JP3754740B2 - 誘導モータのトルク制御方式およびトルク制御装置 - Google Patents

誘導モータのトルク制御方式およびトルク制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導モータのトルク制御方式に関し、特にモータの1次電流を制御することによって間接的に出力トルクを制御するトルク制御方式および該制御方式を実現するトルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導モータにおいて、1次巻線抵抗をR1 ,2次巻線抵抗をR2 とし、また、1次巻線の漏れインダクタンスをl1 ,2次巻線の漏れインダクタンスをl2 ,1次−2次巻線間の相互インダクタンスをM1 とする。また、1次電流i1 ,2次磁束φ2 ,および1次電圧v1 をベクトル表示すると、それぞれ以下の式(1),(2),(3)で表される。
【0003】
【数1】
Figure 0003754740
また、1次電流の瞬時角速度指令をω0 (初期値は0とする)で表した場合には、1次電流の位相指令θ0 は1次電流の瞬時角速度指令ω0 を時間積分した以下の式(4)で表される。
【0004】
【数2】
Figure 0003754740
また、電気角で表示したロータの瞬時角速度をωre(初期値は0とする)とすると、機械角で表示したロータの瞬時角速度ωr は極対数をpとすると、ωreを極対数pで除した以下の式(5)で表される。
ωr =ωre/p …(5)
また、すべり角速度ωs は以下の式(6)で示されるように、1次電流の瞬時角速度指令ω0 と電気角表示のロータの瞬時角速度ωreとの差によって表される。
ωs =ω0 −ωre …(6)
また、すべり位相θs はすべり角速度ωs を時間積分として以下の式(7)で表される。
【0005】
【数3】
Figure 0003754740
また、誘導モータのトルク制御をd−q座標上で取り扱うための回転行列R(θ),行列I,J,3相から2相への変換行列Tはそれぞれ以下の式(8)〜(11)で表される。
【0006】
【数4】
Figure 0003754740
d−q座標上の1次電流i1',1次電流指令値i1'* ,2次磁束φ2',単位ベクトルa(η),および1次電圧v1'を上記した行列を用いて表すと、それぞれ以下の式(12)〜(16)で表される。
【0007】
【数5】
Figure 0003754740
また、インダクタンスについて以下の式(17)〜(23)によって各変数を定めておく。
M=3M1 /2 …(17)
1 =l1 +M …(18)
2 =l2 +M …(19)
σ=1−M2 /L1 2 …(20)
ρ=(1−σ)/σ …(21)
λ1 =R1 /σL1 …(22)
λ2 =R2 /L2 …(23)
ここで、d−q座標上において誘導モータの状態方程式は、上記したベクトル変数や行列式を用いて一般に以下の式(24)で表され、出力τは以下の式(25)で表されることが知られている。
【0008】
【数6】
Figure 0003754740
【0009】
【数7】
Figure 0003754740
従来、誘導モータの出力トルクを制御する場合、トルク指令τ* に対してd−q座標上の1次電流指令値i1'* を以下の式(26)とし、
【0010】
【数8】
Figure 0003754740
すべりωs を以下の式(27)とし、1次電流指令値i1'を制御することによって出力トルクの制御を行っている。
ωs =Mλ2 iq /φd# …(27)
ただし、φd#はd軸の2次磁束φd の観測値あるいは推定値であり、定常的にはφd に一致するものである。
【0011】
上記した従来のトルク制御は、出力τを表す前記式(25)において、d軸方向の磁束φd を一定値φ* としq軸方向の磁束φq を0とすることによって、q軸電流iq によって出力τを制御するものである。
【0012】
ここで、前記式(24)の定常状態においてφd =φ* ,φq =0とすると、式(24)中のdφ2'/dt=0から、d軸電流指令id*は以下の式(28)で表される。
id*=φ* /M …(28)
また、q軸電流指令iq*は式(25)から以下の式(29)で表される。
iq*=L2 τ* /pMφ* …(29)
上記式(28),(29)は、前記式(26)のベクトルの成分を表している。
【0013】
また、式(24)中のφq について書き出すと以下の式(30)となる。
dφq /dt=−λ2 φq +Mλ2 iq −ωs φd …(30)
ここで、すべりωs を前記式(27)とすると、式(30)の微分方程式との解φq は時定数λ2 で収束することになる。
