JPH09163799A - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置

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JPH09163799A
JPH09163799A JP7316321A JP31632195A JPH09163799A JP H09163799 A JPH09163799 A JP H09163799A JP 7316321 A JP7316321 A JP 7316321A JP 31632195 A JP31632195 A JP 31632195A JP H09163799 A JPH09163799 A JP H09163799A
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current
magnetic flux
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phase
induction motor
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JP7316321A
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English (en)
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Masato Mori
真人 森
Tadashi Ashikaga
正 足利
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導電動機のベクトル制御装置において、制
御上のすべりとモータのすべりとのずれを防止したもの
である。 【解決手段】 励磁電流指令演算に用いる磁束モデル部
122前段に励磁電流指令がインバータ最大電流をこえ
ないリミッタを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機のベク
トル制御装置に係り、特に制御上のすべりと実際のモー
タのすべりとのずれを防止する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来技術に係る誘導電動機のベク
トル制御装置を示すブロック線図である。同図に示すベ
クトル制御装置において、誘導電動機1の速度制御部2
は、速度指令ωr *と速度検出部3からの速度検出値ωr
の偏差から比例積分演算によってトルク電流IT を得
る。トルク電流IT とこれに直交させる励磁電流I0'と
誘導電動機1の二次時定数(τ2 )からすべり周波数演
算部4ですべり周波数ωs を求める。すべり周波数ωs
は、誘導電動機1の速度検出値ωr と加算されて一次角
速度ω0 に変換され、この角速度ω0 は積分演算部5に
よって積分されて位相角θ*として求められる。電流制
御部6はトルク電流IT 及び励磁電流I0'に対して夫々
のトルク電流検出値ITFB 及び励磁電流検出値IOFB
の偏差から比例積分演算による演算を行い、さらに両演
算結果に対して誘導電動機内の干渉分を加減算して回転
座標のトルク軸のトルク軸電圧VT と励磁軸電圧V0
得る。トルク電流検出値ITFB 及び励磁電流検出値I
OFB は誘導電動機1の三相電流検出値から演算される。
この演算は三相電流IU ,IW をA/D変換部7で夫々
ディジタル値に変換し、両者を加算して符号を反転する
ことによってV相の電流検出値IV も求め、各電流値I
U ,IV ,IW から3相2相変換部8で固定座標の二相
交流電流に変換し、これを座標変換部9で回転座標のト
ルク電流ITFB と励磁電流IOFB に変換する。電流制御
部6からの非干渉化した電圧制御信号V0 ,VT は座標
変換部10によって極座標の電圧V1 と位相角φに変換
され、さらに極座標/三相変換部11によって固定座標
の三相電圧VU ,VV ,VW に変換され、PWMインバ
ータ12の出力電圧制御信号にされる。
【0003】上述の如きベクトル制御においては、一般
に、励磁電流I0'が運転状態に関係なく一定に制御され
るため、効率の面から考えれば軽負荷時に銅損や鉄損の
増大による不必要な損失が発生し、効率が低下するとい
う問題がある。
【0004】かかる問題点を解決し、全負荷範囲に亘っ
て効率を高めることができるベクトル制御法も提案され
ている(永山、水野、足利、小林;「ベクトル制御イン
バータによる誘導電動機最大効率制御の一方法」、電気
