JPH08322300A - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置

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JPH08322300A
JPH08322300A JP7103892A JP10389295A JPH08322300A JP H08322300 A JPH08322300 A JP H08322300A JP 7103892 A JP7103892 A JP 7103892A JP 10389295 A JP10389295 A JP 10389295A JP H08322300 A JPH08322300 A JP H08322300A
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current
torque
induction motor
phase
magnetic flux
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Application number
JP7103892A
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English (en)
Inventor
Masato Mori
真人 森
Tadashi Ashikaga
正 足利
Takayuki Mizuno
孝行 水野
Kazutoshi Nagayama
和俊 永山
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 インバータを含めた最大効率制御を実現し、
発生トルクの振動を防止し応答遅れを改善しインバータ
の過電流を防止する。 【構成】 誘導電動機とインバータの総合損失WTOTAL
を、トルク指令T* 、回転数ωr 、励磁電流I0'を用い
た式で表わし、電流指令演算器21において、任意の負
荷及び回転数における総合損失WTOTAL を最小にする励
磁電流I0'を求めるとともにこの励磁電流I0'に基づき
トルク電流IT を求め、これらの励磁電流I0'及びトル
ク電流IT に基づき電流制御を行なう。電流制御部6に
入力される励磁電流指令I0 * ,I1d *を磁束モデルや最
小次元磁束オブザーバにて磁束を推定し補正して、高速
磁束応答を行なう。また、電流制御部6への励磁電流指
令をリミッタを挿入してインバータ出力電流を制限す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘導電動機のベクトル制
御装置に関し、特に誘導電動機単体のみならずインバー
タの効率も含めた総合効率を最大にする場合に適用して
有用なものである。
【0002】
【従来の技術】図13は従来技術に係る誘導電動機のベ
クトル制御装置を示すブロック線図である。同図に示す
ベクトル制御装置において、誘導電動機1の速度制御部
2は、速度指令ωr *と速度検出部3からの速度検出値ω
r の偏差から比例積分演算によってトルク電流IT を得
る。トルク電流IT とこれに直交させる励磁電流I0'と
誘導電動機1の二次時定数(τ2 )からすべり周波数演
算部4ですべり周波数ωs を求める。すべり周波数ωs
は、誘導電動機1の速度検出値ωr と加算されて一次角
速度ω0 に変換され、この角速度ω0 は積分演算部5に
よって積分されて位相角θ*として求められる。電流制
御部6はトルク電流IT 及び励磁電流I0'に対して夫々
のトルク電流検出値ITFB 及び励磁電流検出値IOFB
の偏差から比例積分演算による演算を行い、さらに両演
算結果に対して誘導電動機内の干渉分を加減算して回転
座標のトルク軸のトルク軸電圧VT と励磁軸電圧V0
得る。トルク電流検出値ITFB 及び励磁電流検出値I
OFB は誘導電動機1の三相電流検出値から演算される。
この演算は三相電流IU ,IW をA/D変換部7で夫々
ディジタル値に変換し、両者を加算して符号を反転する
ことによってV相の電流検出値IV も求め、各電流値I
U ,IV ,IW から3相2相変換部8で固定座標の二相
交流電流に変換し、これを座標変換部9で回転座標のト
ルク電流ITFB と励磁電流IOFB に変換する。電流制御
部6からの非干渉化した電圧制御信号V0 ,VT は座標
変換部10によって極座標の電圧V1 と位相角φに変換
され、さらに極座標/三相変換部11によって固定座標
の三相電圧VU ,VV ,VW に変換され、PWMインバ
ータ12の出力電圧制御信号にされる。
【0003】上述の如きベクトル制御においては、一般
に、励磁電流I0'が運転状態に関係なく一定に制御され
るため、効率の面から考えれば軽負荷時に銅損や鉄損の
増大による不必要な損失が発生し、効率が低下するとい
う問題がある。
【0004】かかる問題点を解決し、全負荷範囲に亘っ
て効率を高めることができるベクトル制御法も提案され
ている(永山、水野、足利、小林;「ベクトル制御イン