【0014】
したがって、式(26)によって1次電流指令値i1'* を算出し、式(27)によってすべりωs を算出し、1次電流指令値i1'* と1次電流i1'との差ec ' =i1'* −i1'と、d−q座標上の2次磁束の時間微分dφ2'/dtが定常状態において零となるよう制御を行うと、この制御によって、誘導モータは、上記式(24)の状態方程式が定常状態に達すると以下の式(31)となる。
(λ2 I+ωs J)φ2'=Mλ2 1'* …(31)
この式(31)に前記式(26),(27)を代入すると、以下の式(32),(33)が得られる。
【0015】
【数9】
Figure 0003754740
したがって、式(25),(26),(33)から、定常状態における出力τは以下の式(34)となり、出力τとトルク指令τ* と一致することになる。
【0016】
【数10】
Figure 0003754740
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトルク制御方式では、トルク指令の大きさにかかわりなく常にd軸電流id が流れるため、誘導モータの効率が低下するという問題点がある。前記式(26)に示すように、従来のトルク制御方式ではトルクτを制御するためのq軸電流iq に加えて、d軸電流id が流れている。このd軸電流id はφ* /Mで表されφ* は一定値であるため、誘導モータの出力が零の場合であっても常に一定の大きさの電流が流れることになる。出力電流はこの一定のd軸電流id と出力に応じて増加するq軸電流のベクトル和であるため、軽負荷時においてはd軸電流id による誘導モータおよびインバータの損失の比率が増加し、結果として誘導モータの効率の低下を招くことになる。
【0018】
例えば、図2において、q軸電流の大きさがi1qでd軸電流の大きさがi1dの出力電流i1 と、q軸電流の大きさがi2q(=i1q)でd軸電流の大きさがi2d(>i1d)の出力電流i2 とを比較すると、両出力電流のq軸電流の大きさが等しいため同じ出力トルク値となるが、d軸電流が大きな出力電流i2 はトータルの電流値が大きいため、供給した電流に対して得られるトルク値は相対的に小さくなることになる。
【0019】
このような問題点を解決する手段として、φ* の値をトルク指令τ* の値に応じて変化させる方式が考えられている。しかしながら、磁束φ* とトルク指令τ* との関係が不明であるため、最適な制御を行わせるφ* の定め方は知られていない。そこで、例えば図3に示すように、誘導モータが持つ最大トルクτmax に対する最大磁束φ* max と、トルク指令τ* が零の場合の磁束φ* 0との間を直線補間し、与えられたトルク指令τ* に対する磁束φ* を求める方式が考えられるが、トルク制御が最適に行われているとは限らない。
【0020】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決して、誘導モータの1次電流の制御によって出力トルクの制御を行う制御方式において、トルク指令に応じた1次電流を流し、軽負荷時における効率低下を防止して効率制御を行うことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
誘導モータが定常状態にある場合には、前記式(24)のφ2'にかかわる部分からφ2'は以下の式(35)で表される。
なお、誘導モータにおける各記号は前記式(1)〜(23)と同様であり、d−q座標上における誘導モータの状態方程式および出力τも式(24),(25)によって表されるため、ここでの説明は省略する。
φ2'=(λ2 I+ωs J)-1Mλ21' …(35)
この式(35)を前記出力トルクτの式(25)中に代入して整理すると、トルク指令τ* は、すべりωs を変数とする以下の式(36)で表される。
【0022】
【数11】
Figure 0003754740
ここで、xを制御パラメータとし、すべりωs を以下の式(37)で定めると、
【0023】
【数12】
Figure 0003754740
前記式(36)から1次電流i1'の大きさを表すユークリッドノルムは以下の式(38)のように、モータ固有の定数L2 /pM2 とパラメータxとトルク指令τ* によって表される。
【0024】
【数13】
Figure 0003754740
したがって、前記式(38)の関係から、d−q座標上において1次電流指令i1'* は以下の式(39)で表されるように、トルク指令τ* に対応する値として表される。
【0025】
【数14】
Figure 0003754740