学会 半導体電力変換研究会資料 資料番号SPC−9
3−88;以下文献1と称す)。この文献1によれば従
来のベクトル制御に最大効率制御部を挿入している。す
なわち、図4に示すように速度指令ωr *と誘導電動機
(IM)1の速度検出器3の検出速度ωr との偏差から
速度制御部2にてトルク指令T* を得て、ついで後述す
る最大効率制御部13にて負荷に応じた励磁電流指令I
0'* とトルク電流指令IT *を得ているものである。この
後は電流制御部6、座標変換部10、2相3相変換部1
1を介してIM1のインバータ制御を行ない、フィード
バック系では3相2相変換部8、座標変換部9を介して
電流実際値を電流制御部6に戻すようにしており、かか
る点は従来からのベクトル制御系と変りはない。また、
速度検出器3の検出速度ωr に演算器14にて極対数P
を加味してすべり角周波数ωs から電源角周波数ωを求
め電流制御部6に直接入力しまた演算器5による積分後
に座標変換部10,9に入力していわゆるすべり周波数
制御を行なっていることも従来の制御系と変りはない。
なお、符号*は指令値を示す。
【0005】図5は、図4に示す最大効率制御部13の
具体的なブロックである。文献1に示すようにトルク指
令T* に割算器41にて3PM’(Pは極対数、M’は
αMで、α=M/L2 でMは相互インダクタンス、L2
は二次自己インダクタンス)で除算するとI0Tを得る
ことになり、更にこの値を演算器42に示すトルク電流
T と励磁電流I0 との比IT/I0=Aを用いて割算器
43にて除算しI0 2を求め、演算器44,45にて平方
根を求め上限、下限のリミッタをかけて励磁電流指令I
0'* を得る。そして、このI0'* を用いて割算器41の
出力を更に割算器46にて除算しトルク電流指令IT *
得る。すべり角周波数ωs はR2/L2(R2 は二次抵
抗)と上記A=IT/I0 に比例する関係にあるので、
係数器47にてIT * にR2/L2 を乗算ししかも割算器
48にてI0'* 除算することにより、すべり角周波数ω
s を得る。この値ωs と演算器14にて極対数Pを加味
した検出速度ωr とを加え合せて電源角周波数ωを得
る。鉄損抵抗算出部49では、鉄損抵抗Rm が周波数に
より変化することを利用して上記角周波数ωにて抵抗R
m を得ている。この抵抗Rm を係数器50にて1/Mの
乗算し、更に掛算器51にて励磁電流指令I0'* との乗
算を行ない、割算器52にて角周波数ωによる除算を行
なった結果、I0'*・(Rm /M)・(1/ω)から鉄損
電流Ic が求まる。加え合せ点53にてこの鉄損電流I
c とトルク電流指令IT *とを加算することによりdq軸
上での電流I1q * が得られ、またI0'* はそのままI1d
* として得られる。なお、図4での最大効率制御部13
の出力は励磁電流指令I0'* 、トルク電流指令IT *なる
表示としているが、前述の関係からdq軸にて電流指令
1d * 及び電流指令I1q * より鉄損電流を除いたものと
同等となる。
【0006】この結果、最大効率の条件は、文献1にも
示すごとくAを(R1+Rm')/(R 1 +R2')の平方根
として求めることができて、(Rm' はαRm 、R2'は
αR2)Aは前述の如くトルク電流と励磁電流との比で
も決定できることから、トルク指令T* に対してI0'*
をT*/(3PM'A)の平方根として、IT * をT*
(3PM'I0'*)として求まり、これら電流値に基づき
一次電流、すべり角周波数が決まり、結局、任意の負荷
状態において効率を最大とすることができる。上記文献
1に開示されている最大効率制御は、誘導電動機の運転
状況に応じて励磁電流を増減することにより効率を改善
するものであり、誘導機単体の効率という点では非常に
優れた制御方法である。しかし、この制御方法は、誘導
機単体の効率を最大とする制御であるため、インバータ
の効率も含めた総合効率という点では必ずしも最大効率
とはならないという問題がある。
【0007】ここで、等価回路を用いて総合効率を最大
とするベクトル制御の原理を述べる。ベクトル制御時に
おける誘導電動機の等価回路は図6に示す如く表わすこ
とができる(高山、水野他;平成4年電気学会産業応用
部門全国大会、No. 55)。ただし、各部の定数は、通
常のT形等価回路の定数を、L1 =一次自己インダクタ
ンス、L2 =二次自己インダクタンス、Rm =等価鉄損
抵抗、M=相互インダクタンス、R2 =二次抵抗とする
と、次のような関係にある。
【0008】
【数1】 また、I1 =一次電流、I0'=励磁電流、IT =トルク
電流、IC =鉄損電流である。このときの誘導電動機の
