JPH09327971A - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性記録媒体Info
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Abstract
用条件、環境条件に対応できるものであり、特に高速で
消去可能な可逆性発色組成物及びそれを用いた可逆性感
熱記録媒体を提供する。 【解決手段】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違
いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し
うる可逆性熱発色組成物において、電子受容性化合物と
して次の一般式(1)で表わされるカルボン酸化合物を
用いる可逆性感熱発色組成物。 (Xは次の一般式(2)で表わされる2価の基を表わ
す。) (Aは2価の脂肪族炭化水素基、Bは2価の芳香族基又
は脂肪族基を表わす。またYおよびZはヘテロ原子を含
む2価の基を表わす。)
Description
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物に関する。また本発明は、その可
逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御するこ
とにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録
媒体に関する。
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサー、科学計測機などのプリンターに使用さ
れている。しかし、これらの実用化されている従来の記
録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した
画像を消去して繰り返して使用することはできない。
きる記録媒体も特許公報等において提案されており、た
とえば、特開昭60−193691号公報には顕色剤と
して没食子酸とフロログルシノールを組み合わせて用い
ることが、特開昭61−237684号公報には顕色剤
にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化
合物を用いることが、特開昭62−138556号公
報、特開昭62−138568号公報および特開昭62
−140881号公報には発色剤と顕色剤とカルボン酸
エステルの均質相溶体を記録層に含有させることが、特
開昭63−173684号公報には顕色剤にアスコルビ
ン酸誘導体を用いることが、特開平2−188293号
公報および特開平2−188294号公報には顕色剤に
ビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級
脂肪族アミンとの塩を用いることが、それぞれ記載され
ている等種々の技術が開示されている。しかしながら、
これら公報に示される従来の可逆性感熱記録媒体は、発
色の安定性と消色性の両立という点、あるいは発色の濃
度や繰り返しにおける安定性という点で問題を残してお
り、実用的な記録媒体として満足し得るものではない。
報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有
機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノ
ール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料と組
み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件に
より容易に行わせることができ、しかもその発色状態と
消色状態を常温において安定に保持させることが可能で
あり、しかも発色と消色を安定して繰り返すことが可能
な可逆性感熱発色組成物及びこれを記録層に用いた可逆
性感熱記録媒体を提案した。これは発色の安定性と消色
性のバランスや発色濃度の点で実用レベルの性能を持つ
ものであるが、さらに広範囲な使用環境への対応や発色
消色条件の適用範囲の面で改良すべき余地があった。そ
の後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物に
ついての特定の構造の使用が提案されているが(特開平
6−210954)、これも同様の問題を持っていた。
な発色性と消色性を保持し、広範囲な使用条件、環境条
件に対応できるものであり、特に高速で消去可能な可逆
性感熱発色組成物及び可逆性感熱記録媒体を提供するこ
とにある。
剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象では、長鎖
脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子
間の凝集力のバランスが重要であると考え、種々の構造
の化合物を検討した。その結果、特定のカルボン酸化合
物を顕色剤として用いることにより、上記の課題が解決
できることを見出した。電子供与性呈色性化合物の電子
受容性化合物による発色反応を利用した可逆性感熱発色
組成物において、本発明では電子受容性化合物として次
の一般式(1)で表わされるカルボン酸化合物を用いる
ものである。
基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水素原
子を表わし、R2は炭素数8以上の脂肪族炭化水素基を
表わす。さらにXは2価の基を表わしている。) 一般式(1)で表わされる化合物のうちR2で表わされ
る脂肪族炭化水素基の炭素数は多い方が好ましい。炭素
数が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、
炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより
好ましい。一般式(1)中のXは、たとえば次の一般式
(2)で表わされる構造の2価の基である。
数を表わし、Aは2価の脂肪族炭化水素基、Bは置換基
を有していてもよい2価の芳香族基又は脂肪族基を表わ
す。またYおよびZはそれぞれ少なくとも1つのヘテロ
原子を含む2価の基を表わしており、これらは同一であ
っても異なっていてもよい。) 式(2)中のY、Zは、ヘテロ原子を含む2価の基を示
し、好ましくは
表わす。その例としては、次のものが挙げられる。
における顕色剤のさらに具体的な例としては、表1に示
した化合物が挙げられるが何等これらに限定されるもの
ではない。
に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構
成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与
性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体(ロイコ染料)であり、特に限定されず、従来公
知のもの、例えばフタリド系化合物、アザフタリド系化
合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、
ロイコオーラミン系化合物などから選択できる。その発
色剤を以下に示す。本発明に用いる好ましい発色剤とし
て次の一般式(3)または(4)の化合物がある。
基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル
基又は置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニ
ル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基など
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキ
シ基又はハロゲン等が示される。R5は水素、炭素数1
〜2のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲンを表わ
す。R6は水素、メチル基、ハロゲン又は置換されてい
てもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基と
しては、例えば、アルキル基、置換されていてもよいア
リール基、置換されていてもよいアラルキル基を示す。
ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコキシ基
などである。)このような発色剤の具体例としては、例
えば次の化合物が挙げられる。
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イ
ソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−
N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソア
ミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
ートルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラン、2
−(mートリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(mートリフロロメ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(mートリフロロメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−エチル−pートルイジノ)−3−メチル−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−pー
トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−pー
トルイジノ)フルオラン、
N−エチルアミノ)フルオラン、2−(oークロロアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(oーブ
ロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(oークロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−(oーブロモアニリノ)−6−ジブチルアミノ
フルオラン、2−(mートリフルオロメチルアニリノ)
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(pーアセチル
アニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルア
ミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エ
チル−pートルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミ
ノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジ
ルアミノ−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−pー
トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−pーメチルベンジ
ルアミノ)−6−(N−エチル−pートルイジノ)フル
オラン、2−(αーフェニルエチルアミノ)−6−(N
−エチル−pートルイジノ)フルオラン、2−メチルア
ミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メ
チルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−pート
ルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−
メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−
エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−
メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6
−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルア
ミノ−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−pートル
イジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N
−メチル−アニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミ
ノ−6−(N−エチル−アニリノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−エチル−pートルイジノ)
フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−pート
ルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル
−pーエチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−エチル−pーエチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−プロピル−pーエチルアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−pー
クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
エチル−pークロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−プロピル−pークロロアニリノ)フルオラ
ン、
ルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−pートルイ
ジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3
−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−
ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−ク
ロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フル
オラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(oークロロアニリノ)−3−
クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−
(mートルフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロア
ニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミ
ノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N
−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、そ
の他。
色剤の具体例を示すと以下のとおりである。 2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプ
ロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(pーク
ロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フル
オラン、2−(pークロロアニリノ)−6−(N−n−
パルミチルアミノ)フルオラン、2−(pークロルアニ
リノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、
2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−pートルイ
ジノ)フルオラン、2−(oーメトキシベンゾイルアミ
ノ)−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキ
シ−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラン、
2−ベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−
pートルイジノ)フルオラン、2−(αーフェニルエチ
ルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(pートルイジノ)−3−(tーブチル)−6
−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラン、2−
(oーメトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチ
ル−pートルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−(mートリフルオロメチルアニリノ)フルオラ
ン、4−メトキシ−6−(N−エチル−pートルイジ
ノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロ
ロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルア
ミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−pートルイジ
ノ)フルオラン、2−(αーフェニルエチルアミノ)−
4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−ベンジル−pートリフロロメチルアニリノ)−4−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ
−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,
5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(mートリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−
ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−
3,4−ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−
N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジ
ノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プ
ロピル−pートリフロロメチルアニリノ)−6−モルフ
ォリノフルオラン、2−(ジ−N−pークロロフェニル
−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−
(N−n−プロピル−mートリフロロメチルアニリノ)
−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−
(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,
2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルア
ミノ)フルオラン、
6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(oークロロアニ
リノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビ
ス(ジエチルアミノ)]−9−(oークロロアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(pージメ
チルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(pー
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−
ビス(pージメチルアミノフェニル)−6−ジエチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(pージメチルアミノフェ
ニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス(pージブ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ
−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒ
ドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−
メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−
ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−
(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−
(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3
−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3
−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェ
ニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
7−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−
ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3
−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)
−7−アザフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−
ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’
−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その
他。
度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成しうるものである。こ
の基本的な発色・消色現像を説明する。図1はこの組成
物の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじ
め消色状態(A)にある組成物を昇温していくと、溶融
し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)と
なる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のま
ま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)と
なる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態か
らの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で
消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷
発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて
選択できる。また溶融発色状態の温度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合が多い。例えば、加熱された溶融状態(B)では、ほ
とんど発色していないが、急冷するとその過程で発色が
起こり、結果的に室温で安定な発色状態(C)が形成で
きる組成物もある。本発明は、これら様々な発色・消色
特性を示す組成物をすべて包含するものである。
て得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで
接触反応しうる状態で混合された状態である。この状態
は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であ
り、この凝集構造の形成により発色が安定化していると
考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態で
ある。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合
してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集
あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離し
て安定化した状態であると考えられる。本発明では多く
の場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによっ
てより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から
徐冷による消色及び発色状態からの昇温による消色は、
いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤
の結晶化が起きている。
て用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどに
よりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよ
い。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度
よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しか
し、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結
晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じであ
る。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離または
結晶化温度に保持しないようにするためである。ここに
おける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なも
のであり、その境界は発色剤と顕色剤の組み合わせによ
り変化する。
する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化する
が、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1か
ら20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲
である、この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色
状態の濃度が低下し実用に適さない。
に前記の組成物を主成分として含む記録層を設けたもの
である。支持体としては紙、樹脂フィルム、合成紙、金
属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層
を保持できるものであればよい。支持体には、磁気記録
層や可逆性のない感熱記録層など他の記録層が形成され
ていてもよい。
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成する。これは発色剤と顕色剤をいったん溶
融したり溶解することによって達成できる。このような
記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散溶解し
たのち混合した液、あるいは各材料を混合して溶剤中で
分散又は溶解した液を支持体上に塗布し、乾燥すること
によって行われる。発色剤と顕色剤はマイクロカプセル
中に内包して用いることもできる。
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、例えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填
剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発
色安定化剤、消色促進剤などがある。
としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリ
スチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリ
エステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重
合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー
樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によ
って片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにあ
る。従って、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用
いることが好ましい。例えば熱、紫外線、電子線などで
バインダー樹脂を架橋させてもよい。
支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、記
録媒体としての特性を向上するため、保護層、接着層、