式(39)において、L2 /pM2 はモータに固有の定数であり、xはモータや制御装置における制御条件で定まる制御パラメータである。また、式(39)は、1次電流指令値i1'* は図4に示すようにd−q座標上において、半径が前記式(39)の平方根の値の円上にあることを示しており、変数η(0≦η≦2π)を変えることによって、d軸電流指令値id*,およびq 軸電流指令値iq*を設定することができる。
【0026】
したがって、式(39)に従って1次電流指令値i1'* を算出し、1次電流指令値i1'* と1次電流i1'との差ec ' =i1'* −i1'と、d−q座標上の2次磁束の時間微分dφ2'/dtが定常状態において零となるよう制御する。この制御によって、誘導モータは、前記式(24)の状態方程式が定常状態に達すると以下の式(40),(41)となる。
【0027】
【数15】
Figure 0003754740
そして、式(25),(39),および(41)から、定常状態における出力トルクτを求めると以下の式(42)となり、トルク指令値τ* と一致する。
【0028】
【数16】
Figure 0003754740
したがって、前記式(39)に従ってd−q座標上の1次電流指令値i1'* を定めることによって、定常状態(i1'* −i1'=0)ではトルク指令τ* に応じた1次電流i1'を流がすことができ、これによって、従来の制御方式で発生する軽負荷時における効率低下を防止することができる。
【0029】
また、式(37)に示すように、すべりωs を制御パラメータx,トルク指令τ* の符号,モータ固有の定数λ2 の積により定めることによって、式(39)に示すように、1次電流指令値i1'* をトルク指令値τ* に応じて定めることができる。
【0030】
また、式(37)において、制御パラメータxを変化させることによって、誘導モータやインバータ等の制御装置における条件に応じたすべりωs に対応させることができ、効率的な制御を行うことができる。
【0031】
したがって、本発明は、誘導モータの1次電流の制御によって誘導モータの出力トルクを制御するトルク制御方式において、1次電流をトルク指令値に応じて定められたd−q座標上の1次電流指令値とすることによって、トルク指令に応じた1次電流を誘導モータに流し、軽負荷時における効率低下を防止して効率制御を行う。
【0032】
また、前記変数xを制御パラメータとし、誘導モータの2次巻線の漏れインダクタンスl2 と相互イダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値M(=3M1 /2)の和(l2 +M)を、相互インダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値Mの自乗値M2 と誘導モータの極対数pとの積pM2 で除した値(l2 +M)/pM2 を第1の定数とし、誘導モータの2次巻線抵抗R2 を2次巻線の漏れインダクタンスl2 と相互インダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値Mの和(l2 +M)で除した値R2 /(l2 +M)を第2の定数とすると、1次電流は、誘導モータ固有の第1の定数および制御パラメータにより算出される値とトルク指令値から算出することができ、また、制御パラメータは、誘導モータのすべりの関数とし、該すべりを制御パラメータとトルク指令の符号とモータの固有の第2の定数の積により定めることができる。
【0033】
また、誘導モータの1次電流を制御することによって誘導モータの出力トルクを制御するトルク制御装置において、制御パラメータ,誘導モータ固有の第1の定数およびトルク指令値からd−q座標上の1次電流指令値を算出する手段と、制御パラメータとトルク指令の符号と誘導モータの固有の第2の定数からすべりを算出する手段と、誘導モータの1次電流を検出する手段と、検出した1次電流とすべりからd−q座標上の1次電流を求め、該1次電流とd−q座標上の1次電流指令値との差を零とし、d−q座標上の2次磁束の時間微分を零とするよう誘導モータを制御する制御手段とを備えることによって、誘導モータのトルク制御装置を構成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の誘導モータのトルク制御方式を実現する制御装置の一実施の形態を説明するブロック線図である。なお、図1に示すブロック線図は、トルク指令τ* を受け、1次電流を入力したトルク指令τ* に応じてd−q座標上の1次電流指令値とすることによって、トルク指令に応じた1次電流を誘導モータに流す制御を行うものである。
【0035】