全損失WIMは、機械損をWm とすれば前記文献1により
式(1)の通りに表わされる。 WIM=3R11 2+3R2'IT 2 +3RCC 2 +Wm ……(1) また、インバータの損失WINV は、一般に式(2)で表
わされる。 WINV =K11 2+K21(但し、K1 ,K2 =インバータ損失係数) ……(2) ここで、一次電流I1 及び鉄損電流IC は、式(3)で
表わされる。
【0009】
【数2】 式(3)を式(1),(2)にそれぞれ代入すれば各式
は式(4),(5)のようになる。
【0010】
【数3】 したがって、誘導電動機とインバータとの損失の和であ
る総合損失WTOTAL は式(6)の通りとなる。
【0011】
【数4】 ところで、トルク電流IT をトルク指令T* と励磁電流
0'で表わすと式(7)の通りとなる。
【0012】
【数5】 式(7)を式(6)に代入して電流を全て励磁電流で表
わすと式(8)の通りとなる。
【0013】
【数6】 式(8)においてRm',Rm ,ω0 ,Wm は誘導電動機
の回転数に依存する変数である。すなわち、トルク指令
* と回転数を指定すれば総合損失WTOTAL は励磁電流
0'のみに依存する量となる。そこで、励磁電流I0'を
最小値から最大値へ順次変化させて式(8)に代入し、
総合損失WTOTAL が最小となる励磁電流I0'を求める。
また、その値を式(7)に代入すればトルク電流IT
求めることができる。ここで、I0'の最小値は、制御の
安定性から決定するとともに、I0'の最大値は誘導電動
機の鉄心が励磁による磁気飽和を起こさない値(回転数
に依存)とする。したがって、外部からのトルク指令入
力値とこのときの回転数を入力とする電流指令演算の
際、(8)式及び(7)式に基づく総合損失が最小とな
る電流指令値を電流制御系に出力してやれば総合効率が
最大のベクトル制御を行なうことができる。このこと
は、図4,図5及び文献1の概略説明で前述したとおり
である。
【0014】図7は第1例で図3の速度制御部2を電流
指令演算器21としており、トルク指令を入力とする。
図7に示すように、電流指令演算器21は、誘導電動機
とインバータとを組み合わせたときの総合損失WTOTAL
を最小にする励磁電流I0'を、トルク指令T*及び速度
検出値ωr に基づき所定の演算を行なうことにより求め
るとともに、このようにして求めた励磁電流I0'に基づ
きトルク電流IT を所定の演算を行なうことにより求め
るよう構成してある。このときの励磁電流I0'は前記式
(8)に基づく演算により、またトルク電流IT は前記
式(7)に基づく演算を行なうことによりそれぞれ求め
ることができる。このようにして求めた励磁電流I0'及
びトルク電流IT は電流指令値として電流制御系6及び
すべり周波数演算器4に供給するように構成してある。
電流制御系6は、図3の電流制御部6と等価なブロック
であり、本実施例は図3に示す装置を前提として電流指
令演算器21を追加したものである。
【0015】図8は第2例で、電流指令部22は、トル
ク指令T* 及び速度検出値ωr に基づき総合損失W
TOTAL を最小にする励磁電流I0'及びトルク電流IT
データ・テーブル記憶部23から読み出し、これらを電
流指令値として電流制御系6及びすべり周波数演算器4
に供給するように構成してある。データ・テーブル記憶
部22は、前記総合損失WTOTAL を最小とする励磁電流
0'及びトルク電流IT の値を、トルク及び回転数をパ
ラメータとするデータ・テーブルとして記憶している。
このときのデータ・テーブルは式(8)及び式(7)に
基づく演算により予め形成したものである。
【0016】上記図7,図8の例によれば総合損失W
TOTAL を最小にする励磁電流I0'及びトルク電流IT
電流制御系6に供給される。このとき、図7の例では演
算により励磁電流I0'及びトルク電流IT を求めている
ので、演算時間が長く、また構成が複雑となるのに対
し、図8の例によれば必要なデータがテーブル化して記
憶してあるので所定のデータを読み出すだけで良く、全
体の処理時間が更に高速化され、より高精度のベクトル
制御を行なうことができる。こうして、励磁電流I0'と
トルク電流IT との演算によりモータやインバータを含
めた総合損失を最小にすることができる。
【0017】次に、図9,図10を参照してトルクの振
動をなくし高速磁束応答制御を行なう場合について述べ
る。図10は、図4に対応して最大効率制御部13と電
流制御部6との間に高速磁束応答制御部15を挿入した
ものである。図10において、トルク指令T* と実速度