バータによる誘導電動機最大効率制御の一方法」、電気
学会 半導体電力変換研究会資料 資料番号SPC−9
3−88;以下文献1と称す)。この文献1によれば従
来のベクトル制御に最大効率制御部を挿入している。す
なわち、図14に示すように速度指令ωr *と誘導電動機
(IM)1の速度検出器3の検出速度ωr との偏差から
速度制御部2にてトルク指令T* を得て、ついで後述す
る最大効率制御部13にて負荷に応じた励磁電流指令I
0'* とトルク電流指令IT *を得ているものである。この
後は電流制御部6、座標変換部10、2相3相変換部1
1を介してIM1のインバータ制御を行ない、フィード
バック系では3相2相変換部8、座標変換部9を介して
電流実際値を電流制御部6に戻すようにしており、かか
る点は従来からのベクトル制御系と変りはない。また、
速度検出器3の検出速度ωr に演算器14にて極対数P
を加味してすべり角周波数ωs から電源角周波数ωを求
め電流制御部6に直接入力しまた演算器5による積分後
に座標変換部10,9に入力していわゆるすべり周波数
制御を行なっていることも従来の制御系と変りはない。
なお、符号*は指令値を示す。
【0005】図15は、図14に示す最大効率制御部1
3の具体的なブロックである。文献1に示すようにトル
ク指令T* に割算器41にて3PM’(Pは極対数、
M’はαMで、α=M/L2 でMは相互インダクタン
ス、L2 は二次自己インダクタンス)で除算するとI0
Tを得ることになり、更にこの値を演算器42に示す
トルク電流IT と励磁電流I0 との比IT/I0=Aを用
いて割算器43にて除算しI 0 2を求め、演算器44,4
5にて平方根を求め上限、下限のリミッタをかけて励磁
電流指令I0'* を得る。そして、このI0'* を用いて割
算器41の出力を更に割算器46にて除算しトルク電流
指令IT *を得る。すべり角周波数ωs はR2/L2 (R
2 は二次抵抗)と上記A=IT/I0 に比例する関係に
あるので、係数器47にてIT * にR2/L2 を乗算しし
かも割算器48にてI0'* 除算することにより、すべり
角周波数ωs を得る。この値ωs と演算器14にて極対
数Pを加味した検出速度ωr とを加え合せて電源角周波
数ωを得る。鉄損抵抗算出部49では、鉄損抵抗Rm
周波数により変化することを利用して上記角周波数ωに
て抵抗Rm を得ている。この抵抗Rm を係数器50にて
1/Mの乗算し、更に掛算器51にて励磁電流指令I0'
* との乗算を行ない、割算器52にて角周波数ωによる
除算を行なった結果、I0'*・(Rm /M)・(1/ω)
から鉄損電流Ic が求まる。加え合せ点53にてこの鉄
損電流Ic とトルク電流指令IT *とを加算することによ
りdq軸上での電流I1q * が得られ、またI0'* はその
ままI1d * として得られる。なお、図14での最大効率
制御部13の出力は励磁電流指令I0'* 、トルク電流指
令IT *なる表示としているが、前述の関係からdq軸に
て電流指令I 1d * 及び電流指令I1q * より鉄損電流を除
いたものと同等となる。
【0006】この結果、最大効率の条件は、文献1にも
示すごとくAを(R1+Rm')/(R 1 +R2')の平方根
として求めることができて、(Rm' はαRm 、R2'は
αR2)Aは前述の如くトルク電流と励磁電流との比で
も決定できることから、トルク指令T* に対してI0'*
をT*/(3PM'A)の平方根として、IT * をT*
(3PM'I0'*)として求まり、これら電流値に基づき
一次電流、すべり角周波数が決まり、結局、任意の負荷
状態において効率を最大とすることができる。
【0007】図16は励磁電流I0 をパラメータとして
従来のベクトル制御におけるトルクと効率との関係を示
すと共に最大効率制御でのトルクと効率との関係を示し
ている。この図からも判断するように、従来では励磁電
流の大小により効率が最大となるトルクの値が変化して
おり、効率改善のためには軽負荷程励磁電流を小さく抑
える必要があり、また、最大効率制御部13の挿入によ
って励磁電流の最大効率点のみを通っており、任意の負
荷に対して最大効率制御が略成立している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1に開示され
ている最大効率制御は、誘導電動機の運転状況に応じて
励磁電流を増減することにより効率を改善するものであ
り、誘導機単体の効率という点では非常に優れた制御方
法である。しかし、この制御方法は、誘導機単体の効率
を最大とする制御であるため、インバータの効率も含め
た総合効率という点では必ずしも最大効率とはならない
という問題がある。
【0009】更に、上述の如く最大効率制御は、IMの
運転状況に応じて励磁電流を増減し効率を改善するもの
であるが、図15における励磁電流指令I0'* =I1d *
は特別な補償をすることなく出力されており、すべり周
波数指令もこの励磁電流指令を用いて計算している。か
かる状態にあって、励磁電流指令I0'* にて発生する実
