を60℃のホットプレートに支持
体裏面側を2秒間接触させ、続いて70℃のホットプレ
ートに1秒間接触させ、続いて60℃に1秒間、さらに
続いて70℃に1秒間接触させて加熱したところ、濃度
は0.20まで低下した。始めから70℃に5秒間接触
した場合には0.25までしか低下しなかったことか
ら、温度の異なる熱源に連続的に接触させて加熱温度を
変動させることが、良好な消色状態の形成に有効である
ことがわかる。 実施例15 実施例1の可逆的感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を75℃のホットプレートに支持
体裏面側を約2mmまで接近させ2秒間加熱し、続いて
これを約1mmまで接近させ1秒間加熱し、続いて再び
約2mmまで離し1秒間加熱し、さらに続いて再び約1
mmまで接近させ1秒間加熱したところ、濃度は0.1
8まで低下した。始めから70℃のホットプレートに支
持体裏面を5秒間接触した場合には0.25までしか低
下しないことから、記録媒体と一定温度の熱源との距離
を連続的に変化させることにより、消色温度範囲内で加
熱温度を変動させることが、良好な消色状態の形成に有
効であることがわかる。
【0068】実施例16 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに支持
体裏面側を接触させて5秒間加熱し、その後、平均約1
0℃/秒で室温まで降温させた。このとき濃度は0.2
2まで低下した。一方、降温の速度を平均約30℃/秒
とすると、濃度は0.26までしか低下しなかった。こ
の結果から、消色温度への加熱後の平均降温速度を20
℃/秒以下とすることが、良好な消色状態の形成に有効
であることがわかる。 実施例17 実施例1の可逆性感熱記録媒体を実施例5と同様に発色
させた。この記録媒体を70℃のホットプレートに支持
体裏面を接触させて5秒間加熱した後、約5mm/秒の
速度で記録媒体をホットプレートから離し、室温まで降
温した。このとき濃度は0.20まで低下した。このよ
うに消色温度へ加熱した後、記録媒体と熱源との距離を
徐々に広げて室温まで降温することは、良好な消色状態
の形成に有効であることがわかる。
【0069】
【発明の効果】電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を含む記録層をもち、加熱溶融によって発色記録状
態を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の
消えた状態を形成する可逆性感熱記録媒体に対し、本発
明の記録方法および記録の消去方法を適用することによ
り、従来の方法に比べより完全な消色状態の形成が可能
になり、これによって鮮明な画像が繰り返し安定して形
成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される可逆性感熱記録媒体の温度
と発色濃度との関係を示す図。
【図2】可逆性感熱記録媒体における発色温度と発色濃
度および消色濃度の関係を示す図。
【図3】可逆性感熱記録媒体におけるサーマルヘッドの
印字エネルギーと発色濃度および消色濃度の関係を示す
図。
【図4】本発明の記録の消去方法において消色温度への
昇温速度を遅くする方法の具体例を示す図。
【図5】本発明の記録の消去方法における非連続かつ段
階的な加熱による記録層の温度変化を示す図。
【図6】本発明の記録の消去方法における非連続かつ段
階的な加熱方法の具体例を示す図。
【図7】本発明の記録の消去方法における連続的かつ段
階的な加熱による記録層の温度変化を示す図。
【図8】本発明の記録の消去方法における連続的かつ段
階的な加熱方法の具体例を示す図。
【図9】本発明の記録の消去方法における連続的な加熱
温度の変動の様子を示す図。
【図10】本発明の記録の消去方法における連続的な温
度変動を起こす加熱方法の具体例を示す図。
【図11】本発明の記録の消去方法において消色温度か
らの降温速度を遅くする方法の具体例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 圭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 古屋 浩美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山口 岳人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度および
    /または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色し
    た状態と消色した状態を形成する可逆的感熱記録媒体に
    対し発色記録を形成する方法において、その消色状態に
    ある記録層を飽和発色濃度を呈する温度に一時的に加熱
    することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録方法。
  2. 【請求項2】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱温度および
    /または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色し
    た状態と消色した状態を形成する可逆性感熱記録媒体に
    対し発色記録を形成する方法において、その消色状態に
    ある記録層が飽和発色濃度を呈する熱エネルギーを印加
    することを特徴とする可逆的感熱記録媒体の記録方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱
    温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対
    的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱
    記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度への平均昇温速度を30℃/秒以下にする
    ことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方
    法。
  4. 【請求項4】 消色温度への加熱を、一定温度の熱源と
    可逆性感熱記録媒体との距離を連続的に小さくしていく
    ことによって、平均昇温速度を30℃/秒以下にするこ
    とを特徴とする請求項3記載の可逆性感熱記録媒体の記
    録の消去方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱
    温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対
    的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱
    記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度への加熱を支持体裏面側から行うことを特
    徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱
    温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対
    的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱
    記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、記録媒体に対し熱源を接触させず、非接触で消色温
    度へ加熱することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記
    録の消去方法。
  7. 【請求項7】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電
    子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加熱
    温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対
    的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感熱
    記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度への加熱を低温から高温へ非連続かつ段階
    的に行うことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の
    消去方法。
  8. 【請求項8】 消色温度への加熱を、異なる温度の複数
    の熱源に低温側から順次可逆性感熱記録媒体を接触また
    は接近させ、低温から高温へ非連続かつ段階的に行うこ
    とを特徴とする請求項7記載の可逆性感熱記録媒体の記
    録の消去方法。
  9. 【請求項9】 消色温度への加熱を、同一温度の熱源と
    可逆性感熱記録媒体の距離を非連続かつ段階的に小さく
    することにより、低温から高温へ非連続かつ段階的に行
    うことを特徴とする請求項7記載の可逆性感熱記録媒体
    の記録の消去方法。
  10. 【請求項10】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加
    熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相
    対的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感
    熱記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度への加熱を低温から高温へ連続的かつ段階
    的に行うことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の
    消去方法。
  11. 【請求項11】 消色温度への加熱を、異なる温度の複
    数の熱源に低温側から順次可逆性感熱記録媒体を接触ま
    たは接近させ、低温から高温へ連続的かつ段階的に行う
    ことを特徴とする請求項10記載の可逆性感熱記録媒体
    の記録の消去方法。
  12. 【請求項12】 消色温度への加熱を、同一温度の熱源
    と可逆性感熱記録媒体の距離を連続的かつ段階的に小さ
    くすることにより、低温から高温へ連続的かつ段階的に
    行うことを特徴とする請求項10記載の可逆性感熱記録
    媒体の記録の消去方法。
  13. 【請求項13】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加
    熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相
    対的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感
    熱記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度範囲内で加熱温度を変動させることを特徴
    とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方法。
  14. 【請求項14】 消色温度への加熱を、異なる温度の複
    数の熱源に連続的に可逆性感熱記録媒体を接触または接
    近させて行い、消色温度範囲内で加熱温度を変動させる
    ことを特徴とする請求項13記載の可逆性感熱記録媒体
    の記録の消去方法。
  15. 【請求項15】 消色温度への加熱を、同一温度の熱源
    と可逆性感熱記録媒体の距離を連続的に変化させて行う
    ことにより、消色温度範囲内で加熱温度を変動させるこ
    とを特徴とする請求項13記載の可逆性感熱記録媒体の
    記録の消去方法。
  16. 【請求項16】 支持体上に電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を含む記録層を備え、該記録層が、加
    熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相
    対的に発色した状態と消色した状態を形成する可逆性感
    熱記録媒体に形成された発色記録を消去する方法におい
    て、消色温度からの平均降温速度を20℃/秒以下にす
    ることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録の消去方
    法。
  17. 【請求項17】 可逆性感熱記録媒体を一定温度の熱源
    に接近または接触して消色温度に加熱した後、熱源と可
    逆性感熱記録媒体との距離を連続的に大きくすることに
    より、消色温度からの平均降温速度を20℃/秒以下に
    することを特徴とする請求項16の可逆性感熱記録媒体
    の記録の消去方法。
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