ωr とから励磁電流指令I0'* とトルク電流指令IT *
が最大効率制御部13から出力される。そして、次段の
高速磁束応答制御部15では、図9に示す回路によって
補正した励磁電流指令I0'*、トルク電流指令IT *、及
び座標変換に必要な位置(θ)を求めるための角周波数
ω* を出力する。そして、これら出力は電流制御部6に
入力されることになる。なお、図9,図10においては
すべり周波数ωs や極対数Pの演算器14も高速磁束応
答制御部15に入れている。
【0018】図9は、高速磁束応答制御部15を示すブ
ロック図である。この高速磁束応答制御部15として
は、その入力は最大効率制御部13のI0'*,IT * であ
り、電流制御部6への出力はI0'* ,IT * ,ω* であ
る。最大効率制御部13から出力されたI0'*は、相互
インダクタンスMとの積によって磁束指令λ2d * が決定
され、この磁束指令λ2d * は、後述する磁束制御による
磁束の補正値Δλ2d * を加え合せ点121にて加えてλ
2'd *とする。このλ2'd *に基づく磁束モデル部122に
て磁束推定値λ2 # dを得る。λ2'd *は、更に乗算器12
3にて1/M倍され磁束制御による励磁電流指 令I0'
* を得る。磁束モデル部122の出力である磁束推定値
λ2 # dと最大効率制御による磁束指令λ2 * dとは、加え合
せ点124にてその差がとられ、係数器125にて設計
した伝達関数G(s)を通して前述した加え合せ点121
に磁束の補正値Δλ2 * dとして加えられる。更に、磁束
推定値λ2 # dは係数器126にてMで割算され、更に割
算器127にてトルク電流指令IT * を除算し、係数器
128にてR2/L2 を乗算してすべり角周波数指令ωs
* を得る。加え合せ点129ではこの指令ωs * と実速
度ωrとを加え合せて電源角周波数指令ω* を得る。こ
のように磁束モデル部122による磁束モデルによって
磁束指令λ2'd * より磁束を推定することができ高速磁
束応答が可能となる。こうして、磁束モデルの推定によ
って、励磁電流の指令及びすべり指令を磁束モデルに基
づき制御することにより、磁束や発生トルクの高速化が
図られ、振動も生じない。また、磁束及びトルクの過渡
応答のみを改善するため、IMの最大効率制御と組合わ
せても定常状態における効率は変化なく、最大効率が保
たれる。
【0019】図11は図9に対応する高速磁束応答制御
部を示すものである。図11においても図9と同様加え
合せ点121の出力は最大次式(9)になる。 λ2d * +Gλ2d * …(9) したがって、剰算器1/Mによってその最大出力I0'*
は(1+G)λ2d */Mとなる。この場合、励磁電流指
令値I0'* は比例ゲインGの値及び磁束指令λ2d * の変
化量によっては実際のインバータで出力できない大きさ
の電流指令値が出力され、インバータが過電流エラーに
て停止してしまうことがあることは、述べたとおりであ
る。図11においては、剰算器123の次段にリミッタ
134を挿入し過大な電流指令を制限している。
【0020】ここで、インバータ出力可能な電圧VACP
について述べる。入力直流電圧をV DCとするとき交流ピ
ーク値はVDC/2となり、実効値はVDC/(2√2 )と
なる。そして、相電圧から線間電圧の変換による√3 倍
を加味することにより線間電圧実効値は√3 VDC/(2
√2 )となる。つまり、インバータ出力可能電圧VACP
は入力直流電圧VDCとすると、VACP =√3 VDC/(2
√2 )となる。図11に示すように入力直流電圧VDC
リミッタ134に入力することによりこのVDCをパラメ
ータとして決める励磁電流I0'* を得てインバータの過
電流エラーを防止しようとしたものであるが、この例で
はVDCとは別に図12に示すように一次電流最大値I
1MAXをリミッタに入力することにより過電流エラーを防
止しようとしている。すなわち、前述の如くI0'* の最
大出力は(1+G)λ2d * /Mによって示され、この最
大出力I0'* にてインバータ過電流エラーを生じないよ
うに、IMの一次電流の最大値I1MAXであるインバータ
出力電流にてリミットをかけている。つまり、トルク電
流IT、一次電流をI1とすると次式(10)が得られる。 I1=(I0'2 +IT 2 1/2 …(10) これをインバータ出力電流最大値にて表わすと次式(1
1)となる。 I0'MAX =(I1 2 MAX −IT 2 1/2 …(11) したがって、励磁電流の最大値はトルク電流ITをパラ
メータとして(11)式にて与えられる。こうしてI0'