誘導モータ5は、2次巻線の漏れインダクタンスl2 ,1次−2次巻線間の相互インダクタンスM1 ,誘導モータの極対数p,2次巻線抵抗R2 の固有値を持ち、該誘導モータのトルク制御を行う制御装置は、2次巻線の漏れインダクタンスl2 と1次−2次巻線間の相互インダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値Mの和(l2 +M)を、相互インダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値Mの自乗値M2 と誘導モータの極対数pとの積pM2 で除した値(l2 +M)/pM2 を第1の定数とし、誘導モータの2次巻線抵抗R2 を2次巻線の漏れインダクタンスl2 と1次−2次巻線間の相互インダクタンスM1 に係数3/2を乗じた値Mの和(l2 +M)で除した値R2 /(l2 +M)を第2の定数として備え、また、ロータの角速度ωre(電気角)を検出する速度検出手段と、1次電流i1 を検出する電流検出手段を備えている。
【0036】
制御装置は、1次電流指令演算部1とすべり演算部2と位相演算部3と1次電流制御部4とを備え、トルク指令τ* と制御パラメータとして変数xを入力し、誘導モータの出力トルクτの制御を行う。
【0037】
1次電流指令演算部1は、トルク指令τ* と制御パラメータxを入力し、制御装置が備えた任意の定数ηおよびモータ固有の第1の定数(l2 +M)/pM2 を用いて、前記式(39)に従ってd−q座標上の電流指令i1*を算出し、1次電流制御部4に入力する。すべり演算部2はトルク指令τ* と制御パラメータxを入力し、制御装置が備えたモータ固有の第2の定数R2 /(l2 +M)を用いて、前記式(37)に従ってすべりωs を算出する。位相演算部3は、すべりωs と速度検出手段によって検出されたロータの角速度ωre(電気角)との和(ωs +ωre)によって得られる1次電流の角速度指令ω0 を入力し、前記式(7)に従って積分し1次電流位相指令θs を算出する。位相演算部3は、算出した1次電流位相指令θ0 を1次電流制御部4に入力する。
【0038】
1次電流制御部4は、d−q座標上の1次電流指令i1'* と誘導モータ5の電流検出手段によって検出した1次電流i1 を入力し、d−q座標上の1次電流指令値i1'* とd−q座標上に変換した1次電流i1'との差ec ' =i1'* −i1'を求め、該差が零となるよう制御を行う。また、1次電流制御部4は、1次電流位相指令θs を入力して前記式(14)に従って変換されるd−q座標上の2次磁束φ2'の時間微分dφ2'/dtを定常状態において零とする制御を行う。
【0039】
この制御を行うことによって、前記式(42)に示すように誘導モータ5の出力トルクτは入力されたトルク指令τ* と一致する。
【0040】
また、誘導モータ5を駆動する条件は制御パラメータxを変更することによって代えることができ、逆に誘導モータ5の駆動条件に対応した制御パラメータxを制御装置に入力することによって、該駆動条件に対応した最適な制御を行うことができる。
【0041】
次に、誘導モータの駆動条件に応じた制御パラメータの設定について説明する。
(設定例1)
誘導モータへの電力供給はインバータを介して制御される。一般にインバータで発生する損失は熱として放出される。インバータの冷却能率が低い場合には、この損失による発熱によってインバータの効率が低下することになる。そこで、本発明のトルク制御方式を用いる実施例として、インバータの損失を最小とするトルク制御を行う場合を説明する。
【0042】
インバータの損失は、誘導モータに流すd−q座標上の1次電流i1'* の大きさを表すユークリッドノルムの2乗値‖i1'* ‖2 に比例すると仮定することができる。そこで、誘導モータの出力トルクτの大きさ|τ|と‖i1'* ‖2 の比|τ|/‖i1'* ‖2 が最大となるような制御を行うことによって、インバータの損失を最小とするトルク制御を行うことができる。
【0043】
出力トルクτを表す式(39)から以下の式(43)が得られる。
【0044】
【数17】
Figure 0003754740
上記式(43)において、等号が成り立つのは制御パラメータxが1の場合である。そこで、前記式(39)中の制御パラメータxに1を代入してd−q座標上の1次電流指令値i1'* を求め、また、前記式(37)中の制御パラメータxに1を代入してすべりωs を求め、d−q座標上の1次電流指令値i1'* とd−q座標上に変換した1次電流i1'との差ec ' =i1'* −i1'が零となるよう制御を行い、また、d−q座標上の2次磁束の時間微分dφ2'/dtを零とする制御を行う。
【0045】