際の磁束は、このI 0'* の一次遅れとなり、すべりもこ
の影響を受ける。このため、トルク電流と磁束の積にて
決まるトルクも立上りが遅れることになり、図17のシ
ミュレーションの結果にみられるトルクの振動が発生し
て実システム上問題となる。この振動をなくす一方法と
して図15に示すリミッタ45の後段にIMの二次時定
数相当の一次遅れを加えることにより過渡現象を防止す
るクッション回路(図示省略)を挿入する提案もある
が、トルク応答の遅れは依然として除去することはでき
ない。
【0010】更にまた、上述の最大効率制御では、リミ
ッタ45によって、I0'* の値をある範囲内にリミット
しているので過電流となることはないが、磁束制御時に
過電流エラーが発生して停止してしまうことがある。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、誘導機の効
率のみならずインバータの効率をも含めた場合での最大
効率制御を実現し得る誘導電動機のベクトル制御装置の
提供を目的とする。
【0012】更に本発明は、上述の問題点に鑑み、最大
効率制御を用いたベクトル制御にあって、トルクの振動
を防止し、またトルク応答遅れを改善するようにしたベ
クトル制御装置の提供を目的とする。
【0013】また本発明は、上述の問題点に鑑み、最大
効率制御を用いたベクトル制御にあって、インバータが
過電流エラーにて停止しないようにしたベクトル制御装
置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明は次の構成を特徴とする。 (1)誘導電動機の励磁電流とトルク電流とを制御する
誘導電動機のベクトル制御装置において、誘導電動機と
インバータとを組み合わせたときの総合損失を、トル
ク、回転数及び励磁電流を用いた式に基づき任意のトル
ク指令及び誘導電動機の速度検出値に対し最小とする励
磁電流を求めるとともに、この励磁電流に基づきトルク
電流を求め、これらの励磁電流及びトルク電流を電流制
御系へ送出する電流指令演算器を有することを特徴とす
る。 (2)誘導電動機の励磁電流とトルク電流とを制御する
誘導電動機のベクトル制御装置において、誘導電動機と
インバータとを組み合わせたときの総合損失を最小とす
る励磁電流及びトルク電流の値を、トルク及び回転数を
パラメータとして演算して予め形成したデータ・テーブ
ルを記憶しているデータ・テーブル記憶部と、外部から
供給されるトルク指令及び誘導電動機の速度検出値に基
づきこれらトルク指令及び速度検出値に対応して前記総
合損失を最小にする励磁電流及びトルク電流を読み出
し、この読み出した励磁電流及びトルク電流を電流制御
系へ送出する電流指令部とを有することを特徴とする。 (3)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段に励磁電流指
令を演算するための磁束を推定する磁束モデル部を備え
たことを特徴とする。 (4)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段にあって負荷
状態に応じて励磁電流を調整する最大効率制御部と、こ
の最大効率制御部と電流制御部との間にあって励磁電流
指令を演算するための磁束を推定する磁束モデル部と、
を備えたことを特徴とする。 (5)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段に励磁電流指
令を演算するため磁束を推定する最小次元磁束オブザー
バを備えたことを特徴とする。 (6)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段にあって負荷
状態に応じて励磁電流を調整する最大効率制御部と、こ
の最大効率制御部と電流制御部との間にあって励磁電流
指令を演算するため磁束を推定する最小次元磁束オブザ
ーバと、を備えたことを特徴とする。 (7)励磁電流指令を演算するための磁束を推定する磁
束モデル部や最小次元磁束オブザーバを含む磁束制御部
にて得られる励磁電流指令値をインバータの最大出力電
流を越えないように制限するリミッタを備えたことを特
徴とする。 (8)リミッタの入力を直流入力電圧及び誘導電圧電動
機一次電流最大値の少なくとも一方としたことを特徴と
する。
【0015】
【作用】上記構成の第1の発明によれば、電流指令演算
器は、トルク指令及び速度検出値に基づき誘導電動機と
インバータとを組み合わせたときの総合損失を最小にす
る励磁電流を演算するとともに、この励磁電流に基づき
トルク電流を演算し、両者を電流指令値として電流制御
系に送出する。上記構成の第2の発明によれば、電流指
令部がトルク指令及び速度検出値に基づき前記総合損失
を最小にする励磁電流及びトルク電流をデータ・テーブ
ル記憶部から読み出し、両者を電流指令値として電流制
御系に送出する。また、上記第3〜第6の発明によれ
ば、電流制御部への励磁電流指令を磁束を推定する磁束
モデルや最小次元磁束オブザーバによって高速磁束応答