MAX を制限値として励磁電流にリミッタを設ければよ
く、これが図12である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述のベクトル制御に
て誘導電動機の総合効率を高め、更には磁束モデルにて
高速磁束応答が可能となり、また磁束制御にて励磁電流
指令の値に対してリミッタを設けてインバータに流れる
過電流を防止しているが、更に他の問題が生じている。
すなわち、誘導電動機のベクトル制御にあって、制御上
でのすべり角周波数ωs の演算は次式[数7]に基づい
て行なわれる。
【数7】
【0022】しかしながら、図12からも判明するよう
にすべり角周波数ωs 算出用励磁電流I0'* (S)に対する
リミッタは設けられていない。このため励磁電流指令I
0'*がリミッタにかかりある値に制限された時でもI0'*
(S)の制限はない。このため制御上のすべりと実際のモ
ータのすべりとがずれてしまい制御が不安定になる。
【0023】本発明は、すべり角周波数算出用励磁電流
にもリミッタをかけ制御上のすべりと実際上のモータの
すべりとのずれを防止するようにした誘導電動機の制御
装置の提供を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明は次の構成を特徴とする。 (1)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段に磁束指令か
ら励磁電流指令を演算すると共にすべり角周波数を演算
するための磁束を推定する磁束モデル部と、この磁束モ
デル部の前段にあってインバータ電流がインバータ最大
電流を越えないよう上記磁束指令による励磁電流指令を
制限するリミッタを備えたことを特徴とする。 (2)励磁電流指令とトルク電流指令とを入力した電流
制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3相変換後
誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系と、上記
誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘導電動機
の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記電流制御
部に戻す実電流フィードバック系と、を有するベクトル
制御装置において、上記電流制御部の前段に磁束指令か
ら励磁電流指令を演算すると共にすべり角周波数を演算
するための磁束を推定する磁束モデル部と、上記励磁電
流指令を演算する系とすべり角周波数を演算する系それ
ぞれにインバータ出力電流がインバータ最大電流を越え
ないよう励磁電流指令を制限するリミッタを備えたこと
を特徴とする。 (3)(1)又は(2)にて、磁束モデル部の前段に負
荷状態に応じて励磁電流を調整する最大効率制御部を備
えたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】ここで、図1,図2を参照して発
明の実施の形態例を説明する。図1,図2は図12に対
応するもので、同一部分には同符号を付す。すなわち、
磁束指令λ2 * dは加え合せ点121にて磁束の補正値Δ
λ2 * dが加えられて、磁束モデル部122にて磁束推定
値λ2 # dを得るのであるが、この磁束モデル部122の
前段にリミッタ135が介在される。このリミッタ13
5では励磁電流最大値I0'MAX を制限値として励磁電流
指令に対してリミットをかけるものである。
【0026】つまり、ベクトル制御にあって励磁電流I
0'とトルク電流IT と一次電流I1との関係は次式とな
る。 I1 =(I0'2 +IT 21/2 ここにおいて、インバータの出力電流(誘導電動機の一
次電流)の最大値I1M AXとした場合、これを上式に代入
して励磁電流I0'の最大値I0'MAX を表すと次式を得
る。 I0'MAX =(I1 2 MAX −IT 21/2 こうして、励磁電流の最大値I0'MAX はトルク電流IT
をパラメータとして得られることになる。したがって、
リミッタ135では、インバータ出力電流最大値I1MAX
とトルク電流IT とを入力することにより、I0'MAX
制限値として求め、励磁電流指令に対してリミットをか
けている。なおこの場合、すべり角周波数算出用励磁電
流をリミッタ134にて制限することになり、リミッタ
134ではその前段に1/Mの乗算器123を介在して
いる関係上リミッタ135ではI0'MAX をM倍した値に
て制限するリミッタとなっている。この結果、ωs にて