この制御によって、記式(24)の状態方程式が定常状態に達したとき、比|τ|/‖i1'* ‖2 は最大となり、インバータの損失を最小とするトルク出力制御を行うことができる。
【0046】
(設定例2)
また、誘導モータの冷却能率が低い場合には、誘導モータの低下することになる。そこで、本発明のトルク制御方式を用いる実施例として、誘導モータの損失を最小とするトルク制御を行う場合を説明する。
誘導モータへの入力をPinとすると、該Pinは定常状態では前記式(24),(37),および(41)から次の式(44)で表され、また、誘導モータの出力Pout 次の式(45)で表される。
【0047】
【数18】
Figure 0003754740
前記式(44),(45)から、モータの効率Pout /Pinは以下の式(46)で表される。
【0048】
【数19】
Figure 0003754740
なお、τ* ≧0,ωre≧0とする。
上記式(46)において、等号が成り立つのは以下の式(47)の場合である。
【0049】
【数20】
Figure 0003754740
そこで、前記式(39)中の制御パラメータxに式(47)で示す値を代入してd−q座標上の1次電流指令値i1'* を求め、また、前記式(37)中の制御パラメータxに式(47)で示す値を代入してすべりωs を求め、d−q座標上の1次電流指令値i1'* とd−q座標上に変換した1次電流i1'との差ec ' =i1'* −i1'が零となるよう制御を行い、また、d−q座標上の2次磁束の時間微分dφ2'/dtを零とする制御を行う。
【0050】
この制御によって、前記式(24)の状態方程式が定常状態に達したとき、モータの効率Pout /Pinは最大となり、誘導モータの損失を最小とするトルク出力制御を行うことができる。
【0051】
また、インバータに印加する電圧に上限を設定した場合や、誘導モータの磁束飽和による‖φ2'‖の上限設定等の場合についても、制御パラメータxの値を設定することによって、トルク指令に応じた1次電流を流す制御を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、誘導モータの1次電流の制御によって出力トルクの制御を行う制御方式において、トルク指令に応じた1次電流を流し、軽負荷時における効率低下を防止して効率制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導モータのトルク制御方式を実現する制御装置の一実施の形態を説明するブロック線図である。
【図2】d−q座標上の電流成分を説明するための図である。
【図3】従来のトルク指令に対する磁束の設定を説明する図である。
【図4】d−q座標上の1次電流指令値を説明する図である。
【符号の説明】
1 1次電流指令演算部
2 すべり演算部
3 位相演算部
4 1次電流演算部
5 誘導モータ

Claims (4)

  1. 誘導モータの一次電流制御によって出力トルクを制御するトルク制御方法において、
    前記一次電流は、誘導モータ固有の第1の定数、制御パラメータ、及びトルク指令から算出し、
    前記第1の定数は、誘導モータの2次巻線の漏れインダクタンスと相互インダクタンスに係数を乗じた値との和、相互インダクタンスに係数を乗じた値の自乗値と誘導モータの極対数との積で除した値であることを特徴とする誘導モータのトルク制御方法。
  2. 制御パラメータとトルク指令の極性とモータ固有の第2の定数から誘導モータのすべりを算出し、
    前記第2の定数は、誘導モータの2次巻線の巻線抵抗2次巻線の漏れインダクタンスと相互インダクタンスに係数を乗じた値との和で除した値であることを特徴とする、請求項1に記載の誘導モータのトルク制御方法。
  3. 誘導モータの一次電流制御によって出力トルクを制御するトルク制御装置において、
    誘導モータ固有の第1の定数、制御パラメータ、及びトルク指令から一次電流を算出する一次電流演算手段を備え、
    前記第1の定数は、誘導モータの2次巻線の漏れインダクタンスと相互インダクタンスに係数を乗じた値との和、相互インダクタンスに係数を乗じた値の自乗値と誘導モータの極対数との積で除した値であることを特徴とする誘導モータのトルク制御装置。
  4. 制御パラメータとトルク指令の極性とモータ固有の第2の定数から誘導モータのすべりを算出するすべり演算手段を備え、
    前記第2の定数は、誘導モータの2次巻線の巻線抵抗2次巻線の漏れインダクタンスと相互インダクタンスに係数を乗じた値との和で除した値であることを特徴とする、請求項3に記載の誘導モータのトルク制御装置。
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