制御が可能となり、励磁電流指令を補正して磁束の遅れ
を改善することができ、ひいてはトルクの応答遅れが改
善できる。更に、上記第7、第8の発明によれば、イン
バータの最大出力電流以上の電流は通電せず、インバー
タの過電流エラーが防止できる。
【0016】ここで、等価回路を用いて総合効率を最大
とするベクトル制御の原理を述べる。ベクトル制御時に
おける誘導電動機の等価回路は図17に示す如く表わす
ことができる(高山、水野他;平成4年電気学会産業応
用部門全国大会、No. 55)。ただし、各部の定数は、
通常のT形等価回路の定数を、L1 =一次自己インダク
タンス、L2 =二次自己インダクタンス、Rm =等価鉄
損抵抗、M=相互インダクタンス、R2 =二次抵抗とす
ると、次のような関係にある。
【0017】
【数1】 また、I1 =一次電流、I0'=励磁電流、IT =トルク
電流、IC =鉄損電流である。このときの誘導電動機の
全損失WIMは、機械損をWm とすれば前記文献1により
式(1)の通りに表わされる。 WIM=3R11 2+3R2'IT 2 +3RCC 2 +Wm ……(1) また、インバータの損失WINV は、一般に式(2)で表
わされる。 WINV =K11 2+K21(但し、K1 ,K2 =インバータ損失係数) ……(2) ここで、一次電流I1 及び鉄損電流IC は、式(3)で
表わされる。
【0018】
【数2】 式(3)を式(1),(2)にそれぞれ代入すれば各式
は式(4),(5)のようになる。
【0019】
【数3】 したがって、誘導電動機とインバータとの損失の和であ
る総合損失WTOTAL は式(6)の通りとなる。
【0020】
【数4】 ところで、トルク電流IT をトルク指令T* と励磁電流
0'で表わすと式(7)の通りとなる。
【0021】
【数5】 式(7)を式(6)に代入して電流を全て励磁電流で表
わすと式(8)の通りとなる。
【0022】
【数6】 式(8)においてRm',Rm ,ω0 ,Wm は誘導電動機
の回転数に依存する変数である。すなわち、トルク指令
* と回転数を指定すれば総合損失WTOTAL は励磁電流
0'のみに依存する量となる。そこで、励磁電流I0'を
最小値から最大値へ順次変化させて式(8)に代入し、
総合損失WTOTAL が最小となる励磁電流I0'を求める。
また、その値を式(7)に代入すればトルク電流IT
求めることができる。ここで、I0'の最小値は、制御の
安定性から決定するとともに、I0'の最大値は誘導電動
機の鉄心が励磁飽和を起こさない値(回転数に依存)と
する。したがって、外部からのトルク指令入力値とこの
ときの回転数を入力とする電流指令演算の際、(8)式
及び(7)式に基づく総合損失が最小となる電流指令値
を電流制御系に出力してやれば総合効率が最大のベクト
ル制御を行なうことができる。このことは、図14,図
15及び文献1の概略説明で前述したとおりである。か
かる総合効率を最大とするベクトル制御の原理を前提と
して以下実施例を述べる。
【0023】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の主要部を示す
ブロック線図である。この図1は図13の速度制御部2
を電流指令演算器21としており、トルク指令を入力と
する。図1に示すように、電流指令演算器21は、誘導
電動機とインバータとを組み合わせたときの総合損失W
TOTAL を最小にする励磁電流I0'を、トルク指令T*
び速度検出値ωr に基づき所定の演算を行なうことによ
り求めるとともに、このようにして求めた励磁電流I0'
に基づきトルク電流IT を所定の演算を行なうことによ
り求めるよう構成してある。このときの励磁電流I0'は
前記式(8)に基づく演算により、またトルク電流IT
は前記式(7)に基づく演算を行なうことによりそれぞ
れ求めることができる。このようにして求めた励磁電流
0'及びトルク電流IT は電流指令値として電流制御系
6及びすべり周波数演算器4に供給するように構成して
ある。電流制御系6は、図13の電流制御部6と等価な
ブロックであり、本実施例は図13に示す装置を前提と
して電流指令演算器21を追加したものである。
【0024】図2は本発明の第2の実施例の主要部を示
すブロック線図である。同図中、図1及び図13と同一
部分には同一番号を付してある。図2に示すように、電
流指令部22は、トルク指令T* 及び速度検出値ωr
基づき総合損失WTOTAL を最小にする励磁電流I0'及び
トルク電流IT をデータ・テーブル記憶部23から読み
出し、これらを電流指令値として電流制御系6及びすべ
り周波数演算器4に供給するように構成してある。デー
タ・テーブル記憶部22は、前記総合損失WTOTAL を最
小とする励磁電流I0'及びトルク電流IT の値を、トル
ク及び回転数をパラメータとするデータ・テーブルとし
て記憶している。このときのデータ・テーブルは式
(8)及び式(7)に基づく演算により予め形成したも
のである。
【0025】上記第1及び第2の実施例によれば総合損