中間層、アンダーコート層、バックコート層などを設け
ることができる。
のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場
合がある。これを防止するため表面に保護層を設けるこ
とが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコール、ス
チレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂のほか、紫外線硬化樹脂、及び電子線
硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中には紫外線
吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層
への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける
ことも好ましい。また、記録層の上に設置される保護
層、中間層には酸素透過性の低い樹脂を用いることが好
ましい。記録層中の発色剤及び顕色剤の酸化を防止又は
低減することが可能になる。
持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設ける
ことができる。断熱層は有機又は無機の微小中空体粒子
をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成でき
る。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録層
材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設ける
こともできる。
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層及びアンダーコート層には
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化
ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどの
フィラーを含有させることができる。その他、滑剤、界
面活性剤分散剤などを含有させることもできる。
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラ、熱スタン
プ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用い
て長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱す
るためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパル
ス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時
よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サー
マルヘッドだけで記録・消去ができ、所謂オーバーライ
トが可能になる。勿論、熱ローラ、熱スタンプによって
消色温度域に加熱して消去することもできる。
明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも
重量を基準とするものである。
チルアミノフルオランを用い、顕色剤として化合物N
o.3を用いて本発明の組成物を以下のように作成し
た。まず発色剤と顕色剤を1:5の混合比(モル比)と
なるように秤量し、乳鉢で粉砕混合した。厚さ1.2m
mのガラス板をホットプレート上で温度170℃に加熱
した。続いて、溶融混合物の上からカバーグラスをかぶ
せ、融液を一様な厚さに広げ、すぐにガラス板ごと全体
を用意しておいた氷水中に沈め、急冷した。降温後、す
ぐに氷水上から取り出し、付着した水を除き、薄膜状の
発色した本発明の組成物を得た。
10℃に加熱したホットプレート上に置くと瞬時に消色
した。再びこの消色した組成物試料を170℃に加熱す
ると黒色を呈した。このことから本発明の組成物は発色
消色の繰り返し特性を有することが確認された。同様な
方法により、化合物No.2、No.4、No.5、N
o.7、No.8、No.34及びNo.51を用いた
組成物についても発色消色の繰り返し特性を確認した。
砕分散して記録層塗布液を調整した。 2−(oークロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 化合物No.3の顕色剤 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製、VYHH) 10部 メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 上記組成の記録層塗布液を、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム上にワイヤーバーを用い塗布し、乾燥して
膜厚約6.0μmの記録層を持つ本発明の可逆性感熱記
録媒体を作製した。
8を用いた以外は、実施例2と同様にして本発明の可逆
性感熱記録媒体を作製した。
砕分散して記録層塗布液を調整した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノアミノフルオラン 4部 化合物No.2の顕色剤 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製、VYHH) 12部 メチルエチルケトン 110部 上記組成の記録層塗布液を、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム上にワイヤーバーを用い塗布し、乾燥して
膜厚約6.0μmの記録層を持つ本発明の可逆性感熱記
録媒体を作製した。
3を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可逆
性感熱記録媒体を作製した。
4を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可逆
性感熱記録媒体を作製した。
7を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可逆
性感熱記録媒体を作製した。
8を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可逆
性感熱記録媒体を作製した。
34を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可
逆性感熱記録媒体を作製した。
51を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の可
逆性感熱記録媒体を作製した。
ルヘッドによって印加電力13.3V、印加パルス幅
1.2ミリ秒の条件で印字し発色画像を得た。この発色
画像の光学濃度をマクベス濃度計RD−914を使用し
測定した。
した温度の恒温槽中に約20秒間加熱したのち濃度を測
定した。これらの結果を表2に示す。さらに、上記発色
操作と消色操作を10回繰り返して行い、発色の可逆性
を調べたところ、実施例2〜10のすべての組み合わせ
について、発色消色の繰り返しが可能であることを確認
できた。
試験機を用いて表2に示す消去温度で、1秒間加熱した
のち濃度を測定した。これらの結果を表2に示す。表2
により、本発明の記録媒体が、1秒間の加熱で地肌濃度
と同レベルまで消去することがわかる。以上の結果か
ら、本発明の記録媒体が高速に消去可能な可逆性感熱記
録媒体であることが明らかになった。
た、ロイコ染料として2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−pートリルアミノ)フルオランを用
いた以外は、実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体
を作製した。
を行った。この記録媒体は、表2に示すように1秒の加
熱では初期地肌濃度まで消去せず、消し残りが生じる。
また、この発色した記録媒体は、地肌濃度とほぼ等しい
0.16まで低下させるのに1分間の加熱が必要であっ
た。
なように、本発明の可逆性感熱記録組成物は、安定な発
色状態と良好な消色状態を繰り返して形成できるため、
これを用いた可逆性感熱記録媒体はコントラストの高い
画像の形成と消去が容易な操作により可能になる。また
発色画像は通常の使用条件下で安定であり、記録消去の
繰り返しに対する耐久性も高く、特に高速に消去可能な
実用性の高い書替え型記録媒体が得られる。
性を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違
いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し
うる可逆性熱発色性組成物において、前記電子受容性化
合物として次の一般式(1)で表わされるカルボン酸化
合物を用いることを特徴とする可逆性感熱発色組成物。 【化1】 (式(1)中、nは1〜3の整数を示す。また、R1は
水酸基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水
素原子を表わし、R2は炭素数が8以上の脂肪族炭化水
素基を表わす。また、Xは次の一般式(2)で表わされ
る2価の基を表わす。) 【化2】 (ただし、式(2)中のp、qはそれぞれ0又は1の整
数を表わし、Aは2価の脂肪族炭化水素基、Bは置換基
を有していてもよい2価の芳香族基又は脂肪族基を表わ
す。またYおよびZはそれぞれ少なくとも1つのヘテロ
原子を含む2価の基を表わしており、これらは同一であ
っても異なっていてもよい。) - 【請求項2】 支持体上に可逆性感熱発色組成物を含有
する記録層を設けてなる可逆性感熱記録媒体において、
前記可逆性感熱発色組成物として請求項1記載の可逆性
感熱発色組成物を用いたことを特徴とする可逆性感熱記
録媒体。
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