得られるすべりとモータの励磁電流I0'* とのずれを防
止することができる。
【0027】図2は、他の実施形態例であり、図1では
リミッタ134,135の2回路を設けたのであるが、
図2ではこれらリミッタをまとめて加え合せ点121の
直後にリミッタ136を備えたものである。この場合も
すべり周波数演算系と励磁電流指令系とに分かれる前段
にリミッタ136を配置しているので、1個のリミッタ
136で足りることになる。
【0028】上述の説明では、高速磁束応答制御につい
てリミッタを備える構造としたものであるが、これと最
大効率制御とを組み合せた構成についても適用は可能で
ある。
【0029】
【発明の効果】磁束制御を行う際に、励磁分電流指令が
リミッタにかかった場合それと同時にすべり角周波数算
出用励磁電流もリミットして制御上のすべりと実際のモ
ータのすべりを一致させる事により、電流リミット時の
制御の不安定を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁束制御の一例の制御系ブロック図。
【図2】磁束制御の他の例の制御系ブロック図。
【図3】従来技術を示すブロック線図。
【図4】最大効率制御を挿入したベクトル制御のブロッ
ク図。
【図5】最大効率制御を主に示すブロック図。
【図6】ベクトル制御時における誘導電動機の等価回路
を示す回路図。
【図7】系全体の最大効率制御の一例を示すブロック線
図。
【図8】系全体の最大効率制御の他の例を示すブロック
線図。
【図9】高速磁束応答制御のブロック図。
【図10】最大効率制御と組合せた簡略ブロック図。
【図11】リミッタ付磁束制御のブロック図。
【図12】他のリミッタ付磁束制御のブロック図。
【符号の説明】
121,124 加え合せ点 122 磁束モデル部 123,126 乗算器 134,135,136 リミッタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段に磁束指令から励磁電流指令を演
    算すると共にすべり角周波数を演算するための磁束を推
    定する磁束モデル部と、 この磁束モデル部の前段にあってインバータ出力電流が
    インバータ最大電流を越えないよう上記磁束指令による
    励磁電流指令を制限するリミッタを備えたことを特徴と
    する誘導電動機のベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】 励磁電流指令とトルク電流指令とを入力
    した電流制御部にて得られた出力を座標変換及び2相3
    相変換後誘導電動機のインバータ制御を行なう主回路系
    と、上記誘導電動機の速度フィードバック系と、上記誘
    導電動機の検出三相電流を3相2相及び座標変換後上記
    電流制御部に戻す実電流フィードバック系と、を有する
    ベクトル制御装置において、 上記電流制御部の前段に磁束指令から励磁電流指令を演
    算すると共にすべり角周波数を演算するための磁束を推
    定する磁束モデル部と、 上記励磁電流指令を演算する系とすべり角周波数を演算
    する系それぞれにインバータ出力電流がインバータ最大
    電流を越えないよう励磁電流指令を制限するリミッタを
    備えたことを特徴とする誘導電動機のベクトル制御装
    置。
  3. 【請求項3】 磁束モデル部の前段に負荷状態に応じて
    励磁電流を調整する最大効率制御部を備えたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の誘導電動機のベクトル制御
    装置。
JP7316321A 1995-12-05 1995-12-05 誘導電動機のベクトル制御装置 Pending JPH09163799A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007267510A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Kawasaki Heavy Ind Ltd インバータ駆動装置および駆動方法
JP2012527859A (ja) * 2009-05-18 2012-11-08 ボンバルディール・トランスポーテイション・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 電流変換器供給される三相交流機のコントロールにおける過剰電流の制限

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