失WTOTAL を最小にする励磁電流I 0'及びトルク電流I
T が電流制御系6に供給される。このとき、第1の実施
例では演算により励磁電流I0'及びトルク電流IT を求
めているので、演算時間が長く、また構成が複雑となる
のに対し、第2の実施例によれば必要なデータがテーブ
ル化して記憶してあるので所定のデータを読み出すだけ
で良く、全体の処理時間が更に高速化され、より高精度
のベクトル制御を行なうことができる。こうして、励磁
電流I0'とトルク電流IT との演算によりモータやイン
バータを含めた総合損失を最小にすることができる。
【0026】次に、図3〜図9を参照してトルクの振動
をなくし高速磁束応答制御を行なう実施例について述べ
る。図4は、本発明の第3実施例の典型回路ブロックを
示すものであり、図14に対応して最大効率制御部13
と電流制御部6との間に高速磁束応答制御部15を挿入
したものである。図4において、トルク指令T* と実速
度ωr とから励磁電流指令I0'* とトルク電流指令IT *
とが最大効率制御部13から出力される。そして、次段
の高速磁束応答制御部15では、図3に示す回路によっ
て補正した励磁電流指令I0'* 、トルク電流指令IT *
及び座標変換に必要な位置(θ)を求めるための角周波
数ω* を出力する。そして、これら出力は電流制御部6
に入力されることになる。なお、図3,図4にてはすべ
り周波数ωs や極対数Pの演算器14も高速磁束応答制
御部15に入れている。
【0027】図3は、高速磁束応答制御部15を示すブ
ロック図である。この高速磁束応答制御部15として
は、その入力は最大効率制御部13のI0'*,IT * であ
り、電流制御部6への出力はI0 * ,IT * ,ω* であ
る。最大効率制御部13から出力されたI0 *は、相互イ
ンダクタンスMとの積によって磁束指令λ2 * が決定さ
れ、この磁束指令λ2 * は、後述する磁束制御による磁
束の補正値Δλ2 * を加え合せ点121にて加えてλ2'*
とする。このλ2'*に基づく磁束モデル部122にて磁
束推定値λ2 # を得る。λ2'* は、更に乗算器123に
て1/M倍され磁束制御による励磁電流指令I 0'* を得
る。磁束モデル部122の出力である磁束推定値λ2 #
最大効率制御による磁束指令λ2 *とは、加え合せ点12
4にてその差がとられ、係数器125にて設計した伝達
関数G(s)を通して前述した加え合せ点121に磁束の
補正値Δλ2 * として加えられる。更に、磁束推定値λ2
#は係数器126にてMで割算され、更に割算器127
にてトルク電流指令IT * を除算し、係数器128にて
2/L2 を乗算してすべり角周波数指令ωs * を得る。
加え合せ点129ではこの指令ωs * と実速度ωr とを
加え合せて電源角周波数指令ω* を得る。このように磁
束モデル部122による磁束モデルによって磁束指令λ
2'* より磁束を推定することができ高速磁束応答が可能
となる。
【0028】ここで、図3に示す各点について数式によ
り説明すると次のようになる。まず、加え合せ点121
では、次式(9)が入力される。 λ2 * =MI0'* …(9) また、磁束モデル部122では、次式(10)が入力され
る。 λ2'*=λ2 * +Δλ2 * …(10) 磁束の補正値Δλ2 *は、加え合せ点124と係数器12
5とから次式(11)となる。 Δλ2 * =G(s)( λ2 * −λ2 # ) …(11) 磁束推定値λ2 # は磁束モデルにより次式(12)とな
る。 λ2 # =λ2'*{1/(1+L2S/R2 )} …(12) よって、上述の(10)式と(11)式から磁束モデル部1
22の入力として次式(13)が得られる。 λ2'*=λ2 * +G(s) ( λ2 * −λ2 # ) …(13) また、(12)式(13)式とにより次式(14)を得る。 (1+L2S/R22 # =λ2 * +G(s)λ2 * −G(s)λ2 # …(14) この結果、磁束モデル部122の出力値は次式(15)と
なる。 λ2 # =(1+G(s)2 */{1+G(s)+(L2S/R2)}…(15) ここで、推定値λ2 # の応答を(16)式の様に設計す
る。 λ2 # =λ2 */(1+τS) …(16) ここで、τは設計時定数とする。このようにした結果、
(15)式と(16)式とを比較すると次の[数7]に示す
関係となる。
【0029】
【数7】
【0030】この結果、係数器125のフィードバック
ゲインG(s) は比例ゲインとなる。
【0031】図5,図6は0〜1500(rpm)[定
格]のステップ応答を示す。図5にあっては、前述した
従来技術に示す最大効率制御にあって、図15に示すリ
ミッタ45の後段に一次遅れ要素であるクッション回路
を備えた場合の速度,トルク,電流応答であり、図6は
本実施例にて高速磁束応答制御を磁束モデルにて行なっ
た速度,トルク,電流応答を示している。この図5と図
6とのトルク応答は本実施例である図6の方が速くなっ
ており、磁束も速応している。この場合、設計時定数τ
はτ=50(ms)で設計され、トルク応答によりほぼ
設計値どおりとなっている。
【0032】こうして、本実施例における磁束モデルの
推定によって、励磁電流の指令及びすべり指令を磁束モ
デルに基づき制御することにより、磁束や発生トルクの
高速化が図られ、振動も生じない。また、磁束及びトル
クの過渡応答のみを改善するため、IMの最大効率制御
と組合わせても定常状態における効率は変化なく、最大
効率が保たれる。
【0033】図7は図8に示す高速磁束応答制御部を示
したものであり、図8では図4の如く励磁電流I0 、ト
ルク電流IT と異なり、同期回転座標系(d−q座標
系)で示しているが、I1dをI0 ,I1qをIT にてそれ
ぞれ示すことができることは前述のとおりである。図7
は図3に示す回路に対応するもので、同一部分には同符
号を付す。すなわち、入力電流I1d * を係数器120に
て相互インダクタンスM(図3では図示省略)をかけて
磁束指令λ2d * が決定され、磁束の補正値Δλ2d * を加
え合せ点121にて加え、磁束指令λ2d'* を得る。そ
して、この磁束指令λ2d'* を係数器123にて1/M
倍すれば励磁電流指令I1d'* を得る。最小次元磁束オ
ブザーバ130の出力を座標変換した磁束推定値λ2d #
と磁束指令λ2d * とは、加え合せ点124にてその差が
とられ、係数器125にて設計した経緯関数G(s) を通
して前述した加え合せ点121に磁束の補正値Δλ2d *
として加えられる。更に、磁束推定値λ2d # は係数器1
26にてMで割算され、更に割算器127にてq軸電流
1q * を除算し、係数器128にてR2 /L2 を乗算し
すべり角周波数指令ωs * を得る。加え合せ点129で
は、この指令ωs * と実速度ωr とを加え合せて電源角
周波数指令ω* を得る。最小次元磁束オブザーバ130
は、図14に示す座標変換部6の出力V1a ,V 1b、3相
2相変換部8の出力I1a ,I1b及び実速度ωr を入力と
して磁束推定値λ2a # ,λ2b # を得るものであり、座標
変換部131によってd,q軸の磁束推定値λ2d # ,λ
2q # を得るものである。
【0034】図7に示す最小次元磁束オブザーバによる
推定でも、dq軸の違いを除けば図3と全く同様の数式
を導くことができ、係数器125のフィードバックゲイ
ンG (s) も比例ゲインとなる。また、最小次元磁束オブ
ザーバによる推定の結果、0〜1500(rpm)のス
テップ応答につき、速度,トルク,電流応答の結果は図
6にて示す特性とほとんど変りがなかった。この場合
も、時定数τはτ=50(ms)で設計した。
【0035】ここで、最小次元磁束オブザーバについ
て、若干説明する。最小次元磁束オブザーバは磁束の推
定を行なうもので、IMの状態方程式は固定子座標系か
ら諸量を観測するa−b軸にて表すと次式[数8]にて
与えられる。
【0036】
【数8】
【0037】また出力方程式は次式[数9]となる。
【0038】
【数9】
【0039】この[数9]によってi1 が直接観測でき
λ2 のみをオブザーバにて推定すると、推定値λ2 #
次式となる。 λ2 # =A21i1+A22λ2 #+G{Pi1−(A11i1+A12λ2 #+B11)} この式を変形すると次式となる。 λ2 # =(A22−GA12)λ2 #+(A12−GA11)i1−GB11+G・Pi1 この式を図示したのが図9である。この図9はそのまま
図7に当てはめることができ入力i1a ,i1b ,V1a ,V
1bより出力λ2 # を得ることができる。
【0040】本実施例によれば、次の効果が得られる。 励磁電流の指令及びすべり指令を、最小次元磁束オ
ブザーバに基づいて制御することにより、磁束及び発生
トルクの高速化が図られ、振動もなくなる。 磁束及びトルクの過渡応答のみを改善するので、I
Mの最大効率制御と組合せても、定常状態における効率
は変化せず、最大効率は保たれる。 磁束推定に最小次元磁束オブザーバを適用すること
により、モータのパラメータ変動・誤差に対しても精度
良く磁束推定が可能となり、高速磁束応答制御の性能が
向上する。
【0041】図10は図3に対応する高速磁束応答制御
部を示すものである。図10においても図3と同様加え
合せ点121の出力は最大次式(17)になる。 λ2d * +Gλ2d * …(17) したがって、剰算器1/Mによってその最大出力I0'*
は(1+G)λ2d */Mとなる。この場合、励磁電流指
令値I0'* は比例ゲインGの値及び磁束指令λ2d * の変
化量によっては実際のインバータで出力できない大きさ
の電流指令値が出力され、インバータが過電流エラーに
て停止してしまうことがあることは、述べたとおりであ
る。図10においては、剰算器123の次段にリミッタ
134を挿入し過大な電流指令を制限している。
【0042】ここで、インバータ出力可能な電圧VACP
について述べる。入力直流電圧をV DCとするとき交流ピ
ーク値はVDC/2となり、実効値はVDC/2√2 とな
る。そして、相電圧から線間電圧の変換による√3 倍を
加味することにより線間電圧実効値は√3 VDC/2√2
となる。つまり、インバータ出力可能電圧VACP は入力
直流電圧VDCとすると、VACP =√3 VDC/2√2 とな
る。
【0043】他方、誘導機の電圧方程式は電源角周波数
ω0 で回転するa−b軸において、次式[数10]にて
表示される。
【数10】 ところで、ベクトル制御成立時には次式(22)〜(26)
の条件が成立する。すなわち、 ω0 =ωr +ωs …(22) ωs =(I1b/I1a)・(R2/L2) …(23) I1a=const …(24) λ2a=const …(25) λ2b=0 …(26) 上式(24)(25)(26)を式(18)〜(21)に代入する
と次式[数11]を得る。
【数11】 式(22)(23)を式(20)'(21)'に代入すると次式[数
12]となる。
【数12】 この[数12]の式(21)"を式(19)'に代入して整理す
ると次式を得る。 V1b=(R1+PLσ)I1b+ω0(Lσ+M2/L2)I1a ここでL1 =Lσ+M2/L2 であるので、 V1b=(R1+PLσ)I1b+ω011a
【0044】以上の結果上式と式(18)'とからベクトル
制御時の電圧は次式となる。 V1a=R11a−ω0 LσI1b1b=(R1+PLσ)I1b+ω011a ここで、トルク軸電流I1bの定常状態のみを考慮すると
次式を得る。 V1a=R11a−ω0LσI1b1b=R11b+ω011a ここで、R1 1 Lσは電動機定数、ω0 は電源角周波
数、I0'* は励磁電流指令、IT * はトルク電流指令で
ある。上式の回転座標系での2相電圧V0Tにてインバ
ータ出力電圧VACR は次のようになる。
【数13】 本実施例の条件はインバータ出力電圧VACR を出力可能
電圧VACP 以下になるようにすれば良く、VACR とV
ACP との各式にてVDC,R1,L1,Lσ,I0'*
T * ,ω0 の値を代入して、VACP<VACR のときV
ACP=VACR にする。
【数14】 この場合、a=R1 2+ω0 21 2 b=2ω01(L1
Lσ)IT * c=(R1 2+ω0 2d2 T *2 したがって、図10に示すリミッタを(27)式にて出力
することにより出力可能電圧以下のインバータ出力を得
ることができる。
【0045】図11は本実施例にて示すリミッタ付きの
高速磁束制御15を最大効率制御13のシステムに組込
んだシステム構成を示したものである。
【0046】上述の説明においては、図10に示すよう
に入力直流電圧VDCをリミッタ134に入力することに
よりこのVDCをパラメータとして決める励磁電流I0'*
を得てインバータの過電流エラーを防止しようとしたも
のであるが、この実施例ではVDCとは別に図12に示す
ように一次電流最大値I1MAXをリミッタに入力すること
により過電流エラーを防止しようとしている。すなわ
ち、前述の如く最大出力I0'* は(1+G)λ2d * /M
によって示され、この最大出力I0'* にてインバータ過
電流エラーを生じないように、IMの一次電流の最大値
1MAXであるインバータ出力電流にてリミットをかけて
いる。つまり、トルク電流IT、一次電流をI1とすると
次式(28)が得られる。 I1=(I0'2 +IT 2 1/2 …(28) これをインバータ出力電流最大値にて表わすと次式(2
9)となる。 I0'MAX =(I1 2 MAX −IT 2 1/2 …(2
9) したがって、励磁電流の最大値はトルク電流ITをパラ
メータとして(29)式にて与えられる。こうしてI0'
MAX を制御値として励磁電流にリミッタを設ければよ
く、これが図12である。
【0047】図11では直流電圧VDCを高速磁束制御部
に入力する構成であるが、本例では図11の入力VDC
代りにI1MAXを入力することにより、最大I0'MAX が得
られ制限されることになる。
【0048】また、図10、図12それぞれの例を加味
することによりVDCとI1MAXとの双方でリミットをかけ
ることもでき、この双方の条件にてリミットをかけてイ
ンバータの過電流エラーを防止することができる。
【0049】
【発明の効果】以上実施例とともに具体的に説明したよ
うに、本発明によれば、誘導電動機とインバータとを組
合せたときの総合効率を最も高く保持してベクトル制御
を行なうことができる。すなわち、電力消費量を最小に
することができ、全運転領域において高効率な運転が可
能となる。更に他の本発明によれば、磁束を磁束モデル
や最小次元磁束オブザーバにて推定することにより高速
磁束応答が可能となり、磁束制御をしない場合のトルク
の振動の防止はもちろんのこと、トルク応答遅れを改善
することができた。また、他の本発明によれば、磁束制
御時に励磁電流指令の値に対してリミッタを設けること
によりインバータに過電流が流れるのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の主要部を示すブロック
線図。
【図2】本発明の第2の実施例の主要部を示すブロック
線図。
【図3】本発明の第3実施例のブロック図。
【図4】最大効率制御と組合せた簡略ブロック図。
【図5】一次遅れを加えた従来での速度ステップ応答特
性図。
【図6】第3実施例の速度ステップ応答特性図。
【図7】本発明の第4実施例のブロック図。
【図8】最大効率制御と組合せた簡略ブロック図。
【図9】磁束オブザーバのブロック構成図。
【図10】リミッタ付磁束制御のブロック図。
【図11】図10に基づく最大効率制御ブロック図。
【図12】他のリミッタ付磁束制御のブロック図。
【図13】従来技術を示すブロック線図。
【図14】最大効率制御を挿入したベクトル制御のブロ
ック図。
【図15】最大効率制御を主に示すブロック図。
【図16】効率トルク特性線図。
【図17】トルク振動を生ずる従来での速度ステップ応
答特性図。
【図18】ベクトル制御時における誘導電動機の等価回
路を示す回路図。
【符号の説明】
1 誘導電動機 2 速度検出器 6 電流制御部 13 最大効率制御部 15 高速磁束応答制御部 21 電流指令演算器 22 電流指令部 23 データ・テーブル記憶部 122 磁束モデル部 130 最小次元磁束オブザーバ 134 リミッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永山 和俊 東京都品川区大崎二丁目1番17号 株式会 社明電舎内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機の励磁電流とトルク電流とを
    制御する誘導電動機のベクトル制御装置において、 誘導電動機とインバータとを組み合わせたときの総合損
    失を、トルク、回転数及び励磁電流を用いた式に基づき
    任意のトルク指令及び誘導電動機の速度検出値に対し最
    小とする励磁電流を求めるとともに、この励磁電流に基
    づきトルク電流を求め、これらの励磁電流及びトルク電
    流を電流制御系へ送出する電流指令演算器を有すること
    を特徴とする誘導電動機のベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】 誘導電動機の励磁電流とトルク電流とを
    制御する誘導電動機のベクトル制御装置において、 誘導電動機とインバータとを組み合わせたときの総合損
    失を最小とする励磁電流及びトルク電流の値を、トルク
    及び回転数をパラメータとして演算して予め形成したデ
    ータ・テーブルを記憶しているデータ・テーブル記憶部
    と、 外部から供給されるトルク指令及び誘導電動機の速度検
    出値に基づきこれらトルク指令及び速度検出値に対応し
    て前記総合損失を最小にする励磁電流及びトルク電流を
    読み出し、この読み出した励磁電流及びトルク電流を電
    流制御系へ送出する電流指令部とを有することを特徴と
    する誘導電動機のベクトル制御装置。
  3. 【請求項3】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段に励磁電流指令を演算するための
    磁束を推定する磁束モデル部を備えたことを特徴とする
    ベクトル制御装置。
  4. 【請求項4】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段にあって負荷状態に応じて励磁電
    流を調整する最大効率制御部と、 この最大効率制御部と電流制御部との間にあって励磁電
    流指令を演算するための磁束を推定する磁束モデル部
    と、を備えたことを特徴とするベクトル制御装置。
  5. 【請求項5】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段に励磁電流指令を演算するため磁
    束を推定する最小次元磁束オブザーバを備えたことを特
    徴とするベクトル制御装置。
  6. 【請求項6】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段にあって負荷状態に応じて励磁電
    流を調整する最大効率制御部と、 この最大効率制御部と電流制御部との間にあって励磁電
    流指令を演算するため磁束を推定する最小次元磁束オブ
    ザーバと、を備えたことを特徴とするベクトル制御装
    置。
  7. 【請求項7】 励磁電流指令を演算するための磁束を推
    定する磁束モデル部や最小次元磁束オブザーバにて得ら
    れる励磁電流指令値をインバータの最大出力電流を越え
    ないように制限するリミッタを備えたことを特徴とする
    請求項3,4,5又は6記載のベクトル制御装置。
  8. 【請求項8】 リミッタの入力を直流入力電圧及び誘導
    電圧電動機一次電流最大値の少なくとも一方とした請求
    項7記載のベクトル制御装置。
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